本発明は、プリント基板などのような検査対象物を検査する際に使用される照明装置に関するものである。
基板表面に形成されたパッドやレジストなどを検査する装置に関しては、下記の特許文献1に記載されるようなものが存在する。
この特許文献1に記載される基板検査装置は、基板表面に色相光を照射する照明装置と、基板表面上に照射された各色相光の反射光像を色相光別に撮像するCCDカメラとを備えてなるもので、このCCDカメラから得られた色相光別の撮像パターンに基づいて基板表面を検査するものである。そして、この基板検査装置に組み込まれる照明装置は、CCDカメラの撮像軸を中心として基板表面への照射角度が異なるように同心円状に三段配置された赤色LED群、緑色LED群及び青色LED群と、これらLED群の光の照射方向側に配置され、これらLED群からの3色の色相光を拡散する拡散板と、これら赤色LED群、緑色LED群、青色LED群及び拡散板を収容し、CCDカメラが基板表面の反射光像を撮像するためのカメラ穴を有する照明フードとを設けて構成される。
特開2002−340814号公報
ところで、このような基板検査装置においては、照射される光の角度によって検査精度が大きく左右されることが知られている。このため、各基板検査装置毎に同じ検査精度を得ようとするには、LED群をあらかじめ定められた角度に正確に取り付けなければならない。しかるに、上記特許文献1に記載される照明装置では、CCDカメラの撮像軸を中心とした同心円状(半球状)にLED群を取り付けるようにしているため、正確な角度にLED群を取り付けることが困難であった。また、従来の基板検査装置では、各LED群毎に角度を個別に調整するようにしているため、LED群の取り付け角度や基板までの距離の設定を誤ると、装置毎に同じ検査精度を得ることができないという問題を有していた。
さらに、このような装置を用いて基板を検査する場合、色相光の違いによって得られる画像が異なり、例えば、緑色のLEDを用いる場合はレジストの検査に適した画像が得られることが知られており、また、赤色のLEDを用いる場合はパッドの検査に適した画像が得られることが知られている。そして、このような種々の色相光についても、検査対象物の突起や欠損などを検査するために、種々の角度から照射することが好ましい。
しかしながら、上記特許文献1に記載される検査装置では、一の色相光については、あらかじめ設定された一の角度からしか照射することができず、検査に適した精度良い画像を得ることができない。また、特許文献1では、その角度設定されたLED群に対して鉛直上方にCCDカメラを取り付けるようにしているため、LED群とCCDカメラとの大きな角度設定を行うことができず、検査に対して適切な画像を得ることができない場合があるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、同じ状態に各光源を設定することで検査精度を均一にするとともに、検査に対して精度良い画像を得ることができるような照明装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、検査対象物に光を照射する複数の発光部材と、この発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを具備してなる照明装置において、前記各発光部材を直線状に構成し、それぞれの発光部材の取り付け角度に対応した複数の取付部を有するブラケットを設けて、この取付部に各発光部材を取り付けるようにしたものである。
このように構成すれば、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその両端などを取り付けるようにするだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定を行うことができるようになる。
また、複数の角度に取り付けられる各発光部材のそれぞれに、色相の異なる複数の光源を設けるようにする。
このように構成すれば、各発光部材に色相の異なる複数の光源を設けているため、種々の角度から複数の色相光を照射することができ、より検査に適した画像を取得させることができるようになる。
さらに、各発光部材を、長手方向に沿った所定数の光源毎に発光制御できるようする。
このように構成すれば、大きな検査対象物を検査できるように比較的長めの発光部材を取り付けるようにした場合であっても小さな検査対象物を検査する場合、その大きさに対応した部分のみを発光させることができるため、大小種々の大きさの検査対象物を検査することができるとともに、無駄な発光を防止することができるようになる。
加えて、複数列の光源を有するように構成するとともに、同一列における光源と光源の間に隣接する列の光源を配置するように発光部材を構成する。
このように構成すれば、多くのLEDなどの光源を設ける場合であっても、発光部材の短手方向の寸法を小さくすることができるようになる。また、このように短手方向の寸法を小さくできることから、検査対象物の近傍に複数の発光部材をより多くの角度に取り付けることができるようになり、より検査に適した明るい画像を得ることができるようになる。
また、各発光部材の短手方向の寸法を共通に設定するとともに、発光部材取付部の寸法についてもこれと同様に共通に構成する。
このように構成すれば、各発光部材とその取付部の大きさが共通に設定されているため、部材の種類を選ぶことなく任意の発光部材を任意の発光部材取付部に取り付けることができる。また、各発光部材が共通に構成されるので、製造工程の簡略化やコストの低減などを図ることができるようになる。
また、受光装置を、発光部材の取り付け角度に対応した位置に移動できるように構成する。
このように構成すれば、着脱可能に取り付けられたいずれかの角度の発光部材を取り外し、その位置にラインセンサなどの受光装置を取り付けるようにすれば、発光部材と受光装置との角度を大きく確保することができ、受光に適した位置から画像を取得することができるようになる。
本発明では、検査対象物に光を照射する複数の発光部材と、この発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを具備してなる照明装置において、前記各発光部材を直線状に構成し、それぞれの発光部材の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部を有するブラケットを設けて、この発光部材取付部に各発光部材を取り付けるようにしたので、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定をすることができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその発光部材の両端などを取り付けるだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定をすることができるようになる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、基板検査装置101の照明装置100近傍における中央断面概略図を示したものであり、図2は、その照明装置100のカバー体4を取り外した状態における正面図を、また、図3は、図2における基板10を取り外した状態を示す図である。また、図4は、その照明装置100に取り付けられる発光部材1のLED11の配列状態を示し、図5は、ブラケット3に基板11や補強部材13、プラスチック部材21や異方性拡散フィルム20を取り付ける状態を示す。また、図6は、一部の発光部材1を取り外し、その取り外した位置に受光装置であるラインセンサ6を設けるようにした状態図を示したものである。
この実施の形態における照明装置100は、基板検査装置101内に組み込まれるもので、図2や図3に示すように、対向する一対の側板50を有する支持体5と、この支持体5の側板50の内側に対向して取り付けられる半円弧形状のブラケット3と(図3参照)、このブラケット3に着脱可能に取り付けられる細長い直線平面状に構成された発光部材1および異方性拡散部材2と(図5参照)、この発光部材1から照射された光のうち、検査基板7によって反射された光を受光する受光装置であるラインセンサ6とを具備してなるものである。以下、この照明装置100の具体的構成について詳細について説明する。
この照明装置100を構成する複数の発光部材1は、それぞれ、図4や図5に示すように、点光源である複数のLED11を実装した基板10と、この基板10をブラケット3に取り付けるための補強部材13とを設けて共通に構成される。この基板10は、一定の幅を有する直線平面上に構成され、例えば、短手方向の寸法を約1cm〜2cmとし、長手方向の寸法を約40cm〜50cmに構成される。そして、この基板10には、長手方向に沿って複数列をなすようにLED11が取り付けられ、また、図4に示すように、それぞれのLED11は千鳥状、すなわち、同一列におけるLED11とLED11との間に隣接する列のLED11を配置するようにして設けられる。これらのLED11は、列方向に沿って同一色のLED11を設けて構成され、また、隣接する列のLED11については、これと異なる色相光を有するLED11で構成される。この実施の形態においては、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)の4列のLED11を千鳥状に設けるようにしている。そして、このようなLED11は、図2に示すように、それぞれの基板10の端部に設けられたコネクタ12を介して制御部に接続され、その制御部によって点灯・消滅・光量調節などの制御が行われる。この制御は、複数設けられた発光部材1毎に行われ、また、それぞれの発光部材1内においても各列毎、および、長手方向に沿った所定数のLED毎(例えば、10個のLED毎)にも行われる。
また、この発光部材1のLED取り付け面側に設けられる補強部材13は、基板10とほぼ同じ外形形状を有するような直線平面状に構成されるもので、基板10の撓みを防止できるようにアルミ部材などのような比較的剛性の高い部材で構成される。この補強部材13の内側には、図5に示すように、LED11を収納するための複数の孔部14が設けられており、この孔部14にLED11を収納した状態、すなわち、基板10と補強部材13の厚み寸法を小さくした状態にしてブラケット3の発光部材取付部30上に固定される。
このブラケット3は、発光部材1の両端部を載置しうるような一定の厚みを有する略半円弧状、正確には、あらかじめ発光部材1の取り付け角度に対応した平坦部を有する半正多角形状に構成されるもので、その外周部分に発光部材1の端部を固定するための発光部材取付部30を設ける。この発光部材取付部30の載置面の長手方向の長さは、発光部材1の短手方向の寸法と略同一に構成されるもので、その上面に複数のネジ孔を設け、照明装置100の上側からネジなどの固定部材15によって発光部材1を着脱可能に固定できるようにしている。この発光部材1は、ラインセンサ6の受光部分を除いた全ての発光部材取付部30に取り付けられ、このようにして、図1に示すように、半円筒状をなす頂点部分にスリットSを設けるようにして取り付けられる。
また、このブラケット3の発光部材取付部30には、スペーサー40を介してカバー体4が取り付けられる(図1参照)。このカバー体4は発光部材1の外周部分を覆う薄い金属板によって構成されるもので、上部にスリットSに対応した開口部41を設けてなるものである。このカバー体4は、発光部材取付部30に設けられたネジ孔にスペーサー40を取り付け、このスペーサー40によって発光部材1とのクリアランスを確保した状態で固定部材などによって固定される。
また、このブラケット3の内周部分には、図5に示すように、共通に構成された複数の異方性拡散部材2が取り付けられる。この異方性拡散部材2は、透明なプラスチック部材21の下面側に異方性拡散フィルム20を貼り付けて構成されるもので、LED11から照射された光を異方性拡散フィルム20の長手方向へ拡散するもので、複数のLED11から照射された光によってラインセンサ6の略直線受光領域上を均一に照射させるようにしたものである。この実施の形態においては、異方性拡散フィルム20は、入力された直線光を長手方向に、例えば約40度の角度に拡散し、また、短手方向に約5度の角度に拡散する。このため、この異方性拡散フィルム20と検査基板7との距離が長いと、短手方向の拡散角度である約5度の角度によってラインセンサ6の受光領域外に幅広く光が照射されてしまい、照射効率が悪くなってしまう。このため本実施の形態では、検査基板7に近い側であるブラケット3の内周部分に異方性拡散部材2を設けるようにするとともに、より検査基板7に近い側であるプラスチック部材21の下面側にその異方性拡散フィルム20を貼り付けるようにしている。なお、この異方性拡散部材2を用いると、検査基板7上に形成された微少傷を目立たせなくすることができるため、その微少傷を消して検査対象物の形状を検査するような場合は、その異方性拡散部材2を取り付けておき、また、微少傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材2を取り外して検査を行う。
この異方性拡散部材2を取り付けるためのブラケット3の拡散部材取付部31については、発光部材取付部30と同様に、共通に構成された異方性拡散部材2の短手方向の寸法と略同一の寸法に構成される。そして、その表面部分に図示しない複数のネジ孔を設けてブラケット3の下方側から着脱可能に取り付けられる。この異方性拡散部材2をブラケット3に取り付ける場合についても同様に、ラインセンサ6の受光部分にスリットSを形成しうるように取り付けられる。また、この拡散部材取付部31に取り付けられた異方性拡散部材2を取り外す場合は、その異方性拡散部材2の下方から取り付けられたネジなどの固定部材22を取り外すことなどによって行われる。
そして、このように構成されたブラケット3および発光部材1などは、図1から図3などに示すように、支持体5によって固定される。この支持体5は、比較的厚みを有する金属板を略U字状に折り曲げて構成されるもので、対向する一対の側板50を有するように構成される。そして、この対向する側板50の下方に、半円形状に切り欠いた側面開口部51を設け、その側面開口部51の縁部分に沿ってブラケット3を固定部材32(図1参照)によって取り付けられるようになっている。このように側面開口部51を設けると、半円筒状に取り付けられた発光部材1の内部を視認することができ、また、その側面開口部51側から工具などを入れて異方性拡散部材2を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部51を設けないような構造であると、異方性拡散部材2によって拡散された光がその側板50によって反射されて検査基板7に照射され、側板50の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部51を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるという利点がある。
一方、ラインセンサ6は、検査基板7に照射された光のうち直線領域の反射光を受光するもので、図1や図2などに示すように、長手方向に沿ったアーム部材60に位置調整機構61を介してスライド可能に取り付けられる。この位置調整機構61は、アーム部材60を包むようなコの字形状の保持部材62と、この保持部材62とアーム部材60との相対位置を固定するネジなどの固定部材63とを具備してなるものであり、固定部材63を緩めてアーム部材60上をスライドさせ、所望の位置にラインセンサ6を移動させて固定する。このアーム部材60は、基板検査装置101を構成する骨格部材に取り付けられ、ラインセンサ6の受光軸がスリットの方向と合致するように設けられる。
次に、このように構成された照明装置100の組み立て方法、及び、このような照明装置100を用いた基板検査装置101の動作状態を説明する。
まず、照明装置100を組み立てる場合、略U字状に構成された金属製の支持体5のうち、対向する側板50の内側に対向するように各ブラケット3を取り付け、その際、ブラケット3の取り付け位置などを調整する。そして、このブラケット3を取り付けた支持体5に対して、発光部材1や異方性拡散部材2を取り付けていく。この発光部材1を取り付ける場合、アルミ製の補強部材13に形成された孔部14にLED11を収納した状態でその両端部分をブラケット3の発光部材取付部30に載置し、上からネジなどの固定部材15によって順次固定していく。この際、最上部の発光部材取付部30には発光部材1を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。また、異方性拡散部材2を取り付ける場合は、まず、プラスチック部材21に異方性拡散フィルム20を貼り付けておき、その異方性拡散フィルム20が下面側を向くようにして拡散部材取付部31に順次ネジなどの固定部材22によって固定していく。その際、同様に、最上部に位置する拡散部材取付部31には異方性拡散部材2を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。なお、このように発光部材1や異方性拡散部材2を取り付ける場合、それぞれの発光部材1や異方性拡散部材2が共通に構成されているため、任意の発光部材1や異方性拡散部材2を選んで取り付けることができる。そして、このように発光部材1および異方性拡散部材2を取り付けた後、その略U字状に構成された支持体5を、基板検査装置101に設けられた骨格部材にネジなどの固定部材を介して取り付け、最後に、ブラケット3の最上部に設けられた発光部材取付部30のネジ孔にスペーサー40を取り付けてカバー体4を取り付ける。次に、アーム部材60上にラインセンサ6を取り付け、このアーム部材60上で任意の位置にラインセンサ6をスライドさせることによって受光位置を調整し、スリットSからの反射光を受光する。
このように構成された照明装置100を用いて検査基板7を検査する場合は、まず、検査基板7を載せたステージ70をスライドさせることによってアーチ状の照明装置100内に移動させ、各発光部材1から光を照射する。この際、検査基板7の大きさに対応して、例えば、小さい検査基板7を検査する場合は、発光するLED11の数を10個程度に設定するとともに、各発光部材1に設けられた色相光の異なるLED11(R)(G)から光を照射する。そして、その受光した画像を処理することによって、検査基板7の形成状態を検査する。
このように上記実施の形態によれば、検査基板7に光を照射するLED11からなる複数の発光部材1と、この発光部材1から照射された光のうち検査基板7によって反射された光を受光するラインセンサ6とを具備してなる照明装置100において、各発光部材1を直線平面状に構成し、それぞれの発光部材1の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部30をブラケット3に設けて各発光部材1を取り付けるようにしたので、それぞれの発光部材1の取り付け角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、比較的長めの発光部材1の両端をブラケット3に固定するだけで全ての角度設定ができるため、簡単かつ正確に発光部材1の角度設定をすることができるようになる。
また、各発光部材1の各列毎に色相の異なるLED11を取り付けるようにしたので、種々の角度から複数の色相光を照射することができ、より検査に適した種々の色相に基づく画像を取得することができるようになる。
さらに、各発光部材1を比較的長めに構成し、その長手方向に沿った複数のLED11毎に発光させるようにしたので、大きな検査基板7に光を照射する場合は全てのLED11を発光させるとともに、小さな検査基板7に光を照射する場合は、その大きさに対応した部分だけを発光させることで無駄な発光を防止することができるようになる。
加えて、各発光部材1にLED11を配列する場合、千鳥状、すなわち、同一列におけるLED11とLED11との間に隣接する列のLED11を配置するようにしたので、より多くのLED11を幅の小さな基板10内に収めることができるようになる。また、基板10の幅寸法を小さくできることから、検査基板7の近傍により多くの角度に発光部材1を密着して取り付けることができるようになる。
また、 各発光部材1をすべて同じ構成として、さらに、ブラケット3に設けられた発光部材取付部30も同じ寸法となるように構成したので、発光部材1の種類を選ぶことなく任意の位置に発光部材1を取り付けることができ、取り付け時間の短縮化を図ることができるようになる。また、各発光部材1がすべて同じ構成であるため、製造工程の簡略化やコストの低減などを図ることができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、パッドやレジストを有する検査基板7を検査する場合について説明したが、これに限らず、どのような対象物を検査する検査装置にこのような照明装置100を組み込むようにしても良い。
また、上記実施の形態では、鉛直方向にラインセンサ6を取り付けるようにしているが、これに限らず、ラインセンサ6の受光軸を傾けるようにしても良い。この場合、図6に示すように、例えば、半円筒状に構成された複数の発光部材1のうち一つの発光部材1を取り外し、その取り外しによって形成されたスリットSの部分に受光軸が位置するような角度調整機構64を設けてラインセンサ6を取り付けるようにすると良い。このように構成すれば、最大で180度弱の反射角度を確保することができ、この範囲内において、検査対象物の検査に適した反射角度の画像を取得することができるようになる。
さらに、上記実施の形態では、一つのラインセンサ6を設ける場合について説明したが、アーム部材60上に複数のラインセンサ6を取り付け、アーム部材60のスライド機構を用いて各ラインセンサ6の位置を調整して検査基板7からの反射光を受光するようにしても良い。
加えて、上記実施の形態では、略円弧形状をなす一対のブラケット3に発光部材1を取り付けるようにしているが、これに限らず、1/4円弧形状をなすブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにするなど、一のブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにしても良い。また、ブラケットの形状については、円弧形状に限らず、発光部材1の取り付け角度を設定できるようなものであれば、どのような形状を有するものであっても良い。
また、上記実施の形態では、各列毎に色相光の異なるLED11を取り付けるようにしているが、比較的大きな光量を確保することが可能な場合は、各列内において交互に色相光の異なるLED11を設けるようにしても良い。
本発明の一実施の形態における照明装置の中央断面概略図
同形態における照明装置の正面概略図
図3における照明装置の基板を取り外した状態図
同形態におけるLEDの配列状態を示す図
同形態におけるブラケットへの取り付け状態を示す図
同形態におけるラインセンサの位置を変化させた状態を示す図
符号の説明
1・・・発光部材
3・・・ブラケット
6・・・ラインセンサ
7・・・検査基板
10・・・基板
11・・・LED
30・・・発光部材取付部
31・・・拡散部材取付部
100・・・照明装置
本発明は、プリント基板などのような検査対象物を検査する際に使用される照明装置に関するものである。
基板表面に形成されたパッドやレジストなどを検査する装置に関しては、下記の特許文献1に記載されるようなものが存在する。
この特許文献1に記載される基板検査装置は、基板表面に色相光を照射する照明装置と、基板表面上に照射された各色相光の反射光像を色相光別に撮像するCCDカメラとを備えてなるもので、このCCDカメラから得られた色相光別の撮像パターンに基づいて基板表面を検査するものである。そして、この基板検査装置に組み込まれる照明装置は、CCDカメラの撮像軸を中心として基板表面への照射角度が異なるように同心円状に三段配置された赤色LED群、緑色LED群及び青色LED群と、これらLED群の光の照射方向側に配置され、これらLED群からの3色の色相光を拡散する拡散板と、これら赤色LED群、緑色LED群、青色LED群及び拡散板を収容し、CCDカメラが基板表面の反射光像を撮像するためのカメラ穴を有する照明フードとを設けて構成される。
特開2002−340814号公報
ところで、このような基板検査装置においては、照射される光の角度によって検査精度が大きく左右されることが知られている。このため、各基板検査装置毎に同じ検査精度を得ようとするには、LED群をあらかじめ定められた角度に正確に取り付けなければならない。しかるに、上記特許文献1に記載される照明装置では、CCDカメラの撮像軸を中心とした同心円状(半球状)にLED群を取り付けるようにしているため、正確な角度にLED群を取り付けることが困難であった。また、従来の基板検査装置では、各LED群毎に角度を個別に調整するようにしているため、LED群の取り付け角度や基板までの距離の設定を誤ると、装置毎に同じ検査精度を得ることができないという問題を有していた。
さらに、このような装置を用いて基板を検査する場合、色相光の違いによって得られる画像が異なり、例えば、緑色のLEDを用いる場合はレジストの検査に適した画像が得られることが知られており、また、赤色のLEDを用いる場合はパッドの検査に適した画像が得られることが知られている。そして、このような種々の色相光についても、検査対象物の突起や欠損などを検査するために、種々の角度から照射することが好ましい。
しかしながら、上記特許文献1に記載される検査装置では、一の色相光については、あらかじめ設定された一の角度からしか照射することができず、検査に適した精度良い画像を得ることができない。また、特許文献1では、その角度設定されたLED群に対して鉛直上方にCCDカメラを取り付けるようにしているため、LED群とCCDカメラとの大きな角度設定を行うことができず、検査に対して適切な画像を得ることができない場合があるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、同じ状態に各光源を設定することで検査精度を均一にするとともに、検査に対して精度良い画像を得ることができるような照明装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、検査対象物に光を照射する複数の直線平面状の発光部材と、当該それぞれの直線平面状の発光部材の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部を有する単一のブラケットと、当該単一のブラケットに着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを設けるようにしたものである。
このように構成すれば、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその両端などを取り付けるようにするだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定を行うことができるようになる。
また、第二の発明として、ブラケットとして、その外周部分に前記発光部材取付部を有し、内周部分に複数の異方性拡散部材を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部を有するものを用いる。
このように構成すれば、微小傷を消して検査対象物の形状を検査するような場合、その異方性拡散部材を取り付けておき、また、微小傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材を取り外して検査することができる。
更に、第三の発明では、前記異方性拡散部材として、透明なプラスチック部材の下面側に異方性拡散フィルムを貼り付けたものを用いる。
このように構成すれば、検査基板に近い側に異方性拡散フィルムを位置させることができ、ラインセンサの受光領域外に幅広く光が照射されてしまって、照射効率が悪くなってしまうといった不具合をなくすことができるようになる。
加えて、第四の発明では、前記発光部材として、LEDを実装した基板と、この基板をブラケットに取り付けて基板の撓みを防止するための補強部材とを設けたものを用いる。
このように構成すれば、LEDを実装した基板の撓みを防止した状態でブラケットに基板を取り付けることができるようになる。
また、第五の発明では、前記ブラケットを、対向する一対の側板の下方に設けられた半円形状の側面開口部に沿って取り付けるようにする。
このように構成すれば、半円筒状に取り付けられた発光部材の内部を視認することができ、また、その側面開口部側から工具などを入れて異方性拡散部材を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部を設けない構造であると、異方性拡散部材によって拡散された光がその側面によって反射されて検査基板に照射され、側板の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるようになる。
また、第六の発明では、前記発光部材の外周部分を覆うカバー体を、スペーサーを介してブラケットの発光部材取付部に取り付けるようにする。
また、第七の発明では、受光装置を、発光部材の取り付け角度に対応した位置に移動できるように構成する。
このように構成すれば、着脱可能に取り付けられたいずれかの角度の発光部材を取り外し、その位置にラインセンサなどの受光装置を取り付けるようにすれば、発光部材と受光装置との角度を大きく確保することができ、受光に適した位置から画像を取得することができるようになる。
本発明の照明装置は、検査対象物に光を照射する複数の直線平面状の発光部材と、当該それぞれの直線平面状の発光部材の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部を有する単一のブラケットと、当該単一のブラケットに着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを設けるように構成したので、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定をすることができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその発光部材の両端などを取り付けるだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定をすることができるようになる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、基板検査装置101の照明装置100近傍における中央断面概略図を示したものであり、図2は、その照明装置100のカバー体4を取り外した状態における正面図を、また、図3は、図2における基板10を取り外した状態を示す図である。また、図4は、その照明装置100に取り付けられる発光部材1のLED11の配列状態を示し、図5は、ブラケット3に基板11や補強部材13、プラスチック部材21や異方性拡散フィルム20を取り付ける状態を示す。また、図6は、一部の発光部材1を取り外し、その取り外した位置に受光装置であるラインセンサ6を設けるようにした状態図を示したものである。
この実施の形態における照明装置100は、基板検査装置101内に組み込まれるもので、図2や図3に示すように、対向する一対の側板50を有する支持体5と、この支持体5の側板50の内側に対向して取り付けられる半円弧形状のブラケット3と(図3参照)、このブラケット3に着脱可能に取り付けられる細長い直線平面状に構成された発光部材1および異方性拡散部材2と(図5参照)、この発光部材1から照射された光のうち、検査基板7によって反射された光を受光する受光装置であるラインセンサ6とを具備してなるものである。以下、この照明装置100の具体的構成について詳細について説明する。
この照明装置100を構成する複数の発光部材1は、それぞれ、図4や図5に示すように、点光源である複数のLED11を実装した基板10と、この基板10をブラケット3に取り付けるための補強部材13とを設けて共通に構成される。この基板10は、一定の幅を有する直線平面上に構成され、例えば、短手方向の寸法を約1cm〜2cmとし、長手方向の寸法を約40cm〜50cmに構成される。そして、この基板10には、長手方向に沿って複数列をなすようにLED11が取り付けられ、また、図4に示すように、それぞれのLED11は千鳥状、すなわち、同一列におけるLED11とLED11との間に隣接する列のLED11を配置するようにして設けられる。これらのLED11は、列方向に沿って同一色のLED11を設けて構成され、また、隣接する列のLED11については、これと異なる色相光を有するLED11で構成される。この実施の形態においては、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)の4列のLED11を千鳥状に設けるようにしている。そして、このようなLED11は、図2に示すように、それぞれの基板10の端部に設けられたコネクタ12を介して制御部に接続され、その制御部によって点灯・消滅・光量調節などの制御が行われる。この制御は、複数設けられた発光部材1毎に行われ、また、それぞれの発光部材1内においても各列毎、および、長手方向に沿った所定数のLED毎(例えば、10個のLED毎)にも行われる。
また、この発光部材1のLED取り付け面側に設けられる補強部材13は、基板10とほぼ同じ外形形状を有するような直線平面状に構成されるもので、基板10の撓みを防止できるようにアルミ部材などのような比較的剛性の高い部材で構成される。この補強部材13の内側には、図5に示すように、LED11を収納するための複数の孔部14が設けられており、この孔部14にLED11を収納した状態、すなわち、基板10と補強部材13の厚み寸法を小さくした状態にしてブラケット3の発光部材取付部30上に固定される。
このブラケット3は、発光部材1の両端部を載置しうるような一定の厚みを有する略半円弧状、正確には、あらかじめ発光部材1の取り付け角度に対応した平坦部を有する半正多角形状に構成されるもので、その外周部分に発光部材1の端部を固定するための発光部材取付部30を設ける。この発光部材取付部30の載置面の長手方向の長さは、発光部材1の短手方向の寸法と略同一に構成されるもので、その上面に複数のネジ孔を設け、照明装置100の上側からネジなどの固定部材15によって発光部材1を着脱可能に固定できるようにしている。この発光部材1は、ラインセンサ6の受光部分を除いた全ての発光部材取付部30に取り付けられ、このようにして、図1に示すように、半円筒状をなす頂点部分にスリットSを設けるようにして取り付けられる。
また、このブラケット3の発光部材取付部30には、スペーサー40を介してカバー体4が取り付けられる(図1参照)。このカバー体4は発光部材1の外周部分を覆う薄い金属板によって構成されるもので、上部にスリットSに対応した開口部41を設けてなるものである。このカバー体4は、発光部材取付部30に設けられたネジ孔にスペーサー40を取り付け、このスペーサー40によって発光部材1とのクリアランスを確保した状態で固定部材などによって固定される。
また、このブラケット3の内周部分には、図5に示すように、共通に構成された複数の異方性拡散部材2が取り付けられる。この異方性拡散部材2は、透明なプラスチック部材21の下面側に異方性拡散フィルム20を貼り付けて構成されるもので、LED11から照射された光を異方性拡散フィルム20の長手方向へ拡散するもので、複数のLED11から照射された光によってラインセンサ6の略直線受光領域上を均一に照射させるようにしたものである。この実施の形態においては、異方性拡散フィルム20は、入力された直線光を長手方向に、例えば約40度の角度に拡散し、また、短手方向に約5度の角度に拡散する。このため、この異方性拡散フィルム20と検査基板7との距離が長いと、短手方向の拡散角度である約5度の角度によってラインセンサ6の受光領域外に幅広く光が照射されてしまい、照射効率が悪くなってしまう。このため本実施の形態では、検査基板7に近い側であるブラケット3の内周部分に異方性拡散部材2を設けるようにするとともに、より検査基板7に近い側であるプラスチック部材21の下面側にその異方性拡散フィルム20を貼り付けるようにしている。なお、この異方性拡散部材2を用いると、検査基板7上に形成された微少傷を目立たせなくすることができるため、その微少傷を消して検査対象物の形状を検査するような場合は、その異方性拡散部材2を取り付けておき、また、微少傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材2を取り外して検査を行う。
この異方性拡散部材2を取り付けるためのブラケット3の拡散部材取付部31については、発光部材取付部30と同様に、共通に構成された異方性拡散部材2の短手方向の寸法と略同一の寸法に構成される。そして、その表面部分に図示しない複数のネジ孔を設けてブラケット3の下方側から着脱可能に取り付けられる。この異方性拡散部材2をブラケット3に取り付ける場合についても同様に、ラインセンサ6の受光部分にスリットSを形成しうるように取り付けられる。また、この拡散部材取付部31に取り付けられた異方性拡散部材2を取り外す場合は、その異方性拡散部材2の下方から取り付けられたネジなどの固定部材22を取り外すことなどによって行われる。
そして、このように構成されたブラケット3および発光部材1などは、図1から図3などに示すように、支持体5によって固定される。この支持体5は、比較的厚みを有する金属板を略U字状に折り曲げて構成されるもので、対向する一対の側板50を有するように構成される。そして、この対向する側板50の下方に、半円形状に切り欠いた側面開口部51を設け、その側面開口部51の縁部分に沿ってブラケット3を固定部材32(図1参照)によって取り付けられるようになっている。このように側面開口部51を設けると、半円筒状に取り付けられた発光部材1の内部を視認することができ、また、その側面開口部51側から工具などを入れて異方性拡散部材2を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部51を設けないような構造であると、異方性拡散部材2によって拡散された光がその側板50によって反射されて検査基板7に照射され、側板50の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部51を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるという利点がある。
一方、ラインセンサ6は、検査基板7に照射された光のうち直線領域の反射光を受光するもので、図1や図2などに示すように、長手方向に沿ったアーム部材60に位置調整機構61を介してスライド可能に取り付けられる。この位置調整機構61は、アーム部材60を包むようなコの字形状の保持部材62と、この保持部材62とアーム部材60との相対位置を固定するネジなどの固定部材63とを具備してなるものであり、固定部材63を緩めてアーム部材60上をスライドさせ、所望の位置にラインセンサ6を移動させて固定する。このアーム部材60は、基板検査装置101を構成する骨格部材に取り付けられ、ラインセンサ6の受光軸がスリットの方向と合致するように設けられる。
次に、このように構成された照明装置100の組み立て方法、及び、このような照明装置100を用いた基板検査装置101の動作状態を説明する。
まず、照明装置100を組み立てる場合、略U字状に構成された金属製の支持体5のうち、対向する側板50の内側に対向するように各ブラケット3を取り付け、その際、ブラケット3の取り付け位置などを調整する。そして、このブラケット3を取り付けた支持体5に対して、発光部材1や異方性拡散部材2を取り付けていく。この発光部材1を取り付ける場合、アルミ製の補強部材13に形成された孔部14にLED11を収納した状態でその両端部分をブラケット3の発光部材取付部30に載置し、上からネジなどの固定部材15によって順次固定していく。この際、最上部の発光部材取付部30には発光部材1を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。また、異方性拡散部材2を取り付ける場合は、まず、プラスチック部材21に異方性拡散フィルム20を貼り付けておき、その異方性拡散フィルム20が下面側を向くようにして拡散部材取付部31に順次ネジなどの固定部材22によって固定していく。その際、同様に、最上部に位置する拡散部材取付部31には異方性拡散部材2を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。なお、このように発光部材1や異方性拡散部材2を取り付ける場合、それぞれの発光部材1や異方性拡散部材2が共通に構成されているため、任意の発光部材1や異方性拡散部材2を選んで取り付けることができる。そして、このように発光部材1および異方性拡散部材2を取り付けた後、その略U字状に構成された支持体5を、基板検査装置101に設けられた骨格部材にネジなどの固定部材を介して取り付け、最後に、ブラケット3の最上部に設けられた発光部材取付部30のネジ孔にスペーサー40を取り付けてカバー体4を取り付ける。次に、アーム部材60上にラインセンサ6を取り付け、このアーム部材60上で任意の位置にラインセンサ6をスライドさせることによって受光位置を調整し、スリットSからの反射光を受光する。
このように構成された照明装置100を用いて検査基板7を検査する場合は、まず、検査基板7を載せたステージ70をスライドさせることによってアーチ状の照明装置100内に移動させ、各発光部材1から光を照射する。この際、検査基板7の大きさに対応して、例えば、小さい検査基板7を検査する場合は、発光するLED11の数を10個程度に設定するとともに、各発光部材1に設けられた色相光の異なるLED11(R)(G)から光を照射する。そして、その受光した画像を処理することによって、検査基板7の形成状態を検査する。
このように上記実施の形態によれば、検査基板7に光を照射する複数の直線平面状の発光部材1と、当該それぞれの直線平面状の発光部材1の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部30を有する単一のブラケット3と、当該単一のブラケット3に着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材1のLED11から照射された光のうち検査基板7によって反射された光を受光するラインセンサ6とを設けるようにしたので、それぞれの発光部材1の取り付け角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、比較的長めの発光部材1の両端をブラケット3に固定するだけで全ての角度設定ができるため、簡単かつ正確に発光部材1の角度設定をすることができるようになる。
また、ブラケット3として、その外周部分に発光部材取付部30を有し、内周部分に複数の異方性拡散部材2を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部31を有するものを用いるようにしたので、微小傷を消して検査対象物の形状を検査するような場合は、その異方性拡散部材2を取り付けておき、また、微小傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材を下方側から取り外して検査することができるようになる。
更に、異方性拡散部材2として、透明なプラスチック部材21の下面側に異方性拡散フィルム20を貼り付けたものを用いるようにしたので、検査基板7に近い側に異方性拡散フィルムを設けることができ、ラインセンサ6の受光領域外に幅広く光が照射されて、照射効率が悪くなってしまうといった不具合を防止することができるようになる。
加えて、発光部材1を、LED11を実装した基板10と、この基板10をブラケット3に取り付けて基板10の撓みを防止するための補強部材13を設けて構成するようにしたので、基板10の撓みを防止した状態でブラケット3に基板10を取り付けることができるようになる。
また、前記ブラケット3を、対向する一対の側板50の下方に設けられた半円形状の側面開口部51に沿って取り付けるようにしたので、半円筒状に取り付けられた発光部材1の内部を視認することができ、また、その側面開口部51側から工具などを入れて異方性拡散部材2を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部51を設けない構造であると、異方性拡散部材2によって拡散された光がその側板50によって反射されて検査基板7に照射され、側板50の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部51を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるようになる。
また、発光部材1の外周部分を覆うカバー体4を、スペーサー40を介してブラケット3の発光部材取付部30に取り付けるようにする。
また、受光装置であるラインセンサ6を、発光部材1の取り付け角度に対応した位置に移動できるように構成したので、着脱可能に取り付けられたいずれかの角度の発光部材1を取り外し、その位置にラインセンサ6を取り付けるようにすれば、発光部材1とラインセンサ6との角度を大きく確保することができ、受光に適した位置から画像を取得することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、パッドやレジストを有する検査基板7を検査する場合について説明したが、これに限らず、どのような対象物を検査する検査装置にこのような照明装置100を組み込むようにしても良い。
また、上記実施の形態では、鉛直方向にラインセンサ6を取り付けるようにしているが、これに限らず、ラインセンサ6の受光軸を傾けるようにしても良い。この場合、図6に示すように、例えば、半円筒状に構成された複数の発光部材1のうち一つの発光部材1を取り外し、その取り外しによって形成されたスリットSの部分に受光軸が位置するような角度調整機構64を設けてラインセンサ6を取り付けるようにすると良い。このように構成すれば、最大で180度弱の反射角度を確保することができ、この範囲内において、検査対象物の検査に適した反射角度の画像を取得することができるようになる。
さらに、上記実施の形態では、一つのラインセンサ6を設ける場合について説明したが、アーム部材60上に複数のラインセンサ6を取り付け、アーム部材60のスライド機構を用いて各ラインセンサ6の位置を調整して検査基板7からの反射光を受光するようにしても良い。
加えて、上記実施の形態では、略円弧形状をなす一対のブラケット3に発光部材1を取り付けるようにしているが、これに限らず、1/4円弧形状をなすブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにするなど、一のブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにしても良い。また、ブラケットの形状については、円弧形状に限らず、発光部材1の取り付け角度を設定できるようなものであれば、どのような形状を有するものであっても良い。
また、上記実施の形態では、各列毎に色相光の異なるLED11を取り付けるようにしているが、比較的大きな光量を確保することが可能な場合は、各列内において交互に色相光の異なるLED11を設けるようにしても良い。
本発明の一実施の形態における照明装置の中央断面概略図
同形態における照明装置の正面概略図
図3における照明装置の基板を取り外した状態図
同形態におけるLEDの配列状態を示す図
同形態におけるブラケットへの取り付け状態を示す図
同形態におけるラインセンサの位置を変化させた状態を示す図
符号の説明
1・・・発光部材
2・・・異方性拡散部材
3・・・ブラケット
4・・・カバー体
6・・・ラインセンサ
7・・・検査基板
10・・・基板
11・・・LED
20・・・異方性拡散フィルム
21・・・プラスチック部材
30・・・発光部材取付部
31・・・拡散部材取付部
40・・・スペーサー
50・・・側面
51・・・側面開口部
100・・・照明装置
本発明は、プリント基板などのような検査対象物を検査する際に使用される照明装置に関するものである。
基板表面に形成されたパッドやレジストなどを検査する装置に関しては、下記の特許文献1に記載されるようなものが存在する。
この特許文献1に記載される基板検査装置は、基板表面に色相光を照射する照明装置と、基板表面上に照射された各色相光の反射光像を色相光別に撮像するCCDカメラとを備えてなるもので、このCCDカメラから得られた色相光別の撮像パターンに基づいて基板表面を検査するものである。そして、この基板検査装置に組み込まれる照明装置は、CCDカメラの撮像軸を中心として基板表面への照射角度が異なるように同心円状に三段配置された赤色LED群、緑色LED群及び青色LED群と、これらLED群の光の照射方向側に配置され、これらLED群からの3色の色相光を拡散する拡散板と、これら赤色LED群、緑色LED群、青色LED群及び拡散板を収容し、CCDカメラが基板表面の反射光像を撮像するためのカメラ穴を有する照明フードとを設けて構成される。
特開2002−340814号公報
ところで、このような基板検査装置においては、照射される光の角度によって検査精度が大きく左右されることが知られている。このため、各基板検査装置毎に同じ検査精度を得ようとするには、LED群をあらかじめ定められた角度に正確に取り付けなければならない。しかるに、上記特許文献1に記載される照明装置では、CCDカメラの撮像軸を中心とした同心円状(半球状)にLED群を取り付けるようにしているため、正確な角度にLED群を取り付けることが困難であった。また、従来の基板検査装置では、各LED群毎に角度を個別に調整するようにしているため、LED群の取り付け角度や基板までの距離の設定を誤ると、装置毎に同じ検査精度を得ることができないという問題を有していた。
さらに、このような装置を用いて基板を検査する場合、色相光の違いによって得られる画像が異なり、例えば、緑色のLEDを用いる場合はレジストの検査に適した画像が得られることが知られており、また、赤色のLEDを用いる場合はパッドの検査に適した画像が得られることが知られている。そして、このような種々の色相光についても、検査対象物の突起や欠損などを検査するために、種々の角度から照射することが好ましい。
しかしながら、上記特許文献1に記載される検査装置では、一の色相光については、あらかじめ設定された一の角度からしか照射することができず、検査に適した精度良い画像を得ることができない。また、特許文献1では、その角度設定されたLED群に対して鉛直上方にCCDカメラを取り付けるようにしているため、LED群とCCDカメラとの大きな角度設定を行うことができず、検査に対して適切な画像を得ることができない場合があるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、同じ状態に各光源を設定することで検査精度を均一にするとともに、検査に対して精度良い画像を得ることができるような照明装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、検査対象物に光を照射する複数の直線平面状の発光部材と、当該それぞれの直線平面状の発光部材の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部を外周部分に有し、内周部分に複数の複数の異方性拡散部材を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部を有する単一のブラケットと、当該単一のブラケットに着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを設けるようにしたものである。
このように構成すれば、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその両端などを取り付けるようにするだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定を行うことができるようになる。更に、ブラケットの外周部分に発光部材取付部を設け、内周部分に複数の異方性拡散部材を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部を設けるようにしたので、微小傷を消して検査対象物の形状を検査する場合は、その異方性拡散部材を取り付けておき、また、微小傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材を取り外して検査することができるようになる。
また、第二の発明では、前記異方性拡散部材として、透明なプラスチック部材の下面側に異方性拡散フィルムを貼り付けたものを用いる。
このように構成すれば、検査基板に近い側に異方性拡散フィルムを位置させることができ、ラインセンサの受光領域外に幅広く光が照射されてしまって、照射効率が悪くなってしまうといった不具合をなくすことができるようになる。
更に、第三の発明では、前記発光部材として、LEDを実装した基板と、この基板をブラケットに取り付けて基板の撓みを防止するための補強部材とを設けたものを用いる。
このように構成すれば、LEDを実装した基板の撓みを防止した状態でブラケットに基板を取り付けることができるようになる。
加えて、第四の発明では、前記ブラケットを、対向する一対の側板の下方に設けられた半円形状の側面開口部に沿って取り付けるようにする。
このように構成すれば、半円筒状に取り付けられた発光部材の内部を視認することができ、また、その側面開口部側から工具などを入れて異方性拡散部材を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部を設けない構造であると、異方性拡散部材によって拡散された光がその側面によって反射されて検査基板に照射され、側板の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるようになる。
また、第五の発明では、前記発光部材の外周部分を覆うカバー体を、スペーサーを介してブラケットの発光部材取付部に取り付けるようにする。
また、第六の発明では、受光装置を、発光部材の取り付け角度に対応した位置に移動できるように構成する。
このように構成すれば、着脱可能に取り付けられたいずれかの角度の発光部材を取り外し、その位置にラインセンサなどの受光装置を取り付けるようにすれば、発光部材と受光装置との角度を大きく確保することができ、受光に適した位置から画像を取得することができるようになる。
本発明の照明装置は、検査対象物に光を照射する複数の直線平面状の発光部材と、当該それぞれの直線平面状の発光部材の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部を外周部分に有し、内周部分に複数の複数の異方性拡散部材を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部を有する単一のブラケットと、当該単一のブラケットに着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材から照射された光のうち検査対象物によって反射された光を受光する受光装置とを設けるように構成したので、単一のブラケットに複数の発光部材を取り付けるだけで、それぞれの発光部材の角度を一度に設定をすることができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、直線状の発光部材を用いるようにしているため、対向する一対のブラケットにその発光部材の両端などを取り付けるだけで簡単かつ正確に発光部材の角度設定をすることができるようになる。更に、ブラケットの外周部分に発光部材取付部を設け、内周部分に複数の異方性拡散部材を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部を設けるようにしたので、微小傷を消して検査対象物の形状を検査する場合は、その異方性拡散部材を取り付けておき、また、微小傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材を取り外して検査することができるようになる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、基板検査装置101の照明装置100近傍における中央断面概略図を示したものであり、図2は、その照明装置100のカバー体4を取り外した状態における正面図を、また、図3は、図2における基板10を取り外した状態を示す図である。また、図4は、その照明装置100に取り付けられる発光部材1のLED11の配列状態を示し、図5は、ブラケット3に基板11や補強部材13、プラスチック部材21や異方性拡散フィルム20を取り付ける状態を示す。また、図6は、一部の発光部材1を取り外し、その取り外した位置に受光装置であるラインセンサ6を設けるようにした状態図を示したものである。
この実施の形態における照明装置100は、基板検査装置101内に組み込まれるもので、図2や図3に示すように、対向する一対の側板50を有する支持体5と、この支持体5の側板50の内側に対向して取り付けられる半円弧形状のブラケット3と(図3参照)、このブラケット3に着脱可能に取り付けられる細長い直線平面状に構成された発光部材1および異方性拡散部材2と(図5参照)、この発光部材1から照射された光のうち、検査基板7によって反射された光を受光する受光装置であるラインセンサ6とを具備してなるものである。以下、この照明装置100の具体的構成について詳細について説明する。
この照明装置100を構成する複数の発光部材1は、それぞれ、図4や図5に示すように、点光源である複数のLED11を実装した基板10と、この基板10をブラケット3に取り付けるための補強部材13とを設けて共通に構成される。この基板10は、一定の幅を有する直線平面上に構成され、例えば、短手方向の寸法を約1cm〜2cmとし、長手方向の寸法を約40cm〜50cmに構成される。そして、この基板10には、長手方向に沿って複数列をなすようにLED11が取り付けられ、また、図4に示すように、それぞれのLED11は千鳥状、すなわち、同一列におけるLED11とLED11との間に隣接する列のLED11を配置するようにして設けられる。これらのLED11は、列方向に沿って同一色のLED11を設けて構成され、また、隣接する列のLED11については、これと異なる色相光を有するLED11で構成される。この実施の形態においては、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)、赤色LED11(R)、緑色LED11(G)の4列のLED11を千鳥状に設けるようにしている。そして、このようなLED11は、図2に示すように、それぞれの基板10の端部に設けられたコネクタ12を介して制御部に接続され、その制御部によって点灯・消滅・光量調節などの制御が行われる。この制御は、複数設けられた発光部材1毎に行われ、また、それぞれの発光部材1内においても各列毎、および、長手方向に沿った所定数のLED毎(例えば、10個のLED毎)にも行われる。
また、この発光部材1のLED取り付け面側に設けられる補強部材13は、基板10とほぼ同じ外形形状を有するような直線平面状に構成されるもので、基板10の撓みを防止できるようにアルミ部材などのような比較的剛性の高い部材で構成される。この補強部材13の内側には、図5に示すように、LED11を収納するための複数の孔部14が設けられており、この孔部14にLED11を収納した状態、すなわち、基板10と補強部材13の厚み寸法を小さくした状態にしてブラケット3の発光部材取付部30上に固定される。
このブラケット3は、発光部材1の両端部を載置しうるような一定の厚みを有する略半円弧状、正確には、あらかじめ発光部材1の取り付け角度に対応した平坦部を有する半正多角形状に構成されるもので、その外周部分に発光部材1の端部を固定するための発光部材取付部30を設ける。この発光部材取付部30の載置面の長手方向の長さは、発光部材1の短手方向の寸法と略同一に構成されるもので、その上面に複数のネジ孔を設け、照明装置100の上側からネジなどの固定部材15によって発光部材1を着脱可能に固定できるようにしている。この発光部材1は、ラインセンサ6の受光部分を除いた全ての発光部材取付部30に取り付けられ、このようにして、図1に示すように、半円筒状をなす頂点部分にスリットSを設けるようにして取り付けられる。
また、このブラケット3の発光部材取付部30には、スペーサー40を介してカバー体4が取り付けられる(図1参照)。このカバー体4は発光部材1の外周部分を覆う薄い金属板によって構成されるもので、上部にスリットSに対応した開口部41を設けてなるものである。このカバー体4は、発光部材取付部30に設けられたネジ孔にスペーサー40を取り付け、このスペーサー40によって発光部材1とのクリアランスを確保した状態で固定部材などによって固定される。
また、このブラケット3の内周部分には、図5に示すように、共通に構成された複数の異方性拡散部材2が取り付けられる。この異方性拡散部材2は、透明なプラスチック部材21の下面側に異方性拡散フィルム20を貼り付けて構成されるもので、LED11から照射された光を異方性拡散フィルム20の長手方向へ拡散するもので、複数のLED11から照射された光によってラインセンサ6の略直線受光領域上を均一に照射させるようにしたものである。この実施の形態においては、異方性拡散フィルム20は、入力された直線光を長手方向に、例えば約40度の角度に拡散し、また、短手方向に約5度の角度に拡散する。このため、この異方性拡散フィルム20と検査基板7との距離が長いと、短手方向の拡散角度である約5度の角度によってラインセンサ6の受光領域外に幅広く光が照射されてしまい、照射効率が悪くなってしまう。このため本実施の形態では、検査基板7に近い側であるブラケット3の内周部分に異方性拡散部材2を設けるようにするとともに、より検査基板7に近い側であるプラスチック部材21の下面側にその異方性拡散フィルム20を貼り付けるようにしている。なお、この異方性拡散部材2を用いると、検査基板7上に形成された微少傷を目立たせなくすることができるため、その微少傷を消して検査対象物の形状を検査するような場合は、その異方性拡散部材2を取り付けておき、また、微少傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材2を取り外して検査を行う。
この異方性拡散部材2を取り付けるためのブラケット3の拡散部材取付部31については、発光部材取付部30と同様に、共通に構成された異方性拡散部材2の短手方向の寸法と略同一の寸法に構成される。そして、その表面部分に図示しない複数のネジ孔を設けてブラケット3の下方側から着脱可能に取り付けられる。この異方性拡散部材2をブラケット3に取り付ける場合についても同様に、ラインセンサ6の受光部分にスリットSを形成しうるように取り付けられる。また、この拡散部材取付部31に取り付けられた異方性拡散部材2を取り外す場合は、その異方性拡散部材2の下方から取り付けられたネジなどの固定部材22を取り外すことなどによって行われる。
そして、このように構成されたブラケット3および発光部材1などは、図1から図3などに示すように、支持体5によって固定される。この支持体5は、比較的厚みを有する金属板を略U字状に折り曲げて構成されるもので、対向する一対の側板50を有するように構成される。そして、この対向する側板50の下方に、半円形状に切り欠いた側面開口部51を設け、その側面開口部51の縁部分に沿ってブラケット3を固定部材32(図1参照)によって取り付けられるようになっている。このように側面開口部51を設けると、半円筒状に取り付けられた発光部材1の内部を視認することができ、また、その側面開口部51側から工具などを入れて異方性拡散部材2を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部51を設けないような構造であると、異方性拡散部材2によって拡散された光がその側板50によって反射されて検査基板7に照射され、側板50の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部51を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるという利点がある。
一方、ラインセンサ6は、検査基板7に照射された光のうち直線領域の反射光を受光するもので、図1や図2などに示すように、長手方向に沿ったアーム部材60に位置調整機構61を介してスライド可能に取り付けられる。この位置調整機構61は、アーム部材60を包むようなコの字形状の保持部材62と、この保持部材62とアーム部材60との相対位置を固定するネジなどの固定部材63とを具備してなるものであり、固定部材63を緩めてアーム部材60上をスライドさせ、所望の位置にラインセンサ6を移動させて固定する。このアーム部材60は、基板検査装置101を構成する骨格部材に取り付けられ、ラインセンサ6の受光軸がスリットの方向と合致するように設けられる。
次に、このように構成された照明装置100の組み立て方法、及び、このような照明装置100を用いた基板検査装置101の動作状態を説明する。
まず、照明装置100を組み立てる場合、略U字状に構成された金属製の支持体5のうち、対向する側板50の内側に対向するように各ブラケット3を取り付け、その際、ブラケット3の取り付け位置などを調整する。そして、このブラケット3を取り付けた支持体5に対して、発光部材1や異方性拡散部材2を取り付けていく。この発光部材1を取り付ける場合、アルミ製の補強部材13に形成された孔部14にLED11を収納した状態でその両端部分をブラケット3の発光部材取付部30に載置し、上からネジなどの固定部材15によって順次固定していく。この際、最上部の発光部材取付部30には発光部材1を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。また、異方性拡散部材2を取り付ける場合は、まず、プラスチック部材21に異方性拡散フィルム20を貼り付けておき、その異方性拡散フィルム20が下面側を向くようにして拡散部材取付部31に順次ネジなどの固定部材22によって固定していく。その際、同様に、最上部に位置する拡散部材取付部31には異方性拡散部材2を取り付けずに、その部分をスリットSとして開口させておく。なお、このように発光部材1や異方性拡散部材2を取り付ける場合、それぞれの発光部材1や異方性拡散部材2が共通に構成されているため、任意の発光部材1や異方性拡散部材2を選んで取り付けることができる。そして、このように発光部材1および異方性拡散部材2を取り付けた後、その略U字状に構成された支持体5を、基板検査装置101に設けられた骨格部材にネジなどの固定部材を介して取り付け、最後に、ブラケット3の最上部に設けられた発光部材取付部30のネジ孔にスペーサー40を取り付けてカバー体4を取り付ける。次に、アーム部材60上にラインセンサ6を取り付け、このアーム部材60上で任意の位置にラインセンサ6をスライドさせることによって受光位置を調整し、スリットSからの反射光を受光する。
このように構成された照明装置100を用いて検査基板7を検査する場合は、まず、検査基板7を載せたステージ70をスライドさせることによってアーチ状の照明装置100内に移動させ、各発光部材1から光を照射する。この際、検査基板7の大きさに対応して、例えば、小さい検査基板7を検査する場合は、発光するLED11の数を10個程度に設定するとともに、各発光部材1に設けられた色相光の異なるLED11(R)(G)から光を照射する。そして、その受光した画像を処理することによって、検査基板7の形成状態を検査する。
このように上記実施の形態によれば、検査基板7に光を照射する複数の直線平面状の発光部材1と、当該それぞれの直線平面状の発光部材1の取り付け角度に対応した複数の発光部材取付部30を外周部分に有し、内周部分に複数の異方性拡散部材2を下方側から着脱可能に取り付けるための拡散部材取付部31を有する単一のブラケット3と、当該単一のブラケット3に着脱可能に取り付けられた直線平面状の発光部材1のLED11から照射された光のうち検査基板7によって反射された光を受光するラインセンサ6とを設けるようにしたので、それぞれの発光部材1の取り付け角度を一度に設定することができ、角度設定の再現性を高めることができるようになる。また、比較的長めの発光部材1の両端をブラケット3に固定するだけで全ての角度設定ができるため、簡単かつ正確に発光部材1の角度設定をすることができるようになる。更に、微小傷を消して検査基板7の形状を検査するような場合は、その異方性拡散部材2を取り付けておき、また、微小傷の存在を詳しく検査する場合は、その異方性拡散部材を下方側から取り外して検査することができるようになる。
また、異方性拡散部材2として、透明なプラスチック部材21の下面側に異方性拡散フィルム20を貼り付けたものを用いるようにしたので、検査基板7に近い側に異方性拡散フィルムを設けることができ、ラインセンサ6の受光領域外に幅広く光が照射されて、照射効率が悪くなってしまうといった不具合を防止することができるようになる。
更に、発光部材1を、LED11を実装した基板10と、この基板10をブラケット3に取り付けて基板10の撓みを防止するための補強部材13を設けて構成するようにしたので、基板10の撓みを防止した状態でブラケット3に基板10を取り付けることができるようになる。
加えて、前記ブラケット3を、対向する一対の側板50の下方に設けられた半円形状の側面開口部51に沿って取り付けるようにしたので、半円筒状に取り付けられた発光部材1の内部を視認することができ、また、その側面開口部51側から工具などを入れて異方性拡散部材2を着脱することができるようになる。更に、このような側面開口部51を設けない構造であると、異方性拡散部材2によって拡散された光がその側板50によって反射されて検査基板7に照射され、側板50の近傍のみが明るくなってしまうが、このような側面開口部51を設けるようにすると、側面近傍での反射がなくなるため、均一に光を照射することができるようになる。
また、発光部材1の外周部分を覆うカバー体4を、スペーサー40を介してブラケット3の発光部材取付部30に取り付けるようにする。
また、受光装置であるラインセンサ6を、発光部材1の取り付け角度に対応した位置に移動できるように構成したので、着脱可能に取り付けられたいずれかの角度の発光部材1を取り外し、その位置にラインセンサ6を取り付けるようにすれば、発光部材1とラインセンサ6との角度を大きく確保することができ、受光に適した位置から画像を取得することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、パッドやレジストを有する検査基板7を検査する場合について説明したが、これに限らず、どのような対象物を検査する検査装置にこのような照明装置100を組み込むようにしても良い。
また、上記実施の形態では、鉛直方向にラインセンサ6を取り付けるようにしているが、これに限らず、ラインセンサ6の受光軸を傾けるようにしても良い。この場合、図6に示すように、例えば、半円筒状に構成された複数の発光部材1のうち一つの発光部材1を取り外し、その取り外しによって形成されたスリットSの部分に受光軸が位置するような角度調整機構64を設けてラインセンサ6を取り付けるようにすると良い。このように構成すれば、最大で180度弱の反射角度を確保することができ、この範囲内において、検査対象物の検査に適した反射角度の画像を取得することができるようになる。
さらに、上記実施の形態では、一つのラインセンサ6を設ける場合について説明したが、アーム部材60上に複数のラインセンサ6を取り付け、アーム部材60のスライド機構を用いて各ラインセンサ6の位置を調整して検査基板7からの反射光を受光するようにしても良い。
加えて、上記実施の形態では、略円弧形状をなす一対のブラケット3に発光部材1を取り付けるようにしているが、これに限らず、1/4円弧形状をなすブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにするなど、一のブラケットに複数の発光部材1を取り付けるようにしても良い。また、ブラケットの形状については、円弧形状に限らず、発光部材1の取り付け角度を設定できるようなものであれば、どのような形状を有するものであっても良い。
また、上記実施の形態では、各列毎に色相光の異なるLED11を取り付けるようにしているが、比較的大きな光量を確保することが可能な場合は、各列内において交互に色相光の異なるLED11を設けるようにしても良い。
本発明の一実施の形態における照明装置の中央断面概略図
同形態における照明装置の正面概略図
図3における照明装置の基板を取り外した状態図
同形態におけるLEDの配列状態を示す図
同形態におけるブラケットへの取り付け状態を示す図
同形態におけるラインセンサの位置を変化させた状態を示す図
符号の説明
1・・・発光部材
2・・・異方性拡散部材
3・・・ブラケット
4・・・カバー体
6・・・ラインセンサ
7・・・検査基板
10・・・基板
11・・・LED
20・・・異方性拡散フィルム
21・・・プラスチック部材
30・・・発光部材取付部
31・・・拡散部材取付部
40・・・スペーサー
50・・・側面
51・・・側面開口部
100・・・照明装置