JP2005262426A - 砥石を使った加工機の清掃を兼ねる冷却装置 - Google Patents

Abstract

【課題】研削盤や切断機等の砥石の回転加工における砥石カスや削り粉などの清掃と砥石の冷却を兼ねた加工部冷却装置を提供する。
【解決手段】砥石の表面または側面付近に砥石カス等を吸引する吸引口と、その吸引口に隣接して冷却液供給口を設ける。
【選択図】図２

Description

この発明は研削盤や切断機等の砥石の回転加工における効果的な砥石カスや削り粉などの清掃を兼ねた加工部冷却装置に関する。

技術背景

砥石による加工は被加工物との大きな摩擦により発熱する。そのため熱膨張による様々な悪影響を防ぐため冷却液を効率よく加工部分にかけるために、冷却水をかける角度や部位や水圧を高圧にするなどの様々な工夫がなされる。

また、加工精度が高くなるほど砥石カスや削り粉の加工部再通過による面粗度などに対する悪影響は避けがたいものとなっている。

そして、実際の加工部分に冷却液を到達させることは非常に困難であり、その大きな一因として、砥石の回転により表面の微小な凹凸で励起され同方向に回転する薄い空気の層が発生し加工物との接触部分でその空気の逃げ場がなくなり、加工部分の気圧が高くなるために加工部分に冷却液をかけても、実際の加工点までは到達しにくいという事がある。

また、水分に混ざって付着する砥石カスや削り粉が再度加工部分に挟まり通過すると加工面粗度の悪化を招くことに関して、砥石自体の回転によって遠心力で大部分の水分等は飛散するが、表面に付着及び密着した水分や空気層は一部飛散しない。これを引き剥がすためには、真空吸着力に打ち勝つ遠心力か、または無くなった後に瞬時に充填される気体や液体などがなければならない。

当然そのままでも中心方向から表面を伝わって入れ替わる水分や空気は供給されるが、加工点から次に加工点に達する一回転の間にはすべては入れ替わらない場合が多く、また砥石幅が大きいほど均等には入れ替わらない。

本発明はその問題点を解決するための、ひとつの方法を提供することを目的とする。

加工部分になるべく近い手前のところで、回転する砥石表面の、水分や削り粉の混ざった空気層を、砥石表面に接近させたノズルから電気掃除機のように吸引する。そして、吸引と同時に隣接する冷却液供給口から、吸引を妨げる真空状態発生部分に液体又は霧状の冷却液を供給し吸引をスムーズに行わせ、かつ、一部を砥石表面に付着させ、加工点にその新しい冷却液を供給する。

切断用の薄い砥石の場合は砥石先端に近い両側面近傍に吸引口と冷却液供給口を設置し、近辺を通過する砥石カスや削り粉を強制的に吸引すると同時に吸引を妨げる真空状態発生部分に冷却液を供給し吸引をスムーズに行わせ、かつ、側面に残留付着した新しい冷却液を、遠心力により砥石の先端に到達させる。

円筒研削盤における従来の技術例図 本発明の吸引口と冷却液供給口の実施図 平面研削盤における従来の技術例図 本発明の吸引口と冷却液供給口の実施図 ダイシング等切断加工機における従来の技術例図 図５の矢視１図 ダイシング等切断加工機における本発明の吸引口と冷却液供給口を複数個設置した場合の実施図 図７の矢視２図

符号の説明

１ 吸引口ノズル ２ 冷却液供給口ノズル
１ａ 砥石カスや削り粉を含む、砥石表面に付着及び密着した水分や空気層の流れ。
２ｂ 供給される冷却液の流れ。
Ａ 吸引された水分や空気がパイプの中を流れる方向。
Ｂ 冷却液が供給パイプの中を流れる方向
Ｃ 砥石の回転方向

Claims (4)

1. 円筒研削盤や平面研削盤やダイシング等の砥石を回転させて加工物を加工する加工機において、砥石の表面付近又は側面付近の凹凸と共に回転する砥石カスや削り粉の混ざった水分及び空気層を吸引する吸引口と、その吸引口に隣接して冷却液供給口を備えることを特徴とする、清掃を兼ねる冷却装置。
2. また、その吸引口と供給口を単数又は複数個備えることを特徴とする、請求項１記載の清掃を兼ねる冷却装置。
3. 砥石カスや削り粉の混ざった水分及び空気層を吸引することにより砥石の表面付近又は側面付近に真空効果により発生する気圧が低くなる部分に冷却液を供給することにより吸引の効率を上げることを特徴とする、請求項１記載又は請求項２記載の清掃を兼ねる冷却装置。
4. 砥石カスや削り粉の混ざった水分及び空気層を吸引することにより砥石の表面付近又は側面付近に真空効果により発生する気圧が低くなる部分に冷却液を供給することにより砥石への新しい冷却液の付着する効率を上げ、結果として加工点に新しい冷却液を到達させることを特徴とする、請求項３記載の清掃を兼ねる冷却装置。

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