JP2005262719A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な発色濃度を有し、スティッキングやヘッドカス付着を生じない感熱記録体の提供。
【解決手段】無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体において、感熱記録層中に紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び平均粒径が0.5μm〜4.5μmかつJIS K5101に基づく吸油量が80ml/100g以上の微細シリカを含有することを特徴とする感熱記録体。

Description

本発明は、電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、特に心電図プリンターやハンディターミナルプリンターなどに適する感熱記録体に関する。
感熱記録体は、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用し、熱ヘッド・熱ペン・レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが相溶・反応して、発色記録画像が得られるものである。
感熱記録体は、一般に、支持体上に染料前駆体と顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであり、このような感熱記録体は、記録装置がコンパクト・安価であり、かつ保守も容易であり、騒音の発生が少ないなどの利点があるため、ファクシミリ・プリンター・レジスター出力ラベルなどの広範囲の分野に利用されている。さらに最近では、ラベル、チケットの他、屋外計測用のハンディターミナルや心電図プリンターなどの計測記録器などへの利用が進んでいる。
しかしこれらのプリンターに感熱記録体を用いた場合、感熱ヘッドによる印字の際にスティッキングを生じることがあり問題となっている。スティッキングとは感熱ヘッドによる印字の際に感熱ヘッドと感熱記録体が貼り付く現象のことで、感熱記録体の感熱ヘッドへの送りが正常に行われなくなるため、印字不良を生じてしまう。
スティッキングの改善については、例えば特許文献1ではカス付着やスティッキングの防止を目的として特定粒径のフィラーを含有することが開示されており、実施例では炭酸カルシウムが用いられている。感熱記録体において顔料を含有することは通常行われることであり、炭酸カルシウムに関しては例えば特許文献2に、高感度化や地肌カブリの防止を目的として、短径が0.2μm以下の紡錘型炭酸カルシウムを用いることが開示されている。また特許文献3には感熱発色層に炭酸カルシウムを含有した実施例が記載されている。
特開平4−219278号公報 特開平5−229250号公報 特開平6−72041号公報
前記したプリンターの中には、感熱ヘッドによる印字の際に特にスティッキングを生じやすいものがあり、蓄電式のバッテリーを用いるため印字エネルギーが低く印字に時間がかかりがちなハンディターミナルプリンターや、遅い速度で印字することが多い心電図プリンターなどの計測記録器などではスティッキングが起こりやすくなる。すなわち、印字が高温や高速で行われるような、感熱記録体と感熱ヘッドとが瞬間的に接触するタイプのプリンターに比べて、低エネルギーであったり印字速度が遅いなど、感熱ヘッドに長い時間接触するタイプのプリンターの場合に、スティッキングの問題は大きくなるといえる。
これに対し、特許文献2のような特殊形状の炭酸カルシウムを用いた感熱記録体の場合は、印字画像の高画質化には効果があるが、感熱記録層表面が高平滑になるため感熱記録層と感熱ヘッドの密着性が上がり、スティッキングは悪化する。また、特許文献3のように単に炭酸カルシウムを用いても、感熱記録層の吸油性が小さいためかヘッドカス付着に劣る。
そこで本発明は、十分な発色濃度を有し、どのようなプリンターに用いてもスティッキングやヘッドカス付着を生じない感熱記録体を提供することを目的とする。
本発明は、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体において、感熱記録層中に紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び平均粒径が0.5μm〜4.5μmかつJIS K5101に基づく吸油量が80ml/100g以上の微細シリカを含有することを特徴とする感熱記録体とすることにより、課題を解決し得ることを見出したものである。
本発明によれば、感熱記録層を手塗りした場合もプレーンバー等の支持体に対してフラットな塗工ヘッドを有する塗工装置で塗工した場合でも、いずれを用いて製造しても、スティッキングおよびヘッドカス付着の生じない、優れた品質の感熱記録体を得ることができる。従って、本発明の感熱記録体は特に、心電図プリンターやハンディターミナルプリンターのようなスティッキングの生じやすいプリンターで使用する感熱記録体として、極めて実用的価値が高い。
本発明の感熱記録体を得るには、例えば、無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体(以下、塩基性ロイコ染料ということがある。)および電子受容性顕色剤(以下、顕色剤ということがある。)をそれぞれバインダーとともに分散した分散液と、顔料として、紡錘・凝集状炭酸カルシウムの分散液及び微細シリカの分散液に必要に応じて別の顔料の分散液を加え、その他必要な添加剤を加えて混合し、感熱記録層塗液を調製し基材上に塗布乾燥して感熱記録層を形成することにより製造することができる。
本発明で用いられる紡錘・凝集状炭酸カルシウムは、両端がとがった円筒状の紡錘形状をしたものが凝集した沈降炭酸カルシウムであり、石灰石を焼成し生石灰としたのち水に溶解し、できた水酸化カルシウム溶液に炭酸ガスを吹き込むことで反応・生成する(回分式反応法)。分子構造はカルサイトの構造をとり、これが紡錘状の結晶構造をとったものがさらに複数あつまり凝集した形となっている。例としては製品名ツネックス−E(白石工業(株))などがあげられる。
本発明で用いられる紡錘・凝集状炭酸カルシウムの平均粒径は1.5μmから15μmである。より好ましくは3.0μmから10μmである。小さすぎる場合スティッキング改善の効果が少なく、大きする場合印字した際の画質が悪化する。なお、平均粒径はX線回折法によって求められるものである。
本発明で用いられる微細シリカとは珪酸ソーダと酸を反応させて得られる含水無晶系珪酸であり、その一次粒子の表面及び内部はシラノール基をもつ三次元の網目構造をもっており多孔性のため、JIS K5101に基づく吸油量が大きくヘッドカス付着の改善に効果が高い。微細シリカの吸油量としては、カス付着防止の観点からJIS K5101に基づく吸油量80ml/100g以上のものを用いる。吸油量の上限は、所望の効果を阻害しなければ特に制限されない。粒径が大きすぎると支持体上に感熱記録層を塗工する際、ベントブレードコーターやバーブレードコーター等におけるプレーンバーのような、支持体に対してフラットに接触する塗工ヘッドを用いた場合やカレンダー処理を行った際に、微細シリカが塗工部やロールニップ部で押しつぶされてしまい表面積が減少するため十分な吸油量が得られなくなり、ヘッドカス付着が悪化する原因となる。従って、微細シリカの平均粒径は0.1μmから4.5μmが好ましく、より好ましくは0.5μmから3.0μmである。このような本発明で用いられる微細シリカの例としてはMizukasil−P604(水澤化学工業(株))等が挙げられる。
本発明に用いられる紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び微細シリカの使用量は、合計で感熱記録層中の全顔料のうち75重量%以上であることが好ましい。より好ましくは80重量%以上である。また本発明に用いられる紡錘・凝集状炭酸カルシウムと微細シリカの含有比率は3:1から1:3の間であることが好ましい。より好ましくは2:1から1:2である。紡錘・凝集状炭酸カルシウムの比率が小さい場合スティッキング防止に十分な効果が得られず、微細シリカの比率が小さい場合ヘッドカス付着防止に十分な効果が得られない。
本発明の感熱記録体には、本発明の効果を阻害しない範囲で、紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び微細シリカの他にも各種の顔料を配合することが可能である。例としては紡錘形炭酸カルシウム、柱状形炭酸カルシウム、粒状炭酸カルシウムなどの各種炭酸カルシウムや、各種のシリカ、水酸化アルミ、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタンなどの無機または有機顔料などが挙げられるが、その配合量は感熱記録層中の全顔料のうち25重量%以下であることが好ましい。より好ましくは20重量%以下である。
本発明は、上記のような紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び微細シリカを用いることにより、課題を解決し得ることを見出したものであり、本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、次のように考えられる。粒径の大きな顔料を配合することで感熱ヘッドと感熱記録体の密着性を緩和し、スティッキングを改善することはできるが、顔料にシリカなどを用いた場合はたとえ粒径が大きくても、支持体上に感熱記録層を塗工する際にプレーンバー等の支持体に対してフラットな塗工ヘッドを用いると、塗工部でこれら大粒径の顔料は押しつぶされ平坦になってしまうため、十分なスティッキング防止効果は得られない。それに対し本発明に用いられる紡錘・凝集状炭酸カルシウムは、紡錘状の結晶構造をとったものがさらに複数集まり凝集した形であるため、塗工の際の圧力に対して十分な強度を持ち塗工後もその形状を維持することができる。さらに、単なる紡錘型炭酸カルシウムを用いた場合には、感熱記録層面に平行に配向するため平滑性が高まり、感熱ヘッドと感熱記録体との密着性が良く感度は向上するものの、逆にスティッキング防止性に劣る。これに対し本発明では紡錘・凝集状炭酸カルシウムを用いることにより感熱ヘッドと感熱記録体の密着性が緩和され、スティッキングを改善することができると考えられる。
但し、該紡錘・凝集状炭酸カルシウムを単独で感熱記録層中に用いた場合、吸油量が十分でないためかヘッドカスが悪化する。そこで本発明のように微細シリカを共に用いることで、スティッキングとヘッドカス付着を同時に改善することが可能となる。大粒径のシリカを単独で用いた場合、吸油量は増大するが、感熱記録層の塗工の際に押しつぶされ粒子形状が平坦になって吸油量も減少するため、スティッキングとヘッドカス付着のどちらに対しても十分な改善効果は得られない。
以上のように本発明は、紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び微細シリカを感熱記録層中に用い、感熱ヘッドと感熱記録体との密着性を緩和させ吸油量を増大させることにより、はじめてスティッキングとヘッドカス付着を同時に改善することを可能にしたものである。
本発明で使用する塩基性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3´−ニトロ)アニリノラクタム
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタム
1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン
1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン
1,1−ビス−〔2´,2´,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン
ビス−〔2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明で用いられる顕色剤は、顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号記載の化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明において、感熱記録層に含まれる接着剤いわゆるバインダーとしては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば完全ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチルラール、ポリスチレンおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用し、要求される品質に応じて併用することも可能である。
また本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、エチレンビスアミド,モンタン酸ワックス,ポリエチレンワックス,1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン,p−ベンジルビフェニル,β−ベンジルオキシナフタレン,4−ビフェニル−p−トリルエーテル,m−ターフェニル,1,2−ジフェノキシエタン,4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル,ジベンゾイルオキシメタン,1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン,1,2−ジフェノキシエチレン,ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル,p−ニトロ安息香酸メチル,シュウ酸ジベンジル,シュウ酸ジ(p−クロロベンジル),シュウ酸ジ(p−メチルベンジル),テレフタル酸ジベンジル,p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル,ジ−p−トリルカーボネート,フェニル−α−ナフチルカーボネート,1,4−ジエトキシナフタレン,1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル,4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、オルトトルエンスルホンアミド、パラトルエンスルホンアミドを例示することができるが,特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は,単独または2種以上混合して使用してもよい。
このほかにワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性等を付与する安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、4−ベンジルオキシ−4′−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン
エポキシレジン等を添加することもできる。
本発明の感熱記録体に使用する塩基性ロイコ染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性ロイコ染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、顔料0.5〜10部程度が使用される。バインダーは全固形分中5〜25%が適当である。
上記組成から成る塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録シートが得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
塩基性ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー、顔料および目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
本発明の感熱記録体はさらに、保存性を高める目的で、高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上に設けたり、発色感度を高める目的で、顔料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けたりすることもできる。また、感熱記録層とオーバーコート層との間に中間層を設けてもよい。
上記感熱記録層やオーバー層、アンダーコート層等は、ベントブレードコーター、バーブレードコーター、ロッドブレードコーター、ビルブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、カーテンコーターなど従来公知のあらゆる塗工方式を用いることができる。また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を適宜付加することができる。
[実施例]
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」を示す。
[実施例1]
顔料は、あらかじめ以下の配合で水中に分散し分散液とした。
<A液:紡錘・凝集型炭酸カルシウム分散液>
紡錘・凝集型炭酸カルシウム(ツネックスE:白石工業製) 50部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.25部
水 49.75部
<B液:微細シリカ分散液>
微細シリカ(P604:水澤化学工業製) 25部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.13部
水 74.87部
染料、顕色剤の各材料は、あらかじめ以下の配合の分散液をつくり、サンドグラインダーで平均粒径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
<C液:顕色剤分散液>
4−ヒドロキシ−4’プロポキシジフェニルスルホン 6.0部
(JKY−146)
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
<D液:染料分散液>
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(ODB−2) 3.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 6.9部
水 3.9部
以下の組成物を混合し、感熱記録層塗液を得た。この塗液を坪量50g/mの上質紙にプレーンバーブレードコーターを用いて塗工速度400m/min.の条件で乾燥後の塗布量が5.0〜6.0g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が400〜800秒になるように処理したものと、巻き線バーを用いて、手塗りにて乾燥後の塗布量が5.0〜6.0g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が400〜800秒になるように処理したものの、2種類の感熱記録体を得た。
A液 16.0部
B液 32.0部
C液 36.0部
D液 16.6部
オルトトルエンスルホンアミド46%分散液 17.4部
ステアリン酸亜鉛40%分散液 8.75部
ポリビニルアルコール12%水溶液 25.0部
[実施例2]
A液16.0部、B液32.0部の代わりにA液22.8部、B液18.4部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例3]
A液16.0部、B液32.0部の代わりにA液9.2部、B液45.6部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例4]
B液32.0部の代わりに下記条件のX液32.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<X液:微細シリカ分散液>
微細シリカ(AZ−6AO:日本シリカ工業) 25部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.13部
水 74.87部
[比較例1]
A液16.0部とB液32.0部の代わりにA液のみを32.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例2]
A液16.0部とB液32.0部の代わりにB液のみを64.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例3]
A液16.0部の代わりに下記条件のE液を16.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<E液:紡錘型炭酸カルシウム分散液>
紡錘型炭酸カルシウム(PK:白石工業製) 50.0部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.625部
水 49.375部
[比較例4]
A液16.0部の代わりに下記条件のF液を16.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<F液:多孔質炭酸カルシウム分散液>
多孔質炭酸カルシウム(カルライトKT:白石中央研究所製) 50.0部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.625部
水 49.375部
[比較例5]
A液16.0部の代わりに下記条件のG液を32.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<G液:大粒径シリカ分散液>
大粒径シリカ(カープレックス#101:塩野義製薬製) 25.0部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.13部
水 74.87部
[比較例6]
B液32.0部の代わりに上記条件のG液を32.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例7]
B液32.0部の代わりに下記条件のH液を32.0部用いることのほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<H液:六角板状水酸化アルミ分散液>
六角板状水酸化アルミ(MARTIFIN OL107:ALBEMARLE製) 25.0部
40%ポリアクリル酸ナトリウム 0.13部
水 74.87部
[スティッキング試験]
実施例および比較例で得られた感熱記録体のスティッキング評価は以下のように行った。評価機としてハンディターミナルプリンター HT−280(Canon製)を用い、評価機及びサンプルを0℃の雰囲気下で2時間以上放置した後、評価機を用いてサンプルにベタ印字を行い、印字画質及び印字の際の、異音の発生状態を観察・評価した。
[試作品のヘッドカス付着試験]
実施例および比較例で得られた感熱記録体のヘッドカス付着評価は以下のように行った。評価機としてラベルプリンター レスプリT−8(サトー製)を用い、評価機及びサンプルを23℃・50%の雰囲気下で2時間以上放置した後、評価機を用いて印字濃度 A−5、印字速度 6inch/sec.の条件でサンプルにベタ印字を長さ1m行い、印字後の感熱ヘッドを観察した。
スティッキング
◎:スティック由来の印字の抜けや、印字の際の異音を生じない。
○:スティック由来の印字の抜けがなく、印字の際の異音もほとんど生じない。
×:印字の抜けがあったり、印字の際の異音を生じたりする。
ヘッドカス付着
◎:感熱ヘッドに付着物が無い。
○:感熱ヘッドにほとんど付着物が無い。
△:感熱ヘッドに付着物が僅かに有る。
×:感熱ヘッドに付着物がかなりある。
Figure 2005262719
表1から明らかなように、本発明の実施例では、スティッキングを生じず、ヘッドカス付着のない、優れた品質の感熱記録体が得られた。特にスティッキングは低温下ではより発生しやすいが、本発明では0℃の過酷な条件下でも十分に防止されている。これに対し、微細シリカを用いない比較例1ではヘッドカスが付着し、紡錘・凝集型炭酸カルシウムを用いない比較例2ではスティッキングが悪化した。紡錘・凝集型炭酸カルシウムの代わりに紡錘型炭酸カルシウムを用いた比較例3の場合、紡錘型炭酸カルシウムは感熱記録層に対し並行に配向する性質があるためか、スティッキング・ヘッドカス付着ともに悪化した。紡錘・凝集型炭酸カルシウムの代わりに多孔質炭酸カルシウムを用いた比較例4の場合、ヘッドカス付着は改善されるが、スティッキングは改善されなかった。
紡錘・凝集型炭酸カルシウムの代わりに大粒径シリカを用いた比較例5の場合、巻き線バーによる手塗りであればスティッキングは問題ないが、プレーンバーブレードコーターにて塗工を行うとスティッキングが悪化した。これは、巻き線バーとはバー(棒)に線が巻き付けてあるような凹凸のある形状をしており、粒子がちょうど凹部に入り込めば掻き取られたり潰れにくくなるものの、実機であるブレードコーターに供された場合は、塗工ヘッドによって大粒径シリカが潰されてしまい、スティッキングに対する効果が失われるためと考えられる。
微細シリカの代わりに大粒径シリカを用いた比較例6の場合、スティッキングは改善されるが、大粒径シリカが潰されることに由来して吸油性が悪化するためか、ヘッドカス付着に劣った。微細シリカの代わりに六角板状水酸化アルミを用いた比較例7の場合も、ヘッドカス付着は悪化した。六角板状水酸化アルミが感熱記録層に対して並行に配向するとともに、吸油度も低いためと考えられる。

Claims (3)

  1. 無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体において、感熱記録層中に紡錘・凝集状炭酸カルシウム及び平均粒径が0.5μm〜4.5μmかつJIS K5101に基づく吸油量が80ml/100g以上の微細シリカを含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 紡錘・凝集状炭酸カルシウムと平均粒径が0.1μm〜4.5μmかつJIS K5101に基づく吸油量が80ml/100g以上の微細シリカの含有比率が、3:1〜1:3である請求項1記載の感熱記録体。
  3. 紡錘・凝集状炭酸カルシウムの平均粒径が1.5μmから15μmである請求項1又は2記載の感熱記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184896A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Atomix Co Ltd 防水材及び防水層の改修方法

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