JP2001502924A - Smad7およびその使用 - Google Patents

Smad7およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Smad7タンパクをコードする核酸を記載し、そのフラグメントおよび生物学的に機能的な変異体を含む。また含まれるものは、このような核酸によってコードされるポリペプチドおよびそのフラグメント、ならびにそれに関連する抗体である。このような核酸およびポリペプチドを使用するための方法および産物も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 SMAD7およびその使用 技術分野 本発明は、TGF-βスーパーファミリーレセプターと相互作用し、およびそれら のレセプターによるシグナル伝達のネガティブな調節体である、核酸およびコー ドされたタンパクに関する。本発明はまた、核酸またはポリペプチドを結合する 薬剤に関する。本発明はさらに、疾病の治療および/または診断においてこのよ うな核酸およびポリペプチドを使用する方法に関する。 発明の背景 哺乳動物胚発生および成体組織ホメオスタシスの間に、トランスフォーミング 増殖因子β(TGF-β)は、細胞間伝達において中心的な役割を果たす(Robertsら 、1993)。この多面的な因子の細胞性の効果は、2つの異なって関連するタイプ IおよびタイプIIセリン/スレオニンキナーゼレセプター、それぞれ、TβR-Iお よびTβR-IIの、リガンド誘導性のヘテロオリゴマー形成によって行使される(Li nおよびLodish、1993;Derynck、1994;MassagueおよびWeis-Garcia、1996;tenDi jkeら、1996)。2つのレセプターは、両方ともにシグナル伝達のために必要とさ れ、逐次作用する;TβR-Iは、構成的に活性なTβR-IIキナーゼについての基質 である(Wranaら、1994;Weiserら、1995)。TGF-βは、構造学的に関連するタン パクの大きなファミリーの一部であり、このファミリーは、類似の様式において シグナル伝達するアクチビンおよび骨形態形成性タンパク(BMP)を含み、それ ぞれ、タイプIおよびタイプIIセリン/スレオニンキナーゼレセプターの異なる 複合体を用いる(LinおよびLodish、1993;Derynck、1994;MassagueおよびWeis- Garcia、1996;ten Dijkeら、1996)。 ショウジョウバエ(Drosophila)および線虫(Caenorhabditiselegans)のTGF -β様シグナル伝達経路の遺伝子研究により、それぞれ、mothers against dpp(M ad)(Sekelskyら、1995)およびsma(Savageら、1996)遺伝子の同定に至った。 こ れらの関連の遺伝子の産物は、これらの生物体においてセリン/スレオニンキナ ーゼレセプターを介して作用するTGF-β様リガンドの下流で本質的な機能を果た す(Wiersdorfら、1996;Newfeldら、1996;Hoodlessら、1996)。Madおよびsmaの 脊椎動物相同体は、Smad(Derynckら、1996)またはMADR遺伝子(WranaおよびAt tisano、1996)と呼ばれた。Smad2およびSmad4/DPC4における遺伝子変化は、特 定の腫瘍サブセットで見出され、従って、Smadは、腫瘍抑制遺伝子として作用し 得る(Hahnら、1996;Rigginsら、1996;Eppertら、1996)。Smadタンパクは、高 い類似性の2つの領域(MH1およびMH2ドメインと呼ばれる)を共有し、可変性の プロリン-リッチ配列で連結される(Massague、1996;DerynckおよびZhang、1996 )。Smad2のC末端部分は、異種DNA結合ドメインに融合した場合、転写活性を有 することが見出された(Liuら、1996;Meerssemanら、1997)。インタクトなSmad2 タンパクは、DNA結合ドメインに融合される場合、潜在性であるが、転写活性が リガンドでの刺激後に現れた(Liuら、1996)。 異なるSmadは、アフリカツメガエル(Xenopus)における機能的なアッセイを 使用して、異なる応答を特定する。Smad1は、腹側中胚葉を誘導する(BMP様応答 )が、Smad2は、背側中胚葉を誘導する(アクチビン/TGF-β様応答)(Graffら、 1996;BakerおよびHarland、1996;Thomsen、1996)。リガンド刺激の際、Smadは 、セリンおよびスレオニン残基でリン酸化され;BMPはSmad1リン酸化を刺激する が、TGF-βは、Smad2およびSmad3リン酸化を誘導する(Hoodlessら、1996;Liuら 、1996;Eppertら、1996;Lechleiderら、1996;Yinglingら、1996;Zhang 路特異的である。経路特異的なSmadとしては、Smad1、Smad2、Smad3およびSmad5 が挙げられる。 Smad4は、TGF-β、アクチビンおよびBMPシグナル伝達の共通の成分である(Lag naら、1996;Zhangら、1997;de Winterら、1997)。従って、Smad4リン酸化はさ らに、トランスフェクトされた細胞のアクチビン刺激後にのみ報告された(Lagna ら、1996)。TGF-βまたはアクチビンでの刺激後、Smad4は、Smad2またはSmad3と 相互作用し、そしてBMP抗原投与の際、Smad4およびSmad1のヘテロマーの複合体 が、観察された(Lagnaら、1996)。リガンド刺激の際、Smad複合体 は、細胞質から核に移動する(Hoodlessら、1996;Liuら、1996;BakerおよびHar land、1996;Macias-Silvaら、1996)、ここでは、DNA結合タンパクを組合わせて 、それらは遺伝子転写を調節し得る(Chenら、1996)。 発明の概要 本発明は、単離されたSmad7核酸分子、それらの分子のユニークフラグメント 、これらを含む発現ベクター、およびこれらの分子でトランスフェクトされた宿 主細胞を提供する。本発明はまた、Smad7核酸によってコードされる単離された ポリペプチド、およびこのようなポリペプチドを結合する薬剤(抗体を含む)を 提供する。これらは、Smad7核酸もしくはポリペプチドの発現、またはその欠損 によって特徴付けられる症状の診断または治療において、使用され得る。本発明 はまた、このような症状の診断または治療において有用な薬理学的薬剤を同定す るための方法を提供する。本明細書中で、本発明者らは、Smad7の同定を示し、 これは、経路特異的Smad(Smad1、Smad2、およびSmad3を含む)を妨害するため 、TGF-βスーパーファミリーシグナル経路の阻害剤である。 本発明の1つの局面によれば、単離された核酸分子が提供される。分子は、配 列番号:3(SEQ ID NO:3)または5の核酸配列からなる分子に、ストリンジェン トな条件下でハイブリダイズする。単離された核酸分子は、TGF-βスーパーファ ミリーシグナル伝達を阻害するポリペプチドをコードする。本発明はさらに、遺 伝子コードの縮重に起因してコドン配列において、上述の単離された核酸分子と は異なる核酸分子を包含する。本発明はまた、上述の核酸の相補鎖を包含する。 いくつかの態様において、単離された核酸分子は、配列番号:7または8の核 酸配列からなる分子を含む。好ましくは、単離された核酸分子は、配列番号:7 もしくは8の核酸配列からなるか、または配列番号:3もしくは5の核酸配列か ら本質的になる。 本発明の別の局面によれば、単離された核酸分子が、提供される。単離された 核酸分子は、12と1944との間のヌクレオチド長の、配列番号:3のユニークフラ グメント、およびその相補鎖、または12と1875との間のヌクレオチド長の配列番 号:5のユニークフラグメント、およびその相補鎖からなる分子を含むが、 但し、この単離された核酸分子は、配列番号:1および配列番号:2のみからな る配列を排除する。好ましくは、単離された核酸分子は、受託番号AA061644(配 列番号:1)、AA022262(配列番号:2)、AA3473O7、AA348247、321995、W78627 、W40869、AAO33426、AA397050、AA016891、およびC85115からなる群より選択さ れるヌクレオチド配列のみからなる分子を排除する。1つの態様では、単離され た核酸分子は、配列番号:3、配列番号:5、またはこのような核酸分子の相補 鎖の12と32との間の連続したヌクレオチドからなる。好ましい態様では、ユニー クフラグメントは、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:8 、またはその相補鎖のヌクレオチド配列の少なくとも14、15、16、17、18、20ま たは22の連続したヌクレオチドである。 本発明の別の局面によると、本発明は、上記の核酸分子を含む、発現ベクター 、およびこのような発現ベクターでトランスフォームまたはトランスフェクトさ れた宿主細胞に関する。 本発明のなお別の局面によると、トランスジェニック非ヒト動物が提供される 。動物は、いくつかの態様では、上述の発現ベクターを含む。いくつかの好適な 態様では、トランスジェニック非ヒト動物は、条件的なSmad7発現ベクター(例 えば、組織特異的な様式、発生段階特異的な様式、または誘導性の様式において 、Smad7の発現を増加する発現ベクター)を含む。他の態様では、トランスジェ ニック非ヒト動物は、Smad7核酸分子の発現を減少されている。いくつかの態様 において、トランスジェニック非ヒト動物は、相同組換えによって破壊されてい るSmad7遺伝子を含む。破壊は、ホモ接合体的またはヘテロ接合体的であり得る 。他の実施態様では、トランスジェニック非ヒト動物は、条件的なSmad7遺伝子 破壊(例えば、組織特異的な、発生段階特異的な、または誘導性の、リコンビナ ーゼの発現によって仲介される破壊)を含む。なお別の実施態様では、トランス ジェニック非ヒト動物は、Smad7発現のトランスアクティングネガティブレギュ レーター(例えば、アンチセンスSmad7核酸分子、ドミナントネガティブなSmad7 タンパクをコードする核酸分子、Smad7指向性リボザイムなど)を含む。 本発明の別の局面によると、単離されたポリペプチドが提供される。単離され たポリペプチドは、請求項1、2、3、4、5、または6のいずれかに記載の単 離された核酸分子によってコードされ、そしてこのポリペプチドは、TGF-βスー パーファミリーシグナル伝達活性を阻害する。 別の実施態様では、単離されたポリペプチドは、上述の活性を保持する上述の フラグメントまたは変異体からなる。好適な態様では、フラグメントは、Smad7 のC末端フラグメント、好ましくは、配列番号:4もしくは6のアミノ酸204〜4 26、またはSmad7のN末端フラグメント、好ましくは、配列番号:4もしくは6 のアミノ酸2〜261である。 本発明の別の局面によれば、Smad7タンパクまたはそのフラグメントを選択的 に結合する単離されたポリペプチドが提供されるが、但し、単離されたポリペプ チドは、TGF-βスーパーファミリータイプIレセプター(例えば、TGF-β、アク チビン、またはBMPレセプター)ではない。ある態様における単離されたポリペ プチドは、請求項1、2、3、4、5または6のいずれかに記載の単離された核 酸分子によってコードされるポリペプチドに結合する。好適な態様では、単離さ れた結合ポリペプチドは、抗体または抗体のフラグメント(例えば、Fab、F(ab)2 、Fd、および本発明のSmad7ポリペプチド(例えば、配列番号:4または6)に よって規定されるエピトープに選択的に結合するCDR3領域を含む抗体フラグメン ト)を含む。他の好適な態様では、ポリペプチドは、配列番号:11、配列番号: 12、配列番号:13、および配列番号:14からなる群より選択されるポリペプチド によって規定されるエピトープを選択的に結合する、抗体またはそのフラグメン トである。なお別の好適な態様では、単離されたポリペプチドは、モノクローナ ル抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。 別の局面において、本発明は、ポリペプチドの単離された複合体を提供する。 単離された複合体としては、活性化TGF-βスーパーファミリータイプIレセプタ ー、および請求項1において請求されるようなポリペプチドに結合するTGF-βス ーパーファミリータイプIとTGF-βスーパーファミリーIタイプIレセプター( 例えば、TGF-β、アクチビン、Vg1、またはBMPレセプター)との複合体からなる 群より選択される、TGF-βスーパーファミリーレセプターが挙げられる。好まし くは単離された複合体としては、配列番号:4または配列番号:6のアミノ酸配 列を有するポリペプチドを含む。他の好適な態様では、レセプターは、TβRI、B MPR-IA、 BMPR-IB、ActR-IA、TβRIとTβRIIとの複合体、BMPR-IAとBMPR-IIとの複合体、B MPR-IBとBMPR-IIとの複合体、ActR-IAとBMPR-IIとの複合体およびActR-IAとActR -IIとの複合体からなる群より選択される。 本発明のさらに別の局面によると、哺乳動物細胞でのTGF-βスーパーファミリ ーシグナル伝達を減少させるための方法が提供される。この方法は、哺乳動物細 胞においてこのようなシグナル伝達を減少させるのに有効なTGF-βスーパーファ ミリーシグナル伝達の阻害剤の量と、哺乳動物細胞とを接触させる工程を包含す る。好ましくは、TGF-βスーパーファミリーシグナル伝達は、TGF-βスーパーフ ァミリーリガンド、詳細には、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4および/また はBMP-7によって仲介される。上述で開示される阻害剤と、哺乳動物細胞とを接 触することによって、経路特異的Smad(例えば、Smad1、Smad2、Smad3、および /またはSmad5)のリン酸化を減少するための、他の方法が提供される。上述の 方法のいくつかの態様では、阻害剤は、単離されたSmad7ポリペプチドまたはそ のフラグメント(例えば、配列番号:3もしくは5にストリンジェントな条件下 でハイブリダイズする核酸、配列番号:4もしくは6のポリペプチドをコードす る核酸、またはその縮H鎖もしくは相補鎖によってコードされるポリペプチド) である。ある態様では、核酸は、配列番号:4もしくは配列番号:6のアミノ酸 204〜426、または配列番号:4もしくは配列番号:6のアミノ酸2〜261をコー ドする。なお他の態様では、阻害剤は、単離されたSmad8ポリペプチドまたはそ のフラグメントである。 本発明のなお別の局面によれば、細胞の増殖および/または分化を調節するた めの方法が提供される。方法は、細胞の増殖および/または分化を調節するのに 有効な、上記のような、単離されたSmad7ポリペプチドまたはこのようなポリペ プチドをコードし、発現する核酸の量と、細胞とを接触する工程を包含する。 さらなる局面において本発明は、哺乳動物細胞におけるTGF-βスーパーファミ リーシグナル伝達を増加させるための方法を提供する。哺乳動物細胞は、TGF-β スーパーファミリーシグナル伝達を増加するのに有効な量で、本発明の単離され た核酸分子またはその発現産物に選択的に結合する薬剤と接触される。好ましく は、TGF-βスーパーファミリーシグナル伝達は、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BM P-4、 およびBMP-7からなる群より選択されるTGF-βスーパーファミリーリガンドによ って仲介される。好ましい薬剤は、アンチセンス核酸(修飾された核酸を含む) およびポリペプチド(配列番号:4のアミノ酸を含むポリペプチド、配列番号: 6のアミノ酸を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸を含むボリペプチド 、配列番号:14のアミノ酸を含むポリペプチド、Smad7のN末端フラグメントま たはSmad7のC末端フラグメント、および配列番号:4または6のポリペブチド のドミナントネガティブな変異体に結合する抗体を含む)である。 なお別の局面において、本発明は、Smad7ポリペプチドおよび医薬的に許容さ れる担体を含む組成物を提供する。 さらなる局面において本発明は、対象においてSmad7のTGF-βスーパーファミ リー阻害活性を減少するための方法を含む。本発明の単離された核酸分子または その発現産物に選択的に結合する薬剤は、対象におけるSmad7のTGF-βスーパー ファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を減少させるのに有効な量で、 このような治療の必要がある対象に投与される。好ましくは、TGF-βスーパーフ ァミリーシグナルトランスダクションは、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4お よびBMP-7からなる群より選択されるTGF-βスーパーファミリーリガンドによっ て仲介される。好ましい薬剤は、アンチセンス核酸(修飾された核酸を含む)、お よびポリペプチド(配列番号:4のアミノ酸を含むポリペプチド、配列番号:6 のアミノ酸を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸を含むポリペブチド、 配列番号:14のアミノ酸を含むポリペプチド、Smad7のN末端フラグメントまた はSmad7のC末端フラグメント、および配列番号:4または6のポリペプチドの ドミナントネガティブな変異体に結合する抗体を含む)である。 別の局面において、本発明は、細胞におけるTGF-βスーパーファミリーリガン ドの誘導を診断するための方法を提供する。この方法は、(a)細胞におけるSm ad7 RNAまたはポリペプチドの量を測定する工程、および工程(a)の結果とコ ントロールとを比較する工程を包含する。 本発明のなお別の局面によれば、細胞における機能的なTGF-βスーパーファミ リーレセプターの存在を決定するための方法が提供される。この方法は、細胞に おけるSmad7の量を増加させるのに有効なTGF-βスーパーファミリーリガンドの 量と、細胞とを接触する工程、細胞におけるSmad7 RNAまたはポリペプチドの量 を測定する工程、および測定の結果とコントロールとを比較する工程を包含し、 ここで、細胞におけるSmad7 RNAまたはポリペプチドの増加された量は、機能的 なTGF-βスーパーファミリーレセプターの存在を示す。好ましくは、TGF-βスー パーファミリーレセプターは、TGFβスーパーファミリータイプIレセプター、T GF-βスーパーファミリータイプIIレセプター、およびTGF-βスーパーファミリ ータイプIレセプターとTGF-βスーパーファミリータイプIIレセプターとの複合 体からなる群より選択される。 本発明の別の局面によれば、Smad7のTGF-βスーパーファミリーシグナルトラ ンスダクション阻害活性と関連する疾病の診断または治療において有用な薬理学 的薬剤についてのリード化合物を同定するための方法が提供される。方法の1つ のセットは、Smad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター複合体 または活性化TGF-βスーパーファミリータイプIレセプター、および候補薬理学 的薬剤の混合物を形成する工程を包含する。混合物は、候補薬理学的薬剤の不存 在下で、Smad7ポリペプチドにより、TGF-βスーパーファミリーレセプター複合 体または活性化TGF-βスーパーファミリータイプIレセプターが特異的に結合で きる基準量を起こす条件下で、インキュベートされる。次いで、Smad7ポリペプ チドによる、TGF-βスーパーファミリーレセプター複合体または活性化タイプI レセプターの特異的な結合の基準量が検出される。候補薬理学的薬剤の存在下に おける上述の活性の増加の検出は、候補薬理学的薬剤が、Smad7のTGF-βスーパ ーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を増加する薬理学的薬剤につ いてリード化合物であることを示す。候補薬理学的薬剤の存在下における上述の 活性の減少の検出は、候補薬理学的薬剤が、Smad7のTGF-βスーパーファミリー シグナルトランスダクション阻害活性を減少する薬理学的薬剤についてリード化 合物であることを示す。方法の別のセットは、上述のような混合物を形成する工 程、さらなる経路特異的Smadポリペプチドを添加する工程、ならびに経路特異的 SmadポリペプチドのTGF-βスーパーファミリー誘導性のリン酸化の基準量および 試験量を検出する工程を包含する。候補薬理学的薬剤の存在下でのリン酸化の増 加の検出は、候補薬理学的薬剤が、Smad7のTGF-βスーパーファミリーシグナ ル伝達阻害活性を減少する薬理学的薬剤についてのリード化合物であることを示 す。候補薬理学的薬剤の存在下でのリン酸化の減少の検出は、候補薬理学的薬剤 が、Smad7のTGF-βスーパーファミリーシグナル伝達阻害活性を増加する薬理学 的薬剤についてのリード化合物であることを示す。好ましいSmad7ポリペプチド は、請求項18に記載のポリペプチドを含む。 上述の組成物および方法において、TGF-βスーパーファミリーの好ましいメン バーは、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4、およびBMP-7であり、そして好まし い経路特異的Smadポリペプチドは、Smad1、Smad2、Smad3およびSmad5である。 本発明のなお別の局面によれば、細胞におけるSmad6もしくはSmad7核酸の発現 、またはその発現産物を減少させるための方法が提供される。この方法は、細胞 においてSmad6もしくはSmad7核酸の発現、またはその発現産物を減少するのに有 効な、Smad4に選択的に結合する薬剤の量と、細胞とを接触する工程を包含する 。いくつかの態様では、薬剤は、アンチセンスSmad4分子またはSmad4に選択的に 結合する抗体である。 別の局面において、本発明は、細胞におけるSmad6またはSmad7発現を増加させ るための方法を提供する。この方法は、細胞においてSmad6またはSmad7発現を増 加させるのに有効な量で、アクチビン、表皮増殖因子、およびフォルボールエス テルからなる群より選択される薬剤と、細胞とを接触させる工程を包含する。 発明の別の局面によれば、Smad6遺伝子またはSmad7遺伝子の上昇された発現に よって特徴付けられる肺ガンを有する対象を治療するための方法が提供される。 この方法は、Smad6またはSmad7遺伝子の発現を減少させるために有効な、Smad6 またはSmad7遺伝子の発現産物に結合するアンチセンス核酸の量を、対象に投与 する工程を包含する。他の態様では、この方法は、配列番号:4のアミノ酸配列 を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7 のN末端フラグメントまたはSmad7のC末端フラグメント、配列番号:10のアミ ノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:11のアミノ酸配列を含むポリペプチド 、配列番号:12のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配 列を含むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチドからな る群より選択されるポリペプチドを結合する抗体またはそのフラグメントのよう な ポリペプチドを投与する工程を包含する。なお別の態様では、薬剤は、Smad6ま たはSmad7のドミナントネガティブな変異体である。 本発明のなお別の局面によれば、発生する哺乳動物胚における眼の欠陥を低減 するための方法が提供される。この方法は、Smad7核酸分子またはその発現産物 の発現もしくは活性を減少する薬剤と、胚の細胞とを接触する工程を包含する。 ある態様では、薬剤は、Smad7核酸分子またはその発現産物を選択的に結合する 。好適な態様では、薬剤は、アンチセンス核酸分子またはポリペプチドであり、 好ましくはポリペプチドは、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、 配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列 を含むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7 のN末端フラグメントおよびSmad7のC末端フラグメントからなる群より選択さ れるポリペプチドを結合する抗体またはそのフラグメントである。薬剤はまた、 Smad7のドミナントネガティブな変異体であり得る。 本発明の別の局面によれば、単離されたポリペプチドが提供される。ポリペプ チドは、第2のポリペプチドまたはそのフラグメントに連結される第1のポリペ プチドまたはそのフラグメントを含み、ここでは、第2のポリペプチドまたはそ のフラグメントは、Smad7のMH2ドメインを含む。ポリペプチドは、細胞の核に局 在化し、そしてTGF-βスーパーファミリーレセプターを有する細胞におけるTGF- βスーパーファミリーレセプター仲介性のシグナルトランスダクションの際に、 細胞の核から細胞質に輸送される。 本発明の別の局面によれば、Smad7 MH2ドメインまたはその核局在フラグメン トを含む融合タンパクが提供される。本発明の別の局面において、Smad7 MH2ド メインまたはその転写活性化フラグメントを含む融合タンパクが提供される。 本発明のさらに別の局面によれば、Smad7調節性の遺伝子転写の転写を調節す るための方法が提供される。この方法は、Smad7調節性の遺伝子転写を調節する のに有効な量において、TGF-βスーパーファミリーレセプター仲介性のシグナル トランスダクションを調節する薬剤と、哺乳動物細胞とを接触する工程を包含す る。いくつかの態様では、薬剤は、TGF-βスーパーファミリーリガンドまたはTG F-βスーパーファミリーレセプター仲介性のシグナルトランスダクションの阻害 剤 である。 本発明の別の局面において、単離された核酸分子が提供される、核酸分子は、 配列番号:15のヌクレオチド配列、その対立遺伝子変異体、またはTGF-β調節を 付与するその機能的なフラグメントを含む。配列番号:15にストリンジェントな 条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む核酸分子がまた、提供され る。本発明のなお他の局面において、配列番号:15のユニークフラグメントを含 む単離された核酸分子が提供される。配列番号:15を含むか、またはこれに関連 する上述の単離された核酸分子を含む発現ベクターがまた、提供される。 本発明の別の局面によれば、第1の核酸分子の転写を調節するための方法が提 供される。この方法は、配列番号:15を含むか、またはこれに関連する上述の単 離された核酸分子に作動可能に連結される第1の核酸分子を含むコンストラクト を調製する工程、および発現系にコンストラクトを導入する工程を包含する。い くつか態様では、発現系は細胞である。好ましい態様では、細胞は、TGF-βスー パーファミリーレセプターを発現し、この方法は、第1の核酸分子の発現を増加 させるために、TGF-βスーパーファミリーリガンドと、細胞とを接触する工程を 包含する。 本発明のなお他の好ましい局面において、TGF-β調節性の転写活性の調節を同 定するための方法が提供される。方法は、検出可能な発現産物をコードする核酸 に作動可能に連結される配列番号:15またはそのTGF-β調節性のそのフラグメン トを含むレポーターコンストラクトを、発現系に供する工程、および発現系と候 補分子化合物とを接触する工程を包含する。発現系は、候補分子の不存在下で、 検出可能な発現産物が発現できる基準量を起こす条件下でインキュベートされる 。次いで、検出可能な発現産物の発現の基準量が、検出される。候補調節体化合 物の存在下での上述の活性の増加の検出は、候補調節体化合物が、TGF-β調節性 の転写活性を増加する化合物であることを示す。候補調節体化合物の存在下での 上述の活性の減少の検出は、候補調節体化合物が、TGF-β調節性の転写活性を減 少する化合物であることを示す。好ましい態様では、発現系は、細胞またはイン ビトロ転写系である。他の好ましい態様では、検出可能な発現産物は、酵素(例 えば、ルシフェラーゼ)または緑色蛍光タンパクのようなレポータータンパクで あ る。 薬剤の調製における上述の組成物の使用がまた、意図される。 本発明のこれらのおよび他の局面は、本発明の詳細な説明に関連してさらに詳 細に記載される。 図面の簡単な説明 図1は、Smad7のクローニングおよび組識分布を示す。 図2は、Smad7がTGF-βおよびアクチビン誘導性の転写応答を阻害することを 示す。 図3は、Smad7とTGF-βレセプター複合体との会合を示す。 図4は、Smad7が、TβR活性化の際にリン酸化されないが、Smad7過剰発現は、 TGF-β仲介性のSmad2およびSmad3リン酸化を阻害することを示す。 図5は、Smad7が、TGF-βの初期の応答遺伝子であることを示す。 図6は、Smad7と、BMPおよびアクチビンレセプター複合体との会合を示す。 図7は、Smad7が、Smad1またはSmad5のBMP-およびアクチビン-レセプター仲介 性のリン酸化を阻害することを示す。 図8は、Smad7のC末端が、TGF-βレセプター複合体と会合すること、およびS mad8、ならびにSmad7のN末端ドメインおよびC末端ドメインがTGF-βシグナル 伝達を阻害することを示す。 図9は、Smad6およびSmad7の比較を示す。A:アミノ酸配列の比較。B:hSmad 1〜hSmad7およびhSmad9との間の両方向のアラインメント関係。C:肺ガン腫セ ルラインにおけるSmad6およびSmad7 mRNAの発現である。 図10は、TGF-βスーパーファミリーメンバーが、Smad6およびSmad7 mRNAレベ ルを誘導することを示す。 図11は、アンチセンスSmad7 mRNAが、TGF-β1転写応答を増強することを示す 。 図12は、Smad6およびSmad7 mRNA発現におけるEGFおよびPMAの効果を示す。 図13は、Smad7が、TGF-β仲介性のシグナル伝達応答を、Smad8よりも効果的に 阻害することを示す。 図14は、アフリカツメガエル(Xenopus)胚におけるSmad7の過剰発現が、部分 的な二次軸椎および眼の欠損の形成を誘導することを示す。 図15は、安定なpMEP-4-駆動化トランスフェクトクローンにおけるSmad7および Smad6の発現の特徴づけを示す。 図16は、Smad7が、TGF-β1仲介性の増殖阻害を阻害することを示す。(A〜 C)3つの独立したクローンにおけるTGF-β1誘導性増殖の阻害に対するSmad7 の有効性、(D)TGF-β1誘導性の増殖阻害に対するSmad6Sおよび(E)Smad6L の有効性を示す。 図17は、Smad7が、初期の応答遺伝子のTGF-β1仲介性の誘導を阻害すること を示す。 図18は、TGF-β1レセプター活性化なしまたはありでのSmad7の細胞分布を示 す。 図19は、TGF-β1刺激の不存在下または存在下での、野生型Smad7およびSmad7 欠失変異体の細胞分布を示す。 図20は、Smad7プロモーターフラグメントのTGF-β1誘導能を示すルシフェラ ーゼアッセイの結果を描く。 図21は、約725bpまでのBamHI-XhoI最小プロモーターフラグメント(配列番号 :15)における、いくつかの制限酵素部位および異なる転写因子およびSmadタン パクについての推定される結合部位を示す。 配列の簡単な説明 配列番号:1は、マウスESTのヌクレオチド配列(アクセス番号AA061644)で あり、これは、N末端Smadドメインに配列類似性を有する。 配列番号:2は、マウスESTのヌクレオチド配列(アクセス番号AA022262)で あり、これは、C末端Smadドメインに配列類似性を有する。 配列番号:3は、マウスSmad7 cDNAのヌクレオチド配列である。 配列番号:4は、マウスSmad7タンパクのアミノ酸配列である。 配列番号:5は、ヒトSmad7 cDNAのヌクレオチド配列である。 配列番号:6は、ヒトSmad7タンパクのアミノ酸配列である。 配列番号:7は、マウスSmad7 cDNAのコード領域のヌクレオチド配列である。 配列番号:8は、ヒトSmad7 cDNAのコード領域のヌクレオチド配列である。 配列番号:9は、ヒトSmad6 cDNAのヌクレオチド配列である。 配列番号:10は、抗体が惹起され得る、Smad7の好ましいペプチドのアミノ酸 配列である。 配列番号:11は、抗体が惹起され得る、Smad7の好ましいペプチドのアミノ酸 配列である。 配列番号:12は、抗体が惹起され得る、Smad7の好ましいペプチドのアミノ酸 配列である。 配列番号:13は、抗体が惹起され得る、Smad7の好ましいペプチドのアミノ酸 配列である。 配列番号:14は、抗体が惹起され得る、Smad7の好ましいペプチドのアミノ酸 配列である。 配列番号:15は、725ヌクレオチドのBamHI-XhoI Smad7最小プロモーターフラ グメントである。 発明の詳細な説明 1つの局面において、本発明は、Smad7 TβT-Iレセプターと相互作用するタン パクをコードするcDNAのクローニングに関する。マウス遺伝子の配列は、配列番 号:3として示され、そしてこの遺伝子のタンパク産物の予測されるアミノ酸配 列が、配列番号:4として示される。ヒト遺伝子の配列は、配列番号:5として 示され、およびこの遺伝子のタンパク産物の予測されるアミノ酸配列が、配列番 号:6として示される。核酸およびタンパクデータベースに対する比較による配 列の分析は、Smad7が、他のSmadタンパクに関連するC末端ドメイン(MH2ドメイ ン)を有することを決定した。Smad7 C末端ドメインは、Smad6に最も関連する( 48%同一性)。 従って、本発明は、1つの局面において、Smad7ポリペプチド、これらのポリ ペプチドをコードする遺伝子、これらの機能的な修飾体および変異体、これらの 有用なフラグメント、ならびにそれらに関する治療薬を含む。これらの遺伝子の 発現は、TGF-βスーパーファミリーの発現およびシグナルトランスダクションに 影響し、そしてTGF-βスーパーファミリーの発現およびシグナルトランスダクシ ョンによって影響される。TGF-βスーパーファミリーメンバーは、当業者に周知 であり、TGF-β、アクチビン、骨形態形成性タンパク(BMP)、Vg1、ミュラー管阻 害物質(MIS)および増殖/分化因子(GDF)を含む。 本発明のSmad7核酸の相同体および対立遺伝子は、従来からの技術によって同 定され得る。従って、本発明の1つの局面は、Smad7ポリペプチドをコードし、 およびストリンジェントな条件下で、配列番号:3または5のコード領域からな る核酸分子にハイブリダイズするそれらの核酸配列である。本明細書中で使用さ れる、用語「ストリンジェントな条件」とは、当該分野でよく知られるパラメー ターをいう。核酸ハイブリダイゼーションパラメーターは、このような方法を編 集する参考文献(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、J.Sambr ookら編、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor 、New York、1989、またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M.Aus ubelら編、John Wiley & Sons,Inc.、New York)において見出される。より具 体的には、本明細書中で使用されるストリンジェントな条件は、例えば、ハイブ リダイゼーション緩衝液(3.5×SSC、0.02%Ficoll、0.02%ポリビニルピロリドン 、0.02%ウシ血清アルブミン、2.5mM NaH2PO4(pH7)、0.5% SDS、2mM EDTA)中の 、65℃でのハイブリダイゼーションをいう。sscは、0.15M塩化ナトリウム/0.15M クエン酸ナトリウム、pH7であり;SDSは、ドデシル硫酸ナトリウムであり、お よびEDTAは、エチレンジアミン四酢酸である。ハイブリダイゼーション後、その 表面にDNAが移されたメンブレンは、2×SSCで、室温で洗浄し、次いで、0.1×S SC/0.1×SDSで、65℃までの温度にて洗浄される。 使用され得る他の条件、薬剤などが存在し、これは、同程度のストリンジェン シーを生じる。当業者はこのような条件に精通するので、このような条件は本明 細書中に示さない。しかし、当業者は、本発明のSmad7核酸の相同体および対立 遺伝子がはっきり同定できる方法で、条件を操作し得ることが理解されよう。当 業者はまた、このような分子の発現について、細胞およびライブラリーをスクリ ーニングするための方法論に精通しており、これらの分子は機械的に単離され、 続いて適切な核酸分子が単離され、そして配列決定される。 一般に、相同体および対立遺伝子は、配列番号:3または5、および配列番号 :4または6に、それぞれ、少なくとも40%のヌクレオチド同一性および/また は少なくとも50%のアミノ酸同一性を有し、いくつかの例では、少なくとも50%の ヌクレオチド同一性および/または少なくとも65%のアミノ酸同一性を有し、な お他の例では、少なくとも60%のヌクレオチド同一性および/または少なくとも7 5%のアミノ酸同一性を有する。上述の核酸のWatson-Crick相補鎖はまた、本発明 によって包含される。 Smad7タンパクについてのスクリーニングにおいて、サザンブロットが、放射 性プローブとともに上述の条件を使用して行われ得る。DNAが最終的に転写され たメンブレンを洗浄した後、メンブレンは、放射活性なシグナルを検出するため にX線フィルムに対して置かれる。 本発明はまた、ネイティブな材料に存在するコドンに対する代替のコドンを含 む、縮重核酸を包含する。例えば、セリン残基は、コドンTCA、AGT、TCC、TCG、 TCT、およびAGCによってコードされる。6つのコドンのそれぞれは、セリン残基 をコードすることについては均等である。従って、セリンをコードするヌクレオ チド3塩基のいずれもが、伸長するSmad7ポリペプチドにセリン残基を組込むた めに、インビトロまたはインビボで、タンパク合成装置に用いられ得る。同様に 、他のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列3塩基としては:CCA、CCC、C CG、およびCCT(プロリンコドン);CGA、CGC、CGG、CGT、AGA、およびAGG(アルギ ニンコドン);ACA、ACC、ACG、およびACT(スレオニンコドン);AACおよびAAT(ア スパラギンコドン);ならびにATA、ATC、およびATT(イソロイシンコドン)が挙 げられるが、これらに制限されない。他のアミノ酸残基は、複数のヌクレオチド 配列によって同様にコードされ得る。従って、本発明は、遺伝子コードの縮重に 起因して、コドン配列において生物学的に単離される核酸とは異なる縮重核酸を 包含する。 本発明はまた、配列番号:3もしくは5、または配列番号:3もしくは5の相 補鎖の単離されたユニークフラグメントを提供する。ユニークフラグメントは、 より大きな核酸についての「サイン」であるフラグメントである。例えば、フラ グメントは、その正確な配列が、上述で規定されるSmad7核酸の外側の分子では 見出されないことを保証するのに十分な長さである。ユニークフラグメントは、 規定によって、配列番号:1および2によって記載される配列のようなEST配列 のみからなる配列を排除する。ユニーク配列は、このような核酸を同定するため に、サザンブロットアッセイにおいてプローブとして使用され得るか、またはPC Rを用いるアッセイのような増幅アッセイにおいて使用され得る。当業者に公知 であるように、200ヌクレオチド以上の大きなプローブは、サザンブロットのよ うないくつかの使用において好ましく、一方、より小さなプローブは、PCRのよ うな使用について好ましい。ユニークフラグメントはまた、実施例において実証 されるように、抗体を生成する、もしくはポリペプチドのフラグメントの結合を 決定するための、またはイムノアッセイ成分を作製するための、融合タンパクを 生成するために使用され得る。同様に、ユニークフラグメントは、Smad7ポリペ プチドの非融合フラグメント(例えば、イムノアッセイにおいて、例えば、抗体 の作製において有用な本明細書中に開示されるN末端およびC末端フラグメント 、ならびに、例えば、治療的用途において、TGF-β、アクチビン、BMPレセプタ ー、および/またはSmad7ポリペプチドに結合する他のポリペプチドの競合的な 結合パートナー)を生成するために用いられ得る。ユニークフラグメントは、特 に以下により詳細に記載されるような治療的目的のために、Smad7核酸およびポ リペプチドの発現を阻害するためのアンチセンス分子として、さらに使用され得 る。 当業者によって認識されるように、ユニークフラグメントのサイズは、遺伝子 コードにおけるその保存性に依存する。従って、配列番号:3および/または配 列番号:5、ならびにその相補鎖のいくつかの領域は、ユニークであるためによ り長いセグメントを必要とし、一方、他は短いセグメント、典型的には、12と32 との間のヌクレオチド(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22 、23、24、25、26、27、28、29、30、31および32塩基長)のみを必要とする。実 質的に、18又はそれ以上のヌクレオチド長である配列番号:7もしくは配列番号 :8、またはその相補鎖の任意のセグメントは、ユニークである。当業者は、典 型的に、非Smad7核酸から目的の配列を選択的に区別する、ユニークフラグメン トの能力に基づいて、このような配列を選択するための方法に十分に精通する。 公知のデータベースにおける配列に対する、フラグメントの配列の比較は、典型 的には、必要とされる全てであるが、インビボでの確証的なハイブリダイゼーシ ョンおよび配列決定分析が行われ得る。 ユニークフラグメントは、機能的なフラグメントであり得る。本発明の核酸分 子の機能的なフラグメントは、より大きな核酸分子のいくつかの機能的な特性( 例えば、機能的なポリペプチドをコードする特性、タンパクに結合する特性、作 動可能に連結される核酸の転写を調節する特性など)を保持するフラグメントで ある。当業者は容易に、機械的な実験のみを使用して、フラグメントが、核酸分 子の機能的なフラグメントであるか否かを決定するために、本明細書中で記載さ れるアッセイおよび当業者に周知のアッセイを使用して、容易に決定され得る。 上記のように、本発明は、Smad7の量を減少させることによって、TGF-β、ア クチビンおよび/またはBMPシグナル伝達を増加するための、Smad7ポリペプチド をコードする核酸分子に選択的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含 む。これは、実質的に所望の医学的状態(ここでは、例えば、TGF-βシグナル伝 達を増加するために、Smad7の減少が所望される)において所望される。 本明細書中で使用される、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または「アン チセンス」とは、特定の遺伝子を含むDNAに、またはその遺伝子のmRNA転写産物 に、生理学的な条件下でハイブリダイズし、それによって、その遺伝子の転写お よび/またはそのmRNAの翻訳を阻害する、オリゴリボヌクレオチド、オリゴデオ キシボヌクレオチド、修飾されたオリゴリボヌクレオチド、または修飾されたオ リゴデオキシボヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドを示す。アンチセンス分 子は、標的遺伝子または転写産物とのハイブリダイゼーションの際に、標的遺伝 子の転写または翻訳を妨げるように設計される。当業者は、アンチセンスオリゴ ヌクレオチドの正確な長さ、およびその標的とのその相補性の程度が、選択され る特異的な標的(標的の配列、およびその配列を含む特定の塩基を含む)に依存 することを認識する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的な条件下で 標的と選択的に結合するように(すなわち、生理学的な条件下で標的細胞におけ る任意の他の配列に対してよりも、標的配列に対して、実質的にハイブリダイズ するように)、構築および配置されることが好ましい。配列番号:3、5、もし くは9に 基づいて、または対立遺伝子もしくは相同なゲノムおよび/もしくはcDNAの配列 に基づいて、当業者は、本発明に従う使用のために、適切な任意の多くのアンチ センス分子を、容易に選択および合成し得る。阻害について十分に選択的であり 、および強力であるために、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標 的に対して相補的である少なくとも10個の、およびより好ましくは、少なくとも 15個の保存的な塩基を含むべきであるが、ある場合において、7塩基長程の修飾 されたオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして成功裡に 使用されている(Wagnerら、Nature Biotechnol.14:840-844、1996)。最も好ま しくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、20〜30塩基の相補的な配列を含む 。遺伝子またはmRNA転写産物の任意の領域に対してアンチセンスであるオリゴヌ クレオチドが選択され得るが、好ましい態様では、アンチセンスオリゴヌクレオ チドは、翻訳開始部位、転写開始部位、またはプロモーター部位のようなN末端 または5'上流部位に対応する。さらに、3'非翻訳領域が標的化され得る。mRNA スプライシング部位に対する標的化がまた、当該分野において使用されてきたが 、選択的なmRNAスプライシングが生じる場合あまり好ましくないかもしれない。 さらにアンチセンスは、好ましくはmRNA二次構造が予測されない部位に対して( 例えば、Sainioら、Cell Mol.Nuroblol.14(5):439-457、1994)およびタンパ クが結合することが予測されない部位に対して標的化される。最後に、配列番号 :3、5および9は、cDNA配列を開示するが、当業者は、配列番号:3、5、ま たは9のcDNAに対応するゲノムDNAを容易に引き出し得る。従って、本発明はま た、配列番号:3、5、および9に対応するゲノムDNAに相補的であるアンチセ ンスオリゴヌクレオチドを提供する。同様に、対立遺伝子または相同なcDNAおよ びゲノムDNAに対するアンチセンスは、過度の実験を伴わないで入手可能である 。 実施態様の1つのセットにおいて、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド は、「天然の」デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその任意 の組合せから構成され得る。すなわち、一方のネイティブなヌクレオチドの5' 末端および他方のネイティブなヌクレオチドの3'末端は、天然の系におけるよ うに、リン酸ジエステルヌクレオチド間結合を介して、共有結合的に連結され得 る。これらのオリゴヌクレオチドは、手動で、または自動化合成器によって行わ れ得る 当該分野で認識される方法によって作製され得る。これらはまた、ベクターによ って組換え的に生成され得る。 しかし、好ましい態様では、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた 、「修飾された」オリゴヌクレオチドを含み得る。すなわち、オリゴヌクレオチ ドは、それらの標的にハイブリダイズすることを妨げないが、それらの安定性も しくは標的化を増強するか、またはそうでなければそれらの治療的有効性を増強 する、多くの方法において修飾され得る。 本明細書中で使用される、用語「修飾されたオリゴヌクレオチド」とは、(1 )そのヌクレオチドの少なくとも2つが、合成ヌクレオシド間の結合(すなわち 、一方のヌクレオチドの5'末端と、他方のヌクレオチドの3'末端との間のリン 酸ジエステル結合以外の結合)を介して共有結合的に連結され、および/または (2)核酸と通常会合しない化学基が、オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合 されているオリゴヌクレオチドを示す。好ましい合成ヌクレオチド間結合は、ホ スホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、リン酸エス テル、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カルバメート、カルボ ネート、リン酸三エステル、アセタミデート、カルボキシメチルエステル、およ びペプチドである。 用語「修飾されたオリゴヌクレオチド」とは、共有結合的に修飾された塩基お よび/または糖を有するオリゴヌクレオチドをも包含する。例えば、修飾された オリゴヌクレオチドは、3'位でヒドロキシル基以外の、および5'位でリン酸基 以外の、低分子量の有機基に共有結合的に結合される糖骨格を有するオリゴヌク レオチドを含む。従って、修飾されたオリゴヌクレオチドは、2'-O-アルキル化 リボース基を含み得る。さらに、修飾されたオリゴヌクレオチドは、リボースの 代わりにアラビノースのような糖を含み得る。従って、本発明は、Smad7ポリペ プチドをコードする核酸に相補的であり、生理学的な条件下で、これとハイブリ ダイズ可能である修飾されたアンチセンス分子を、医薬的に許容される担体とと もに含む医薬製剤を意図する。 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物の一部として投与され得る。 このような医薬組成物は、当該分野において公知である任意の標準的な生理学的 におよび/または薬理学的に許容される担体と組合わせて、アンチセンスオリゴ ヌクレオチドを含み得る。組成物は、滅菌されるべきであり、および治療学的に 有効な量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、患者への投与に適切な重量また は容量の単位において含むべきである。用語「医薬的に許容される」とは、活性 成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性の材料を意味する。用語「生理学 的に許容される」とは、細胞、細胞培養物、組織または生物体のような生物学的 な系と適合性である非毒性の物質をいう。担体の特徴は、投与の経路に依存する 。生理学的におよび医薬的に許容される担体としては、希釈剤、腑形剤、塩、緩 衝液、安定化剤、可溶化剤および当該分野において周知である他の材料を含む。 本明細書中で使用される、「ベクター」とは、異なる遺伝子環境間の輸送のた めに、または宿主細胞における発現のために、所望の配列が、制限および連結に よって挿入され得る任意の多くの核酸であり得る。ベクターは、典型的には、DN Aから構成されるが、RNAベクターがまた利用可能である。ベクターとしては、プ ラスミド、ファージミド、およびウイルスゲノムが挙げられるが、これらに制限 されない。クローニングベクターは、宿主細胞において複製可能であるベクター であり、ならびにベクターが検出可能な様式において切断され、所望のDNA配列 が、新規な組み換えベクターが宿主において複製するその能力を保持するように 、連結され得る1又は2以上のエンドヌクレアーゼ制限部位によって、さらに特 徴付けられる。プラスミドの場合には、所望の配列の複製は、宿主細菌内で、プ ラスミドはコピー数において増加するにつれて多数回生じ得るか、または宿主が 有糸分裂によって再生される前に、宿主当たり1回生じ得る。ファージの場合に は、複製は、溶解期の間に能動的に生じ得るか、または溶原期の間に受動的に生 じ得る。発現ベクターは、所望のDNA配列が、調節配列に作動可能に結合され、R NA転写産物として発現され得るように、所望のDNA配列が制限および連結によっ て挿入され得るベクターである。ベクターはさらに、ベクターでトランスフォー ムまたはトランスフェクトされたか、またはされていない細胞の同定に使用する ために適当である、1又は2以上のマーカー配列を含み得る。マーカーとしては 、例えば、抗生物質または他の化合物に対する抵抗性または感受性のいずれかを 増加または減少するタンパクをコードする遺伝子、活性が当該分野において公知 の 標準的なアッセイによって検出可能である酵素(例えば、β-ガラクトシダーゼ またはアルカリホスファターゼ)をコードする遺伝子、およびトランスフォーム またはトランスフェクトされた細胞、宿主、コロニー、またはプラークの表現型 を視覚的に表現する遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク)が挙げられる。好まし いベクターは、自己複製できるもの、および作動可能に結合されるDNAセグメン トに存在する構造遺伝子産物の発現をできるものである 本明細書中で使用される、コード配列および調節配列は、これらが、調節配列 の影響および制御下でコード配列の発現または転写を行うように共有結合的に連 結される場合、「作動可能に」結合されるという。コード配列が機能的なタンパ クに翻訳されることが所望される場合には、2つのDNA配列は、5'調節配列にお けるプロモーターの誘導が、コード配列の転写を生じ、2つのDNA配列間の結合 の性質が、(1)フレームシフト変異を導入しない、(2)プロモーター領域が コード配列の転写を指示する能力を妨げない、または(3)タンパクに翻訳され る対応するRNA転写産物の能力を妨げない場合に、作動可能に結合されるといわ れる。従って、プロモーター領域は、プロモーター領域が得られる転写産物が所 望のポリペプチドまたはタンパクに翻訳されるようにそのDNA配列の転写を達成 し得る場合に、コード配列に作動可能に結合し得る。 遺伝子発現のために必要とされる調節配列の正確な性質は、種または細胞型の 間で変化し得るが、一般に、必要に応じて、それぞれ、転写および翻訳の開始と 関連する5'非転写配列および5'非翻訳配列(例えば、TATAボックス、キャップ 配列、CATT配列など)を含む。特に、このような5'非転写調節配列は、作動可 能に結合される遺伝子の転写制御についてのプロモーター配列を含むプロモータ ー領域を含む。調節配列はまた、所望であれば、エンハンサー配列または上流の アクチベーター配列を含み得る。本発明のベクターは、5'リーダー配列または シグナル配列を必要に応じて含み得る。適切なベクターの選択および設計は、当 業者の能力および裁量の範囲内である。 発現のための全ての必要なエレメントを含む発現ベクターは、市販されており 、当業者に公知である。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laborator y Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989を参照された い。 細胞は、一般に、Smad7ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変異体を コードする異種DNA(RNA)の、細胞への導入によって遺伝子操作され得る。異種 DNA(RNA)は、宿主細胞における異種DNAの発現を許容する転写エレメントの操 作可能な条件下に置かれる。 哺乳動物細胞におけるmRNA発現についての好ましい系は、G418耐性(これは、 安定にトランスフェクトされたセルラインの選択を容易にする)を付与する遺伝 子のような選択マーカー、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサ ー−プロモーター配列を含む、pRc/CMV(Invitrogen、Carlsbad、CAから入手可 能)のような系である。さらに、霊長類またはイヌセルラインにおける発現につ いて適切であるのは、pCEP4ベクター(Invitrogen)であり、これは、エプスタ インバールウイルス(EBV)の複製開始点を含み、多重コピー染色体外エレメン トとしてプラスミドの維持を容易にする。別の発現ベクターはpEF−BOSプラスミ ドであり、ポリペプチド伸長因子1αのプロモーターを含み、これはインビトロ での転写を効率的に刺激する。プラスミドは、MishizumaおよびNagata(Nuc.Aci ds Res.18:5322、1990)に記載され、トランスフェクション実験でのその使用は 、例えば、Demoulin(Mol.Cell.Biol.16:4710-4716、1996)によって開示さ れる。なお別の好ましい発現ベクターは、アデノウイルスであり、Stratford-Pe rricaudetによって記載され、これは、E1およびE3タンパクを欠損する(J.Clin .Invest.90:626-630、1992)。アデノ.PIA組換え体としてのアデノウイルスの 使用は、P1Aに対する免疫化のために、マウスでの皮膚内注射において、Warnier らによって開示される(Int.J Cancer、67:303-310、1996)。 本発明はまた、いわゆる発現キットを包含し、これは、当業者が、所望の発現 ベクターを作製することを許容する。このような発現キットは、少なくとも別々 の部分の以前に考察されたコード配列のそれぞれを含む。必要とされる以前に記 載された配列が含まれる限り、他の成分が、所望に応じて添加され得る。 本発明はまた、細胞および動物におけるSmad7遺伝子「ノックアウト」の構築 を許容し、TGF-β、アクチビン、および/またはBMPシグナルトランスダクショ ンのある局面を研究するための材料を提供する。 本発明はまた、単離されたポリペプチドを提供し、これは、配列番号:4およ び6、ならびに配列番号:4および6のユニークフラグメント(配列番号:4お よび6のアミノ酸2〜261を含むフラグメント、ならびに配列番号:4および6 のアミノ酸配列204〜426を含むフラグメントを含む)のポリペプチドを含む。こ のようなポリペプチドは、例えば、単独でまたは融合タンパクとして、免疫アッ セイの成分として、抗体を作製するために有用である。 Smad7ポリペプチドのユニークフラグメントは、一般に、核酸と関連して上述 で考察されるようなユニークフラグメントの特徴および特性を有する。当業者に よって認識されるように、ユニークフラグメントのサイズは、フラグメントが、 保存されるタンパクドメインの部分を構成するか否かのような要因に依存する。 従って、配列番号:4および6のアミノ酸2〜261、ならびに配列番号:4およ び6のアミノ酸204〜426のいくつかの領域は、ユニークであるためにより長いセ グメントを必要とするが、一方、他は、短いセグメントのみ(典型的に5と12と の間のアミノ酸(例えば、5、6、7、8、9、10、11および12アミノ酸長)を 必要とする。配列番号:4および6のアミノ酸2〜261、ならびに配列番号:4 および6のアミノ酸204〜426の、すなわち、10以上のアミノ酸長である、任意の セグメントが、実質的にユニークである。 ポリペプチドのユニークフラグメントは、ポリペプチドの異なる機能的な能力 を保持するそれらのフラグメントである。ポリペプチドのユニークフラグメント において保持され得る機能的な能力としては、抗体との相互作用、他のポリペプ チド(例えばTβR-I)またはそのフラグメントとの相互作用、核酸またはタンパ クの選択的な結合、および酵素活性が挙げられる。例えば、本明細書中で例示さ れるように、配列番号:4または6のアミノ酸2〜261または204〜426を含むフ ラグメントのような、N末端およびC末端Smad7フラグメントは、本発明の方法 (例えば、TGF-βシグナル伝達の阻害を含む)において、完全長のSmad7の機能 的な均等物として使用され得る。他のSmadポリペプチドフラグメント(例えば、 他のN末端またはC末端フラグメント)は、それらの機能的な特性に従って選択 され得る。例えば、当業者は、Smad7フラグメントを組換え的に作製でき、そし て以下に例示される方法(例えば、TGF-βスーパーファミリーレセプターへの結 合、または経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の阻害)に従ってそれらのフ ラグメントを試験し得る。当業者は、典型的に、非ファミリーメンバーから目的 の配列を選択的に区別する、ユニークフラグメントの能力に基づいて、ユニーク アミノ酸配列を選択するための方法に十分に精通している。公知のデータベース における配列に対するフラグメントの配列の比較は、典型的には、必要とされる 全てである。 本発明は、上記のSmad7ポリペプチドの変異体を包含する。本明細書中で使用 される、Smad7ポリペプチドの「変異体」とは、Smad7ポリペプチドの1次アミノ 酸配列に対する1又は2以上の変異を含むポリペプチドである。Smad7変異体を 作製する修飾は、1)Smad7ポリペプチドの活性(例えば、TβR-Iへの結合)を 減少または排除するために;2)Smad7ポリペプチドの特性(例えば、発現系に おけるタンパクの安定性もしくはタンパク−タンパク結合の安定性)を増強する ために;または3)Smad7ポリペプチドの新規な活性または特性(例えば、抗原 性エピトープの付加または検出可能な部分の添加)を提供するために、Smad7ポ リペプチドに対してなされ得る。Smad7ポリペプチドに対する修飾は、典型的に 、Smad7ポリペプチドをコードする核酸に対してなされ、欠失、点変異、短縮、 アミノ酸置換、およびアミノ酸または非アミノ酸部分の付加を含み得る。あるい は修飾は、切断、リンカー分子の添加、検出可能な部分(例えば、ビオチン)の 付加、脂肪酸の付加などによって、ポリペプチドに直接的になされ得る。修飾は また、Smad7アミノ酸配列の全てまたは部分を含む融合タンパクを包含する。 一般に、変異体は、その生理学的活性に関連しないポリペプチドの特徴を変化 するように特異的に修飾されるSmad7ポリペプチドを含む。例えば、システイン 残基は、非所望のジスルフィド結合を防止するために置換または欠失され得る。 同様に、あるアミノ酸は、発現系におけるプロテアーゼによるタンパク分解を排 除することによって、Smad7ポリペプチドの発現を増強するように変化され得る( 例えば、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母発現系における二塩基性アミノ酸 残基)。 Smad7ポリペプチドをコードする核酸の改変は、好ましくは、コード配列のア ミノ酸リーディングフレームを保持し、そして好ましくは、二次構造(例えば、 ヘアピンまたはループ、これは、変異体ポリペプチドの発現に有害であり得る) を形成する、ハイブリダイズしがちな核酸の領域を作らない。 変異は、アミノ酸置換を選択することによって、またはポリペプチドをコード する核酸において選択される部位のランダムな変異誘発によって、なされ得る。 次いで、変異体ポリペプチドは、発現され、そしてどの変異が、所望の特性を有 する変異体ポリペプチドを提供するかを決定するために、1又は2以上の活性に ついて試験される。ポリペプチドのアミノ酸配列としてサイレントであるが、特 定の宿主における翻訳について好ましいコドンを提供するさらなる変異が、変異 体(または非変異体Smad7ポリペプチド)になされ得る。例えば、E.coliにおけ る核酸の翻訳について好ましいコドンは、当業者に周知である。なお他の変異が 、ポリペプチドの発現を増強するために、Smad7遺伝子またはcDNAクローンの非 コード配列に対してなされ得る。Smad7ポリペプチドの変異体の活性は、変異体S mad7ポリペプチドをコードする遺伝子を、細菌または哺乳動物発現ベクターにク ローニングし、ベクターを適切な宿主細胞に導入し、変異体Smad7ポリペプチド を発現し、そして本明細書中に開示されるようなSmad7ポリペプチドの機能的な 能力について試験することにより試験され得る。例えば、変異体Smad7ポリペプ チドは、実施例において開示されるように、TβR-I、アクチビン、および/また はBMP レセプターシグナル伝達活性の阻害について、または本明細書中にまた 開示されるように、Smad1、Smad2、Smad3、および/もしくはSmad5リン酸化の阻 害について、試験され得る。他の変異体ポリペプチドの作製は、当業者に公知で あるように、他の活性の試験に好都合であり得る。 当業者はまた、保存的なアミノ酸置換が、上述のポリペプチドの機能的に均等 な変異体(すなわち、変異体は、Smad7ポリペプチドの機能的な能力を保持する )を提供するためにSmad7ポリペプチドにおいてなされ得る。本明細書中で使用 される、「保存的なアミノ酸置換」とは、アミノ酸置換がなされるタンパクの相 対的な電荷およびサイズの特徴を変化させないアミノ酸の置換をいう。変異体は 、当業者に公知のポリペプチド配列を変化するための方法(例えば、このような 方法を編集する参考文献(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、 J.Sambrookら編、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Sprin g Harbor、New York、1989、またはCurrent Protocols in Molecular Biology、 F.M.Ausubel ら編、Jhon Wiley & Sons,Inc.、New York)に見出される)に従って作製され 得る。Smad7ポリペプチドの例示的で機能的に均等な変異体は、配列番号:4ま たは6の保存的なアミノ酸置換を含む。アミノ酸の保存的な置換は、以下の群内 でのアミノ酸間でなされる置換を含む:(a)M、I、L、V;(b)F、Y、W; (c)K、R、H;(d)A、G;(e)S、T;(f)Q、N;および(g)E、D。 Smad7ポリペプチドの機能的に均等な変異体を生成するためのSmad7ポリペプチ ドのアミノ酸配列における保存的なアミノ酸置換は、典型的には、Smad7ポリペ プチドをコードする核酸(配列番号:3および5)の変化によってなされる。こ のような置換は、当業者に公知の多様な方法によってなされ得る。例えば、アミ ノ酸置換は、Kunkel(Kunkel、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.82:488-492、198 5)の方法によるPCR特異的変異、部位特異的変異誘発によって、またはSmad7ポ リペプチドをコードする遺伝子の化学合成によって、なされ得る。アミノ酸置換 が、Smad7ポリペプチドの小さなユニークフラグメント(TβR-I結合部位ペプチ ド)になされる場合、置換は、ペプチドを直接的に合成することによって、なさ れ得る。Smad7ポリペプチドの機能的に均等なフラグメントの活性は、変化され たSmad7ポリペプチドをコードする遺伝子を、細菌または哺乳動物発現ベクター にクローニングし、適切な宿主にベクターを導入し、変化されたSmad7ポリペプ チドを発現し、および本明細書中に開示されるようなSmad7ポリペプチドの機能 的な能力について試験することによって、試験され得る。化学的に合成されるペ プチドは、機能について(例えば、TβR-I、ActR-IB、および/またはBMPR-IBへの 結合について)、直接的に試験され得る。 本明細書中に記載されるように、本発明は多くの使用を有し、そのうちのいく つかは、本明細書中の他の箇所に記載される。本発明は、Smad7タンパク分子( 配列番号:4および6)の単離を許容する。当業者に周知の多様な方法論は、単 離されたSmad7分子を得るために利用され得る。ポリペプチドは、クロマトグラ フィー手段または免疫学的認識によって、ポリペプチドを天然に生成する細胞か ら精製され得る。あるいは、発現ベクターは、ポリペプチドの生成を引き起こす ために細胞に導入され得る。別の方法において、mRNA転写産物は、コードされる ポリペプチドの生成を引き起こすために、細胞にマイクロインジェクションされ 得 るか、または他の方法で、導入され得る。網状赤血球溶解物系のような無細胞抽 出物におけるmRNAの翻訳はまた、ポリペプチドを生成するために使用され得る。 当業者はまた、Smad7ポリペプチドを単離するために、公知の方法に容易に従い 得る。これらとしては、免疫クロマトグラフィー、HPLC、サイズ排除クロマトグ ラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、および免疫アフィニティークロマト グラフィーが挙げられるが、これらに制限されない。 Smad7遺伝子の単離はまた、当業者が、Smad7の発現によって特徴付けられる異 常を診断することを可能にする。これらの方法は、Smad7遺伝子および/または それに由来するSmad7ポリペプチドの発現を決定する工程を包含する。前者の状 況において、このような決定は、任意の標準的な核酸決定アッセイ(以下の実施 例において例示されるようなポリメラーゼ連鎖反応、または標識化ハイブリダイ ゼーションプローブでのアッセイを含む)を介して、行われ得る。 本発明はまた、TβR-I、ActR-IB、およびBMPR-IBのようなタンパクを、本明細 書中に開示されるようにSmad7に対するこのようなタンパクの結合によって、単 離することを可能にする。この結合の同定はまた、当業者が、他のタンパク(例 えば、TβR-I)へのSmad7の結合をブロックすること、ならびにTβR-Iレセプタ ーへの他のSmad(例えば、Smad2またはSmad3)の結合をブロックすることを許容 する。タンパクの結合は、結合をブロックするのに十分な量において、Smad7 T βR-I結合部位を含むポリペプチドを、タンパクが結合する生物学的な系(例え ば細胞)に導入することによって、達成され得る。Smad7におけるTβR-Iドメイ ン結合部位の同定はまた、当業者が、標準的なDNA技術を使用して、TβR-T、Act R-IB、およびBMPR-IBのようなタンパクに結合し得る、修飾されたタンパクを調 製することを可能にする。例えば、あるタンパクを、TGF−βレセプター複合体 に対して標的することが所望される場合、タンパクとSmad7 TβR-I結合部位との 融合ポリペプチドを作製し得る。他の利用についても本明細書中でさらに記載す る。 本発明はさらに、細胞におけるTGF-βファミリーシグナルトランスダクション を減少または増加するための方法を提供する。このような方法は、TGF-βシグナ ルトランスダクションを変化するために、例えば、異常なTGF-βシグナルトラン スダクションをブロックする、または欠乏したTGF-βシグナルトランスダクショ ンを増加する可能性について化合物を試験する、インビトロで有用である。イン ビボで、このような方法は、増殖を調節するために、例えば、ガンおよび線維症 を治療するために有用である。例えば、細胞においてドミナントネガティブなSm ad7ポリペプチドまたはSmad7アンチセンスオリゴヌクレオチドを導入することに よって、細胞におけるTGF-βシグナルトランスダクションを増加することは、TG F-βシグナルトランスダクションの推定のインヒビターの効果を試験するための モデル系を提供するために使用され得る。このような方法はまた、過剰なまたは 欠乏性のTGF-βシグナルトランスダクションから生じる状態の治療において有用 である。TGF-βシグナルトランスダクションは、当業者に周知の多様な方法(例 えば、実施例に記載されるレポーター系)によって測定され得る。Smad7活性の 種々の調節体は、本明細書中に開示される方法を使用して、TGF-βシグナル伝達 に対する効果についてスクリーニングされ得る。当業者は先ず、Smad7活性(例 えば、TGF-βシグナル伝達活性)の調節を決定し得、次いで、標的細胞または対 象に、このような調節体を適用して標的細胞または対象に対する効果を評価し得 る。例えば、ガンの治療に有用なSmad7の調節体をスクリーニングする場合、培 養中の細胞が、Smad7の調節体と接触され、そして細胞の増殖または病巣形成の 増加または減少が、標準的な手順に従って決定され得る。Smad7活性調節体は、 多くの細胞型において類似の方法によって、他のTGF-βシグナル伝達の下流効果 に対するそれらの効果について評価され得る。上述の調節体はまた、アクチビン およびBMP複合体を介するシグナル伝達に適用される。 本発明はまた、ある態様において、配列番号:4および/または6に由来する 「ドミナントネガティブな」ポリペプチドを提供する。ドミナントネガティブな ポリペプチドは、タンパクの不活性な変異体であり、これは、細胞機構との相互 作用によって、細胞機構との相互作用からその活性なタンパクを置換えるか、ま たは活性タンパクと競合し、それによって活性なタンパクの効果を減少する。例 えば、リガンドを結合するが、リガンドの結合に応答してシグナルを伝達しない ドミナントネガティブなレセプターは、リガンドの発現の生物学的な効果を減少 し得る。同様に、標的タンパクと通常相互作用するが、標的タンパクをリン酸化 しないドミナントネガティブな触媒的に不活性なキナーゼは、細胞性のシグナル に応答する標的タンパクのリン酸化を減少し得る。同様に、遺伝子の制御領域に おけるプロモーター部位に結合するが、遺伝子転写を増加しないドミナントネガ ティブな転写因子は、転写を増加することなく、プロモーター結合部位を占有す ることによって、通常の転写因子の効果を減少し得る。 細胞におけるドミナントネガティブなポリペプチドの発現の最終結果は、活性 なタンパクの機能の減少である。当業者は、タンパクのドミナントネガティブな 変異体についての能力を評価でき、標準的な変異誘発技術を使用して、1又は2 以上のドミナントネガティブな変異体ポリペプチドを作製し得る。例えば、Smad 7ポリペプチドの本明細書中に含まれる技術を考慮して、当業者は、部位特異的 変異誘発、変異誘発の探知、部分的な遺伝子欠失、または短縮などによってSmad 7ポリペプチドの配列を修飾し得る。例えば、米国特許第5,580,723号、およびSa mbrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Har bor Laboratory Press、1989を参照されたい。次いで、当業者は、選択された活 性の減少(例えば、Smad7のTGF-βシグナル伝達活性の減少)について、および /またはこのような活性の保持について、変異誘発ポリペプチドの集団を試験し 得る。タンパクのドミナントネガティブな変異体を作製および試験するための他 の類似の方法は、当業者に明白である。 ドミナントネガティブなSmadタンパクは、TβR-I、アクチビンレセプター、ま たはBMPレセプター結合部位の部分は、それぞれ、TGF-β、アクチビン、またはB MPレセプター複合体とのSmad7の相互作用を減少または排除するために変異また は欠失されている変異体を含む。他の例は、Smad2および/またはSmad3のリン酸 化を阻害する能力が減少されるSmad7変異体を含む。当業者は、C末端ドメイン において(例えば、MH2ドメインにおいて)、またはN末端ドメインにおいて(例え ば、グリシン/グルタミン酸残基リッチ領域において)、変異または欠失を保有 するSmad7変異体を容易に作成および試験し得る。 本発明はまた、薬剤(例えば、Smad7ポリペプチドに、およびSmad7ポリペプチ ドと結合パートナー(例えば、TβR-I、ActR-IB、およびBMPR-IB)との複合体に 、結合するポリペプチド)を含む。このような結合剤は、例えば、Smad7ポリ ペプチド、およびSmad7ポリペプチドとその結合パートナーとの複合体の存在ま たは不在を検出するためのスクリーニングアッセイにおいて、ならびにSmad7ポ リペプチド、およびSmad7ポリペプチドとその結合パートナーとの複合体を単離 するための精製プロトコルにおいて、使用され得る。このような薬剤はまた、Sm ad7ポリペプチドまたはその結合パートナーのネイティブな活性を、例えば、こ のようなポリペプチド、またはそれらの結合パートナーもしくはその両方に結合 することよって、阻害するために使用され得る。 それゆえ、本発明は、例えば、Smad7ポリペプチドに選択的に結合する能力を 有する抗体または抗体のフラグメントであり得るペプチド結合剤に関する。抗体 は、従来の方法論に従って作製される、ポリクローナル抗体およびモノクローナ ル抗体を含む。 有意に、当該分野において周知であるように、抗体分子の小部分の、パラトー プのみが、そのエピトープに対する抗体の結合に関与する(例えば、一般に、Cla rk、W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons,Inc.、New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology、第7版 、Blackwell Scientific Publications、Oxfordを参照されたい)。pFc'およびFc 領域は、例えば、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合に関与しな い。pFc'領域が、酵素学的に切断されたか、またはpFc'領域を伴わずに生成され た抗体は、F(ab')2フラグメントと称され、インタクトな抗体の抗原結合部位の 両方を保持する。同様に、Fc領域が酵素学的に切断されたか、またはFc領域を伴 わずに生成された抗体は、Fabフラグメントと称され、インタクトな抗体分子の 抗原結合部位の1つを保持する。さらに進めて、Fabフラグメントは、共有結合 される抗体L鎖と、Fdと記される抗体H鎖の部分からなる。Fdフラグメントは、抗 体特異性の主要な決定基であり(単一のFdフラグメントは、抗体特異性を変化す ることなく、10個までの異なるL鎖と会合され得る)、およびFdフラグメントは 、単離におけるエピトープ結合能力を保持する。 抗体の抗原結合部分内で、当該分野において周知であるように、相補性決定領 域(CDR)(これは、抗原のエピトープと直接的に相互作用する)、およびフレー ムワーク領域(FR)(これは、パラトープの三次構造を維持する)が存在する(一 般 には、Clark、1986;Roitt、1991を参照されたい)。IgG免疫グロブリンのH鎖Fd フラグメントおよびL鎖の両方において、3つの相補性決定領域(CDR1からCDR3) によってそれぞれ分けられる、4つのフレームワーク領域(FR1からFR4)が存在 する。CDRは、詳細にはCDR3領域は、およびより詳細には、H鎖CDR3は、主に、抗 体特異性を担う。 哺乳動物抗体の非CDR領域は、元来の抗体のエピトープ特異性を保持しながら 、同種特異的または異種特異的な抗体の類似の領域で置換えられ得ることが当該 技術で確立されている。これは、機能的な抗体を生成するために、非ヒトCDRが ヒトFRおよび/またはFc/pFc'領域に共有結合的に接合される「ヒト化」抗体の 開発および使用において、最も明らかに示される。従って、例えば、PCT国際特 許公開公報第WO 92/04381は、マウスFR領域の少なくとも部分が、ヒト起源のFR 領域によって置換えられているヒト化マウスRSV抗体の生成および使用を教示す る。このような抗体は、抗体結合能力を有するインタクトな抗体のフラグメント を含み、通常、「キメラ」抗体と呼ばれる。 従って、当業者に明らかであるように、本発明はまた、F(ab')2、Fab、Fv、お よびFdフラグメント;Fcおよび/またはFRおよび/またはCDR1および/またはCD R2および/またはL鎖CDR3領域が、相同なヒトまたは非ヒト配列によって置換え られているキメラ抗体;FRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/また はL鎖CDR3領域が、相同なヒトまたは非ヒト配列によって置換えられているキメ ラF(ab')2フラグメント抗体;FRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/ またはL鎖CDR3領域が、相同なヒトまたは非ヒト配列によって置換えられている キメラFabフラグメント抗体;ならびにFRおよび/またはCDR1および/またはCDR 2領域が、相同なヒトまたは非ヒト配列によって置換えられているキメラFdフラ グメント抗体に対して提供する。本発明はいわゆる単鎖抗体をも含む。 従って、本発明は、Smad7ポリペプチド、およびSmad7ポリペプチドと、それら の結合パートナーとの両方の複合体に特異的に結合する、多数のサイズおよび型 のポリペプチドを含む。これらのポリペプチドはまた、抗体技術以外の供給源に 由来し得る。例えば、このようなポリペプチド結合剤は、溶液中に、固定化形態 において、またはファージディスプレイライブラリーとして容易に作成され得 る変性ペプチドライブラリーによって提供され得る。コンビナトリアルライブラ リーがまた、1つ以上のアミノ酸を含有するペプチドから合成され得る。ライブ ラリーはさらに、ペプチドおよび非ペプチド合成部分から合成され得る。 ファージディスプレイは、本発明に従って有用な結合ペプチドを同定するにお いて特に有効であり得る。要するに、従来の手順を使用して4〜約80個のアミノ 酸残基のインサートを提示するファージライブラリー(例えば、m13、fd、また はλファージを使用して)を作製する。インサートは、例えば、完全に変性のま たは偏向されるアレイを示す。次いで、Smad7ポリペプチドに結合するインサー トを保有するファージを選択し得る。このプロセスは、Smad7ポリペプチドに結 合するファージの、数サイクルの再選択をを介して反復され得る。反復すること により、特定の配列を保有するファージの富化となる。DNA配列分析が、発現さ れるポリペプチドの配列を同定するために行われ得る。Smad7ポリペプチドに結 合する配列の最小線状部分が、決定され得る。最小線状の一部または全体及びそ の上流または下流の1又は2以上のさらなる変性残基を含有するインサートを含 む、偏向化ライブラリーを使用してこの手順を反復し得る。酵母ツーハイブリッ ドスクリーニング法はまた、Smad7ポリペプチドに結合するポリペプチドを同定 するために使用され得る。従って、本発明のSmad7ポリペプチド、またはそのフ ラグメントは、ペプチドライブラリー(ファージディスプレイライブラリーを含 む)をスクリーニングするために、本発明のSmad7ポリペプチドのペプチド結合 パートナーを同定および選択するために、使用され得る。このような分子は、記 載されるように、スクリーニングアッセイのために、精製プロトコルのために、 Smad7の機能化を直接的に妨げるために、および当業者に明らかである他の目的 のために、使用され得る。 Smad7ポリペプチド、またはそのフラグメントはまた、それらのネイティブな 結合パートナー(例えば、TGF-β、アクチビン、またはBMPレセプター複合体を 含む)を単離するために使用され得る。このような結合パートナーの単離は、周 知の方法に従って行われ得る。例えば、単離されたSmad7ポリペプチドは、基質 (例えば、ポリスチレンビーズのようなクロマトグラフィー媒体、またはフィル ター)に付着され得、次いでTGF-βレセプター複合体を含むことが予測される溶 液は、基質に適応され得る。Smad7ポリペプチドと相互作用し得るTGF-βレセプ ター複合体が、溶液中に存在する場合、これは、基質結合化Smad7ポリペプチド に結合する。次いで、TGF-βレセプター複合体が、単離され得る。Smad7につい ての結合パートナーである他のタンパク(例えば、他のSmad、アクチビンレセプ ター複合体、およびBMPレセプター複合体)は、過度の実験を伴わないで、類似 の方法によって単離され得る。 本発明は、発現ベクター、ならびにトランスフェクト宿主細胞およびセルライ ン(原核生物(例えば、E.coli)、または真核生物(例えば、CHO細胞、COS細胞、 酵母発現系、および昆虫細胞における組換えバキュロウイルス発現)におけるSm ad7 cDNA配列の使用に関する。特に有用なものは、哺乳動物細胞(例えば、ヒト 、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギ、霊長類など)である。これらは、広範に多 様な組織型であり、一次細胞およびセルラインを含む。特定の例としては、ケラ チノサイト、抹消血白血球、骨髄幹細胞、胚幹細胞を含む。発現ベクターは、適 切な配列(すなわち、前出に記載されるそれらの核酸)が、プロモーターに作動 可能に連結されることを必要とする。 本発明はまた、トランスジェニック非ヒト動物に関する。本明細書中で使用さ れる、「トランスジェニック非ヒト動物」とは、生殖系列細胞および/または体 細胞に組込まれる1又は2以上の外来性核酸分子を有する非ヒト動物を含む。従 って、トランスジェニック動物は、相同組換えによるホモ接合体もしくはヘテロ 接合体破壊を有する「ノックアウト」動物、エピソームにもしくは染色体に組込 まれる発現ベクターを有する動物などを含む。ノックアウト動物は、当該技術に おいて周知であるように、胚幹細胞を使用して相同組換えによって作製され得る 。組換えは、cre/lox系、または当業者に公知の他のリコンビナーゼ系によって 促進され得る。ある態様では、リコンビナーゼ系自身は、例えば、ある組織また は細胞型において、ある胚または胚後の発生段階で、条件的に発現を増加または 減少する化合物の添加によって、誘導的に発現される。一般に、このような系に おいて使用される条件的発現ベクターは、所望の遺伝子発現パターン(一時的ま たは局所的)を付与する多様なプロモーターを使用する。条件的なプロモーター はまた、調節されたまたは条件的な様式において、Smad7の発現を増加するため に、 Smad7核酸分子に作動可能に連結され得る。Smad7活性または発現のトランスアク ティングネガティブレギュレーターはまた、上記のように、条件的なプロモータ ーに作動可能に連結され得る。このようなトランスアクティングレギュレーター としては、アンチセンスSmad7核酸分子、ドミナントネガティブなSmad7分子をコ ードする核酸、Smad7核酸に特異的なリボザイム分子などが挙げられる。トラン スジェニック非ヒト動物は、Smad7の発現の増減によって特徴付けられる症状の 診断法および治療薬の、生化学的なまたは生理学的な効果を試験する実験におい て有用である。他の使用は、当業者に明らかである。 本発明はまた、遺伝子治療を意図する。エクスビボ遺伝子治療を行うための手 順は、米国特許第5,399,346号において、およびこの特許の経緯において提出さ れた証拠文書において(これらの全ては、公式に利用可能な書類である)、概説さ れる。要するに、これは、遺伝子の欠陥コピーを含む対象の細胞に、遺伝子の機 能的なコピーをインビトロで導入すること、および対象に遺伝子操作された細胞 を戻すことを含む。遺伝子の機能的なコピーは、遺伝子操作された細胞における 遺伝子の発現を許容する調節エレメントの作動可能な制御下にある。多数のトラ ンスフェクションおよび形質導入技術、ならびに適切な発現ベクターが、当業者 に周知であり、そのいくつかは、PCT出願WO95/00654に記載されている。アデノ ウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルスのようなベクター、および標的化 リポソームを使用するインビボ遺伝子治療がまた、本発明により意図される。 本発明はさらに、Smad7またはSmad7フラグメントの調節可能な細胞機能のレベ ルで活性な、薬理学的薬剤または薬剤についてのリード化合物を同定する、効率 的な方法を提供する。特に、このような機能は、TGF-β、アクチビンおよび/ま たはBMPシグナルトランスダクションおよびTGF-β、アクチビンおよび/またはB MPレセプター−Smad7タンパク複合体の形成を含む。一般に、スクリーニング法 は、TGF-βレセプター-Smad7結合のような、Smad7活性を妨げる化合物について アッセイする工程を包含するが、Smad7活性を増強する化合物はまた、スクリー ニング法を使用してアッセイされ得る。このような方法は、化合物の自動化され た、高処理量のスクリーニングに適合可能である。スクリーニング法によって検 出される薬理学的薬剤についての標的治療指標は、標的細胞機能が、Smad7 ポリペプチドまたはそのフラグメントと、1つ以上の天然のSmad7細胞内結合標 的(例えば、TGF-βレセプター)とを含有する複合体の形成の変化による調節に 供される点においてのみ制限される。標的指標は、レセプター-リガンド結合後 の、TGF-β、アクチビンおよび/またはBMPシグナルトランスダクションによっ て調節される細胞プロセスを含む。 薬理学的薬剤についての広範に多様なアッセイが提供され、標識化インビトロ タンパク−タンパク結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、イムノアッ セイ、細胞ベースのアッセイ(例えば、ツー-またはスリー-ハイブリッドスクリ ーニング)、発現アッセイなどを含む。例えば、スリー-ハイブリッドスクリーニ ングは、特異的な細胞内標的へのSmad7またはSmad7フラグメントの細胞内結合に 対するトランスフェクトされた核酸分子の効果を迅速に実験するために使用され る。トランスフェクトされた核酸は、例えば、コンビナトリアルペプチドライブ ラリーまたはアンチセンス部分をコードし得る。このようなアッセイについての 従来の薬剤、例えばGAL4融合タンパクは、当該分野において周知である。例示的 な細胞ベースのアッセイは、GAL4 DNA結合ドメインに融合されるSmad7をコード する核酸、およびVP16のような転写活性化ドメインに融合されるSmad7と相互作 用するTGF-βレセプタードメインをコードする核酸で、細胞をトランスフェクト する工程を包含する。細胞はまた、遺伝子発現調節領域(例えば、1つ以上のGA L4結合部位)に作動可能に連結されたレポーター遺伝子を含む。レポーター遺伝 子転写の活性化は、GAL 4DNA結合ドメインおよびV16転写活性化ドメインが、近 位になり、レポーター遺伝子の転写を可能にするように、Smad7およびTGF-βレ セプター融合ポリペプチドが、結合する場合に生じる。次いで、Smad7ポリペプ チド仲介性の細胞機能を調節する薬剤が、レポーター遺伝子の発現の変化を介し て検出される。レポーター遺伝子の発現の変化を決定するための方法は、当該技 術において公知である。 この方法で使用されるSmad7フラグメントは、トランスフェクトされた核酸に よって生成されない場合、単離されたポリペプチドとしてアッセイ混合物に添加 される。Smad7ポリペプチドは、好ましくは、組換え的に生成されるが、このよ うなポリペプチドは、生物学的抽出物から単離され得る。組換え的に生成される Smad7ポリペプチドは、Smad7タンパクと他のポリペプチド(例えば、タンパク− タンパク結合、配列特異的核酸結合を提供もしくは増強し得る(例えば、GAL4)、 アッセイ条件下でのSmad7ポリペプチドの安定性を増強し得る、または検出可能 な部分(例えば、以下の実施例において提供されるような、緑色蛍光タンパクま たはFlagエピトープ)を提供し得るポリペプチド)との融合物を含むキメラタン パクを含む。 アッセイ混合物は、Smad7と相互作用し得るTGF-βレセプターまたはそのフラ グメントのような、天然の細胞内Smad7結合標的から構成される。天然のSmad7結 合標的が使用され得るが、Smad7結合標的の部分(例えば、ペプチドもしくは核 酸フラグメント)またはアナログ(すなわち、アッセイの目的のために天然の結 合標的のSmad7結合特性を模倣する薬剤)を、この部分またはアナログが、アッ セイにおいて測定可能な、Smad7フラグメントに対する結合親和性および結合活 性を提供する限り、使用することが非常に好ましい。 アッセイ混合物はまた、候補薬理学的薬剤を含む。典型的には、複数のアッセ イ混合物が、種々の濃度に対する異なる応答を得るために、異なる薬剤濃度を用 いて、平行してアッセイされる。典型的には、これらの濃度のうちの1つが、ネ ガティブなコントロールとして(すなわち、薬剤の0濃度で、またはアッセイ検 出の限界を下回る薬剤の濃度で)、作用する。候補薬剤は、多数の化学クラスを 含むが典型的には、これらは有機化合物である。好ましくは、候補薬理学的薬剤 は、小有機化合物(すなわち、50を超えて、約2500未満の、好ましくは、約1000 未満の、およびより好ましくは、約500未満の分子量を有する化合物)である。 候補薬剤は、ポリペプチドおよび/または核酸との構造学的な相互作用に必要な 官能基を含み、典型的には、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル、ま たはカルボキシ基、好ましくは、少なくとも2つの官能基および好ましくは少な くとも3つの官能基を含む。候補薬剤は、環式炭素もしくはヘテロ環式炭素、お よび/または芳香族もしくは1又は2以上の上記の官能基で置換された多芳香族 構造を含み得る。候補薬剤また、ペプチド、糖、脂肪酸、ステロール、イソプレ ノイド、プリン、ピリミジン、上述の誘導体もしくは構造学的なアナログ、また はそれらの組合わせなどのような生体分子であり得る。薬剤が核酸である場合、 薬 剤は、典型的には、DNAまたはRNA分子であるが、本明細書中で規定されるように 、修飾された核酸がまた意図される。 候補薬剤は、合成または天然の化合物のライブラリーを含む広範に多様な供給 源から得られる。例えば、多数の手段が、広範に多様な有機化合物および生体分 子のランダムなおよび指向性の合成のために利用可能であり、ランダム化オリゴ ヌクレオチド、合成有機コンビナトリアルライブラリー、ランダムなペプチドの ファージディスプレイライブラリーなどの発現を含む。あるいは細菌、真菌、植 物、および動物抽出物の形態における天然の化合物のライブラリーが利用可能で あるか、または容易に作成される。さらに、天然の、および合成的に作製された ライブラリーおよび化合物は、従来の化学的、物理学的、および生化学的手段を 介して容易に修飾され得る。さらに、公知の薬理学的薬剤は、薬剤の構造学的ア ナログを作製するために、指向性またはランダムな化学修飾(例えばアシル化、 アルキル化、エステル化、アミド化(amidification)など)に供され得る。 多様な他の薬剤がまた、混合物中に含まれ得る。これらとしては、薬剤(例え ば、塩、緩衝液、中性タンパク(例えば、アルブミン)、洗浄剤など)が挙げられ 、至適なタンパク−タンパクおよび/またはタンパク−核酸結合を促進するため に使用され得る。このような薬剤はまた、薬剤成分の非特異的なまたはバックグ ラウンド相互作用を減少し得る。アッセイの効力を改善し得る他の薬剤(例えば 、プロテアーゼ、インヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、殺菌剤など)がま た、使用され得る。 上述のアッセイ材料の混合物は、候補薬理学的薬剤の存在がなければ、Smad7 ポリペプチドが、細胞結合標的、その部分、またはそのアナログを特異的に結合 する条件下で、インキュベートされる。成分の添加の順番、インキュベーション 温度、インキュベーションの時間、およびアッセイの他のパラメーターは、容易 に決定され得る。このような実験は、アッセイのパラメーターの至適化を含むの みで、アッセイの基本的な組成は含まない。典型的に、インキュベーション温度 は、4℃と40℃との間である。インキュベーション時間は、好ましくは、迅速で 、高処理量のスクリーニングを促進するために最小化され、典型的には、0.1か ら10時間の間である。 インキュベーション後、Smad7ポリペプチドと、1又は2以上の結合標的との 特異的な結合の存在または不在が、使用者に利用可能な任意の簡便な方法によっ て検出される。無細胞結合型アッセイについて、分離工程がしばしば、未結合の 成分から結合成分を分離するために使用される。分離工程は、多様な方法によっ て達成され得る。簡便には、少なくとも1つの成分が、固相基質上に固定化され 、そこから未結合の成分が容易に分離され得る。固相基質は、広範に多様な材料 から、広範に多様な形状(例えば、マイクロタイタープレート、マイクロビーズ 、ディップスティック、樹脂、粒子など)において、作製され得る。好ましくは 、基質は、最大のシグナル対ノイズの比率に対して、主にバックグラウンド結合 を最小にするために、ならびに分離および費用の容易さについて、選択される。 分離は、例えば、貯留槽からのビーズまたはディスクチップの除去によって、 マイクロタイタープレートウェルのような貯留槽を、空にするか、または希釈す ることによって、ビーズ、粒子、クロマトグラフィーカラム、またはフィルター を、洗浄溶液または溶媒でリンスすることによって、達成され得る。分離工程は 、好ましくは、複数のリンスおよび洗浄を含む。例えば、固体基質がマイクロタ ータープレートである場合、ウェルは、洗浄溶液で数回洗浄され得、洗浄溶液は 、典型的に特異的な結合において関わらないインキュベーション混合物の成分( 例えば、塩、緩衝液、洗浄剤、非特異的タンパクなど)を含む。固体基質が磁性 ビーズである場合、ビーズは、洗浄溶液で1回以上洗浄され、そして磁石を使用 して単離され得る。 検出は、細胞ベースのアッセイ(例えば、ツー−またはスリー−ハイブリッド スクリーニング)についての多くの簡便な方法において達成され得る。標的分子 と相互作用するSmad7ポリペプチドのレポーター遺伝子転写アッセイから生じる 転写物は、典型的には検出可能な産物(例えば、β-ガラクトシダーゼ活性、ル シフェラーゼ活性など)を直接的または間接的にコードする。無細胞結合アッセ イについて、成分の1つは、通常、検出可能な標識を含むか、またはこれに結合 される。直接的な検出(例えば、放射能、ルミネッセンス、光学密度、もしくは 電子密度など)、または間接的な検出(例えば、FLAGエピトープのようなエピト ープタグ、西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素タグなど)を提供する標識 の ような、広範に多様な標識が使用され得る。標識は、Smad7結合パートナーに結 合され得るか、または結合パートナーの構造に組込まれ得る。 多様な方法が、標識を検出するために使用され得るが、標識および他のアッセ イ成分の性質に依存する。例えば、標識は、固相基質に結合したままで、または 続いて固相基質から分離されて、検出され得る。標識は、光学密度もしくは電子 密度、放射性発光、非放射性エネルギー伝達などを介して直接的に検出され得る か、または抗体結合体、ストレプトアビジン−ビオチン結合体などで間接的に検 出され得る。標識を検出するための方法は、当該技術において周知である。 本発明は、Smad7特異的結合剤、このような薬剤を同定および作製する方法、 ならびに診断、治療、および医薬的な開発におけるそれらの使用を提供する。例 えば、Smad7特異的薬理学的薬剤は、多様な診断および治療の用途、特に疾病ま たは疾病の予後が、Smad7に関わる経路(例えば、Smad2またはSmad3のTGF-β誘 導性のリン酸化、TGF-βレセプター−Smad7複合体形成、アクチビンまたはBMPシ グナルトランスダクションなど)の不正確な利用と関連する場合において有用で ある。新規なSmad7特異的結合剤は、Smad7特異的抗体、およびツーハイブリッド スクリーニングのようなアッセイで同定される他の天然の細胞内結合剤、および 化学ライブラリーのスクリーニングにおいて同定される非天然の細胞内結合剤な どを含む。 一般に、結合剤に結合するSmad7の特異性は、結合平衡定数によって示される 。Smad7ポリペプチドを選択的に結合し得る標的は、好ましくは、少なくとも約1 07M-1、より好ましくは、少なくとも約108M-1、および最も好ましくは少なくと も約109M-1の結合平衡定数を有する。広範に多様な細胞ベースのアッセイおよび 無細胞アッセイは、Smad7特異的結合を実証するために使用され得る。細胞ベー スのアッセイは、ワン、ツー、およびスリーハイブリッドスクリーニング、Smad 7仲介性の転写が阻害されるかまたは増加されるアッセイなどを含む。無細胞ア ッセイは、Smad7-タンパク結合アッセイ、イムノアッセイなどを含む。Smad7ポ リペプチドを結合する薬剤をスクリーニングするために有用な他のアッセイは、 蛍光共鳴エネルギー達(FRET)、および電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を 含む。 種々の技術が、本発明の核酸を、細胞に導入するために用いられ得るが、核酸 が宿主においてインビトロでまたはインビボで導入されるのかに依存する。この ような技術は、核酸−CaPO4沈殿のトラスフェクション、DEAEと会合される核酸 のトランスフェクション、目的の核酸を含むレトロウイルスでのトランスフェク ション、リポソーム仲介性のトランスフェクションなどを含む。いくつかの使用 では、特定の細胞に核酸を標的することが好ましい。このような例において、本 発明の核酸を細胞に送達するために使用されるビヒクル(例えば、レトロウイル ス、または他のウイルス;リポソーム)は、それに付着される標的化分子を有し 得る。例えば、標的細胞における表面膜タンパクに特異的な抗体、または標的細 胞におけるレセプターについてのリガンドのような分子はまた、核酸送達ビヒク ルに結合され得るか、またはベヒクル内に取込まれ得る。例えば、リポソームが 、本発明の核酸を送達するために用いられる場合、エンドサイトーシスと関連す る表面膜タンパクに結合するタンパクは、標的化のためにおよび/または取込み を促進するために、リポソーム処方物中に組込まれ得る。このようなタンパクは 、特定の細胞型について指向性があるカプシドタンパクまたはそのフラグメント 、周期的に内在化されるタンパクについての抗体、細胞内局在化を標的し、およ び細胞内半減期を増強するタンパクなどを含む。ポリマー送達系はまた、当業者 によって知られるように、核酸を細胞に送達するために成功裡に使用されてきた 。このような系は、核酸の経口送達さえも許容する。 投与時には、本発明の治療的組成物は、医薬的に許容される製剤で投与される 。このような製剤は、通常、医薬的に許容される濃度の塩、緩衝化剤、保存剤、 適合性担体、補充的な免疫増強剤(例えば、アジュバントおよびサイトカイン) 、ならびに必要に応じて、他の治療的薬剤を含み得る。 本発明の治療薬は、注射を含む任意の慣用の経路によって、または経時的な徐 々の注入によって、投与され得る。投与は、例えば、経口、静脈内、腹腔内、筋 肉内、腔内、皮下、または経皮的であり得る。抗体が治療学的に使用される場合 、投与の好ましい経路は、肺エアロゾルによってである。抗体を含有するエアロ ゾル送達システムを製造するための技術は、当業者に周知である。一般的には、 このようなシステムは、抗体の生物学的な特性(例えば、パラトープ結合能力) を 有意に損なわない成分を利用するべきである(例えば、SciarraおよびCutie、「エ アロゾル」、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、1990、1694−1712 を参照されたい;引用により取り込まれる)。当業者は容易に、過度の実験に頼 ることなく、抗体エアロゾルを製造するための、種々のパラメーターおよび条件 を決定し得る。本発明のアンチセンス製剤を使用する場合、ゆっくりとした静脈 内投与が好ましい。 本発明の成分は、有効な量において投与され得る。「有効な量」とは、組成物 が、単独でまたはさらなる用量とともに、所望の応答を生成する(例えば、特異 的なレセプターへの、TGF-β、アクチビン、BMP、および/またはVgI(Vgr-1) の結合から生じるシグナル伝達を有利に変化する)、組成物の量である。特定の 疾病(例えばガン)を治療する場合において、所望の応答は、疾病の進行を阻害す ることである。これは疾病の進行を一時的に遅延することのみに関わるが、より 好ましくはこれは、疾病の進行を永久に停止することを含む。これは、慣用の方 法によってモニターされ得るか、または本明細書中に考察される本発明の診断方 法によりモニターされ得る。 このような量は、もちろん、治療されるものの特定の症状、症状の重篤度、個 々の患者のパラメーター(年齢、内科的状態、サイズ、および体重を含む)、治療 の持続時間、同時治療の性質(もしあれば)、投与の特定の経路、ならびに医師の 知見および専門的知識内のそれに類する要因に依存する。これらの要因は、当業 者に周知であり、および日常的な条件のみで提供される。最大用量の個々の成分 またはその組み合わせ、すなわち、適切な医学的判断に従う最も高い安全用量が 使用されることが一般に好ましい。しかし、患者は、医学的な理由のために、心 理的な理由のために、または実質的に任意の他の理由のために、より低い用量ま たは耐性用量を強く主張し得ることが、当業者によって理解される。 上述の方法において使用される医薬組成物は、好ましくは、滅菌され、および 患者への投与に適切な重量または容量の単位において、所望の応答を引き起こす ために、Smad7またはSmad7をコードする核酸の有効な容量を含む。応答は、例え ば、本明細書中に記載されるようにレポーターを介してSmad7組成物によって増 強または阻害されるシグナルトランスダクションを決定することによって、 遺伝子発現のような下流の効果を測定することによって、または腫瘍の退行もし くは疾病症状の低減のようなSmad7組成物の生理学的効果を測定することによっ て、測定され得る。同様に、アンチセンスSmad6およびSmad7の効果は、アンチセ ンス組成物が添加される細胞における個々の遺伝子の発現を測定することによっ て、容易に決定され得る。他のアッセイは、当業者に公知であり、および応答の レベルを測定するために用いられ得る。 対象に投与されるSmad7ポリペプチドまたは核酸の用量は、異なるパラメータ ーに従って、特に使用される投与の態様および対象の症状により、選択され得る 。他の要因は、治療の所望の期間を含む。対象における応答が、適用された最初 の用量で不十分である場合に、より高い用量(または異なる、より局在化される 送達経路による効率的なより高い用量)が、患者の耐性を許容する程度に用いら れ得る。 一般に、Smad7の用量は、当該技術における任意の標準的な手順に従って、1n gと1mgとの間、好ましくは10ngと100μgとの間の用量において、処方および投 与される。Smad7またはその変異体をコードする核酸分子が用いられる場合には 、1ngと0.1mgとの間の用量が、標準的な手順に従って処方および投与される。Sm ad7組成物の投与のための他のプロトコルは、当業者に公知であり、用量、注射 のスケジュール、注射の部位、投与の態様(例えば、腫瘍内)などは、上述から 変化する。例えば、試験する目的または獣医学の治療的な目的のための、ヒト以 外の哺乳動物へのSmad7組成物の投与は、上述と実質的に同じ条件下で行われ得 る。 投与される場合、本発明の医薬製剤は、医薬的に許容される量において、およ び医薬的に許容される組成物中で、適用される。用語「医薬的に許容される」と は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性の材料を意味する。この ような製剤は、日常的に、塩、緩衝化剤、保存剤、適合性の担体、および必要に 応じて他の治療的薬剤を含み得る。医薬において使用される場合、塩は、医薬的 に許容されるべきであるが、医薬的に許容可能でない塩が、その医薬的に許容さ れる塩を調製するために簡便に使用され、本発明の範囲から除外されない。この ような薬理学的におよび医薬的に許容される塩としては、以下の酸:塩酸、臭酸 、 硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン 酸、コハク酸などから調製される塩が挙げられるが、これらに制限されない。ま た、医薬的に許容される塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類の塩(例えば、 ナトリウム、カリウム、またはカルシウムの塩)として調製され得る。 Smad7は、所望であれば、医薬的に許容される担体と合わせられ得る。本明細 書中で使用される用語「医薬的に許容される担体」とは、1又は2以上の適合性 の固体または液体の腑形剤、希釈剤、またはヒトへの投与に適当であるカプセル 化物質を意味する。用語「担体」とは、活性成分が、適用を容易にするために合 わされる、天然のまたは合成の有機または無機成分を示す。医薬組成物の成分は また、所望の医薬的効力を実質的に損なう相互作用がないような様式において、 本発明の分子と、および互いと、同時混合され得る。 医薬組成物は、適当な緩衝化剤を含み得、塩中の酢酸;塩中のクエン酸;塩中 のホウ酸、および塩中のリン酸を含む。 医薬組成物はまた、必要に応じて、適当な保存剤(例えば:塩化ベンザルコニ ウム;クロロブタノール;パラベン、およびチメロサール)を含む。 医薬組成物は、単位投薬形態において簡便に示され、医薬の分野において周知 の任意の方法によって調製され得る。全ての方法は、活性な薬剤と、1つ以上の 補助成分を構成する担体と会合させる工程を包含する。一般に、組成物は、活性 な化合物を、液体担体、微細に分割された固体の担体、またはその両方と、均一 におよび密接に会合させ、次いで、必要であれば、生成物を成形することによっ て調製される。 経口投与に適切な組成物は、カプセル、錠剤、トローチ剤のような分散単位と して示され、それぞれは、予め決定された量の活性な化合物を含む。他の組成物 は、水性液体または非水性液体(例えば、シロップ、エリキシル、または乳濁液 )中の懸濁液を含む。 非経口投与について適切な組成物は、簡便に、Smad7ポリペプチドまたは核酸 の滅菌の水性または非水性調製物を含み、これは許容者の血液と好ましくは等張 である。この調製は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用する公知の 方法に従って、処方され得る。滅菌の注射製剤はまた、例えば、1,3-ブタンジ オ ール中の溶液のように、非毒性の医薬的に許容される希釈剤または溶媒中の、滅 菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。用いられ得る許容されるビヒクル および溶媒は、水、Ringer溶液、および等張の塩化ナトリウム溶液である。さら に、滅菌の、固定油は、溶媒または懸濁媒体として、従来用いられ得る。この目 的のために、任意のブランドの固定油が使用され、合成のモノ−またはジ−グリ セリドを含む。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)が、注射液の調製におい て使用され得る。経口、皮下、静脈内、筋肉内などの投与に適切な担体処方物は 、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.,Easton、PAに おいて見出され得る。 本発明の他の局面において、Smad7ポリペプチドまたは核酸が、TGF-β、アク チビン、BMP、またはVg1応答を調節するための薬剤の製造において使用される。 薬剤は、バイアル中におかれ、1又は2以上の上述のTGF-βファミリーメンバー に対する対象の応答を増加するために使用されるキットに、組込まれ得る。ある 態様では、同じ応答を調節するか、またはSmad7組成物を有利に影響する他の薬 剤がまた、同じキットに含まれ得る。キットは、Smad7組成物およびキットの任 意の他の成分をどのように投与するかについての使用説明書または他の印刷され た資料を含み得る。 実施例 方法 mSmad7およびhSmad7 cDNAの単離およびノーザンブロット分析 全mSmad7をコードするcDNAは、マウスEST cDNA(AA061644)をマウス胎盤ライブ ラリーから単離した部分cDNAと融合することにより作製した。hSmad7のcDNAはヒ ト脳cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより単離した。cDNAはABI310 ジェネティック・アナライザーを用いて両鎖の配列を決定した。全RNAの単離、 ノーザンブロット分析はストラタジーン(Stratagene)(ラホーラ、カリフォル ニア)のQUIKHYBハイブリダイゼーション溶液を用いて、すでに記載されて いるとおり(Afrakhte,M.et al.,Int.J.Cancer 68、802〜809、1996)に実 施した。 発現プラスミド TβR-I、TβR−II、BMPR-IA、BMPR-IB、ActR-I、ActR-IB、Smad1、Smad2、Sma d3およびSmad5用の発現コンストラクトについてはすでに記載がある(Nakao et a l.、EMBO J.16:5353〜5362、1997)。他のSmadまたはレセプタープラスミドは すでに記載があるか、または標準プロトコールに従い調製した。F-Smad7および F-Smad8はPCR指向方法およびpcDNA-Flagへのサブクローニングにより作製した。 N−末端およびC−末端Smad7発現ベクターは、特異プライマーおよび鋳型とし としてのSmad7 cDNAによるPCR増幅法を用い調製した。F-Smad7のC−末端ドメイ ン(7C;アミノ酸204〜426)、C−尾部の欠失したF-Smad7(7CΔ;アミ ノ酸204〜207)、C−尾部の欠失したSmad7(7Δ;アミノ酸1〜407)、 Smad7のN−末端ドメイン(7N;アミノ酸1〜203)、マウスF−Smad6 “長鎖型”(F−Smad6L)(Imamura et al.、1997)およびヒトF−Smad6“短 鎖型”(F−Smad6S)(Topper et al.、1997)に対する発現コンストラクトは 、PCR法により作製し、pcDNA3−Flagにサブクローニングした。得られる発現プ ラスミドは、N−末端にFlagエピトープを付着したN−末端およびC−末端Sm adドメインを発現した。別に、該SmadおよびSmadフラグメントをタンパク誘発 発現用pMEP4にサブクローンした。mSmad7およびhSmad3を含むSmad分子用アンチ センス発現コンストラクトは、完全Smadコード領域をpcDNA3発現ベクター(Inv itrogen、Carlsbad、CA)に逆方向にクローニングすることにより作製した。 細胞アッセイ 一過性トランスフェクション、代謝標識、免疫沈降、細胞の[32P]オルトリン 酸エステル標識、およびSDS-PAGEはすでに記載されているとおり(Nakao et al. 、1997)に実施した。 リガンドのヨウ素化とアフィニティ架橋 TGF−β1のヨウ素化およびアフィニティ架橋、引き続く免疫沈降はすでに記 載されているとおり(Nakao et al.、1997)に実施した。TGF−β1およびB MP-7はFrolikら(J.Biol.Chem.259:10995〜11000、1984 )に従い、クロラミンT法によりヨウ素化した。架橋はすでに記載のとおりに実 施した(Nakao et al.、1997)。ある場合には、125I−TGF−β1との培養は 室温で2時間実施し(Souchelnytskyi et al.,J.Biol.Chem.272:2767 8〜27685、1997)、トランスフェクトしたセルラインを100μM/m l塩化亜鉛で24時間刺激し、Smad7の発現を誘発した。Smadとアフィニティ標 識レセプターの複合体をSmadのエピトープ標識に対する抗血清で免疫沈降させた 。レセプターの発現レベルを定量するために、等量の細胞溶解液のタイプIレセ プターに対する抗血清により免疫沈降させた。Smadの発現を等量の細胞溶解液で のウエスタンブロッティングにより定量した。 転写応答アッセイ すでに記載されているとおりに(Nakao et al.、1997)、DEAEデキストラン ・トランスフェクション法により、MvlLu野生型およびR変異細胞に、p3TP Luxを一過性にトランスフェクトした。Promegaのトランスフェクタム薬剤(t ransfectam reagent)(Madison、WI)を用い、HaCat細胞にp21レポータープラ スミド(Datto et al.、J.Biol.Chem.270:28623〜28628、1 995)を一過性にトランスフェクトした。それぞれの実験において、すべて等 量のDNAをトランスフェクトした。リポフェクチンを用い、MvlLu細胞にp3TPLux およびアンチセンス発現コンストラクトをトランスフェクトした;最適培地中で 一夜培養した後、培地を血清含有培地に替えた。さらに24時間の培養後に、細 胞をTGF−β1で刺激して、ルシフェラーゼ活性を測定した。ルシフェラーゼ活 性はすでに記載されているとおりに(Nakao et al.、1997)測定した。値は CMVプロモーター(pCMV5ベクター)の転写制御のもとでβ-ガルレポーター遺伝 子を用い、トランスフェクション効率に対し標準化した。示した結果は少なくと も3回または4回の独立した実験を表す。 COS細胞の一過性トランスフェクションをDEAE−デキストラン・プロトコール により実施した。MvlLu細胞をpMEP4発現ベクター(インビトロゲン)で適切にト ランスフェクションするために、すでに記載されているように(Souchelnytskyi et al.、1997)、リン酸カルシウム沈降法を用いた;選択は420単位/ml のハイグロマイシンにより実施した。塩化亜鉛での誘発は、特に断りのない限り 、100μMの塩化亜鉛で20時間行った。細胞の代謝標識、[32P]オルトリン 酸エステル標識、および免疫沈降、SDS-PAGEをすでに記載されているとおりに実 施した(Souchelnytskyi et al.、1997またはNakao et al.、1997)。 アフリカツメガエル胚培養および操作 アフリカツメガエルの卵を取得し、胚をマイクロインジェクションし、記載さ れているとおり(Moon and Christian,Technique 1:76〜89、1989) に培養した。動物キャップアッセイのために、アクチビン−βまたは骨形態形成 性タンパクVg1キメラをコードするRNAを200pg(Dale et al.,EMBO J.1 2:4471〜4480、1993)を単独またはSmad7 RNA400pgととも に注射した。Smad7/Smad8実験のために、pCS2+Smad8およびpCS2+ Smad7(Nakayama et al.、Development 125:857〜867、1998)の インビトロ転写(Moon and Christian、1989)によりRNAを合成した。後者 のコンストラクトはF-Smad7のコード領域をpCS2+(Turner and Weintraub、Ge nes Dev.8:1434〜1447、1994)にサブクローニングすることに より生成させた。胚段階はNieuwkoop及びFaberの(アフリカツメガエルのノーマ ルテーブル、ガーランドパブリッシング、アムステルダム、北オランダ、196 7)に従う。全胚の免疫染色(12/101抗体はNICHDとの契約N01−HD− 2−3144のもとDevelopmental Studies Hybridoma Bankから入手し、Tor 70はR.Harlandから入手した)、全封入in situハイブリダイゼーション、培養 動物キャップから抽出したRNAのRT-PCR分析、およびEF−1aに関係する短尾奇形 発現は記載どおりに実施した(Lagna et al.、Nature 383:832〜836、 1996;Cui et al.、Dev.Biol.180:22〜34、1996;Moon and Christian、1989)。 セルライン COS細胞、MvlLuミンク肺上皮細胞、およびHaCat細胞(ヒトケラチン細胞)は アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手した。細胞は10%仔 ウシ血清(FBS)および抗生物質(1mlあたりペニシリン100単位およびス トレプトマイシン50μg)添加ダルベッコ改変イーグル培地(ライフ・テクノ ロジー・インク、ゲイサーズバーグ、メリーランド)中で培養した。使用した1 0種のヒト肺ガン[小型細胞肺ガン(SCLC)、U−1285、U−1690、H− 69およびH−92;非SCLC、U−1752;鱗状細胞ガン(SQC);U−181 0;大型細胞ガン(LCC)、H−157、H−661;腺ガン(ADC)H−23およ びH−125(肺腫瘍の組織学的分類、WHOによる、ジュネーブ)]は10%F BSと抗生物質を添加したRPMI 1640培地中で増殖させた(Heldin et al .、Br.J.Cancer、68:708〜711、1993)。 RNA単離およびノーザンブロット分析 細胞は種々の因子による刺激の前に、0.5%FBS中12〜24時間維持した 後、RNA抽出をした。RNA抽出に使用した肺ガン細胞は10%FCSの存在下に増殖 させた。全RNAの単離およびノーザンブロッティングは本質的に記載されている とおりに実施した(Afrakhte et al.、Int.J.Cancer、68:802〜809 、1996)。肺ガンセルラインから抽出したRNAはポリ(A)+に富んでいた 。 ハイブリダイゼーションはStratageneのQuickHyb)バッファーを用いて実施した 。RNAの未変化量と総量(レーンあたり総RNA12μgまたはポリ(A)+ RNA5μg)はゲルをエチジウムブロマイドで染色すること、およびグリセル アルデヒド・3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)プローブでのハイブリダイ セーションすることによりチェックした。ハイブリダイゼーションに使用したcD NAプローブは1.8kb Eco/XhoIヒトSmad7フラグメント、ヒトSmad6の2.0k b EcoRIフラグメント、ヒトPAI-1の3kb EcoRIフラグメント、および1.5kb マウスJunBフラグメントであった。GAPDHハイブリダイゼーションのために、全 ヒトGAPDH cDNAプラスミドを標識した。 抗体 Smad2に対する抗体(DQQと呼称)はすでに記載されている(Nakao et al.、1 997)。抗−Flag抗体はKodak(New Haven)から購入した。Smad6に対する特異 抗血清(ESPおよびSRQと呼称)はESPPPPYSRLSPRDEYKP LD(配列番号:11)およびSRQFITSCPCWLEILNPR(配列番 号:12)それぞれについて作製した。Smad7に対し生成させた特異的抗血 清(KERおよびKAVと呼称)は合成ペプチドKERQLELLLQAVES RGGTRTA(配列番号:13)およびKAVRGAKGHHHPHPP(配 列番号:14)それぞれについて作製した。該ペプチドをグルタールアルデヒド によりキーホールリンペットヘモシアニン(Calbiochem-Behring)に結合させ、 フロイントのアジュバントと混合し、標準手法に従いウサギの免疫に使用した。 増殖阻害アッセイ 24穴プレートにMvlLu細胞を1×104細胞/ウエル量で播種した。TGF−β1 を添加する前に、MvlLu細胞を100μM塩化亜鉛と指示濃度のTGF−β1で20 時間同時に処理し(または処理せず)、Smad7の発現を誘発した。ハーベスト前に 、細胞を0.2μCiの[3H]チミジン(6.7Ci/mmol、アマシャム、 英国)で2時間パルスした。細胞を氷冷5%トリクロロ酢酸(TCA)にて20分 以上固定し、5%TCAにて2回、水で1回洗浄した。細胞の溶解を0.1M NaOH 400μlにて室温で、20分間実施した。DNAに取込まれた3H−放射活性を液 体シンチレーションカウンターにより定量した。 細胞をLAB TEKチャンバー(Nunc、Naperville、IL)で増殖し、TGF−β 1の存在下または不存在下、0.3%FCS含有DMEMと2時間培養した。スライド グラスをリン酸バッファー塩溶液(PBS)にて1回洗浄し、4%パラホルムアル デヒドにて10分間固定し、次いで、PBSで3回洗浄、PBS中0.1%TritonX− 100にて5分間透過性を増大させ、再度PBSにて3回洗浄した。スライドグラ スを10%ヒツジ血清にて室温1時間ブロックし、次いで、抗−FLAG抗体(20 μg/ml)含有10%ヒツジ血清と4℃15時間培養した。スライドグラスを 次い で3回洗浄し、TRITC−結合ヒツジ抗−マウスIgG抗体(1:40に希釈)と培養 し、再度4回洗浄した。核をDAPI(1μg/ml)にて室温で10分間染色し、 次いで3回洗浄した。蛍光を可視化するために、ツアイス顕微鏡またはレーザー 共焦点顕微鏡を使用した。細胞数計測のために、接眼鏡の一つに載せた方形格子 を使用した。COS細胞実験では、200個の細胞を5つの異なる視野に計測し、 核の局在化をDAPI染色によりチェックした。 例1:Smad7のクローニング及び特徴付け Smadに関連する哺乳類の配列をデータベース検索により、2つのマウス発 現配列タグ(EST)、すなわち、AA022262およびAA061644の存在が明らかとなり、 それぞれがN−およびC−末端Smadドメインに類似の配列を有していた。鋳型と して腎臓のcDNAを両ESTから誘導したPCRプライマー対を用いたポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)は特有の産物を生成した。完全マウスタンパクをコードするcDNAは マウスEST cDNAをマウス胎盤ライブラリーから単離したcDNAと融合することによ り作製し、マウスSmad7(mSmad7)と命名した。ヒトSmad7 cDNA(hSmad7)はヒ ト脳cDNAライブラリーから単離した。該cDNA配列がmSmad7およびhSmad7が98% の同一性を有する426アミノ酸残基をもつことが予測される(図1a)。 hSmad7とmSmad7間の差異はすべてN−末端ドメインに見出される。Madホモロ ジ−2(MH2)ドメインの境界を矢印で示す。ヌクレオチド配列はヨーロッパ・ モレキュラー・バイオロジー・ラボラトリー/GenBank・データライブラリーに寄 託される(マウスおよびヒトSmad7受託番号はそれぞれAF0152260およびAF015261 である)。Smad7はSmad6(Imamura et al.、Nature)389:622〜626、 1997)にもっとも関連性があり、N-末端ドメインおよびC-末端MH2ドメイ ンそれぞれと36%および56%の配列同一性がある。Smad7N−末端ドメイン はグリシン/グルタミン酸残基に富む領域を含み、僅かながらSmad1ないしSmad5 に見出されるMH1ドメインとの類似性(約15%)を示す。 Smad7のN−末端ドメインをコードする領域からのプローブで種々の組織をRNA ブロット分析し、約4.4kbの主要転写物1つを見出した(図1b)。分析した組 織では、もっとも高いSmad7の発現を肺に認めた。 例2:Smad7はTGF−βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを調節す る Smad7がTGF−βに対し応答性を調節するか否かを検討するために、TGF−β− 誘発性ルシフェラーゼp3TPLuxレポーターコンストラクト(TGF−β−誘発性PAI- 1プロモーター含有)をSmad7 cDNAの存在または不存在下にMvlLuミンク肺上皮細 胞中にトランスフェクトした。Smad7はTGF−β誘発ルシフェラーゼ活性を用量依 存的に阻害することが判明した(図2a)。さらに、アクチビンに対する構造的に 関連するタイプIレセプター(ActR-IB)の構成的に活性な変異体による応答が阻 害されたように、構成的に活性なTβR−Iの変異体によるp3TPLuxルシフェラー ゼの誘発もまた、R−突然変異細胞にトランスフェクトしたとき、Smad7での共 トランスフェクションにより阻害された(図2B)。Smad2のトランスフェクショ ンはMvlLu細胞中TGF−β1誘発p3TPLuxルシフェラーゼ応答に影響しなかった(図 2a)。この阻害効果は、Smad7がフォルボール・12−ミリスチン酸・13酢酸 (PMA)/上皮増殖因子−誘発p3TPLuxルシフェラーゼ応答を阻害しなかったよう に特異的であった。さらに、cAMP−応答性要素含有レポーターコンストラクトを 用いてのホルスコリン仲介転写誘発はSmad7により影響されなかった。これらの 結果はTβR−I−およびActR-TB−誘発p3TPLux応答双方の強力なネガティブレ ギュレーターであることを示している。 Smad7の発現がTGF−β仲介増殖阻害にどう影響するかを検討するために、ヒト ケラチン細胞(HaCat)(Imamura、1997)中TGF−βにより誘発されるp21CDK 阻害剤プロモーター(p21Lux)含有ルシフェラーゼ転写レポーターコンストラク トを用いた。Smad7はHaCat細胞中TGF−β1仲介p21Lux応答に用量依存的に拮抗 することが見出された(図2c)。トランスフェクションによるSmad2の発現増大 はこの応答を促進するが、Smad1のトランスフェクションは効果がなかった(図2 c)。Smad7およびN−末端Flag標識Smad7はTGF−βシグナル伝達に実質的に同じ 拮抗結果を与えたが、これはN−末端標識化がSmad7の機能性に干渉しないこと を示唆している。このように、Smad7は細胞外マトリックス産生ならびに増殖阻 害を誘導するTGF−β誘発経路を阻害する。 Smad7がインビボでTGF−β/アクチビン様シグナルのトランスダクションを阻 害するか否かを決めるために、アフリカツメガエル胚中でSmad7の過剰発現を原 因とする典型的な欠陥を分析した。アフリカツメガエルの初期胚中で内生的アク チビンシグナル伝達経路を不活性化すると、アクチビンレセプター(Hemmati-Br ivanlou et al.、Nature 359:606〜614、1992;Chang et al.、D evelopment 124:827〜837、1997)またはSmad4(Lagna et al.、 Nature 383:832〜836、1996)のドミナントネガティブ型の導入 により、中胚葉が形成し得ない。Smad7をコードするRNAを2つの細胞胚の両割球 に顕微注射すると中胚葉の形成を阻害した(図2d−g)。Smad7またはmycエピ トープ標識(MT)をコードする合成RNA500pgを、図示(図2d)のように2 個の細胞の各割球に注射し、胚を尾芽期まで培養した。MT RNAを注射した胚は正 常に発育した(各パネルにおいて最上の胚)が、Smad7をミス発現するように作 製された胚(各パネルの下位胚)は頭部または尾部構造を形成し得ず(図2e)、 完全なまたは部分的な筋肉欠損(図2f)および脊索欠損(図2g)を示した。 矢印はMT−注射胚における免疫応答性筋肉(図2f)および脊索(図2g)を示 す。特に、頭部と尾部構造が、注射した胚(n=168)の80%に存在しない か、重度に不完全であり(図2e)、筋肉(n=60)(図2f)および脊索(n= 48)(図2g)などの中胚葉派生体も同様であった。 インビボで中胚葉形成をブロックするSmad7の能力をさらに試験するために、 短尾奇形の発現について胚を分析したが、これは原腸形成に際し予定運命の中胚 葉全般に発現される遺伝子である(Smith et al.、Cell 67:79〜87、1 991)(図2h)。MT(図2h)またはSmad7(図2i)をコードする合成RNA5 00pgを赤道面に近い2細胞胚の1割球に注射し、短尾奇形の発現を全封入in s ituハイブリダイゼーションにより分析した。MT−注射胚は短尾奇形発現の典型 的なリングを示す(図2h)が、短尾奇形の転写物はSmad7注射胚の一側には検 出されない(図21、矢印)。図21に示すように、Smad7 RNAを2細胞胚の1割 球の赤道面領域に注射すると胚の1側で短尾奇形発現を防止した。 TGF-βファミリーの2物質、アクチビンおよびVg1は内因性中胚葉−誘発分子 の候補である(Kessler et al.、Science 266:596〜604、1994)。 アフリカツメガエル動物キャップアッセイ(Kessler、1994)は、Smad7がこ れらリガンドの下流にシグナル伝達するのをブロックすることができるかを直接 試験するために使用した。アクチビンおよびVg1の双方が外胚葉外植片(動物キ ャップ)中短尾奇形の発現を誘発する一方、Smad7の共発現は60%の短尾奇形 の誘発を阻害したが、これはSmad7がアクチビンおよびVg1仲介中胚葉誘発をブロ ックすることの証明である。 TGF−βファミリーの物質によるシグナル伝達においてSmad7がマイナスの役割 を果たすメカニズムを洞察するために、Smad7が、Smad2およびSmad3のように Cell 87:1215〜1224、1996;Nakao et al.、1997)、TGF− βレセプター複合体と会合し得るか否か試験した。N−末端にFlag標識したSmad 7をTβR−II(野生型、WT、またはキナーゼ欠損突然変異体、KD)およびTβ R−I(野生型またはキナーゼ欠損突然変異体)と組合わせトランスフェクトし たCOS細胞を125I−TGF−β1でアフィニティ標識し、細胞溶解液をSmad7のFlag エピトープに対するFlag抗血清での免疫沈降に付した。免疫沈降物をSDS-PAGEお よびフジXバイオ−イメージャーにより分析した。トランスフェクション後、レ セプターおよびF-Smad7の発現をTβR−Iに対するVPN抗体またはTβR−IIに対す るDRL抗体による免疫沈降により細胞溶解液の一部につき定量し、また、Flag抗 体による免疫沈降により[35S]メチオニン/システイン標識トランスフェクト 細胞の溶解液につき定量した。Smad7はTGF-βレセプター複合体と非常に効率よ く相互作用することが判明した(図3)。Smad7は野生型TβR-IIと複合して野生型 TβR−Iならびにキナーゼ不活性TβR−Iと相互作用した。それに対し、Smad2 およびSmad3はキナーゼ欠損TβR−Iおよび野生型TβR-IIの複合体との 97)。Smad7およびキナーゼ欠損TβR−IIとTβR−Iのヘテロ複合体との間、ま たはTβR−IIのみとの間に相互作用は観察しなかった(図3)。このように、TβR −IはTβR−IIキナーゼによりリン酸転移することが、Smad7とTβR−Iの会合 にとって必要である。 例3:Smad7のリン酸化 Smad2およびSmad3のリン酸化はTGF-β刺激後に誘発されるが、Smad4は誘発さ れない(Eppert et al.,Cell 86:543〜552、1996;Zhang et al. 、 al.、1996)。Smad7がTGF−βレセプターとの会合によりリン酸化されるのか どうかを検討した。レセプターの存在下または不存在下にCOS細胞にSmad7(また は比較のためにSmad2)をトランスフェクトし、[32P]オルトリン酸エステル で標識し、TGF−β1で処理した。細胞溶解液をSmadまたはエピトープ標識に対 する抗血清での免疫沈降に付し、Smadリン酸化レベルを定量した。タイプIレセ プターおよびSmadの発現は、[35S]−メチオニン/システインで標識した細胞 溶解液の一部につき免疫沈降により分析した。(図4b)のSmad2または(図4d) のSmad3と会合した32P−または35S−放射活性はフジXバイオ−イメージャー を用いて定量し、32P/35S−比を計算した(それぞれ図4cおよびe)。3回の 独立した実験の代表的結果を示す。期待どおりに、Smad2のリン酸化はレセプタ ーとの共発現により増大し、TGF−βの添加がSmad2のリン酸化をさらに増加させ た。しかし、構成的活性型のTβR−IおよびActR−IBをトランスフェクトした細 胞には、またはリガンドで刺激した野生型TβR−IおよびTβR−IIをトランスフ ェクトした細胞には、Smad7のリン酸化は全く(またはほんの僅かしか)観察さ れなかった(図4a)。このように、それがTβR−Iと直接会合するにもかかわら ず、Smad7はTβR−Iキナーゼに対する直接の基質ではない。とりわけ、Smad7は 保存SS(M/V)S C−尾部配列モチーフを欠いており(図1a)、Smad2 Dev.11:984〜995、1997)の場合にはそれがタイプIレセプター キナーゼによりリン酸化される。 例4:Smad7はSmadタンパクのリン酸化を減少させる Smad7は他のSmadの活性化に干渉することによりTGF-βシグナル伝達でのマイ ナスの役割を果たしている可能性がある。それ故、Smad7がSmad2とSmad3のリン 酸化に影響しているのかどうか、TGF−βレセプターおよびSmadをトランスフ ェクトした[32P]オルトリン酸エステル標識COS細胞を用い、検討した。COS細 胞にはF-Smad7またはSmad2(図4a)をトランスフェクトしたが、Smad2は単独 またはSmad7とともに(図4b)、また、N−末端Myc−標識Smad3(M-Smad3)は 単独またはF-Smad7とともに(図4d)、野生型または構成的活性(c.a.)レ セプターの存在下または不存在下にトランスフェクトし、その後、細胞を[32P ]オルトリン酸エステルで標識した。C末端HA−標識タイプIレセプターを用い た。興味深いことに、Smad7はSmad2(図4b、c)およびSmad3のTGF−β1誘発 リン酸化を用量依存的に阻害した(図4d、e)。Smad7はSmad3の2倍のレベル で十分にTGF−β−誘発レセプター仲介Smad3リン酸化の有意な減少を引起 Nakao et al.、1996)、Smad2およびSmad3は、COS細胞中で過剰発現されたと きにリン酸化されることが判明した。Smad2のこのレセプター非依存的リン酸 6)、恐らく非レセプターキナーゼを経て起こる。Smad7はこのレセプター非依 存性リン酸化をブロックしないと思われる。Smad2およびSmad3の活性化が最適TG F al.、1996;Nakao et al.、1997;Lagna et al.、1996;Kretzschm ar et al.、1997)、そのリン酸化の阻害はSmad7の拮抗作用に対するメカニ ズムの説明を与える。Smad7とTβR-Iとの会合は、Smad7がレセプター結合に際 しSmad2およびSmad3と競合する可能性を示唆する。この概念に従い、Smad2とSma d3をSmad7と共トランスフェクションし、TGF-β1誘発p3TPLuxアッセイにおいて Smad7の拮抗作用を減少させた。さらに、Smad7はTGF−βとアクチビンのシグナ ル伝達を阻害するのみならず、BMPシグナル伝達をブロックすることを決定した 。ここに記載の方法論を用い、Smad7はBMPR-Iと会合して、培養した哺乳動物細 胞中でSmad1のリン酸化を阻害することを同定した。さらに、Smad7 RNAをアフリ カツメガエル胚の腹側細胞に注射する場合、BMPシグナル伝達経路をブロックす る効果を表現型模写し、不完全な二次的背側軸の形成に至る。 例5:TGF−βによるSmad7発現の調節 シグナル伝達分子によるSmad7発現制御はTGF-β応答を有効に調節するために 用いることができる。従って、Smad7の発現および比較のためのSmad2、Smad3お よびSmad4の発現がTGF−β1により調節されるのかどうか検討した。TGF−β1 刺激MvlLu細胞、SW1736ヒト脱分化甲状腺ガン細胞およびSmad7でプローブしたHa Cat細胞からの全RNA20μg/レーンによるノーザンブロットは、Smad7 mRNAが 10ng/mlのTGF−β1刺激に応答して急速に誘発されることを明らかにした(図 5a,b)。泳動したRNA量は、フィルターにグリセルアルデヒド・3−リン酸デ ヒドロゲナーゼ(GAPDH)cDNAプローブをハイブリダイゼーションさせることに よりチェックした。MvlLu細胞において、Smad7 mRNAはTGF−β刺激の30分後に 4倍に誘発された。TGF−β1刺激によるSmad2、Smad3およびSmad4の発現は未 変化であった(図5a)。TGF−β1によるSmad7 mRNA誘発はシクロヘキシミド(C HX)20μg/mlの存在下に観察され、新規タンパク合成がTGF−β1仲介のSmad 7誘発を必要としないことを示していた。事実、Smad7 mRNAはTGF−β1およびTG F−β1の30分前に添加されたCHX20μg/mlの存在下、超誘導された(図5b )。これは恐らくmRNA安定性の増大またはCHXによる転写リプレッサーの喪失に起 因する。CHXのみで処理した場合には基本となるSmad7 mRNAレベルがほんの僅か に増加するのみであった。それに対し、10nM PMA(TGF−β1同様、PAI-1の発 現を促進し、MvlLu細胞の増殖を阻害する)はSmad7の発現を誘発しなかった(図 5c)。機能的TβR−Iを欠失するMvlLu細胞(R変異体)では、TGF−β1はSma d7 mRNAの発現に何の影響も与えなかった。これらのデータは統合するとSmad7は TGF−β1に対する即時型応答遺伝子であり、Smad2、Smad3およびSmad4の活性化 複合体は直接および/またはDNA結合コファクターとの組合わせでSmad7プロモー ターに作用していることを示す。細胞内アンタゴニストSmad7はこのようにマイ ナスのフィードバックループに作用し、TGF−βシグナルの強度または持続時間 を調節していると思われる。 例6:Smad7はBMPレセプター複合体と相互作用し、BMP仲介シグナル伝達を阻害 する Smad7がBMPレセプター複合体と会合しているかどうかを決めるために、COS 細胞に、C末端をHAエピトープ標識したBMPレセプターBMPR-IA、BMPR-IB、また はActR-I(野生型またはキナーゼ欠損変異体)、およびBMPR-II(野生型またはキ ナーゼ欠損変異体)をN-末端Flag標識Smad7(F-Smad7)の存在下または不存在 下にトランスフェクトした。レセプターは125I−BMP−7で共有結合によりアフ ィニティ標識し、細胞溶解液をFlag抗体による免疫沈降に付し、F-Samd7を免疫 沈降させた。免疫沈降物はSDS-PAGEおよびフジXバイオ−イメージャーにより分 析した。トランスフェクション後のレセプターおよびF-Smad7の発現(未開示) を、細胞溶解液の一部につきHA-抗血清での免疫沈降、および[35S]メチオニ ン/システイン標識トランスフェクト細胞の溶解液につきFlag抗体での免疫沈降 により定量した。図6A〜Fに示すように、TGFスーパーファミリーのレセプタ ーはF-Smad7と共免疫沈降した。それ故、Smad7はBMPR-IAおよびBMPR-IBとは会合 するが、ActR-Iレセプターとはあまり効率的ではなかった。図6Bに示すように 、Smad7およびキナーゼ欠損タイプIIレセプターと野生型またはキナーゼ欠損タ イプIレセプターとのヘテロ複合体の間に相互作用は観察しなかった。このよう に、Smad7はタイプIIレセプターによりリン酸化される(すなわち、活性化)タ イプIレセプターとのみ相互作用する。試験したタイプIレセプターのうち、Sm ad7はBMPR-IA、BMPR-IB,TβR-I、そして恐らくActR-IBと優先的に相互作用す るが、ActR-Iとはあまり効率的ではない。さらに、Smad7のSmad1またはSmad5の BMPR-IBおよびActR-I仲介リン酸化への影響を試験した(図6C〜F)。図CはSma d7がSmad1のBMPR-IBおよびActR-I仲介リン酸化を阻害することを示す。COS細胞 に、タイプIレセプター(BMPR-IBまたはActR-I)およびBMPR-IIの存在下、BMP- 7の存在または不存在下にF−Smad1を単独またはF-Smad7と一緒にトランスフェク トし、その後、細胞を[32P]オルトリン酸エステルで標識し、Flag抗血清によ り免疫沈降させた。Smad1およびF-Smad7の発現を細胞溶解液の一部につきFlagに よる免疫ブロッティングにより定量した。図6Dは、図6CにおいてフジXバイ オ−イメージャーを用い定量され、プロットされたように、32P-放射活性がSma d1と会合したことを示す。図6EはSmad7がSmad5のBMPR-IBリン酸化を阻害する ことを示す。COS細胞に、BMPR-IBおよびBMPR-IIの存在下、F-Smad5を単独または F-Smad7と一緒にトランスフェクトした;細胞をBMP-7の 存在下または不存在下に培養し、その後、[32P]オルトリン酸エステルで標識 し、Flag抗血清による免疫沈降に付した。図6Fは、図6EにおいてフジXバイ オ−イメージャーを用い定量され、プロットされたように、32P-放射活性がSma d5と会合したことを示す。COS細胞に、Smad7の存在下または不存在下に、BMPレ セプターおよびSmad1またはSmad5をコードするcDNAをトランスフェクトした。Sm ad1またはSmad5のリン酸化レベルは、[32P]オルトリン酸エステルでの標識およ びSmad抗血清による細胞溶解液の免疫沈降により調べた。Smad7はSmad1およびSm ad5のBMPR-IB仲介リン酸化を用量依存的に強く阻害した(図6C〜F)。さらに、 Smad7はSmad1のActR-I仲介リン酸化を阻害した(図6C、D)。タイプIIレセプタ ーキナーゼによるタイプIレセプターのリン酸化にもとづく相互作用の特異性は 相互作用の生理的重要性を強く示唆する。リン酸化はSmad7−タイプIレセプタ ー相互作用に必要な立体配座の変化を誘発する可能性がある。 Smad7が経路特異SmadのBMP-仲介リン酸化を阻害するかどうかを決めるために 、COS細胞にF−Smad1またはF−Smad5を単独またはF-Smad7と一緒に、構成的活 性(c.a.)BMPR-IBの存在下または不存在下にトランスフェクトするか(図7A) 、あるいは単独またはF-Smad7、タイプIレセプターおよびBMPT-IIと一緒に、BM P-7の存在下または不存在下にトランスフェクトし(図7C)、その後、細胞を[3 2 P]オルトリン酸エステルで標識した。トランスフェクトされたSmad7の量を図 7Cに示す(0.1または1.0マイクログラム)。細胞溶解液をSmadに対する抗 血清による免疫沈降に付し、リン酸化のレベルを定量した。SmadおよびBMPR-IB の発現は、[35S]メチオニン/システインで標識したエピトープ標識に向けられ た抗血清による免疫沈降により、細胞溶解液の一部につき分析した。図7Bにお いて、Smad1と会合した32P-または35S−放射活性はフジXバイオ−イメージャ ーを用いて定量し、32P/35S比を計算した。図7はSmad7がBMPR-IB仲介Smad1ま たはSmad5リン酸化を用量依存的に強く阻害したことを示す。分別レセプター結 合と一致して、BMPR-IB仲介Smadリン酸化は、ActR-I仲介Smadリン酸化よりもよ り効率よくSmad7により阻害された。 例7:Smad7N-末端およびC-末端ドメイン機能の分析 Smad7のC-末端ドメインがTGF-βレセプター複合体と会合するかどうかを決め るために、COS細胞に野生型N-末端標識マウスSmad7(F−mSmad7)またはN-末 端Flag標識マウスSmad7C-末端ドメイン(mSmad7のアミノ酸204〜426)を、 野生型TGF-βレセプターと組合わせてトランスフェクトした。レセプターは共有 結合により1251-TGF-β1でアフィニティ標識した。免疫沈降物をSDS-PAGEおよ びフジXバイオ−イメージャーにより分析した。トランスフェクション後、レセ プターおよびSmad7の発現をTβR-Iに対するVPN抗血清での免疫沈降により細 胞溶解液の一部につき定量し、また、[35S]メチオニン/システイン標識トラ ンスフェクト細胞の細胞溶解液につきFlag抗体による免疫沈降により定量した。 図8Aに示すように、TGF-βレセプター複合体はSmad7C-末端ドメインと共沈殿 する。それ故、Smad7C-末端ドメインはTGF-βレセプターと会合する。次に、TGF -β誘発p3TPLux応答のアッセイにおいて、上記のように該C-末端ドメインを試 験した。図8Bに示すように、C-末端ドメインは野生型Smad7のように非効率的 であるにかかわらず、TGF-β誘発p3TPLux応答を阻害する。図8Bのパネル2は 、Smad7CのトランスフェクションがTGF-β誘発p3TPLux転写応答をブロックする が、その効率は野生型Smad7よりも劣ることを示す。 TGFβスーパーファミリーレセプター応答に対するN-およびC-末端Smad7ドメ インおよびSmad8の阻害効果を試験した。Smad8およびSmad7欠失コンストラクト につき、Smad2またはSmad3のTβR−I仲介リン酸化に対する影響を試験した。T βR−IとTβR-IIおよび目的のSmadをCOS細胞にトランスフェクトした。Smadの リン酸化は32P−オルトリン酸エステル標識アッセイにより定量した。図8Cは 、Smad8およびSmad7のN-とC-末端(MH2)ドメインがそれぞれSmad2またはSmad 3のTβR−I仲介リン酸化を阻害したことを示す。C-末端ドメインの効果はN -末端ドメインよりも低い発現レベルで達成された。Smad2のTβR−I仲介リン酸 化を阻害するSmad7C-ドメインの能力と矛盾せず、このドメインは、野生型Smad7 よりも効率が悪いとはいえ、TGF-β誘発転写活性化を阻害するのに十分である( 図8Bのパネル2)。最後のアミノ酸残基19を欠失すると、3TPプロモーターの TGF-β誘発転写活性化を阻害するSmad7C-末端ドメインの能力を完全に喪失した 。 図8Dは、Smad7N-およびC-末端ドメインおよびSmad8(Smad7野生型と比較し て)のTGF-βレセプター仲介p3TPLux転写応答への阻害効果を示す。Mv1Lu細胞に 、異なる量の阻害性Smadとともに、あるいはなしに、p3TP-Luxレポーターコンス トラクトをトランスフェクトした。TGF-βと細胞培養し、ルシフェラーゼの発現 誘発を測定した。分別リン酸化阻害効果と矛盾せず、Smad8およびSmad7ドメイン はレポーター遺伝子のTGF-β仲介転写応答を阻害した。 図8EはSmad7CがSmad2のTβR−I仲介リン酸化を阻害するが、その効率は野 生型Smad7よりも劣ることを示す。阻害性Smadの存在しない場合には、TGF-β1 はSmad2リン酸化レベルを1.6倍増強刺激したが、それは1μgの野生型Smad7 での共トランスフェクションにより完全にブロックされた;一方、1μgのSmad 7Cが存在する場合には、1.2倍増大したTGF-β仲介Smad2リン酸化を観察した 。COS細胞にF-Smad2を単独またはF-Smad7Cもしくは野生型F-Smad7と一緒に、BMP R-IBおよびBMPR-IIの存在下にトランスフェクトした;細胞をBMP-7の存在下また は不存在下に培養し、その後、[32P]オルトリン酸エステルで標識し、Flag抗 血清による免疫沈降に付した。F−Smad2、F-Smad7およびF-Smad7Cの発現を、細 胞溶解液の一部につきFlagでの免疫ブロッティングにより定量した。 例8:Smad6は高次保存されており、Smad7に密接な関係にある Smad7に関連するヒトおよびマウスの配列をデータベース検索すると、新しい ヒトSmadに対応する発現配列標識(EST;GenBank受託番号N95582)の存在が明ら かとなった。ヒト胎盤cDNAライブラリーのスクリーニングにより、我々は3.2 kbc DNAクローンを得た。このクローンの全コーディング領域はABIプリズム31 0ジェネティック・アナライザーにより配列決定し、配列分析はDNASTARにより 実施した。配列分析ではマウスSmad6に対し92%のアミノ酸類似性を有するこ とが明らかとなり(Imamura et al.、Nature、389:622〜626、199 7)、それ故、この遺伝子をヒトSmad6(hSmad6)と命名した(図9A)。図9Aは ヒトおよびマウスSmad6とヒトSmad7とを比較した配列を示す。同一の残基を四角 で囲む。マッド(Mad)相同性MH2ドメインの境界を矢印で示す。ヒトSmad6のGen Bank受託番号はAF043640である。ヒトとマウス間のSmad6の配列同 一性は他のSmadで観察されるものに比較して低い;例えば、ヒトとマウスのSmad7 は98%同一である(Hayashi et al.、1997;Nakao et al.、1997)。図 9BはhSmad1からhSmad7までとhSmad9との間の対となった直線関係を示す。こ れまでに同定されたヒトSmadの中で、hSmad6がhSmad7にもっとも密接に関係して いる(総配列同一性41%)。Smad7のN-末端ドメイン同様、Smad6のN-末端ドメ インはSmad1からSmad5までのMH1ドメインに非常に弱い類似性を示す。特に、hSm ad6はそのカルボキシ末端尾部の保存SS(M/V)Sモチーフを欠き、経路制限Smadの 場合にはそれが適切なタイプIレセプターキナーゼによりリン酸化される。最近 、HataらはhSmad6の配列(受託番号AF035528)を報告した(Hata et al.、Genes Dev.、12:186〜197、1998)。2つの配列を比較すると、1個のヌ クレオチドの違いが1個のアミノ酸の違いとなることが分かる(AF043640のコド ン21はアスパラギン酸残基であることが予測される)。 例9:肺ガンセルラインにおけるSmad6とSmad7の発現 すでに報告したように、種々のヒト組織中のSmad6 mRNAの分布は、Smad6が種 々のヒト組織中で広範に発現されたことを明らかにした。約3kbのSmad6転写物 1種が検出された(Imamura、T.、et al.、1997)。興味深いことに、Smad6お よびSmad7の発現プロフィール(Nakao et al.、1997)は肺での再高度発現 と非常に類似していた。それ故、一連の10種の異なる肺ガンセルライン(4種 のSCLCおよび6種の非SCLC)につき、Smad6およびSmad7 mRNA発現を検討した(図 9C)。最高のSmad6 mRNAの発現がSCLCセルラインH-69とH-82、また、非SCLCセ ルラインH-661とH-23に検出され、一方、SCLCセルラインU-1690、H-69とH-82、 また、非SCLCセルラインH-157とH-125は最高レベルのSmad7 mRNAを発現した。こ のように、2つの遺伝子は異なる発現をし、これら細胞におけるSmad6とSmad7発 現の間に相関性を認めなかった。 例10:TGF-βファミリーメンバーはMv1LuおよびHaCat細胞中にSmad6およびSma d7 mRNAを誘導する ミンク肺上皮セルライン(Mv1Lu)およびヒトケラチンセルライン(HaCat)は 、 TGF-β1、アクチビンおよびBMP-7に応答性である(Yashamita et al.J.Cell B iol.130:217〜226、1995)。Smad7 mRNAはTGF-β1により急速に 包含される(Nakao et al.、1997)。Smad6およびSmad7発現のノーザンブロッ ト分析はTGF-β1(10ng/ml)、アクチビン(50ng/ml)およびBMP-7(500ng/m l)で刺激したMv1LU細胞およびHaCat細胞から調製したRNAについて実施した。フ ォスファー・イメージャーによる定量は、Mv1Lu細胞において(90分間のリガ ンド刺激とGAPDHでのmRNA発現レベルの正常化の後)TGF-β1、アクチビンおよ びBMP-7はSmad6 mRNAの発現を、それぞれ6倍、2倍および3倍誘発し、Smad7 m RNAの発現をそれぞれ5倍、2倍および3倍誘発し、そしてHaCat細胞において( 図10Aパネル2)TGF-β1、アクチビンおよびBMP-7はSmad6 mRNA発現をそれ ぞれ4倍、2倍および12倍誘発し、Smad7 mRNAの発現をそれぞれ6倍、3倍お よび6倍誘発することを明らかにした。両遺伝子とも3種すべてのリガンドで急 速に誘発された(図10A)。Smad6およびSmad7はTGF-βおよびアクチビンにより 同様の速度論で誘発され、発現の主ピークは90分の刺激後に現われた。Smad6 およびSmad7 mRNA発現の第二のピークは24時間のMv1LU細胞刺激後、特にTGF- β1刺激の後に観察された(図10A)。Mv1Lu細胞中でのSmad6とSmad7に対するB MP7-誘導mRNAの発現プロフィールには相違があった;一方、Smad7 mRNA発現は9 0分でピークに達し、その後、低レベルまで減少したが、Smad6 mRNAは90分の 刺激後も高いままであった(図10A)。リガンド処理に先立ち、細胞を0.5%F CSで処理すると、阻害性Smadの発現基礎レベルが低下し、リガンドで観察される mRNA誘導をより明確なものとすることが判明した。リガンドによる刺激後のSmad 6およびSmad7 mRNAの発現は、高細胞密度および低細胞密度の培養において同様 であった。 上記実施例に示したように、Smad7はTGF-βおよびアクチビンを阻害するのみ ならず、BMPシグナル伝達をも阻害する。Smad7はBMPタイプIレセプターと会合 し、BMPR-I仲介シグナル伝達を阻害する。このように、Smad7はTGF-β1、アク チビンならびにBMP-7によるシグナル伝達にマイナスのフィードバック制御を発 揮する可能性がある。 例11:Smad6はTGF-β1の直接標的遺伝子である すでに、TGF-β1によるSmad7 mRNAの誘導がシクロヘキシミド(CHX)の存在 下に観察されたことを述べたが、このことは新しいタンパク合成にはこの応答が 必要とされないことを示している。Smad6 mRNAのTGF-β1による誘発もまたCHX の添加後に見られた(図10B)。CHX(20μg/ml)をTGF-β1の30分前に 添加した。Smad6 mRNAの誘発はTGF-β1単独の場合に比べて、TGF-β1とCHXの 共存下で引き延ばされたが、これは恐らくCHX−誘発の転写リプレッサー喪失ま たはSmad6 mRNA安定化増大の結果である。これらの結果にもとづくと、Smad6お よびSmad7の転写は、経路制限共通メディエイターであるSmadにより直接調節さ れていると思われる。それ故、Smad4を欠くMDA-MB-468乳ガン細胞へのTGF-β1 の影響(Lagna et al.、Nature、383:832〜836、1996)につき検 討した(図10C)。これらの細胞において、Smad6 mRNAの発現はTGF-β1の影響 を受けなかった。Smad7の発現はTGF-β1の存在下または不存在下において検出 レベル以下であったか、またはおそらくSmad7遺伝子がこれらの細胞に存在して いない可能性がある。総合すると、これらの結果はSmad6およびSmad7がTGF-βフ ァミリーメンバーの即時型応答遺伝子であることを示している。 例12:アンチセンス発現コンストラクトのトランスフェクションはTGF-β1に 対する細胞応答性を上昇させる 阻害性Smadの発現レベルがTGF-β1に対する応答性を調節するかどうかを検討 するために、TGF-β1−誘発転写応答を、アンチセンスSmad7 cDNA発現コンスト ラクトをトランスフェクトしたMv1Lu細胞中で測定した。血清存在下に増殖するM v1Lu細胞は比較的高い構成的Smad7発現能を有し(図9C)、Smad7はTGF-β1によ り急速に誘発される(図10A)。アンチセンスSmad7発現コンストラクト(mSmad 7r)のトランスフェクションはMv1Lu細胞中でのTGF-β1仲介p3TPLux転写 応答を増大させたが、空ベクターまたはアンチセンスSmad3発現コンストラクト (hSmad3r)は無効であった。TGF-β1(10ng/ml)を細胞溶解の4時間前 に添加し、ルシフェラーゼ活性を測定した。データは平均+/−SEMとして表す。 Mv1Lu細胞を20μgのアンチセンスSmad7発現プラスミドでトラ ンスフェクションすると、TGF-β1応答が増大した;これを4時間の刺激後、レ ポーター含有PAI-1プロモーター(p3TPlux)の活性化として測定した。Smad7ア ンチセンストランスフェクト細胞中で増大したTGF-β応答は、空発現ベクタート ランスフェクト対照細胞に比較して2〜4倍であった(図11);応答はトランス フェクトアンチセンス発現コンストラクトの量に依存していた。アンチセンスSm ad3発現コンストラクトでのトランスフェクションは阻害応答を全く示さないか 、または微弱であった(図11)。これらの結果はSmad7の発現レベルがTGF-β1 に対する細胞応答性を決めることを示す。 例13:EGFおよびPMAのSmad6およびSmad7 mRNA発現への影響 異なるシグナル伝達経路聞の混線の可能性を検討するために、ホルスコリン(c AMPの活性化剤)、表皮増殖因子(EFG)およびフォルボールエステル(PMA)応答 の影響を10ng/mlのTGF-β1存在下および不存在下に定量した。ホルスコ リン単独では影響を示さなかったが、TGF-β1誘発のSmad6およびSmad7 mRNA発 現は僅かながら上昇した。EGF(10ng/ml)はそれ自体でSmad6およびSmad7 mRNA発現を誘発することが可能であって、Smad7 mRNAの誘発に対してはTGF-β 1と相乗的に作用した(図12A)。EGFはTGF-β1の60分前に加えた。PMA(1 0-8M)のみでは評価し得る影響を示さなかったが、PMAをTGF-β1と一緒に加 えた場合には、Smad6およびSmad7発現の誘発に強力な相乗的応答が観測された( 図12B)。この特定の実験において、Smad6およびSmad7 mRNAのTGF-β1仲介誘 発は非常に低かったが、X線フィルムに長時間露出した場合には観測可能であっ て、これによって相乗効果をより明確にし得た。PAI-1遺伝子の発現はPMA(4 時間でピーク)よりもTGF-β1(90分でピーク)によって、より急速に誘発さ れることが分かったが、これを細胞のPMAおよびTGF-β1の影響を示すコントロ ールとして入れた。 例14:Smad7はTGF-β誘発応答阻害においてSmad8よりもより強力である アフリカツメガエルのSmad8はC−ドメイン内においてマウスSmad7と96%の アミノ酸同一性を有する(Nakayama et al.、1998)。このドメインがレセ プター結合に対して、また、数種のTGF-β誘発応答阻害に対して十分であるとす れば、これらのタンパクはレセプター結合および下流シグナル伝達の阻害に関し て同様に振る舞うと予測し得るであろう。この可能性に相応して、Smad8は活性 化したTβR-I、BMPR-IA、BMPR-IBおよびActR-Iと相互作用した。さらに、Smad9 はSmad1およびSmad5のBMPRI仲介リン酸化を用量依存的に阻害し、マウスSmad7 とは識別し得なかった。図13AはSmad8がSmad2のTβR-I仲介リン酸化を阻害 するが、効率はSmad7に劣ることを示す。細胞にF−Smad2を単独またはF-Smad7ま たはF−Smad8と一緒に、TβR-IおよびTβR-IIの存在下、トランスフェクトした ;細胞は次いでTGF-βの存在下または不存在下に培養した。F−Smad2リン酸化の レベルは[32P]オルトリン酸エステル標識および細胞溶解液のFlag抗血清による 免疫沈降により定量した。F−Smadの発現は細胞溶解液の一部につき、Flag抗血 清によるウエスターンブロッティングにより分析した。図13BはMv1Lu細胞中S mad7のトランスフェクションがTGF-β誘発p3TPLux応答を阻害し、その効率がSma d8に勝ることを示す。このように、Smad7がSmad2のTβR-I仲介リン酸化を効率 的に阻害した一方で、Smad8ではその効果が劣っていた(図13A)。興味深いこ とに、これはp3TPLuxレポーター遺伝子のTGF-β誘発転写活性化阻害において、S mad8に対するSmad7のより顕著な影響と相関した(図13B)。重要なことは、Sma d7はアフリカツメガエル中胚葉誘発アッセイでのアクチビンシグナル伝達阻害に おいてSmad8よりもより有効なことである(Nakayama et al.、1998)。 例15:Smad7およびSmad8による部分的二次軸椎形成 Smad7がインビボでのBMPシグナルトランスダクションを阻害するか否かを決め るために、アフリカツメガエル胚においてSmad7の過剰発現を原因とするパター ニング欠陥を分析した。図14Aは対照オタマジャクシの顕微鏡写真を示し、図 14Bは腹側細胞におけるSmad7のミス発現により造られた同胞オタマジャクシ を示す。部分的二次背側軸椎(矢印)の誘発に注意。図14Cおよび図14D( 対照)は一次軸椎(矢印)および二次軸椎(矢先端)において免疫反応性筋を示 すSmad7−RNA注射同胞を描いたものである。図14Eは背側細胞にSmad8が過 剰発現して形成された胚の目の欠陥および二分脊椎を示す。図14Aは背側細胞 にSmad7が過剰発現して形成された胚の目の融合を示す。アフリカツメガエル胚 の腹側に、ドミナントネガティブBMPレセプターまたはリガンドなどの既知BMPア ンタゴニストが過剰発現すると、部分的二次軸椎形成を誘発する(Graffの総説、 Cell 89:171〜174、1997)。Smad7をコードするRNA200または4 00pgを4細胞胚の腹側中線付近に注射すると、それぞれ90%(n=100) または96%(n=79)の胚に二次背側軸椎を形成した(図14B)。二次軸椎 の形成は、Smad7の単離C−ドメインをコードするRNA200pgを注射した胚の9 4%(n=98)に観察された。Smad7またはSmad7のC−ドメインにより誘発し た軸椎は免疫応答性筋肉を含んでいた(図14D)が、脊索を欠いていた。同じ 一連の実験において、アフリカツメガエルSmad8をコードするRNA200または4 00pgを腹側中線付近に注射すると、注射した胚のそれぞれ87%(n=92) または91%(n=101)に二次軸椎の形成を誘発した。2つの遺伝子産物に より誘発された軸椎間の1つの顕著な違いはSmad8により誘発された二次軸椎は 症例の10%(200pg)または41%(400pg)に単眼または融合眼を含ん でおり、一方、眼の形成はSmad7のミス発現により稀にしか(胚の3%)見 られなかったこと、また、RNAの高用量(400pg)を注射したときのみである 。 例16:背側細胞でのSmad7の異所性発現はSmad8の過剰発現を原因とするパター ニング欠陥のサブセットを誘発する アフリカツメガエル胚の背側細胞内におけるSmad8の異所性発現はBMPシグ ナル伝達の閉塞に帰し得ない一連の表現型欠陥を生じる。これらは神経ひだ融合 (二分脊椎)不全ならびに一連の眼の欠陥を含む(Nakayama et al.、1998) 。背側細胞内におけるSmad7およびSmad8のミス発現を原因とするパターニング欠 陥を直接比較するために、両タンパクをコードするRNA200pgを4細胞胚の腹 側中線付近に注射した。Smad8注射胚の20%が二分脊椎を発達させ、40%が 眼の色素沈着増加を示した(n=50)が、Smad7注射胚の97%が完全に正常 に成長した(n=89)。Smad8またはSmad7のいずれかをコードするRNAを高 用量(400ng)注射した場合には、Smad8注射胚の40%が二分脊椎を発達さ せ(図14E、n=124)たが、Smad7 RNA注射胚では7%のみ(n=140) 、また、対照RNA(mycエピトープ標識をコード、n=70)を注射した胚では3 %がこの欠陥を表現した。それに対し、Smad7注射胚の43%が多様な眼の欠陥 、僅かなものから中程度の眼の色素増大、眼の融合を発生させた(図14F)。S mad8注射同胞の47%が同等の眼の欠陥を発生させた(Nakayama et al.、1 998)。二分脊椎、眼の誘導または眼の欠陥を表現するSmad8注射胚割合は、こ れらの実験において、以前に報告された(Nakayama et al.、1998)ものよ り幾分低かったが、これは恐らく2つの実験に使用した胚間の本質的な差による ものである。これらの結果は総合すると、Smad7およびSmad8はインビボで共通の シグナル伝達経路により相互に作用し合うことができるが、ただし、Smad8は未 同定ながら付加的な経路を標的とすることもあり得ることを示唆する。それ故、 アフリカツメガエル胚においてのSmad8の過剰発現は、Smad7の発現によっては観 察されないパターニング欠陥を生じ、Smad7とSmad8が別個のシグナル伝達経路を 優先的に標的とする可能性を示唆する。これらの差異が種特異性によるという可 能性、例えば、哺乳類Smad7は、アフリカツメガエルSmad8よりもより効率的に 翻訳される、あるいは哺乳類細胞のレセプターとより効率的に相互作用するとい う可能性を排除することはできないが、結果はこの解釈を支持しない。特に、Sm ad7は哺乳類とアフリカツメガエル系双方において、Smad8とよりもより強力なTG F−β/アクチビンシグナル伝達のアンタゴニストである。 例17:Smad7はTGF-β1誘発増殖阻害を阻害するが、Smad6は阻害しない 阻害性SmadがTGF-β1仲介増殖阻害に影響するか否かを検討するために、マウ スFlag標識Smad6(F−Smad6)およびF-Smad7を安定的にMv1Lu細胞にトランスフ ェクトした;Smad6およびSmad7を、pMEP4発現ベクターにより、ヒト誘発性メタ ロチオネインIIAプロモーターの転写制御下に置いた。Smad6の報告された両方 の形状を試験した;マウスSmad6長鎖型(Smad6L;Imamuraetal.、Nature398 :622〜626、1997)ならびにヒトSmad6短鎖型(Smad6S;Topper et al .、PNAS94:9314〜9319、1997)。図15は塩化亜鉛の存在下ま たは不存在下の安定なトランスフェクトMv1LuセルラインにおけるSmad発現レベ ルの特性を示す;野生型F-Smad7(pMEP4−smad7;3つの独立クローン、7−3 、7-5S、および7-10)、Smad7のN-末端ドメイン(pMEP-7N、クローン7N- 5)、C-尾部に欠失を有するSmad7(pMEP4−7NCΔ、クローン7NCΔ−7)、Sma d7のC-末端ドメイン(pMEP4−7CΔ、クローン7CΔ−7)、およびSmad6の‘短鎖 ’変異体(pMEP4−Smad6S,クローンS6-2)とSmad6の‘長鎖’変異体(pMEP4 −Smad6L、クローンL6−3)の発現結果を示す。細胞を代謝により標識し、細 胞溶解物をFlag抗体による免疫沈降に付した。免疫沈降物をSDS-PAGEにより分析 した。Smad6S、Smad6LおよびSmad7の発現を分析した際、阻害性Smadが誘導剤塩 化亜鉛の不存在下にすでに発現されているのを我々は観測した。これはメタロチ オネイン・プロモーター漏出の結果である。各トランスフェクト体細胞を塩化亜 鉛で予め処理するとSmad6およびSmad7の発現を増大させた(図15)。次いで我々 はSmad7およびSmad7(および空pMEP4)トランスフェクト体のTGF-β1-誘発増殖 阻害に対する応答を、塩化亜鉛の存在下または不存在下に試験した。複数の個別 のSmad7-発現クローンを分析した。我々はSmad7がMv1LuにおいてTGF-β1-誘発 増殖阻害効果を防止することを見出した(図16A〜C)。すべてのSmad7クロー ンにおいて、TGF-β1-誘発増殖阻害がブロックされたが、その程度はSmad7のそ れらの異なる発現レベルと相関した。pMEP4-トランスフェクトMv1Lu細胞は、塩 化亜鉛の存在または不存在下、非トランスフェクトMv1Lu細胞同様のTGF-β1に 対する用量応答曲線を示した。異所性発現Smad6LまたはSmad6SはTGF-β1-誘発 増殖阻害に影響しなかった(図16D、E)。図16は塩化亜鉛の存在下または不 存在下、TGF-β1のpMEP4トランスフェクト細胞への影響を示す。対照に対し比 較した相対増殖をTGF-β1の濃度に対してプロットする。TGF-β1の異なるロッ トを実験A〜C対D、Eに用いたが、これはこれらの実験においてpMEP4トラン スフェクト細胞のED50の間に何故差が存在するのかを説明する。提示したデータ はすべて平均+/−SEDである。このように、Smad7はTGF-β1-誘発増殖阻害に拮 抗し、Smad6より有効であると思われる。 例18:Smad7はTGF-β1-誘発転写応答を阻害する 次いで我々は異所性Smad7の発現が内因性初期応答遺伝子Smad7、PAI−Iおよ びJunBのTGF-β1-誘発発現に及ぼす影響を検討した(図17)。式17では、異 所的に発現されたSmad7がJUNB(A)、Smad7(B)およびPAI-1mRNA(E)発現のTGF-β1 -仲介誘発を阻害することを示す。pMEP4-Smad7をTGF-β1に接触させ、塩化亜鉛 で予め処理して、または処理せずに安定的にpMEP4-Smad7をトランスフェクトし たMv1Lu細胞からのRNAについてノーザンブロット分析した。JunB、Smad7およびP AI-1の内因性mRNAを矢印で示す。Smad7ブロットの星印はトランスフェクトF-Sma d7mRNAを示す。泳動した総RNAの量と未変化量をエチジウムブロマイド染色に よりチェックした(CおよびF)。JunB(A)およびSmad7プローブ(B)について、 同じブロットを用いたが、PAI-11プローブ(E)のブロットとは異なっていた。 2時間のTGF-β1刺激に先立ち、細胞を20時間塩化亜鉛で処理した後、異所的 に誘発されたSmad7は、TGF-β処理後の内因性遺伝子と同様のSmad7mRNA異所性発 現レベルでTGF-β1-誘発即時型遺伝子を阻害することを見出した(図17B)。 興味深いことに、塩化亜鉛で6時間処理したことにより、Smad7発現クローンに おいて初期応答遺伝子のTGF-β1刺激による有意な影響は観察されなかったが、 20時間の事前処理に対し、異所性Smad7mRNAレベルは明らかに6時間後に高か った。おそらく、Smad7mRNAの差異は塩化亜鉛処理によるSmad7タンパクレ ベルと正確には相関しないか、あるいはゆっくりした反応速度で起こる特定の翻 訳後修飾がMv1Lu細胞中でのSmad7とレセプターの相互作用にとって必要なのかも 知れない。 例19:トランスフェクトCOS細胞および非トランスフェクトMv1Lu細胞中のTGF- β1-誘発Smad7の核移動 トランスフェクトCOS細胞中でのF−Smad6、F-Smad7およびF-Smad2の細胞下局 在化を、構成的活性TβR-I(T204D)の存在または不存在下に、Flag抗体を用い る免疫蛍光法により分析した(図18A)。図18において、パネルAはトランス フェクトCOS細胞中、構成的活性TβR-I(T204D)突然変異体の存在または不存 在下での、F−Smad6、F-Smad7およびF−Smad2の細胞分布を示す。Flag抗体を用 いる免疫蛍光法によると、Smadは細胞内に局在していた。パネルBはTβR- I(T204D)の存在または不存在下にF−Smadを染色する核対細胞質細胞の定量を 示す。パネルCはTGF-β1の存在または不存在下での、非トランスフェクトMv1L u細胞におけるSmad7およびSmad6の細胞分布を示す。Smad6(ESP)またはSmad7( KER)に対する特異抗血清を用いると、Smadは細胞内に局在していた。Smad6 は細胞の細胞質に主に局在しており、細胞局在化はTβR-I(T204D)、構成的活性 TβR-1とSmad6の共トランスフェクションとは異なっていた。Smad7は細胞核に 局在していたが、総処理細胞の大部分はTβR-I(T204D)との共トランスフェク ションにより核から細胞質に輸送されていた;これは初期の報告と一致する(Epp ert et al.1996;Nakao et al.、1997)。TβR-I(T204D)の存在また は不存在下に異なるSmadを染色する核対細胞質の定量を図18Bに提示する 。核の局在化をDAPI染色によりチェックした。Smad7対Smad2とSmad6の細胞分布 において観測された差異は、Smad7が核からTβR-I仲介により輸送されることの 機能的重要性を示唆する。しかし、COS細胞における過剰発現およびエピトープ 標識の使用がSmad7の細胞分布に影響する可能性がある。それ故、非トランスフ ェクトMv1Lu細胞における阻害性Smadの細胞分布を、Smad6とSmad7を特異的に認 識する抗血清を用い試験した。トランスフェクトCOS細胞での結果と一致して、T GF-β1(またはBMP-7)の存在または不存在下にSmad6の細胞質染色を観察 した。幾つかの実験において、TGF-β1−誘発核転位が細胞の数個に観察された (図18C)。リガンドが存在しない場合、核の染色がSmad7に観察された。しか し、TGF-β1刺激により、Smad7の細胞質蓄積が誘発された(図18C)。Smad6と Smad7のそれぞれ異なるエピトープに対して作製した2つの異なる抗血清(Smad6 の場合、Smad6Lは認識するが、Smad6Sは認識しない)は同じ結果を与えた。 例20:TGF-β1の存在または不存在下でのSmad7欠失変異体の特徴的局在 F−Smad6とF−Smad7を安定的に発現するMv1Lu細胞中のF−Smad6とF−Smad7の 細胞局在を、Flag抗体および免疫蛍光法を用い、TGF-β1の存在または不存在下 に分析した。図19に、TGF-β1の存在または不存在下でのSmad7変異体の細胞 下局在を示す。細胞を塩化亜鉛で予め処理した。Flag抗体を用いると、Smad は細胞に局在していた。トランスフェクトCOS細胞と非トランスフェクトMv1Lu細 胞を使用した実験に比較して、同一の結果を得た;F−Smad6LとSmad6Sのための 細胞質染色、対するF−Smad7のためのTGF-β1-誘発核移動(図19)。核局在化 およびTGF-β1-誘発核移動にとって重要なSmad7の領域についてさらに知見を得 るために、異なるSmad7欠失変異体の細胞分布を分析した。F−Smad7のC-末端ド メイン(7C;アミノ酸204〜426)のpMEP4発現コンストラクト、C- 尾部欠失F-Smad7C(7CΔ;アミノ酸204〜407)、C-尾部欠失Smad7(7Δ;ア ミノ酸1〜407)、およびSmad7のN-末端ドメイン(7N;アミノ酸1〜203 )を安定的にMv1Lu細胞にトランスフェクトし、塩化亜鉛処理にもとづくSmad7発 現につきセルラインを特徴付けした(図15)。細胞はすべてある程度の漏出発現 を示したが、すべてのセルラインにおいて亜鉛処理がSmadタンパクの発現を含ん でいた。TGF-β1の存在または不存在下での7C突然変異体(塩化亜鉛処理 後)の細胞分布は野生型Smad7に類似していたが、その核移動効率は野生型Smad7 よりも遥かに劣っていた。未処理MH2ドメインは、7CΔおよび7Δ突然変異体がT GF-β1の不存在下細胞質において優先的であるので、核局在化にとって重要で あると思われた。Smad7NはTGF-β1の存在または不存在下、細胞質に見出された ;それは点局在しており、特定の細胞構造との会合を示唆していた(図19)。Sm ad7欠失コンストラクトは、Smad7野生型で観察されたように、いずれもTGF-β1- 誘発増殖阻害に干渉し得なかった。 例21:マウスSmad7プロモーターの特徴付け マウスSmad7プロモーターは市販品として入手し得る129/Svマウス株のゲノ ムDNAライブラリー(ストラタジーン、ラホーラ、カリフォルニア)から、〜8 00bpのSmad7cDNAフラグメント(ヌクレオチド883〜1614、配列番号 :3)をプローブとして用い、単離した。 単離した推定Smad7プロモーターはSmad7マウスゲノムDNA5'−末端からの〜4 ,465bp XhoI−XhoIフラグメントから構成されていた。単一のBamHI部位を 5'−XhoI部位による制限地図作製により〜3,840bpと同定した。〜4, 465bp XhoI−XhoI DNAのプロモーターの性質を決定するために、このDNA フラグメントの3つの異なる領域(すなわち、〜4,465bp XhoI−XhoI〜 725bpBamHI‐XhoI,および〜3,840bp XhoI−BamHI)を、市販入手 可能なpGL3基本発現ベクター(Promega、Madison、WI)のプロモーター欠損 ルシフェラーゼレポーター遺伝子の5'位置に挿入し、HepG2細胞にトラン スフェクトした。トランスフェクションに続き、細胞をDMEM(0.3%FBS)中 で、一夜飢餓状態とし、後、10ng/mlのTGF−β1またはビヒクル(ネガテ ィブコントロール)により16時間刺激した。細胞を溶解し、ルシフェラーゼ分 析に付した。図21に示したこれらの結果は、〜4465bp XhoI−XhoIおよび〜725 bpBamHI‐XhoIフラグメントはともに非相同ルシフェラーゼ転写単位にTGF− β1誘発性を付与するが、〜3840bp XhoI-BamHIフラグメントは付与しないこと を示す。 725bpのBamHI−XhoI Smad7プロモーター・フラグメントをさらに特徴付けした 。その配列を配列表の配列番号:15として示す。転写開始部位はRNAase Prete ctionアッセイにより位置づけ、配列番号:15の〜ヌクレオチド499と位置 を定めた。この開始部位はまた、かかる部位を検索するためのコンピューター・ ソフトウエア・プログラムにより決定した予測される開始部位に一致することが 分かった(Wingender、E.et al.、Biotechnology、1994、35:273〜2 80;Prestidge、D.et al.、J.Mol.Biol.、1995、249:923〜9 32)。図22はBamHI−XhoIプロモーター・フラグメントにおける異 なる転写因子およびSmadタンパクの幾つかの制限酵素部位と推定結合部位を 示す。非Smad転写因子の推定結合部位は、当該技術に周知のTFSEARC Hコンピューター・プログラムおよびTRANSFAC MATRIX TABL Eデータベースにより同定した。推定Smad結合領域は文献の配列情報を使用 して評価した。 本明細書に開示された全ての引用文献は、引用によりその全体を取り込まれる 。 配列表の後に請求の範囲が続く。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年7月19日(1999.7.19) 【補正内容】 請求の範囲 1.核酸分子がEMBL受託番号AA347307からなる配列を除くことを条件として、 (a)配列番号:3又は配列番号:5に記載の核酸配列からなる分子にストリンジ ェントな条件下でハイブリダイズし、かつTGF-βスーパーファミリーシグナルを 阻害するポリペプチドをコードする、核酸分子、 (b)遺伝コードの縮重により、コドン配列において(a)の核酸分子とは異なる核酸 分子、並びに (c)(a)及び(b)の相補鎖、 からなる群から選択される、単離された核酸分子。 2.配列番号:7又は配列番号:8を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子 。 3.配列番号:7からなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。 4.配列番号:8からなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。 5.配列番号:3からなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。 6.配列番号:5からなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。 7.核酸分子が、配列番号:1及び配列番号:2、並びに受託番号AA347307、AA3482 47、321995、W78627、W40869、AA033426、AA397050、AA016891、及びC85115から なる配列を除外することを条件として、(a)長さが12から1944ヌクレオチドの間 の配列番号:3のユニークフラグメント、(b)長さが12から1875ヌクレオチドの間 の配列番号:5のユニークフラグメント、(c)“(a)”の相補鎖及び(d)“(b)”の 相補鎖からなる群から選択される、単離された核酸分子。 8.単離された核酸分子が、少なくとも14個の連続したヌクレオチド、少なくと も15個の連続したヌクレオチド、少なくとも16個の連続したヌクレオチド、少な くとも17個の連続したヌクレオチド、少なくとも18個の連続したヌクレオチド、 少なくとも20個の連続したヌクレオチド、少なくとも22個の連続したヌクレオチ ドからなる、請求項7に記載の単離された核酸分子。 9.単離された核酸分子が、12個から32個の間の連続したヌクレオチドからなる 、請求項7に記載の単離された核酸分子。 10.プロモーターに作動的に連結されている、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、 又は9に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。 11.請求項10に記載の発現ベクターで、トランスフォーム又はトランスフェクト した宿主細胞。 12.請求項10に記載の発現ベクターを含む、トランスジェニック非-ヒト動物。 13.条件的なSmad7発現ベクターを含む、請求項12に記載のトランスジェニック 非-ヒト動物。 14.Smad7核酸分子の発現を減少させた、トランスジェニック非-ヒト動物。 15.相同組み換えにより破壊されたSmad7遺伝子を含む、請求項14に記載のトラ ンスジェニック非-ヒト動物。 16.条件的なSmad7遺伝子破壊を含む、請求項14に記載のトランスジェニック非- ヒト動物。 17.Smad7発現のトランス-アクティングネガティブレギュレータを含む、請求項 14に記載のトランスジェニック非-ヒト動物。 18.ポリペプチドがTGF-βスーパーファミリーシグナル阻害活性を有する、請求 項1、2、3、4、5又は6に記載の単離された核酸分子によりコードされる単離さ れたポリペプチド。 19.配列番号:4又は配列番号:6のアミノ酸配列を含む分子からなる、請求項18 に記載の単離されたポリペプチド。 20.TGF-βスーパーファミリーシグナル伝達を阻害し、TGF-βスーパーファミリ ーシグナル伝達を阻害する、機能的なフラグメント又は変異体からなる、請求項 18に記載の単離されたポリペプチド。 21.配列番号:4又は6のアミノ酸2-261又は配列番号:4又は6のアミノ酸204-426 からなる、請求項20に記載の単離されたポリペプチド。 22.請求項1、2、3、4、5又は6に記載の単離された核酸分子によりコードされ るポリペプチドに選択的に結合する、単離された抗体又はそのフラグメント。 23.配列番号:4又は6の配列からなるポリペプチドにより規定されるエピトー プに対して結合する、請求項22に記載の単離された抗体又はそのフラグメント。 24.配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、及び配列番号:14からなる群 から選択されるポリペプチドにより規定されるエピトープを選択的に結合する 抗体又はそのフラグメントである、請求項22に記載の単離された抗体又はそのフ ラグメント。 25.Fabフラグメント、F(ab)2フラグメント及びSmad7ポリペプチドについて選択 的なCDR3領域を含むフラグメントからなる群から選択される抗体フラグメントで ある、請求項22に記載の単離された抗体又はそのフラグメント。 26.モノクローナル抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項22に記載の 単離されたポリペプチド。 27.ポリペプチドの単離された複合体であって、 活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター及びTGFβスーパーファミリ ータイプIレセプターとTGFβスーパーファミリータイプIIレセプターとの複合 体からなる群から選択されるレセプターに結合する請求項18に記載のポリペプチ ドを含む、前記複合体。 28.レセプターが、TβRI、BMPR-IA、BMPR-IB、ActR-IA、TβRIとTβRIIの複合 体、BMPR-IAとBMPR-IIの複合体、BMPR-IBとBMPR-IIとの複合体、ActR-IAとBMPR- IIとの複合体及びActR-IAとのActR-IIの複合体からなる群から選択される、請求 項27に記載の単離された複合体。 29.請求項18に記載のポリペプチドが配列番号:6のアミノ酸配列からなる、請 求項27に記載の単離されたポリペプチドの複合体。 30.ほ乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減 少させるための方法であって、 ほ乳類細胞を、細胞内のSmad7又はそのフラグメントの量を増加させる薬剤と 、ほ乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減少 させるために効果的な該薬剤の量にて接触させる工程を含み、該薬剤が請求項18 のポリペプチドであってもよい、前記方法。 31.TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションがTGFβスーパーフ ァミリーリガンドにより仲介されるシグナルトランスダクションであり、該TGF βスーパーファミリーリガンドがTGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7 からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。 32.薬剤が、配列番号:4のアミノ酸配列をコードする核酸、配列番号:6のア ミノ酸配列をコードする核酸、配列番号:4のアミノ酸204-426をコードする核酸 、配列番号:6のアミノ酸204-426をコードする核酸、配列番号:4のアミノ酸2-2 61をコードする核酸、配列番号:6のアミノ酸2-261をコードする核酸、アクチビ ン、表皮成長因子(epidermal growth factor)及び、フォルボールエステルから なる群から選択される、請求項30に記載の方法。 33.ほ乳類細胞中の経路特異的なSmadポリペプチドのリン酸化を減少させる方法 であって、 ほ乳類細胞を、ほ乳類細胞中の経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化を減少 させるために効果的な量の、請求項1に記載の単離された核酸又はその単離され たSmadポリペプチド発現産物と接触させる工程を含み、経路特異的Smadポリペプ チドが、Smad1、Smad2、Smad3及びSmad5からなる群から選択される、前記方法。 34.単離されたSmadポリペプチドが、Smad7、Smad8、Smad7のN-末端フラグメン ト及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項33に記載 の方法。 35.その増殖が、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションにより 変動する、細胞の増殖を調節するための方法であって、 細胞を、細胞の増殖を調節するために効果的な量の、請求項1に記載の単離さ れた核酸又は単離されたSmadポリペプチド発現産物と接触させる工程を含む、前 記方法。 36.細胞中でのTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増加さ せる方法であって、 細胞を、細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増 加させるために効果的な量の、請求項1に記載の単離された核酸分子又はその単 離されたSmadポリペプチド発現産物に選択的に結合する薬剤と接触させる工程を 含む、前記方法。 37.TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションが、TGF-β1、アク チビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリ ーリガンドにより仲介される、請求項36に記載の方法。 38.薬剤がアンチセンス核酸である、請求項37に記載の方法。 39.薬剤がポリペプチドである、請求項37に記載の方法。 40.ポリペプチドが、(1)配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列 番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号13のアミノ酸配列を含む ポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末 端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択されるポリ ペプチドを結合する抗体、及び(2)Smad7のドミナントネガティブ変異体からなる 群から選択される、請求項39に記載の方法。 41.請求項18に記載のポリペプチド、及び 医薬的に許容される担体を含む、組成物。 42.対象中のSmad7 TGF-βスーパーファミリー阻害活性を減少させるための方法 であって、 そのような治療が必要な対象に対して、請求項1に記載の単離された核酸分子 又はその発現産物に選択的に結合する薬剤を、対象中のSmad7 TGF-βスーパーフ ァミリー阻害活性を減少させるのに効果的な量で、投与する工程を含む、前記方 法。 43.TGF-βスーパーファミリー阻害活性が、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4 及びBMP-7からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリーリガンドにより仲 介される、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションの阻害である 、請求項42に記載の方法。 44.薬剤がアンチセンス核酸である、請求項42に記載の方法。 45.薬剤がポリペプチドである、請求項42に記載の方法。 46.ポリペプチドが、(1)配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列 番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号13のアミノ酸配列を含む ポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末 端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択されるポリ ペプチドを結合する抗体、及び(2)Smad7のドミナントネガティブ変異体からなる 群から選択される、請求項45に記載の方法。 47.細胞中のTGF-βスーパーファミリーリガンドの誘導を診断するための方法 であって、 (a)細胞中のSmad7 RNA又はポリペプチドの量を測定する工程、及び (b)以前にSmad7 RNA又はポリペプチドについて測定した対照値と(a)の結果を比 較する工程を含む、前記方法。 48.細胞中の機能的TGFβスーパーファミリーレセプターの存在を同定するため の方法であって、 (a)細胞中のSmad7の量を増加させるために効果的な量のTGFβスーパーファミリ ーリガンドと、細胞を接触させる工程、 (b)細胞中のSmad7RNA又はポリペプチドの量を測定する工程、及び (c)TGFβスーパーファミリーリガンドの不存在下における対照と(b)の結果を比 較する工程であって、細胞中のSmad7RNA又はポリペプチドの増加した量が、機能 的なTGFβスーパーファミリーレセプターの存在を示す上記工程を含む、前記方 法。 49.TGFβスーパーファミリーレセプターが、TGF-βスーパーファミリータイプ Iレセプター、TGF-βスーパーファミリータイプIIレセプター、及びTGF-βスー パーファミリータイプIレセプターとGF-βスーパーファミリータイプIIレセプ ターとの複合体からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。 50.Smad7TGF-βスーパーファミリー阻害活性に関連する疾病の診断又は治療に 有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物(lead compound)を同定するための方 法であって、 請求項18に記載のSmad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター 複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター、及び候補薬理 学的薬剤(candidate pharmacological agent)を含む混合物を形成する工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、Smad7ポリペプチドによるTGF-βスー パーファミリーレセプター複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプI レセプターの特異的な結合の基準量を起こす条件下で混合物をインキュベートす る工程、 Smad7ポリペプチドによるTGF-βスーパーファミリーレセプター複合体又は活 性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプターの特異的な結合の試験量を同 定する工程であって、特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の減少が 、候補薬理学的薬剤はSmad7TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクシ ョン阻害活性を阻害する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し 、特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の増加が、候補薬理学的薬剤 はSmad7 TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を増強 する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示す上記工程を含む、前 記方法。 51.TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP- 4及びBMP-7からなる群から選択される、請求項50に記載の方法。 52.Smad7ポリペプチドが、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配 列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及び Smad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項50に記載の方法 。 53.Smad7 TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性に関 連する疾病の診断又は治療に有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物を同定す るための方法であって、 請求項8に記載のSmad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター 複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター、経路特異的Sma dポリペプチド及び候補薬理学的薬剤を含む混合物を形成する工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、TGF-βスーパーファミリーに誘導され る経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の基準量を起こす条件下で混合物をイ ンキュベートする工程、 TGF-βスーパーファミリーに誘導される経路特異的Smadポリペプチドのリン酸 化の試験量を同定する工程であって、経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の 基準量に対する経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の試験量の減少が、候補 薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション 阻害活性を増強する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し、経 路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の第一の量に対する経路特異的Smadポリペ プチドのリン酸化の試験量の増加は、候補薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βス ーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を阻害する、薬理学的薬 剤のためのリード化合物であることを示す前記工程を含む、前記方法。 54.経路特異的Smadポリペプチドが、Smad1、Smad2、Smad3及びSmad5からなる群 から選択される、請求項53に記載の方法。 55.Smad7ポリペプチドが、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配 列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及び Smad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項53に記載の方法 。 56.TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP- 4及びBMP-7からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。 57.細胞中のSmad6若しくはSmad7核酸又はその発現産物の発現を減少させる方法 であって、 細胞を、細胞中のSmad6若しくはSmad7核酸又はその発現産物を減少させるため に効果的な量の、Smad4核酸又はポリペプチドに選択的に結合する薬剤と接触さ せる工程を含む、前記方法。 58.薬剤がアンチセンスSmad4分子である、請求項57に記載の方法。 59.薬剤がSmad4に選択的に結合する抗体である、請求項57に記載の方法。 60.細胞中のSmad6又はSmad7発現を増加させる方法であって、 細胞を、細胞中のSmad6又はSmad7発現を増加させるために効果的な量の、アク チビン、表皮成長因子及びフォルボールエステルからなる群から選択される薬剤 と接触させる工程を含む、前記方法。 61.Smad6及びSmad7からなる群から選択される遺伝子の上昇した発現により特徴 付けられる肺ガンを有する対象を治療するための方法であって、 対象に、核酸分子又は該遺伝子によりコードされるその発現産物の発現又は活 性を減少させる薬剤の量を投与する工程であって、核酸分子が配列番号:9及び 請求項1に記載の核酸分子から選択される上記工程を含む、前記方法。 62.薬剤が核酸分子又はその発現産物に選択的に結合する、請求項61に記載の方 法。 63.薬剤がアンチセンス核酸分子である、請求項62に記載の方法。 64.薬剤がポリペプチドである、請求項62に記載の方法。 65.ポリペプチドが抗体又はそのフラグメントであり、配列番号:4のアミノ酸 配列を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Sma d7のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメント、配列番号:10のアミ ノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:11のアミノ酸配列を含むポリペプチド 、配列番号:12のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配 列を含むポリペプチド、及び配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチドか らなる群から選択されるポリペプチドを結合する、請求項64に記載の方法。 66.薬剤がSmad6又はSmad7のドミナントネガティブ変異体である、請求項62に記 載の方法。 67.ほ乳類胚発生における眼欠陥を減少させるための方法であって、胚細胞を、 請求項1に記載のSmad7核酸分子又はその発現産物の発現又は活性を減少させる 薬剤と、接触させる工程を含む、前記方法。 68.薬剤が、Smad7核酸分子又はその発現産物を選択的に結合する、請求項67に 記載の方法。 69.薬剤がアンチセンス核酸分子である、請求項68に記載の方法。 70.薬剤がポリペプチドである、請求項56に記載の方法。 71.ポリペプチドが抗体及びそのフラグメントであり、配列番号:4のアミノ酸 配列を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配 列番号13のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含 むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントか らなる群から選択されるポリペプチドを結合する、請求項70に記載の方法。 72.薬剤がSmad7のドミナントネガティブ変異体である、請求項68に記載の方法 。 73.Smad7 MH2ドメイン又はその転写活性化フラグメント又はその核局在フラグ メントからなる第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドを含む、融合タンパ ク。 74.Smad7制御遺伝子転写の転写を調節するための方法であって、 ほ乳類細胞を、Smad7制御遺伝子転写を調節するために効果的な量の、TGFβス ーパーファミリーレセプター仲介シグナルトランスダクションを調節する薬剤と 接触させることを含む、前記方法。 75.薬剤が、TGFβスーパーファミリーリガンド又はTGFβスーパーファミリーレ セプター-仲介シグナルトランスダクションの阻害剤である、請求項74に記載の 方法。 76.配列番号:15のヌクレオチド配列、その対立遺伝子的変異体、又はTGFβ制 御に寄与するその機能的なフラグメントを含む、単離された核酸分子。 77.配列番号:15のユニークフラグメントを含む、単離された核酸分子。 78.請求項76又は77に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。 79.第一の核酸分子の転写を調節するための方法であって、 請求項76又は77に記載の単離された核酸分子に作動的に結合されている第一の 核酸分子を含むコンストラクトを作製する工程、及び TGFβスーパーファミリーレセプターを含む発現系にコンストラクトを導入する 工程を含む、前記方法。 80.発現系が細胞である、請求項79に記載の方法。 81.細胞がTGFβレセプターを発現し、第一の核酸分子の発現を増加させるため に、細胞をTGFβと接触させる工程をさらに含む、請求項80に記載の方法。 82.TGFβの転写活性を制御する調節体を同定するための方法であって、 検出可能な発現産物をコードする核酸に作動的に結合されている配列番号:15 又はそのTGFβ制御フラグメントを含むリポーターコンストラクトを発現系に供 給する工程、 候補調節体化合物と発現系を接触させる工程、 発現系を、候補調節体の不存在下で、検出可能な発現産物の発現の基準量を起 こす条件下でインキュベートする工程、及び 検出可能な発現産物の発現の試験量を検出する工程であって、候補調節体化合 物の存在下における検出可能な発現産物の発現の増加の検出は、候補調節体化合 物がTGFβ制御転写活性を増加する化合物であることを示し、候補調節体化合物 の存在下における検出可能な発現産物の発現の減少の検出は、候補調節体化合物 がTGFβ制御転写活性を減少させる化合物であることを示す上記工程を含む、前 記方法。 83.発現系が細胞及びインビトロ無細胞転写系からなる群から選択される、請求 項82に記載の方法。 84.検出可能な発現産物がレポータータンパクである、請求項82に記載の方法。 【手続補正書】 【提出日】平成12年3月9日(2000.3.9) 【補正内容】 請求の範囲 1.核酸分子がEMBL受託番号AA347307からなる配列を除くことを条件として、 (a)配列番号:3又は配列番号:5に記載の核酸配列からなる分子にストリンジ ェントな条件下でハイブリダイズし、かつTGF-βスーパーファミリーシグナルを 阻害するポリペプチドをコードする、核酸分子、 (b)遺伝コードの縮重により、コドン配列において(a)の核酸分子とは異なる核酸 分子、並びに (c)(a)及び(b)の相補鎖、 からなる群から選択される、単離された核酸分子。 2.配列番号3:、配列番号:5、配列番号:7又は配列番号:8を含む、請求項1に 記載の単離された核酸分子。 3.核酸分子が、配列番号:1及び配列番号:2、並びに受託番号AA347307、AA348 247、321995、W78627、W40869、AA033426、AA397050、AA016891、及びC85115か らなる配列を除外することを条件として、(a)長さが12から1944ヌクレオチドの 間の配列番号:3のユニークフラグメント(b)長さが12から1875ヌクレオチドの間 の配列番号:5のユニークフラグメント、(c)“(a)”の相補鎖及び(d)“(b)”の 相補鎖からなる群から選択される、単離された核酸分子。 4.単離された核酸分子が、少なくとも14個の連続したヌクレオチド、少なくと も15個の連続したヌクレオチド、少なくとも16個の連続したヌクレオチド、少な くとも17個の連続したヌクレオチド、少なくとも18個の連続したヌクレオチド、 少なくとも20個の連続したヌクレオチド、少なくとも22個の連続したヌクレオチ ドからなる、請求項3に記載の単離された核酸分子。 5.単離された核酸分子が、12個から32個の間の連続したヌクレオチドからなる 、請求項3に記載の単離された核酸分子。 6.プロモーターに作動的に連結されている、請求項1、2、3、4又は5に記載の 単離された核酸分子を含む、発現ベクター。 7.請求項6に記載の発現ベクターで、トランスフォーム又はトランスフェクト した宿主細胞。 8.ポリペプチドがTGF-βスーパーファミリーシグナル阻害活性を有する、請求 項1又は2に記載の単離された核酸分子によりコードされる単離されたポリペプ チド。 9.配列番号:4又は配列番号:6のアミノ酸配列を含む分子からなる、請求項8 に記載の単離されたポリペプチド。 10.TGF-βスーパーファミリーシグナル伝達を阻害し、TGF-βスーパーファミリ ーシグナル伝達を阻害する、機能的なフラグメント又は変異体からなる、請求項 8に記載の単離されたポリペプチド。 11.配列番号:4又は6のアミノ酸2-261又は配列番号:4又は6のアミノ酸204-4 26からなる、請求項10に記載の単離されたポリペプチド。 12.請求項1又は2に記載の単離された核酸分子によりコードされるポリペプチ ドに選択的に結合し、配列番号:4又は6の配列からなるポリペプチドにより規 定されるエピトープに対して結合してもよく、配列番号:11、配列番号:12、配 列番号:13、及び配列番号:14からなる群から選択されるポリペプチドにより規 定されるエピトープを選択的に結合してもよく、Fabフラグメント、F(ab)2フラ グメント及びSmad7ポリペプチドについて選択的なCDR3領域を含むフラグメント からなる群から選択される抗体フラグメントであってもよく、又は、モノクロー ナル抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体であってもよい単離された抗体又はそのフ ラグメント。 13.ポリペプチドの単離された複合体であって、 活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター及びTGFβスーパーファミリ ータイプIレセプターとTGFβスーパーファミリータイプIIレセプターとの複合 体からなる群から選択されるレセプターに結合する請求項8に記載のポリペプチ ドを含み、レセプターが、TβRI、BMPR-IA、BMPR-IB、ActR-IA、TβRIとTβRII の複合体、BMPR-IAとBMPR-IIの複合体、BMPR-IBとBMPR-IIとの複合体、ActR-IA とBMPR-IIとの複合体及びActR-IAとのActR-IIの複合体からなる群から選択され てもよく、請求項8に記載のポリペプチドが配列番号:6のアミノ酸配列からな ってもよい、前記複合体。 14.ほ乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減 少させるための方法であって、 ほ乳類細胞を、細胞内のSmad7又はそのフラグメントの量を増加させる薬剤と 、ほ 乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減少させ るために効果的な該薬剤の量にて接触させる工程であって、TGF-βスーパーファ ミリーシグナルトランスダクションがTGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4及びBMP -7からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリーリガンドにより仲介され るシグナルトランスダクションであってもよく、また薬剤が、配列番号:4のア ミノ酸配列をコードする核酸、配列番号:6のアミノ酸配列をコードする核酸、 配列番号:4のアミノ酸204-426をコードする核酸、配列番号:6のアミノ酸204-4 26をコードする核酸、配列番号:4のアミノ酸2-261をコードする核酸、配列番号 :6のアミノ酸2-261をコードする核酸、アクチビン、表皮成長因子(epidermal g rowth factor)及び、フォルボールエステルからなる群から選択されてもよい上 記工程を含む、前記方法。 15.その増殖が、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションにより 変動する、細胞の増殖を調節するための方法であって、 細胞を、細胞の増殖を調節するために効果的な量の、請求項1に記載の単離さ れた核酸又は単離されたSmadポリペプチド発現産物と接触させる工程を含む、前 記方法。 16.細胞中でのTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増加さ せる方法であって、 細胞を、細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増 加させるために効果的な量の、請求項1に記載の単離された核酸分子又はその単 離されたSmadポリペプチド発現産物に選択的に結合する薬剤と接触させる工程で あって、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションが、TGF-β1、 アクチビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7からなる群から選択されるTGFβスーパーファ ミリーリガンドにより仲介されてもよく、また薬剤がアンチセンス核酸又は(1 )配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列 を含むポリペプチド、配列番号13のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号 :14のアミノ酸配列を含むボリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及びSmad7 のC-末端フラグメントからなる群から選択されるポリペプチドを結合する抗体、 及び(2)Smad7のドミナントネガティブ変異体からなる群から選択されてもよいポ リペプチドであってもよい上記工程を含む、前記方法。 17.対象中のSmad7 TGF-βスーパーファミリー阻害活性を減少させるための方法 で あって、 そのような治療が必要な対象に対して、請求項1に記載の単離された核酸分子 又はその発現産物に選択的に結合する薬剤を、対象中のSmad 7TGF-βスーパーフ ァミリー阻害活性を減少させるのに効果的な量で、投与する工程であって、TGF- βスーパーファミリー阻害活性が、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7 からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリーリガンドにより仲介される 、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクシヨンの阻害であってもよく 、また薬剤がアンチセンス核酸又は、(1)配列番号:4のアミノ酸配列を含む ポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号13の アミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプ チド、Smad7のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群か ら選択されるポリペプチドを結合する抗体、及び(2)Smad7のドミナントネガティ ブ変異体からなる群から選択されてもよいポリペプチドであってもよい上記工程 を含む、前記方法。 18.細胞中の機能的TGFβスーパーファミリーレセプターの存在を同定するため の方法であって、TGFβスーパーファミリーレセプターが、TGF-βスーパーファ ミリータイプIレセプター、TGF-βスーパーファミリータイプIIレセプター、及 びTGF-βスーパーファミリータイプIレセプターとGF-βスーパーファミリータ イプIIレセプターとの複合体からなる群から選択されてもよく、 (a)細胞中のSmad7の量を増加させるために効果的な量のTGFβスーパーファミリ ーリガンドと、細胞を接触させる工程、 (b)細胞中のSmad7RNA又はポリペプチドの量を測定する工程、及び (c)TGFβスーパーファミリーリガンドの不存在下における対照と(b)の結果を比 較する工程であって、細胞中のSmad7RNA又はポリペプチドの増加した量が、機能 的なTGFβスーパーファミリーレセプターの存在を示す上記工程を含む、前記方 法。 19.Smad7TGF-βスーパーファミリー阻害活性に関連する疾病の診断又は治療に 有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物(lead compound)を同定するための方 法であって、TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、アクチビン、V g1、BMP-4及びBMP-7からなる群から選択されてもよく、 請求項8に記載のSmad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター 複合 体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター、及び候補薬理学的 薬剤(candidatepharmacologicalagent)を含む混合物を形成する工程であって、S mad7ポリペプチドが、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番 号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及びSmad 7のC-末端フラグメントからなる群から選択されてもよい上記工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、Smad7ポリペプチドによるTGF-βスー パーファミリーレセプター複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプI レセプターの特異的な結合の基準量を起こす条件下で混合物をインキュベートす る工程、 Smad7ポリペプチドによるTGF-βスーパーファミリーレセプター複合体又は活 性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプターの特異的な結合の試験量を同 定する工程であって、特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の減少が 、候補薬理学的薬剤はSmad7TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクシ ョン阻害活性を阻害する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し 、特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の増加が、候補薬理学的薬剤 はSmad7TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を増強 する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示す上記工程を含む、前 記方法。 20.Smad7 TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性に関 連する疾病の診断又は治療に有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物を同定す るための方法であって、TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、ア クチビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7からなる群から選択されてもよく、 請求項4に記載のSmad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター 複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター、経路特異的Sma dポリペプチド及び候補薬理学的薬剤を含む混合物を形成する工程であって、経 路特異的Smadポリペプチドが、Smad1、Smad2、Smad3及びSmad5からなる群から選 択されてもよく、Smad7ポリペプチドが、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリ ペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラ グメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択されてもよい上記 工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、TGF-βスーパーファミリーに誘導され る経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の基準量を起こす条件下で混合物をイ ンキュ ベートする工程、 TGF-βスーパーファミリーに誘導される経路特異的Smadポリペプチドのリン酸 化の試験量を同定する工程であって、経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の 基準量に対する経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の試験量の減少が、候補 薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション 阻害活性を増強する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し、経 路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の第一の量に対する経路特異的Smadポリペ プチドのリン酸化の試験量の増加は、候補薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βスーパ ーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を阻害する、薬理学的薬剤の ためのリード化合物であることを示す前記工程を含む、前記方法。 21.Smad7 MH2ドメイン又はその転写活性化フラグメント又はその核局在フラグ メントからなる第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドを含む、融合タンパ ク。 22.Smad7制御遺伝子転写の転写を調節するための方法であって、 ほ乳類細胞を、Smad7制御遺伝子転写を調節するために効果的な量の、TGFβス ーパーファミリーレセプター仲介シグナルトランスダクションを調節する薬剤と 接触させることを含み、薬剤が、TGFβスーパーファミリーリガンド又はTGFβス ーパーファミリーレセプター-仲介シグナルトランスダクションの阻害剤である 、前記方法。 23.配列番号:15のヌクレオチド配列、その対立遺伝子的変異体、又はTGFβ制 御に寄与するその機能的なフラグメントを含む、単離された核酸分子。 24.請求項23に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。 25.第一の核酸分子の転写を調節するための方法であって、 請求項23に記載の単離された核酸分子に作動的に結合されている第一の核酸分 子を含むコンストラクトを作製する工程、及び TGFβスーパーファミリーレセプターを含む発現系にコンストラクトを導入する 工程であって、発現系が細胞であってもよい上記工程を含み、細胞がTGFβレセ プターを発現し、第一の核酸分子の発現を増加させるために、細胞をTGFβと接 触させる工程をさらに含んでもよい、前記方法。 26.TGFβの転写活性を制御する調節体を同定するための方法であって、 検出可能な発現産物をコードする核酸に作動的に結合されている配列番号:15 又 はそのTGFβ制御フラグメントを含むリポーターコンストラクトを発現系に供給 する工程、 候補調節体化合物と発現系を接触させる工程であって、発現系が細胞及びイン ビトロ無細胞転写系からなる群から選択されてもよい上記工程、 発現系を、候補調節体の不存在下で、検出可能な発現産物の発現の基準量を起 こす条件下でインキュベートする工程であって、検出可能な発現産物がレポータ ータンパクであってもよい上記工程、及び 検出可能な発現産物の発現の試験量を検出する工程であって、候補調節体化合 物の存在下における検出可能な発現産物の発現の増加の検出は、候補調節体化合 物がTGFβ制御転写活性を増加する化合物であることを示し、候補調節体化合物 の存在下における検出可能な発現産物の発現の減少の検出は、候補調節体化合物 がTGFβ制御転写活性を減少させる化合物であることを示す上記工程を含む、前 記方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 19/00 19/00 C12Q 1/68 A C12N 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 5/00 B 33/50 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/075,940 (32)優先日 平成10年2月25日(1998.2.25) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/077,033 (32)優先日 平成10年3月6日(1998.3.6) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 テン ディーク,ピーター スウェーデン王国 S―751 24 ウップ サラ、ピー.オー.ボックス 595

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号:3又は配列番号:5に記載の核酸配列からなる分子にストリンジ ェントな条件下でハイブリダイズし、かつTGF−βスーパーファミリーシグナル を阻害するポリペプチドをコードする、核酸分子、 (b)遺伝コードの縮重により、コドン配列において(a)の核酸分子とは異なる核酸 分子、並びに (c)(a)及び(b)の相補鎖、 からなる群から選択される、単離された核酸分子。 2.配列番号:7又は配列番号:8を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子 。 3.配列番号:7からなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。 4.配列番号:8からなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。 5.配列番号:3からなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。 6.配列番号:5からなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。 7.核酸分子が、配列番号:1及び配列番号:2からなる配列を除外することを条 件として、(a)長さが12から1944ヌクレオチドの間の配列番号:3のユニークフラ グメント、(b)長さが12から1875ヌクレオチドの間の配列番号:5のユニークフラ グメント、(c)“(a)”の相補鎖及び(d)“(b)”の相補鎖からなる群から選択され る、単離された核酸分子。 8.単離された核酸分子が、少なくとも14個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 9.単離された核酸分子が、少なくとも15個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 10.単離された核酸分子が、少なくとも16個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 11.単離された核酸分子が、少なくとも17個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 12.単離された核酸分子が、少なくとも18個の連続したヌクレオチドがらなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 13.単離された核酸分子が、少なくとも20個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 14.単離された核酸分子が、少なくとも22個の連続したヌクレオチドからなる、 請求項7に記載の単離された核酸分子。 15.単離された核酸分子が、12個から32個の間の連続したヌクレオチドからなる 、請求項7に記載の単離された核酸分子。 16.プロモーターに作動的に連結されている、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、 9、10、11、12、13、14又は15に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクタ ー。 17. 請求項16に記載の発現ベクターで、トランスフォーム又はトランスフェク トした宿主細胞。 17B.請求項16に記載の発現ベクターを含む、トランスジェニック非-ヒト動物。 17B2.条件的なSmad7発現ベクターを含む、請求項17Bに記載のトランスジェニッ ク非-ヒト動物。 17C.Smad7核酸分子の発現を減少させた、トランスジェニック非-ヒト動物。 17D.相同組み換えにより破壊されたSmad7遺伝子を含む、請求項17Cに記載のト ランスジェニック非-ヒト動物。 17E.条件的なSmad7遺伝子破壊を含む、請求項17Cに記載のトランスジェニック 非-ヒト動物。 17F.Smad7発現のトランス-アクティングネガティブレギュレータを含む、請求 項17Cに記載のトランスジェニック非-ヒト動物。 18.ポリペプチドがTGF-βスーパーファミリーシグナル阻害活性を有する、請求 項1、2、3、4、5又は6に記載の単離された核酸分子によりコードされる単離さ れたポリペプチド。 19.配列番号:4又は配列番号:6のアミノ酸配列を含む分子からなる、請求項18 に記載の単離されたポリペプチド。 20.機能的なフラグメント又は変異体からなる、請求項18に記載の単離されたポ リペプチド。 21.配列番号:4又は6のアミノ酸204-426からなる、請求項20に記載の単離 されたポリペプチド。 21B.配列番号:4又は6のアミノ酸2-261からなる、請求項20に記載の単離され たポリペプチド。 22.単離されたポリペプチドがTGFβスーパーファミリータイプIレセプターで はないことを条件として、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の単離された核酸 分子によりコードされるポリペプチドに選択的に結合する、請求項20に記載の単 離されたポリペプチド。 23.配列番号:4又は6の配列からなるポリペプチドにより規定されるエピトー プに結合する、請求項22に記載の単離されたポリペプチド。 23B.抗体又はそのフラグメントであり、配列番号:11、配列番号:12、配列番 号:13、及び配列番号:14からなる群から選択されるポリペプチドにより規定さ れるエピトープを選択的に結合する抗体又はそのフラグメントである、請求項22 に記載の単離されたポリペプチド。 24.Fabフラグメント、F(ab)2フラグメント及びSmad7ポリペプチドについて選択 的なCDR3領域を含むフラグメントからなる群から選択される抗体フラグメントで ある、請求項22に記載の単離されたポリペプチド。 24B.モノクローナル抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項22に記載 の単離されたポリペプチド。 25.ポリペプチドの単離された複合体であって、 活性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプター及びTGFβスーパーファミリ ータイプIレセプターとTGFβスーパーファミリータイプIIレセプターとの複合 体からなる群から選択されるレセプターに結合する請求項18に記載のポリペプチ ドを含む、前記複合体。 25B.レセプターが、TβRI、BMPR-IA、BMPR-IB、ActR-IA、TβRIとTβRIIの複合 体、BMPR-IAとBMPR-IIとの複合体、BMPR-IBとBMPR-IIとの複合体、ActR-IAとBMP R-IIとの複合体及びActR-IAとActR-IIとの複合体からなる群から選択される、請 求項25に記載の単離された複合体。 26.請求項1に記載のポリペプチドが配列番号::6のアミノ酸配列からなる、 請求項25に記載の単離されたポリペプチドの複合体。 27.ほ乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減 少させるための方法であって、 ほ乳類細胞を、細胞内のSmad7又はそのフラグメントの量を増加させる薬剤と 、ほ乳類細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを減少 させるために効果的な該薬剤の量にて、接触させる工程を含む、前記方法。 28.TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションがTGFβスーパーフ ァミリーリガンドにより仲介されるシグナルトランスダクションである、請求項 27に記載の方法。 28B.TGFβスーパーファミリーリガンドが、TGF−β1、アクチビン、Vg1、BMP-4 、BMP-7からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。 29.薬剤が、配列番号::4のアミノ酸配列をコードする核酸、配列番号::6の アミノ酸配列をコードする核酸、配列番号::4のアミノ酸204-426をコードする 核酸、配列番号::6のアミノ酸204-426をコードする核酸、配列番号::4のア ミノ酸2-261をコードする核酸、配列番号::6のアミノ酸2-261をコードする核 酸、及び請求項18に記載のポリペプチドからなる群から選択される、請求項28に 記載の方法。 30.薬剤が、アクチビン、表皮成長因子(epidermal growth factor)及び、フォ ルボールエステルからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。 31.ほ乳類細胞中の経路特異的なSmadポリペプチドのリン酸化を減少させる方法 であって、 ほ乳類細胞を、ほ乳類細胞中の経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化を減少 させるために効果的な量の、請求項1に記載の単離された核酸又はその単離され たSmadポリペプチド発現産物と接触させる工程を含む、前記方法。 31B.経路特異的Smadポリペプチドが、Smad1、Smad2、Smad3及びSmad5からなる 群から選択される、請求項31に記載の方法。 31C.単離されたSmadポリペプチドが、Smad7、Smad8、Smad7のN-末端フラグメン ト及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項31に記載 の方法。 32.その増殖が、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションにより 変動する、細胞の増殖を調節するための方法であって、 細胞を、細胞の増殖を調節するために効果的な量の、請求項1に記載の単離さ れた核酸又は単離されたSmadポリペプチド発現産物と接触させる工程を含む、前 記方法。 33.細胞中でのTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増加さ せる方法であって、 細胞を、細胞中のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションを増 加させるために効果的な量の、請求項1に記載の単離された核酸分子又はその単 離されたSmadポリペプチド発現産物に選択的に結合する薬剤と接触させる工程を 含む、前記方法。 34.TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションが、TGF-β1、アク チビン、Vg1、BMP-4及びBMP-7からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリ ーリガンドにより仲介される、請求項33に記載の方法。 35.薬剤がアンチセンス核酸である、請求項34に記載の方法。 36.薬剤がポリペプチドである、請求項34に記載の方法。 37.ポリペプチドが、(1)配列番号::4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配 列番号::6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列 を含むポリペプチド、配列番号::14のアミノ酸配列を含むボリペプチド、Smad7 のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択され るポリペプチドを結合する抗体、及び(2)Smad7のドミナントネガティブ変異体か らなる群から選択される、請求項36に記載の方法。 38.請求項18に記載のポリペプチド、及び 医薬的に許容される担体を含む、組成物。 39.対象中のSmad7 TGF-βスーパーファミリー阻害活性を減少させるための方法 であって、 そのような治療が必要な対象に対して、請求項1に記載の単離された核酸分子 又はその発現産物に選択的に結合する薬剤を、対象中のSmad7 TGF-βスーパーフ ァミリー阻害活性を減少させるのに効果的な量で、投与する工程を含む、前記方 法。 40.TGF-βスーパーファミリー阻害活性が、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP-4 及びBMP-7からなる群から選択されるTGFβスーパーファミリーリガンドにより仲 介される、TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクションの阻害である 、請求項39に記載の方法。 41.薬剤がアンチセンス核酸である、請求項39に記載の方法。 42.薬剤がポリペプチドである、請求項39に記載の方法。 43.ポリペプチドが、(1)配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列 番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列を含 むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN- 末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択されるポ リペプチドを結合する抗体、及び(2)Smad7のドミナントネガティブ変異体からな る群から選択される、請求項42に記載の方法。 44.細胞中のTGF-βスーパーファミリーリガンドの誘導を診断するための方法で あって、 (a)細胞中のSmad7 RNA又はポリペプチドの量を測定する工程、及び (b)対照と(a)の結果を比較する工程を含む、前記方法。 45.細胞中の機能的TGFβスーパーファミリーレセプターの存在を同定するため の方法であって、 (a)細胞中のSmad7の量を増加させるために効果的な量のTGFβスーパーファミリ ーリガンドと、細胞を接触させる工程、 (b)細胞中のSmad7RNA又はポリペプチドの量を測定する工程、及び (c)対照と(b)の結果を比較する工程であって、細胞中のSmad7RNA又はポリペプチ ドの増加した量が、機能的なTGFβスーパーファミリーレセプターの存在を示す 上記工程を含む、前記方法。 45B.TGFβスーパーファミリーレセプターが、TGF-βスーパーファミリータイプ Iレセプター、TGF-βスーパーファミリータイプIIレセプター、及びTGF-βスー パーファミリータイプIレセプターとGF-βスーパーファミリータイプIIレセプ ターとの複合体からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。 46.Smad7TGF-βスーパーファミリー阻害活性に関連する疾病の診断又は治療に 有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物(lead compound)を同定するための方 法であって、 Smad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター複合体又は活性化T GFβスーパーファミリータイプIレセプター、及び候補薬理学的薬剤(candidate pharmacological agent)を含む混合物を形成する工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、Smad7ポリペプチドによるTGF-βスー パーファミリーレセプター複合体又は活性化TGFβスーパーファミリータイプI レセプターの特異的な結合の基準量を起こす条件下で混合物をインキュベートす る工程、 Smad7ポリペプチドによるTGF-βスーパーファミリーレセプター複合体又は活 性化TGFβスーパーファミリータイプIレセプターの特異的な結合の試験量を同 定する工程であって、特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の減少が 、候補薬理学的薬はSmad7 TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクショ ン阻害活性を阻害する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し、 特異的結合の基準量に対する特異的結合の試験量の増加ga、候補薬理学的薬剤は Smad7 TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を増強す る、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示す上記工程を含む、前記 方法。 47.TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP- 4及びBMP-7からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。 47B.Smad7ポリペプチドが、配列番号:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、 配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及 びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項46に記載の方 法。 48.Smad7TGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション阻害活性に関 連する疾病の診断又は治療に有用な薬理学的薬剤のためのリード化合物を同定す るための方法であって、 Smad7ポリペプチド、TGF-βスーパーファミリーレセプター複合体又は活性化T GFβスーパーファミリータイプIレセプター、経路特異的Smadポリペプチド及 び候補薬理学的薬剤を含む混合物を形成する工程、 候補薬理学的薬剤の不存在下において、TGF-βスーパーファミリーに誘導され る経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の基準量を起こす条件下で混合物をイ ンキュベートする工程、 TGF-βスーパーファミリーに誘導される経路特異的Smadポリペプチドのリン酸 化の試験量を同定する工程であって、経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の 基準量に対する経路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の試験量の減少が、候補 薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βスーパーファミリーシグナルトランスダクション 阻害活性を増強する、薬理学的薬剤のためのリード化合物であることを示し、経 路特異的Smadポリペプチドのリン酸化の基準量に対する経路特異的Smadポリペプ チドのリン酸化の試験量の増加は、候補薬理学的薬剤はSmad7のTGF-βスーパー ファミリーシグナルトランスダクション阻害活性を阻害する、薬理学的薬剤のた めのリード化合物であることを示す前記工程を含む、前記方法。 48B.経路特異的Smadポリペプチドが、Smad1、Smad2、Smad3及びSmad5からなる 群から選択される、請求項48に記載の方法。 48C.Smad7ポリペプチドが、配列番号::4のアミノ酸配列を含むポリペプチド 、配列番号::6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメン ト及びSmad7のC-末端フラグメントからなる群から選択される、請求項48に記載 の方法。 49.TGF-βスーパーファミリーのメンバーが、TGF-β1、アクチビン、Vg1、BMP- 4及びBMP-7からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。 50.細胞中のSmad6若しくはSmad7核酸又はその発現産物の発現を減少させる方法 であって、 細胞を、細胞中のSmad6若しくはSmad7核酸又はその発現産物を減少させるため に効果的な量の、Smad4核酸又はポリペプチドに選択的に結合する薬剤と接触さ せる工程を含む、前記方法。 51.薬剤がアンチセンスSmad4分子である、請求項50に記載の方法。 52.薬剤がSmad4に選択的に結合する抗体である、請求項50に記載の方法。 53.細胞中のSmad6若しくはSmad7発現を増加させる方法であって、 細胞を、細胞中のSmad6又はSmad7発現を増加させるために効果的な量の、アク チビン、表皮成長因子及びフォルボールエステルからなる群から選択される薬剤 と接触させる工程を含む、前記方法。 54.Smad6及びSmad7からなる群から選択される遺伝子の上昇した発現により特徴 付けられる肺ガンを有する対象を治療するための方法であって、 対象に、核酸分子又は該遺伝子によりコードされるその発現産物の発現又は活 性を減少させる薬剤の量を投与する工程を含む、前記方法。 54B.薬剤が核酸分子又はその発現産物に選択的に結合する、請求項54に記載の 方法。 54C.薬剤がアンチセンス核酸分子である、請求項54Bに記載の方法。 54D.薬剤がポリペプチドである、請求項54Bに記載の方法。 54E.ポリペプチドが抗体又はそのフラグメントであり、配列番号:4のアミノ酸 配列を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、Sma d7のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメント、配列番号::10のア ミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:11のアミノ酸配列を含むポリペプチ ド、配列番号:12のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸 配列を含むポリペプチド、及び配列番号:14のアミノ酸配列を含むポリペプチド からなる群から選択されるポリペプチドを結合する、請求項54Dに記載の方法。 54F.薬剤がSmad6又はSmad7のドミナントネガティブ変異体である、請求項54Bに 記載の方法。 55.ほ乳類胚発生における眼欠損を減少させるための方法であって、胚細胞を、 Smad7核酸分子又はその発現産物の発現又は活性を減少させる薬剤と、接触させ る工程を含む、前記方法。 56.薬剤が、Smad7核酸分子又はその発現産物を選択的に結合する、請求項55に 記載の方法。 57.薬剤がアンチセンス核酸分子である、請求項56に記載の方法。 58.薬剤がポリペプチドである、請求項56に記載の方法。 59.ポリペプチドが抗体及びそのフラグメントであり、配列番号:4のアミノ酸 配列を含むポリペプチド、配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配 列番号:13のアミノ酸配列を含むポリペプチド、配列番号:14のアミノ酸配列を 含むポリペプチド、Smad7のN-末端フラグメント及びSmad7のC-末端フラグメント からなる群から選択されるポリペプチドを結合する、請求項58に記載の方法。 60.薬剤がSmad7のドミナントネガティブ変異体である、請求項56に記載の方法 。 61.TGFβスーパーファミリーレセプターを有する細胞の核に局在し、かつTGFβ スーパーファミリーレセプター-仲介シグナルトランスダクションで、細胞の核 から細胞質に移送される、単離されたポリペプチドであって、 第二のポリペプチド又はそのフラグメントに結合した第一のポリペプチド又は そのフラグメントであって、第二のポリペプチド又はそのフラグメントがSmad7 のMH2ドメインを含む、前記第一のポリペプチド又はそのフラグメントを含む、 前記ポリペプチド。 61B.Smad7 MH2ドメイン又はその核局在フラグメントを含む、融合タンパク。 62.Smad7 MH2ドメイン又はその転写活性フラグメントを含む、融合タンパク。 63.Smad7制御遺伝子転写の転写を調節するための方法であって、 ほ乳類細胞を、Smad7制御遺伝子転写を調節するために効果的な量の、TGFβス ーパーファミリーレセプター仲介シグナルトランスダクションを調節する薬剤と 接触させる工程を含む、前記方法。 64.薬剤が、TGFβスーパーファミリーリガンド又はTGFβスーパーファミリーレ セプター-仲介シグナルトランスダクションの阻害剤である、請求項63に記載の 方法。 65.配列番号:15のヌクレオチド配列、その対立遺伝子的変異体、又はTGFβ制 御に寄与するその機能的なフラグメントを含む、単離された核酸分子。 66.配列番号:15のユニークフラグメントを含む、単離された核酸分子。 67.請求項65又は66に記載の単離された核酸分子を含む、発現ベクター。 68.第一の核酸分子の転写を調節するための方法であって、 請求項65又は66に記載の単離された核酸分子に作動的に結合されている第一の 核酸分子を含むコンストラクトを作製する工程、及び 発現系にコンストラクトをトランスダクションする工程を含む、前記方法。 69.発現系が細胞である、請求項68に記載の方法。 70.細胞がTGFβレセプターを発現し、第一の核酸分子の発現を増加させるため に、細胞をTGFβと接触させる工程をさらに含む、請求項69に記載の方法。 71.TGFβの転写活性を制御する調節体を同定するための方法であって、 検出可能な発現産物をコードする核酸に作動的に結合されている配列番号:: 15又はそのTGFβ制御フラグメントを含むリポーターコンストラクトを発現系に 供給する工程、 候補調節体化合物と発現系を接触させる工程、 発現系を、候補調節体の不存在下で、検出可能な発現産物の発現の基準量を起 こす条件下でインキュベートする工程、及び 検出可能な発現産物の発現の試験量を検出する工程であって、候補調節体化合 物の存在下における検出可能な発現産物の発現の増加の検出は、候補調節体化合 物がTGFβ制御転写活性を増加する化合物であることを示し、候補調節体化合物 の存在下における検出可能な発現産物の発現の減少の検出は、候補調節体化合物 はTGFβ制御転写活性を減少させる化合物であることを示す上記工程を含む、前 記方法。 72.発現系が細胞及びインビトロ無細胞転写系からなる群から選択される、請求 項71に記載の方法。 73.検出可能な発現産物がレポータータンパクである、請求項71に記載の方法。
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