JP2005263785A - 溶解するフェイシャルマスク - Google Patents
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Abstract
【構成】同一種類の、分子量を異にする少なくとも2成分の水溶性高分子を含むことを特徴とするフェイシャルマスクである。
Description
このような作用を有する化粧用フェイシャルマスク(フェースマスクまたはパック剤とも言う。)は、コラーゲン、キチン、キトサン、アルギン酸、セルローズ等を構成成分としていることが知られており、また、フェイシャルマスクには、マスク自体が使用時に溶解することなく使用後に取り除くタイプのものと、使用時に化粧水等をフェイシャルマスクに含浸した際にマスクが含浸した成分によって溶解し、使用後には溶解したフェイシャルマスクをふき取るという2つのタイプが知られている。例えば、特許文献1には使用部位でゲル化させ、それを施術後ゲルのマスクを除去する内容が書かれており、特許文献2,3にはスポンジタイプを適用し、施術後にも溶解することはないタイプに関する内容である。他方、特許文献4については、明細書の中には「水溶液を加えると自然に縮んでゲルになる」と書かれており、成分からも溶解するフェイシャルマスクと考えられる。但し、この中にもCaを使い安定なタイプにする内容の記載が見られる。
溶解するフェイシャルマスクは溶解しないフェイシャルマスクに比べ、皮膚全面への確実な接触が可能になる。しかし、溶解するフェイシャルマスクにおいて、十分に溶解しない場合には期待した確実な接触を得ることが出来ない上に、溶解が不十分な固形分が皮膚に残るためにゲルの滑らかな感触の中に、不溶解物のゴロゴロ感が残りフェイシャルマスクの適応者は不快な感触を覚えることになる。また溶解した後に溶解したフェイシャルマスクの粘度が十分でない場合には、マスクを乗せた部位での保持が困難となり、溶解したゲルが顔等の適応部位からたれることになる。つまり施術者の施術が困難となり、溶解が不十分、あるいは溶解後の粘度が不十分のいずれの場合にも、目的とする効果を十分に得ることは困難となる。
この様な中で、特許文献4は溶解するフェイシャルマスクを提供するものであり、この発明では天然多糖類を10から80重量%、変性多糖類を20から90重量%含有する、凍結乾燥バイオマトリックスということである。この成分のうち変性多糖類とは天然多糖類の誘導体、具体的にはセルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース等の天然多糖類の化学修飾物が挙げられている。これら化学修飾物は安全性は確認されているものの、望ましくは天然に存在する状態での使用が望ましいと考えられ、修飾物の使用は避けた方が望ましいと考えられる。
本発明の溶解するフェイシャルマスクは、これら各水溶性高分子について、分子量の異なる少なくとも2成分の原料を溶液として製造される。分子量の異なる2成分とは重合度として高重合度が低重合度の1.5倍以上の違いを持つ高分子であって、その開きが大きいほど溶解性と、溶解後の感触のコントロールが容易になる。具体的に溶解性と、溶解後の感触、粘度のコントロールの方法は、高分子成分と低分子成分の混合比によって調節することが出来る。高分子成分の含量を増すことによって、溶解性を落とすことが出来、溶解後の粘度を高めることが可能となる。しかし、高分子成分が多すぎる場合には、溶解が不十分となり、また溶解後にゴロゴロ感を生じる。
反対に低分子成分の含量を増すことによって、溶解性を高め、溶解後の粘度を下げ滑らか感を持たせることが出来るようになる。しかし低分子成分が多すぎる場合には、溶解後の粘性が不十分となり、フェイシャルマスクを適応している部位に保持させることが困難となる。
高分子成分、低分子成分はそれぞれ20〜80%の範囲で混ぜ、水溶液とした後に凍結乾燥をすることによってフェイシャルマスクを製造することが出来る。
香料、顔料については化粧品として使用できる成分であれば問題はない。また、細胞外マトリックスの主成分で、細胞、組織と高い親和性を持つコラーゲンを加えることができる。具体的には水溶性高分子と沈殿を生じないコラーゲン、例えば水溶性高分子がアルギン酸の様な酸性高分子の場合には酸性の等イオン点を持つサクシニル化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲンを用いることができる。また添加量は全体の10%以下が望ましい。
微粉体が水に不溶性の場合、凍結乾燥前は溶液でなく、分散液となるが問題はない。これら構成成分を溶解し水溶液、あるいは分散液とした後に、凍結乾燥を行いスポンジとするが凍結乾燥の方法に特に制限はない。得られたスポンジはスライスして使用されても良いし、スライスをせずに凍結乾燥のままで使用することも可能である。また、スライス後のスポンジを、更に所望の形状、具体的には眼の周り、眼尻等特定の部位に適応するために特有の形状に打ち抜いて使用することも可能である。
本フェイシャルマスクは空気中の水分により溶解或いはべと付く可能性があるために、密閉された容器若しくは包装袋に包装して販売、流通させることが好ましい。具体的にはフェイシャルマスクをフラットな状態で入れることができる大きさを持った容器若しくは包装袋に、本発明のフェイシャルマスクを一枚あるいはそれ以上の枚数を入れた後に、熱シール等の密閉できかつ開封が可能なシール包装することが好ましい。容器若しくは包装袋あるいはシール等の材料、方法については特に制限はない。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 IL-2 重合度100〜130) 910g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE 重合度260) 460g
レーヨン(オーミケンシ(株) 2.2dtex×3mm) 210g
オリーブスクワラン(岩瀬コスファ ヒトデルム) 210g
ユニループ(日本油脂(株) MS-70K) 130g
レオドール(花王(株) 440) 40g
ホエー((株)プロティア WPI-S) 30g
ソウハクヒエキス末(丸善製薬(株)) 10g
以上の原料成分を水に溶解し100Kgの水溶液を調製する。
この水溶液を21cm×30cm×5cmの容器に深さ2cmに分注後、通常の方法によって凍結乾燥しスポンジを得る。得られたスポンジを厚さ2mmにスライスし、溶解するフェイシャルマスクを得た。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 IL-2) 910g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE) 460g
レーヨン(オーミケンシ(株) 2.2dtex×3mm) 210g
オリーブスクワラン(岩瀬コスファ ヒトデルム) 210g
ユニループ(日本油脂(株) MS-70K) 130g
レオドール(花王(株) 440) 40g
ホエー((株)プロティア WPI-S) 30g
ソウハクヒエキス末(丸善製薬(株)) 10g
D−マンニット 20g
以下実施例1と同様に水溶液を調製し、凍結乾燥することによって溶解するフェイシャルマスクを得た。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 IL-2) 460g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE) 910g
レーヨン(オーミケンシ(株) 2.2dtex×3mm) 210g
オリーブスクワラン(岩瀬コスファ ヒトデルム) 210g
ユニループ(日本油脂(株) MS-70K) 130g
レオドール(花王(株) 440) 40g
ホエー((株)プロティア WPI-S) 30g
ソウハクヒエキス末(丸善製薬(株)) 10g
以下実施例1と同様に水溶液を調製し、凍結乾燥することによって溶解するフェイシャルマスクを得た。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 I-8 重合度570) 910g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE) 460g
レーヨン(オーミケンシ(株) 2.2dtex×3mm) 210g
オリーブスクワラン(岩瀬コスファ ヒトデルム) 210g
ユニループ(日本油脂(株) MS-70K) 130g
レオドール(花王(株) 440) 40g
ホエー((株)プロティア WPI-S) 30g
ソウハクヒエキス末(丸善製薬(株)) 10g
以下実施例1と同様に水溶液を調製し、凍結乾燥することによって溶解するフェイシャルマスクを得た。
実施例1〜4で得られたフェイシャルマスクの溶解性及び使用感について調べたところ表1のような結果が得られた。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 IL-2) 910g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE) 460g
レーヨン(オーミケンシ(株) 2.2dtex×3mm) 210g
オリーブスクワラン(岩瀬コスファ ヒトデルム) 210g
ユニループ(日本油脂(株) MS-70K) 130g
レオドール(花王(株) 440) 40g
ホエー((株)プロティア WPI-S) 30g
ソウハクヒエキス末(丸善製薬(株)) 10g
サクシニル化アテロコラーゲン(高研製アテロコラーゲンSS)
10g
以下実施例1と同様に水溶液を調製し、凍結乾燥することによって溶解するフェイシャルマスクを得た。得られたフェイシャルマスクは良好な溶解性を有し、溶解後はたれることがない粘度を持ち、施術者、並びに適応者に不快感を与えなかった。
以下の処方により水分散液を調製する。
アルギン酸Na((株)キミカ製 IL-2) 1310g
アルギン酸Na((株)キミカ製 I-8) 210g
アルギン酸Na((株)キミカ製 SKAT-ONE) 670g
レーヨン(オーミケンシ(株) 1.1dtex×3mm) 150g
スクワラン((株)岸本特殊肝油工業所) 80g
グリセリン(和光試薬) 10g
レオドール(花王(株) 440) 110g
茶実油(サミット製油) 400g
サクシニル化アテロコラーゲン(高研製アテロコラーゲンSS)
50g
以下実施例1と同様に水溶液を調製し、凍結乾燥することによって溶解するフェイシャルマスクを得た。得られたフェイシャルマスクは良好な溶解性を有し、溶解後はたれることがない粘度を持ち、施術者、並びに適応者に不快感を与えなかった。
Claims (4)
- 同一種類の、分子量を異にする少なくとも2成分の水溶性高分子を含むことを特徴とする溶解するフェイシャルマスク。
- 水溶性高分子が天然多糖類、或いはその誘導体である請求項1記載の溶解するフェイシャルマスク。
- 天然多糖類がアルギン酸またはアルギン酸塩である請求項1または請求項2記載の溶解するフェイシャルマスク。
- 密閉された容器若しくは包装袋に包装された請求項1〜請求項3の何れかの項記載の溶解するフェイシャルマスク。
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---|---|---|---|
JP2005027703A JP2005263785A (ja) | 2004-02-18 | 2005-02-03 | 溶解するフェイシャルマスク |
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109620741A (zh) * | 2017-10-09 | 2019-04-16 | 张松 | 一种护肤便捷卸妆面膜的使用方法 |
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2005
- 2005-02-03 JP JP2005027703A patent/JP2005263785A/ja active Pending
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