JP2005042074A - 多孔質膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 疎水性ポリマーと親水性ポリマーからなる多孔質膜より、親水性ポリマーを短時間で効率的に除去できる多孔質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなる多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)と、気相中で加熱する工程(B)とを含む多孔質膜の製造方法は、短時間で効率的に親水性ポリマーを除去し、高い透過性能を達成することを可能にする。したがって、紡糸等の工程と、洗浄工程を連続的に行うことが可能で、工業的に優れていると共に、廃液処理への負荷も小さく、環境への影響が小さい製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高透過係数の高い多孔質膜の製造方法に関する。
食品工業分野、医療分野、電子工業分野等の分野において、有用成分の濃縮、回収、不要成分の除去、或いは造水等に、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン等からなる精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜等が用いられており、これらの膜の多くには、湿式又は乾湿式紡糸により製造させる多孔質中空糸膜が用いられている。
多孔質膜に要求される性能として特に重要な性能の一つに透水性能があるが、透水性能を向上させようとした場合、一般的には膜孔径が大きくなるように紡糸原液の濃度や凝固液を調節する。湿式又は乾湿式紡糸を行う場合、原液は、疎水性ポリマー、親水性ポリマーを溶剤に溶解させたものが用いられている。
この際、親水性ポリマーとしては、紡糸時における原液粘度を適正な範囲に調整し、製膜状態の安定化を図るために添加されており、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドン等の高分子量の親水性ポリマーを用いることが多い。
このような湿式又は乾湿式紡糸により製造される多孔質膜は、凝固浴を通過して凝固が完了した段階では、膜中に高分子量の親水性ポリマーが多量に残存しているため、このままでは高透水性の膜としての機能を発揮できない。そのため、凝固完了した後、膜中に残存している高分子量の親水性ポリマーを除去する必要がある。
親水性ポリマーを除去する方法としては、酸化剤又は加水分解剤を用いて親水性ポリマーを除去する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
多孔質膜の製造は、紡糸、凝固、洗浄までを連続して行うことにより、製造コストの低減が可能となる。この場合、洗浄を長時間行うことが必要なときには、設備を極端に大きくする必要がある。そのため高分子量の親水性ポリマーの除去をできるだけ短時間に行い、透水性能を発現させることが望まれる。
この処理時間を短縮するためには、酸化剤等の濃度を高くすることが基本的には有効であるが、酸化剤の濃度を高くすると、酸化剤のコストアップにつながるのみならず、洗浄に使用する設備の腐食が激しくなるため、耐食性の材料を使用する必要があると共に、設備更新頻度が多くなる等により、更なるコストアップが生じるという問題がある。
また、酸化剤水溶液の温度をオートクレーブで加圧し、100℃以上として洗浄を行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、オートクレーブ加圧をバッチ工程で行うと生産性が悪い。また連続工程で加圧しながら洗浄を行う場合、加圧洗浄装置の出入り口にはシール部が必要となる。こうしたシール部では多孔質膜が擦れる原因となり、多孔質膜がダメージを受けるという問題点があった。
特開平2−302449号公報 特開2002−119833号公報
本発明は、疎水性ポリマーと親水性ポリマーからなる多孔質膜より、親水性ポリマーを短時間で効率的に除去できる多孔質膜の製造方法を提供することを目的とする。
即ち本発明の要旨は、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなる多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)と、気相中で加熱する工程(B)とを含む多孔質膜の製造方法、である。
本発明の多孔質膜の製造方法は、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなる多孔質膜を酸化剤と接触させた後、気相中で加熱することにより、親水性ポリマーを短時間で効率的に除去できる。また、酸化分解に使用する酸化剤の使用量を少なくする事が可能となり、効率のよい洗浄が可能となる。
また、本発明は、連続処理としての使用に適した製造方法を提供できる。さらに、廃液量も軽減できることから、廃液処理への負荷も小さく、環境への影響が小さい方法である。
以下、中空糸膜の製造方法を例に、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明により製造される多孔質膜は、中空糸膜の形態に限定されるものではなく、平膜、管状膜等であってもよい。
本発明における多孔質膜の製造方法は、中空糸膜に賦形可能な疎水性ポリマーを溶媒に溶解し、この溶液を紡糸原液として、紡糸口金より一旦空気中に紡出した後、疎水性ポリマーの非溶媒中に導き、非溶媒中で凝固させる乾湿式紡糸法が好ましく用いられる。上記工程の他、延伸工程等を含んでも構わないし、空気中に紡糸せずに非溶媒中に直接吐出させても構わない。
紡糸口金としては、中空糸膜状に賦形し得る任意の紡糸口金が用いられ、例えば二重環状ノズル等を用いることができる。このとき、紡糸口金の中心部に疎水性ポリマーの非溶媒を送り、中空糸膜の内表面を凝固させるようにしてもよい。
また、中空部に溶剤を送り、内部の凝固状態を制御し、孔径の調整を行ってもよい。
本発明に使われる疎水性ポリマーは、湿式、乾湿式紡糸により多孔質中空糸膜を形成し得るものであれば特に限定されるものではなく、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、これらの樹脂の共重合体や一部に置換基を導入したものであってもよい。さらに、2種以上の樹脂を混合したものであってもよい。
特にフッ素系樹脂、中でもポリフッ化ビニリデンは、次亜塩素酸塩等の酸化剤に対する耐久性が強く、本発明の製造方法に好ましく用いることができる。
本発明における紡糸原液は、疎水性ポリマーを溶媒に均一に溶解させて用いる。この際、疎水性ポリマーの濃度は、薄すぎても、濃すぎても、紡糸安定性が損なわれ、望ましい多孔質構造が得られ難くなる傾向にあるため、下限は10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。また、上限は30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。
また、紡糸原液には、相分離を制御するための添加剤として、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールなどの親水性ポリマーを疎水性ポリマーと共に溶解させる。親水性ポリマーの濃度としては、下限は1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。また、上限は20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。
添加される親水性ポリマーは低分子量であってもよいが、高分子量の親水性ポリマーを用いることが、望ましい多孔質構造を得やすくなるため好ましい。一方、低分子量の親水性ポリマーは、水洗浄だけでも除去することができるという利点を有する。
従って、本発明の製造方法においては、分子量が100,000を超える親水性ポリマーを用いることが好ましく、分子量が1,000,000を超える親水性ポリマーを用いることがより好ましい。
本発明に使われる溶媒は、親水性ポリマー及び疎水性ポリマーを溶解し得るものであれば特に限定されるものではないが、乾湿式紡糸の空走部において原液に吸湿させることから、水と均一に混合可能なものが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどが挙げられ、これらの単独又は混合物、或いはこれら溶媒に、その溶解性を損なわない範囲で非溶媒を加えたものが好ましく用いられる。
なお、ここでいう非溶媒とは、疎水性ポリマーが溶解しない液体をいう。非溶媒としては、水、アルコール類、グリセリン、エチレングリコール等を用いることができ、中でも水が最も好ましい。
紡糸口金から吐出された原液は、空走部を経た後、凝固浴中の非溶媒と接触することにより、多孔質中空糸膜が形成される。凝固浴に使用する非溶媒には、水、アルコール類、グリセリン、エチレングリコール等を、単独或いは混合して用いることができる。また、前述の溶媒を混合させてもよい。
以上のような条件で紡糸された多孔質中空糸膜は、孔径が大きく高透水性能を潜在的に有しているが、凝固が完了した段階では、膜中に高分子量の親水性ポリマーが多量に残存しているため、このままでは高透水性の膜としての機能を発揮できない。そのため、凝固完了段階で膜中に残存している高分子量の親水性ポリマーを除去する。
多孔質膜中に残存する親水性ポリマーは、以下の3通りの存在形態が考えられる。
1.分子鎖の全てが多孔質膜基材中に埋没している。
2.分子鎖の全てが細孔部等の表面に存在している。
3.分子鎖の一部は細孔部等の表面に存在し、他は多孔質膜基材中に埋没している。
これらのうち、前記2の状態にある親水性ポリマーは、比較的容易に除去され得ることから、工程(A)の前に、まず多孔質膜を洗浄液で洗浄する工程(C)を行うことが好ましい。
工程(C)に使用する洗浄液は、清澄で親水性ポリマーが溶解する液体であれば特に限定されるものではないが、洗浄効果が高いことから水が好ましい。
使用する水としては、水道水、工業用水、河川水、井戸水等が挙げられ、これらにアルコール、無機塩類、酸化剤、界面活性剤等を混ぜても構わない。
また、疎水性ポリマーの溶媒と水との混合物を洗浄液として用いることもできる。この場合、多孔質膜基材となる疎水性ポリマーを膨潤状態にする事により、前記2の状態に加え、前記3の状態にある親水性ポリマーの溶出を容易にすることができる。このとき、疎水性ポリマーの溶媒の割合が高いほどその効果は大きくなるが、高すぎると多孔質膜が溶解してしまうため、混合物中に占める疎水性ポリマーの溶媒の割合の上限は85%が好ましく、70%がより好ましい。
工程(C)での洗浄は、多孔質膜を洗浄液中に浸漬するだけで可能であるが、溶出拡散が律速となるため、高温液や脱気水を使用したり、バブリングやカスケード処理を行って濃度勾配を大きくしたり、洗浄液を強制的に流す等、溶出拡散の効果を高めることが好ましい。これらの処理は、単独で行ってもよいが、併用して行うことがより好ましい。
工程(C)の洗浄温度は、親水性ポリマーが溶出した液の粘度を低く押えて、溶出速度の低下を防ぐため、高温にすることが好ましい。このため、洗浄温度は50℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上である。さらに、洗浄液を沸騰させながら洗浄を行うことにより、沸騰によるバブリングによって膜の外表面を掻き取ることもできるため、効率のよい洗浄が可能となる。
工程(C)における洗浄時間は、紡糸原液の組成、膜の構造によって適宜設定されるが、連続処理を行う場合には、5分以下とすることが好ましく、3分以下がより好ましく、1分以下がさらに好ましい。
次に、除去が比較的困難な、分子鎖の一部が細孔部等の表面に存在し、他は多孔質膜基材中に埋没している親水性ポリマー(前記3の状態)を除去するため、酸化剤を用いて親水性ポリマーの分解を行う。まず、多孔質膜を酸化剤と接触させ、多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)を行う。これにより、多孔質膜の微細孔部に酸化剤を浸透させるか、あるいは多孔質膜表面に存在する親水性ポリマーに酸化剤を吸収膨潤させて、酸化剤を多孔質膜中に保持させる。
なお、分子鎖の全てが多孔質膜基材中に埋没している親水性ポリマー(前記1の状態)は、このような酸化剤による処理を行っても除去できないが、多孔質膜基材中に分子鎖の全てが埋没しているため、膜の透過性能に影響を及ぼすことはない。
使用する酸化剤は、オゾン、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過硫酸塩等を使用することもできるが、酸化力が強く分解性能に優れること、取扱い性に優れること、安価なことより次亜塩素酸塩が好ましい。次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムなどがあげられるが、特に次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
これら酸化剤は、通常水溶液として使用されるが、水溶液中で親水性ポリマーの分解を行うと、分解された親水性ポリマーが酸化剤水溶液中に溶出して酸化剤を消費するので、酸化剤水溶液の濃度を維持するために、酸化剤を追加しながら行う必要がある。
これに対し、本発明のように酸化剤を多孔質膜に保持させたあと、気相中で加熱することにより親水性ポリマーの分解を行うと、酸化剤水溶液中に親水性ポリマーが溶出しないので、酸化剤が無駄に消費されることがなく、より効率的である。
多孔質膜に酸化剤を保持させるにあたっては、酸化剤を含む水溶液に多孔質膜を浸漬させることが、必要な量の酸化剤を多孔質膜中に確実に保持させることができるため好ましい。より多くの酸化剤を多孔質膜に保持させるために、浸漬を行う前に多孔質膜を乾燥させてもよい。
浸漬させる方法のほかには、ローラー表面に酸化剤をつけ、多孔質膜をローラーに巻きつけながら酸化剤と接触させ、保持させる方法を用いることもできる。
この工程(A)は、中空糸膜中に酸化剤を保持させることが目的であり、分解が極力起こらないよう諸条件を設定することが好ましい。従って、酸化剤水溶液の温度は、50℃以下の低温にすることが好ましく、30℃以下がより好ましい。50℃より高温にした場合、多孔質膜の浸漬中に酸化分解反応が促進され、酸化剤水溶液中に脱落した親水性ポリマーの更なる酸化分解が進む事になり、酸化剤水溶液の更新負荷及び廃液処理負荷が増加する。
一方、低温では分解反応は低下するものの、あまり低温にまで冷却すると、常温で行う製造工程と比較して、ユーティリティ使用量が増加し、コスト高の一因となるため、酸化剤水溶液の温度は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
また、酸化剤として次亜塩素酸塩を用いる場合、分解を極力抑えるためには、酸化剤水溶液のpHを11以上とすることが好ましい。
工程(A)において、多孔質膜と酸化剤の接触時間は、前述の洗浄工程(C)と同様に、紡糸原液の組成、膜の構造によって適宜設定されるが、紡出からの連続処理を行う場合には、2分間以下とすることが好ましく、1分間以下とすることがより好ましい。
酸化剤水溶液中の酸化剤の濃度は、ピックアップ量を少量とし、次工程の酸化分解処理で極力無駄なく酸化剤を消費させることから、適切な範囲とする必要があり、次亜塩素酸塩を使用する場合、有効塩素濃度の下限は2000mg/L以上が好ましく、5000mg/L以上がより好ましい。上限は、120000mg/L以下が好ましく、10000mg/L以下がより好ましい。
多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)を経たあと、気相中で加熱する工程(B)を行うことにより、親水性ポリマーの分解を行う。
工程(B)での加熱は、大気圧下で加熱流体を用いて行うことが好ましい。大気圧下での加熱は、連続処理を行う場合、中空糸膜の出入り口に特殊なシール装置が不要で、装置本体も耐圧構造を必要としないため、装置メリットが大きく、操作性も非常に優れている。
乾燥空気を用いて加熱を行うと、乾燥処理を兼ねることが可能で、工程簡略のメリットがあり好ましい。また、加熱温度も多孔質膜基材が変質しない程度まで高温での処理が可能となる。しかしながら、乾燥空気中で加熱すると、多孔質膜は数分で乾燥してしまい、次亜塩素酸塩は乾燥状態では分解力が無い。このため分解すべき親水性ポリマー量が多く、分解処理に時間がかかるような場合には、水蒸気を含んだ空気中での加熱が、次亜塩素酸塩が分解力を保ち、効率的な分解処理が可能となるため好ましい。
多孔質膜に含まれる次亜塩素酸塩水溶液は、濃度が大きく希釈されたり、加熱媒体中へ脱落溶出する事がほとんど無いため、多孔質膜中に存在する親水性ポリマーの分解に効率よく使用される。
加熱を湿熱条件で行う際は、湿度は相対湿度として80%以上が好ましく、90%以上とすることがより好ましく、100%近傍とするのが最も好ましい。加熱温度の下限は、連続処理を行う場合処理時間を短くできることから50℃以上とすることが好ましく、80℃以上がより好ましい。温度の上限は、大気圧状態では100℃である。
工程(B)の処理時間は、紡糸原液組成や、膜構造、分解物の量といった種々の諸条件により適宜設定されるが、連続処理を行う場合には、処理時間の上限は5分以下が好ましく、3分以下がより好ましい。
処理時間の下限は、短すぎると親水性ポリマーの分解が不十分となる傾向にあるため、1分以上が好ましい。
工程(B)を行った後、多孔質膜を洗浄液で洗浄する工程(D)を行うことにより、低分子化された親水性ポリマーを多孔質膜から効率的に除去することができる。
この工程(D)に使用する洗浄液としては、前述の工程(C)における洗浄液と同様に、水又は疎水性ポリマーの溶媒と水との混合物を用いることができる。疎水性ポリマーの溶媒と水の混合物を用いる場合、その比率は前述の工程(C)と同様の範囲とすればよい。
工程(D)の洗浄時間は、多孔質膜の組成や構造、親水性ポリマーの分解物の量等によって適宜設定されるが、連続処理を行う場合には、処理時間の上限は10分以下が好ましい。また、処理時間の下限は、短すぎると親水性ポリマーの分解が不十分となる傾向にあるため、5分以上が好ましい。
また、前述の工程(C)における洗浄と同様に、溶出拡散が洗浄の律速となるため、高温液や脱気水を使用したり、バブリングやカスケード処理を行って濃度勾配を大きくしたり、洗浄液を強制的に流す等、溶出拡散の効果を高めることが好ましい。これらの処理は、単独で行ってもよいが、併用して行うことがより好ましい。
工程(D)の洗浄温度は、工程(C)と同様に50℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上である。
また、工程(C)と同様に洗浄液体を沸騰させながら洗浄を行うと、沸騰によるバブリングによって膜の外表面を掻き取る効果もあり、効率のよい洗浄が可能となる。
本発明の多孔質膜の製造方法は、多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)と、気相中で加熱する工程(B)とを行うことによって効率的に親水性ポリマーの分解を行うことができるが、多孔質膜の表面の孔径が小さい場合や、緻密層を二層以上有する場合は、工程(A)において酸化剤が多孔質膜内部に含浸し難く、酸化剤のピックアップ量が少なくなると共に、多孔質膜内部に酸化剤が十分に保持されないため、工程(B)において親水性ポリマーの分解が充分に行われなくなる場合がある。
このような場合、工程(A)、工程(B)の順に、少なくとも工程(A)及び工程(B)を複数回繰り返して行うことが、親水性ポリマーの分解をより効率的に行うことができるため好ましい。
また、工程(A)、工程(B)、工程(D)の順に、これら3つの工程を複数回繰り返すことによって、工程(A)と工程(B)を複数回繰り返してもよい。
工程(A)における酸化剤と多孔質膜との接触時間を充分長くし、工程(B)における親水性ポリマーの分解を行うこともできるが、その分解効率は、工程(A)及び工程(B)を繰り返して処理を行う場合のほうが高い。
上記のように工程を繰り返して行う回数としては、例えば多孔質膜表面の孔径が0.4μm以下の場合や、緻密層を二層以上有する場合には、2回以上が好ましい。繰り返し回数をある回数以上行うと、分解可能な親水性ポリマーは実質的に分解されるため、それ以上繰り返してもその効果は向上しないため、繰り返し回数の上限としては4回程度とすることが好ましい。
一方、多孔質膜の表面の孔径が0.4μmを超える場合、このような工程の繰り返しは必ずしも必要では無く、繰り返して行う場合でも、2回行えば充分である。
多孔質膜中に残存する親水性ポリマーの量は、多すぎると透水性能の低下を招くが、全く存在しないと多孔質膜が疎水性となるため、水系の液体の濾過を行う場合は、濾過前に多孔質膜をアルコール等に浸漬させるなどの親水化処理が必要となる。一方、多孔質膜中に親水性ポリマーが適度な量で残存すると、親水化処理を行わなくても水系の液体の濾過を行うことが可能となる。
本発明の製造方法は、前述の工程(A)、(B)、(C)、(D)の処理条件を適宜調整することにより、多孔質膜に残存する親水性ポリマーの量を制御することが可能である。例えば、工程(A)、(B)による親水性ポリマーの分解を緩和な条件とすることにより多孔質膜に所望する量の親水性ポリマーを残存させることができる。
また、工程(A)、(B)で親水性ポリマーを分解させた後、工程(D)の洗浄条件を適宜調整することにより、多孔質膜中に分解された親水性ポリマーを所望の量残存させることもできる。この場合、多孔質膜中に親水性ポリマーをあまり多く残存させると、洗浄後に行われる乾燥処理において、分解された親水性ポリマーが膜外表面に濃縮されやすく、膜性能の低下を招きやすくなる。
また、親水性ポリマーとしてポリビニルピロリドンのようなガラス転移温度の高いポリマーを用いた場合、膜表面に濃縮された親水性ポリマーが被膜を形成し、曲げ等によりこの被膜が破壊され、同時に多孔質体も破壊されることにより、膜に欠陥点を生じさせることがある。
以上のことを考慮すると、多孔質膜中に占める親水性ポリマーの割合は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
一方、親水化処理なしで水系の液体の濾過を行うためには、多孔質膜中に占める親水性ポリマーの割合は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。
多孔質膜中に占める親水性ポリマーの割合は、赤外分光光度計を用い、吸光度スペクトルより疎水性ポリマーの吸収強度と、親水性ポリマーの吸収強度との比を求めることにより測定することができる。
なお、多孔質膜が例えば組紐のような支持体と複合化されているような場合は、以下の1〜3のような手順にて多孔質膜のみを抽出し、多孔質膜中に占める親水性ポリマーの割合を求めればよい。ここでは、疎水性ポリマーがポリフッ化ビニリデン、親水性ポリマーがポリビニルピロリドンの場合を例としている。
1.多孔質膜を溶剤(N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解したのち、得られた溶液をガラス板上で蒸発乾固させ、厚さおよそ20μm程度のフィルムを作製する。
2.赤外分光光度計を用い、得られたフィルムの吸光度スペクトルを測定する。
3.吸光度スペクトルからポリビニルピロリドンのカルボニル基伸縮振動(1700cm−1)による吸収強度と、ポリフッ化ビニリデンのC−F伸縮振動(1400cm−1)による吸収強度とを求め、両者の比からポリビニルピロリドンの割合を求める。
以下、実施例を基に本発明を更に詳しく説明する。
ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン製、商品名カイナー9000LD)、ポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名K−90)、N,N−ジメチルアセトアミドをそれぞれ、表1に示す質量比となるように製膜原液(1)及び製膜原液(2)を調整した。
外径3.3mm、内径2.4mmの、図1に示す構造の二重環状ノズルを30℃に保温し、導糸部1からポリエステル製マルチフィラメント単織組紐(マルチフィラメント;トータルデシテックス830/96フィラメント、16打ち)を導入し、製膜原液(2)を第一の吐出口2から吐出して組紐のフィラメント間に製膜原液(2)を含浸させ、さらに製膜原液(1)をノズルの鞘部にある第二の吐出口3から吐出することによって、組紐上に製膜原液(1)を塗布した後、80℃に保温した、N,N−ジメチルアセトアミド5質量部及び水95質量部からなる凝固浴中に導き、外表面近傍に緻密層を一層有し、内部に向かって孔径が増大する傾斜構造の多孔質層が組紐にコーティングされた複合多孔質中空糸膜を得た。
Figure 2005042074
得られた複合多孔質中空糸膜を、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、130m/(m・hr・MPa)であった。
Figure 2005042074
Figure 2005042074
Figure 2005042074
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、126m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、72m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、96m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、118m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、116m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、134m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜4に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、76m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(A)、工程(B)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2、3に示した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、94m/(m・hr・MPa)であった。
実施例1と同様にして、製膜原液(1)及び製膜原液(2)を調整した。
実施例1と同様にして、第一の多孔質層を形成させた後、二重環状ノズルを30℃に保温し、導糸部1から第一の多孔質層を形成させた組紐を導入し、第一吐出口2から内部凝固液としてグリセリン(和光純薬工業製 一級)を吐出させ、製膜原液(1)を前記ノズルの鞘部にある第二吐出口3から吐出することによって、第一の多孔質層の上に製膜原液(1)を塗布した後、80℃に保温した、N,N−ジメチルアセトアミド5質量%及び水95質量%からなる凝固浴中に導き、第一の多孔質層の上に第二の多孔質層を有する、すなわち緻密層を二層有する複合多孔質中空糸膜を得た。
なお、第二の多孔質層の形成に用いたノズルは、外径3.7mm、内径2.9mmである以外は第一の多孔質層の形成に用いたものと相似構造のものを用いた。
この複合多孔質中空糸膜を、工程(C)、工程(A)1回目、工程(B)1回目、工程(D)1回目、工程(A)2回目、工程(B)2回目、工程(D)2回目の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜5に示した。
得られた多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、102m/(m・hr・MPa)であった。
Figure 2005042074
実施例10と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて、緻密層を二層有する複合多孔質中空糸膜を作成した後、工程(C)、工程(A)、工程(B)、工程(D)の順に処理を行った。各工程の条件は、表2〜5に示した。
得られた多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、17m/(m・hr・MPa)であった。
工程(A)1回目及び2回目の時間を0.75分間としたこと、工程(D)1回目及び2回目について、時間をそれぞれ1.4分間、10.5分間、温度を80〜90℃としたこと以外は実施例10と同様にして複合多孔質中空糸膜を作成した。
この後、この複合多孔質中空糸膜を85℃で5.25分間乾燥させた。
乾燥後の複合多孔質中空糸膜の水フラックスを測定した結果、127m/(m・hr・MPa)であり、組紐を除いた多孔質膜中に占めるポリビニルピロリドンは1.7質量%であり、複合多孔質中空糸膜の含水率は0.3質量%であった。また、膜外表面に破壊された部位は存在しなかった。
乾燥時間を4.5分間とした以外は実施例12と同様にして複合多孔質中空糸膜を作成した。
乾燥後の複合多孔質中空糸膜の水フラックスを測定した結果、132m/(m・hr・MPa)であり、組紐を除いた多孔質膜中に占めるポリビニルピロリドンは1.7質量%であり、複合多孔質中空糸膜の含水率は17.5質量%であった。また、膜外表面に破壊された部位は存在しなかった。
工程(D)2回目の時間を6分間とした以外は実施例12と同様にして複合多孔質中空糸膜を作成した。
乾燥後の複合多孔質中空糸膜の水フラックスを測定した結果、127m/(m・hr・MPa)であり、組紐を除いた多孔質膜中に占めるポリビニルピロリドンは2.6質量%であり、複合多孔質中空糸膜の含水率は0.2質量%であった。また、膜外表面に破壊された部位は存在しなかった。
乾燥温度を100℃とした以外は実施例13と同様にして複合多孔質中空糸膜を作成した。
乾燥後の複合多孔質中空糸膜の水フラックスを測定した結果、112m/(m・hr・MPa)であり、組紐を除いた多孔質膜中に占めるポリビニルピロリドンは1.0質量%であり、複合多孔質中空糸膜の含水率は0.9質量%であった。また、膜外表面に破壊された部位は存在しなかった。
<比較例1>
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて、緻密層を一層有する複合多孔質中空糸膜を作成した後、100℃の水に7分間浸漬させた。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、22m/(m・hr・MPa)であった。
<比較例2>
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて、緻密層を一層有する複合多孔質中空糸膜を作成した。
得られた複合多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、10m/(m・hr・MPa)であった。
<比較例3>
実施例1と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて多孔質中空糸膜を作成した後、80℃、有効塩素濃度1000mg/Lの次亜塩素酸塩水溶液を50L入れた槽の中を、多孔質中空糸膜が4m/minの速度で通過するようにして連続的に洗浄を行い、2時間後に槽中の有効塩素濃度を測定したところ、5ppm以下に低下していた。
<比較例4>
実施例10と同様の条件で乾湿式紡糸法にて紡出、凝固させて、緻密層を二層有する複合多孔質中空糸膜を作成した後、100℃の水に1分間浸漬させる工程を2回行い、さらに100℃の水に8分間浸漬させる工程を行った。
得られた多孔質中空糸膜の乾燥前の水フラックスを測定した結果、2m/(m・hr・MPa)であった。
以上の実施例及び比較例から、本発明の多孔質膜の製造方法は、短時間で効率的に親水性ポリマーを除去することが可能な、優れた製造方法であることがわかる。
本発明の複合多孔質膜の製造に使用する環状ノズルの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 導糸部
2 第一の吐出口
3 第二の吐出口

Claims (17)

  1. 疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなる多孔質膜に酸化剤を保持させる工程(A)と、気相中で加熱する工程(B)とを含む多孔質膜の製造方法。
  2. 前記工程(A)の前に、多孔質膜を洗浄液で洗浄する工程(C)を有する請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 前記工程(B)の後に、多孔質膜を洗浄液で洗浄する工程(D)を有する請求項1又は2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 前記工程(D)を経た後の多孔質膜中に占める前記親水性ポリマーの割合が5質量%以下である請求項3に記載の多孔質膜の製造方法。
  5. 前記工程(C)及び/又は前記工程(D)における洗浄液が、水又は前記疎水性ポリマーの溶媒と水との混合物である請求項2〜4のいずれか一項に記載の多孔質膜の洗浄方法。
  6. 前記工程(A)において、多孔質膜と前記酸化剤との接触時間を2分以下とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  7. 前記工程(B)において、多孔質膜の加熱時間を5分以下とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  8. 前記工程(C)及び/又は前記工程(D)において、前記洗浄液による多孔質膜の洗浄時間を10分以下とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  9. 前記工程(A)、前記工程(B)の順に、両工程を複数回繰り返して行う請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質膜の洗浄方法。
  10. 前記酸化剤が次亜塩素酸塩水溶液である請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  11. 前記次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度が2000mg/L以上である請求項10に記載の多孔質膜の製造方法。
  12. 前記次亜塩素酸塩水溶液の温度が50℃以下である請求項10又は11に記載の多孔質膜の製造方法。
  13. 前記工程(B)の気相中の雰囲気が、大気圧状態で、温度が50℃以上である請求項1〜12のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  14. 前記工程(B)の気相中の相対湿度が80%以上である請求項13に記載の多孔質膜の製造方法。
  15. 前記疎水性ポリマーが、フッ素系樹脂である請求項1〜14のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
  16. 前記疎水性ポリマーが、ポリフッ化ビニリデンである請求項15に記載の多孔質膜の製造方法。
  17. 前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドンである請求項1〜16いずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
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