JP2005261992A - 触媒再生方法およびクロロベンゼン誘導体の製造方法 - Google Patents

触媒再生方法およびクロロベンゼン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベンゼン誘導体を塩素化してクロロベンゼン誘導体を得る際に用いるゼオライト触媒を再生し、繰り返し反応に利用することにより、触媒原価を低減する。
【解決手段】ベンゼン誘導体と、ゼオライト触媒と、溶媒とを、塩素と接触反応させて塩素化物を得る際に使用した触媒を、50℃以上の温度で反応溶液からろ過分離し、焼成することを特徴とする触媒再生方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬及び農薬をはじめとする各種有機合成化学物質やポリマー原料として利用されうるクロロベンゼン誘導体を塩素化反応で合成する際に用いるゼオライト触媒の再生方法に関する。さらに詳しくは、クロロベンゼン誘導体の合成反応で使用したゼオライト触媒を効率よくリサイクル使用し、触媒原単位の低減を図った触媒再生方法、およびこの再生触媒を使用するクロロベンゼン誘導体の製造方法に関するものである。
クロロベンゼン誘導体は、多くの化合物の原料中間体として工業的に重要な化合物である。二置換クロロベンゼン誘導体には、オルト,メタ,パラの三種類の異性体が存在する。また、三置換クロロベンゼン誘導体には、1,2,3置換体、1,2,4置換体、1,3,5置換体がある。この中でも、特にパラ置換クロロベンゼン誘導体または1,2,4置換クロロベンゼン誘導体は、各種の有機化合物の原料として重要である。例えば、1位と4位にクロロ基を有するパラ−ジクロロベンゼンおよび1位と2位にメチル基、4位にクロロ基を有する4−クロロオルトキシレンは、共にポリマー原料などの多くの有用な化合物の原料中間体として用いられる。
クロロベンゼン誘導体は、一般的には、塩化第二鉄、塩化アルミニウムなどのルイス酸を触媒として用い、ベンゼン誘導体を塩素化することにより製造されている。例えば、4−クロロオルトキシレンは、ルイス酸の存在下、オルトキシレンを塩素化することにより得られるが、この際、4−クロロオルトキシレンとの沸点差が少ない3−クロロオルトキシレンが生成する。有用な4−クロロオルトキシレンを選択的に得る方法としては、L型ゼオライトを触媒として用いるオルトキシレンの塩素化による4−クロロオルトキシレンの製造方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。ニトロ基含有化合物を添加剤として加えると、4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレンの生成比が高くなることも開示されている。
また、スジット・ビー・クマールらは、溶媒として1,2−ジクロロエタンを利用することにより4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレンの生成比を高くする方法(例えば、非特許文献1参照)を提案している。
さらに、最近では、我々はジアルキルベンゼン誘導体(オルトキシレン)を塩素化するにあたり、触媒としてフッ素を含有するゼオライトを使用することによって、4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレンの生成比を画期的に高くする方法も提案している。
しかしながら、ゼオライト触媒は、ルイス酸触媒と比べて高価であり、原価低減のために触媒の添加量を減らして反応を行っているのが実情であるが、触媒添加量を減らしてもなおルイス酸触媒と比べて触媒原価が高いという問題があり、触媒原単位の低減がしきりに望まれていた。
特開平3−81234号公報、p3、実施例1 ジャーナル オブ キャタリシス(Journal of Catalysis)、1994年、150巻、p.430−433
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成するためになされたものであり、その目的とするところは、ベンゼン誘導体を塩素化してクロロベンゼン誘導体を得る際に用いるゼオライト触媒を再生し、繰り返し反応に利用することにより、触媒原価を低減することにある。例えば、オルソキシレンを塩素化するに際して使用するゼオライト触媒をリサイクル使用可能として、触媒原単位の低減を図ることにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、下記式(I)で表されるベンゼン誘導体と、ゼオライト触媒と、溶媒とを、塩素と接触反応させて塩素化物を得る際に使用した触媒を、50℃以上の温度で反応溶液からろ過分離し、焼成することを特徴とする触媒再生方法が提供される。
Figure 2005261992
(式中、基R1〜R6は互いに独立であり、水素、塩素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のα−クロロアルキルを表すが、これらの基の少なくとも1つ以上は水素を表す。)
なお、本発明の触媒再生方法においては、
反応終了後、触媒をろ過分離する前に、反応溶液を反応温度以上の温度に保ち、撹拌すること、撹拌を80℃以上の温度で30分以上行うことが、好ましい条件として挙げられる。
また、本発明のクロロベンゼン誘導体の製造方法は、上記の触媒再生方法により再生したゼオライト触媒と、上記式(I)で表されるベンゼン誘導体と、溶媒とを、塩素と接触反応させることを特徴とし、この場合には、塩素化反応時に塩素ガスを不活性ガスで希釈すること、および反応温度が70℃以上であることが好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、ベンゼン誘導体を塩素化するのに使用したゼオライト触媒の失活を抑制し、より多くの触媒を再生使用可能にすることができる。その結果、クロロベンゼン誘導体を得る際に用いるゼオライト触媒の触媒原価を下げて製造コストの低減を図ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒再生方法は、上記式(I)で表されるベンゼン誘導体と、ゼオライト触媒と、溶媒とを、塩素と接触反応させて塩素化物を得る際に使用した触媒を、50℃以上で反応溶液からろ過分離し、焼成することを特徴とする。
すなわち、本発明において再生されるゼオライト触媒は、ベンゼン誘導体に溶媒と共に加えられ、塩素ガスを吹き込みベンゼン誘導体を塩素化した後に反応系に残存するものである。
上記の塩素化反応で使用する溶媒は、蒸留などで回収して再利用することが製造コストの観点から好ましい。従って、生成物と沸点差が十分あり、しかも低沸点のものが好ましい。溶媒の種類は特に限定されないが、従来公知のハロゲン含有化合物、ニトロ含有化合物が好ましく使用される。ハロゲン含有化合物の方が、ニトロ含有化合物より触媒活性を維持する上で好ましい。ハロゲン含有化合物は、芳香族でも脂肪族でも構わない。例えば、塩素化合物では、クロロベンゼン、o−,m−,p−ジクロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロプロパン、ジクロロプロパンなどである。後の工程やリサイクル性の点からは沸点160℃以下の化合物が好ましい。特に、1,2−ジクロロエタンなどのジクロロエタンや1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパンなどジクロロプロパンが、活性、選択性ともに高くなる点で好ましい。例えば、4−クロロオルトキシレンの製造においては、従来公知の方法で、溶媒としてジクロロエタンを、触媒としてK−L型ゼオライトを使用することによって、4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレン生成比が向上することが知られている。更に、上記特許文献4では、触媒のゼオライトにフッ素を含有させることによって予想以上に選択性が向上することが見出されている。
本発明においては、触媒としてゼオライトを使用する。ゼオライトとは、結晶性マイクロポーラス物質のことで、分子サイズの均一な細孔径を有する結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェート、結晶性シリコアルミノフォスフェートのことである。ここでいうメタロシリケート、メタロアルミノシリケートとは、アルミノシリケートのアルミニウムの一部又は全部がガリウム、鉄、チタン、ボロン、コバルト、クロムなどのアルミニウム以外の金属で置換されたものである。メタロアルミノフォスフェートも同様に、アルミノフォスフェートのアルミニウム又はリンに対してその一部がそれ以外の金属で置換されたものをいう。
本発明の出発原料混合物を得るために用いられる触媒のゼオライトは、ダブリュー.エム.マイヤー,デイー.エイチ.オルソン、シーエイチ.ベロチャー,ゼオライツ(W.M.Meier,D.H.Olson,Ch.Baerlocher, Zeolites)1996年、17巻(1/2)、「アトラス オブ ゼオライト ストラクチャー タイプス」(Atlas of Zeolite Structure types)に掲載されているすべてのゼオライト構造を意味する。上記の文献に掲載されていない構造の新種のゼオライトを用いても良い。しかし、好ましくは簡単に入手できるL型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、A型ゼオライト、MFI型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、β型ゼオライト、Ω型ゼオライト、AFI型ゼオライト、AEL型ゼオライト、ATO型ゼオライトが好ましい。好ましくは、陽イオンとしてアルカリ金属を有しているゼオライトである。その理由は、アルカリ金属が塩素を活性化する活性点と推定できるからである。
L型ゼオライトは、陽イオンとして一般にKイオンを含有しているが、これ以外のものが含まれていても構わない。
ゼオライトはフッ素を含有する物が好ましい。フッ素を含有するとは、フッ素を検知しうる機器分析を用いてゼオライトを分析したときにフッ素が検知されるものであり、これをフッ素を含有するゼオライトと定義する。フッ素を検知する機器分析とは、例えば、原子吸光分析、X線光電子分光法、X線マイクロアナライザー、ICP(誘導結合プラズマ)分析、蛍光X線分析などのことである。これらの分析法で、フッ素が検出されれば特に限定されないが、特に絶乾状態のフッ素を含有するゼオライトに対して0.05重量%以上のフッ素が検出されることが好ましい。絶乾状態のゼオライトとは、500℃で2時間焼成し、5酸化2リンを充填したデシケーターで冷却したゼオライトをいう。
このようなフッ素を含有するゼオライトは、フッ素を含む化合物とゼオライトを接触させた後、焼成することにより得られる。接触のさせ方については特に限定されず、固相でも液相でも気相でも構わない。最も好ましくは、フッ素を含有する塩を水溶液とし、ゼオライトに分散させる方法である。フッ素を含有する塩を水溶液とすることで均一にゼオライトと接触させることができる。フッ素含有塩とゼオライトを接触させた後、一度ろ過してから水洗を加えずに乾燥する。乾燥温度は、100〜150℃が好ましい。最終的にゼオライトを触媒とした塩素化反応は、無水条件下で反応した方が好ましいため、反応前に焼成する。焼成温度は特に限定されないが、例えば300〜500℃が好ましい。フッ素を含有する塩は、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどのアルカリ金属塩やフッ化アンモニウム、フッ素ガスやフッ化水素のガスなどが好ましい。操作性、安全性の観点からは、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどのアルカリ金属塩やフッ化アンモニウムが好ましく、経済性から更に好ましくはフッ化カリウム、フッ化ナトリウムであるが、もちろん、これらに限られるわけではない。それ以外にフッ素ガスやフッ化水素のガスとゼオライトを接触させる方法でもよい。
このようなフッ素を含有するゼオライトを触媒として用いると、パラ置換クロロベンゼン誘導体もしくは1,2,4−置換クロロベンゼン誘導体の選択性が高くなる。その理由は現時点では明らかではない。
フッ素を含有するゼオライトの使用量は、特に限定されないが基質1モルに対して通常0.5〜60gの範囲である。
再生するゼオライト触媒を含む反応溶液を得る方法は、基質としてベンゼン又はベンゼン誘導体を出発原料としてこれを塩素化する。ベンゼン誘導体とは、クロロベンゼン,アルキルベンゼンなどのようにベンゼンの水素がハロゲンあるいはアルキル基などの置換基で置換された化合物を意味し、例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、モノアルキル化ベンゼン、ジアルキル化ベンゼンが好ましい。特にクロロベンゼン、トルエン、オルトキシレンなどを挙げることができる。また、ベンゼン又はベンゼン誘導体は、特に純度などが限定されることなく、工業的に入手できるものを使用できる。純度は、高いほど好ましいが、不純物が若干量含まれているのが通常であり、これらが含まれていても構わない。
本塩素化反応に用いる塩素化剤は、価格や扱い易さ、吹き込みのコントロールのしやすさ、反応圧力制御のし易さから、塩素ガスを使用するのが好ましい。また、塩素は特に純度などが限定されることなく、工業的に入手できるものを使用できる。純度は、高いほど好ましいが、不純物が若干量含まれているのが通常であり、これらが含まれていても構わない。
本塩素化反応は、ベンゼン又はベンゼン誘導体と、ゼオライト触媒と、溶媒とを含む反応系に塩素ガスを吹き込む形でゼオライト触媒と接触させる。吹き込みに際しては、攪拌しながら吹き込む方が好ましい。また、塩素を効率よく利用するために、充分な深さで塩素を吹き込む方が好ましい。希釈ガスとしては、炭酸ガス、空気、窒素、アルゴン、酸素が好ましく、特に窒素ガスが好ましいが、もちろんこれに限定されるわけではない。
反応系内は、加圧でも、常圧でも、減圧でも構わないが、設備投資を低くする観点およびアルキルベンゼン誘導体を塩素化する際は、α−クロロアルキルベンゼン誘導体の副生率を低くするという観点から、常圧の方が好ましい。
塩素化反応に用いる反応装置は、連続式、回分式、半回分式のいずれでも良い。
本発明による触媒再生方法においては、反応溶液中のゼオライト触媒を50℃以上の温度で反応溶液からろ過分離することにより、ゼオライト触媒に吸着した被毒物質が脱着し易くなり、触媒失活が抑制されると考えられる。すなわち、吸着した被毒物質を触媒から脱離し易くするために、ろ過温度は高い方が好ましい。しかしながら、ろ過の操作性の観点からろ過温度は反応溶液の沸点以下で行うのが好ましい。ろ過温度は、50℃以上の温度で行うのが好ましく、被毒物質の除去効果を考えると、60℃以上の温度であることが好ましい。
また、ろ過前に反応溶液を反応温度以上の温度に上げて撹拌することにより、反応中に触媒表面に吸着した被毒物質を反応溶液で洗浄除去させるのが好ましい。反応溶液での洗浄温度は60℃以上の温度で行うのが好ましく、より好ましくは80℃以上の温度である。反応溶液での洗浄時間は、30分以上が好ましく、より好ましくは1時間以上であるが、もちろんこの時間に限定されるわけではない。
反応溶液での洗浄中に未反応の塩素ガス及び反応によって生成する塩化水素ガスを除去する目的から、希釈ガスでバブリングすると良い。希釈ガスとしては、炭酸ガス、空気、窒素、アルゴン、酸素が好ましく、特に好ましくは窒素であるが、もちろんこれに限定されるわけではない。
反応溶液による洗浄は、加圧でも、常圧でも、減圧でも構わないが、沸点を高く保ち、設備投資を低くする観点から、常圧で行うのが好ましい。
反応溶液からろ過分離したゼオライト触媒は、ついで焼成されるが、この焼成条件としては300〜600℃の温度で1時間以上が好ましい。特に好ましくは、400〜550℃の温度で2時間以上である。
かくして再生されたゼオライト触媒は、上記ベンゼン誘導体と溶媒と共に、さらに塩素と接触反応させることによるクロロベンゼン誘導体の製造に再利用されるが、触媒の劣化が抑制されているため、数回の再生/再利用を繰り返しても、クロロベンゼン誘導体を高収率で効率的に製造することが可能であり、これによりゼオライト触媒の触媒原価を下げて製造コストの著しい低減を図ることができる。
なお、再生ゼオライト触媒を使用するクロロベンゼン誘導体の製造においては、塩素化反応時に塩素ガスを不活性ガスで希釈することが好ましい。
アルキルベンゼン誘導体を塩素化する場合、反応温度があまりに高いと側鎖塩素化物が副生しやすくなる。好ましい反応温度としては−50℃〜150℃の範囲である。触媒の洗浄時間を短くするという観点から、反応温度を高くし、反応と触媒洗浄を同時に行う方が好ましい。触媒再生の観点から好ましくは70℃〜100℃の範囲である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
・L型ゼオライトの合成
シリカ源としてニップシルVN−3(日本シリカ工業社製)、アルミニウム源として水酸化アルミニウム(和光純薬工業)、カリウム源として水酸化カリウム(KOH含量85.5wt%,H2O含量14.5wt%、関東化学社製)を用い、次の組成の混合物を調製した。
8K2O:Al23:2OSiO2:200H2O(モル比)
具体的には、50.0gの蒸留水に94.49gの水酸化カリウムを溶解させたのち、水酸化アルミニウム13.44gを加え30分攪拌し均一な溶液とした。この混合液に蒸留水557g、ニップシル118.14gを攪拌しながら徐々に加え、さらに3時間攪拌し、均一なスラリー状水性反応混合物を調製した。反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ密閉し、その後150rpmで攪拌しながら150℃で4日間反応させた。
反応終了後、蒸留水1000mlで3回水洗、ろ過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥し、L型ゼオライト37.5gを得た。
・フッ素を含有するL型ゼオライトの調製
上記で調製したL型ゼオライト10g(絶乾状態)に、無水のフッ化カリウムを2.99g、蒸留水60mlを加え30分攪拌し(室温)、ろ過した後、ケークを120℃で一晩乾燥し、フッ素を含有するL型ゼオライト9.98gを得た。反応前に400℃で1時間焼成し、デシケーター中で冷却し、絶乾状態とした。
・塩素化反応
200ml反応管にオルトキシレン(シグマアルドリッチジャパン(株)製、試薬1級)38.4g、1,2−ジクロロエタン(シグマアルドリッチジャパン(株)製、1級)167.5g、上記で調製した絶乾状態のフッ素を含有するK−L型ゼオライトを0.41gを加え、ジムロート、温度計、ガス吹き込み管、サンプリング口を装着した。廃ガスは、ジムロートの上部から排気し、水酸化ナトリウム溶液でトラップするようにした。加熱はオイルバスで行った。ガス吹き込み口から窒素を吹き込みながら内部温度を60℃に昇温した。反応溶液が60℃になっているのを確認した後、塩素ガスを吹き込み反応を開始した。塩素ガス吹き込み速度は、約0.06モル/時間、窒素ガスの吹き込み速度は約0.12モル/時間に調整した。
一定時間毎に反応溶液を少量抜き出し、反応溶液の組成を分析した。
・反応溶液を冷却せずに触媒をろ過分離する
上記の条件で8時間反応後、塩素ガス吹き込みを停止し、窒素バブリングをしながら反応溶液温度を80℃に昇温して3時間反応溶液を撹拌した。その後、反応溶液を冷却せずにろ過を行い、反応溶液から触媒を回収した。ろ過したときの反応溶液の温度は約60℃であった。
ろ過した触媒は、反応溶液を乾燥させるため、室温で12時間乾燥した後、520℃で2時間焼成し、デシケーター内で冷却した。
・再生触媒を用いた反応
上記で得た再生触媒を使用し、上記と同様の操作で塩素化反応を行った。
以降、上記と同様の再生操作および塩素化反応を繰り返し行った。それぞれの反応でオルソキシレン転化率が20%になった時の4−クロロオルソキシレン選択率を図1のグラフに白抜きの四角で示す。
なお、4−クロロオルソキシレン選択率とは、反応溶液中の4−クロロオルソキシレン重量濃度/反応溶液中のクロロオルソキシレン重量濃度の割合で示される値である。
[比較例1]
・反応溶液を室温まで冷却して触媒をろ過分離する
実施例1と同様の塩素化反応において、8時間反応後、塩素ガス吹き込みを停止し、窒素バブリングをしながら反応溶液温度を60℃に保ち30分反応溶液を撹拌した。その後、反応溶液を冷却してからろ過を行い、反応溶液から触媒を回収した。ろ過したときの反応溶液の温度は約15℃であった。
ろ過した触媒は、反応溶液を乾燥させるため、室温で12時間乾燥した後、520℃で2時間焼成し、デシケーター内で冷却した。
得られた再生触媒を使用し、上記と同様の塩素化反応を行った。
以降、上記と同様の再生操作および塩素化反応を繰り返し行った。それぞれの反応でオルソキシレン転化率が20%になった時の4−クロロオルソキシレン選択率を図1のグラフに黒塗りの四角で示す。
図1の結果から、反応溶液が50℃以上の温度でゼオライト触媒を反応溶液からろ過分離した方が、ゼオライト触媒の劣化を抑制でき、4−クロロオルソキシレン選択性を保てることがわかる。
本発明は、ベンゼン誘導体を塩素化するのに使用したゼオライト触媒の失活を抑制し、触媒をより多く再生使用可能にすることができ、その結果、クロロベンゼン誘導体を得る際に用いるゼオライト触媒の触媒原価を下げて製造コストの低減を図ることができることから、医薬及び農薬をはじめとする各種有機合成化学物質やポリマー原料として利用されうるクロロベンゼン誘導体の合成反応にとって極めて有用である。
実施例・比較例における触媒再生処理による触媒劣化抑制効果を説明するグラフであり、縦軸に4−クロロオルソキシレン選択率、横軸に反応回数をプロットしたものである。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表されるベンゼン誘導体と、ゼオライト触媒と、溶媒とを、塩素と接触反応させて塩素化物を得る際に使用した触媒を、50℃以上の温度で反応溶液からろ過分離し、焼成することを特徴とする触媒再生方法。
    Figure 2005261992
    (式中、基R1〜R6は互いに独立であり、水素、塩素、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のα−クロロアルキルを表すが、これらの基の少なくとも1つ以上は水素を表す。)
  2. 反応終了後、触媒をろ過分離する前に、反応溶液を反応温度以上の温度に保ち、撹拌することを特徴とする請求項1記載の触媒再生方法。
  3. 撹拌を、80℃以上の温度で30分以上行うことを特徴とする請求項2記載の触媒再生方法。
  4. ゼオライト触媒がL型ゼオライトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の触媒再生方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の触媒再生方法により再生したゼオライト触媒と、上記式(I)で表されるベンゼン誘導体と、溶媒とを、塩素と接触反応させることを特徴とするクロロベンゼン誘導体の製造方法。
  6. 塩素化反応時に塩素ガスを不活性ガスで希釈することを特徴とする請求項5記載のクロロベンゼン誘導体の製造方法。
  7. 反応温度が70℃以上であることを特徴とする請求項5または6記載のクロロベンゼン誘導体の製造方法。
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