JP2005268711A - 電子機器の防油構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電子部品を収納した筐体上面にファンモータ2を設け、そのファンモータ2の下側に皿状の油受け部1aを備えるとともに、油受け部1aに機器背面側へ油を吐き出す排出口1cを備えるように構成した。
また、排気用開口部3aを有し、ファンモータ2の上部に設けられ、ファンモータ2を固定するとともに、ファンモータ2を覆うファンカバー3を備え、ファンカバー3における排気用開口部3aの周縁部に油浸入防止用リブ3bを設けた
【選択図】 図4
Description
また、夜間等、電子機器の稼動停止に伴うファンモータの停止時に、電子機器の周辺に浮遊しているオイルミスト等が落下して筐体上部の空気排気孔より筐体内部に浸入し、ファンモータに付着する。また、電子機器の周辺に浮遊しているオイルミスト等が落下して筐体上部の上面に付着し、この付着した油等が筐体上部の空気排気孔などより筐体内部に浸入し、ファンモータに付着する。
ファンモータに付着した水分やオイルミストは、水滴や油滴となってファンモータから落下し、筐体内のプリント基板上の電子部品に付着し、電子部品を電気的に短絡したり、部品を劣化させたりして障害の原因となる場合がある。
また、他の従来例として、電子部品の上部に設置されたファンモータの底部を、水平面に対して傾斜して取付けることによって、ファンモータの底部に付着した油滴を、傾斜の下方の縁部に集め、この縁部から筐体の底面部上の狭い範囲内に落下させることにより電子部品への油付着を防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
なお、電子機器を定期的に分解して油受け用板金に溜まった油を取り除けばよいが、非常に手間を要し、また作業者が忘れることもあり、この作業を行わせることは好ましくない。
また皿状の油受けから、油を機器背面側に排出するように排出口を設けてあるので、機器外への油の排出により機器正面が油で汚れることを防止できる。
以下、この発明の実施例1を、図1〜図5を用いて説明する。
なお、この実施例は電子機器が数値制御機器の場合の例を示すもので、図1は中央縦断面図、図2は正面側からの斜視図、図3は背面側からの斜視図、図4はファンモータ部の分解斜視図、図5はファンカバーの拡大斜視図である。
筐体本体1Aの上方部には、ファンモータ2を隙間なく(ファンモータの側面との間に極力隙間がないように)収納するためのファンモータ収納部1eが成形されているとともに、そのファンモータ収納部1eの下部には、皿状の油受け部1aが成形されている。なお、この油受け部1aは、図3及び図4に示すように、中央部が一段下がった樋状に成形されており、また筐体本体1Aの背面に、樋状部及びそれ以外の部分と連通する3個の油排出口1cが設けられているとともに、油排出口1c側が若干低くなるように傾斜されて設けられている。また皿状の油受け部1aの上面には、ファンモータ2を収納した時、ファンモータ2下面と油受け部1aの上面との間に所定の隙間(冷却風流通用隙間)が出来るよう、ファンモータ2を支持する複数個のリブ1gが成形されている。
また、筐体本体1Aに成形された皿状の油受け部1aの上方周壁(油排出口1c側の上方周壁は除く)には、吸気用開口部1bが複数個成形されている。
また、筐体本体1Aの下面部には、図1に示すように、外気を筐体本体1A内に取り込むための開口部1jが成形されている。
また、筐体本体1Aの一側面開口部における周縁上下部には、図1に示すように、前記開口部を閉塞する筐体カバー1Bの爪1mが挿入され引っ掛けられる穴1kが、上下2箇ずつ成形されている。
また、筐体カバー1Bの下方の一部が凹むように成形されており、その凹部には多数のコネクタ1tが設けられているとともに、その上部には、設定・調整用のツマミが設けられており、このツマミをオイルミストから保護するため保護カバー1qが設けられている。また、この保護カバー1qは、容易に開閉できるよう、筐体カバー1Bと上部でヒンジ結合されており、そのヒンジ部を設けるため筐体カバー1Bの上面に成形された溝1r、及び筐体カバー1Aと保護カバー1qとの接合部より、筐体カバー1Aの上面部に付着した油が保護カバー1q内部に浸入しないよう、筐体カバー1Bの上面部における溝1rの周縁部、及び保護カバー1qとの接合周辺部に、油浸入防止用リブ1sが成形されている。
また、このファンカバー3は、ファンモータ2と対向する位置に、排気用開口部3aが成形されているとともに、この排気用開口部3a周縁部に、ファンカバー3の上面部に付着した油が排気用開口部3aを通じてファンモータ2部に浸入するのを防止する油侵入防止用リブ3bが成形されている。また排気用開口部3a内に、円板部3d、及びこの円板部3dを支える環状及び放射状の桟3eが成形されている。
また、環状及び放射状の桟3eは、排気用開口部3aより異物が侵入するのを極力防止し、且つ排気用空気の流通を極力妨げないような幅であり、且つ上面部に、円板部3dの上面部及びファンカバー3の上面部と連通する油浸入防止用溝3gが成形されている。
このため、円板部3d上面に付着した油は、油浸入防止用リブ3fにてファンモータ3部に浸入するのを阻止され、桟3eに設けられた油浸入防止用溝3gを通じてファンカバー3の上面部に流れ出る。また桟3eに付着した油も、油浸入防止用溝3gを通じてファンカバー3の上面部に流れ出る。
また、皿状の油受け部1aの下側に、電子部品を搭載したプリント基板4が、筐体1の側面と平行に配置されている。
このように、オイルミストを含んだ空気がファンモータ2を通過することにより、ファンモータ2に油が付着していく。また、ファンモータ2から排出された空気中のオイルミストが、夜間等、機器の電源停止に伴うファンモータ2の停止により、次第に落下し、ファンカバー3及び筐体カバー1Bの上部に付着するとともに、ファンカバー3の排気用開口部3aから浸入して、ファンモータ2に付着し、また皿状の油受け1aに溜まる。
このため、ファンモータ2に付着した油及び直接浸入した油は、皿状の油受け1aで受け止められることになるので、油受け1aの下部に配置された基板4上に落下することがなくなる。
また、皿状の油受け1aに溜まった油は、常に機器外部に排出されるので、皿状の油受け1aに溜まった油を、作業者が一々排出する必要がなく、また、その油は機器の背面より排出されるため、機器の正面を汚すことがない。
更にまた、ファンモータ2の駆動時に、油排出溝1d及び油排出口1cを通じて外気を吸い込むが、油排出溝1d及び油排出口1cの大きさ(体積)が、冷却すべき基板4の周囲を通過する冷却風が少なくなり冷却効率が低下するのを極力防止するよう考慮されているため、油排出溝1d及び油排出口1cを通じて吸い込む外気量は少ない。よって、油受け1aに溜まった油を、油排出溝1d及び油排出口1cを通じて常に排出する構成を採用したとしても、冷却効率が低下するのを極力抑えることができる。
またファンカバー3における排気用開口部3a周辺の油は、油浸入防止用リブ3bにて、排気用開口部3aよりファンモータ3部に浸入するのを阻止される。
また、ファンカバー3における排気用開口部3a以外の上面部に付着した油は、ファンカバー3に設けられた油浸入防止用リブ3cにより、筐体本体1Aと筐体カバー1Bとの接合部より筐体1内部に浸入するのを阻止される。
また、油浸入防止用リブ3b及び油浸入防止用リブ3cにより阻止されたファンカバー3上面部の油は、ファンカバー3の側面及び背面に流れ出るが、ファンカバー3の側面に流れ出た油は、筐体本体1Aの設けられた油浸入防止用リブ1hにて筐体1内部に浸入するのを阻止される。
なお、ファンカバー3の背面に流れ出た油は、油排出溝1d等に流れ込み、筐体1内部に浸入することはない。
なおまた、コネクタ1tが筐体カバー1Bの凹部に設けられているので、筐体カバー1Bの上部がオイルミスト付着防止用屋根となり、よってコネクタ1tにオイルミストが付着するのを極力防止できる。
実施例2.
また、排気用開口部3aの円板部3dが山状となっており、また桟3eも、円板部3d側からファンカバー3の上面部に向かって低くなる傾斜を有していることが好ましい。
更にまた、筐体カバー1Bの上面部も、中央部が高く、両側面が低くなっていることが好ましい。
また、実施例1においては、電子機器として数値制御機器を例にとって説明したが、冷却効率等を考慮して、筐体下部に基板などが配設され、筐体上方部に冷却用ファンモータが配設される構成の他の電子機器にも、この発明が適用できることは言うまでもない。
Claims (10)
- 下方に吸気口を有し、電子部品を格納する筐体と、この筐体の上部に設けられたファンモータと、このファンモータの真下に設けられた皿状の油受けと、この皿状の油受けに溜まった油を機器背面側から筐体外部へ排出するための油排出口と、皿状の油受けの上方側面に設けられ、前記吸気口を通じて吸込まれた空気流を通過させる吸気用開口とを備えてなる電子機器の防油構造。
- 下方に吸気口を有し、電子部品を格納する筐体と、この筐体の上部に設けられたファンモータと、このファンモータの真下に設けられた皿状の油受けと、この皿状の油受けに溜まった油を機器背面側から筐体外部へ排出するための油排出口と、皿状の油受けの上方側面に設けられ、前記吸気口を通じて吸込まれた空気流を通過させる吸気用開口と、排気用開口部を有し、前記ファンモータを固定するとともにファンモータを覆うファンカバーとを備え、前記ファンカバーにおける排気用開口部の周縁部に油浸入防止用リブを設けたことを特徴とする電子機器の防油構造。
- 前記ファンカバーの排気用開口部に、その中央部に円板部を設けるとともに、この円板部を支える桟を設け、且つ前記円板部の周縁部に油浸入防止用リブを設けるとともに、前記桟に、前記円板部の上面部及びファンカバーの上面部に連通する溝を設けたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体は、その背面が壁面に密接されて固定されるものであり、前記筐体の背面に、前記油排出口と連通するとともに、前記壁面との間で油排出孔を形成する扁平状の油排出溝が上下方向に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子機器の防油構造。
- 前記油排出口及び油排出溝は、ファンモータが駆動されているとき、その油排出口及び油排出溝を通じて外気を多量に吸い込まないようにその体積が設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体は、一側面が開口した筐体本体と、この筐体本体の開口部を閉塞する筐体カバーとからなり、前記ファンカバーは、前記筐体本体の上面を覆うものであるとともに、このファンカバーの上面における筐体本体と筐体カバーとの接合部側に、油浸入防止用リブを設けたことを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体における上面の両側面に、前記ファンカバーと係合する油浸入防止用リブを設けたことを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体カバーの上面における筐体本体との接合部側に、油浸入防止用リブを設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体カバーの上面における正面側に、油浸入防止用リブを設けたことを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の電子機器の防油構造。
- 前記筐体の正面側下方を凹ませ、この凹ませた個所にコネクタを配設したことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の電子機器の防油構造。
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