JP2005262313A - フラッシュ溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フラッシュの発生比率を溶接時間の経過とともに制御してフラッシングを安定させて、安定した溶接継手を得る。
【解決手段】インバータの変調率の初期設定をN0%とし、制御用信号が予め設定された基準値Ref1を上回れば変調率をN1%に切り替え、下回れば、さらに、制御用信号を予め設定された基準値Ref2と比較し、制御用信号が基準値Ref2を上回れば変調率をN2%に切り替え、下回れば元の変調率N0%に戻すインバータ変調率切り替え制御を行い、同時に移動クランプ手段の送り制御を基準値Refmを用いて比例積分制御を行い、上記インバータ変調率切り替え制御と移動クランプ手段の送り制御の主要制御パラメータを予め定められた数式に則り溶接時間の経過とともに同時に変化させる。
【選択図】図2
【解決手段】インバータの変調率の初期設定をN0%とし、制御用信号が予め設定された基準値Ref1を上回れば変調率をN1%に切り替え、下回れば、さらに、制御用信号を予め設定された基準値Ref2と比較し、制御用信号が基準値Ref2を上回れば変調率をN2%に切り替え、下回れば元の変調率N0%に戻すインバータ変調率切り替え制御を行い、同時に移動クランプ手段の送り制御を基準値Refmを用いて比例積分制御を行い、上記インバータ変調率切り替え制御と移動クランプ手段の送り制御の主要制御パラメータを予め定められた数式に則り溶接時間の経過とともに同時に変化させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、フラッシュ溶接装置とくにフラッシュ制御機能を有するフラッシュ溶接装置に関するものであり、溶接起動から被溶接部材同士を圧接する直前までのフラッシュ過程を対象として、安定したフラッシングが確保できる制御機能を有するフラッシュ溶接装置に関するものである。
例えばレールなどの溶接には、加熱範囲が狭く接合強度の高い溶接部を高能率で作製できるフラッシュ溶接が使用されている。
フラッシュ溶接装置では、一方の被溶接部材を固定クランプ手段で保持し、他方の被溶接部材を移動クランプ手段で保持し、移動クランプ手段を前進させて被溶接部材の先端同士を軽く接触させ、被溶接部材に大電流を流して接触部を集中的に加熱して溶融させる。この加熱溶融により接触部の一部が火花となって飛び散るが、この現象をフラッシングという。このフラッシングを繰り返すことにより被溶接部材の先端面を加熱し、適温に達した時点で被溶接部材同士を強い圧力を加えて圧接する。
フラッシュ溶接装置では、一方の被溶接部材を固定クランプ手段で保持し、他方の被溶接部材を移動クランプ手段で保持し、移動クランプ手段を前進させて被溶接部材の先端同士を軽く接触させ、被溶接部材に大電流を流して接触部を集中的に加熱して溶融させる。この加熱溶融により接触部の一部が火花となって飛び散るが、この現象をフラッシングという。このフラッシングを繰り返すことにより被溶接部材の先端面を加熱し、適温に達した時点で被溶接部材同士を強い圧力を加えて圧接する。
フラッシュ溶接において、良好な溶接継手を得るには、被溶接部材の溶接面で連続的にフラッシングを発生させることが必要である。このため、溶接電源としてインバータ装置の導入が行われており、例えば、特許文献1においては、インバータ出力の周波数を変えることにより溶接面全体にわたり連続的にフラッシュを発生させようとしている。
特開2002−160063号公報
特許文献2においては、インバータ出力をパルス幅変調制御することにより溶接面全体にわたり連続的にフラッシュを発生させようとしている。すなわち、1次電流と2次電圧(固定クランプ手段と移動クランプ手段との間の電圧;以後、2次電圧と称する)を同時に検出して、時々刻々変化する1次電流と2次電圧の組合せに応じて、変調率を予め設定しておいた変調率マップになるよう制御することによりインバータ出力を制御して、溶接面全体にわたり連続的にフラッシュを発生させようとしている。
特願2003−058510号
特許文献1においては、インバータにより周波数を制御しても溶接電圧のオン・オフを半サイクル単位で制御することは困難であり、フラッシングをきめ細かく制御することは困難であった。
特許文献2においては、半サイクル内の溶接電圧のオン・オフを制御できるようになり、フラッシングをきめ細かく制御することができるようになったが、設定すべき制御パラメータの数が多く、適切な変調率マップを作成するには多大の実験数が必要であった。
本発明はかかる短所を改善するもので、フラッシュ過程のフラッシングを安定にすることにより良質の溶接継手を得ることができるフラッシュ溶接装置を提供することを目的としている。
特許文献2においては、半サイクル内の溶接電圧のオン・オフを制御できるようになり、フラッシングをきめ細かく制御することができるようになったが、設定すべき制御パラメータの数が多く、適切な変調率マップを作成するには多大の実験数が必要であった。
本発明はかかる短所を改善するもので、フラッシュ過程のフラッシングを安定にすることにより良質の溶接継手を得ることができるフラッシュ溶接装置を提供することを目的としている。
本発明のフラッシュ溶接装置は、被溶接部材に電力を供給する溶接トランス、被溶接部材を保持する固定クランプ手段と移動クランプ手段、移動クランプ手段を前進後退させる油圧シリンダおよび油圧シリンダを駆動する油圧源から成る従来のフラッシュ溶接装置に、溶接トランスの1次側にパルス幅変調方式インバータ装置およびその駆動回路が設置されているのが特徴である。
本発明のフラッシュ溶接装置を用いてパルス幅変調方式インバータ装置の変調率切り替え制御の研究を実施した。すなわち、変調率切り替え制御の初期設定をN0%としておき、常時1次電流を検出して、1次電流が基準値Ref1を上回れば直ちにN1%に切り替え、下回れば直ちに元のN0%に戻す制御を行った。その結果、
1)変調率切り替え制御後の変調率N1を最大すなわち100%とし、変調率初期設定N0をN1より小さい値、例えば70%とした場合、すなわち、
N0=70%
N1=100%
として、基準値Ref1を低く設定した場合、例えば27Aの場合はフラッシュ発生の比率が高いこと、基準値Ref1を高くした場合、例えば82Aの場合はフラッシュ発生が抑制されてフラッシュ発生の比率が低くフラッシュ発生による部材の焼失量が小さいことが明らかになった。さらに、
2)変調率切り替え制御後の変調率N1を最小すなわち0%とし、変調率初期設定N0をN1より大きい値、例えば100%とした場合、すなわち、
N0=100%
N1=0%
として、基準値Ref1を低くした場合、例えば82Aの場合はフラッシュ発生が抑制されてフラッシュ発生の比率が低くフラッシュ発生による部材の焼失量が小さいこと、基準値Ref1を高く設定した場合、例えば135Aの場合はフラッシュ発生の比率が高いことが明らかになった。さらに、
3)インバータ駆動回路の制御用信号は、1次電流ばかりでなく2次電圧もしくは1次電流に2次電圧を乗じた値もしくは2次電圧を1次電流で除した値のいずれを用いても上記制御ができること
を見出した。
1)変調率切り替え制御後の変調率N1を最大すなわち100%とし、変調率初期設定N0をN1より小さい値、例えば70%とした場合、すなわち、
N0=70%
N1=100%
として、基準値Ref1を低く設定した場合、例えば27Aの場合はフラッシュ発生の比率が高いこと、基準値Ref1を高くした場合、例えば82Aの場合はフラッシュ発生が抑制されてフラッシュ発生の比率が低くフラッシュ発生による部材の焼失量が小さいことが明らかになった。さらに、
2)変調率切り替え制御後の変調率N1を最小すなわち0%とし、変調率初期設定N0をN1より大きい値、例えば100%とした場合、すなわち、
N0=100%
N1=0%
として、基準値Ref1を低くした場合、例えば82Aの場合はフラッシュ発生が抑制されてフラッシュ発生の比率が低くフラッシュ発生による部材の焼失量が小さいこと、基準値Ref1を高く設定した場合、例えば135Aの場合はフラッシュ発生の比率が高いことが明らかになった。さらに、
3)インバータ駆動回路の制御用信号は、1次電流ばかりでなく2次電圧もしくは1次電流に2次電圧を乗じた値もしくは2次電圧を1次電流で除した値のいずれを用いても上記制御ができること
を見出した。
この結果より、パルス幅変調方式インバータ装置の変調率切り替え制御において、初期設定N0、基準値Ref1、制御後変調率N1を適切に選択することにより、フラッシュ発生の比率を自在に変えることができることが確認された。
この結果を基に、溶接起動時はフラッシュ発生の比率が低くなるよう設定し、時間の経過とともにフラッシュ発生の比率を高めるように制御すれば、フラッシュ発生による部材の焼失量を少なくし安定したフラッシングができるものと考えられた。
この結果を基に、溶接起動時はフラッシュ発生の比率が低くなるよう設定し、時間の経過とともにフラッシュ発生の比率を高めるように制御すれば、フラッシュ発生による部材の焼失量を少なくし安定したフラッシングができるものと考えられた。
本発明は、制御用信号を基準値と比較して比較結果によりパルス幅変調方式インバータ装置の変調率を速やかに切り替える変調率切り替え制御を行い、かつ、変調率切り替え制御の主要制御パラメータを予め定められた数式に則り時間の経過とともに変化させるところに特徴がある。
インバータ装置の変調率切り替え制御の主要制御パラメータは、
1 インバータ変調率の初期設定値N0
2 インバータ制御の基準値Ref1
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
4 インバータ制御の基準値Ref2
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
であるが、
1 インバータ変調率の初期設定値N0
2 インバータ制御の基準値Ref1
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
4 インバータ制御の基準値Ref2
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
であるが、
さらにその制御効果を高めるため、本発明では、前記パルス幅変調方式インバータ装置の変調率制御を予め定められた数式に則り時間の経過とともに制御すると同時に、移動クランプ手段の移動速度も予め定められた数式に則り時間の経過とともに制御するところに特徴がある。この場合の主要制御パラメータは、
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
である。
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
である。
本発明は、フラッシュ溶接装置において、インバータ装置のパルス幅変調制御の変調率と移動クランプ手段の送り速度を予め定められた数式に則り溶接時間の経過とともに同時に制御することで、フラッシングを安定にすることができ、溶接継手の品質を向上させることができる。
図1はこの発明のフラッシュ溶接装置の構成図である。
本発明のフラッシュ溶接装置は、メカニカル装置とインバータ装置と制御手段とから成る。
メカニカル装置は、被溶接部材1aを保持する固定クランプ手段2と被溶接部材1bを保持する移動クランプ手段3、移動クランプ移動を前進後退させる油圧シリンダ4、油圧シリンダ4を駆動させる電気油圧サーボ弁5から成る。インバータ装置は、整流器6、コンデンサ7、インバータ回路8から成る。制御手段は1次電流検出手段9、固定クランプ手段2と移動クランプ手段3の間に印加される2次電圧を検出する2次電圧検出手段10、インバータ装置をパルス幅変調制御させるインバータ駆動回路11、電気油圧サーボ弁5を比例積分制御する電気油圧サーボ弁駆動回路12、インバータ駆動回路11と電気油圧サーボ弁駆動回路12を統括して制御する統括制御回路13および装置全体の動作を制御するパソコン14から成る。インバータ装置は3相交流電源15と溶接トランス16の間に接続される。
本発明のフラッシュ溶接装置は、メカニカル装置とインバータ装置と制御手段とから成る。
メカニカル装置は、被溶接部材1aを保持する固定クランプ手段2と被溶接部材1bを保持する移動クランプ手段3、移動クランプ移動を前進後退させる油圧シリンダ4、油圧シリンダ4を駆動させる電気油圧サーボ弁5から成る。インバータ装置は、整流器6、コンデンサ7、インバータ回路8から成る。制御手段は1次電流検出手段9、固定クランプ手段2と移動クランプ手段3の間に印加される2次電圧を検出する2次電圧検出手段10、インバータ装置をパルス幅変調制御させるインバータ駆動回路11、電気油圧サーボ弁5を比例積分制御する電気油圧サーボ弁駆動回路12、インバータ駆動回路11と電気油圧サーボ弁駆動回路12を統括して制御する統括制御回路13および装置全体の動作を制御するパソコン14から成る。インバータ装置は3相交流電源15と溶接トランス16の間に接続される。
3相交流電源15から出力される3相交流電圧を整流器6で6相全波整流してコンデンサ7により平滑して、直流電圧を得る。この直流電圧をインバータ回路8により単相方形波交流電圧に変換する。この方形波交流電圧を溶接トランス16で降圧して低電圧大電流を被溶接部材1a、1b間に供給する。
インバータ駆動回路11は、インバータ回路8を三角波比較パルス幅変調制御するもので、1次電流検出手段9で検出した溶接トランスの1次電流、2次電圧検出手段10で検出した2次電圧のいずれかもしくは両方から制御用信号を作成して基準値と比較し、比較結果によりキャリアパルスの変調率を制御することによりインバータ出力を変えることができる。
電気油圧サーボ弁駆動回路12は、電気油圧サーボ弁5、油圧シリンダ4を経由して移動クランプ手段3の移動速度を比例積分制御するもので、1次電流検出手段9で検出した溶接トランスの1次電流、2次電圧検出手段10で検出した2次電圧のいずれかもしくは両方から制御用信号を作成して基準値と比較し、その偏差により油圧シリンダの移動速度をフィードバック比例積分制御することにより移動クランプ手段3の移動速度を制御する。
本発明のフラッシュ溶接装置は、
1 インバータ変調率の初期設定値N0
2 インバータ制御の基準値Refl
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
4 インバータ制御の基準値Ref2
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
の6個の主要制御パラメータを予め定められた数式に則り時間の経過とともに同時に制御できる機能を有していることに特徴がある。
1 インバータ変調率の初期設定値N0
2 インバータ制御の基準値Refl
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
4 インバータ制御の基準値Ref2
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
の6個の主要制御パラメータを予め定められた数式に則り時間の経過とともに同時に制御できる機能を有していることに特徴がある。
ここで、主要制御パラメータを時間の経過とともに変化させるには、予め定められた数式として、1次式ばかりでなくn次式を用いることができる。例えば、
Ref1=a1+k1tn
Ref2=a2+k2tn
Refm=a3+k3tn
である。ここで、nは次数であり、1、2、3、・・・である。nの値は、主要制御パラメータごとに個別の値を用いることができる。
さらに、予め定められた数式としてn次式ばかりでなく1次式の折れ線でもかまわない。
Ref1=a1+k1tn
Ref2=a2+k2tn
Refm=a3+k3tn
である。ここで、nは次数であり、1、2、3、・・・である。nの値は、主要制御パラメータごとに個別の値を用いることができる。
さらに、予め定められた数式としてn次式ばかりでなく1次式の折れ線でもかまわない。
本発明では、インバータ駆動回路および電気油圧サーボ弁駆動回路の制御用信号として、1次電流ばかりでなく2次電圧もしくは1次電流に2次電圧を乗じた値もしくは2次電圧を1次電流で除した値のいずれでも制御できる機能を有していることに特徴がある。
以下の実施例では、制御用信号としては1次電流を用い、主要制御パラメータを時間とともに変化させる場合は予め定められた数式として1次式すなわちn=1の場合について説明する。
以下、単相交流20KVA(使用率50%)の溶接トランス(巻数比46)と耐電圧600V、最大出力電流200Aのインバータ回路を使用して、被溶接部材として直径20mmの軟鋼丸棒を使用した場合の具体例を説明する。
ここで、下記の溶接条件は一定とした。
電圧波形 ;方形波交流
周波数 ;100Hz
キャリア周波数 ;16kHz
溶接トランス1次電圧;280V
溶接時間 ;15秒
以下、単相交流20KVA(使用率50%)の溶接トランス(巻数比46)と耐電圧600V、最大出力電流200Aのインバータ回路を使用して、被溶接部材として直径20mmの軟鋼丸棒を使用した場合の具体例を説明する。
ここで、下記の溶接条件は一定とした。
電圧波形 ;方形波交流
周波数 ;100Hz
キャリア周波数 ;16kHz
溶接トランス1次電圧;280V
溶接時間 ;15秒
図2は1次電流を制御用信号として用いた時の本発明のインバータ制御のフローチャートである。制御手順は次の通りである。
図2において、ステップS1において1次電流が検出されてそのまま制御用信号となり1次電流i1が入力され、ステップS2において基準値Ref1と比較される。もし、1次電流i1が基準値Ref1を上回っていればステップS3に進み変調率は初期設定値のN0からN1に切り替えられ、再びステップS1の1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流i1が基準値Ref1を下回っているときは、ステップ4に進みもう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流i1が基準値Ref2を上回っていればステップ5に進み変調率はN1に切り替えられ、1次電流i1が基準値Ref2を下回っていればステップ5に進み変調率は初期設定値N0に戻される。そして、再びステップS1の1次電流入力に戻り、上記制御サイクルを繰り返す。
実際には、1次電流検出から変調率切り替えまでには制御遅れがあるので瞬時に制御できるものではなく、実測によれば1次電流検出から変調率切り替えさらに1次電流検出までの制御1サイクルに要する時間は約120マイクロ秒であった。すなわち、120マイクロ秒毎に1次電流検出・変調率切り替えが繰り返されており、1秒間に約800回強の変調率切り替え制御が行われていることから、非常に高速の制御であるといえる。
図2において、制御後の変調率N1を最小すなわち0%に設定すると基準値Ref1は最大電流値を制限する役割をもっており、1次電流の上限は基準値Ref1となる。したがって、基準値Ref1を小さくするほど、最大1次電流は小さくなり、フラッシュが発生しにくくなる。制御後の変調率N2を最大すなわち100%に設定すると基準値Ref2は接触部への大電流投入のタイミングを制御する役割をもっており、基準値Ref2が小さいほど接触部を流れる電流が小さい時点で大電流を投入することになるのでフラッシュが発生しやすい。逆に基準値Ref2を大きくすると、時間が経過して接触部を流れる電流がある程度大きくなった時点で大電流を投入することになるのでジュール加熱時間が長くなり、その結果フラッシュが発生する機会が減少しフラッシュが発生しにくくなる。
図2において、ステップS1において1次電流が検出されてそのまま制御用信号となり1次電流i1が入力され、ステップS2において基準値Ref1と比較される。もし、1次電流i1が基準値Ref1を上回っていればステップS3に進み変調率は初期設定値のN0からN1に切り替えられ、再びステップS1の1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流i1が基準値Ref1を下回っているときは、ステップ4に進みもう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流i1が基準値Ref2を上回っていればステップ5に進み変調率はN1に切り替えられ、1次電流i1が基準値Ref2を下回っていればステップ5に進み変調率は初期設定値N0に戻される。そして、再びステップS1の1次電流入力に戻り、上記制御サイクルを繰り返す。
実際には、1次電流検出から変調率切り替えまでには制御遅れがあるので瞬時に制御できるものではなく、実測によれば1次電流検出から変調率切り替えさらに1次電流検出までの制御1サイクルに要する時間は約120マイクロ秒であった。すなわち、120マイクロ秒毎に1次電流検出・変調率切り替えが繰り返されており、1秒間に約800回強の変調率切り替え制御が行われていることから、非常に高速の制御であるといえる。
図2において、制御後の変調率N1を最小すなわち0%に設定すると基準値Ref1は最大電流値を制限する役割をもっており、1次電流の上限は基準値Ref1となる。したがって、基準値Ref1を小さくするほど、最大1次電流は小さくなり、フラッシュが発生しにくくなる。制御後の変調率N2を最大すなわち100%に設定すると基準値Ref2は接触部への大電流投入のタイミングを制御する役割をもっており、基準値Ref2が小さいほど接触部を流れる電流が小さい時点で大電流を投入することになるのでフラッシュが発生しやすい。逆に基準値Ref2を大きくすると、時間が経過して接触部を流れる電流がある程度大きくなった時点で大電流を投入することになるのでジュール加熱時間が長くなり、その結果フラッシュが発生する機会が減少しフラッシュが発生しにくくなる。
本発明のフラッシュ溶接装置においては、前記6個の主要制御パラメータを時間の経過とともに制御できる機能をもっているが、必ずしも6個のパラメータすべてを時間の経過とともに同時に制御しなくても相当のレベルの制御ができる。予備実験の結果によれば、インバータ制御後の変調率設定値N1は0%に、インバータ制御後の変調率設定値N2は100%と時間変化に対して固定して設定しても相当のレベルの制御ができた。
この実施例1では、下記の通り、インバータ変調率の初期設定値N0、インバータ制御の基準値Ref1、インバータ制御後の変調率設定値N1、インバータ制御後の変調率設定値N2を時間変化に対して固定し、インバータ制御の基準値Ref2と電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmを時間とともに減少させる制御を行った実施例を説明する。
6個の主要制御パラメータの設定は下記の通りである。
1 インバータ変調率の初期設定値N0
70%固定
2 インバータ制御の基準値Ref1
150A固定
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
0%固定
4 インバータ制御の基準値Ref2
溶接起動時;109A 15秒後;55A
Ref2=110−3.67t
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
100%固定
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
溶接起動時;82A 15秒後;55A
Refm=82−1.8t
まず、インバータ制御においては、検出された1次電流はそのまま制御用信号となり、基準値Ref1(150A)と比較される。もし、1次電流が基準値Ref1(150A)を上回っていれば変調率は初期設定値のN0(70%)からN1(0%)に切り替えられ、再び1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流が基準値Ref1(150A)を下回っているときは、もう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流が基準値Ref2を上回っていれば変調率はN2(100%)に切り替えられ、1次電流が基準値Ref2を下回っていれば、変調率は初期設定値N0(70%)に復帰させる。ここで、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;109A、15秒後;55Aとなるよう1次式で変化させている。
一方、移動クランプ手段を移動させる油圧シリンダの送り制御においては、電気油圧サーボ弁駆動回路で比例積分制御が行われる。1次電流検出手段で検出された溶接トランスの1次電流を入力して予め設定された基準値Refmと比較してその偏差を比例積分制御する。この比例積分制御により、移動クランプ手段は1次電流が基準値Refmを下回れば、例えば無負荷状態であれば前進し、1次電流が基準値Refmを上回れば、例えば過大電流であれば後退する。その偏差が最小になるよう移動クランプ手段の送り速度が制御される。さらに、本実施例では、電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmは、溶接起動時;82A、15秒後;55Aとなるよう1次式で変化させている。
上記条件でフラッシュ溶接を実施した結果、フラッシュの発生比率は溶接起動時は17%、加圧・圧接直前では84%と所望のフラッシュ発生比率が得られており、接合した溶接継手は全て180度の曲げ試験に耐え、良好な溶接継手を得ることができた。
この実施例1では、下記の通り、インバータ変調率の初期設定値N0、インバータ制御の基準値Ref1、インバータ制御後の変調率設定値N1、インバータ制御後の変調率設定値N2を時間変化に対して固定し、インバータ制御の基準値Ref2と電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmを時間とともに減少させる制御を行った実施例を説明する。
6個の主要制御パラメータの設定は下記の通りである。
1 インバータ変調率の初期設定値N0
70%固定
2 インバータ制御の基準値Ref1
150A固定
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
0%固定
4 インバータ制御の基準値Ref2
溶接起動時;109A 15秒後;55A
Ref2=110−3.67t
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
100%固定
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
溶接起動時;82A 15秒後;55A
Refm=82−1.8t
まず、インバータ制御においては、検出された1次電流はそのまま制御用信号となり、基準値Ref1(150A)と比較される。もし、1次電流が基準値Ref1(150A)を上回っていれば変調率は初期設定値のN0(70%)からN1(0%)に切り替えられ、再び1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流が基準値Ref1(150A)を下回っているときは、もう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流が基準値Ref2を上回っていれば変調率はN2(100%)に切り替えられ、1次電流が基準値Ref2を下回っていれば、変調率は初期設定値N0(70%)に復帰させる。ここで、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;109A、15秒後;55Aとなるよう1次式で変化させている。
一方、移動クランプ手段を移動させる油圧シリンダの送り制御においては、電気油圧サーボ弁駆動回路で比例積分制御が行われる。1次電流検出手段で検出された溶接トランスの1次電流を入力して予め設定された基準値Refmと比較してその偏差を比例積分制御する。この比例積分制御により、移動クランプ手段は1次電流が基準値Refmを下回れば、例えば無負荷状態であれば前進し、1次電流が基準値Refmを上回れば、例えば過大電流であれば後退する。その偏差が最小になるよう移動クランプ手段の送り速度が制御される。さらに、本実施例では、電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmは、溶接起動時;82A、15秒後;55Aとなるよう1次式で変化させている。
上記条件でフラッシュ溶接を実施した結果、フラッシュの発生比率は溶接起動時は17%、加圧・圧接直前では84%と所望のフラッシュ発生比率が得られており、接合した溶接継手は全て180度の曲げ試験に耐え、良好な溶接継手を得ることができた。
実施例1では、インバータ変調率の初期設定値N0、インバータ制御の基準値Ref1、インバータ制御後の変調率設定値N1、インバータ制御後の変調率設定値N2を時間変化に対して固定したが、実施例2においては、インバータ制御後の変調率設定値N1、インバータ制御後の変調率設定値N2を時間変化に対して固定してインバータ変調率の初期設定値N0、インバータ制御の基準値Ref1、インバータ制御の基準値Ref2と電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmを時間とともに変化させる制御を行った実施例を説明する。
6個の主要制御パラメータの設定は下記の通りである。
1 インバータ変調率の初期設定値N0
溶接起動時;50% 15秒後;70%
N0=50+1.33t
2 インバータ制御の基準値Ref1
溶接起動時;82A 15秒後;135A
Ref1=82+3.53t
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
0%固定
4 インバータ制御の基準値Ref2
溶接起動時;55A 15秒後;27A
Ref2=55−1.87t
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
100%固定
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
溶接起動時;55A 15秒後;41A
Refm=55−0.93t
まず、インバータ制御においては、検出された1次電流はそのまま制御用信号となり、基準値Ref1と比較される。もし、1次電流が基準値Ref1を上回っていれば変調率は初期設定値のN0からN1(0%)に切り替えられ、再び1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流が基準値Ref1を下回っているときは、もう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流が基準値Ref2を上回っていれば変調率はN2(100%)に切り替えられ、1次電流が基準値Ref2を下回っていれば、変調率は初期設定値N0に復帰させる。ここで、インバータ変調率の初期設定値N0は溶接起動時;50%、15秒後;70%に、インバータ制御の基準値Ref1は溶接起動時;82A、15秒後;135Aに、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;55A、15秒後;27Aに、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;55A、15秒後;27Aになるよう1次式で変化させている。
一方、移動クランプ手段を移動させる電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmは、溶接起動時;55A、15秒後;41Aとなるよう1次式で変化させている。
上記条件でフラッシュ溶接を実施した結果、フラッシュの発生比率は溶接起動時は25%、加圧・圧接直前では91%と所望のフラッシュ発生比率が得られており、接合した溶接継手は全て180度の曲げ試験に耐え、良好な溶接継手を得ることができた。
6個の主要制御パラメータの設定は下記の通りである。
1 インバータ変調率の初期設定値N0
溶接起動時;50% 15秒後;70%
N0=50+1.33t
2 インバータ制御の基準値Ref1
溶接起動時;82A 15秒後;135A
Ref1=82+3.53t
3 インバータ制御後の変調率設定値N1
0%固定
4 インバータ制御の基準値Ref2
溶接起動時;55A 15秒後;27A
Ref2=55−1.87t
5 インバータ制御後の変調率設定値N2
100%固定
6 電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refm
溶接起動時;55A 15秒後;41A
Refm=55−0.93t
まず、インバータ制御においては、検出された1次電流はそのまま制御用信号となり、基準値Ref1と比較される。もし、1次電流が基準値Ref1を上回っていれば変調率は初期設定値のN0からN1(0%)に切り替えられ、再び1次電流入力に戻る。再び入力された1次電流が基準値Ref1を下回っているときは、もう1つの基準値Ref2と比較され、1次電流が基準値Ref2を上回っていれば変調率はN2(100%)に切り替えられ、1次電流が基準値Ref2を下回っていれば、変調率は初期設定値N0に復帰させる。ここで、インバータ変調率の初期設定値N0は溶接起動時;50%、15秒後;70%に、インバータ制御の基準値Ref1は溶接起動時;82A、15秒後;135Aに、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;55A、15秒後;27Aに、インバータ制御の基準値Ref2は溶接起動時;55A、15秒後;27Aになるよう1次式で変化させている。
一方、移動クランプ手段を移動させる電気油圧サーボ弁の比例積分制御の基準値Refmは、溶接起動時;55A、15秒後;41Aとなるよう1次式で変化させている。
上記条件でフラッシュ溶接を実施した結果、フラッシュの発生比率は溶接起動時は25%、加圧・圧接直前では91%と所望のフラッシュ発生比率が得られており、接合した溶接継手は全て180度の曲げ試験に耐え、良好な溶接継手を得ることができた。
1a、1b;被溶接部材、2;固定クランプ手段、3;移動クランプ手段、4;油圧シリンダ、5;電気油圧サーボ弁、6;整流器、7;コンデンサ、8;インバータ回路、9;1次電流検出手段、10;2次電圧検出手段、11;インバータ駆動回路、12;電気油圧サーボ弁駆動回路、13;統括制御回路、14;パソコン、15;3相交流電源、16;溶接トランス。
Claims (3)
- 被溶接部材を保持する固定クランプ手段と移動クランプ手段、移動クランプ手段を前進後退させる油圧シリンダ、油圧シリンダを駆動させる電気油圧サーボ弁から成るメカニカル装置と、整流器、コンデンサ、インバータ回路から成るインバータ装置と、被溶接部材に電力を供給する溶接トランスと、1次電流検出手段、2次電圧検出手段、インバータ装置をパルス幅変調制御させるインバータ駆動回路、電気油圧サーボ弁を比例積分制御する電気油圧サーボ弁駆動回路、およびインバータ駆動回路と電気油圧サーボ弁駆動回路を統括して制御する制御手段から成るフラッシュ溶接装置であって、
前記インバータ駆動回路は、インバータ装置の変調率の初期設定をN0%とし、制御用信号が予め設定された基準値Ref1を上回れば変調率をN1%に切り替え、下回れば、さらに、該制御用信号を予め設定された基準値Ref2と比較し、該制御用信号が基準値Ref2を上回れば変調率をN2%に切り替え、下回れば元の変調率N0%に戻す機能を有し、かつ、該N0、N1、N2、Ref1、Ref2の値を予め定められた数式に則り時間の経過とともに変える機能を有することを特徴とするフラッシュ溶接装置 - 前記電気油圧サーボ弁駆動回路は、比例積分制御の基準値Refmを予め定められた数式に則り時間の経過とともに変える機能を有し、かつ、該基準値Refmをインバータ駆動回路の該N0、N1、N2、Ref1、Ref2の値と同時に時間の経過とともに変える機能を有することを特徴とする請求項1のフラッシュ溶接装置
- 検出信号として1次電流、2次電圧のいずれかもしくはその両方を検出し、インバータ駆動回路および電気油圧サーボ弁駆動回路の制御用信号として、1次電流もしくは2次電圧もしくは1次電流に2次電圧を乗じた値もしくは2次電圧を1次電流で除した値のいずれかを用いることを特徴とする請求項1のフラッシュ溶接装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004116229A JP2005262313A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | フラッシュ溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004116229A JP2005262313A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | フラッシュ溶接装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005262313A true JP2005262313A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35087388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004116229A Pending JP2005262313A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | フラッシュ溶接装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005262313A (ja) |
-
2004
- 2004-03-15 JP JP2004116229A patent/JP2005262313A/ja active Pending
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