JP2005266555A - トナー搬送装置、現像装置、プロセスユニット、画像形成装置、トナー搬送方法、現像方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー搬送装置、現像装置、プロセスユニット、画像形成装置、トナー搬送方法、現像方法及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 EH現象によってトナーを搬送するトナー静電搬送基板等のトナー静電搬送手段に対して、帯電不良のトナーを供給してしまうといった事態を抑え、且つ、実使用に耐え得る強度のメッシュを使用しつつ、電界によって摩擦促進物質の粒子表面からのトナー離脱を促してトナー静電搬送手段へのトナー供給量を増加させるという作用をより確実に得る。
【解決手段】 トナーと摩擦促進物質との混合物を収容する第1収容室142と、これの内部の混合物を攪拌する導電性材料からなる第1搬送スクリュウ144と、第1収容室142に固定したメッシュ146と、メッシュ〜第1トナー静電搬送基板101間に電位差を生じせしめる電位差発生手段とを設けた。そして、メッシュ146として、全体が導電性材料で構成され且つ「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を具備するものを用いた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー静電搬送手段の表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー搬送装置、現像装置、プロセスユニット、画像形成装置、トナー搬送方法、現像方法及び画像形成方法に関するものである。
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として、特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。これらの画像形成装置では、表面移動する現像ローラ等の現像剤担持体に担持したトナーを、感光体等の潜像担持体との対向位置である現像位置に搬送して、潜像担持体上の静電潜像を現像する。かかる構成では、表面移動する現像剤担持体と潜像担持体との間でトナーが擦れることで、何れか一方の表面に固着する。そして、固着トナーが画像に悪影響を及ぼすことがあった。また、現像位置においては、現像剤担持体の表面と潜像担持体上の静電潜像との電位差によってトナーを静電移動させるのであるが、この電位差を相当に大きくしなければならなかった。静電移動の開始に先立って、ファンデルワールス力や鏡像力等によるトナーと現像剤担持体との付着力に打ち勝つだけの力をトナーに付与して付着状態を解く必要があり、そのために大きな静電気力を必要とするからである。
一方、表面移動する現像剤担持体を用いずにトナー像を現像する画像形成装置としては、特許文献3に記載のものが知られている。この画像形成装置の現像装置は、複数の電極が所定ピッチで配設されたトナー静電搬送基板の表面上でEH(Electrostatic Transport&Hopping)現象を生じせしめて、トナーを現像位置まで搬送する。このEH現象とは、粉体に作用する移相電界のエネルギーが機械的なエネルギーに変換されて、粉体自身が動く現象をいう。EH現象が生起せしめられたトナーは、静電搬送基板面上において移相電界によって進行方向への移動力が付与されて飛び跳ねる。そして、基板面方向の移動(搬送)と、基板面に垂直な方向の移動(ホッピング)とを行う。トナー静電搬送基板上でトナーをホッピングさせながら現像位置に搬送することで、表面移動する現像剤担持体を用いた構成では実現が望めなかったほどの低電位現像を実現することができる。例えば、周囲の非画像部との電位差が僅か数十[V]である静電潜像にトナーを選択的に付着させることも可能である。
特開平9−197781号公報 特開平9−329947号公報 特開2002−341656号公報
ところが、この画像形成装置の現像装置は、十分に帯電したトナーをトナー静電搬送基板に供給することができずに、トナーの帯電不良による悪影響を引き起こすおそれがあった。トナーを、トナーホッパ部内のアジテータの回転によって摩擦したり、トナーホッパ部から帯電ローラ表面に汲み上げて規制ブレードで摩擦したりして、帯電させているのであるが、この程度の摩擦では不十分な場合が多いからである。
そこで、本発明者らは、ガラスビーズ等の摩擦促進粒子からなる摩擦促進物質にトナーを混合せしめて混合物の状態で攪拌することで、十分に摩擦帯電せしめてからトナー静電搬送基板に供給する新規なトナー供給装置を開発中である。このトナー供給装置は、上記混合物を収容する混合物収容部と、これの内部に配設された回転するスクリュウ部材等の攪拌搬送部材と、これによる混合物搬送路に設けられたメッシュとを有している。混合物収容部内の混合物は、攪拌搬送部材によって攪拌されながら搬送される過程で、内部のトナーの摩擦帯電が促される。そして、メッシュとの対向部を通過する際に、トナーがメッシュの孔を通ってトナー静電搬送基板に向けて排出される。かかる構成では、トナーを摩擦促進物質によってより確実に摩擦帯電せしめてから、トナー静電搬送基板に供給することができる。
ところが、本発明者らがこの現像装置を試作して実験を行ったところ、次のような不具合を確認した。即ち、十分量のトナーをメッシュの孔に通すことができずに、トナー静電搬送基板に対するトナー供給量を不足させてしまったのである。
本発明者らは、かかる不具合を引き起こす原因について鋭意研究を行った結果、次のようなことを見出した。即ち、混合物収容部内において、十分に摩擦帯電せしめたトナーを摩擦促進粒子表面に強く静電吸着させる結果、粒子表面から離脱させることが困難になっていたのである。
そこで、本発明者らは、摩擦促進粒子表面からのトナーの離脱を電界によって促す改良を加えてみた。具体的には、混合物収容部内の攪拌搬送部材と、トナー静電搬送基板との間に電位差を生じさせて、混合物中のトナーを攪拌搬送部材側からトナー静電搬送基板側に向けて静電的に移動させる電界を形成してみた。すると、より多くのトナーをメッシュの孔に通して、静電搬送基板へのトナー供給量を大幅に増やすことができた。但し、メッシュとして、ある程度厚みの大きいものを用いると、電界によってトナー供給量を増加させるという作用が十分に現れない場合もあった。よって、電界によってトナー供給量を確実に増加させるには、できるだけ厚みの小さなメッシュを用いる必要があるが、過剰に厚みの小さなメッシュでは、実使用に耐え得るだけの強度が得られなくなる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次に列記する(1)及び(2)の事項を何れも実現することができるトナー搬送装置等を提供することである。
(1)EH現象によってトナーを搬送するトナー静電搬送基板等のトナー静電搬送手段に対して、帯電不良のトナーを供給してしまうといった事態を抑える。
(2)実使用に耐え得る強度のメッシュを使用しつつ、電界によって摩擦促進物質の粒子表面からのトナー離脱を促してトナー静電搬送手段へのトナー供給量を増加させるという作用をより確実に得る。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー静電搬送手段を備えるトナー搬送装置において、トナーと摩擦促進物質との混合物を収容する混合物収容部と、該混合物収容部内の混合物を攪拌する攪拌手段と、該混合物収容部又はこれに連通する連通部に設けられたメッシュとを有し、該混合物収容部又は連通部内の該混合物中のトナーを該メッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送部材に供給するトナー供給手段を設けるとともに、該混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、これと上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめる電位差発生手段とを設け、該メッシュとして、全体が導電性材料で構成され且つ「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を具備するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー静電搬送手段を備えるトナー搬送装置において、トナーと摩擦促進物質との混合物を収容する混合物収容部と、該混合物収容部内の混合物を攪拌する攪拌手段と、該混合物収容部又はこれに連通する連通部に設けられたメッシュとを有し、該混合物収容部又は連通部内の該混合物中のトナーを該メッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送部材に供給するトナー供給手段を設けるとともに、該混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、これと上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめる電位差発生手段とを設け、該メッシュとして、絶縁性材料からなる絶縁層と、これに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のトナー搬送装置において、上記メッシュとして、「孔最短径W≧1.7×導電層厚みTe」という関係式を具備するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3のトナー搬送装置において、上記メッシュとして、上記導電層の厚みが5[μm]以下であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2、3又は4のトナー搬送装置において、上記混合物収容部又は連通部内の混合物に対して、上記導電層よりも上記絶縁層を近づける姿勢で、上記メッシュを配設したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2、3又は4のトナー搬送装置において、2つの上記導電層の間に上記絶縁層を積層した構造のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のトナー搬送装置において、2つの上記導電層の間に電位差を生じせしめる導電層間電位差発生手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7のトナー搬送装置において、上記対向電極と上記メッシュのトナー入口側表面との間の電界強度よりも、2つの上記導電層の間の電界強度を大きくする電位差を生じせしめるように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7又は8のトナー搬送装置において、2つの上記導電層の間の電界強度を、上記メッシュの孔内の該間でコロナ放電を発生させ始める放電開始強度よりも小さくするように、上記導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9の何れかのトナー搬送装置において、2つの上記導電層のうち、トナー出口側に位置する方である出口側導電層と、上記トナー静電搬送手段との間に、トナーを該出口側導電層から該トナー静電搬送手段に向けて静電的に移動させる向きの電界を形成するように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10のトナー搬送装置において、上記出口側導電層と上記トナー静電搬送手段との間の電界を、該トナー静電搬送手段の表面上でトナー搬送用に形成される電界を阻害しない強度で形成するように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項6乃至11の何れかのトナー搬送装置において、上記メッシュとして、2つの上記導電層のうち、トナー入口側に位置する方である入口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径よりも、トナー出口側に位置する方である出口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径を大きくしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12のトナー搬送装置において、上記メッシュとして、上記出口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径を、上記入口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径の2.0倍未満にしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項6乃至11の何れかのトナー搬送装置において、上記メッシュとして、トナー入口側の孔最短径よりもトナー出口側の孔最短径を大きくしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14のトナー搬送装置において、上記メッシュとして、トナー出口側の孔最短径をトナー入口側の孔最短径の2.0倍以下にしたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、トナー搬送装置に設けられたトナー静電搬送手段の表面上に存在するトナーを静電気力によって移動させながら潜像担持体との対向位置に搬送して、該潜像担持体に担持される潜像を現像する現像装置において、上記トナー搬送装置として、請求項1乃至15の何れかのトナー搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、少なくとも、画像形成装置内で潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを、1つのユニットとして共通の支持体に支持させたプロセスユニットにおいて、上記現像手段として、請求項16の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、上記現像手段として、請求項16の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、トナー静電搬送手段の表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー搬送方法において、内部に収容しているトナーと摩擦促進物質との混合物を攪拌する混合物収容部、又はこれに連通する連通部内に収容されている該混合物からトナーをメッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送手段に供給するトナー供給工程を実施し、該トナー供給工程にて、混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめ、且つ、該メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、トナー搬送装置に設けられたトナー静電搬送手段の表面上に存在するトナーを静電気力によって移動させながら潜像担持体との対向位置に搬送するトナー搬送工程を実施して、該潜像担持体に担持される潜像を現像する現像方法において、上記トナー搬送工程と並行して、請求項19のトナー搬送方法における上記トナー供給工程を実施し、且つ、上記メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、潜像担持体に潜像を形成する潜像形成工程と、トナー静電搬送手段の表面上でトナーを静電気力によって移動させて該潜像担持体との対向位置まで搬送するトナー搬送工程を実施することで該潜像をトナー像に現像する現像工程とを実施して、画像を形成する画像形成方法において、上記トナー搬送工程と並行して、請求項19のトナー搬送方法における上記トナー供給工程を実施し、且つ、上記メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とするものである。
これらの発明においては、トナー静電搬送手段への供給に先立ち、トナーを摩擦促進物質と混合した混合物の状態で攪拌することで、トナーを十分に摩擦帯電させてからトナー静電搬送手段に供給する。このため、EH現象によってトナーを搬送するトナー静電搬送に対して、帯電不良のトナーを供給してしまうといった事態を抑えることができる。
また、対向電極とトナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめることで、その間に対向電極側からトナー静電搬送手段側に向けてトナーを静電移動させる方向の電界を形成することが可能になる。そして、この電界によって摩擦促進物質の粒子表面からのトナー離脱を促して、トナー静電搬送手段へのトナー供給量を増加させることができる。
また、これら発明のうち、メッシュとして、全体が導電性材料で構成され且つ「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を具備するものを用いるものでは、後述する実験例で説明するように、実使用に耐え得る強度のメッシュを使用しつつ、上記電界によってトナー供給量を増加させるという作用を、より確実に得ることができる。
また、これら発明のうち、メッシュとして、絶縁性材料からなる絶縁層と、これに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものでも、後述する実験例で説明するように、実使用に耐え得る強度のメッシュを使用しつつ、上記電界によってトナー供給量を増加させるという作用を、より確実に得ることができる。
よって、これら発明においては、上述した(1)及び(2)の事項を何れも実現することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した第1実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係るプリンタの要部を示す要部構成図である。本プリンタは、潜像担持体たるドラム上の感光体11や現像装置100などを備えている。また、図示しない領域に、給紙手段や定着手段などを備えている。また、図示を省略しているが、感光体11の周囲には、現像装置100の他に、一様帯電手段、光書込手段、転写手段、ドラムクリーニング手段、除電手段などを備えている。
感光体11は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されながら、コロナチャージャ等からなる上記一様帯電手段との対向位置で表面が一様帯電せしめられる。上記光書込手段は、パーソナルコンピュータなどから送られてくる画像情報に基づいて発したレーザー光により、一様帯電した感光体11表面を光走査する。これにより、感光体11の表面には静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体11の回転に伴って現像装置100との対向位置を通過する際に、トナーが付着せしめられてトナー像に現像される。そして、図示しない転写手段との対向領域にて、上記給紙手段によって送られてくる図示しない転写紙に転写される。このようにしてトナー像が転写された転写紙Pは、図示しない定着手段を経由してトナー像が定着せしめられた後、機外へと排出される。
回転に伴って図示しない転写手段との対向領域を通過した感光体11表面は、図示しないドラムクリーニング手段によって転写残トナーがクリーニングされた後、除電手段によって除電される。そして、一様帯電手段との対向位置で再び一様帯電せしめられる。
図2は、感光体11と、現像装置(100)の第1トナー静電搬送基板101とを示す拡大構成図である。現像装置(100)内では、図示しない領域にて、後述する供給部から第1トナー静電搬送基板101上にトナーが供給される。第1トナー静電搬送基板101は、ガラス等からなる絶縁性基板101dに対して、複数の短冊状の搬送電極が基板長手方向(図の左右方向)に所定のピッチで並ぶように配設されている。これら搬送電極は幅寸法(基板長手方向における寸法)が30[μm]になっており、互いに30[μm]の間隙を介して平行配設されている。このような配設により、絶縁性基板上では、短冊状の搬送電極がストライプ状に並べられた構成になっている。なお、絶縁性基板101dや各搬送電極の上には、絶縁性材料からなる図示しない絶縁層が積層されている。
各搬送電極について更に詳しく述べると、それらはA群、第B群、第C群の3種類に分類され、同じ群に属する電極同士は互いに電気的に接続された状態になっている。そして、絶縁性基板101d上では、図中左側から右側に向けて、A群に属するA搬送電極101a、B群に属するB搬送電極101b、C群に属するC搬送電極101cという順序が繰り返されるように、各搬送電極が配設されている。各A搬送電極101a、各B搬送電極101b、各C搬送電極101cに対しては、駆動電源回路30からA相駆動パルス電圧、B相駆動パルス電圧、C相駆動パルス電圧がそれぞれ印加される。なお、同図において、トナーはマイナス極性に帯電しており、第1トナー静電搬送基板101上にて図中右側から左側に向けて搬送される。
図3は、上述のA相駆動パルス電圧、B相駆動パルス電圧及びC相駆動パルス電圧を示す波形図である。各相では、それぞれ電圧±60[V]、周期334[μsec]の直流パルス波が出力される。ここで、まずC搬送電極(101c)に印加されるC相駆動パルス電圧に着目してみると、時点t0においては+60[V]になっている。このとき、C搬送電極(101c)に対してトナー搬送方向上流側で隣り合っているA搬送電極(101a)は−60[V]になっている(A相駆動パルス参照)。また、トナー搬送方向下流側で隣り合っているB搬送電極(101a)は、−60[V]になっている(B相駆動パルス電圧参照)。このような状態において、時点t0におけるC搬送電極(101c)上のトナーは、殆ど動かずにそこに留まっている。
その後、111[μsec]が経過して時点t1が到来すると、C搬送電極(101c)は、−60[V]になる。すると、C搬送電極(101c)上に存在しているマイナス極性のトナーに対して、C搬送電極(101c)と反発する静電気力が作用する。このとき、C搬送電極に対してトナー搬送方向上流側で隣り合っているA搬送電極(101a)も、−60[V]の電圧が印加されている。一方、トナー搬送方向下流側で隣り合っているB搬送電極(101b)は、+60[V]になっている。このため、C搬送電極(101c)上に存在しているマイナス極性のトナーは、B搬送電極(101b)に向けて静電移動する。
その後、更に約111[μsec]が経過して時点t2が到来すると、それまで+60[V]であったB搬送電極(101b)が、−60[V]になる。そして、C搬送電極(101c)上からの静電移動によってB搬送電極(101b)上に存在するようになったトナーに対して、B搬送電極(101b)と反発する静電気力が作用する。このとき、B搬送電極(101b)に対してトナー搬送方向上流側で隣り合っているC搬送電極(101c)も、−60[V]になっている。一方、トナー搬送方向下流側で隣り合っているA搬送電極(101a)は、+60[V]になっている。このため、B搬送電極(101b)上のトナーは、A搬送電極(101a)に向けて静電移動する。
その後、更に約111[μsec]が経過して時点t3が到来すると、それまで+60[V]であったA搬送電極(101a)が、−60[V]になる。そして、B搬送電極(101b)からの静電移動によってA搬送電極(101a)上に存在するようになったトナーに対して、A搬送電極と反発する静電気力が作用する。このとき、A搬送電極(101a)に対してトナー搬送方向上流側で隣り合っているB搬送電極(101b)も、−60[V]になる。一方、トナー搬送方向下流側で隣り合っているC搬送電極(101c)は+60[V]になっている。このため、A搬送電極(101a)上のトナーは、C搬送電極(101c)に向けて静電移動する。
以上のような静電移動の繰り返しにより、先に示した図2において、第1トナー静電搬送基板101上のトナーは図中右側から左側に向けて、ホッピングしながら静電移動していく。そして、第1トナー静電搬送基板101と感光体11とが所定の間隙を介して対向している現像領域に進入する。この現像領域において、感光体11の画像部11aは0[V]になっているのに対し、非画像部11bは−100[V]になっている。すると、トナーは現像領域中を図中右側から左側に向けて静電移動する過程で、感光体11の画像部11aに付着して静電潜像を現像する。
なお、感光体11の非画像部11bについては、第1トナー静電搬送基板101の各搬送電極に印加する駆動パルス電圧の電位平均値よりも、トナーの帯電極性側に大きな電位を帯びさせる必要がある。例えば、図3に示した各相の駆動パルス電圧は、それぞれ、持続時間167[μsec]の−60[V]の電位と、持続時間167[μsec]の+60[V]の電位との繰り返しであるので、電位平均値は0[V]になる。一方、図2における感光体11の非画像部11bの電位は、この0[V]よりもマイナス極性側に大きな−100[V]になっている。このような電位の関係では、現像領域で第1トナー静電搬送基板101と感光体11の非画像部11bとの間に存在するトナーが、相対的に第1トナー静電搬送基板101に向けて静電移動するため、非画像部11bへの付着が阻止される。ところが、非画像部11bの電位を駆動パルス電圧の電位平均値よりも小さくしてしまうと、トナーを相対的に非画像部11bに向けて静電移動させ、付着させてしまうおそれがある。そこで、非画像部11bの電位を駆動パルス電圧の電位平均値よりもトナーの帯電極性側に大きくするのである。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
先に示した図1において、現像装置100は、感光体11の付近でトナーを循環搬送するトナー搬送部120、これに向けてトナーを供給するトナー供給部140、これにトナーを補給するトナー補給部160等を有している。
図4、図5、図6は、それぞれ、トナー供給部140を示す平断面図、縦断面図、横断面図である。トナー供給部140は、図示しないトナーと、摩擦促進物質との混合物を収容する混合物収容部たる収容室を有しており、この収容室は仕切壁141によって第1収容室142、第2収容室143の2つに仕切られている。第1収容室142内には、図示しない駆動手段によって回転駆動される第1搬送スクリュウ144が設けられている。また、第2収容室143内には、図示しない駆動手段によって回転駆動される第2搬送スクリュウ145が設けられている。これら第1搬送スクリュウ144,第2搬送スクリュウ145は、回転軸144a,145aの表面に螺旋突起144b,145bが突設せしめられた構造になっている。回転軸144a,145aは、螺旋突起144b,145bの先端を所定の周速で移動させるように回転せしめられる。また、各スクリュウは、アルミ等の導電性材料からなる基材の表面に、絶縁性材料たるポリイミド樹脂層がコーティングされている。
収容室の両端付近には、それぞれ長さL2に渡って仕切壁141の設けられていない連通スペースがあり、2つの収容室(142、143)がここで連通している。図4において、第1搬送スクリュウ144は、図示しないスクリュウ駆動系によって回転駆動されるのに伴って、第1収容室142に収容されている上記混合物を図中左側から右側に向けて攪拌搬送する。これによって第1収容室142の図中右側の連通スペースまで搬送された混合物は、第2収容室143内に進入する。そして、スクリュウ駆動系によって回転駆動される第2搬送スクリュウ143によって今度は図中右側から左側に向けて搬送され、第2収容室143の図中左側の連通スペースを経由して第1収容室142内に戻る。このようにして、収容室内では、混合物が攪拌搬送されながら図中反時計回りに循環する。第2収容室143には、図示しないトナー濃度検知手段が配設されており、第2収容室143内の混合物のトナー濃度を検知してトナー濃度信号を図示しない補給制御部に出力する。この補給制御部は、トナー濃度信号に応じて、トナー補給部(図1の160)を駆動制御することで、適量のトナーを第1収容室142に補給させる。これにより、収容室内の混合物のトナー濃度が所定範囲内に維持される。第2収容室143内に新たに補給されたトナーは、混合物に取り込まれた後、攪拌搬送に伴って摩擦促進物質に摺擦せしめられながら、第1収容室142に送られる。
図5に示したように、第1収容室142の底には、メッシュ146が設けられている。第1収容室142内では、混合物が第1搬送スクリュウ144によって攪拌搬送されながらメッシュ146の上を通過する。このメッシュ146は、ステンレス等からなる金属製板状部材に、複数の長孔が所定の開口率になるように設けられたものである。各長孔は、その短径方向をスクリュウ軸線方向に沿わせるような姿勢で設けられている。第1搬送スクリュウ144の螺旋突起144b先端と、メッシュ146との間には、所定の間隙が保持されている。
図6に示すように、第1搬送スクリュウ144の導電性基材には、スクリュウ電源回路190が接続されている。また、メッシュ146には、メッシュ電源回路191が接続されている。これら電源回路は、何れもスクリュウやメッシュにマイナス極性の電位を生じせしめるものであり、図示しないメイン制御部によってそれぞれ出力電圧が制御される。トナー供給部140から図示しない上述のトナー搬送部(120)にトナーが供給される際には、これら電源回路からの出力によって第1搬送スクリュウ144、メッシュ146がそれぞれトナーと同極性の電位を帯びる。詳しくは、第1搬送スクリュウ144は、メッシュ146よりもトナーと同極性側(マイナス極性側)に大きな電位を帯びる。また、メッシュ146は、図示しない第1トナー静電搬送基板(101)の各搬送電極に印加される駆動パルス電圧の平均電圧値よりも、トナーと同極性側に大きな電位を帯びる。すると、第1収容室142内の混合物中のトナーが、摩擦促進物質の粒子表面から離脱してメッシュ146に向けて飛翔する。そして、メッシュ146の長孔を通って、第1トナー静電搬送基板(101)上に供給される。
この駆動パルス電圧の平均電圧値とは、単位時間あたりにおける駆動パルス電圧の波形の積分値である。例えば、ピークツウピークが−60〜+60[V]、デューティ50[%]の矩形波の場合には、駆動歯椅子の平均電圧値が0[V]となる。デューティが50[%]よりも高くなる、即ち、−60[V]の出現時間が+60[V]の出現時間よりも長くなると、平均電圧値は0[V]よりもマイナス側に大きくなる。また、ディーティが50[%]よりも低くなる、即ち、+60[V]の出現時間が−60[V]の出現時間よりも短くなると、平均電圧値は0[V]よりも小さくなる。
先に示した図1において、トナー搬送部140は、第1トナー静電搬送基板101の他に、第2トナー静電搬送基板103を有している。現像装置100内は、第1トナー静電搬送基板101を底面にしている移送部102と、これの重力方向下側で第2トナー静電搬送基板103を底面にしている回収部104とが重ねられた二重構造になっている。上記メッシュ146を透過してトナー搬送部140の第1トナー静電搬送基板101の図中右側端部に供給されたトナーは、EH現象によってホッピングしながら図中右側から左側に向けて搬送される。そして、感光体11に対向する現像領域で一部が静電潜像の現像に寄与する。現像に寄与したかった残りのトナーは、現像領域を通過した後に、第2トナー静電搬送基板103の図中左側端部上に落下する。そして、この第2トナー静電搬送基板103も、第1トナー静電搬送基板101と同様の複数の搬送電極を有している。第2トナー静電搬送基板103の図中左側端部に落下したトナーは、これら搬送電極に印加されるA〜C層の駆動パルスの影響を受けて、今度は図中左側から右側へとホッピングしながら搬送される。そして、トナー供給部140の第2収容室内に戻される。これにより、現像に寄与しなかったトナーがリサイクルされる。
トナー供給部140の第2収容室143には、トナー補給部160が着脱可能に連結している。このトナー補給部160は、上述の補給制御部に駆動制御されることで、内部に収容しているトナーを第2収容室143内に補給する。
以上の構成の現像装置100においては、トナー搬送部120と、トナー供給部140と、トナー補給部160との組合せにより、トナー搬送手段が構成されている。このトナー搬送手段とは、トナー静電搬送手段たる第1トナー静電搬送基板101の表面上に存在するトナーを、静電気力によってその表面に対して相対移動させながら潜像担持体たる感光体11との対向位置に搬送する手段である。また、本プリンタの現像装置100においては、第1収容室142や第2収容室143が、トナーに対してこれの摩擦帯電を促進する摩擦帯電物質が混合された混合物を収容する混合物収容部として機能している。また、第1搬送スクリュウ144が、第1収容室内で混合物を介してメッシュ146と対向する対向電極として機能している。
本プリンタでは、第1収容室142内で対向電極とメッシュとの間に存在する混合物中のトナーに対し、第1搬送スクリュウ144とメッシュ146との電位差によってスクリュウ側からメッシュ側に向かう静電気力を付与している。そして、この静電気力によってトナーを摩擦促進粒子の表面から離脱させてメッシュに向けて静電移動させることで、第1トナー静電搬送基板101へのトナー供給を促している。
本プリンタは、少なくとも感光体11と現像装置100とを図示しない支持体に共通に支持させて1つのプロセスユニットを構成し、これを筺体に対して一体的に着脱して交換するようになっている。但し、感光体11や現像装置100を単体で交換することもできる。この場合には、筺体から取り外したプロセスユニットから、感光体11又は現像装置100を取り出して交換すればよい。
また、本プリンタや現像装置100は、使用に適したトナーとして、所定の要件を満たすものが指定されている。この指定については、例えば、その要件を満たすトナーをプリンタ内や現像装置100内にセットした状態でプリンタや現像装置100を出荷することによって行うことができる。また例えば、上記要件を満たすトナーを、プリンタ本体や現像装置100とともに梱包して出荷することによって行ってもよい。また例えば、上記要件を満たすトナーの製品番号や商品名などを、プリンタ本体、現像装置100、これらの取扱説明書などに明記することによって行ってもよい。また例えば、ユーザーに対して書面や電子データ等をもって上記要件、製品番号、商品名などを通知することによって行ってもよい。また、本プリンタや現像装置100は、使用に適した摩擦促進物質として、非磁性材料からなる摩擦促進粒子を主成分とするものが指定されている。この指定については、トナーと同様にして行われている。
メッシュ146の長孔は、非真円形で且つ長径箇所と短径箇所とを有する楕円形状になっている。このような孔をもつメッシュ146は、孔の配置とピッチとの工夫によって、開口率を所定の範囲に容易に調整することができる。なお、長孔に代えて、円形の孔や、スリットを設けてもよい。
本発明者らは、摩擦促進物質のガラスビーズとして、平均粒径φ300[μm]程度のものを使用し、且つ、メッシュ146として、長孔の長径200μm、短径150μmのものを使用して、トナー供給性を実験(実験例1)してみた。このとき、メッシュ146と第1搬送スクリュウ144との間には、強度1.3kV/mmの電界Eaを形成した。すると、負帯電しているトナーがガラスビーズから静電的に剥離され、メッシュ146の長孔を抜けて第1トナー静電搬送基板101に到達した。但し、供給量としては、ベタ画像などのトナー消費量の極めて大きい場合を想定すると、十分であるとは言えなかった。
そこで、次に、ガラスビーズを平均粒径φ100μmのものに変更するとともに、メッシュ146を長孔の短径(又はスリット幅)が40μmであるものに変更して、同様の実験(実験例2)を行ってみた。同一容量の空間に入るガラスビーズ同士で比較した場合、φ100μmのガラスビーズの表面積は、φ300μmガラスビーズの3倍になるため、空間内のトナー量も3倍になる。よって、トナーの供給量も3倍になるはずである。
ところが、この条件で先の実験例1と同じ強度の電界Eaを作用させてにもかかわらず、トナーを殆ど供給することができなかった。第1トナー静電搬送基板144に供給されたほんの僅かのトナーは、何れも長孔から重力落下したもので、電界によって強制的に飛翔させられたものではないように思えた。つまり、電界Eaによるトナー供給促進という作用を全く発揮させることができなかったように思えた。また、実験終了の際に、第1搬送スクリュウ144に印加しているスクリュウ電圧Vsを切り、メッシュ146に印加しているメッシュ電圧Vmをまだ切らない状態でいるとき、第1搬送スクリュウ144が真っ黒になったことが気になった。そこで、第1搬送スクリュウ144を光学顕微鏡で観察したところ、その黒色の正体はトナーであった。
このように第1搬送スクリュウ144に多量のトナーが付着した理由は、次のように考えられる。即ち、第1搬送スクリュウとメッシュ146との間に、強度1.3kV/mmの電界Eaが形成されているとき、トナーはガラスビーズから飛翔してメッシュ146に到達するが、殆どは長孔を通過しないでメッシュ上で留まっている。スクリュウ電圧Vsが切られて、第1搬送スクリュウ144の電位が0Vになる。すると、メッシュ146の電位は−250Vのままなので、スクリュウ〜メッシュ間には、負極性のトナーをメッシュ146側から第1搬送スクリュウ144側に逆電界が形成される。ガラスビーズ表面から離脱してメッシュ146に滞留していたトナーが、この逆電界によってメッシュ146上から第1搬送スクリュウ144に向けて一気に逆飛翔して付着したと考えられる。
このように考えると、ガラスビーズの表面から離脱したトナーがメッシュ146の長孔をなかなか通り抜けることができないことが、トナー供給性能の低下に大きく影響していると言える。
そこで、本発明者らは、電極間での電界の状態をシミュレーションすることができる電界シミュレーションプログラムを用いて、上記実験例1と上記実験例2とにおける電界の状態をシミュレーションしてみた。
図7は、上記実験例1や実験例2における電界の状態を再現した第1シミュレーションにおける電極構成を示す模式図である。同図において、200、201、202は、ぞれぞれ、スクリュウ電極部材、メッシュ電極部材、基板電極部材を示している。実際の現像装置における第1搬送スクリュウ(144)は、軸上に螺旋突起を有する構造になっているが、第1シミュレーション(以下のシミュレーションも同様)においては、幅1.2mmの螺旋突起の先端とメッシュ(146)との間を想定しているため、スクリュウ電極部材200は同図において扁平状に示されている。メッシュ電極部材201や基板電極部材202の構造は、実機のメッシュや第1トナー静電搬送基板とほぼ同様にした。基板電極部材202には、実機と同様に、絶縁性支持体上に、幅30μmのA搬送電極202a、B搬送電極202b、C搬送電極202cを、電極間の間隙がそれぞれ30μmになるように並べられている。なお、第1シミュレーションにおけるその他の条件は次に列記する通りである。
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間隙L1=1000μm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間隙L2=1000μm
・スクリュウ電極部材200に印加するスクリュウ電圧Vs=−1550〜−3050V
・メッシュ電極部材201に印加するメッシュ電圧Vm=−250〜−1750V
・メッシュ電極部材201のスリット幅(100φビーズ用)=40μm又は60μm
・メッシュ電極部材201のスリット幅(300φビーズ用)=150μm又は200μm
・メッシュ電極部材201のスリット間の部分であるスリット間部分の寸法=40又は100μm
・メッシュ電極部材201の厚み(以下、メッシュ厚という)=10〜80μm
・各駆動パルス電圧の周波数=3kHz
・各駆動パルス電圧のVP−P=−60〜+60[V]
・各駆動パルス電圧のデューティ=50%
・各駆動パルス電圧の平均値=0[V]
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間における電界Eaの強度=0.8〜2.8kV/mm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間における電界Ebの強度=025〜1.75kV/mm
図8は、メッシュ電極201のスリット幅を200μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を100μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図9は、メッシュ電極201のスリット幅を150μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を100μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図10は、メッシュ電極201のスリット幅を60μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を40μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図11は、メッシュ電極201のスリット幅を40μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を40μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図である。これら何れの図においても8.0×10−11[C/m]毎に、1本の電気力線を描かせている。また、スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との電位差は1.3kVで、その間における電界Eaの強度は、1.3kV/mmとなっている。このため、メッシュ電極部材201よりも上側の電気力線の密度は同じになっている。なお、4つの図のうち、図8及び図9に示した第1シミュレーションは、300φのガラスビーズの使用を想定している。また、図10及び図11に示した第1シミュレーションは、100φのガラスビーズの使用を想定している。また、何れの図においても、スクリュウ電極部材及び基板電極部材の図示を省略しているが、図示のメッシュ電極部材201に対して、スクリュ電極部材、基板電極部材は、それぞれ図中上側、下側に位置している。
図8においては、メッシュ電極部材201における左右2つのスリット(又は長孔)を電気力線が7本ずつの抜けている。また、図9においては、電気力線が4本ずつ抜けている。また、図10においては、電気力線が2本ずつ抜けている。また、図11においては、電気力線が1本も抜けていない。なお、電気力線は、電位の高い方から低い方、即ち、図示の例では図中下側から上側に向かうが、トナーの動きはそれとは逆になる。
メッシュ電極部材201よりも図中上側に存在する図示しないトナーは、慣性力などの影響を受けることから電気力線に沿って飛翔するわけではないが、静電力を電気力線の方向に受ける。このため、スリットを電気力線が抜けていないと言うことは、トナーも抜けられないことになる。スリットとの対向位置にある電気力線がスリットを抜けられないのは、メッシュ電極部材201の手前でスリットとの対向位置からメッシュの金属部分に向かって曲がるためである。このことが、実機で100φのガラスビーズを用いたときに十分量のトナーを供給することができなかった主な原因であると考えられる。
スリット幅を40μmに設定した図11においては、2本の電気力線がスリット内に進入しているが、スリット内で周囲の金属部分に向けて急激に曲がるために、スリットを抜けることができないでいる。このように電気力線を急激に曲げたのは、メッシュ電極部材201の厚み(30μm)に対する、スリット幅(40μm)の比が1.33と、他のスリット(1.88〜2.5)より低かったためと考えられる。
そこで、スリットの厚みをそのまま(30μm)にして、スリット幅を42、46、50、60、70、80、90、100、110、120μmの10段階に広げて第2シミュレーションを行った。図12、図13、図14、図15は、ぞれぞれ、スリット幅を60μm、80μm、100μm、120μmに設定した場合の第2シミュレーションの結果を示す模式図である。何れの図においても、2本以上の電気力線がスリットを抜けている。
但し、スリット幅が大きくなった場合、スリット対向部に存在する電気力線の数が増えるので、スリットを抜けた電気力線の本数(以下、抜け線数という)を単純に比較しただけでは、スリットに対する電気力線の抜け性を正確に把握することができない。そこで、スリット幅100μmにおける抜け線数を基準にして、他のスリット幅における抜け線数を正規化したもの(以下、抜け線密度という)で比較することにした。この結果を図16と次の表1とに示す。
Figure 2005266555
表1や図16から、メッシュ厚が30μmという条件下では、スリット幅40μmのときには抜け線密度が「0」であるので、トナーをスリットに通して供給することができないことがわかる。また、スリット幅42μmのときには、抜け線数が「2.38」であるので、トナーをスリットに通して供給し得ることがわかる。メッシュ厚に対するスリット幅の比率は、スリット幅が40μmのときには「1.33」である。また、スリット幅が42μmのときには「1.40」である。従って、メッシュとして図7等に示したように、全体が金属の導電性材料で構成された単層構造のものを用いる場合には、「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を満足させなければならないことがわかった。
そこで、本第1実施形態に係るプリンタにおいては、先に図5に示したメッシュ146として、全体が金属の導電性材料で構成された単層構造で、且つ「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を具備するものを用いている。よって、メッシュ146の厚みを小さくすることなく、即ち、実使用に耐え得る強度のメッシュ146を使用しつつ、電界によってトナー供給量を増加させるという作用を、より確実に得ることができる。
次に、本発明を適用した画像形成装置である第2実施形態のプリンタについて説明する。なお、本プリンタは、メッシュ146が第1実施形態のものと異なる他は、第1実施形態のプリンタとほぼ同様の構成になっている。このため、本プリンタについては、第1実施形態のプリンタと異なる点のみを説明する。
先に説明したように、図11の第1シミュレーションにおいては、電気力線がスリット内に進入しているものの、スリット内壁の電極に引かれて急激に曲がるために、スリットを抜けきれないでいる。メッシュ電極部材201が絶縁性であればこのような現象は起こらないが、そうすると電極としての機能を発揮することができない。また、メッシュ電極部材201の厚みを薄くすることも、強度低下の観点から難しい。しかし、金属層と絶縁層との2層構造にすれば、強度や厚みをそのままにして、電極の厚さだけを小さくすることができる。電極の厚さを小さくすれば、電気力線をスリット内で電極に向けて引き寄せる時間が短くなるので、電気力線の抜け性を向上させることができるはずである。
そこで、本発明者らは、図17に示す構成を想定して第3シミュレーションを行った。同図において、メッシュ電極部材201は、スクリュウ側に設けられた絶縁層201aと基板側に設けられた導電層たる電極層201bとを有する多層構造になっている。メッシュ全体の厚みは30μmになっている。基板電極部材202における各搬送電極の寸法やピッチは第1実施形態と同様である。このような構成を想定して、次に列記する条件で第3シミュレーションを行った。
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間隙L1=500μm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間隙L2=500μm
・スクリュウ電極部材200に印加するスクリュウ電圧Vs=−775V
・メッシュ電極部材201の電極層201bに印加するメッシュ電圧Vm=−125V
・メッシュ電極部材201のスリット幅=40μm
・各駆動パルス電圧の周波数=3kHz
・各駆動パルス電圧のVP−P=−60〜+60[V]
・各駆動パルス電圧のデューティ=50%
・各駆動パルス電圧の平均値=0[V]
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間における電界Eaの強度=1.3kV/mm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間における電界Ebの強度=025kV/mm
・メッシュ電極部材201の絶縁層201aの厚み=0〜29μm
・メッシュ電極部材201の電極層201bの厚み=1〜30μm
図18は、メッシュ電極部材201の電極層201bの厚みを30μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図19は、メッシュ電極部材201の電極層201bの厚みを10μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図20は、メッシュ電極部材201の電極層201bの厚みを5μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図21は、メッシュ電極部材201の電極層201bの厚みを1μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図である。なお、図18に示した第3シミュレーションにおいては、絶縁層を設けていないので、メッシュ電極部材201の全体を電極にした第1実施形態と同様の構成となる。
図18に示すように、メッシュ電極部材201を全て電極層201bで構成した場合には、メッシュに対して電気力線を1本も通すことができない。これに対し、メッシュ厚が30μmと同じであっても、絶縁層201aを設けて、その分だけ電極層201bの厚みを小さくすれば、電気力線をスリットに通し得ることがわかる。また、電極層201bの厚みを小さくするほど、多くの電気力線をスリットに通し得ることもわかる。
図22は、メッシュ厚を30μmに固定した状態で、絶縁層201aと電極層201bとの厚みの比率を変化させた場合における電気力線本数と電極層厚との関係を示すグラフである。同図において、抜け線密度が1本以上から0本に変化する臨界点は、電極層厚が23μmである場合と24μmである場合との間である。これは、スリット幅40μmにした場合、電極層厚を23μm以下にしないと、即ち孔最短径W≧1.7×電極層厚にしないと、抜け線が得られないことを示している。よって、メッシュとして図17に示したように、絶縁層と電極層(導電層)との少なくとも2層からなる多層構造のものを用いる場合には、「孔最短径W≧1.7×導電層厚みTe」という関係式を満足させなければならないことがわかった。この関係式における「1.7」という係数は、第2シミュレーションに基づいて得られた先の「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式における「1.4」という係数よりも大きくなっている。これは、絶縁層201aの比誘電率が3.0と、空気の比誘電率1.0より大きいためであると考えられる。
図22において、抜け線密度が最大の5本/100μmとなる電極層厚の範囲は、0〜約5μmである。5μmを超えると、抜け線密度がそれ以上増加しなくなる。よって、電極層厚を5μm以下にすることで、最も効率よくトナー供給性能を促し得ると言える。
次に、本発明者らは、メッシュ電極201における絶縁層201aと電極層201bとの位置関係を逆転させて第4シミュレーションを実施してみた。具体的には、図17に示した例では、絶縁層201aをスクリュウ側(入口側)、電極層201bを基板側(出口側)に配設していた。この位置関係を逆転させて、絶縁層201aを基板側、電極層201bをスクリュウ側にして同様のシミュレーションを行ったのである。この第4シミュレーションにおける電気力線本数と電極層厚との関係を図23に示す。
同図より、電極層(201b)をスクリュウ側(入口側)に配設した場合には、電極層厚を5μm以下にしても、スリットに対して電気力線を1本しか通すことができず、基板側に配設した場合よりも効率を悪くしてしまうことがわかる。なお、以下、スクリュウ側に配設した電極層を入口側電極層という。また、基板側に配設した電極層を出口側電極層という。
図24は、電極層として出口側電極層201bを設け、且つその厚みを2.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図25は、電極層として出口側電極層201bを設け、且つその厚みを0.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図26は、電極層として入口側電極層201cを設け、且つその厚みを2.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図27は、電極層として入口側電極層201cを設け、且つその厚みを0.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図である。
これらの図より、電極層として出口側電極層201bだけを設けた場合には、電気力線が電極エッジに引かれるように方向を変えた際に、その先に障害物がないので、そのまま進んで最終的にスリットを抜けていることがわかる。これに対し、入口側電極層201cだけを設けた場合には、電気力線が電極エッジに引かれるように方向を変えると、すぐに電極に突き当たってスリット通過を阻まれていることがわかる。このことは、スリット幅の広い狭いにかかわらず、スリット壁の近くに存在する電気力線で生ずる。よって、電極層を出口側、入口側の何れか一方だけに設ける場合には、出口側電極層201bを採用した方が有利である。
そこで、本第2実施形態に係るプリンタにおいては、メッシュ(146)として、次に列記する条件を具備するものを用いている。
・絶縁性材料からなる絶縁層と、これに積層された導電性材料からなる電極層とを有する。
・「孔最短径W≧1.7×導電層厚みTe」という関係式を満足する。
・電極層厚が5[μm]以下である。
・電極層は出口側電極層である。
次に、本第2実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各変形例装置について説明する。
[第1変形例装置]
本発明者らは、図28に示す構成を想定して第5シミュレーションを行った。同図において、メッシュ電極部材201は、入口側電極層201cと、出口側電極層201bと、これら電極層に挟まれる絶縁層201aとを有する3層構造になっている。メッシュ全体の厚みは30μmになっている。基板電極部材202における各搬送電極の寸法やピッチは第1実施形態と同様である。このような構成を想定して、次に列記する条件で第5シミュレーションを行った。
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間隙L1=500μm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間隙L2=500μm
・スクリュウ電極部材200に印加するスクリュウ電圧Vs=−775〜−1575V
・出口側電極層201bに印加するメッシュ外電圧Vmo=−75〜−275V
・入口側電極層201cに印加するメッシュ内電圧Vmi=−125〜−925V
・スリット幅=40μm
・各駆動パルス電圧の周波数=3kHz
・各駆動パルス電圧のVP−P=−60〜+60[V]
・各駆動パルス電圧のデューティ=50%
・各駆動パルス電圧の平均値=0[V]
・スクリュウ電極部材200とメッシュ電極部材201との間における電界Eaの強度=1.3kV/mm
・メッシュ電極部材201と基板電極部材202との間における電界Ebの強度=0.15〜0.55kV/mm
・両電極層間(スリット内)における電界Ecの強度=0〜15kV/mm
・メッシュ厚=30μm
・出口側電極層201bの厚み=5μm
・入口側電極層201cの厚み=5μm
・内外電極層電位差Vc(Vmi−Vmo)=0〜−650V
図29は内外電極層電位差Vcを0[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図30は内外電極層電位差Vcを−100[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図31は内外電極層電位差Vcを−200[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図32は内外電極層電位差Vcを−300[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図33は、内外に電極層を設けた場合の第5シミュレーションにおける電気力線本数と内外電極層電位差Vcとの関係を示すグラフである。
図29と図30との比較から、内外電極層電位差Vcを0から−50[V]にするだけで、幅40μmのスリットに対する電気力線の抜け線数を0本から3本に増加させることがわかる。このとき、電位差の値は「−50」と小さいが、内外電極層間の距離が20μmと極めて短いために、内外電極層間に形成される電界Ecの強度は、2.5kV/mmにもなる。メッシュ入口側の電界Eaの1.3kV/mmの約2倍の強度である。
更に、図31や図32を参照すると、内外電極層電位差Vcをトナーと同極性側であるマイナス側に大きくするほど、抜け線数を増加させ得ることがわかる。しかも、何れのケースにおいても、スリットに対向する電気力線だけでなく、対向部の周囲の電気力線までも、スリット内に引き込んでいる。よって、内外電極層電位差Vcをほんの少しだけ設けて、電界Ea<電界Ecとすることで、スリットの周囲にある電気力線もスリット内に引き込んで通過させることができる。但し、内外電極層電位差Vcを大きくし過ぎてこの間に放電を発生させると、メッシュを破損してその寿命を縮めるので好ましくない。
図34は、メッシュ全体を電極層にした場合における第6シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図35は、メッシュ電極部材を入口側電極層、絶縁層、出口側電極層の3層構造にした場合における第6シミュレーションの結果を示す模式図である。両者のシミュレーションで異なる点は、電極層の構造及び電極層に印加するバイアスだけである。何れのシミュレーションにおいても、スクリュウ〜メッシュ間の電界Eaの強度は1.3kV/mmで同じである。よって、両者とも、メッシュ電極部材201より上側の電気力線密度は同じであり、幅1mmあたり144本、スリット幅40μmあたり5.8本(以下、便宜的に6本として扱う)の電気力線が描かれる。図34に示した単層構造の場合は、40μm幅のスリットに向かった6本の電気力線がスリットの手前で3本づつ左右に曲げられてスリット内壁に突き当たるため、スリット通過が阻まれている。これに対し、図35に示した3層構造の場合には、スリット対向部の電気力線だけでなく、その左右の3本づつの電気力線もスリット中央に引き寄せて、合計12本の電気力線をスリット内に引き込んでいる。しかも、その全てをスリットに対して通過させている。スリット内や前後において、電気力線を左右に広げてしまうか、中央に絞り込むかが、両者の基本的な違いであり、3層で抜け線数を大幅に増加させることができた理由である。なお、3層構造のメッシュ電極部材201がスリット直前で電気力線を中央に向けて絞り込んで、スリット周囲の電気力線までもスリット内に引き込むという現象は、スリット幅の広い狭いにかかわらず一般的に成立するものである。このため、ガラスビーズの粒径を更に小さくして、それによってスリット幅(孔最短径)を更に小さくしても、電気力線にスリットを通過させて、基板に十分量のトナーを供給することが可能である。
スリット内に引き込んだ電気力線を、図34に示したようにスリット内に留めてしまうと、スリット内に引き込んだトナーもスリット内に留めてしまうおそれがある。そして、留めたトナーによってスリットの目詰まりを起こしてしまう。一方、図35に示したように、メッシュ電極部材201を3層構造にして、スリット内に引き込んだ電気力線を全て通過させる場合には、スリット内に引き込んだトナーも速やかに通過させることができる。そして、このことにより、スリットの目詰まりを抑えることができる。
以上のシミュレーション結果に基づいて、本第1変形例装置においては、次に列記する条件を何れも具備させるようにしている。
・メッシュ(146)として、入口側電極層と出口側電極層との間に絶縁層を積層した少なくとも3層構造の用いる。
・入口側電極層と出口側電極層との間に内外電極層電位差Vcを発生させるように導電層間電位差発生手段たる電極層間電位差発生手段を備える。
・対向電極たる第1搬送スクリュウ(144)と、メッシュ(146)のトナー入口側表面との間の電界Eaの強度よりも、内外電極層間の電界Ecの強度を大きくする内外電極層電位差Vcを生じせしめるように、スクリュウ〜基板間に電位差を発生させる電位差発生手段及び上記電極間電位差発生手段を構成している。
・内外電極層電位差Vcによる電界Ecの強度を、両電極層間でコロナ放電を発生させ始める放電開始強度よりも小さくするように、上記電極層間電位差発生手段を構成している。
・メッシュ(146)の出口側電極層と、第1トナー静電搬送基板(101)との間に、トナーを出口側電極層から基板に向けて静電的に移動させる向きの電界を形成するように、電位差発生手段及び電極層間電位差発生手段を構成している。
[第2変形例装置]
先に示した図35において、スリットを通過した12本の電気力線のうち、図示しない基板電極部材に到達しているのは中央側の5本だけで、残りの7本は、スリットを通過した直後に急激に左右に曲がって出口側電極層201bの表面に突き当たっている。このような電気力線に沿って飛翔するトナーも、同様にしてスリットを通過した直後に急激に曲がって、メッシュ電極部材201の出口側表面に付着・堆積するおそれがある。
一方、メッシュ〜基板間の電界Ebの強度を大きくし過ぎると、第1トナー静電搬送基板(101)上におけるトナー搬送性を阻害してしまう。しかし、本発明者らは、電界Ebの強度が0.5kV/mm程度までならば、トナー搬送性にあまり影響しないことを、実機による実験やシミュレーションによって見出した。そこで、電界Ebの強度をこれまでの2倍の0.5kV/mmに高めて、第5シミュレーションと同様にシミュレーション(第7シミュレーション)を行った。
図36は内外電極層電位差Vcを0[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図37は内外電極層電位差Vcを−100[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図38は内外電極層電位差Vcを−200[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図39は内外電極層電位差Vcを−300[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図40は、第7シミュレーションにおける電気力線と内外電極層電位差Vcとの関係を示すグラフである。
先に示した図33に示したように、スリット出口側の電界Ebの強度を0.25kV/mmに設定した場合には、内外電極層電位差Vcを−250Vまで大きくした時点で、抜け線数をようやく最大の5本にすることができた。これに対し、図40に示すように、電界Ebの強度を倍の0.5kV/mmにすると、内外電極層電位差Vcを−100[V]まで大きくした時点で、抜け線数を5本にしている。そして、内外電極層電位差Vcを−150[V]まで大きくすると、抜け線数を最大の7本にする。よって、スリット出口側の電界Ebを適度に大きくすることにより、スリットを通過したにもかかわらず、トナー静電搬送基板に到達させないでメッシュの基板側表面に突き当たってしまう電気力線の本数を減らすことができる。そして、メッシュの基板対向面上でのトナー堆積を抑えることができる。このことは、図36から図38までの模式図からも明らかである。内外電極層電位差Vcが同じである図29と図36、図30と図37、図31と図37、をそれぞれ比較してみると、入線数は同じであるのに、抜け線数は電界Ebの強度=0.5kV/mmのときの方が多くなっているからである。
電界Ebの強度を大きくすることで抜け線数を増加させ得ることをより明らかにするために、内外電極層電位差Vcや電界Ebの強度を変化させながら第8シミュレーションを実施した。この第8シミュレーションにおける電気力線本数と内外電極層電位差Vcとの関係を図41に示す。同図より、電界Ebの強度を変化させても入線数をそれほど変化させないが、抜け線数については電界Ebの強度を大きくするほど多くし得ることがわかる。特に、内外電極層電位差Vc=−150Vの条件で、電界Ebの強度を0.25kV/mmから0.5kV/mmに引き上げると、入線数に変化が認められないにもかかわらず(9本)、3本であった抜け線数を7本にまで増加させている。
このような大幅な抜け線数の増加の原因を更に検討するために、スリット周囲の映像を更に拡大して観察してみた。図42は、電界Ebの強度=0.25kV/mm、Vc=−150Vに設定した第8シミュレーションにおけるスリット周囲の拡大模式図である。また、図43は、電界Ebの強度=0.5kV/mm、Vc=−150Vに設定した第8シミュレーションにおけるスリット周囲の拡大模式図である。両図を比較してみると、電界Ebの強度の変化は入線数やスリット内の線パターンにそれほど影響しないが、スリット通過後の電気力線の曲がり具合を微妙に異ならせて、抜け線数を3本、7本と大きく異ならせていることがわかる。この現象も、スリット幅の広い狭いにかかわらず一般的に成立する。
なお、内外電極層電位差Vcをあまり大きくし過ぎると、電極層間で放電を発生させてメッシュの寿命を縮めてしまう。また、図39に示したように、抜け線数は変化させないものの、入線数(スリットに進入させる電気力線の本数)を増加させて、その分をスリット通過後に基板に到達させずに出口側電極層の表面に突き当ててしまうことで、メッシュの基板対向面上でのトナー堆積を再び悪化させ始めてしまう。
以上の結果に鑑みて、本第2変形例装置においては、メッシュ(146)の出口側電極層と第1トナー静電搬送基板(101)との間の電界Ebを、第1トナー静電搬送基板の表面上で駆動パルス電圧によって形成される電界を阻害しない強度で形成するように、上記電位差発生手段及び電極層間電位差発生手段を構成している。
[第3変形例装置]
第8シミュレーションでも、スリットに入った9本の電気力線のうち2本は、スリットの出口で、出口側電極層201bに引き寄せられて、基板電極部材への到達を阻まれている。このような電気力線が存在することは、単に、トナー供給量が少なくなるだけでなく、そこにトナーが堆積してスリットを塞いで目詰まりを引き起こすおそれがある。
そこで、スリット幅=40μm、電界Ebの強度=0.5kV/mm、内外電極層電位差Vc=−150Vの条件にて、出口側電極層201bにおけるスリット周囲の輪郭の最短径(以下、電極内径という)を変化させながら第9シミュレーションを行った。図44、図45、図46、図47は、それぞれ、出口側電極層201bの電極内径を、40μm、60μm、100μm、140μmに設定した第9シミュレーションの結果を示す模式図である。また、図48は、第9シミュレーションにおける電気力線本数と電極内径との関係を示すグラフである。図44と図45との比較から、電極内径を40μmから60μmに広げると、スリットを抜けて図示しない基板電極部材に到達する電気力線の本数は7本から8本に増えることがわかる。力線密度に換算すると、17.5[本/100μm]から20[本/100μm]に増えたことになる。但し、図46、図47、図48に示すように、電極内径を60μmよりも大きくすると、今度は逆に基板電極部材に到達する電気力線の本数が減少していく。この原因は、図44〜図47に示すように、出口側電極層201bの電極内径を広げるにつれて、入線数を減少させていくためであることがわかる。
次に、本発明者らは、出口側電極層201bの電極内径を変化させながら第10シミュレーションを行って入線数を数えてみた。この第10シミュレーションにおける電気力線本数と電極内径との関係を図49に示す。同図より、出口側電極層201bの電極内径が広がるにつれて、入線数が少なくなることがわかる。また、その一方で、スリットを抜けて図示しない基板電極部材に到達する割合(以下、通過率という)が高くなって、電極内径80μm以上で100%になることが分かる。これらの結果、出口側電極層201bの電極内径が60μmのとき、即ち電極内径がスリット幅の1.5倍のときに、基板電極部材に到達する電気力線の本数が最高の8本になった。通過率が変わった原因をより分かりやすくするために、スリット周囲のシミュレーション映像を拡大して図50(電極内径40μm)と図51(電極内径80μm)とに示す。
両図の比較から、出口側電極層201bの電極内径を40μmから80μmに広げると、入線数が9本から7本に減少することがわかる。但し、スリットの出口で出口側電極層201bに引かれて突き当たってしまう電気力線の割合も少なくなるため、スリットに入った7本の電気力線がすべて、スリットを抜けた後に基板電極部材に到達していることもわかる。このとき、入口側電極層201cの内径は、両ケースともに40μmである。よって、入口側電極層201cの電極内径よりも出口側電極層201bの電極内径を適度に大きくすることで、スリットに入った全ての電気力線を基板電極部材に到達させ得ることがわかった。なお、この現象も、スリット幅の広い狭いにかかわらず一般的に成立する。また、出口側の電極内径については、40μmの2倍である80μmにすると入線数を減少させ始めることから入口側の電極内径の2.0倍未満にすることが望ましい。
以上の実験結果に鑑みて、本発明者らは、次に列記する事項を何れも具備させるように、本第5変形例装置を構成している。
・メッシュ(146)として、電極層の電極内径のうち、入口側よりも出口側を大きくしたものを用いている。
・メッシュとして、出口側の電極内径を入口側の電極内径の2.0倍未満にしたものを用いた。
[第4変形例装置]
第9シミュレーションや第10シミュレーションでは、スリットの幅をそのままにして、出口側電極層201bの電極内径を広げていった。一方、絶縁層201aも3.0程度の比誘電率を発揮するので、スリット出口で電気力線を引き寄せる働きをする。よって、スリットの幅を入口よりも出口で大きくすることによっても、基板電極部材に到達する電気力線を増加させ得るに違いないと本発明者らは考えた。そこで、出口側電極層201bの電極内径と、スリット出口幅とを同時に変化させながら第11シミュレーションを行った。このとき、出口側電極層201bの内径とスリット出口幅とを同じ寸法にした。また、スリット入口幅については、150μmに固定した。また、メッシュ電極部材201の層厚については90μm(絶縁層80μm、入口側電極層5μm、出口側電極層5μm)に固定した。また、スリット幅の異なる2枚の板を貼り合わせることで、スリット入口幅よりもスリット出口幅を大きくした構成を想定した。
図52は、スリット出口幅(=電極内径)150μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図である。また、図53は、スリット出口幅170μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図である。また、図54は、スリット出口幅190μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図である。また、図55は、スリット出口幅210μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図である。また、図56は、第11シミュレーションにおける電気力線本数とスリット出口幅との関係を示すグラフである。なお、図56においては、便宜上、スリットを通過したものの外側電極層201bに突き当たって基板電極部材に到達しなかった電気力線を、抜け線数としてカウントしていない。
これらの図より、スリット出口幅を広げると、入線数を減少させるが、スリット通過後に外側電極層201bに突き当ててしまう電気力線本数も同時に減少させ得ることがわかる。そして、スリット出口幅210μmのとき、即ち、スリット出口幅がスリット入口幅の1.4倍のときに、スリットに入った26本の全ての電気力線を基板電極部材に到達させていることが分かる。なお、この現象も、スリット幅の広い狭いにかかわらず一般的に成立する。
また、図56から、スリット出口幅が210μm以上では、通過率が100%であるものの、入線数を低下させ始めていることがわかる。但し、スリット出口幅をスリット入口幅の2倍程度に留めれば、スリット入口幅150μm相当の17本以上の電気力線の到達が期待できる。
本発明者らは、以上の実験結果に鑑みて、本第4変形例装置を次のように構成している。
・メッシュ(146)として、スリット入口幅よりもスリット出口幅よりも大きくしたものを用いている。
・メッシュ(146)として、スリット出口幅をスリット入口幅の2.0倍以下にしたものを用いている。
以上、第2実施形態に係る画像形成装置においては、メッシュ146として、「孔最短径W≧1.7×厚みt」という関係式を具備するものを用いているので、実験例で説明した理由により、実使用に耐え得る強度のメッシュを使用しつつ、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を、より確実に得ることができる。
また、メッシュ146として、導電層たる電極層の厚みが5[μm]以下であるものを用いているので、実験例で説明した理由により、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を、更に確実に得ることができる。
また、第1収容室142内の混合物に対して、電極層よりも絶縁層を近づける姿勢で、メッシュ146を配設しているので、実験例で説明したように、逆の姿勢で配設する場合に比べて、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を確実に得ることができる。
また、第2実施形態に係る第1変形例装置においては、メッシュ146として、入口側導電層たる入口側電極層201cと出口側導電層たる出口側電極層201bとの間に絶縁層201aを積層した構造のものを用いているので、実験例で説明したように、出口側電極層201bだけしか設けない場合に比べて、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を確実に得ることができる。
また、第2実施形態に係る第2変形例装置においては、両電極層に電位差を生じせしめる電極層間電位差発生手段を設けているので、実験例で説明したように、両電極層に電位差を生じせしめない場合に比べて、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を確実に得ることができる。
また、第1変形例装置や第2変形例装置においては、対向電極たる第1搬送スクリュウ144とメッシュ146におけるトナー入口側表面との間の電界強度よりも、入口側電極層201cと出口側電極層201bとの間の電界強度を大きくする電位差を生じせしめるように、電位差発生手段を構成しているので、実験例で説明したように、電界強度の大小関係を逆にする場合に比べて、供給促進電界によってトナー供給量を増加させるという作用を確実に得ることができる。
また、第1変形例装置や第2変形例装置においては、両電極層の間の電界強度を、メッシュのスリット内における両電極層間でコロナ放電を発生させ始める放電開始強度よりも小さくするように、電極層間電位差発生手段を構成しているので、コロナ放電を発生させることによるメッシュの破損を回避することができる。
また、第1変形例装置や第2変形例装置においては、出口側電極層201bと、第1トナー静電搬送基板101との間に、トナーを前者から後者に向けて静電的に移動させる向きの電界を形成するように、電位差発生手段及び電極間電位差発生手段を構成しているので、メッシュでふるいにかけたトナー、即ち、所定の大きさより小さいものだけを通過させて選別するというメッシュによってふるいにかけたトナーを、速やかに第1トナー静電搬送基板101上に供給することができる。また、実験例で説明したように、スリットを通過したトナーをメッシュ146の基板側表面上に堆積させてスリットを目詰まりさせるといった事態を抑えることもできる。
また、第1変形例装置や第2変形例装置においては、出口側電極層201bと第1トナー静電搬送基板101との間の電界を、第1トナー静電搬送基板101の表面上で駆動パルス電圧によって形成される搬送電界を阻害しない強度で形成するように、電位差発生手段及び電極間電位差発生手段を構成しているので、第1トナー静電搬送基板101によるトナーの搬送性を低下させることなく、第1収容室142内から第1トナー静電搬送基板101に十分量のトナーを供給することができる。
また、第2実施形態に係る第3変形例装置においては、メッシュ146として、入口側電極層201cの電極内径よりも、出口側電極層201bにおける電極内径を大きくしたものを用いているので、実験例で説明したように、スリットを通過したトナーをメッシュ146の基板側表面上に堆積させてスリットを目詰まりさせるといった事態を更に抑えることができる。
また、第3変形例装置においては、メッシュ146として、出口側電極層201bの電極内径を入口側電極層201cの電極内径の2.0倍未満にしたものを用いているので、実験例で説明したように、トナー供給量を効率よく増加させながら、スリットを通過したトナーをメッシュ146の基板側表面上に堆積させてスリットを目詰まりさせるといった事態を抑えることができる。
また、第2実施形態に係る第4変形例装置においては、メッシュ146として、スリット入口幅(トナー入口側の孔最短径)よりもスリット出口幅(トナー出口側の孔最短径)を大きくしたものを用いているので、実験例で説明したように、入口を出口以上の幅にした場合に比べて、スリットを通過したトナーをメッシュ146の基板側表面上に堆積させてスリットを目詰まりさせるといった事態を抑えることができる。
また、第4変形例装置においては、メッシュ146として、スリット出口幅をスリット入口幅の2.0倍以下にしたものを用いているので、実験例で説明したように、トナー供給量を効率よく増加させながら、スリットを通過したトナーをメッシュ146の基板側表面上に堆積させてスリットを目詰まりさせるといった事態を抑えることができる。
第1実施形態に係るプリンタの要部を示す要部構成図。 同プリンタの感光体と、現像装置の第1トナー静電搬送基板とを示す拡大構成図。 同プリンタのトナー静電搬送基板の搬送電極に印加されるA相駆動パルス電圧、B相駆動パルス電圧及びC相駆動パルス電圧の波形を示す波形図。 同現像装置のトナー供給部を示す平断面図。 同トナー供給部を示す縦断面図。 同トナー供給部を示す横断面図。 第1シミュレーションにおける電極構成を示す模式図。 メッシュ電極のスリット幅を200μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を100μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極のスリット幅を150μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を100μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極のスリット幅を60μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を40μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極のスリット幅を40μmに設定し、且つ、スリット間部分の寸法を40μmに設定した第1シミュレーションの結果を示す模式図。 スリット幅を60μmに設定した場合の第2シミュレーションの結果を示す模式図。 スリット幅を80μmに設定した場合の第2シミュレーションの結果を示す模式図。 スリット幅を100μmに設定した場合の第2シミュレーションの結果を示す模式図。 スリット幅を120μmに設定した場合の第2シミュレーションの結果を示す模式図。 第2シミュレーションにおける電気力線本数とスリット幅との関係を示すグラフ。 第3シミュレーションにおける電極構成を示す模式図。 メッシュ電極部材の電極層の厚みを30μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極部材の電極層の厚みを10μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極部材の電極層の厚みを5μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極部材の電極層の厚みを1μmに設定した第3シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ厚を30μmに固定した状態で、絶縁層と電極層との厚みの比率を変化させた場合における電気力線本数と電極層厚との関係を示すグラフ。 第4シミュレーションにおける電気力線本数と電極層厚との関係を示すグラフ。 電極層として出口側電極層を設け、且つその厚みを2.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図。 電極層として出口側電極層を設け、且つその厚みを0.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図。 電極層として入口側電極層を設け、且つその厚みを2.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図。 電極層として入口側電極層を設け、且つその厚みを0.5μmに設定した第4シミュレーションの結果を示す模式図。 第5シミュレーションにおける電極構成を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを0[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−100[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−200[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−300[V]に設定した第5シミュレーションの結果を示す模式図。 第5シミュレーションにおける電気力線本数と内外電極層電位差Vcとの関係を示すグラフ。 メッシュ全体を電極層にした場合における第6シミュレーションの結果を示す模式図。 メッシュ電極部材を入口側電極層、絶縁層、出口側電極層の3層構造にした場合における第6シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを0[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−100[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−200[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図。 内外電極層電位差Vcを−300[V]に設定した第7シミュレーションの結果を示す模式図。 第7シミュレーションにおける電気力線と内外電極層電位差Vcとの関係を示すグラフ。 第8シミュレーションにおける電気力線本数と内外電極層電位差Vcとの関係を示すグラフ。 電界Ebの強度=0.25kV/mm、Vc=−150Vに設定した第8シミュレーションにおけるスリット周囲の拡大模式図。 電界Ebの強度=0.5kV/mm、Vc=−150Vに設定した第8シミュレーションにおけるスリット周囲の拡大模式図。 出口側電極層の電極内径を40μmに設定した第9シミュレーションの結果を示す模式図。 出口側電極層の電極内径を60μmに設定した第9シミュレーションの結果を示す模式図。 出口側電極層の電極内径を100μmに設定した第9シミュレーションの結果を示す模式図。 出口側電極層の電極内径を140μmに設定した第9シミュレーションの結果を示す模式図。 第9シミュレーションにおける電気力線本数と電極内径との関係を示すグラフ。 第10シミュレーションにおける電気力線本数と電極内径との関係を示すグラフ。 第10シミュレーションにおけるスリット周囲の映像を拡大して示す模式図(外電極間隔40μm)。 第10シミュレーションにおけるスリット周囲の映像を拡大して示す模式図(外電極間隔80μm)。 スリット出口幅を150μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図。 スリット出口幅170μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図。 スリット出口幅190μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図。 スリット出口幅210μmに設定した第11シミュレーションを示す模式図。 第11シミュレーションにおける電気力線本数とスリット出口幅との関係を示すグラフ。
符号の説明
11 感光体(潜像担持体)
100 現像装置(現像手段)
101 第1トナー静電搬送基板(トナー静電搬送手段)
140 トナー供給部(供給手段)
142 第1収容室(混合物収容部)
143 第2収容室(混合物収容部)
144 第1搬送スクリュウ(対向電極)
146 メッシュ

Claims (21)

  1. 表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー静電搬送手段を備えるトナー搬送装置において、
    トナーと摩擦促進物質との混合物を収容する混合物収容部と、該混合物収容部内の混合物を攪拌する攪拌手段と、該混合物収容部又はこれに連通する連通部に設けられたメッシュとを有し、該混合物収容部又は連通部内の該混合物中のトナーを該メッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送部材に供給するトナー供給手段を設けるとともに、該混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、これと上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめる電位差発生手段とを設け、該メッシュとして、全体が導電性材料で構成され且つ「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式を具備するものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  2. 表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー静電搬送手段を備えるトナー搬送装置において、
    トナーと摩擦促進物質との混合物を収容する混合物収容部と、該混合物収容部内の混合物を攪拌する攪拌手段と、該混合物収容部又はこれに連通する連通部に設けられたメッシュとを有し、該混合物収容部又は連通部内の該混合物中のトナーを該メッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送部材に供給するトナー供給手段を設けるとともに、該混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、これと上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめる電位差発生手段とを設け、該メッシュとして、絶縁性材料からなる絶縁層と、これに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  3. 請求項2のトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、「孔最短径W≧1.7×導電層厚みTe」という関係式を具備するものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  4. 請求項2又は3のトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、上記導電層の厚みが5[μm]以下であるものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  5. 請求項2、3又は4のトナー搬送装置において、
    上記混合物収容部又は連通部内の混合物に対して、上記導電層よりも上記絶縁層を近づける姿勢で、上記メッシュを配設したことを特徴とするトナー搬送装置。
  6. 請求項2、3又は4のトナー搬送装置において、2つの上記導電層の間に上記絶縁層を積層した構造のものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  7. 請求項6のトナー搬送装置において、
    2つの上記導電層の間に電位差を生じせしめる導電層間電位差発生手段を設けたことを特徴とするトナー搬送装置。
  8. 請求項6又は7のトナー搬送装置において、
    上記対向電極と上記メッシュのトナー入口側表面との間の電界強度よりも、2つの上記導電層の間の電界強度を大きくする電位差を生じせしめるように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  9. 請求項7又は8のトナー搬送装置において、
    2つの上記導電層の間の電界強度を、上記メッシュの孔内の該間でコロナ放電を発生させ始める放電開始強度よりも小さくするように、上記導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  10. 請求項6乃至9の何れかのトナー搬送装置において、
    2つの上記導電層のうち、トナー出口側に位置する方である出口側導電層と、上記トナー静電搬送手段との間に、トナーを該出口側導電層から該トナー静電搬送手段に向けて静電的に移動させる向きの電界を形成するように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  11. 請求項10のトナー搬送装置において、
    上記出口側導電層と上記トナー静電搬送手段との間の電界を、該トナー静電搬送手段の表面上でトナー搬送用に形成される電界を阻害しない強度で形成するように、上記電位差発生手段及び導電層間電位差発生手段を構成したことを特徴とするトナー搬送装置。
  12. 請求項6乃至11の何れかのトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、2つの上記導電層のうち、トナー入口側に位置する方である入口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径よりも、トナー出口側に位置する方である出口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径を大きくしたものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  13. 請求項12のトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、上記出口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径を、上記入口側導電層における孔周囲の輪郭の最短径の2.0倍未満にしたものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  14. 請求項6乃至11の何れかのトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、トナー入口側の孔最短径よりもトナー出口側の孔最短径を大きくしたものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  15. 請求項14のトナー搬送装置において、
    上記メッシュとして、トナー出口側の孔最短径をトナー入口側の孔最短径の2.0倍以下にしたものを用いたことを特徴とするトナー搬送装置。
  16. トナー搬送装置に設けられたトナー静電搬送手段の表面上に存在するトナーを静電気力によって移動させながら潜像担持体との対向位置に搬送して、該潜像担持体に担持される潜像を現像する現像装置において、
    上記トナー搬送装置として、請求項1乃至15の何れかのトナー搬送装置を用いたことを特徴とする現像装置。
  17. 少なくとも、画像形成装置内で潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを、1つのユニットとして共通の支持体に支持させたプロセスユニットにおいて、
    上記現像手段として、請求項16の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスユニット。
  18. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
    上記現像手段として、請求項16の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  19. トナー静電搬送手段の表面上のトナーを静電気力によって移動させて搬送するトナー搬送方法において、
    内部に収容しているトナーと摩擦促進物質との混合物を攪拌する混合物収容部、又はこれに連通する連通部内に収容されている該混合物からトナーをメッシュによってふるいにかけて上記トナー静電搬送手段に供給するトナー供給工程を実施し、該トナー供給工程にて、混合物収容部又は連通部内の該混合物を介して該メッシュに対向する対向電極と、上記トナー静電搬送手段との間に電位差を生じせしめ、且つ、該メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とするトナー搬送方法。
  20. トナー搬送装置に設けられたトナー静電搬送手段の表面上に存在するトナーを静電気力によって移動させながら潜像担持体との対向位置に搬送するトナー搬送工程を実施して、該潜像担持体に担持される潜像を現像する現像方法において、
    上記トナー搬送工程と並行して、請求項19のトナー搬送方法における上記トナー供給工程を実施し、且つ、上記メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とする現像方法。
  21. 潜像担持体に潜像を形成する潜像形成工程と、トナー静電搬送手段の表面上でトナーを静電気力によって移動させて該潜像担持体との対向位置まで搬送するトナー搬送工程を実施することで該潜像をトナー像に現像する現像工程とを実施して、画像を形成する画像形成方法において、
    上記トナー搬送工程と並行して、請求項19のトナー搬送方法における上記トナー供給工程を実施し、且つ、上記メッシュとして、全体が導電性材料で構成されているという条件と「孔最短径W≧1.4×厚みt」という関係式とを具備するものを用いるか、あるいは、絶縁性材料からなる絶縁層とこれに積層された導電性材料からなる導電層とを有する多層構造のものを用いるかすることを特徴とする画像形成方法。
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