JP2005260466A - 圧電振動デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛等の有害成分を含有しない封着材料を使用し、圧電振動子の固定に使用される導電性接着剤からのガス発生のおそれのない、より低い温度で封着された気密容器を有する圧電振動デバイスの提供。
【解決手段】気密容器が硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーを含有し、前記封着材組成物におけるメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、前記メチルフェニルシリコーン樹脂は、メチル基に対するフェニル基のモル比が0.1〜1.2である封着剤組成物を用いて封着された圧電振動デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は、圧電振動子を収容した圧電振動デバイスおよびその製造方法に関する。
圧電振動デバイスは、HDD(ハードディスクドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器に用いられている。
圧電振動デバイスは、気密容器の内部に、例えば水晶振動子等の圧電振動子を収容している。そして、この圧電振動子に所定の電圧をかけると所定の周波数で振動するため、この振動周波数を外部に取り出すことによって、所定の周波数の出力を得ることができるようになっている。
気密容器は、圧電振動子を収容するための凹部を有する基体と、該基体の上面に接合されて該凹部を覆う蓋体とで構成されている。酸化アルミニウム質焼結体のような電気絶縁材料製の基体の該凹部には、電極が設けられており、平板状をした圧電振動子の一端は、該電極に導電性接着剤により接合されている。圧電振動子の他端は自由端となっており、外部からの駆動電圧が電極及び導電性接着剤を介して圧電振動子に伝えられると、圧電振動子の自由端が所定の周波数で振動するようになっている。
圧電振動子は、空気抵抗を受けると振動性能に悪影響があるため、気密容器の内部は真空であることが必要である。このため、気密容器を構成する基体と蓋体との接合部は、封着材を用いて気密に接合されている。封着材としては、封着部の気密性に優れることから、従来鉛系低融点ガラスフリットを広く用いられていた。この場合、ガラスフリットの軟化点以上の温度である400℃〜550℃で気密に封着される。
しかしながら、圧電振動子の固定に使用される導電性接着剤には、通常有機系の接着剤にAg等の導電性微粒子を含有させたものが使用されるため、このような高温に曝された場合、導電性接着剤に含有される有機物質からガスが発生し、気密容器内の真空が損なわれる。また、圧電振動子も熱により悪影響を受けるおそれもある。
蓋体を電磁波を透過し難い金属材料で形成した場合、鉛系ガラスフリットは、誘電率が12以上と大きいため、気密容器が大きな静電容量を有するものとなり、圧電振動子の特性を損ねるという問題点を有していた。
また、近年地球環境保護運動の高まりの中で、鉛系ガラスフリットに含まれる酸化鉛は環境負荷物質に指定されている。鉛系ガラスフリットで封着した圧電振動子が屋外に廃棄・放置され風雨に曝された場合、封着材中の鉛が溶けだし、環境を汚染する可能性がある。このため、人体に対して有害である酸化鉛を用いない封止材の開発が要求されるようになってきた。
これらの問題点を解決するため、圧電振動子のような電子機器の収納容器の封着に使用される、鉛を含まないガラス封止剤が特許文献1〜6に開示されている。特許文献1〜4は、ガラス封止剤の組成を選択することにより、鉛を含めることなくガラス封止剤の溶融温度を低下させている。一方、特許文献5では、蓋体を透明材料とし、蓋体とパッケージの間に光吸収部材を配置することで、パッケージ自体を加熱することなしに、該光吸収部材へのレーザ光照射により得られる熱でロウ材(低融点ガラス)を溶融させて封止させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4のガラス封止材は、溶融温度が350℃程度であり、導電性接着剤からのガス発生を防止するのには不十分である。一方、特許文献5の方法は、蓋体が透明材料であることが必要であるため、使用可能な材料で限定されるうえ、高価なレーザ照射装置を使用することが必要となる。しかも、パッケージ内の圧電振動子にレーザ光が照射されると、圧電振動子が損傷して振動性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、セラミックケースと、金属製の蓋体との間にメタライズ層を形成して、電子ビームにより該メタライズ層を溶融させることで、基体および蓋体を封着させる方法が特許文献7、8に開示されている。しかしながら、これらの方法は、高価な電子ビーム照射装置を必要とし、また、電子ビーム照射による局部的な加熱は、メタライズ層および金属製の蓋体と、セラミック製の基体との間に急激な温度差を発生させ、セラミック製の基体にクラックが発生する、メタライズ層にクラック、剥離が発生する、及び/または金属製の蓋体に剥がれが発生する等の気密封止性、信頼性に問題が生ずることがある。
また、有機系封着材として、エポキシ樹脂を用いることも検討されているが、湿気透過性が高いため気密性に劣り、耐熱性および耐UV性に劣り、接着強度も低いという問題を有している。このため、熱可塑性エンジニアリングプラスチックであるポリフェニレンサルファイド樹脂、サーモトロピック液晶ポリマーを封着材に用いることが特許文献9、10で検討されているが、これらの封着材は、耐湿信頼性が低く、接着強度が不足する。これら有機系封着材の問題点を解決するために、電気・電子部品封止用ポリアミド組成物が特許文献11に開示されている。しかしながら、このポリアミド組成物は、湿気透過性が比較的高いため、気密容器の長期の信頼性が問題となる。
特開2003−282765号公報 特開2003−309206号公報 特開2003−197802号公報 特開2003−158210号公報 特開2003−158208号公報 特開2004−31704号公報 特開2003−31713号公報 特開2004−56193号公報 特開平6−350284号公報 特開平7−331036号公報 特開2003−176408号公報
したがって、本発明は、鉛等の有害成分を含有しない封着材料を用いて、圧電振動子と電極との接合に使用される導電性接着剤からのガス発生のおそれのない、より低い温度で封着された気密容器を有する圧電振動デバイス、および該圧電振動デバイスの製造方法の提供を目的とする。
本発明は、前記の目的を達成すべくなされたものである。すなわち、本発明は、気密容器内に圧電振動子を収容した圧電振動デバイスであって、
前記気密容器は、上面に圧電振動子を収容するための凹部を有する電気絶縁材料製の基体と、前記基体の上面と接合されて該凹部を覆う蓋体と、を有し、
前記基体と、前記蓋体との接合部は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーを含有する封着剤組成物からなる封着材で封着されており、
前記封着材組成物におけるメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
前記メチルフェニルシリコーン樹脂は、メチル基に対するフェニル基のモル比が0.1〜1.2であることを特徴とする圧電振動デバイスを提供する。
本発明の圧電振動デバイスにおいて、前記メチルフェニルシリコーン樹脂は、(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比が0.05〜0.55であることが好ましい。
本発明の圧電振動デバイスにおいて、前記耐火物フィラーは、平均粒径0.1〜20μmの球状シリカであることが好ましい。
また、本発明は、基体と蓋体との接合面に、封着材組成物を塗布した後、前記封着材組成物を加熱硬化させて気密容器を形成することを含んだ圧電振動デバイスの製造方法であって、
前記封着剤組成物は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーを含有しており、
前記封着材組成物におけるメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
前記メチルフェニルシリコーン樹脂におけるメチル基に対するフェニル基のモル比が0.1〜1.2であり、
前記メチルフェニルシリコーン樹脂における(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比が0.05〜0.55であり、
前記耐火物フィラーは、平均粒径0.1〜20μmの球状シリカであることを特徴とする圧電振動デバイスの製造方法を提供する。
本発明の圧電振動デバイスは、気密容器を構成する基体と、蓋体との接合部が、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と、耐熱性フィラーと、を含有する本発明の封着剤組成物(以下、単に「本発明の封着材組成物」という。)で封着されているため、従来の鉛系ガラス封着材(400℃〜550℃)を使用した場合に比べて、はるかに低い温度(130℃〜250℃)で封着されている。これにより、圧電振動子と、電極との接合に使用される導電性接着剤からのガス発生のおそれがなく、気密容器内の真空が損なわれることがない。
以下、本明細書において、気密容器を構成する基体と、蓋体との接合部の封着を、「気密容器の封止」と記載する場合もある。
本発明の圧電振動デバイスは、気密容器が本発明の封着材組成物で封止されているため、封着部の接着強度に優れており、かつ該封着部の気密性に優れており、従来の鉛系ガラスフリットで封着した場合と比較しても遜色がない。
また、本発明の圧電振動デバイスは、封着部の湿気透過性が低いため、長期の信頼性にも優れている。
本発明の圧電振動デバイスは、室温での誘電率が3〜5と低い本発明の封着材組成物を用いて気密容器が封止されているため、気密容器の静電容量が低く抑えられ、その結果、電気的なノイズが発生することなく圧電振動子を正常、かつ安定に作動させることが可能となる。この特性は、電磁波を透過し難い金属材料で蓋体が作成された圧電振動デバイスにおいて、特に好ましい。
さらに、本発明の圧電振動デバイスは、室温での体積抵抗率がlogρ=11〜19と高く、したがって、電気絶縁性に優れた本発明の封着材組成物を用いて、気密容器が封止されているため、配線導体間の絶縁抵抗値が低下してしまうことがなく、圧電振動子を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能となる。この特性は、気密容器の薄型化を図る目的で、絶縁材料製の基体を単板化し配線導体層を基体上面に配し、この配線導体層が蓋体と基体との接合部をまたがる構造とした圧電振動デバイスにおいて、特に好ましい。
さらに、有害性を指摘されている鉛を含まない封着用組成物を用いて、気密容器が封止されているため、対環境性に優れている。
本発明の圧電振動デバイスの製造方法は、本発明の封着材組成物を用いて、気密容器を封止するため、従来の鉛系ガラス封着材で封着するのに比べて、封着温度が大幅に低温化されている。これにより、消費エネルギーや作業時間が減り、省エネやコスト低減となる。
以下、図面を用いて本発明をさらに説明する。図1は、本発明の圧電振動デバイスの1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1の圧電振動デバイスの平面図である。図3は、図2の圧電振動デバイスをA−A線に沿って切断した断面図である。
図示した圧電振動デバイス1は、基体2と、蓋体3と、で構成される気密容器10を有している。基体2は、上面に凹部21が設けられており、該凹部21に圧電振動子4が収容される。
矩形をした基体2の凹部21の、短辺側の一端には、1対の電極5,5が所定の間隔を開けて設けられている。この電極5,5は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。各電極5,5上には、導電性接着剤6,6が塗布されている。導電性接着剤6,6上に、圧電振動子4の基部41が載置されて、導電性接着剤6,6を押圧・硬化等されることにより、圧電振動子4と、電極5とが接合されている。
圧電振動子4は、音叉に類似した形状をした、いわゆる、音叉型圧電振動子である。すなわち、圧電振動子4は、導電性接着剤6,6により電極5,5に接合される基部41と、該基部41から、基体2の長辺方向に沿って平行に延びる一対の振動腕42,42と、で構成されている。振動腕42,42の先端部は、自由端となっている。
このような構成をした圧電振動デバイス1において、外部から電極5,5に駆動電圧を印加すると、導電性接着剤6,6を介して圧電振動子4に電圧をかかり、圧電振動子4の振動腕42,42が所定の周波数で振動する。このため、圧電振動子4の基端部41の導電性接着剤6,6と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極(図示せず)が形成されている。
ここで、圧電振動子4は空気抵抗を受けると、振動性能に悪影響があるため、気密容器10内は真空に保たれている。本発明の圧電振動デバイス1は、気密容器10を構成する基体2と、蓋体3との接合部が、以下に述べる特定の封着材組成物(以下、「本発明の封着材組成物」という。)を用いて気密に封着されていることを特徴とする。より具体的には、本発明の封着材組成物から得られた硬化物または後述する封着材組成物の成形体から得られた硬化物により気密に封着されている。
本発明の封着材組成物は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と、耐火物フィラーと、を含有する。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂のシラノール基は、耐火物フィラー表面と親和性があるため、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーとの混合を均一かつ自在に制御できる。その結果、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの両者の特性を十分発現できる半硬化物が得られ、該半硬化物である封着材は、圧電振動デバイスの気密容器を構成する材料として広く使用されるセラミックス部材・金属部材間、およびセラミックス部材・ガラス間の封着用として好適である。すなわち、これらの部材同士を低温で接着することができ、接着強度が強く、接着加工性に優れ、かつ長期にわたって機械的耐熱性が高く、耐ガスリーク性がよく、気密保持性が高い、耐熱寸法安定性がよいなど、多数の特性を合わせもつ。
一般に硬化性のシリコーン樹脂は、耐熱性、耐候性、耐湿性、電気特性などが優れるので、電気、電子、精密機器などの材料として多用され、シリカのような補強用フィラーを配合し、強度向上を図ることも知られている。また、例えば、エポキシ樹脂で変成した硬化性シリコーン樹脂が、強度、耐熱性、耐湿性、離型性に優れており、さらにこれにシリカ等のフィラーを配合し、流動性、成形品の機械的強度を向上させた組成物が知られている(特開平7−316398号公報参照)。硬化性のシリコーン系樹脂またはその変成樹脂は比較的弾性率が小さく、封着するガラス部材に懸かる応力を小さくすることができ、熱膨張係数の違いによる歪を小さくすることができる。
一般に硬化性のシリコーン樹脂は、2官能ケイ素モノマー(R2Si−X2)と3官能ケイ素モノマー(RSi−X3)から製造され、場合により1官能ケイ素モノマー(R3Si−X)や4官能ケイ素モノマー(Si−X4)が併用されることがある。ここで、Rは結合末端が炭素原子である有機基を示す。なお、本発明の硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂においては、Rは炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素であることが好ましく、メチル基、エチル基またはフェニル基であることがより好ましい。Xは、水酸基、またはアルコキシ基、塩素原子などの加水分解可能な基である。本発明の硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂においては、Xは水酸基であることが好ましい。硬化性シリコーン樹脂は、これらのモノマーを部分的に加水分解共縮合して得られる共重合体であり、Xが加水分解されて生成したシラノール基を有する。この硬化性シリコーン系樹脂は、そのシラノール基によりさらに縮合が可能であり(硬化可能であり)、硬化させることにより最終的に実質的にシラノール基を有しない硬化物となる。硬化物は2官能ケイ素単位(R2SiO)と3官能ケイ素単位(RSiO3/2)からなり、場合によって1官能ケイ素単位(R3SiO1/2)や4官能性のケイ素単位(SiO2)を有する。硬化性シリコーン樹脂における各ケイ素単位は、これら硬化物の各ケイ素単位とともに、Xが加水分解されて生成し、シリコーン樹脂の硬化性に寄与するシラノール基を含んだ各ケイ素単位をも意味する。例えば、シラノール基を有する2官能ケイ素単位は(R2Si(OH)−)で表され、シラノール基を有する3官能ケイ素単位は(RSi(OH)2−)や(RSi(OH)=)で表される。また、硬化性シリコーン樹脂における各ケイ素単位のモル比は原料である各ケイ素モノマーのモル比に等しいと考えられる。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、FT−IRから求めた、Si−O/Si−Rの値が11.0〜15.2であるのが好ましい。すなわち、Si−Oのピーク面積(1250〜950cm-1の範囲内に現れるピーク)(a)を、メチル基由来のピーク面積(1330〜1250cm-1の範囲内に現れるピーク)(b)と、該メチル基由来のピーク面積(b)およびH−NMRから求めたフェニル基のモル数/メチル基のモル数の値(c)の積と、の和で除した値である。
(a)/[(b)+(c)×(b)]=11.0〜15.2
一般的に硬化性のシリコーン樹脂のSiに結合するアルキル基が長鎖となるに従って耐熱性が低下する。またフェニル基に代表される芳香族炭化水素基は、機械的耐熱性は最も短いアルキル基であるメチル基と同等あるいはそれ以上であり、その質量比が増えるに従って樹脂の被膜が固くなる一方、熱可塑性を帯びてくる。したがって、樹脂中のRの全数に対するフェニル基の数の比により、該樹脂の耐熱性、曲げ性等の機械的強度を調整することができる。本発明の封着材組成物における硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂としては、H−NMRから求めたフェニル基モル数/メチル基モル数の値が0.1〜1.2である、より好ましくは、0.3〜0.9である。別の言い方をすると、樹脂中のRの全数に対するフェニル基の数の比が0.1〜0.5である、より好ましくは0.2〜0.5であるメチルフェニルシリコーン樹脂が好適である。また、FT−IRから求めたフェニル基由来のピーク高さ(3074cm-1)/メチル基由来のピーク高さ(2996cm-1)が0.1〜1.2のメチルフェニルシリコーン樹脂も好ましい。
本発明の封着剤組成物において、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比(単に、2官能ケイ素単位のモル比ともいう)が0.05〜0.55である。ここで硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂とは、上記有機基Rとしてメチル基とフェニル基の両者を含む硬化性のシリコーン樹脂である。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、例えば、ジクロロジメチルシランとトリクロロフェニルシランとを加水分解共縮合させる方法、ジクロロジフェニルシランとトリクロロメチルシランとを加水分解共縮合させる方法などによって製造される。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の2官能ケイ素単位のモル比は、0.2〜0.4であることがより好ましい。また、この硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は実質的に2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位のみからなるものが好ましい。このような硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、250℃以上の高温に長時間保持しても、容易に分解、変色することがなく、耐熱性にも優れる。
なお、上記した2官能ケイ素単位のモル比は、Si−NMRから求めたものである。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂には、ジメチルシリコーン樹脂などの硬化性のジアルキルシリコーン樹脂、エチルフェニルシリコーン樹脂などのメチルフェニルシリコーン樹脂以外の硬化性のアルキルフェニルシリコーン樹脂を少量配合して、物性調整することができる。しかし通常は硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂以外のこれら硬化性のシリコーン樹脂は使用しないことが好ましい。また、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などで変性して使用することもできる。しかし変性する樹脂の量は少ないものが好ましく、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂としては実質的に変性されていない硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、通常溶剤に溶解した溶液(ワニス)で輸送、保管などの取り扱いを受ける。本発明の封着材組成物は、このワニスを用い、これと耐火物フィラーとを混合して製造することができる。このようにして製造されたものは流動性を有するペースト状の封着材組成物となる。また、ワニスから、予め溶剤を除去した後、溶剤がない硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーとを混合することで固体状の封着材組成物とすることもできる。さらに、ワニスと耐火物フィラーとを混合した後、溶剤を除去して固体状の封着材組成物とすることもできる。さらにまた、固体状の封着材組成物に溶媒を混合することで、ペースト状の封着材組成物とすることもできる。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂のワニス化に用いる溶剤は特に限定されるものではなく、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を溶解する溶剤であればいずれでもよく、例えば、芳香族炭化水素系溶媒であるキシレン、トルエン、ベンゼン、沸点100℃以下の溶媒であるメチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、1−プロパノール、2−プロパノール、アリルアルコールなどを用いることができる。後述するように、封着材組成物を溶媒に溶解させたペースト状の状態で使用する場合には、封着材組成物を塗布した後、加熱して溶媒を揮発させて除去することが容易であることから後者がより好ましい。ワニスにおける溶剤の使用量は5〜50質量%であるのが好ましい。5質量%未満では硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の溶解作用が不充分で耐火物フィラーと均質に混合することが困難となりやすい。50質量%を超えると耐火物フィラーと混合した場合、溶剤が耐火物フィラーと相分離を起こしやすく、また耐火物フィラーを混合した後、溶剤を除去する場合に、多大なエネルギーを要する。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂は、封着材組成物中で部分的に重合させたメチルフェニルシリコーン樹脂(単に、部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂ともいう)として存在させることができる。部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂は、原料の硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の脱水縮合反応がある程度進行しているので、原料のメチルフェニルシリコーン樹脂に比較して、被封着物を封着する時の水分の発生が少なく、したがって部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂を含む封着材組成物は、被封着物を封着して硬化する際に、原料のメチルフェニルシリコーン樹脂に比較して気泡発生のおそれがより少なくなり、気密性を向上させることができる。また、部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂は、原料のメチルフェニルシリコーン樹脂に比較して高粘度液体ないし溶融粘度の高い固体であり、本発明の封着材組成物を成形体とする場合に適した性質を有する。例えば、被封着物の所定部位に配置した封着材組成物の成形体を、被封着物を封着して硬化させる際に、メチルフェニルシリコーン樹脂が流動して所定部位からはみ出すおそれが少なくなる。
なお、部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂は、その原料である硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の硬化が部分的に進んだ状態にある硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂である。本発明における硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂とは、部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂の原料である硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を意味するとともに、この部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂をも意味する。以下、本発明の封着材組成物の製造段階で、特に硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合を行ったものを部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂という。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合は、通常、原料のメチルフェニルシリコーン樹脂の加熱による硬化反応が完全に終了しない程度で停止することにより行われる。例えば、通常の硬化反応の場合よりも低温で加熱する、通常の硬化に必要な時間よりも短時間加熱する、などの方法で原料のメチルフェニルシリコーン樹脂を部分的に硬化して得られる。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合を行うには、例えば120℃〜180℃の温度で重合を行い、メチルフェニルシリコーン樹脂の粘度を目安に、硬化反応が完全に進行しない程度で反応を停止する。例えば、温度180℃で重合を実施する場合、メチルフェニルシリコーン樹脂の粘度が5000cP〜60,000cPになった時点で加熱を終了すればよい。原料のメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合は、耐火物フィラーの存在する組成物中で、またはその組成物製造の過程で行うことができる。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の脱水縮合による硬化は、通常加熱のみで進行し、該樹脂のシラノール基同士の脱水縮合反応と、該樹脂のシラノール基と耐火物フィラー表面のシラノール基の脱水縮合反応により溶剤に不溶の硬化物が形成される。例えば、被封着物に塗布された封着材組成物は、140℃以上、好ましくは180℃から300℃の温度で1〜120分間加熱するのみで該樹脂が硬化し、不溶化して、封着材となる。通常、封着材組成物に溶剤が含まれている場合は、加熱の初期に揮発除去され、有機物などの非耐熱性物質が存在する場合は、硬化の際に揮発除去または分解除去される。但し、安定した硬化を行うためには、溶剤の揮発除去は、封着材組成物を硬化させる前に、より低い温度で実施することが好ましい。このような溶剤の揮発除去は、溶媒の種類にもよるが、たとえば100〜140℃の温度で30〜60分実施する。
硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の硬化温度を下げるために硬化触媒を用いてもよく、触媒として亜鉛、コバルト、錫、鉄、ジルコニウムなどの有機金属塩や、第4級アンモニウム塩、アルミニウム、チタンなどのキレート類、各種のアミン類もしくはその塩類などが例示される。
封着材組成物に含有される耐火物フィラーは、耐熱性の無機質粉末であり、具体的には、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコン、コーディエライト、β−ユークリプタイト、β−スポジュメン、β−石英固溶体、フォルステライト、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムなどである。もちろん、これらを併用することもできる。
耐火物フィラーの平均粒径は0.1〜130μmが好ましく、0.1〜90μmがよりに好ましく、0.1〜20μmがさらに好ましく、0.1〜10μmが特に好ましい。平均粒径が前記上限を超えると、メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化後に、耐火物フィラーとシリコーン樹脂との界面にクラックが発生し、封着構造体の内部空間へガスがリークして、真空ないし所望の減圧が維持できなくなるおそれがある。平均粒径が前記下限未満であると、粉末の凝集が生じ、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂中に均質に分散されない。また、増粘が生じるため、耐火物フィラーの配合量が制限されるという問題を有する。
耐火物フィラーは、シリカ、特に球状シリカであるのが好ましい。球状シリカの平均粒径は0.1〜130μmであるのが好ましく、0.1〜90μmであるのがより好ましく、0.1〜20μmであるのがさらに好ましく、0.1〜10μmであるのがさらに好ましい。球状シリカの平均粒径が0.1〜20μmであると、塗布作業性の良好な封着材組成物が得られる。平均粒径が前記範囲未満の場合、粒子同士が凝集して分散性が下がり、均一な組成物が得られず、前記範囲を超えると粒子の沈殿が生じるため分散性が劣るようになり、やはり均一な組成物が得られない。また、増粘が生じるため、耐火物フィラーの配合量が制限されるという問題を有する。
本発明の封着材組成物における耐火物フィラーの配合量は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計量に対して10〜80質量%である。10質量%未満の場合には、充分な耐熱性が発現することができない。80質量%を超える場合は、メチルフェニルメチルフェニルシリコーン樹脂との分散性、親和性が悪くなり、結果として封着材(硬化物)にクラックが発生し、封着構造体の内部空間へガスがリークして真空ないし所望の減圧が維持できなくなる。また、封着部位への接着強度の低下が起こる。好ましい耐火物フィラーの量は30〜70質量%である。
平均粒径が0.1〜20μmの球状シリカを含有する場合の封着材組成物における該球状シリカの配合量は、硬化性のメチルフェニルシリコーン系樹脂および耐火物フィラーの合計に対して10〜80質量%であり、30〜70質量%であるのが好ましい。この範囲未満であると耐熱性、耐光性が劣るようになり、この範囲を超えると封着材にクラックが発生して気密容器内へガスがリークして、真空ないし所望の減圧が維持できなくなる。また、封着部位の接着強度の低下が生じる。
本発明の封着材組成物は、上記平均粒径が130μm以下の耐火物フィラー以外に、より粒径が大きく(130μm超)かつ粒径分布が狭い球状粒子をスペーサ材として少量配合することもできる。このような粒径が大きい耐火物フィラーを使用する場合、粒径が300〜500μmの球状シリカやチタン酸バリウムガラスなどが好ましい。その配合量は硬化性のメチルフェニルシリコーン系樹脂および耐火物フィラーの合計に対して0.1〜15質量%(ただし、全耐火物フィラーに対して50質量%以下)が好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
本発明の封着材組成物には、硬化性のメチルフェニルシリコーン系樹脂と耐火物フィラー以外の他の成分を含有させてもよい。このような他の成分としては、例えば、前記溶剤などの最終的に封着材として機能する成分以外の成分、または、封着材に残る成分、例えば、封着材着色顔料である。これら成分の封着材組成物中の含有量は、特に限定されないが、本発明の封着材組成物やそれから得られる封着材組成物の成形体の特性を阻害しない量である。前者の成分は、溶剤を除いて、封着材組成物に対して20質量%以下が好ましい。溶剤の量は、封着材組成物を、液状で使用する、固体状で使用する、などの使用法、その他に応じて任意であるが、通常は封着材組成物に対して50質量%以下が好ましい。
具体的な他の成分およびその好適量(ただし、溶剤を除く封着材組成物に対する量)としては、例えば、以下のものがある。前記メチルフェニルシリコーン樹脂の硬化促進のためのアミン系硬化剤などを5質量%以下、封着材の機械的耐熱性をさらに高める目的や着色の目的で顔料などを15質量%以下、封着材組成物のポットライフ向上、耐火物フィラーやメチルフェニルシリコーン樹脂の分散性、および封着性向上などの目的で、松やに、ロジン、ロジン誘導体などの粘着性付与剤を5質量%以下配合することができる。
本発明の封着材組成物は、前記硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーとを混合して均一な組成物とすることにより得られる。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の溶液(ワニス)を使用し、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂と溶剤と耐火物フィラーとを含んだペースト状の組成物として使用することもできる。また、ワニスと耐火物フィラーとを加熱、撹拌下で混合した後、溶剤を揮発させて除去し、実質的に溶剤を含まない固体状の組成物とすることもできる。固体状の組成物とする場合、溶剤を揮発させて除去する温度は、使用する溶媒の種類にもよるが、100〜180℃であり、好ましくは100〜140℃である。本発明の封着材組成物は、取扱性に優れることから、溶媒を含んだ、好ましくは溶媒を10〜30質量%含んだ、ペースト状の状態で使用することが好ましい。固体の状態で使用する場合、その形状は特に限定されず、シート状、ワイヤー状、スティック状などの形状に成形されていてもよい。
上記封着材組成物を製造する際に硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を部分的に重合して部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂とすることができる。硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合は、耐火物フィラーを混合する前に行ってもよく、耐火物フィラーを混合した後に行ってもよい。またワニスを使用する場合は、溶剤が存在する状態で行ってもよく、溶剤を除去した後に行ってもよい。通常は、上記のようにワニスと耐火物フィラーとを加熱、撹拌下に混合してその状態で溶剤を除去し、引き続きその状態でさらに温度を上昇させてメチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合を行うことが好ましい。メチルフェニルシリコーン樹脂の部分的な重合は、硬化反応が完全に進行する前に反応を停止させるため、メチルフェニルシリコーン樹脂を含有する組成物の粘度を目安にしながら120〜180℃の温度で実施する。180℃で部分的な重合を実施する場合、例えば、組成物の粘度が5000cP〜60,000cPになった時点で加熱を終了すればよい。なお、硬化反応の比較的遅く、粘度を目安とした反応の停止が容易であることから、部分的な重合は120〜140℃の温度で実施することが好ましい。
部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂を含む本発明の封着材組成物は、シート状、ワイヤー状、スティック状などの形状に成形された成形体として使用してもよい。例えば、上記のように加熱して部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂とした封着材組成物は、粘土状の組成物となり、加熱状態のこの粘土状組成物を鋳型に鋳込んで成形することができる。具体的には、フッ素樹脂などで作製した鋳型を用いて、シート状、ワイヤー状、スティック状などの所望の様々な形状の成形体に成形することができる。得られたシート状、ワイヤー状、スティック状などの形状をした封着材組成物の成形体は、その形状のまま前面基板と間隔保持部材との接合部分、および背面基板と間隔保持部材との接合部分の封着に適用できる。
一方、部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂を含む本発明の封着材組成物は、上記した好適な溶媒に溶解されたペースト状の状態で使用してもよく、取扱性に優れることからむしろ好ましい。ペースト状の状態で使用する場合、溶媒の配合量は上記した通りである。
なお、いずれの場合であっても、接合部分における本発明の封着材組成物の層厚は、300μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下である。
図示した圧電振動デバイス1の他の構成要素については、公知のものから広く選択することができる。
基体2は、絶縁材料製であって、内部に圧電振動デバイス4を収容するための凹部21を有するものであればよく、図示した形態に限定されない。したがって、基体2の形状、特に凹部21の形状は、収容する圧電振動子4の形状により適宜選択することができる。 また、凹部21の深さは、図示したように一定である必要はなく、例えば、圧電振動子4の振動腕42,42に対応する部分がより深くなっていてもよい。このような構成であれば、圧電振動デバイス1に外部から衝撃が加わった場合に、圧電振動子4の振動腕42が、通常よりも大きく振動した場合であっても、振動腕42の先端部が凹部21の底面と当接することが防止される。
基体2は、凹部21に電極5,5が形成されるため電気絶縁材料で作成されることが必要である。基体2に使用可能な電気絶縁材料としては、酸化アルミニウム質焼結体やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化珪素質焼結体・炭化珪素質焼結体等のセラミックスを使用することができる。例えば、基体2が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状に成形してセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作することができる。
一方、蓋体3は、平板形状の板材から成り、圧電振動デバイス1に要求される特性を満足する限り、電気絶縁材料でなくてもよい。蓋体3に使用可能な材料としては、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体等の電気絶縁性のセラミックスや、鉄−ニッケル−コバルト合金(コバール)、鉄−ニッケル合金、ステンレス鋼等の金属材料、またはガラスが挙げられる。蓋体3が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウムや窒化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末を所定のプレス金型内に充填するとともに一定圧力でプレスして成形し、しかる後、この成形品を約1500℃の温度で焼成することによって製作される。蓋体3が、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−コバルト合金、ステンレス鋼等の金属材料からなる場合に、これら合金のインゴットを従来周知の圧延加工法および打ち抜き加工法を採用して所定の形状に成形することで製作される。
圧電振動子4は、一般には水晶で形成されているが、水晶以外にもタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。また、形状も音叉型圧電振動子に限定されず、例えば、圧電材料としての水晶を薄い矩形状にカットしたATカット振動子を用いてもよい。
電極5は、Au、Niのような良導電性の金属材料を所望の部位にメッキすることで形成することができる。電極5は、タングステン・モリブデン・マンガン等の高融点金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒、可塑剤等を添加混合して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して、基体2となるセラミックグリーンシートにあらかじめ印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、所定パターンの電極を被着形成してもよい。
ここで、導電性接着剤6は、例えばエポキシ樹脂系の接着剤やシリコーン樹脂系の接着剤やポリイミド系の接着剤やウレタン系の接着剤などの中に、絶縁性皮膜で包まれたAg(銀)などの導電性微粒子を含有させたものである。この導電性接着剤を押圧することで、絶縁性皮膜が破れて各導電性微粒子が接触し、導電可能な接着剤となる。
上記したように、基体2および蓋体3を作製し、基体2の凹部21に電極5,5を形成し、該電極5,5上に導電性接着剤6,6を塗布し、該導電性接着剤6,6を用いて圧電振動子4の基部41と、電極5,5とを接合させた後、基体2と蓋体3との接合部を本発明の封着材組成物7を用いて接合する。以下、基体2と蓋体3とを接合する手順について説明する。
図4は、図3と同様の図であり、基体2と、蓋体3とを接合させる前の状態を示している。図4に示すように、基体2の蓋体3との接合部、すなわち基体2の周縁部22に沿って、本発明の封着材組成物7を配置する。ここで、溶媒を含んだペースト状の封着材組成物(部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂を含んだ組成物も含む)である場合、刷毛、スプレー、ディスペンサーなどで被封着物に塗布することができる。一方、シート状等の封着材組成物の成形体(部分重合メチルフェニルシリコーン樹脂を含んだ成形体も含む)を使用する場合、その形状のまま180〜200℃に加熱された基体2の周縁部22上に該成形体を配置する。本発明の封着材組成物の配置は、他の方法を用いて実施してもよく、例えばスプレー方式、スクリーン印刷方式、スピンコート方式等により実施してもよい。
なお、本発明の封着材組成物7は蓋体3側、すなわち蓋体3の周縁部に配置してもよい。この場合、ディスペンサーなどでペースト状の封着材組成物を蓋体3の周縁部に沿って塗布したのでもよく、または蓋体3を180〜200℃に加熱した状態で、封着材組成物の成形体を蓋体3の周縁部に沿って配置したのでもよい。
次に、溶媒を含んだペースト状の封着材組成物を使用する場合は、封着材組成物7の塗布後、120℃で1〜60分加熱して溶媒を揮発させて除去する。その後、ペースト状の封着材組成物または封着材組成物の成形体のどちらの場合も、180〜200℃で数分間乾燥させてから、180〜200℃に加熱した状態で、基体2の凹部21を覆うように、蓋体3を基体2上に載置する。この状態では、蓋体3は、本発明の封着材組成物7を介して基体2の周縁部22と接している。
続いて、所定の温度条件、例えば140℃以上、好ましくは180℃から300℃の温度で1〜120分間加熱して、封着材組成物を加熱硬化させる。この際、必要に応じて蓋体3の上方から加圧する。
従来のフリットガラスを用いた封着では、フリットガラスの軟化温度以上の温度である400〜550℃まで加熱する必要があったのに対して、本発明の封着用組成物を用いることにより、封着温度が大幅に低温化されている。したがって、封着時において、導電性接着剤6からガスが発生することがなく、気密容器10内部の真空性が損なわれるおそれがない。
図5は、封着材組成物を加熱硬化させた後の圧電振動デバイスの断面図であり、圧電振動デバイス1の蓋体3には、気密容器10内を真空排気するため、例えばφ0.1〜0.4mmの孔31が設けられている。この孔31に真空ポンプを接続して気密容器10の内部を真空排気する。そして、気密容器内10が所望の真空度(例えば、1.3×10-2Pa程度となった時点で、図6に示すように、封着材8を用いて孔31を気密に封止する。ここで使用する封着材8は特に限定されず、蓋体3を構成する材料に応じて適宜選択することができる。蓋体3がセラミックス材料製または金属材料製である場合、Au/Su、銀ロウ、Au/Geのような鉛を含まない金属材料を用いて溶融封止する。一方、蓋体3がガラス製の場合、従来の鉛系ガラスフリットでもよい。但し、封止を低温で行うことができ、また鉛を含まず対環境性に優れていることから、本発明の封着材組成物を使用することが好ましい。
但し、気密容器10の内部を真空排気する手段は、上記の形態に限定されず、基体2と蓋体3との接合部の封着を、真空チャンバ内で行うことにより、内部が所望の真空度となった気密容器10を形成してもよい。
また、真空排気用の孔は、基体2側に形成されていてもよい。
[封着材組成物の特性評価]
本実施例では、まず本発明の封着材組成物を作製し、その特性評価を実施した。
(例1)
撹拌機付き容器に、表1に示す特性[2官能ケイ素単位のモル比(=2官能ケイ素単位/(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計))、フェニル基のモル数/メチル基のモル数、を有する硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を含むワニス40質量部(溶剤を除く質量)、平均粒径1μmの球状シリカ60質量部を入れて、120〜140℃で加熱し攪拌して、溶剤を除去した。次いで、150〜180℃まで段階的に加熱して、180℃における組成物の粘度が20,000cpになるまで硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂を部分的に重合させた。粘度の測定には、B型粘度計を用いた。
次に、得られた固体状の封着剤組成物と、溶媒(酢酸エチル)とを表1の比率に従って混合してペースト状の封着剤組成物を得た。
表1中、2官能ケイ素単位のモル比は、Si−NMRおよびFT−IRによって測定した。フェニル基のモル比は、H−NMRおよびFT−IRによって測定した。
得られた封着材組成物について以下に示す評価を実施した。結果を表1に示す。
塗布性評価
得られたペースト状の封着材組成物を、ディスペンサーを用いて気密容器の構成材料として一般に使用されるセラミックス材料(酸化アルミニウム焼結体)、金属材料(コバール、ステンレス鋼)、ガラス材料(ソーダライムガラス)製の基板上に塗布した際の塗布性を以下の評価基準に基づき評価した。なお、後述する例2のように封着材組成物が成形体である場合、180℃に加熱した基板上に成形体を載置した際に、成形体が流動化して均一に広がったか否かで判断した。
○ :封着材組成物の流動性がよく、均一に塗布することができた
× :封着材組成物の流動性が劣り、均一に塗布することができなかった。
硬化性評価
ペースト状の封着材組成物をディスペンサーを用いてアルミカップに厚さ100μm〜200μmになるように塗布し、120℃で1時間加熱して溶媒を揮発させて除去した後、200℃で5分間乾燥させてから、200℃で1時間、250℃で1時間加熱して封着材組成物を加熱硬化させて試験サンプルを得た。該サンプルを300℃まで加熱した際の質量減少を示差熱天秤(TG−DTA、マック・サイエンス社製)を用いて測定した。測定は、乾燥空気中で実施し、昇温速度10℃/minであった。硬化性評価の評価基準は以下の通りである。
○ :300℃まで加熱した際の質量減少が1%以下。
× :300℃まで加熱した際の質量減少が1%超。
なお、後述する例2のように、封着材組成物が成形体である場合、180℃に加熱したアルミカップ上に封着材組成物を厚さ100μm〜200μmになるように塗布し、180℃で10分間乾燥させてから、200℃で1時間、250℃で1時間加熱硬化させて試験サンプルを得た。
リーク性評価
リーク性評価は、以下の手順で実施した図7は、リーク性評価に使用した試験サンプルの構成部品を示した図である。(a)は平板状の蓋体200(100×100×0.8mm)であり、中央に直径5mmの孔201を有する。(b)は基体100(100×100×1.6mm)であり、内部に凹部101(70×70×0.8(深さ)mm)を有している。試験サンプルの材料としては、蓋体200には、塗布性評価と同じくセラミックス材料(酸化アルミニウム焼結体)、金属材料(コバール、ステンレス鋼)、ガラス材料(ソーダライムガラス)を使用し、基体100にはセラミックス材料(酸化アルミニウム焼結体)を使用した。
基体100の周縁部102(幅15mm)に沿ってペースト状の封着材組成物を、ディスペンサーを用いて塗布した。120℃で1時間加熱して溶媒を揮発させて除去した後、さらに180℃で10分乾燥させた。
次に、180℃に加熱した状態で、図8に示すように、基体100上に蓋体200を載置し、蓋体200を上方から加圧しながら、200℃で1時間、250℃で1時間加熱硬化して、リーク性評価用の試験サンプルを作製した。その後、リークの有無を測定した。
後述する例2のように、封着材組成物が成形体である場合、基体100を180℃に加熱した状態で、その周縁部102に沿って封着材組成物を載置し、180℃で5分間乾燥させた。次に、180℃に加熱した状態で、図8に示すように、基体100上に蓋体20を載置し、蓋体200を上方から加圧しながら200℃で1時間、250℃で1時間加熱硬化させて試験サンプルを得た。
なお、封着材組成物7の厚さは100μmであった。
リークの有無の測定は、ULVACヘリウムリークディテクターHELIOTを用いたフード法により行った。最初にバックグラウンド値が1〜9×10-11Pa・m3/gになるまで試験片内を排気した後、フード内にヘリウムガスを導入し、10分間ヘリウムガスのリーク速度を測定し、ヘリウムガスのリーク速度の最大値を記録してリークの有無を確認した。以上の評価結果を表1に示した。
接着性評価
図9に示す形状の板状の試験サンプル300、301の端部(10mm×3mm)を、封着材組成物を用いて張り合わせて、接着性評価用のサンプルを作成した。試験サンプルの材料には、塗布性評価と同じくセラミックス材料(酸化アルミニウム焼結体)、金属材料(コバール、ステンレス鋼)、ガラス材料(ソーダライムガラス)を使用した。なお、試験サンプル300、301のサイズはそれぞれ以下の通りであった。
セラミックス材料:10mm×100mm×0.6mm
金属材料:10mm×100mm×0.5mm
ガラス材料:10mm×100×6mm
また、ペースト状封着材組成物の塗布、乾燥および加熱硬化、および成形体の封着材組成物の載置、乾燥および加熱硬化は、リーク性評価のところに記載したのと同様の手順で実施した。接着性の評価では、テンシロン(オリエンテック社製)を用いて、JIS K6850と同様の手順で引っ張り試験を行い封着部の接着強度を測定した。引っ張り速度は5mm/minで行った。
誘電率評価
図10は、誘電率測定に使用した試験サンプルを示した図であり、図10(a)は試験サンプルの平面図であり、(b)は側部断面図である。図10に示すように、表面にGND電極としてAgを焼付したガラス基板400の中心に、ペースト状の封着材組成物7を50×50mm、厚さ150μmになるように塗布し、リーク性評価と同様の手順で加熱硬化させた。その上に、Alを蒸着して主電極500(φ38mm)およびガード電極501を形成した。得られた試験サンプルを用いて、以下の条件で誘電率を測定した。なお、後述する例2のように、封着材組成物が成形体である場合、ガラス基板400を180℃に加熱した状態で、50mm×50mm×150μmの寸法に成形した成形体を載置し、リーク性評価に記載したのと同様に、封着材組成物を加熱硬化させた。
[測定装置]
インピーダンスアナライザ:HP4192A、Agilent Technologies社製
アタッチメント:HP16451B、Agilent Technologies社製
[測定条件]
温度:室温
印加電圧:1V
周波数:1MHz
結果を表1に示した。
絶縁性評価
図10と同様の試験サンプルを作成し、主電極500、GND電極400、ガード電極501上にAg電極を形成した。ここで主電極500上に形成したAg電極は電流用電極であり、GND電極400上に形成したAg電極は電圧用電極である。Ag電極の形成は、冷温条件でAgペーストを所望の部位に固定した後、ホットプレートで100〜120℃で1時間加熱して、溶媒を揮発させて除去した。冷却後、導電テープをAg電極に固定して、以下の条件で体積抵抗率(logρ)を測定した。
[測定装置]
体積抵抗率測定装置:SR−6517型、KEITHLEY社製
[測定条件]
温度:25℃
印加電圧:50V、100V
結果を表1に示した。
(例2)例1の手順で封着材組成物を部分的に重合させた後、フッ素樹脂製鋳型に鋳込んで所望の形状に成形し、封着材組成物の成形体として、例1と同様に評価を実施した。結果を表1に示した。
(例3)表1に示すように、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂15質量部と、粒径3μmの球状シリカ85質量部と、を配合したこと以外は例2と同様に実施した。結果を表1に示した。
この組成物はフィラー含有量85質量部と多いため流動性に劣り、塗布性に劣っていた。また封着部の接着強度が弱く、リーク性評価および接着性評価を行う前に剥がれてしまい、これらの評価を実施することができなかった。なお、例3では、誘電率測定、体積抵抗率測定は実施しなかった。
(例4)硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂として、3官能ケイ素モノマーのみから作成したものを使用したこと以外は、例3と同様に実施した。結果を表1に示した。
この組成物は封着部の接着強度が弱く、リーク性評価および接着性評価を行う前に剥がれてしまい、これらの評価を実施することができなかった。なお、例4では、誘電率測定、体積抵抗率測定は実施しなかった。
(例5)
例5では、本発明の封着剤組成物の代わりに、従来の鉛系ガラスフリット(例5:DT430、旭テクノグラス社製)を使用して、例1と同様にリーク性評価、誘電率測定および体積抵抗率を実施した。結果を表1に示した。
その結果、誘電率が35と非常に大きかった。また、体積抵抗率は9.6と低く、絶縁性に劣っていることが確認された。
Figure 2005260466
Figure 2005260466
(実施例1)
本実施例では、例1で得られた封着材組成物を使用して、図1に示す圧電振動デバイスを作製した。
圧電振動デバイス1の各構成要素の仕様は以下の通りであった。
基体2:酸化アルミニウム焼結体製、5.0mm×3.2mm×0.7mm、周縁部の幅0.5mm、凹部の深さ0.5mm
蓋体3:酸化アルミニウム焼結体製、4.8mm×3.0mm×0.2mm、中央部にφ0.2mmの孔を有する。
電極5:Niをメッキして形成した。
導電性接着剤6:エポキシ樹脂系の接着剤に導電性微粒子としてAgを含有させたもの。
圧電振動子4:水晶製、音叉型
図4に示すように、基体2上に各構成要素を形成した後、例1で得られた封着材組成物を基体2の周縁部22に沿って塗布し、120℃で1時間加熱して溶媒を揮発させて除去した後、さらに180℃で10分乾燥させた。次に、180℃に加熱した状態で、図5に示すように、基体20上に蓋体30を載置し、蓋体30を上方から加圧しながら、200℃で1時間、250℃で1時間加熱硬化させて、基体20と蓋体30とを気密に接合させた。
次に、蓋体30に設けられた孔31から真空排気して、内部の真空度を1.3×10-2Paとしてから、図6に示すように、孔31を本発明の封着材組成物8を用いて封止して、図1に示す圧電振動デバイス1を作製した。
(実施例2)
蓋体3に金属材料(コバール)製の蓋体を使用した点以外は、実施例1と同様に実施し、図1に示す圧電振動デバイス1を作製した。
図1は、本発明の圧電振動デバイスの1実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1の圧電振動デバイスの平面図である。 図3は、図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 図4は、図3と同様の図であり、基体と蓋体とを接合させる前の状態を示している。 図5は、図3と同様の図であり、蓋体に真空排気用の孔が設けられている。 図6は、図5と同様の図であり、孔が封着材で封止された状態を示している。 図7は、リーク性評価に使用した試験サンプルの部品を示しており、(a)は蓋体を示し、(b)は基体を示す。 図8は、リーク性評価に使用した試験サンプルの部分断面図である。 図9は、接着性評価に使用した試験サンプルの側面図である。 図10(a),(b)は、誘電率測定および体積抵抗率測定に使用した試験サンプルを示しており、図10(a)は試験サンプルの平面図であり、(b)は側部断面図である。
符号の説明
1:圧電振動デバイス
2:基体
21:凹部
22:周縁部
3:蓋体
31:孔
4:圧電振動子
41:基部
42:振動腕
5:電極
6:導電性接着剤
7:本発明の封着材
8:封着材
10:気密容器
100:基体
101:凹部
102:周縁部
200:蓋体
201:孔
300、301:試験サンプル板
400:Ag焼付ガラス基板
500:主電極
501:ガード電極

Claims (4)

  1. 気密容器内に圧電振動子を収容した圧電振動デバイスであって、
    前記気密容器は、上面に圧電振動子を収容するための凹部を有する電気絶縁材料製の基体と、前記基体の上面と接合されて該凹部を覆う蓋体と、を有し、
    前記基体と、前記蓋体との接合部は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーを含有する封着剤組成物からなる封着材で封着されており、
    前記封着材組成物におけるメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
    前記メチルフェニルシリコーン樹脂は、メチル基に対するフェニル基のモル比が0.1〜1.2であることを特徴とする圧電振動デバイス。
  2. 前記メチルフェニルシリコーン樹脂は、(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比が0.05〜0.55であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
  3. 前記耐火物フィラーは、平均粒径0.1〜20μmの球状シリカである請求項1または2に記載の圧電振動デバイス。
  4. 基体と蓋との接合面に封着材組成物を塗布した後、前記封着材組成物を加熱硬化させて気密容器を形成することを含んだ圧電振動デバイスの製造方法であって、
    前記封着剤組成物は、硬化性のメチルフェニルシリコーン樹脂および耐火物フィラーを含有しており、
    前記封着材組成物におけるメチルフェニルシリコーン樹脂と耐火物フィラーの合計に対する耐火物フィラーの量が10〜80質量%であり、
    前記メチルフェニルシリコーン樹脂におけるメチル基に対するフェニル基のモル比が0.1〜1.2であり、
    前記メチルフェニルシリコーン樹脂における(2官能ケイ素単位と3官能ケイ素単位の合計)に対する2官能ケイ素単位のモル比が0.05〜0.55であり、
    前記耐火物フィラーは、平均粒径0.1〜20μmの球状シリカであることを特徴とする圧電振動デバイスの製造方法。
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EP3953963A4 (en) * 2019-04-08 2023-01-18 Kevin R. Williams CONDENSATION RESISTANT POWER SEMICONDUCTOR MODULE

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