JP2005263633A - 新規神経栄養因子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規な神経栄養剤を提供する。
【解決手段】 栄養因子様作用を有するポリペプチドを見出し、ニューデシンと命名した。該ポリペプチドを含有する神経栄養剤及び該プリペプチドをコードする核酸は、アルツハイマーやパーキンソン氏病等の神経変性疾患の治療、診断に有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規の神経栄養因子であるポリペプチド、該ポリペプチドを含む神経栄養剤、該ポリペプチドを認識する抗体、該抗体を含む診断薬、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ヌクレオチドに対する相補的ポリヌクレオチド、該ヌクレオチドを認識するプライマー、該プライマーを含む診断薬、該ポリペプチドを用いたスクリーニング方法等に関する。
神経栄養因子(Neurotropic factor)とは、1950年代に提案された栄養活性を担う因子であり、神経系の発達や維持に重要な役割を果たしていることが知られている。具体的には、神経栄養因子は、神経の生存を維持し、損傷や神経変性疾患に伴う神経の変性を抑制する。
最初に発見された神経栄養因子は神経成長因子(NGF)である。その後引き続き、脳神経由来成長因子(BDNF)、ニュートロフィン-3(NT-3)、ニュートロフィン-4/5(NT-4/5)などがその活性を基に同定されてきた。これらの因子は、構造的及び機能的に関連しており栄養因子ファミリーを形成していることが知られている(非特許文献1)。また、これらの因子はアルツハイマー病やパーキンソン氏病などの神経変性疾患と関与する細胞とも関連していることからこれらの治療に有用である(非特許文献2)。最近ではこれらの因子と鬱病との関連も報告されている(非特許文献3)。その他神経のアポトーシスの抑制因子として、またシナプス可塑性(synaptic plasticity)の長期増強(LIP)因子としても重要であるとされる。なおインスリン様成長因子(IGFs)、繊維成長因子(FGFs)、上皮成長因子(EGFs)などの分泌タンパクも神経栄養因子様活性を有していることが知られている(非特許文献4)。
Adv.Exp.Med.Biol 2002年、第513巻、p. 303-334 Neuropathol.Appl.Neurobiol 2003年、第3巻、p. 211-230 J.Neurosci 2003年、第23巻、p349-357 Prog.Neurobiol 2003年、第69巻、p. 341-374
新規の神経栄養因子であるポリペプチドを提供する。さらに、該ポリペプチドを含む神経栄養剤、神経変性疾患に用いる神経栄養剤、神経変性疾患の診断薬、神経栄養因子様作用を有する化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明者は、新規な神経栄養因子を見出すことを目的として鋭意研究を行った結果、配列表の配列番号1または2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドが神経栄養因子様作用を有していることを見出した。該ポリペプチドをコードする遺伝子を基に作成したプローブを用いて調べた結果、このポリペプチドが大脳皮質に強く発現しており、特に胎児や脳発達段階で発現が観察されることがわかった。
更に該遺伝子を基に作成した組換えタンパク質を用いて研究を進め、当該遺伝子がコードする分泌ペプチドは神経栄養因子様活性のみならず神経突起伸展活性を有していることを確認した。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
[1]
(1)配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
(2)配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を少なくとも有するポリペプチドを含む神経栄養剤。
[2]
(1)配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
(2)配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を少なくとも有するポリペプチドを含む神経栄養剤。
[3]
(1)配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
(2)配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を少なくとも有するポリペプチドを含む、[1]記載の神経栄養剤。
[4]
(1)配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
(2)配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
を少なくとも有するポリペプチドを含む、[2]記載の神経栄養剤。
[5]
神経変性疾患の治療剤として使用する、[1]から[4]のいずれかに記載の神経栄養剤。
[6]
軸索伸展作用を有する、[1]から[4]のいずれかに記載の神経栄養剤。
[7]
[1]から[4]のいずれかに記載のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む、神経変性疾患の診断薬。
[8]
[1]から[4]のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーを含む、神経変性疾患の診断薬。
[9]
(1)配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNA;あるいは
(2)配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA
からなるポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーを含む、[8]記載の神経変性疾患の診断薬。
[10]
配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAの連続した5から60塩基と同一配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、[8]または[9]記載の神経変性疾患の診断薬。
[11]
[1]から[4]のいずれかに記載のポリペプチドを用いた、神経栄養因子様作用を有する化合物のスクリーニング方法。
本発明の新規神経栄養因子は、神経栄養因子様活性および神経突起伸展活性(軸索伸び展作用)を有しており、従来の神経栄養因子と同様に、アルツハイマー病、脳血管性痴呆(脳卒中の慢性期)、パーキンソン氏病、末梢性側策硬化症(ALS)、糖尿病あるいは抗がん剤による末梢神経変性、脳虚血などの神経変性疾患の治療薬、鬱病などの精神病の治療薬、記憶力の増強、脳神経系の老化防止に有用であると考えられる。
本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて当該分野で通常用いられる意味で用いられる。以下に特に本明細書で用いられる用語について説明する。
神経栄養因子とは、神経細胞の分化誘導、生存維持、再生に関っている因子である。例えば、神経栄養因子様活性もしくは神経突起伸展活性などを有する。神経栄養因子様活性とは、神経細胞の分化の促進させ生存を維持させる活性を意味する。また神経突起伸展活性とは、神経細胞の軸索の成長円錐の形態変化をもたらし、該細胞の軸索を伸展させる活性を意味する。これらの活性は、例えば、顕微鏡による神経細胞の形態学的観察により検出することが可能である。
本発明の神経栄養因子の一つの態様は、「配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列」または「配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列」を少なくとも有するポリペプチドを含むものである。該配列を少なくとも有するポリペプチドは、神経栄養因子様作用を有する。
また別の態様として「配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列」または「配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列」を少なくとも有するポリペプチドを含むものである。
また「配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド」、「配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド」、「配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」、「配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」のような変異型ポリペプチドも包含される。これらのポリペプチドも、神経栄養因子様作用を有する。
1若しくは数個のアミノ酸とは、部位特異的変異誘発法などにより欠失、置換または付加することができる程度の数のアミノ酸であり、20個以下、好ましくは10個以下のアミノ酸残基を意味している。さらに、欠失、置換または付加によっても神経栄養因子様活性もしくは神経突起伸展活性を有するポリペプチドが好ましく、上記のアミノ酸配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリペプチド、好ましくは80%以上の相同性を有するポリペプチド、さらに好ましくは、95%以上の相同性を有するポリペプチドを挙げることができる。
本発明の「神経栄養剤」とは、上記のポリペプチドを含有する神経栄養因子様作用を有する組成物であり、神経突起伸展作用を有していてもよい。使用態様として、例えば神経変性疾患や精神病の予防・治療薬のように、神経栄養因子が有する種々の作用を生体内で発揮するため、もしくは生体内の神経栄養因子を補助するために利用することができる。
また、本発明には、神経栄養因子としての上記のポリペプチドの使用も包含される。
「神経変性疾患」とは、神経細胞を中心とするさまざまな種類の退行性の変化であり、血管障害、感染、中毒のような明らかな原因のつかめない一群の神経疾患である。アルツハイマー病、脳血管性痴呆(脳卒中の慢性期)、パーキンソン氏病、末梢性側策硬化症(ALS)、糖尿病あるいは抗がん剤による末梢神経変性などが例示される。
本発明の神経栄養因子や本発明の神経栄養因子をコードするポリヌクレオチドは、神経変性疾患の診断用マーカーとして使用できる。例えば、本神経栄養因子を特異的に認識する抗体や、本神経栄養因子をコードするポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマー等を用い、本神経栄養因子またはそれをコードする遺伝子の発現量の大小を調べることにより、被検者が神経変性疾患か否かを診断することができる。従って、本発明の神経栄養因子を特異的に認識する抗体または本発明の神経栄養因子をコードするポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーは、神経変性疾患の診断に使用することができる。
また、本神経栄養因子の発現が脳で減少していることや、本神経栄養因子をコードする遺伝子の多型を調べることにより、アルツハイマー病、パーキンソン氏病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患の検出に利用することができる。すなわち、本神経栄養因子や本神経栄養因子をコードするポリヌクレオチドは、神経変性疾患の検出や予後の予測に利用できる。
本発明の「神経変性疾患の診断薬」は、本発明の神経栄養因子を特異的に認識する抗体、または本発明の神経栄養因子をコードするポリヌクレオチド若しくは該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーを含むことを特徴とする。本発明の診断薬を用いることにより、簡単に神経変性疾患を検出することができる。例えば、抗体を用いた免疫学的検出方法によって、神経変性疾患の診断を行なうことができる。
本発明の「抗体」は、本発明の新規栄養因子を認識する抗体であり、より好ましくは、配列表の配列番号1または2に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド、または配列表の配列番号1または2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドを特異的に認識する抗体である。さらに好ましくは単一特異的に認識する抗体である。そのような抗体はポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれでもよい。また抗体の全部またはその断片、誘導体、結合体、修飾体なども包含される。
抗体を用いた免疫学的検出方法としては、該ポリペプチドまたはその部分ペプチドに対する抗体を直接または間接的に酵素、蛍光物質、放射性同位体、ラテックスなどに結合した標識体を用いることにより該ポリペプチドまたはその部分ペプチドを測定する方法が挙げられる。そのような測定方法として、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼなどの酵素標識により検出するELISA(Enzyme Linked Immuno Sorbent Assay)法や化学発光法、ルミノールやGFP(Green Fluorescence Protein)などの蛍光標識を検出するFITC(Fluorescein isothiocyanate)法、125Iなどの放射性同位体標識を検出するRIA(Radio Immuno Assay)法、ラテックスに結合したラテックス凝集法などが例示される。また、そのような測定方法として、ウェスタンブロット法および免疫組織染色なども例示される。さらに、そのような測定方法を用いることにより本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを定量することもできる。
また、本発明の「プライマー」を用いて、本発明のポリヌクレオチド、すなわち本発明の神経栄養因子をコードするポリヌクレオチド(例えばmRNA)を検出することによって、神経変性疾患の診断を行うことができる。本発明の神経栄養因子をコードするポリヌクレオチドの検出は、分子生物学的測定方法を含む任意の適切な方法を用いることにより達成することができる。例えば、ノーザンハイブリダイゼーション法、ドットブロット法、RT-PCR法などが挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドとは、本発明の神経栄養因子もしくはその変異型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(好ましくはDNA、mRNA)からなるものであれば特に限定されない。例えば、「配列表の配列番号3または4に示す塩基配列からなるDNA」からなるポリヌクレオチドが例示される。特に、「配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNA」からなるポリヌクレオチド」が好ましい。
また、本発明のポリヌクレオチドには、「配列表の配列番号3または4に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA」からなるポリヌクレオチドも包含される。
ここで、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA」とは、本発明のポリヌクレオチド中から選択されたポリヌクレオチドをプローブとして、当該分野において周知慣用な手法、例えば、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるポリヌクレオチドを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のポリヌクレオチドを固定化したメンブランを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(Saline Sodium Citrate;150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム)溶液を用い、65℃でメンブランを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition(2001)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)などに記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、ストリンジェントな条件でハイブリダイズする配列からは、好ましくは、アデニン(A)またはチミン(T)のみのからなる配列は除外される。
さらに「ハイブリダイズするDNA」とは、上記ストリンジェントな条件で本ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドをいう。そのようなポリヌクレオチドとして、具体的には、配列番号1または2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、好ましくは、80%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、更に好ましくは、95%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。ここで、相同性は、例えば、Altschulら(The Journal of MolecularBiology、215、403-410(1990))の開発したアルゴリズムを使用した検索プログラムBLASTを用いることにより、スコアで類似度が示される。
本発明のプライマーとして、例えば、「配列表の配列番号3または4に示す塩基配列からなるDNAの連続した5から60塩基と同一配列を有するオリゴヌクレオチド」を使用することができる。該オリゴヌクレオチドは、配列番号3または4に記載の塩基配列中の連続した塩基で、例えば、5個、10個、15個、20個、30個、60個からなる塩基配列と同一配列のオリゴヌクレオチドであり、該オリゴヌクレオチドと相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドおよびその誘導体オリゴヌクレオチドも包含する。「誘導体オリゴヌクレオチド」としては、例えば、オリゴヌクレオチド中のりん酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合などに変換された誘導体オリゴヌクレオチド、リボースとりん酸ジエステル結合がペプチド結合に変換された誘導オリゴヌクレオチドなどを挙げることができる。その様なオリゴヌクレオチドは、プライマーのみならず例えば、遺伝子マーカー、ハイブリダイゼーション用のプローブとして有用である。
以下に本発明のポリヌクレオチドの作製法、本発明のポリペプチドの作製法、変異型ポリペプチドの作製方法、本発明のポリペプチドに対する抗体の作製法、本発明の神経栄養剤の作製法及び投与法を説明する。本明細書において、特に指示のない限り、当該分野で公知である遺伝子組換え技術、動物細胞、昆虫細胞、酵母および大腸菌での組換えタンパク質の生産技術、発現したタンパク質の分離精製法、分析法が採用される。
本発明のポリヌクレオチドの作製法
胚由来のマウス組織、脳由来のヒト組織よりtotal RNAを抽出した後、cDNAを調製する。cDNA調製法としては例えば、DNAマイクロアレイと最新PCR法(2003年)(秀潤社)等に記載された方法あるいはZAP-cDNA Synthesis Kits(ストラテジーン社製)等の市販のキットを用いる方法が挙げられる。このようにして調製したcDNAをテンプレートとしてプライマーを用いたPCR(polymerase chain reaction)反応により増幅することができる。このときのプライマーの設計や反応条件などは分子細胞生物学基礎実験法(南江堂1994年)等の記載に常法に従う。プライマーはデータベースなどの配列情報を基にして全長cDNAを含むポリヌクレオチドが得られるように設計することが好ましい。
本発明のポリペプチドの作製法
得られた全長cDNAを適当な発現ベクターのプロモーターの制御下に組み込み、タンパク質を発現するための発現ベクターとする。適切な発現ベクターとしては、例えば、細菌についてはpRSET、pET、pGEMEX、pKK233-2など、酵母についてはpYES2、昆虫細胞についてはpVL1392、pVL1393、pFastBac1、pBacPAK9、動物細胞についてはpEF-BOS、pSRa、pDR2などが挙げられる。この発現ベクターを適当な宿主細胞に導入して、形質転換体を作製する。宿主細胞としては、細菌、酵母、昆虫細胞、または動物細胞が挙げられる。大腸菌、酵母では、強力なプロモーターの下流にタンパク質をコードする遺伝子を挿入した発現ベクターで形質転換しこれら形質転換体を培養することによりタンパク質を産生できる。昆虫細胞、動物細胞では、タンパク質の遺伝子を強力なプロモーターの下流に挿入し、効果的な選択マーカーと共に細胞に導入し薬剤に対する耐性により細胞を選択し、高発現の細胞株を樹立し得る。また、タンパク質前駆体の遺伝子をバキュロウイルスなどの感染用ウイルスに組み込み、この組換えウイルスを細胞に感染させることにより発現し得る。これら形質転換体を培養することにより、タンパク質が産生され得る。
得られたタンパク質の精製は、当業者に周知の方法、例えば、アフィニティーカラム、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水クルマトグラフィーなどを組み合わせて行なうことができる( J. Biol. Chem., 271: 21514-21521, 1996)。その他に本発明のポリペプチドは公知の方法に準じてin vitro転写・翻訳系を用いても生産することができる(Journal of Biomolecular NMR,6,129-134,1995)。また本発明のポリペプチドは、そのアミノ酸配列を基にFmoc法やtBoc法などの化学合成法や市販されているペプチド合成機器により化学合成することができる。
変異型ポリペプチドの作製法
アミノ酸配列は、任意のアミノ酸配列を欠失させ、所望のアミノ酸、もしくはアミノ酸配列を導入することによって置換される。アミノ酸配列の置換処理には、プロテインエンジニアリングとして知られる方法が広く利用できるが、例えば、Site-diredted deletion(部位指定削除)法(Nucl. Acids Res., 11, 1645, 1983)、Site-specific mutagenesis(部位特異的変異)法(Zoller, M. J. et al., Methods in Enzymol., 100, 468, 1983、Kunkel. T.A. et al., Methods in Enzymol., 154, 367-382, 1987)、PCR突然変異生成法、制限酵素処理と合成遺伝子の利用による方法等がある。
部位特異的変異法であれば、例えばMolecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition(2001)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載の部位特異的変異誘発法やPCR法などの方法を用い、本発明のDNA配列に変異を導入する。
これら方法により変異が導入されたDNA配列は、適当なベクターおよび宿主系を用いて、例えばMolecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition(2001)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載の方法により、遺伝子工学的に発現させればよい。例えば、Mutan TM -SuperExpress Km、Mutan TM -K(宝酒造社製)、Quik Change Site- Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社製)といったキットが使用できる。
一般に、部位特異的変異法は、まず、タンパク質をコードするDNA配列をその配列中に含む一本鎖ベクターを得ることによって実施することができる。所望の突然変異した配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーを、一般的には合成によって、例えばクレアら( Proc. Natl. Acsd. Sci. U.S.A., 75, 5765, 1978)の方法によって製造する。次ぎに、このプライマーを一本鎖の本レセプター配列含有ベクターとアニーリングし、大腸菌ポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNA重合酵素を活性させて、突然変異含有鎖の合成を完成する。このようにして、第一の鎖は元の非突然変異配列をコードしており、第二の鎖は所望の突然変異を有しているヘテロ二本鎖が形成される。次いで、この二本鎖ベクターを用いて、適当な細菌、または細胞を形質転換し、32P-標識突然変異生成プライマーから成る放射性プローブへのハイブリダイゼーションを介してクローンを選択する(Nucleic Acids Res., 9, 3647, 1981)。選択されたクローンには、突然変異した配列を有する組換えベクターを含んでいる。このようなクローンを選択した後、突然変異した本神経栄養因子の領域を形質転換に使用される型の発現ベクターに入れることができる。
本発明のポリペプチドに対する抗体の作製法
本発明のポリペプチドに対する抗体は、以下の方法により作製される。
(1)ポリクローナル抗体の作製
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて通常のペプチド合成機で合成した合成ペプチドや、本神経栄養因子を発現するベクターで形質転換した細菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞、などにより産生されたタンパク質を通常のタンパク化学的方法で精製し、これらを免疫原とする。この免疫原を用いて、Antibodies:A Laboratory Manual,(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)などに記載の方法に従って、適切な方法で動物を免疫することにより、抗原となるタンパク質を特異的に認識するポリクローナル抗体を容易に作製し、精製することができる。マウス、ラット、ハムスター、ウサギなどの動物を免疫し、その血清由来のポリクローナル抗体を作製すればよい。
(2)モノクローナル抗体
前述の免疫原で免疫したマウスやハムスターの脾臓またはリンパ節からリンパ球を取りだし、ミエローマ細胞と融合させてKohlerとMilsteinの方法[Nature, 256, 495-497(1975)]またはその改良法であるUedaらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 79:4386-4390, (1982)]に従ってハイブリドーマを作製した後、該ハイブリドーマから単クローン抗体を産生させ得る。例えば以下の工程により本レセプターのモノクルーナル抗体を得ることができる:
(a) タンパク質によるマウスの免疫、
(b) 免疫マウスの脾臓の除去および脾臓細胞の分離、
(c) 分離された脾臓細胞とマウスミエローマ細胞との融合促進剤(例えばポリエチレングリコール)の存在下での上記のKohlerらに記載の方法による融合、
(d) 未融合ミエローマ細胞が成長しない選択培地で得られたハイブリドーマ細胞の培養、
(e) 酵素結合免疫吸着検定 (ELISA)、ウェスタンブロットなどの方法による所望の抗体を生産するハイブリドーマ細胞の選択および限定希釈法等によるクローニング、
(f) モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞を培養し、モノクルーナル抗体を収穫する。
本発明の神経栄養剤の作製法・投与法
本発明のポリペプチドを含む神経栄養剤は、例えば治療薬として該ポリペプチド単独で投与することも可能ではあるが、通常は薬理学的に許容される一つあるいはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供するのが望ましい。
投与経路は、治療に際して最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与、または口腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内および静脈内等の非経口投与をあげることができる。投与形態としては、噴霧剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤などが挙げられる。
経口投与に適当な製剤としては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤等があげられる。例えば、乳剤およびシロップ剤のような液体調製物は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類、p-ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを添加剤として用いて製造できる。カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤などは、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトールなどの賦形剤、デンプン、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを添加剤として用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤としては、注射剤、座剤、噴霧剤などが挙げられる。例えば、注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液、あるいは両者の混合物からなる担体などを用いて調製する。座剤はカカオ脂、水素化脂肪またはカルボン酸などの担体を用いて調製される。また、噴霧剤は該物質そのもの、ないしは受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、かつ該物質を微細な粒子として分散させ吸収を容易にさせる担体などを用いて調製する。担体として具体的には、乳糖、グリセリンなどが例示される。該ポリペプチドおよび用いる担体の性質により、エアロゾル、ドライパウダーなどの製剤が可能である。また、これらの非経口剤においても経口剤で添加剤として例示した成分を添加することもできる。
また、本発明の神経栄養剤は、例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液などの緩衝液、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなどの安定剤、ベンジルアルコール、フェノールなどの保存剤、酸化防止剤などと配合してもよい。
調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトやラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなどの哺乳動物に対して投与することができる。該物質またはその塩の1回の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、例えば体重60kgの患者においては、一般に一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgであり、非経口的に投与、例えば、注射剤の場合は、例えば体重60kgの患者においては、一般に一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与する。他の動物の場合も、体重kg当たりに換算した量を投与することができる。投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重などにより異なる。
本発明の神経栄養因子を用いて、化合物の神経栄養因子様活性もしくは神経突起伸展活性を指標にして、神経栄養因子様作用を有する化合物のスクリーニングを行うことができる。例えば、本発明の神経栄養因子を神経細胞に作用させ、その時に現れる細胞の変化を観察し、被検化合物の添加により該変化が増強または減少することを指標にして、本神経栄養因子の作用を増強または減少させる活性を有する化合物をスクリーニングすることができる。また、本発明の神経栄養因子に対する受容体を発現する細胞に、本発明の神経栄養因子を作用させ、該受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する化合物をスクリーニングすることができる。特に、本神経栄養因子の作用を増強させる活性を有する化合物、本発明の神経栄養因子に対する受容体に対するアゴニスト活性を有する化合物等が、神経変性疾患の治療に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
(マウスニューデシンの同定)
本発明者はマウス胎児に発現する新規の分泌タンパクをコードするcDNAを同定した。具体的にはまずPSORT(Prediction of Protein Sorting Signals and Localization Sites in Amino acid Sequences)( HYPERLINK http://www.psort.ims.u.ac-jp) http://www.psort.ims.u.ac-jp)と呼ばれる細胞内のタンパク質局在部位を予測する公開プログラムを用いて、データベース(GENBANK)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank/index.html)に登録された機能未知のマウスcDNAを分析することにより本発明の因子を見出した。このcDNA配列(GenBank Accession No.AK004329)を基にプライマー5'-TCCCGCCTGCTCCTCGCTGT-3'(配列番号7)及び5'-CCCTAGAACCGGCTGCTTCTC-3'(配列番号8)を設計した。次に胎生18.5日の胎児よりtotal RNAを抽出して、これをテンプレートにしてcDNAを作製し上記プライマーをもちいて常法に従ってPCR法を行った。このPCR産物をABI Prism TM dRhodamine Terminator Cycle Sequenceing Ready Reaction Kit(Applied Biosystems社)とABI Prism TM 310 Genetic Analyzer(Applied Biosystems社)を用いて全長cDNAの塩基配列を決定した。
(結果)得られたPCR産物を基に全長マウスニューデシンcDNAの塩基配列を確定した。その結果、マウスニューデシンcDNAは全長516bpからなることを同定した(配列番号4)。推定されるアミノ酸残基は171残基からなり(配列番号2)、開始メチオニンからプロリンまでの24残基はシグナル配列と推定される。よって成熟形は25位のバリンから171位のフェニルアラニンまでのアミノ酸配列を有するポリペプチドであると推定される。本発明者はこのタンパク質をニューデシン(neuron-derived neutrotrophic secreted protein)と名付けた。
(ヒトニューデシンの同定)
次に同じデータベース(GENBANK)においてマウスニューデシンcDNA配列によりホモロジー検索を行った結果、ヒトニューデシンと推定されるヒトcDNA(GenBank Accession No.AF173937)を見出した。このcDNA配列を基にプライマー5'-TTGCGCTGCGCGCT CACCAT-3'(配列番号5)および 5'-GGAACATCAGAACTCATCCTTG-3'(配列番号6)を設計した。また成体脳(市販品)よりtotal RNAを抽出した。その後実施例1と同様の手順により全長cDNAの塩基配列を決定した。
(結果)得られたPCR産物を基に全長ヒトニューデシンcDNAの塩基配列を確定した結果、ヒトニューデシンcDNAは全長519bpからなることを同定した(配列番号3)。推定されるアミノ酸残基は172残基からなり(配列番号1)、開始メチオニンからプロリンまでの27残基はシグナル配列と推定される。よって成熟形は28位のスレオニンから172位のフェニルアラニンに示すアミノ酸配列を有するポリペプチドであると推定される。ちなみにヒト及びマウスの前駆体同士の比較では91%の高いホモロジーを示した(図1)。またヒトニューデシンについての遺伝子座をデータベースであるEnsemble ( http://www.ensembl.org/)を用いて調べたところ第1染色体上のp33の位置に存在していることがわかった。
(マウスニューデシンの組換えタンパク質の産生)
Eタッグ(GAPVPYPDPLEPR)とHis6 タッグ(HHHHHH)をコードする75塩基のDNA断片を3'末端に結合させたマウスニューデシンのcDNAを転写ベクターであるpBacPAK9(クローンテック)に組み込んで発現ベクターとして構築した。このタッグが付加したニューデシンcDNAを有するバキュロウィルスの組換え体はpBacPAK9の組換え体とBsu36I処理した表現ベクターのBacPAK6(クローンテック)を含有するSf9細胞にコトランスフェクションさせることにより得られた。このバキュロウィルスの組換え体に感染させたハイファイブセルを10%の仔牛血清(ギブコ)入りのTC-100昆虫培地(ギブコ)で27℃で96時間培養した。バキュロウィルスの組換え体に感染したハイファイブセルの培養液と細胞溶解液について還元下でSDSポリアクリルアミド電気泳動(12.5%)を行った後ニトロセルロース膜(Hybond-ECL, アマシャムファルマシアバイオテック)に転写した。膜上のEタッグを有するタンパクは Biochem. Biophys. Res. Commun. 243, 148-152.(1998) の方法に従ってEタッグを認識する抗体(アマシャムファルマシアバイオテック)を用いて検出した。またマウスニューデシンの組換えタンパク質はNi-NTAアガロース(キアゲン)を用いたアフィニティクロマトグフラフィーにより培養液から精製した。精製後、BSAを含むPBS(50μg/ml)で平衡化したバイオゲルP-6DG(バイオラッド)を用いたゲルろ過により脱塩操作を行った。
(結果)ウエスタンブロットを行った結果21kDaのメジャーバンドが培養液の方で検出された。これはニューデシンが分泌タンパクであることを示唆するものである(図2A)。また分子量についてはマウスニューデシンの組換えタンパク質の分子量の理論値(21.6kDa)と一致していた。さらにNi-NTAアガロースを用いたアフィニティクロマトグフラフィーにより培養液からのニューデシンの組換えタンパク質を精製して調べた結果21.6kDaにメジャーバンドを示していた(図2B)。
(in situ ハイブリダイゼーション)
in situ ハイブリダイゼーション用切片を用意するため、マウスの胚や脳をドライアイスで凍結してから低温保持装置により16μmに切断し、ポリL-リジンをコートしたスライドガラス上で解凍標本にしてハイブリダイズするまで-85℃に保存した。35Sで標識したマウスのニューデシンRNAプローブのアンチセンス体はT7 RNA ポロメラーゼ とウリジン 5'-a-[35S]チオホスフェート (〜30 TBq/mmol)により作製した。上記切片についてラベルをしたプローブを用いてin situ ハイブリダイゼーションを実施し、J. Neurosci. Res. 37, 445-452(1994) に記載の方法に従って1:1で希釈した乳濁液(コダックNTB3)中に浸し3週間露光した。ヘマトキシリン-イオシンとクレシルバイオレットによる対比染色をマウスの胚及び脳の切片それぞれについて行った。染色終了後、銀粒子を限外顕微鏡もしくは明視野顕微鏡により確認した。
(結果)マウスの胎児におけるニューデシンmRNAの発現を35Sで標識したニューデシンRNAのアンチセンスプローブにより調べた。発達脳と脊髄で特にニューデシンmRNAの発現が見られた(図3)。またマウス脳の出生後発育のあらゆる段階(P1〜P49)でニューデシンmRNAの発現を調べた。脳の前頭部についてはin situ ハイブリダイゼーションを行った。その結果調べた全ての発達段階においてニューデシンmRNAの発現が見られた(図4)。脳におけるニューデシンmRNAの細胞への分布はマイクロオートラジオグラフィーで検出した(図5)。脳のニッスル染色においてはグリア細胞(暗い部分)は小さな強く染色された細胞として現れるのに対し、神経細胞(明るい部分)は一般的に大きいためにあまり強く染まらないことがMethods Neurosci. 1, 101-114.(1989) などの報告により知られている。図5の結果から大脳皮質ではニューデシンmRNAは多くの神経細胞で発現しているがグリア細胞では発現していないことがわかる。
(ニューデシンの組換えタンパク質の神経栄養因子様活性)
J. Neurosci. Res. 43, 503-510.(1996)の方法に従ってマウスの胎児の大脳皮質より採取した細胞を培養した。細胞は35ミリプレートに1.3×105セル/cm2以上の密度となるように播種した。培地はDF培地(DMEM培地:Ham's F12=1:1)に0.2%の炭酸ナトリウム、 0.1%グルコース、 0.029%L-グルタミン、 0.238% ヘペスを添加したものを用いた。細胞は10%の仔牛血清を添加して37°Cで培養した。培養5日後からは10%のウマ血清を含んだDMEM培地で培養した。10%のウマ血清を含む培養培地で培養したものを対照群におき、培養8日後の細胞に0.1%BSAとニューデシンを添加した後に60μmolのPD98059(カルバイオケム社)もしくは40μmolのLY294002(カルバイオケム社)を添加もしくは非添加状態で4日間培養した。その後4%のパラフォルムアルデヒドで30分間固定してから12日間放置した。生存している神経細胞を微小管結合タンパク2に対する抗体を用いた免疫染色法により検出した。
(結果)
マウスのニューデシンは胎児及び出生後の脳神経に豊富に発現していた。このことはニューデシンは脳における神経栄養因子であることを示唆している。また、初代培養神経細胞に対する神経栄養因子様活性を調べた。このとき精製した組換えタンパク質と胎児の大脳皮質から調整した神経細胞を用いて行った。無血清培地で4日間培養したところ神経細胞は大きく縮退したのに対しニューデシンを添加した場合は生存率が上昇した(図6)。また初代培養神経細胞に対するニューデシンの神経栄養因子様活性に対するPD9805及びLY294002の影響を調べた結果、両化合物は有意にその活性を阻害した(図9)。
(マウスのアストロサイトに対するニューデシンの組換えタンパク質のマイトジェン活性)
アストロサイトの培養細胞を Glia. 12, p336-342 (1994)の方法に従ってマウス胎児の大脳皮質より調整した。その後10%の不働化した仔牛血清を添加したDMEM培地で5%CO2中において37℃で培養した。Neurosci. Lett. 249, p163-166.(1998) 記載の方法で、グリア繊維性酸性タンパクを認識する抗体(シグマ社)を用いた免疫染色法により検出した結果アストロサイトの純度は90%以上であった。培養したアストロサイトをポリL-リジン(20μg/ml)でコートした96穴プレートに1×104 細胞/セルとなるようにまき、5%CO2中において37℃で24時間培養、さらに0.1%BSAを添加したDMEM培地で48時間培養した。さらに0.1%BSAと0〜100pg/mlのマウスニューデシンの組換えタンパク質を添加して12時間培養後、マイトジェン活性を5-ブロモ2'-デオキシウリジン標識検出キットIII(ロシュモリキュラーバイオケミカル)により測定した。
(結果)
初代培養したマウスのアストロサイトにおいてマイトジェン活性を調べた。ニューデシンにこの細胞に対するマイトジェン活性は見られなかった。
(ラットのPC12細胞に対するニューデシンの組換えタンパク質の神経突起伸展活性)
37℃、10%の仔牛血清及び5%のウマ血清を添加したDMEM培地でラット褐色細胞腫由来のPC12細胞を培養した。細胞はポリL-リジンでコートした24穴プレートに0.2×105細胞/cm2以下の密度となるようにまいた。48時間後培養液を0.1%BSAを添加したDMEM培地に交換した。さらに24時間後に0.1%BSAとマウスニューデシンの組換えタンパク質を添加したDMEM培地に交換し60μmolのPD98059もしくは40μmolのLY294002の添加もしくは非添加状態で72時間培養した。
(結果)神経栄養因子は神経系においてシナプス伝達とシナプス変性の制御に関っていることが知られている(Prog. Neurobiol. 69, 341-374.(2003))。そこで、これらの活性を調べるために通常用いられる手法 (Adv. Cell. Neurobiol. 3, 373-414.(1982))であるPC12細胞におけるニューデシンの神経突起伸展活性を調べた。結果は明らかにニューデシンはPC12細胞の神経突起伸展を増加させた。一方PD9805及びLY294002は神経突起伸展活性を阻害した(図7)。
(マウスの大脳皮質神経細胞及びPC12細胞に対する細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK1/2)及びAktのチロシンリン酸化活性の検出)
(1)マウス由来大脳皮質細胞
マウス由来大脳皮質細胞を35ミリプレートに1.3×105セル/cm2以下となるようにまいた。このときの培地はDF培地に0.2%の炭酸ナトリウム、0.1%グルコース、0.029%L-グルタミン、 0.238% ヘペスを添加したものを用いた。これに10%の仔牛血清を添加して37℃で細胞を培養した。培養5日後より10%のウマ血清を含んだDMEM培地で培養した。培養8日後に0.1%BSA及び100pg/mlのマウスニューデシンを添加後60μmolのPD98059もしくは40μmolのLY294002の添加もしくは非添加状態で30分間培養した。その後リン酸化されたERK1/2もしくはリン酸化されたAktをそれぞれのリン酸化体を認識するウサギ抗体を用いたウエスタンブロット法により検出した。
(2)ラット褐色細胞腫由来のPC12細胞
ラット褐色細胞腫由来のPC12細胞については37℃で10%の仔牛血清及び5%のウマ血清を添加したDMEM培地で培養した。細胞はポリL-リジンでコートした35ミリプレートに1.0×105セル/cm2以下の密度となるようにまいた。48時間後培地を0.1%BSAを添加したDMEM培地に交換して培養し、さらに24時間後に0.1%BSAとマウスニューデシンを添加後60μmolのPD98059もしくは40μmolのLY294002の添加もしくは非添加状態で30分間培養した。その後リン酸化されたERK1/2もしくAktを認識するウサギの抗体を用いてウエスタンブロット法により検出した。
(結果)
MAPキナーゼ及びPI-3キナーゼ経路は培養神経細胞やPC12細胞において重要な役割を担っていることが知られている( Annu. Rev. Biochem. 72, 609-642.(2003) )。そのため本発明者はニューデシンのERK1/2及びAktのリン酸化活性を培養神経細胞及びPC12細胞において調べた。方法としてはリン酸化されたERK1/2及びAktを認識する抗体を用いたウエスタンブロット法を用いた。ニューデシンは明らかに培養神経細胞(図8A)やPC12細胞(図8B)においてERK1/2及びAktのリン酸化を誘導していた。またPD98059及びLY294002はそれぞれMAPキナーゼ及びPI-3キナーゼに対する特異的な阻害剤として知られていることから( J. Neurosci. 23, 5149-5160.(2003))ニューデシンのERK1/2及びAktのリン酸化に対するPD98059及びLY294002の効果を調べた。予想どおり両化合物は培養神経細胞(図8A)やPC12細胞(図8B)においてERK1/2及びAktのリン酸化を阻害した。以上の結果はニューデシンの生物活性も現在までに知られている神経栄養因子(NGF、BDNF、NT、NT4/5)やIGFs、FGFs等( J. Neurosci. Res. 72, 436-443.(2003)等)と同様MAPキナーゼ及びPI-3キナーゼ経路を介していることを示唆している。またニューデシンもTrkレセプター(Annu.Rev.Biochem. 72,609-642,2003)のような 細胞表面のレセプターを活性化している可能性が高いことを示唆する。
ヒトとマウスの推定アミノ酸配列の比較を示す。*は配列間においてアミノ酸残基が同一であることを示す。下線部はシグナルペプチドと推定される部分を示す。 マウスニューデシンの組換えタンパク質の検出を示す。(A)マウスニューデシンの組換えタンパク質を発現するハイファイブ細胞の培養液及び破砕液を還元下の12.5%のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。(B)精製したマウスニューデシンの組換えタンパク質(0.5μg)を還元下の12.5%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。マウスニューデシンの組換えタンパク質はクマジーブリリアントブルーR-250により染色して検出した。分子量マーカーはPrestained Protein Marker Broad Range(ニューイングランドバイオラボ)を用いた。 マウス胎児の矢状断面図におけるニューデシンのmRNAの局在を示す。マウス胎児(E15.5〜E18.5)の矢状断面図は35SでラベルしたマウスニューデシンRNAのアンチセンスプローブを用いてin situ ハイブリダイゼーションで調べた結果を示している。限外写真中の白色の粒子はニューデシンのmRNAの局在を示す。 マウス発達脳の前頭部におけるニューデシンのmRNAの局在を示す。マウス発達脳の前頭部(P1〜P49)を35SでラベルしたマウスニューデシンRNAのアンチセンスプローブを用いてin situ ハイブリダイゼーションで調べた。限外写真中の白色の粒子はニューデシンのmRNAの局在を示す。 マウスの脳におけるニューデシンのmRNAの細胞内局在を示す。マウスの脳(P49)の前頭部を35SでラベルしたマウスニューデシンRNAのアンチセンスプローブを用いてin situ ハイブリダイゼーションにより調べた。明視野写真中の黒い粒子はニューデシンのmRNAの局在を示す。矢印は神経細胞及びグリア細胞を示す。 マウスニューデシンのマウス大脳皮質神経細胞の初代培養細胞に対する生存維持効果。A:無血清培地中のマウス大脳皮質神経細胞の初代培養細胞に対するマウスニューデシン(100pg/ml)の生存維持効果を調べた。微小管結合タンパク2を認識する抗体を用いた免疫染色を行った後、顕微鏡で培養皮質細胞中の神経を検出した。コントロールは10%のウマ血清入りの培地を示す。SFは無血清培地(serum free)を示す。B:ニューデシン(0〜100pg/ml)の神経生存維持効果の用量依存性を示した図である。以上の結果は8個の独立したスライドの平均値±標準誤差で示した。 マウスニューデシン組換えタンパク質の神経突起伸展活性及びPC12細胞におけるニューデシンに誘導されるこの活性に対するPD98059及びLY294002の影響を示した図である。A:PD98059(60μM)及びLY294002(40μM)の存在下と非存在下における神経突起伸展活性に対するニューデシン(100pg/ml)の効果をPC12細胞で調べたことを示した図である。PC12細胞については位相差顕微鏡で観察した。PDはPD98059を、LYはLY294002を示す。B:神経突起を有するPC12細胞数を示す図である。C:PC12細胞における神経突起伸展の長さを示した図である。以上の結果は8個の独立したスライドの平均値±標準誤差で示した。 ERK1/2とAktのリン酸化に対する効果及び初代培養したマウスの大脳皮質神経細胞とPC12細胞におけるPD98059とLY294002の効果。PD98059(60μM)もしくはLY294002(40μM)の存在下と非存在下における初代培養したマウスの大脳皮質神経とPC12細胞におけるERK1/2(A)とAkt(B)のリン酸化に対するニューデシン(100pg/ml)の効果をPC12細胞で調べた結果を示す図である。 初代培養したマウスの大脳皮質神経細胞におけるニューデシンの神経栄養因子様活性に対するPD98059とLY294002の効果。無血清培地中でマウスの大脳皮質神経細胞におけるニューデシン(100pg/ml)の神経栄養因子様活性に対するPD98059(60μM)及びLY294002(40μM)の効果を調べた。神経細胞を微小管結合タンパク2の抗体による免疫染色法によって検出した結果である。以上の結果は8個の独立したスライドの平均値±標準誤差で示した。コントロールは10%のウマ血清入りの培地を示す。またSFは無血清培地(serum free)を示す。
配列番号:1は、ヒトニューデシンの推定アミノ酸配列である。
配列番号:2は、マウスニューデシンの推定アミノ酸配列である。
配列番号:3は、ヒトニューデシンのcDNA配列である。
配列番号:4は、マウスニューデシンのcDNA配列である。
配列番号:5は、ヒトニューデシン遺伝子のセンスプライマー配列である。
配列番号:6は、ヒトニューデシン遺伝子のアンチセンスプライマー配列である。
配列番号:7は、マウスニューデシン遺伝子のセンスプライマー配列である。
配列番号:8は、マウスニューデシン遺伝子のアンチセンスプライマー配列である。

Claims (11)

  1. (1)配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
    (2)配列表の配列番号1の28位のThrから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
    を少なくとも有するポリペプチドを含む神経栄養剤。
  2. (1)配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
    (2)配列表の配列番号2の25位のValから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
    を少なくとも有するポリペプチドを含む神経栄養剤。
  3. (1)配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
    (2)配列表の配列番号1の1位のMetから172位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
    を少なくとも有するポリペプチドを含む、請求項1記載の神経栄養剤。
  4. (1)配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列;あるいは
    (2)配列表の配列番号2の1位のMetから171位のPheまでのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
    を少なくとも有するポリペプチドを含む、請求項2記載の神経栄養剤。
  5. 神経変性疾患の治療剤として使用する、請求項1から4のいずれかに記載の神経栄養剤。
  6. 軸索伸展作用を有する、請求項1から4のいずれかに記載の神経栄養剤。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む、神経変性疾患の診断薬。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、、または該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーを含む、神経変性疾患の診断薬。
  9. (1)配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNA;あるいは
    (2)配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA
    からなるポリヌクレオチドを特異的に認識するプライマーを含む、請求項8記載の神経変性疾患の診断薬。
  10. 配列表の配列番号3に示す塩基配列からなるDNAの連続した5から60塩基と同一配列を有するオリゴヌクレオチドを含む、請求項8または9記載の神経変性疾患の診断薬。
  11. 請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチドを用いた、神経栄養因子様作用を有する化合物のスクリーニング方法。

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