JP2005262079A - 混合ガス供給装置の運転制御方法 - Google Patents

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浩康 柴崎
Tomohiro Oyama
朋宏 尾山
Masahiro Takeuchi
雅弘 武内
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Abstract

【課題】 ガス使用量に応じた供給量の切替えが可能で、短時間での大流量供給が可能な混合ガス供給装置の運転制御方法を提供
【解決手段】 通常運転用と予備運転用の複数の混合ガス供給ラインと、この供給ラインからの混合ガスを蓄圧するバッファータンクと、このバッファータンク内の圧力を検出する圧力計とを備え、圧力計で検出した圧力に応じて複数の混合ガス供給ラインの開閉制御を行う混合ガス供給装置の運転制御方法であって、バッファータンク内の圧力が、下限設定値以下になると通常運転用混合ガス供給ラインを開放(S101)させ、バッファータンク内の圧力が、緊急下限設定値以下になると通常運転用及び予備運転用混合ガス供給ラインを開放(S103)させ、バッファータンク内の圧力が、上限設定値以上になるとこれらの混合ガス供給ラインを閉止(S102)させ、これらの設定値の圧力が、緊急下限設定値<下限設定値<上限設定値の関係にある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、混合ガス供給装置の運転制御方法に関するものであり、特に、複数の混合ガス供給ラインを備えた混合ガス供給装置の運転制御方法に関するものである。
従来より、複数種類の単一成分ガスを所定の割合で混合した混合ガスとして、例えば、酸素と窒素とを大気と略同等の割合になるように混合した合成空気が、病院で用いられており、複数の特殊な成分を含む雰囲気ガスが、溶接や浸炭等の金属処理に用いられている。
このような混合ガスを供給する装置として、混合ガスの組成に異常が発生した時は、直ちに混合ガスの製造を中止できるとともに、バッファータンク内の混合ガスをそのまま継続して使用できるようにした混合ガス供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この混合ガス供給装置を含め、実際に現場で使用する混合ガス供給装置にあっては、通常使用する通常運転用混合ガス供給ラインと、この通常運転用混合ガス供給ラインが故障した際に切替えて使用する予備運転用混合ガス供給ラインとを備えているのが、一般的である。
そして、この一般的な混合ガス供給装置にあっては、制御の簡易さとメンテナンスの観点から、通常運転用混合ガス供給ラインと予備運転用混合ガス供給ラインとを、各々単独にいずれか一方のラインを運転させるのが常である。
特開平9−271657号公報
しかしながら、上述したようないずれか一方のラインの単独運転では、短時間で大流量の供給を必要とする際、例えば、病院内にて大流量の混合ガスを消費する設備(具体例として、高気圧酸素治療室)において合成空気を使用する際には、いずれか一方のラインのみからの供給では流量が追いつかず、ボンベ供給ラインに切替えて使用しなければならないという問題があった。
また、このいずれか一方のラインの単独運転のまま大流量供給を行おうとすれば、各混合ガス供給ラインの供給可能流量を増やさなければならず、コスト増大の問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ガス使用量に応じた供給量の切替えが可能で、短時間での大流量供給が可能な混合ガス供給装置の運転制御方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、通常運転用と予備運転用の複数の混合ガス供給ラインと、この供給ラインからの混合ガスを蓄圧するバッファータンクと、このバッファータンク内の圧力を検出する圧力計とを備え、該圧力計で検出した圧力に応じて前記複数の混合ガス供給ラインの開閉制御を行う混合ガス供給装置の運転制御方法であって、前記バッファータンク内の圧力が、下限設定値以下になると通常運転用混合ガス供給ラインを開放(通常運転)させ、前記バッファータンク内の圧力が、緊急下限設定値以下になると前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインを開放(追従運転)させ、前記バッファータンク内の圧力が、上限設定値以上になるとこれらの混合ガス供給ラインを閉止させ、かつこれらの設定値の圧力が、緊急下限設定値<下限設定値<上限設定値の関係にあることを特徴とする混合ガス供給装置の運転制御方法である。
請求項2にかかる発明は、前記複数の混合ガス供給ラインと、前記バッファータンクとの間に、混合ガスの組成を分析する分析計を備え、該分析計で検出した混合ガスの組成に応じて前記複数の混合ガス供給ラインの開閉制御を行う前記混合ガス供給装置の運転制御方法であって、前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、この混合ガスの組成が設定値を外れると、前記予備運転用混合ガス供給ラインを閉止させ、前記通常運転用混合ガス供給ラインで通常運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法である。
請求項3にかかる発明は、前記通常運転用混合ガス供給ラインと前記予備運転用混合ガス供給ラインとに、それぞれの圧力を検出する圧力計を備え、該圧力計で検出した圧力に応じて前記混合ガス供給ラインの開閉制御を行う前記混合ガス供給装置の運転制御方法であって、前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、いずれかの混合ガス供給ラインの圧力が設定値を外れると、圧力設定値外となった混合ガス供給ラインを閉止させ、残余の混合ガス供給ラインで通常運転を継続することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法である。
請求項4にかかる発明は、請求項2又は請求項3に記載の残余の混合ガス供給ライン又は前記通常運転用混合ガス供給ラインによる通常運転中、この残余の混合ガス供給ライン若しくは前記通常運転用混合ガス供給ラインの圧力又は混合ガス組成が設定値を外れると、これを閉止させて前記混合ガス供給装置を停止させ、第3供給ラインに切替えて運転を行うことを特徴とする混合ガス供給装置の運転制御方法である。
請求項5にかかる発明は、前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、前記バッファータンク内の圧力が、緊急下限設定値以下のまま設定時間を超えると、これらを閉止させて前記混合ガス供給装置を停止させ、前記第3供給ラインに切替えて運転を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法である。
請求項6にかかる発明は、前記複数の混合ガス供給ラインが、圧力調整弁、遮断弁及び流量調整弁をそれぞれ設けた複数の原料ガス供給系と、各原料ガス供給系から供給される複数の原料ガスを合流させて混合ガスとするガス合流部とを備えた混合ガス供給装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法である。
本発明の混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、通常運転と追従運転の切替えを行うことにより、ガス使用量に応じて供給量を切替えることができる。
また、本発明の混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、必要に応じて通常運転用混合ガス供給ラインと予備運転用混合ガス供給ラインとを同時に運転できるため、各混合ガス供給ラインの供給可能流量を増やさなくとも、短時間での大流量供給が可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る混合ガス供給装置の系統図の例を図面に示し、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の混合ガス供給装置を合成空気供給用として使用した第1の実施形態に係る混合ガス供給装置の系統図である。この混合ガス供給装置(合成空気供給装置)100は、通常運転用混合ガス供給ライン10と、予備運転用混合ガス供給ライン20と、分析計6と、圧力計7と、バッファータンク8と、三方弁V−10とから概略構成されている。
この通常運転用混合ガス供給ライン10は、圧力調整弁R−1と遮断弁V−1と流量調整弁であるニードル弁NV−1とを設けた第1原料ガス(酸素)供給系1と、圧力調整弁R−2と遮断弁V−2と流量調整弁であるオリフィスO−1とを設けた第2原料ガス(窒素)供給系2と、両供給系1,2の2種類のガス(酸素と窒素)が合流するガス合流部5とから構成されている。
また、予備運転用混合ガス供給ライン20は、通常運転用混合ガス供給ライン10と全く同様に、圧力調整弁R−3と遮断弁V−3と流量調整弁であるニードル弁NV−2とを設けた第1原料ガス(酸素)供給系3と、圧力調整弁R−4と遮断弁V−4と流量調整弁であるオリフィスO−2とを設けた第2原料ガス(窒素)供給系4と、両供給系3,4の2種類のガス(酸素と窒素)が合流するガス合流部5とから構成されている。
この予備運転用混合ガス供給ライン20は、その構成部品、原料ガスの種類、原料ガスの供給量等について、通常運転用混合ガス供給ライン10と同等の機能を有するように作られている。したがって、通常運転用混合ガス供給ライン10と予備運転用混合ガス供給ライン20を逆に設けても問題ない。また、この通常運転用混合ガス供給ライン10及び予備運転用混合ガス供給ライン20には、ガス合流部5後段に、別途遮断弁(図示せず)を設けてもよい。
これらの混合ガス供給ライン10,20の後段には、混合ガスの組成を分析する分析計6が設けられている。本実施形態では、分析計6として、合成空気中の酸素の濃度を分析する酸素センサーが挙げられる。
そして、この分析計6には、混合ガスの組成に異常が生じ、例えば酸素濃度が設定値を外れると、遮断弁V−1,V−2又はV−3,V−4を開閉する制御機構が組み込まれている。
また、バッファータンク8には、バッファータンク8内の圧力を検出する圧力計7が設けられている。この圧力計7には、検出した圧力に応じて混合ガス供給ライン10,20の遮断弁V−1,V−2又はV−3,V−4を開閉する制御機構が組み込まれている。
これら混合ガスの組成による制御及びバッファータンク内の圧力による制御は、電気信号を制御盤に入力させ、まとめて制御を行ってもよい。
このバッファータンク8の後段には、三方弁V−10が設けられている。この三方弁V−10は、通常はバッファータンク8からユースポイントへ混合ガスが流れるように配置されている。しかし、混合ガスライン10,20に異常が発生した場合には、これらを閉止させて、第3供給ラインであるボンベからの供給に切替えられるようになっている。
次に、混合ガスのユースポイントへの供給方法について説明する。第1原料ガス(酸素)供給系1,3からの第1原料ガス(酸素)と、第2原料ガス(窒素)供給系2,4からの第2原料ガス(窒素)とは、それぞれ圧力調整弁R−1,R−2,R−3,R−4で二次側の圧力が略同等になるように調整され、ニードル弁NV−1,NV−2又はオリフィスO−1,O−2で所定の混合比率が得られる流量に調整された後、ガス合流部5,5で合流して所定の酸素濃度、例えば酸素22%、窒素78%の合成空気となる。
生成した合成空気は、分析計6により酸素濃度を測定された後、バッファータンク8に蓄圧され、ユースポイントに供給される。
図2に、本発明に係る混合ガス供給装置の運転制御方法のフローチャートを示す。あらかじめバッファータンク8内の圧力には、上限設定値、下限設定値、緊急下限設定値が設定されている。これらは、緊急下限設定値<下限設定値<上限設定値の関係にあり、圧力計7で検出される。合成空気の場合、例えば、上限設定値が0.54MPa、下限設定値が0.50MPa、緊急下限設定値が0.49MPaである。
また、混合ガスの組成は、合成空気の場合、酸素濃度を分析計で検出し、その設定値は、22+1%と定められている。
図1の系統図と図2のフローチャートを参考に、本発明の運転制御方法の一例を説明する。
〈通常運転〉
混合ガスが使用され、バッファータンク8の圧力が下限設定値0.50MPa以下になったことを圧力計7が検出すると、通常運転開始(S101)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10の遮断弁V−1,V−2が開放され、混合ガス(合成空気)が製造される。
次いで、バッファータンク8の圧力が上限設定値0.54MPaに達したことを圧力計7が検出すると、運転停止(S102)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10の遮断弁V−1,V−2が閉止される。
通常運転開始(S101)の決定がなされ、遮断弁V−1,V−2が開放されている通常運転中に、不具合により、圧力異常等が発生した場合には、通常ライン圧力異常(S104)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10の遮断弁V−1,V−2あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させるという通常ライン運転停止(S105)の決定がなされる。
次いで、予備ラインで通常運転を行う(S106)決定がなされ、予備運転用混合ガス供給ライン20に切替えて混合ガス供給装置100の運転が継続して行われる。その後、バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったとしても、通常運転用混合ガス供給ライン10は閉止したままで使用しない。
〈追従運転〉
バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったことを圧力計7が検出すると、追従運転開始(S103)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10と予備通運転用混合ガス供給ライン20の遮断弁V−1〜V−4が開放されて、混合ガスが製造される。
そして、同様に、バッファータンク8の圧力が上限設定値0.54MPaに達したことを圧力計7が検出すると、運転停止(S102)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10と予備通運転用混合ガス供給ライン20の遮断弁V−1〜V−4は閉止され混合ガスの製造は一旦停止する。
〈追従運転中の混合ガスの組成異常〉
追従運転中、混合ガスの組成が変化し、酸素濃度が22±1%から外れたことを分析計が検出すると、混合ガス組成異常(S109)の決定がなされ、予備運転用混合ガス供給ライン20の遮断弁V−3,V−4あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させるという予備ライン運転停止(S110)の決定がなされる。
次いで、通常ラインで通常運転を行う(S111)決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10のみで混合ガス供給装置100の運転が継続して行われる。その後、バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったとしても、予備運転用混合ガス供給ライン20は閉止したままで使用しない。
この混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、通常運転と追従運転の切替えを行うことにより、ガス使用量に応じて供給量を切替えることができる。
また、本実施形態の混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、追従運転中、混合ガスの組成が変化した場合、混合ガス供給装置を停止させて第3供給ラインであるボンベ供給に切替えなくとも予備運転用混合ガス供給ラインのみを閉止させ、通常運転用混合ガス供給ラインのみを使用することにより、運転を継続することができる。
[第2の実施形態]
図3は、本発明の混合ガス供給装置を合成空気供給用として使用した第2の実施形態に係る混合ガス供給装置の系統図である。本実施形態では、圧力調整弁と遮断弁との間に圧力計P1〜P4を各々設け、遮断弁V−1〜V−4の開閉を制御できるようにしたこと以外は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。図3の系統図と図2のフローチャートを参考に、第1の実施の形態と異なる部分の運転制御方法の一例を説明する。
〈追従運転中の通常ラインの圧力異常〉
追従運転中、不具合により、通常運転用混合ガス供給ライン10の圧力が設定値から外れたことを圧力計P1,P2が検出すると、通常ライン圧力異常(S104)の決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10の遮断弁V−1,V−2あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させるという通常ライン運転停止(S105)の決定がなされる。
次いで、予備ラインで通常運転を行う(S106)決定がなされ、予備運転用混合ガス供給ライン20に切替えて混合ガス供給装置100の運転が継続して行われる。その後、バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったとしても、通常運転用混合ガス供給ライン10は閉止したままで使用しない。
その後、この予備運転用混合ガス供給ライン20に圧力又は混合ガスの組成の異常が発生し、設定値から外れたことを分析計6又は圧力計7が検出した場合には、予備ライン異常(S107)の決定がなされ、装置停止(S114)となり、予備運転用混合ガス供給ライン20の遮断弁V−3,V−4あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させて混合ガス供給装置100を停止させる。
次いで、ボンベ供給切替(S115)の決定により、自動的に三方弁V−10を第3供給ラインであるボンベ供給ライン側に切替えて、運転を継続して行う。
〈追従運転中の予備ラインの圧力異常〉
追従運転中、不具合により、予備運転用混合ガス供給ライン20の圧力が設定値から外れたことを圧力計P3,P4が検出すると、予備ライン圧力異常(S108)の決定がなされ、予備運転用混合ガス供給ライン20の遮断弁V−3,V−4あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させるという予備ライン運転停止(S110)の決定がなされる。
次いで、通常ラインで通常運転を行う(S111)決定がなされ、通常運転用混合ガス供給ライン10に切替えて混合ガス供給装置100の運転が継続して行われる。その後、バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったとしても、予備運転用混合ガス供給ライン20は閉止したままで使用しない。
その後、この通常運転用混合ガス供給ライン10に圧力又は混合ガスの組成の異常が発生し、設定値から外れたことを分析計6又は圧力計7が検出した場合には、通常ライン異常(S112)の決定がなされ、先ほどと同様に装置停止(S114)となり、通常運転用混合ガス供給ライン10の遮断弁V−1,V−2あるいはガス合流部5の後段に設けた新たな遮断弁(図示せず)を閉止させて混合ガス供給装置100を停止させる。
次いで、ボンベ供給切替(S115)の決定がなされて、自動的に三方弁V−10を第3供給ラインであるボンベ供給ライン側に切替えて、運転を継続して行う。
〈追従運転中の圧力低下〉
バッファータンク8の圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下になったことを圧力計7が検出し、追従運転が開始(S103)されたが、圧力が緊急下限設定値0.49MPa以下のまま設定時間(例えば、60秒間)を越えると、原料ガスの圧力不足等の異常状態であると判断し、圧力低下継続(S113)の決定と、それに続く装置停止(S114)の決定がなされ、混合ガス供給装置100を停止する。
次いで、ボンベ供給切替(S115)の決定がなされて、自動的に三方弁V−10を第3供給ラインであるボンベ供給ライン側に切替えて、運転を継続して行う。
このように、本実施形態の混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、通常運転用及び予備運転用混合ガス供給ラインの各々に圧力計P1〜P4を設け、その圧力に応じてラインの開閉制御を行うことにより、通常運転用混合ガス供給ラインと予備運転用混合ガス供給ラインとを同時に使用している追従運転中に、いずれかの混合ガス供給ラインの圧力が設定値から外れても、残余の混合ガス供給ラインに切替えて運転を継続することができる。
また、この残余の混合ガス供給ラインに、さらに異常が発生した場合であっても、混合ガス供給装置全体を停止させ、第3供給ラインであるボンベ供給に切替えることにより、運転を継続することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1]
図3に示す混合ガス供給装置により酸素と窒素とを混合して、酸素22%、窒素78%の合成空気を製造した。この混合ガス供給ラインの各々の供給可能量は、25Nm/hとした。また、バッファータンクの圧力設定値は、上限設定値を0.54MPa、下限設定値を0.50MPa、緊急下限設定値を0.49MPaにした。
バッファータンクの圧力が下限設定値0.50MPa以下になると、通常運転が開始され、通常運転用混合ガス供給ラインから合成空気が25Nm/h供給された。
その後、バッファータンクの圧力が、上限設定値0.54MPaを超えると、通常運転用混合ガス供給ラインからの合成空気の供給は遮断された。
また、バッファータンクの圧力が、緊急下限設定値0.49MPa以下になると、通常運転用混合ガス供給ラインに続いて予備運転用混合ガス供給ラインも開放され、追従運転が開始されて、合成空気が25Nm/hづつ通常及び予備運転用混合ガス供給ラインから供給され、合計50Nm/hの合成空気が得られた。
この追従運転中、故意に通常運転用混合ガス供給ラインの流量調整弁を絞り、通常運転用混合ガス供給ラインの圧力異常状態を発生させた。
その後、通常運転用混合ガス供給ラインからの合成空気の供給が直ちに遮断され、予備運転用混合ガス供給ラインから合成空気が25Nm/h供給された。
以上の結果から、本発明の混合ガス供給装置の運転制御方法によれば、各混合ガス供給ラインの供給可能流量を増やさなくとも、短時間での大流量供給が可能であることが確認された。
第1の実施形態に係る混合ガス供給装置の系統図である。 本発明に係る混合ガス供給装置の運転制御方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る混合ガス供給装置の系統図である。
符号の説明
1,3 第1原料ガス供給系
2,4 第2原料ガス供給系
5 ガス合流部
6 分析計
7,P1,P2,P3,P4 圧力計
8 バッファータンク
10 通常運転用混合ガス供給ライン
20 予備運転用混合ガス供給ライン
100 混合ガス供給装置
R−1,R−2,R−3,R−4 圧力調整弁
V−1,V−2,V−3,V−4 遮断弁
NV−1,NV−2 流量調整弁(ニードル弁)
S101 通常運転開始
S102 運転停止
S103 追従運転開始
S104 通常ライン圧力異常
S105 通常ライン運転停止
S106 予備ラインで通常運転
S107 予備ライン異常
S108 予備ライン圧力異常
S109 混合ガス組成異常
S110 予備ライン運転停止
S111 通常ラインで通常運転
S112 通常ライン異常
S113 圧力低下継続
S114 装置停止
S115 ボンベ供給(第3供給ライン)切替

Claims (6)

  1. 通常運転用と予備運転用の複数の混合ガス供給ラインと、
    この供給ラインからの混合ガスを蓄圧するバッファータンクと、
    このバッファータンク内の圧力を検出する圧力計とを備え、
    該圧力計で検出した圧力に応じて前記複数の混合ガス供給ラインの開閉制御を行う混合ガス供給装置の運転制御方法であって、
    前記バッファータンク内の圧力が、下限設定値以下になると通常運転用混合ガス供給ラインを開放(通常運転)させ、
    前記バッファータンク内の圧力が、緊急下限設定値以下になると前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインを開放(追従運転)させ、
    前記バッファータンク内の圧力が、上限設定値以上になるとこれらの混合ガス供給ラインを閉止させ、かつ
    これらの設定値の圧力が、緊急下限設定値<下限設定値<上限設定値の関係にあることを特徴とする混合ガス供給装置の運転制御方法。
  2. 前記複数の混合ガス供給ラインと、前記バッファータンクとの間に、混合ガスの組成を分析する分析計を備え、
    該分析計で検出した混合ガスの組成に応じて前記複数の混合ガス供給ラインの開閉制御を行う前記混合ガス供給装置の運転制御方法であって、
    前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、
    この混合ガスの組成が設定値を外れると、前記予備運転用混合ガス供給ラインを閉止させ、
    前記通常運転用混合ガス供給ラインで通常運転を行うことを特徴とする請求項1に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法。
  3. 前記通常運転用混合ガス供給ラインと前記予備運転用混合ガス供給ラインとに、それぞれの圧力を検出する圧力計を備え、
    該圧力計で検出した圧力に応じて前記混合ガス供給ラインの開閉制御を行う前記混合ガス供給装置の運転制御方法であって、
    前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、
    いずれかの混合ガス供給ラインの圧力が設定値を外れると、
    圧力設定値外となった混合ガス供給ラインを閉止させ、
    残余の混合ガス供給ラインで通常運転を継続することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の残余の混合ガス供給ライン又は前記通常運転用混合ガス供給ラインによる通常運転中、
    この残余の混合ガス供給ライン若しくは前記通常運転用混合ガス供給ラインの圧力又は混合ガス組成が設定値を外れると、
    これを閉止させて前記混合ガス供給装置を停止させ、第3供給ラインに切替えて運転を行うことを特徴とする混合ガス供給装置の運転制御方法。
  5. 前記通常運転用及び前記予備運転用混合ガス供給ラインの追従運転中、
    前記バッファータンク内の圧力が、緊急下限設定値以下のまま設定時間を超えると、
    これらを閉止させて前記混合ガス供給装置を停止させ、前記第3供給ラインに切替えて運転を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法。
  6. 前記複数の混合ガス供給ラインが、圧力調整弁、遮断弁及び流量調整弁をそれぞれ設けた複数の原料ガス供給系と、
    各原料ガス供給系から供給される複数の原料ガスを合流させて混合ガスとするガス合流部とを備えた混合ガス供給装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合ガス供給装置の運転制御方法。


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