JP2005270871A - 浸漬塗布方法および浸漬塗布装置 - Google Patents

浸漬塗布方法および浸漬塗布装置 Download PDF

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健治 平井
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健 松原
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Abstract

【課題】 タンク内の塗布液に気泡が発生しにくい浸漬塗布方法を提供する。
【解決手段】 サブタンク内の塗布液に被塗布物を浸漬させる浸漬塗布ステップと、メインタンク内に貯留された補充用の塗布液中に前記サブタンクを沈めてサブタンク内に塗布液を補充する塗布液補充ステップとを含む浸漬塗布方法において、前記サブタンクに、サブタンクの塗布液貯留容量を変更するための貯留容量変更手段が設け、前記浸漬塗布ステップにおいて被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させ、前記塗布液補充ステップにおいてサブタンクに塗布液を補充する際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、浸漬塗布方法および当該浸漬塗布方法に用いられる浸漬塗布装置に関する。
従来から、被塗布物を上下に移動させることによって、タンク内に貯留した塗布液に被塗布物を浸漬させて、被塗布物の表面に塗装を施す浸漬塗布方法が知られている(特許文献1)。
一方、被塗布物を移動させるのではなく、塗布液を貯留したタンクの方を移動させ、被塗布物を塗布液に浸漬させる浸漬塗布方法も公然に知られている。このようにタンクを移動させる浸漬塗布方法は、被塗布物を上下に移動させることができない場合に有効である。被塗布物を上下に移動させることができない場合とは、例えば、複数の工程からなる生産ラインの一工程として浸漬塗布が行われるため、被塗布物を各工程に順次移動させなければならず、当該被塗布物を把持する把持部材に被塗布物を上下させる機構を設けることが構造上困難な場合等である。
図5は、塗布液を貯留したタンクを移動させる従来の浸漬塗布方法を示す工程図である。図5において、被塗布物150は、無電極放電ランプのガラスバルブであって、塗布液は、ガラスバルブの表面にガラス破片の飛散防止用被膜を形成するためのシリコーン樹脂である。
図5(a)に示すように、メインタンク110には、予め塗布液が貯留されており、当該塗布液中にサブタンク120が沈められている。この状態において、サブタンク120は塗布液で満たされている。また、サブタンク120の上方には、把持部材151に把持された被塗布物150が配置されている。そして、図5(b)に示すように、サブタンク120を上昇させると、当該サブタンク120の塗布液中に被塗布物150が浸漬する。
次に、図5(c)に示すように、サブタンク120を降下させると、塗布液中から取り出された被塗布物150の表面には塗布液が塗布されている。ただし、被塗布物150には、余剰の塗布液が付着しているため、当該被塗布物150からは塗布液が滴り落ちる。そこで、塗布後の被塗布物150を、把持部材151によって、サブタンク120の上方から隔壁111によって仕切られた回収槽130の上方へと水平に移動させ、当該回収槽130内で被塗布物から滴り落ちる塗布液を回収する。
そして、図5(d)に示すように、メインタンク110の塗布液中にサブタンク120が完全に沈むと、当該サブタンク120内が塗布液で満たされ、当該サブタンク120への塗布液の補充が完了する。
特開平3−131366号公報
上記のような浸漬塗布方法においては、図5(b)に示すように、サブタンク120の塗布液中に被塗布物150を浸漬させる際、サブタンク120から溢れた塗布液が、メインタンク110内へ落ちるため、メインタンク110の塗布液に気泡160が発生する。また、図5(c)に示すように、サブタンク120内にメインタンク110の塗布液が流れ込む際にも、液面間に落差があるため気泡160が発生する。さらに、図5(d)に示すように、回収槽130に滴り落ちた塗布液によって発生した気泡160が、隔壁111の下方からサブタンク120側へ回り込む。
特に、塗布液がシリコーン樹脂のような粘度が高い液体の場合は、気泡160が一旦発生すると消泡しにくく、浸漬塗布を繰り返し行うと、図5(d)に示すように、メインタンク110の塗布液中の気泡160が増加する。このような気泡160は、被塗布物150を浸漬させるサブタンク120の塗布液にも入り込むため、やがては当該被塗布物150の表面に付着する。被塗布物150に付着した気泡160が消泡することなく残留すると、塗布液を乾燥させた後に気泡160の跡が残り、当該被塗布物150の外観が著しく損なわれる。
そこで、本発明は、タンク内の塗布液に気泡が発生しにくい浸漬塗布方法および浸漬塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る浸漬塗布方法は、サブタンク内の塗布液に被塗布物を浸漬させる浸漬塗布ステップと、メインタンク内に貯留された補充用の塗布液中に前記サブタンクを沈めてサブタンク内に塗布液を補充する塗布液補充ステップとを含む浸漬塗布方法であって、前記サブタンクには、サブタンクの塗布液貯留容量を変更するための貯留容量変更手段が設けられており、前記浸漬塗布ステップにおいて被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させ、前記塗布液補充ステップにおいてサブタンクに塗布液を補充する際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させることを特徴とする。
また、本発明に係る浸漬塗布方法の特定の局面では、前記塗布液は、粘度が0.8〜12Pa・sの範囲であることを特徴とする。なお、塗布液の粘度は、回転式粘度計を用いて、液温20℃、スピンドル回転数10rpmで10分後に測定した。測定には、0.09MPaの真空下で10分間脱泡処理した塗布液を用いた。なお、塗布液の液温が20℃でない場合には、あらかじめ測定して記録された温度と粘度との相関にしたがって、測定値を20℃のときの値に換算して求めた。
さらに、本発明に係る浸漬塗布方法の他の特定の局面では、前記被塗布物は、発光管のガラスバルブであることを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る浸漬塗布方法のさらに他の特定の局面では、前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された膨縮自在な袋体と、この袋体内の流体の量を調整する調整手段とを備え、前記袋体内の流体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係る浸漬塗布方法のさらに他の特定の局面では、前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体と、この箱体内の気体の量を調整する調整手段とを備え、前記箱体内の気体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする。
本発明に係る浸漬塗布装置は、被塗布物を浸漬させるための塗布液が入ったサブタンクと、補充用の塗布液が貯留され、前記塗布液中にサブタンクを沈めてサブタンク内に塗布液を補充するメインタンクとを備えた浸漬塗布装置であって、前記サブタンクには、サブタンクの塗布液貯留容量を変更するための貯留容量変更手段が設けられており、前記貯留容量変更手段は、被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させるとともに、サブタンクに塗布液を補充する際、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させることを特徴とする。
また、本発明に係る浸漬塗布装置の特定の局面では、塗布後の被塗布物から落下する余剰の塗布液を回収するための回収タンクが、メインタンクとは別途に設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る浸漬塗布装置の他の特定の局面では、前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された膨縮自在な袋体と、この袋体内の流体の量を調整する調整手段とを備え、前記袋体内の流体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする。
さらに、本発明に係る浸漬塗布装置の他の特定の局面では、前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体と、この箱体内の気体の量を調整する調整手段とを備え、前記箱体内の気体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする。
本発明に係る浸漬塗布方法は、貯留容量変更手段によって、被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させるとともに、サブタンクに塗布液を補充する際、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させるため、浸漬塗布ステップおよび塗布液補充ステップにおいてタンク内の塗布液中に気泡が発生することがなく、塗布液を乾燥させた後に気泡の跡が残らないため、被塗布物の外観を良好に仕上げることができる。
また、前記塗布液の粘度が、0.8〜12Pa・sの範囲である場合は、気泡が発生しやすくまた一旦発生した気泡が消泡されにくいため、気泡が発生しない本発明が特に有効である。
さらに、前記被塗布物が、発光管のガラスバルブである場合は、塗布液乾燥後に気泡の跡が残っていると外観が著しく損なわれるため、本発明は気泡が発生しない本発明が特に有効である。
さらにまた、上記浸漬塗布方法において、前記貯留容量変更手段が、サブタンク内に配置された袋体を膨縮させて前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更する場合は、前記袋体に充填する流体として様々な気体や液体を利用することができる。
さらにまた、上記浸漬塗布方法において、前記貯留容量変更手段が、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体を備え、前記箱体内の気体の容積を変更することによって、前記サブタンク内の塗布液貯留容量を変更する場合、前記箱体は、前記袋体のように破れる虞がなく、破れるのを防止のために定期的に交換するメンテナンスも不要である。
本発明に係る浸漬塗布装置は、被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させるとともに、サブタンクに塗布液を補充する際、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させる容積変更手段を備えているため、タンク内の塗布液中に気泡が発生することがなく、塗布液を乾燥させた後に気泡の跡が残らないため、被塗布物の外観を良好に仕上げることができる。
また、塗布後の被塗布物から落下する余剰の塗布液を回収するための回収タンクが、メインタンクとは別途に設けられているため、回収タンク内で発生した気泡がメインタンクに混入することがない。
さらに、上記浸漬塗布装置が、サブタンク内に配置された袋体を膨縮させて前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更する容積変更手段を備えている場合は、前記袋体に充填する流体として様々な気体や液体を利用することができる。
さらにまた、上記浸漬塗布装置が、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体を備え、前記箱体内の気体の容積を変更することによって、前記サブタンク内の塗布液貯留容量を変更する容積変更手段を備えている場合は、前記箱体は、前記袋体のように破れる虞がなく、破れるのを防止のために定期的に交換するメンテナンスも不要である。
以下、本発明の実施の形態に係る浸漬塗布装置および浸漬塗布方法について、図面を参照しながら説明する。
(浸漬塗布装置の説明)
図1は、本発明の一実施形態に係る浸漬塗布装置の構成を示す概略図であり、図2は、サブタンクの内部を説明するための断面図である。
浸漬塗布装置は、図1に示すように、メインタンク10と、サブタンク20と、回収タンク30と、容積変更手段40とを備えている。
メインタンク10は、補充用の塗布液を貯留しておくステンレス製のタンクであって、所定量の塗布液が常に貯留されている。メインタンク10には、塗布液の水位を検知するためのセンサー11が設けられており、当該水位が所定の高さ位置を下回ると、移送パイプ12を介して補充タンク13から塗布液が補充される。具体的には、メインタンク10の水位は、当該メインタンク10の塗布液中にサブタンク20を沈めた際に、当該サブタンク20の上端部が液面から出ることのない高さに管理されており、メインタンク10の水位が所定の高さ位置を下回ったことをセンサー11が検知すると、センサー11からコントローラ14へ信号が送信され、信号を受信した当該コントローラ14が移送パイプ12に介在させたポンプ15を駆動させることによって、補充タンク13の塗布液がメインタンク10へ送り込まれる。
なお、メインタンク10は、図示しないシリンダーによって上下に移動可能とされており、浸漬塗布装置1のメンテナンス等を行う際には下方へ移動させられる。
サブタンク20は、メインタンク10内に収容されたステンレス製のタンクであって、サーボ21によって上下に移動可能である。具体的には、サブタンク20には、サーボ21のアーム材22が連結されており、当該サーボ21が当該アーム材22を上下に移動させると、当該アーム材22と連動してサブタンク20が上下に移動する。
なお、サブタンク20の上下移動は、サーボ21と他の装置との組み合わせで行ってもよく、例えばサーボ21を図示しないシリンダと組み合わせて行ってもよい。また、サーボ21やシリンダー以外の手段によってサブタンク20を移動させてもよい。
回収タンク30は、塗布後の被塗布物から滴り落ちる余剰の塗布液を回収するためのステンレス製のタンクであって、メインタンク10の側方に配置されている。回収タンク30は、メインタンク10とは別途に設けられたタンクであるため、当該回収タンク30の塗布液が当該メインタンク10内へ流入することがない。
回収タンク30には、当該回収タンク30の塗布液の水位を検知するためのセンサー31が設けられており、当該水位が所定の高さ位置に達した場合には、当該回収タンク30の塗布液が移送パイプ32を介して再生タンク33へ移送される。回収タンク30の水位は、当該回収タンク30から塗布液が溢れない高さに管理されており、回収タンク30の水位が所定の高さ位置に達したことをセンサー31が検知すると、センサー31からコントローラ34へ信号が送信され、信号を受信した当該コントローラ34が移送パイプ32に介在させたポンプ35を駆動させることによって、回収タンク30の塗布液が再生タンク33内へ移送される。
再生タンク33の塗布液は、ゴミなどが濾去された後、脱泡処理され、再生される。再生された塗布液は、再び補充タンクに移送され浸漬塗布に利用される。
容積変更手段40は、袋体としてのエアバック41と、エアチューブ42、エア調整手段としてのエアポンプ43およびコントローラ44からなる。
エアバック41は、天然ゴム製であって、サブタンク20の底面付近に沈められている。エアバック41の上方には、当該エアバック41が浮き上がるのを防止し、かつ、当該エアバック41がサブタンク20に沈められる被塗布物と衝突することを防止するための仕切板23が配置されている。
エアバック41は、エアパイプ42を介してエアポンプ43と繋がっており、当該エアポンプ43によって当該エアバック41内のエアを増減させて、当該エアバック41を膨縮させることができる。エアポンプ43はコントローラ44によって制御されており、当該エアバック41が後述する所定のタイミングで後述する所定の容積となるように制御されている。エアバック41の膨縮は、予め被塗布物の浸漬容積を計算しておき、当該浸漬容積分のエアを出し入れすることにより行われる。なお、エアバック41の膨縮の制御は、サブタンク20の水位を検知しながら行ってもよい。
エアパイプ42は、サブタンク20の外表面に溶接されており、溶接部分は段差や隙間がないよう滑らかに加工されているため、当該サブタンク20を上下に移動させても溶接部分から気泡が発生することはない。
以上、本発明に係る浸漬塗布装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の浸漬塗布装置は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることが可能である。
例えば、容積変更手段40のエアバック41に充填するものはエアに限定されず、他の気体であってもよい。また、エアバック41として天然ゴム製のものを用いたが、これに限らず、クロロプレン、ブチルなどの合成ゴム製やゴム引きの布製でもよい。
また、容積変更手段は、上記エアバック41の代わりに、液体を充填可能な袋体を備えていてもよく、当該袋体に充填する液体の量を変更することによって、サブタンク20内の塗布液貯留容量を変更してもよい。さらに、容積変更手段は、袋体を備えたものに限定されず、空気、ガス等の気体や液体の流入、排出によって膨張、収縮し容積が増減されればよく、エアバック41の代わりに箱体、ベローズやシリンダなどを用いてもよいことはいうまでもない。
図4は、変形例に係る浸漬塗布装置のサブタンク内部を説明するための断面図である。変形例に係る容積変更手段70は、エアバック41の代わりに、サブタンク20内に配置された下面に開口を有する箱体71を備えている。そして、箱体71内の気体の量を変更することによって、当該サブタンク20内の塗布液貯留容量を変更する。
エアバック41の場合、膨縮させることによってサブタンク20の内壁面に擦れて破れる虞があり、定期的に取り替え等のメンテナンスを行う必要があるが、箱体71であれば破れる虞もなく、取り替え等のためのメンテナンスも不要である。
(浸漬塗布方法の説明)
次に、本発明の実施の形態に係る浸漬塗布方法について説明する。図3は、浸漬塗布方法を説明するための工程図である。図3(a)が、サブタンクがメインタンクの塗布液に沈んだ状態を説明する図、図3(b)が、上端部が塗布液の液面から出るまでサブタンクを上昇させた状態を説明する図、図3(c)が、サブタンク内のエアバックを収縮させた状態を説明する図、図3(d)が、サブタンクの塗布液に被塗布物を浸漬させた状態を説明する図、図3(e)が、被塗布物が塗布液中から出るまでサブタンクを下降させた状態を説明する図、図3(f)が、サブタンク内のエアバックを膨張させた状態を説明する図、図3(g)が、サブタンクに塗布液を補充する状態を説明する図である。なお、図3(b)〜(d)、(f)および(g)では、被塗布物50を把持するホルダー51の図示を省略している。
図3において、被塗布物50は、無電極放電ランプのガラスバルブであって、塗布液は、ガラスバルブの表面にガラス破片の飛散防止用被膜を形成するための加熱硬化型のシリコーン樹脂(シリコーンゴム)である。
(1)浸漬塗布ステップ
まず、図3(a)に示すように、被塗布物50を把持する把持部材51を移動させて、サブタンク20の真上に当該被塗布物50を配置する。このとき、サブタンク20内に配置されたエアバック41内には、被塗布物50の浸漬容積よりも大きい容積のエアが充填されている。なお、前記浸漬容積は、被塗布物50の所定の範囲に塗装を施すため、予め計算されており、具体的には、被塗布物50が塗布液中に最も深く浸漬させられた際に、当該塗布液中に浸漬している部分の容積である。
次に、図3(b)に示すように、サブタンク20の上端部がメインタンク10の液面よりも高い位置にあり、かつ、サブタンク20の塗布液が溢れない位置までサブタンク20を上昇させる。このようにサブタンク20の上端部がメインタンク10の液面よりも高い位置にあれば、当該メインタンク10の塗布液が当該サブタンク20内に流れ込んで気泡が発生することがない。また、サブタンク20から塗布液が溢れなければ、溢れた塗布液がメインタンク10内に落下して、当該メインタンク10の塗布液に気泡を発生させることもない。
次に、図3(c)に示すように、サブタンク20内のエアバック41を塗布対象物50を浸漬させる予定の容積分だけ収縮させる。これによってサブタンク20の液面が下がる。なお、サブタンク20の塗布液が溢れなければ、エアバック41の収縮が完全に終わる前であっても、当該サブタンク20の塗布液中に被塗布物50の一部を浸漬させてもよい。すなわち、サブタンク20の塗布液に被塗布物50の一部が浸漬しても、浸漬部分の容積よりもエアバック41が収縮した容積の方が大きければ、塗布液が溢れない。したがって、サブタンク20を上昇させつつエアバック41を収縮させることが可能である。
次に、図3(d)に示すように、サブタンク20をさらに上昇させる。サブタンク20の塗布液貯留容量は、エアバック41が収縮したことによって被塗布物50の浸漬容積分の余裕があるため、被塗布物50を塗布液中に沈めても、塗布液の液面は当該サブタンク20の上端部まで到達しても溢れ落ちることはない。
このように、浸漬塗布ステップにおいては、サブタンク20の塗布液がメインタンク10内に溢れ落ちることがないため、メインタンク10の塗布液に気泡が発生することがない。
(2)塗布液補充ステップ
塗布液補充ステップにおいては、図3(e)に示すように、サブタンク20の上端部がメインタンク10の液面よりも高い位置にあるように当該サブタンク20を下降させる。
このようにサブタンク20の上端部がメインタンク10の液面よりも高い位置にあれば、当該サブタンク20内に当該メインタンク10の塗布液が流れ込むようなことがないため、液面の落差により当該サブタンクの塗布液に気泡が発生することがない。
サブタンク20から取り出された被塗布物50の表面には、塗布液が付着している。塗布後の被塗布物50は、把持部材51によって、回収タンク30の上方へと水平移動させられる。
次に、図3(f)に示すように、サブタンク20内のエアバック41を被塗布物50の浸漬容積分だけ膨張させて、当該サブタンク20の塗布液貯留容量を減少させる。これにより、塗布液の液面はサブタンク20の上端部付近まで上昇する。具体的には、被塗布物50に付着した分だけ塗布液が減っているため、液面は減った塗布液の容積分だけサブタンク20上端部よりも低くなる。
一方、回収タンク30の上方へ移動させられた被塗布物50からは、被塗布物50に付着した余剰の塗布液が当該回収タンク30へ滴り落ち、前記余剰の塗布液が回収される。塗布液が滴り落ちるため、回収タンク30の塗布液には気泡が発生するが、当該回収タンク30はメインタンク10と別途に設けられているため、当該回収タンク30の塗布液中の気泡が当該メインタンク10の塗布液へ移動することがない。
次に、図3(g)に示すように、サブタンク20をメインタンク10の塗布液中に完全に沈める。サブタンク20の液面は、被塗布物50に付着した塗布液の分だけ当該サブタンク20の上端部よりも低い位置にあるため、当該サブタンク20の上端部が当該メインタンク10の液面よりも低い位置になると、当該メインタンク10から当該サブタンク20内へ塗布液が流れ込み、被塗布物50に付着して減った分の塗布液が補充される。この際、メインタンク10内の塗布液の液面とサブタンク20内の塗布液の液面との落差は、被塗布物50に付着して減った塗布液分の落差でしかないため、当該メインタンク10から当該サブタンク20内へ塗布液が流れ込んでも、気泡が発生することはない。
なお、塗布後の被塗布物50は、把持部材51によって乾燥工程に移動させられる。
以上、本発明に係る浸漬塗布方法を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の内容は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることが可能である。
例えば、塗布液としては、加熱硬化型のシリコーン樹脂以外にも、常温硬化型やUV硬化型の樹脂またはゴムが挙げられ、前記樹脂としては、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂およびポリエステル樹脂等が挙げられる。
特に、本発明に係る塗布方法は、塗布液の粘度が高い場合に有効である。粘度が高いと、浸漬塗布により気泡が発生しやすく、また発生した気泡が消泡しにくいからである。具体的には、上記実施の形態における塗布液の粘度は、飛散防止用被膜を所定の厚みにするため0.8Pa・s以上であり、また、浸漬取り出し後の液切り時間を短くし、塗布面にむらを生じにくくするために12Pa・s以下である。このように塗布液の粘度が0.8〜12Pa・sの範囲である場合に、本発明に係る塗布方法が特に有効である。
また、被塗布物は、無電極放電ランプのガラスバルブに限定されず、浸漬塗布が可能な物であればどのような形状、材質であってもよい。例えば、電球形蛍光ランプのガラスグローブ、白熱電球バルブ、蛍光ランプのバルブ、高圧放電ランプの外管バルブなどのランプのグローブ、バルブ、外管バルブあるいは照明器具のガラス製グローブなど衝撃によって割れやすいものが挙げられる。特に、塗布液が乾燥した後に気泡の跡が残っていると外観上の理由などから問題が生じる場合に有効である。
本発明の浸漬塗布方法は、塗布液を貯留したタンクを移動させて行う浸漬塗布方法に利用可能である。また、本発明の浸漬塗布装置は、浸漬塗布工程において被塗布物を移動させることのできない場合に特に有効である。
本発明の一実施形態に係る浸漬塗布装置を示す概略図である。 サブタンク内部を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係る浸漬塗布方法を説明するための工程図であって、図3(a)が、サブタンクがメインタンクの塗布液に沈んだ状態を説明する図、図3(b)が、上端部が塗布液の液面から出るまでサブタンクを上昇させた状態を説明する図、図3(c)が、サブタンク内のエアバックを収縮させた状態を説明する図、図3(d)が、サブタンクの塗布液に被塗布物を浸漬させた状態を説明する図、図3(e)が、被塗布物が塗布液中から出るまでサブタンクを下降させた状態を説明する図、図3(f)が、サブタンク内のエアバックを膨張させた状態を説明する図、図3(g)が、サブタンクに塗布液を補充する状態を説明する図である。 変形例に係る浸漬塗布装置のサブタンク内部を説明するための断面図である。 従来の浸漬塗布方法を説明するための図であって、図5(a)が浸漬塗布開始時の状態を説明する図、図5(b)がサブタンクの塗布液に被塗布物を浸漬させた状態を説明する図、図5(c)がサブタンクに塗布液を補充する際の状態を説明する図、図5(d)塗布液に気泡が発生した状態を説明する図である。
符号の説明
1 浸漬塗布装置
10 メインタンク
20 サブタンク
30 回収タンク
40 貯留容量変更手段
41 袋体
43 調整手段
50 被塗布物
71 箱体

Claims (9)

  1. サブタンク内の塗布液に被塗布物を浸漬させる浸漬塗布ステップと、
    メインタンク内に貯留された補充用の塗布液中に前記サブタンクを沈めてサブタンク内に塗布液を補充する塗布液補充ステップとを含む浸漬塗布方法であって、
    前記サブタンクには、サブタンクの塗布液貯留容量を変更するための貯留容量変更手段が設けられており、
    前記浸漬塗布ステップにおいて被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させ、
    前記塗布液補充ステップにおいてサブタンクに塗布液を補充する際、前記貯留容量変更手段によって、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させることを特徴とする浸漬塗布方法。
  2. 前記塗布液は、粘度が0.8〜12Pa・sの範囲であることを特徴とする請求項1記載の浸漬塗布方法。
  3. 前記被塗布物は、発光管のガラスバルブであることを特徴とする請求項1または2記載の浸漬塗布方法。
  4. 前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された膨縮自在な袋体と、この袋体内の流体の量を調整する調整手段とを備え、前記袋体内の流体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸漬塗布方法。
  5. 前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体と、この箱体内の気体の量を調整する調整手段とを備え、前記箱体内の気体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸漬塗布方法。
  6. 被塗布物を浸漬させるための塗布液が入ったサブタンクと、
    補充用の塗布液が貯留され、前記塗布液中にサブタンクを沈めてサブタンク内に塗布液を補充するメインタンクとを備えた浸漬塗布装置であって、
    前記サブタンクには、サブタンクの塗布液貯留容量を変更するための貯留容量変更手段が設けられており、
    前記貯留容量変更手段は、被塗布物をサブタンク内の塗布液に浸漬させる際、サブタンクの塗布液貯留容量を少なくとも被塗布物の浸漬容積分増加させるとともに、サブタンクに塗布液を補充する際、サブタンクの塗布液貯留容量を被塗布物の浸漬容積分減少させることを特徴とする浸漬塗布装置。
  7. 塗布後の被塗布物から落下する余剰の塗布液を回収するための回収タンクが、メインタンクとは別途に設けられていることを特徴とする請求項6記載の浸漬塗布装置。
  8. 前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された膨縮自在な袋体と、この袋体内の流体の量を調整する調整手段とを備え、前記袋体内の流体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする請求項6または7記載の浸漬塗布装置。
  9. 前記貯留容量変更手段は、サブタンク内に配置された下面に開口を有する箱体と、この箱体内の気体の量を調整する調整手段とを備え、前記箱体内の気体量を調整することにより前記サブタンクの塗布液貯留容量を変更することを特徴とする請求項6または7項に記載の浸漬塗布装置。
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KR101057014B1 (ko) * 2008-12-29 2011-08-17 주식회사 케이씨텍 대면적 기판의 처리장치
CN114833022A (zh) * 2022-06-01 2022-08-02 江西赐彩新材料股份有限公司 一种哑光uv硬化液浸涂装置及浸涂方法
CN115025954A (zh) * 2022-06-17 2022-09-09 江苏实为半导体科技有限公司 一种大功率商用加热器的安装转运架

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