JP2005266719A - 眼鏡部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブリッジ、鎧、テンプルなどの金属製眼鏡部品に関し、金や白金などの貴金属材料で形成され、傷が付いたり後加工したときにも眼鏡枠としての装飾性が損なわれることがなく、かつ強度と靭性とを備えた金属製眼鏡部品を提供する。
【解決手段】 チタンやアルミニウム合金、セラミックス等の軽量かつ強靱な材料で支持部5と一体に成形した芯材7を当該支持部5で型6のキャビティ9内に浮かせた状態で支持し、芯材7と型6との間に装飾性の高い金その他の貴金属材料の溶湯を流し込んで芯材7を鋳造被覆し、脱型後支持部5を切除するか、又は鋳造被覆から突出する支持部5をレンズ固定具2とする。芯材7は、目的とする眼鏡部品の形状を単純化した形状とし、部品表面の細かな凹凸形状は鋳造被覆15により形成する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、金属製眼鏡枠のブリッジ、鎧、テンプルなどの眼鏡部品に関するものである。
金属製眼鏡枠の金属材料として、チタン、洋白などが広く用いられており、更に高い装飾性を備えた金や白金あるいはベリリウム銅などの貴金属も用いられている。眼鏡は顔面に常時装着されるので、軽くて装飾性に優れていることが要求される。そのため、金属製眼鏡枠のブリッジ、鎧、テンプルなどの部品は、細く繊細なものとなり、この装飾性と眼鏡枠としての強度とを両立させることが要求され、チタンを代表とする軽くて強度と靭性に優れた金属が用いられる。
一方、金や白金などの装飾性の高い貴金属を用いた眼鏡枠に対する要望も根強くあり、金や白金で製造した眼鏡部品も提供されている。しかし、これらの貴金属は、眼鏡枠の材料として優れた特性を有するチタン等に比べて比重が大きく、かつ強度や靭性も低い。そのため眼鏡枠全体を貴金属で製造すると、強度が十分でないために壊れやすい傾向が生じる。
一方、母材としてチタンや洋白などの強靭な金属材料を用い、所定の形状に加工した母材表面に貴金属のめっきや電気鋳造を施した眼鏡部品も提供されている。これらの眼鏡部品は、強度上の問題は解決できるが、めっきであるために、傷付けたり後加工したときに母材が露出して、眼鏡枠の価値を減退させるという問題がある。
特開平4−229820号公報 特開2001−51239号公報
この発明は、表面全体が金や白金などの貴金属その他の高い装飾性を備えた金属材料で形成され、傷が付いたり後加工したときにも眼鏡枠としての装飾性が損なわれることがなく、かつ眼鏡枠としての十分な強度と靭性とを備えた金属製眼鏡部品を提供することを課題としている。
上記課題を解決した本願請求項1の発明に係る眼鏡部品は、支持部5を一体に備えた芯材7を当該支持部5で型6のキャビティ9内に浮かせた状態で支持し、芯材7と型6との間に外装金属の溶湯を流し込んで芯材7を鋳造被覆し、脱型後この鋳造被覆15から突出する支持部5を切除してなるものである。
また本願請求項2の発明に係る眼鏡部品は、支持部5を一体に備えた芯材7を当該支持部5で型6のキャビティ9内に浮かせた状態で支持し、芯材7と型6との間に外装金属の溶湯を流し込んで芯材7を鋳造被覆し、脱型後この鋳造被覆15から突出する支持部5をレンズ固定具2としたものである。
芯材7として金属材を用いるときは、外装金属より比重の小さい金属材とする。溶融温度が比較的低い軽金属を用いるときは、芯材7の表面に耐熱性に優れたセラミックスをコーティングすることにより、芯材7に外装金属の溶湯の注入に耐える耐熱性を付与できる。芯材7として特に好ましい金属材は、チタン又はジュラルミンその他のアルミニウム合金である。
また芯材7の材料は、強靱で鋳造被覆より軽量な材料であれば金属材に限られるものではなく、チタンやアルミニウム合金などの金属材の他、セラミックスなどの非金属材も使用可能である。
鋳造被覆となる外装金属材としては、特に金が優れているが、他の装飾性の高い金属材料、例えば白金、銀、ベリリウム銅などを用いることができる。
芯材7は、目的とする眼鏡部品の形状を単純化した形状とし、部品表面の細かな凹凸形状は鋳造被覆15により形成する。これにより、芯材7の強靱材料として加工性のあまり良くない金属やセラミックスを用いることができ、芯材7の加工コストも低減できる。鋳造被覆15は、ロストワックス法やダイキャスト法による鋳造で、複雑な表面形状や滑らかな表面を備えた高級感及び装飾性に優れた外観のものとすることができる。鋳造被覆15を成形するときの芯材7と型6との間の隙間を少なくとも0.1mm以上、好ましくは0.3〜0.5mm以上とすることで、傷付いても芯材7が表面に現れることがなく、また後加工が必要な箇所は、当該後加工が行われても芯材7が現れない厚さの鋳造被覆とする。
上述したこの発明の眼鏡部品によれば、鋳造被覆15として金や白金その他の装飾性の高い金属材料を用いた眼鏡枠において、軽くて強靭であり、かつ表面を傷付けたときも装飾性の高い眼鏡枠としての価値を低減させることのない、装飾性の高い眼鏡枠を提供できるという効果がある。
また、この発明の眼鏡部品によれば、全体を貴金属材料で成形した眼鏡部品と同等の高い装飾性と高級感とを備え、かつ強靭で壊れにくい眼鏡枠を比較的安価に提供することができるという効果がある。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図には縁なし眼鏡のブリッジ及び鎧の例が示されている。
図1は、この発明の構造を備えた縁なし眼鏡のブリッジで、図2の(a)ないし(c)は、その製造過程を示した図である。ブリッジ1は、レンズを固定するためのピン2を除いて、その表面全体が貴金属の鋳造被覆15で覆われている。ブリッジ1の両端には、レンズの前面と周縁を受ける受面3a、3b及びレンズの周面に形成した嵌合溝に嵌合する嵌合突起4が形成されているが、これらはいずれも貴金属の鋳造被覆15によって形成されたものであり、これらの部分に後加工を施しても芯材が現れることはない。
レンズを固定するための固定ピン2は、この例に記載したものでは、後述する芯材7を支持するための支持ピン5と同一部材となっており、従ってこの固定ピン2部分にのみ芯材7が現れている。
図2(a)には、図1のブリッジをロストワックス法で鋳造成形するためのゴム雌型6と芯材7とが示されている。芯材7は例えばチタン製で、帯板材をブリッジ1の湾曲形状に合せて屈曲したものの両端に支持ピン5を溶接等により一体化した構造である。支持ピン5の先端の球形8は、ゴム雌型6に芯材7を装着したときの支持ピン5の軸方向位置を正確に規定するために設けられているものである。芯材7を溶融温度の低い軽金属としたときは、芯材7の表面に耐熱セラミックスをスプレー法、刷毛塗り法、浸積法などによりコーティングして耐熱性を付与する。
ゴム雌型6には、ブリッジ1の外形形状を成形するためのキャビティ9と、支持ピン5を支持するための支持凹所10と、湯口となる溝11とが形成されている。図のゴム雌型6は下型で、上型は図には示されていない。
芯材7は、図2(b)に示すように、支持ピン5をピン支持凹所10に嵌合した状態で、ゴム雌型6のキャビティ9に挿入される。このとき芯材7は、支持ピン5部分以外は総てキャビティ9の壁面との間に溶湯が通過可能な隙間を残して支持されている。ブリッジのレンズ周縁の受面3bや嵌合突起4を成形する部分には、芯材7は存在していない。
このようにしてゴム雌型のキャビティ9内に芯材7を支持して上型を被せ、湯口用の溝11から溶融ワックスを圧入することにより、図2(c)に示すろう模型13が製造される。このろう模型の湯口棒12の先端が互いに連結されるようにして、複数のろう模型13を放射状ないしツリー状に配置して石膏型を作り、加熱してろう模型13のろうを溶融、燃焼して除去する。ろう模型に埋設されていた芯材7や支持ピン5は、当然、石膏型のキャビティ内に残る。そこで、石膏型の湯口から貴金属の溶湯を流し込んで固化させた後、石膏型を壊して脱型することにより、図2(c)のろう模型13と同形の(実際には湯口棒12の先端部分で複数個が放射状ないしツリー状に連結されている。)の鋳造部品を得る。得られた鋳造部品の湯口棒12を切除し、支持ピン5の先端を切除した後ねじ加工して、図1のブリッジ1とする。
図3及び図4は、鎧とその製造過程を示した図である。図3に示す鎧14は、レンズの前面と周縁とを受ける受面3a、3bと、レンズの周縁に形成した嵌合溝に嵌合する嵌合突起4と、テンプルを連結する蝶番18とが成形されており、レンズを固定するための固定ピン2が設けられている。
図4(a)には、図3の鎧を製造するためのゴム雌型6と芯材7とが示されている。芯材7はチタンの鋳造品で、略L形の本体7aに2本の支持ピン5が一体に成形されている。ゴム雌型6には、蝶番成形部分19やレンズ周縁の受面3b及び嵌合突起4の成形部16を含むキャビティ9と、このキャビティに連結する支持ピン嵌合用の支持凹所10及び湯口用の溝11が形成されている。
芯材7は、図4(b)に示すように、2本の支持ピン5を支持凹所10に嵌合して、芯材本体7aとキャビティ9の周壁との間に貴金属の溶湯が流入する隙間を残してゴム雌型6のキャビティ9内に浮かせた状態、即ち芯材7がキャビティ9の周面に接触しない状態で装着される。以下、ブリッジについて説明したと同様な過程を経て、図4(c)に示すろう模型13と同形の鋳物をロストワックス法により成形し、この鋳物部品から湯口棒12及び蝶番側の支持ピン5を根元から切除し、レンズ側の支持ピン5の先端を切除してねじ加工し、更に蝶番18にテンプル側の蝶番が挿入される切欠18b(図3参照)を加工することにより、図3の鎧が製造される。
図4(a)に示した芯材7の形状と、図4(c)のろう模型13の形状から理解されるように、蝶番18部分はすべて貴金属の鋳造被覆15で成形されているので、切欠18bを加工したときの加工面も貴金属表面である。
図5及び図6は、上述したブリッジ1及び鎧14並びに同様な構造のテンプル17を用いた縁なし眼鏡の模式的な正面図及び上面図で、図のブリッジ1、鎧14及びテンプル17には、中の芯材7が点線で示されている。これらの図に示したように、この発明の眼鏡部品は、外力による応力が作用する部分にチタンやセラミックスなどからなる単純な形状の芯材7が埋設され、その表面全体及びあまり応力の作用をしない凹凸部分がすべて金などの装飾性の高い金属の鋳造被覆15となっており、鎧14とテンプル17を繋ぐ蝶番18の部分もすべて鋳造被覆15で成形されているため、相手の蝶番を嵌め込むための切欠やねじなどの後加工部分の加工面もすべて装飾性の高い鋳造被覆15の金属面となり、これらの部分に芯材7の金属が現れることがないため、高い装飾性と高級感が得られる。
また、芯材7の表面に形成された鋳造被覆15の厚さは、めっきや電気鋳造に比較して遥かに厚いサブミリメートルの厚さであるから、表面に誤って引っ掻き傷などを付けても芯材7が現れることがなく、全体が貴金属でできたと同様な高級感を得ることができる。そして、応力が作用する部分には、チタン、ジュラルミンその他の軽金属、セラミックスなどの材料からなる芯材7が埋設されているので、眼鏡部品としての十分な強度を付与することができ、かつ芯材7の材料として比重の小さいものを用いることにより、眼鏡枠全体の軽量化も図ることができる。
この発明のブリッジの一例を示す斜視図 図1のブリッジの製造過程を示す説明図 この発明の鎧の一例を示す斜視図 図3の鎧の製造過程を示す説明図 図1のブリッジと図3の鎧を用いた縁なし眼鏡の模式的な部分正面図 図5の縁なし眼鏡の部分上面図
符号の説明
1 ブリッジ
2 レンズ固定ピン
5 芯材支持ピン
6 雌型
7 芯材
9 雌型のキャビティ
13 ろう模型
14 鎧
15 鋳造被覆

Claims (6)

  1. 支持部(5)を一体に備えた芯材(7)を当該支持部(5)で型(6)のキャビティ(9)内に浮かせた状態で支持し、芯材(7)と型(6)との間に外装金属の溶湯を流し込んで芯材(7)を鋳造被覆し、脱型後この鋳造被覆(15)から突出する支持部(5)を切除してなる、眼鏡部品。
  2. 支持部(5)を一体に備えた芯材(7)を当該支持部(5)で型(6)のキャビティ(9)内に浮かせた状態で支持し、芯材(7)と型(6)との間に外装金属の溶湯を流し込んで芯材(7)を鋳造被覆し、脱型後この鋳造被覆(15)から突出する支持部(5)をレンズ固定具(2)とした、眼鏡部品。
  3. 芯材(7)が外装金属より比重の小さい金属材である、請求項1又は2記載の眼鏡部品。
  4. 芯材(7)がチタン又はアルミニウム合金である、請求項3記載の眼鏡部品。
  5. 芯材(7)にセラミックスコーティングが施されている、請求項3記載の眼鏡部品。
  6. 芯材(7)がセラミックスである、請求項1又は2記載の眼鏡部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102328062A (zh) * 2011-09-28 2012-01-25 浙江大学宁波理工学院 一种镶嵌式复合铸造方法
KR101712016B1 (ko) * 2016-10-19 2017-03-03 김동철 안경 코받침 안경다리 연결 구조

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