JP2005259512A - 非水電解質二次電池用正極スラリーおよびそれを用いて作製した正極を備えた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極スラリーおよびそれを用いて作製した正極を備えた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】非水電解質二次電池に用いる正極ペーストを集電体に塗布する前に長期間放置しておくと、正極活物質としてのリチウム複合酸化物や導電助剤が再凝集し、均一に塗布ができなくなる。そこで、本発明の目的は、集電体としての金属箔に均一に塗工することができる非水電解質電池用正極スラリーを提供することにある。
【解決手段】非水電解質二次電池用正極スラリーが、リチウムを吸蔵・放出が可能なリチウム複合酸化物と、導電助剤と、結着剤と、N−メチル−2−ピロリドンと、非極性溶剤とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムを吸蔵・放出が可能なリチウム複合酸化物を正極活物質とする非水電解質二次電池用正極スラリーおよびこのスラリーを用いて作製した非水電解質二次電池に関する。
近年、ポータブル電子機器の小型軽量化は目覚しく、それに伴い電源となる電池に対しても小型軽量化の要望が非常に大きい。このような要求を満足するために種々の二次電池が開発され、現在、主にリチウムイオン電池やポリマー電解質二次電池などの非水電解質二次電池が実用化されている。
非水電解質二次電池の正極板の形成方法としては、正極活物質と結着剤である有機重合体とを混合し圧縮形成する方法、あるいは有機重合体の溶液に電極活物質を分散した後、集電体である金属箔上に塗工乾燥することにより電極を形成する方法などが知られている。最近では、後者の方法が主流となっている。
後者の方法の例としては、正極活物質としてのリチウムコバルト複合酸化物と導電助剤と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)との混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えて正極スラリーとする技術が特許文献1に開示され、また、正極活物質としてのスピネルマンガン複合酸化物と導電助剤としてのアセチレンブラクと結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)との混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えて正極スラリーとする技術が特許文献2に開示され、さらに、正極活物質としてLi0.55Co0.15Mn0.30を用いて同様の正極スラリーとする技術が特許文献3に開示されている。
このスラリーの分散性を維持するために、特許文献4では、コバルト酸リチウム(LiCoO)からなる正極活物質と、炭素粉末からなる導電助剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)からなる結着剤と、カルボン酸塩型両性界面活性剤とを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる溶媒に分散して正極スラリーを用いることにより、正極板内部への電解液の濡れ性を高め、非水電解質二次電池の高率放電特性および寿命サイクル数を高める技術が開示されている。
なお、負極活物質に炭素粒子を用い、この炭素粒子を第1の糊料と第2の糊料とで二重に被覆する場合に、第1の糊料を溶解する溶媒として、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの非極性溶剤を用いる技術が特許文献5で開示されているが、これは、正極スラリーに非極性溶剤を用いたものではない。
特開2003−077530号公報 特開2003−243032号公報 特開2003−142068号公報 特開2000−082471号公報 特開平09−293498号公報
量産工程において正極板を作製する場合、普通の方法は、正極活物質としてのリチウム複合酸化物と導電助剤と結着剤との混合物を、N−メチル−2−ピロリドンを用いて分散させてスラリーとし、このスラリーを金属箔からなる集電体に塗布する。
しかし、工程の都合によって、この分散させたペーストを、塗布する前に長期間放置しておく場合があり、この場合には、正極活物質としてのリチウム複合酸化物と導電助剤と結着剤との均一な混合性が失われて、界面張力の同じ粒子同士がお互いに再凝集してしまい、スラリー中にダマが発生し、均一に塗布ができなくなる。
ここで「ダマ」とは、粉体のかたまり、つまり、集塊やままこ(表面は濡れているが、内部は乾燥状態を保っている粉末の塊)が、スラリーの表面上で浮遊しているものを意味する。スラリー中にダマが発生した場合、実際に正極板を電池に組み立てた時に不良率が高くなり、コストが増大するというデメリットがあった。
また、界面活性剤などの分散剤を用いて作製された正極板を用いた非水電解質二次電池においては、正極スラリー中にこれらの分散剤が残存すると、非水電解液中に溶け出したこれらの不純物が、電池の電極反応を阻害するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、集電体としての金属箔に均一に塗工することができる非水電解質電池用正極スラリーを提供することにある。
請求項1の発明は、非水電解質二次電池用正極スラリーが、リチウムを吸蔵・放出が可能なリチウム複合酸化物と、導電助剤と、結着剤と、N−メチル−2−ピロリドンと、非極性溶剤とを含有することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、非水電解質二次電池において、上記の非水電解質二次電池用正極スラリーを用いて作製した正極を備えたことを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池用正極スラリーは、スラリー中に非極性溶剤を含むことにより、作製後長時間経過した後も、スラリーに含まれる正極活物質や導電助剤の粒子は再凝集せず、均一な分散状態を保持するため、集電体である金属箔表面に均一に塗布することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池用正極スラリーを用いて作製した正極板を用いて実際に非水電解質二次電池を組み立てた場合の不良率を低下させることができ、コスト削減に好適である。
本発明は、非水電解質二次電池用正極スラリーが、リチウムを吸蔵・放出が可能なリチウム複合酸化物と、導電助剤と、結着剤と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、非極性溶剤とを含有することを特徴とする。そして、非水電解質二次電池において、この非水電解質二次電池用正極スラリーを用いて作製した正極を備えたことを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池用正極スラリーは、スラリー中に非極性溶剤を含むことにより、NMPと非極性溶剤とが相溶することで、これらの分散媒の表面張力が変化するため、作製後長時間経過した後も、スラリーに含まれる正極活物質や導電助剤の粒子は再凝集せず、均一な分散状態を保持することができる。
本発明の正極スラリーにはNMPを用いるが、NMPは結着剤の相溶性に最も優れた溶剤であるためである。
本発明の正極スラリーに用いる非極性溶剤は、溶媒と固形分との親和性を向上させ、そして、正極スラリーを集電体に塗布した後、乾燥する工程において、これらの非極性溶剤は揮発して正極合剤層から除去されるために、この正極板を電池に用いた場合、非極性溶剤が非水電解質に溶け出して電池の電極反応を阻害することはない。
「溶剤ハンドブック(三訂版)、松岡、箱島、鎌刈編集、昭和49年11月、産業図書株式会社発行」によれば、溶剤は一般にその極性の大小によって極性溶剤と非極性溶剤に大別され、極性の大小は誘電率と双極子モーメントの大小によって区別される。
前記「溶剤ハンドブック」の8ページには、各種溶剤の誘電率と双極子モーメントが掲載されている。そこで、本発明の正極スラリーに用いる非極性溶剤としては、20℃の誘電率が4以下で、かつ、双極子モーメントが1×10−18c.s.u.以下である溶剤が適している。
その具体例としては、ノルマルヘキサン(n−ヘキサン)、ジオキサン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、二硫化炭素、トリクロルエチレンからなる群より1種類以上を選択するのが好ましい。また、これらの非極性溶剤を混合して使用することも可能である。
正極スラリーにおける非極性溶剤の添加量としては、正極スラリー中の固形分(正極活物質と導電助剤と結着剤との合計重量)100重量部に対して0.01重量部以上10重量部以下であるのが好ましい。その理由は、0.01重量部未満では粒子と溶剤との親和性が不十分であり、10重量部を超えるとスラリーの粘性の低下による塗布幅の乱れ、および非極性溶剤の揮発などにより塗布重量に誤差が生じるからである。非極性溶剤の添加量は、より好ましくは0.1〜5重量部の使用である。
本発明で用いる正極活物質としては、例えば、FeS、TiS、V、MoO、MoS等の遷移元素のカルコゲナイトや、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO又はLixMO(但し、Mは一種以上の遷移元素であり、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.20である。)で表されるリチウムと一種類以上の遷移元素との複合酸化物等により構成されるもの等を使用できる。
本発明で用いる導電助剤としては、カーボンブラック類であるアセチレンブラック、ケッチエンブラックおよびファーネスブラック、グラファイト類である気相成長炭素繊維、燐片状黒鉛、または、金属粉末を単体、もしくはこれらを組み合わせたものを用いることができる。好ましくは粒子の表面積のきわめて大きいアセチレンブラックである。
本発明で用いる結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が広く用いられているが、これ以外のものとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム系高分子としてスチレンブタジエンゴム(SBR)、もしくはこれらとセルロース系高分子との混合物またはポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(P(VdF−HFP))などの、PVdFを主体とするコポリマーなどを用いることができる。好ましくはPVdFである。
本発明の正極スラリーは、正極活物質としてのリチウムを吸蔵・放出することができるリチウム複合酸化物と、導電助剤としての炭素材料や金属粉末と、結着剤と、非極性溶剤とを、N−メチル−2−ピロリドンを加えて、高剪断力の混合装置でよく混合することによって製作できる。
このようにして得られた正極スラリーを用いて非水電解質電池を製作することができる。この正極スラリーを集電体としての金属箔表面に塗布し、乾燥させる。塗布方法としてリバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法などの任意のコーターヘッドを用いることができる。乾燥方法としては、放置乾燥のほか、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特に限定されるものではない。
本発明の非水電解質二次電池に用いる負極には、様々な炭素材料により構成されるものや、リチウムと合金を形成する金属材料、金属酸化物、金属リチウムを使用できる。
本発明の非水電解質二次電池に用いる電解液の有機溶媒には、特に制限はなく、例えばエーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類等を用いることができるが、これらのうちでもエーテル類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系化合物が好ましい。これらの例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、メチルフォルメイト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルおよびこれらの混合溶媒等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。好ましくは環状カーボネート類および環状エステル類である。もっとも好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートのうち、1種または2種以上した混合物の有機溶媒である。
本発明の非水電解質二次電池に用いる電解質塩としては、特に制限はないが、LiClO、LiBF、LiAsF、CFSOLi、LiPF、LiPF(C)、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiI、LiAlCl等およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、LiBF、LiPFのうち、1種または2種以上を混合したリチウム塩がよい。
また、上記電解質には補助的に固体のイオン導伝性ポリマー電解質を用いることもできる。この場合、非水電解質二次電池の構成としては、正極、負極およびセパレータと有機または無機の固体電解質と上記非水電解液との組み合わせ、または正極、負極およびセパレータとしての有機または無機の固体電解質膜と上記非水電解液との組み合わせがあげられる。ポリマー電解質膜がポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリエチレングリコールおよびこれらの変成体などの場合には、軽量で柔軟性があり、巻回極板に使用する場合に有利である。さらに、ポリマー電解質以外にも、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質との混合材料などを使用することができる。
その他の電池の構成要素として、集電体、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品についても従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。
以下に、本発明の実施例を、比較例とあわせて、説明する。
[実施例1〜5および比較例1、2]
[実施例1]
まず、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(固形分12wt%)を準備し、この溶液66.7重量部と、正極活物質としてのLiNi0.55Mn0.30Co0.15を88重量部と、アセチレンブラックを4重量部とを、高速攪拌混合容器(浅田鉄工社製、型名PVN−25)で攪拌し、さらに粘度調整のためにNMPを適量加えて、粘度25000cpsの正極スラリー前駆体を得た。得られた正極スラリー前駆体の固形分の組成は、重量比で正極活物質:アセチレンブラック:PVdF=88:4:8とした。そして、この正極スラリーに非極性溶剤としてのn−ヘキサンを固形分(正極活物質とアセチレンブラックとPVdFの合計重量=100)に対して0.01重量部を添加し、攪拌して、非水電解質二次電池用正極スラリーを得て、これを正極スラリーAとした。この正極スラリーを24時間攪拌せずに放置した。
そして、厚さ20μmのアルミニウム箔を集電体とし、これにロールコーターを用いて、送り速度0.30m/min、乾燥温度130℃、送風量10.0m/sの条件で、正極極スラリーAを塗布し、膜厚100〜120μmの塗布性試験用塗布膜を得た。
次に、この正極スラリーAを用いて作製した正極板と、難黒鉛化性炭素を活物質に用いた負極板とから、試験電池を作製した。正極板は、正極スラリーAを、集電体としての厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に、ドクターブレードで均一に塗布し、乾燥し、ロールプレスすることにより、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を備えた正極板を得た。正極板の寸法は、長さ3994mm、幅89mmとし、正極合剤層の厚さは片面38μmとした。電池に含まれるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の重量は58gとした。
負極板は、負極活物質としての難黒鉛化性炭素と、結着材としてのPVdFとを重量比94:6の割合で混合し、この混合物にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加し、負極ペーストとした。この負極ペーストを、集電体としての厚さ10μmの銅箔に塗布し、乾燥し、ロールプレスすることにより、銅箔の両面に負極合剤層を備えた負極板を得た。負極板の寸法は、長さ4150mm、幅91mmとし、負極合剤層の厚さは片面40μmとした。電池に含まれる難黒鉛化性炭素の重量は25gとした。
この正極板と負極板とを、厚さ20μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータを介して積層し、長円形状に巻回して発電要素を作製した後、この発電要素を長円筒形の有底アルミニウム容器に収納した。そして、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比3:7で混合した混合溶媒に、1.2mol/lの六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶解した電解液を注液し、電池蓋により密閉し、安全弁を備えた、電池容量5Ah、重さ300gの長円筒型非水電解質二次電池を作製し、これを電池Aとした。
[実施例2]
ヘキサンの量を固形分に対して0.1重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーBと電池Bを得た。
[実施例3]
ヘキサンの量を固形分に対して1.0重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーCと電池Cを得た。
[実施例4]
ヘキサンの量を固形分に対して5.0重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーDと電池Dを得た。
[実施例5]
ヘキサンの量を固形分に対して10.0重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーEと電池をE得た。
[比較例1]
ヘキサンを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーFと電池Fを得た。
[比較例2]
ヘキサンの量を固形分に対して0.005重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーGと電池Gを得た。
[比較例3]
ヘキサンの量を固形分に対して15.0重量部としたこと以外は実施例1と同様にして正極スラリーHと電池Hを得た。
実施例1〜5および比較例1、2の正極スラリーA〜Gの塗布膜の表面状態を肉眼で観察し、スラリー塗布時に直径2mm以上のダマが塗布面に生じている箇所を数えた。
また、電解液を注液した後、各電池100個について、正極と負極間の交流インピーダンスを(HIOKI社製、型名3560)を用いて測定し、交流インピーダンスが1MΩ以上の電池を不良品とし、不良率(%)を求めた。これらの評価結果を表1に示す。
Figure 2005259512
表1に示しているダマが見えている箇所は、当然正極として用いることができず、この箇所が少なければ少ないほど、電池を製造する場合における不良率が大きく低下することが容易に理解される。この表1から明らかなごとく、非極性溶剤としてヘキサンを添加した実施例1〜5の正極スラリーは、攪拌後も粒子同士が再凝集することなくことなく均一に塗布されており、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率も0%となった。一方、比較例1および2には、塗布面のダマがたくさん見られ、電池を作製する場合の不良率も大きくなった。また、比較例3は、塗布面のダマはなかったが、スラリーの粘性の低下による塗布幅の乱れや非極性溶剤の揮発などによる塗布重量の誤差が生じた結果、電池を作製する場合の不良率は6%となった。
この結果から、本発明の正極極スラリー(実施例1〜5)は、比較例1〜3の正極スラリーに比べて、集電体表面に、格段に均一に塗布されていることがわかった。
なお、正極スラリーを作製する際の高速攪拌混合容器に変えて、万能混合攪拌器(ダルトン社製、型名30DMV−Qr)やハイビスミックス(特殊機化工社製、型名2P−20)を用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーと電池を作製し、実施例3と同様の測定を行った結果、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率は0%となることを実験で確認した。
[実施例6〜9]
[実施例6]
正極スラリー作製後、攪拌せずに放置した時間を5時間としたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーIと電池Iを得た。
[実施例7]
正極スラリー作製後、攪拌せずに放置した時間を10時間としたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーJと電池Jを得た。
[実施例8]
正極スラリー作製後、攪拌せずに放置した時間を48時間としたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーKと電池Kを得た。
[実施例9]
正極スラリー作製後、攪拌せずに放置した時間を72時間としたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーLと電池Lを得た。
実施例6〜9の正極スラリーI〜Lおよび電池I〜Lについて、実施例3と同様にして、ダマが塗布面に生じている箇所を数え、各電池の不良率(%)を求めた。これらの評価結果を表2に示す。
Figure 2005259512
表2の結果から、正極スラリー作製後、攪拌せずに放置した時間が72時間までは、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率も0%となることがわかった。
[実施例10〜13]
[実施例10]
正極スラリー作製時に用いる非極性溶剤として、n−ヘキサンの代わりにシクロヘキサンを用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーMと電池Mを得た。
[実施例11]
正極スラリー作製時に用いる非極性溶剤として、n−ヘキサンの代わりにベンゼンを用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーNと電池Nを得た。
[実施例12]
正極スラリー作製時に用いる非極性溶剤として、n−ヘキサンの代わりにトルエンを用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーOと電池Oを得た。
[実施例13]
正極スラリー作製時に用いる非極性溶剤として、n−ヘキサンの代わりにキシレンを用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーPと電池Pを得た。
実施例10〜13の正極スラリーM〜Pおよび電池M〜Pについて、実施例3と同様にして、ダマが塗布面に生じている箇所を数え、各電池の不良率(%)を求めた。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 2005259512
表3の結果から、正極スラリー作製作製時に用いる非極性溶剤の種類を代えた場合でも、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率も0%となることがわかった。
[実施例14〜16]
[実施例14]
正極スラリー作製時に用いる正極活物質として、LiNi0.55Mn0.30Co0.15の代わりにコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーQと電池Qを得た。
[実施例15]
正極スラリー作製時に用いる正極活物質として、LiNi0.55Mn0.30Co0.15の代わりにニッケル酸リチウム(LiNiO)を用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーRと電池Rを得た。
[実施例16]
正極スラリー作製時に用いる正極活物質として、LiNi0.55Mn0.30Co0.15の代わりにスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)を用いたこと以外は実施例3と同様にして正極スラリーSと電池Sを得た。
実施例14〜16の正極スラリーQ〜Sおよび電池Q〜Sについて、実施例3と同様にして、ダマが塗布面に生じている箇所を数え、各電池の不良率(%)を求めた。これらの評価結果を表4に示す。
Figure 2005259512
表4の結果から、正極スラリー作製作製時に用いる正極活物質の種類を代えた場合でも、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率も0%となることがわかった。
さらに、正極スラリー作製時に用いる結着剤の種類や、正極スラリーの固形物(正極活物質と導電助剤と結着剤)の混合比率、正極スラリーの粘度を代えた場合でも、塗布面のダマの箇所がなく、電池を作製した場合の不良率は0%となることを実験で確認した。






















Claims (2)

  1. リチウムを吸蔵・放出が可能なリチウム複合酸化物と、導電助剤と、結着剤と、N−メチル−2−ピロリドンと、非極性溶剤とを含有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極スラリー。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極スラリーを用いて作製した正極を備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。


































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