JP2005270845A - 親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜における親水化層の親水性を簡便に向上および/または回復させることができる親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法を提供する。
【解決手段】 耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水処理用途、とりわけ酸化洗浄が不可欠とされる産業水処理用途等に好適な、耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法に関するものである。
従来、上水や下水、各種排水等の水処理では、多孔質膜を用いて水中の固形分を除去することが行われている。しかし、このような水処理においては、多孔質膜の目詰まりが生じ、多孔質膜の処理性能が低下するという問題が生じる。そのため、例えば上水では細菌の除去のために、下排水では膜の濾過性能を低下させる汚泥の除去のために、処理水あるいは膜自体をオゾン等を用いて処理する酸化洗浄が不可欠となってきている。
しかし、酸化洗浄によって多孔質膜そのものが酸化され、劣化するという問題がある。そういった中で、極めて高い耐酸化性を有するフッ素樹脂製多孔質膜の使用が増大してきている。フッ素樹脂は、他の樹脂類に比べて耐熱性や耐薬品性に優れている点から、多様な用途に用いられており、水処理用途においてもその使用例は多い。
フッ素樹脂製多孔質膜は、その不活性な表面により疎水性を示すため、水処理用途に用いるためには、その表面に親水化処理を施し、親水化層を形成する必要があり、数多くの表面親水化法が提案されている。例としては、[i]親水性高分子を架橋コーティングする方法(特許文献1、2)、[ii]水不溶性親水性高分子を吸着コーティングする方法(特許文献3)、[iii]アルカリ処理によりフッ素樹脂製多孔質膜表面を化学的に改質する方法(特許文献4)などが挙げられる。
しかし、これらの表面親水化法において得られる親水化層は、水溶性高分子で構成されるものや、表面の炭素−フッ素結合を切断して生じる二重結合に親水基を導入したもの等であるため、親水化層そのものに耐酸化性がなく、上水や下排水処理で実施される酸化洗浄によりその親水性が劣化・消失するといった耐酸化洗浄性の問題がある。
また、例えば特許文献5においては、親水化層に、親水基を有する親水性化合物を吸着させることにより親水化層を保護・安定化させる方法が提案されている。
しかし、該方法により得られる膜も、酸化洗浄を行うと、親水化層に吸着させた親水性化合物が分解されてしまい、結果、上記と同様、その親水性が劣化・消失してしまうなど、耐酸化洗浄性の問題は解決されていない。
親水化層の耐酸化洗浄性を改善する一つの手段として、フッ素樹脂製多孔質膜の表面を直接酸化する方法がある。この例としては、特許文献6記載のオゾン処理による親水化方法が挙げられる。
このような方法では、炭素−フッ素結合をある程度維持したまま親水基を導入することから、炭素−フッ素結合に由来する耐酸化性がある程度維持されると考えられ、耐酸化洗浄性を有する親水化層の形成が可能であると考えられる。
しかし、この方法には問題点もある。その一つは、フッ素樹脂自体が高い耐酸化性を有するため、高い酸化力を有する酸化種である程度の時間処理しないと、反応が十分進まず、親水性を充分に向上させることができないことである。また、もう一つは、膜表面の親水性が、経時的にあるいは外的要因により劣化することである。
このように、フッ素樹脂製多孔質膜表面に、フッ素樹脂特有の高い耐酸化性を有したまま高度な親水性を付与するとともに、その親水性を維持することは極めて困難なことである。そのため、上水・下排水処理等の水処理用途においては、エタノール等の低級アルコールで処理することにより一時的に親水化されたフッ素樹脂製多孔質膜が用いられているのが現状であるが、この場合、親水化処理を酸化洗浄を行う度に施す必要があるなど、処理が煩雑で、手間やコストがかかるなどの問題がある。
特開昭54−17978号公報 特開平7−3043号公報 特開昭61−161103号公報 特開昭58−93734号公報 特開昭64−75542号公報 特開平05−317663号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜における親水化層の親水性を簡便に向上および/または回復させることができる親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、直接酸化により表面を親水化したフッ素樹脂製多孔質膜、すなわち耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、次亜塩素酸ナトリウム溶液等の酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理することにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理することを特徴とする親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法である。
本発明においては、酸化剤を含有するアルカリ溶液が次亜塩素酸ナトリウム溶液であることが好ましい。
本発明により、耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜における親水化層の親水性を簡便に向上および/または回復させることができる。
そのため、該親水性フッ素樹脂製多孔質膜の酸化洗浄が実施しやすくなり、結果、酸化洗浄によって、水処理等により該多孔質膜上あるいは膜内に付着した閉塞物質を分解・除去すると同時に該多孔質膜の親水性を回復させやすくなる。したがって、本発明の処理方法は、多孔質膜の酸化洗浄が特に不可欠となっている上水・下排水処理分野において極めて有用である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の処理方法は、耐酸化洗浄性を有する親水化層(以下、耐酸化親水化層ということがある。)が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理することを特徴とする。
<耐酸化性親水化層を有するフッ素樹脂製多孔質膜>
本発明の適用対象となる耐酸化性親水化層を有するフッ素樹脂製多孔質膜とは、下記条件におけるXPS(X線光電子分光分析)測定によって求められる表面元素濃度のうち、表面酸素濃度が4原子%以上で、表面フッ素濃度と表面炭素濃度の比([表面フッ素濃度]/[表面炭素濃度])が0.7以上であるフッ素樹脂製多孔質膜である。
[XPS測定条件]
X線源 : Al−MONOkα 200W
レンズモード : LargeAreaXL
パスエネルギー : 100eV(survey)、20eV(narrow)
光電子脱出角度 : 40度
中和銃使用
このような耐酸化性親水化層を有するフッ素樹脂製多孔質膜の製造方法としては、疎水性フッ素樹脂多孔質膜を直接酸化処理する方法が例示される。
直接酸化の方法としては、例えば、疎水性フッ素樹脂多孔質膜を、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸バリウム等の、水酸ラジカル及び/又は硫酸イオンラジカルを発生させる酸化剤の溶液中に浸漬し、60〜100℃程度の温度で加熱処理する方法、オゾン等のその他酸化剤で処理する方法、レーザー光を照射する方法等が挙げられる。
コストや反応速度の点から、疎水性フッ素樹脂多孔質膜を過硫酸アンモニウム水溶液で加熱処理する方法が好ましい。
耐酸化性親水化層を有するフッ素樹脂製多孔質膜に用いられる疎水性フッ素樹脂製多孔質膜は、フッ素樹脂、すなわち含フッ素有機高分子化合物を基材樹脂として製造される多孔質成形体である。
多孔質成形体の形態としては、特に制限はなく、例えば、膜、シート、パイプ、編物、織物、不織布およびその他の任意の形態であってよい。膜の形状としては、中空糸膜や平膜が例示されるが、コンパクト化等の点から中空糸膜が好ましい。また、孔径は0.1μm以上、空隙率は40%以上であると、濡れ性がよく、親水基がもぐりこみ難くなるため好ましい。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシエチレン三元共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、トリフルオロクロロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等、およびこれらの任意の2種類以上の混合樹脂が例示される。
疎水性フッ素樹脂製多孔質膜としては、このようなフッ素樹脂から製造してもよく、また、市販のものを用いてもよい。
疎水性フッ素樹脂製多孔質膜を製造する方法としては、公知の技術が適用できるが、例としては、フッ素樹脂を溶媒に溶解させて、所定の形状に延展し、溶媒の一部を蒸発させた後、該溶媒と混和性を有する非溶媒中に浸漬して溶媒を抜き出し、その後非溶媒と残存溶媒を蒸発させて多孔質膜を得る湿式法が例示される。なお、ここで、非溶媒とは、当該フッ素樹脂を溶解しない液体を意味する。
<酸化剤を含有するアルカリ溶液>
本発明の処理方法に用いられる、酸化剤を含有するアルカリ溶液は、酸化剤をアルカリ溶媒に溶解したものである。
酸化剤としては、アルカリ溶液中で安定に存在できる酸化剤であれば何でもよく、例えば次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等が例示される。これらの中でも、経済性、反応性等の観点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ溶媒としては、アルカリ性を示す液体であれば何でもよい。アルカリ溶媒自身の酸化剤による酸化を防ぐ観点から、無機系のアルカリ試薬を水等に溶解した溶液が好ましく、より好ましくは水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムを溶解した水溶液である。
アルカリ溶液中、酸化剤の濃度は、酸化剤の種類によっても変化するが、好ましくは0.1〜15.0質量%程度である。
なお、アルカリ溶液は、その他の添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、水溶液として酸性を示さない無機系試薬であれば使用でき、例えば酸化ニッケル系触媒等、酸化剤の分解促進剤が挙げられる。
アルカリ溶液のpHとしては、酸化剤の安定性の観点、例えば酸化剤として次亜塩素酸塩を用いる場合、次亜塩素酸イオン(ClO)と次亜塩素酸(HClO)は水溶液中では比較的不安定で、特に酸性領域で酸化力を失いやすいことから、pH8以上が好ましい。より好ましくはpH9以上である。しかし、アルカリ性が高すぎると、親水性フッ素樹脂製多孔質膜表面の炭素−フッ素結合が切断され、その耐酸化性が劣化するため、このようなアルカリ溶液のpHは13.5以下が好ましい。
本発明において、酸化剤を含有するアルカリ溶液としては、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液が好適である。
<処理方法>
本発明において、耐酸化親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理する方法としては、該親水性フッ素樹脂製多孔質膜表面とアルカリ溶液とを接触させればよい。
親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含むアルカリ溶液に接触させる方法としては、浸漬や塗布、噴霧等の方法を用いることができる。また、処理方法としては、バッチ処理、インライン処理ともに適用できる。
親水性フッ素樹脂製多孔質膜表面と、酸化剤を含有するアルカリ溶液との接触時間、すなわち処理時間としては、酸化剤およびアルカリ溶媒の種類や濃度によって左右されるため一概には言えないが、好ましくは1〜60分である。
該処理の際の反応温度は、一概には言えないが、低すぎると反応に要する時間が長くなるため、好ましくは20℃〜100℃である。
上記本発明の処理方法によりにより、耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜における親水化層の親水性を簡便に向上および/または回復させることができる。その理由としては、従来は、膜表面を親水性させている親水基が、経時的にあるいは外的要因、例えば高圧通水等によって膜の骨格内部にもぐりこんでしまい、膜表面の親水性が低下していたが、アルカリ性の酸化剤溶液を作用させることにより、膜の骨格内部にもぐりこんだ親水基が多孔質膜表面に効果的に出てくること、それと同時に、水処理等の際にフッ素樹脂の疎水性に由来して多孔質膜表面に付着した疎水性吸着物が、該酸化剤溶液により分解されることなどが考えられる。
以下に、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
疎水性ポリフッ化ビニリデン多孔質膜(ミリポア社製、登録商標名:デュラポアメンブレンフィルターGVHP04700、公称孔径約0.2μm)を準備し、この膜をエタノールで湿潤させ、その後水洗してエタノールを水で置換し、水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
次いで、過硫酸アンモニウム4.5gを水25.5gに溶かして15質量%過硫酸アンモニウム水溶液を調製し、該水溶液に、前記水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を浸漬し、75℃で1時間反応を行うことにより、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
得られた親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、次亜塩素酸ナトリウム溶液(和光純薬製、最低有効塩素濃度5%、遊離アルカリ(NaOHとして)2.0質量%以下、pH12〜13.5)の1/10水希釈液(以下、次亜塩素酸ナトリウム1/10希釈溶液と表す)に40℃で24時間浸漬した後、充分に水洗・乾燥して実施例1とした。
得られた膜の親水性を評価した。親水性の指標としては、膜表面に20μLの水滴を滴下し、20秒後の水滴の広がり具合(水滴の径の大きさ)を測定し、その値から、以下の計算式により算出した親水化度を用いた。結果を表1に示す。
親水化度=20秒後の水滴の直径(mm)−3
なお、上記式中の数値「3」は、使用した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜について同様に水滴を滴下した際の該膜平面上での径が約3mmであったことによるものである。
また、得られた膜の表面元素濃度をXPSにより測定し、耐酸化性親水化層を評価した。測定結果を表2に示す。なお、XPS測定に用いた装置・条件は以下の通りである。
使用機種 : ESCALAB220iXL VG社製
X線源 : Al−MONOkα 200W
レンズモード : LargeAreaXL
パスエネルギー : 100eV(survey)、20eV(narrow)
光電子脱出角度 : 40度
中和銃使用
実施例2
実施例1と同様にして、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
次いで、該親水性ポリフッ化ビニリデン膜に、20Lの水を200kPaで通水した。
通水後、該親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液に40℃で24時間浸漬した後、充分に水洗・乾燥して実施例2とした。
得られた膜の親水性を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして、水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
該水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を、次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液に40℃で24時間浸漬した後、充分に水洗・乾燥して比較例1とした。
得られた膜の親水性を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様にして、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
得られた親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、充分に水洗・乾燥して比較例2とした。
得られた膜の親水性および表面元素濃度を実施例1と同様に評価した。結果をそれぞれ表1、2に示す。
比較例3
実施例1と同様にして、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
次いで、該親水性ポリフッ化ビニリデン膜に、20Lの水を200kPaで通水した。
通水後、該親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、充分に乾燥して比較例3とした。
得られた膜の親水性を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例4
特開昭62−17614号公報(内容:親水性ポリフッ化ビニリデン樹脂多孔膜の製造方法)に開示されている方法に準拠し、親水性多孔質膜を調製した。すなわち、まず、実施例1と同様にして、水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。次いで、水酸化カリウム20gを水30gに溶かして40質量%水酸化カリウム水溶液を調製し、該水溶液に、前記水で湿潤した疎水性ポリフッ化ビニリデン膜を浸漬し、85℃で5分間反応を反応を行うことにより、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。反応終了後、得られた親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、充分に水洗・乾燥して比較例4とした。
得られた膜の親水性および表面元素濃度を実施例1と同様に評価した。結果をそれぞれ表1、2に示す。
比較例5
比較例4と同様にして、親水性ポリフッ化ビニリデン膜を得た。
得られた親水性ポリフッ化ビニリデン膜を、次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液に40℃で24時間浸漬した後、充分に水洗・乾燥して比較例5とした。
得られた膜の親水性および表面元素濃度を実施例1と同様に評価した。結果をそれぞれ表1、2に示す。
Figure 2005270845
Figure 2005270845
なお、表2中の略号は以下の意味を有する。
F1s:表面フッ素濃度
C1s:表面炭素濃度
O1s:表面酸素濃度
なお、表1,2中、「未処理膜」は、実施例1〜2、比較例1〜5で用いた疎水性ポリフッ化ビニリデン多孔質膜(ミリポア社製、登録商標名:デュラポアメンブレンフィルターGVHP04700)を意味する。
上記結果から、次のことを確認した。
<次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理による親水性向上効果>
実施例1と、次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理を行わなかった比較例2の結果から、該次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理することにより、親水化したフッ素樹脂製多孔質膜の親水性を大きく向上できることがわかった。
また、未処理膜と、親水化されていない疎水性ポリフッ化ビニリデン膜に次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理を行った比較例1の結果から、親水化されていないフッ素樹脂製多孔質膜の場合は、次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理しても親水化できないことを確認した。
また、フッ素樹脂製多孔質膜の表面の親水化を直接酸化により行わなかった比較例4は、その表面フッ素濃度が40原子%未満であり、耐酸化性親水化層が形成されていなかった。また、該比較例4と、比較例4のフッ素樹脂製多孔質膜に次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理を行った比較例5の結果から、親水化層に耐酸化性がない場合は、次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理することにより親水性が劣化・消失することを確認した。
<次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理による親水性回復効果>
20L、200kPaの通水後、次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理を行わなかった比較例3は、表2の結果から耐酸化性親水化層は消失していないものの、表1の結果から膜表面の親水性が低下したことがわかった。該比較例3と、通水後に次亜酸素酸ナトリウム1/10希釈溶液処理を行った実施例2の結果から、通水等の外的要因によって、親水化層が消失したわけではないが膜表面の親水性が低下した場合は、次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理することにより、その親水性を回復できることがわかった。

Claims (2)

  1. 耐酸化洗浄性を有する親水化層が表面に形成された親水性フッ素樹脂製多孔質膜を、酸化剤を含有するアルカリ溶液で処理することを特徴とする親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法。
  2. 酸化剤を含有するアルカリ溶液が次亜塩素酸ナトリウム溶液である請求項1記載の親水性フッ素樹脂製多孔質膜の処理方法。

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