JP2005259489A - 固体電解質型燃料電池、空気極集電体、および成膜方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池、空気極集電体、および成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子通路材の量を抑えてコストを低くしながら、優れた電池性能を維持することが可能な固体電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】 固体電解質型燃料電池スタック100は、薄膜セパレータ20を有する空気極集電体11と、固体電解質膜13と、燃料極集電体15と、を積層して一つのユニット40とし、このユニット40を複数積層することによって形成される。空気極集電体11の薄膜セパレータ20は、5〜100μmの厚みのLa1−x CrO(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、xは0.01〜0.3の数を示す)により示されるランタンクロマイト系導電性セラミックスが用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質型燃料電池に関し、詳細には、空気極集電体に電子通路材の薄膜を有する平板構造の固体電解質型燃料電池に関する。
固体電解質型燃料電池[固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell)とも呼ばれる]として、平板積層型の固体電解質型燃料電池が知られている。これは電池の最小単位である単セルをガスセパレータと組み合わせてユニット化し、このユニットを電気的接続可能な状態に複数積層してスタックを形成したものである。
上記形式の固体電解質型燃料電池において、導電率を確保するために、板状のガスセパレータ全体をランタンクロマイト系導電性セラミックスなどの電子通路材で作製してインターコネクタとする方式が知られている(例えば、特許文献1)。この方式では、ガスセパレータ部分の導電性を高めることができるので、良好な電池性能を確保できるが、反面、電子通路材の使用量が多くなり、経済性に劣る。また、板状のガスセパレータ(インターコネクタ)を配備することにより、装置全体が大型化してしまうという課題があった。
特開平5−74470号公報(図5、図6など)
上記したように、従来の平板型の固体電解質型燃料電池ではガスセパレータとして、板状のインターコネクタが使用されているが、高コストで装置の小型化も困難である。
従って、本発明の課題は、電子通路材の量を抑えてコストを低くしながら、優れた電池性能を維持することが可能な固体電解質型燃料電池を提供することである。
本発明の第1の態様は、燃料極集電体と空気極集電体と固体電解質膜とを含んで構成される単セルを複数積層した固体電解質型燃料電池であって、前記空気極集電体に、5〜100μmの厚みのランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜を形成したことを特徴とする、固体電解質型燃料電池である。
この第1の態様によれば、ランタンクロマイト系導電性セラミックスを薄膜化することによって、ガスセパレータとしての機能をもたせることが可能となる。
また、ランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜化によって、十分な電子通路面積を確保することが可能になる。従って、所要の電池性能を維持しながら高価なランタンクロマイト系導電性セラミックスの使用量を大幅に削減し、経済性を向上させることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ランタンクロマイト系導電性セラミックスが、次の式(I)、
La1−x CrO (I)
(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、xは0.01〜0.3の数を示す)
により示されるものであることを特徴とする、固体電解質型燃料電池である。
上記式で表されるランタンクロマイト系導電性セラミックスは、薄膜の形態でもペロブスカイト構造が保たれ導電性を失いにくいため、優れた電池性能を維持できる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記空気極集電体の材質が、次の式(II)、
La1−y MnO (II)
(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、yは0.01<y<0.3の数を示し、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1である)
により示されるランタンマンガナイト系導電性セラミックスであることを特徴とする、固体電解質型燃料電池である。
この第3の態様では、第2の態様における式(I)のランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜と、式(II)のランタンマンガナイト系導電性セラミックスの空気極集電体と、の組合せにより、優れた電池性能を有する固体電解質型燃料電池が得られる。また、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1であることにより、Mnに起因するランタンクロマイト薄膜の多孔質化を防止して、優れた導電性とガス封止性を維持できる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様における、ランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜を有する空気極集電体である。
空気極集電体に、ガスセパレータ(インターコネクタ)の代替として機能するランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜を形成することにより、このものが組み込まれる固体電解質型燃料電池に十分な電池性能を付与しつつ、独立したガスセパレータが不要になり、小型化とコスト削減を図ることができる。
本発明の第5の態様は、次の式(II)、
La1−y MnO (II)
(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、yは0.01<y<0.3の数を示し、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1である)
により示されるランタンマンガナイト系導電性セラミックス製の空気極集電体を、ランタンクロマイト粉末のスラリー中に浸漬した後、焼成することによって5〜100μmの厚みのランタンクロマイト系導電性セラミックス薄膜を形成することを特徴とする、固体電解質型燃料電池の空気極集電体における成膜方法である。この第5の態様によれば、ランタンクロマイト系導電性セラミックス薄膜を有する空気極集電体を容易に製造することができる。また、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1であることにより、焼成過程でMnに起因する薄膜の多孔質化を防止して、優れた導電性とガス封止性を維持できる。
本発明により、優れた性能を維持しながら、固体電解質型燃料電池の作製コストを低減し、かつ小型化を図ることが可能になる。
以下、図面に基き本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る支持膜型の固体電解質型燃料電池スタック100の構造を模式的に示すものである。この固体電解質型燃料電池スタック100は、薄膜セパレータ20を有する空気極集電体11と、固体電解質膜13と、燃料極集電体15と、を積層して一つのユニット40とし、このユニット40を複数積層することによって形成されている。それぞれのユニット40は、シール材料によって接合され、気密性をもって封止される。シール材料としては、例えば、ガラスなどのほか、SiOとCaOとAlとを含み、SiOとCaOとの割合がSiO:CaO=1:0.5〜2(モル比)であり、SiOに対するAlの割合が0.35(モル比)以下であるシール材料(特開平11−54138号公報参照)を好適に使用することができる。
このようにスタック構造を採用することによって、大きな電気的出力を生み出すことができる。なお、図1においては、説明の便宜上、積層された各部材間に隙間を空けて表現している。また、空気極集電体11と燃料極集電体15は平板として表現し、燃料ガス流路および酸化材ガス流路の記載は省略している。
図2は、図1と同様の構成において、空気極集電体11および燃料極集電体15としてハニカム構造を採用した固体電解質型燃料電池スタック101であり、図3は、図1と同様の構成において空気極集電体11としてハニカム構造を採用し、燃料極集電体15として櫛歯構造を採用した固体電解質型燃料電池スタック102である。
固体電解質型燃料電池スタック100〜102は、外部回路と電気的に接続可能な一対の金属製もしくは耐熱性セラミックスの基板(図示せず)を用い、例えば上下からサンドイッチ構造で挟み込むことによって、固体電解質型燃料電池を構成する。
図2および図3において、空気極集電体11は、ハニカム状の導電性セラミックス等により構成され、該ハニカム状の空洞51が酸化材ガス流路となり、例えば空気などの酸化材ガスを流通させ得る構造になっている。空気極集電体11は、酸化材ガス流路を含めて約0.7〜2mm程度の厚さで構成することが好ましい。
空気極集電体11の材質としては、例えばランタン−ストロンチウム−マンガナイトなどのランタンマンガナイト系多孔質セラミックスが好ましく用いられ、その一例として次の式(II)、
La1−y MnO (II)
(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、yは0.01<y<0.3の数を示し、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1である)
により示されるペロブスカイト構造を持つランタンマンガナイト系導電性セラミックスを挙げることができる。
で示されるアルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等を挙げることが可能であり、特にMがストロンチウムであるLa1−ySrCrO(ここで、yは前記と同様の意味を有する)が好ましい。
で示されるアルカリ土類金属とランタン(La)との化学量論比は、上記式(II)中、アルカリ土類金属元素の量yが、0.01<y<0.3の範囲となるようにすることが好ましい。yが0.01以下であると、空気極集電体11の導電性が低下する。一方、yが0.3以上であると、ランタンマンガナイト(LaSrMnOなど)が不安定になるという問題がある。
さらに、式(II)において、Mnと、La+Mと、のモル比は、およそ1:1である。LaとMの合計に対するMnのモル比が多くなると、焼成過程でMnが薄膜セパレータ20に移行して気化したMnが多孔質化を促し、緻密な膜形成ができず、薄膜セパレータ20のガスセパレート機能が低下して、燃料ガス中の水素などが空気側へ漏出するおそれがある。
空気極集電体11は、固体電解質膜13に酸化材ガスを供給するために、気孔率が10〜60体積%程度のものを用いることが好ましい。気孔率が高すぎると強度が低下するとともに電気抵抗が増加してしまうおそれがあり、逆に気孔率が低すぎると酸化材ガスの透過性能が低下して電池性能が低下する場合がある。
空気極集電体11には、ランタンクロマイト系導電性セラミックスを主成分とする薄膜セパレータ20が形成されている。ここで、「主成分とする」とは、製造過程などにおいて不可避的に混入する微量の不純物や夾雑物の存在を許容する意味である。
このランタンクロマイト系導電性セラミックス材料としては、次の式(I)、
La1−x CrO (I)
(ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、xは0.01〜0.3の数を示す)により示されるものが好ましい。
で示されるアルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等を挙げることができる。これらのアルカリ土類金属は、薄膜セパレータ20の導電性を高めるように作用する。アルカリ土類金属の中でも、特にMがカルシウムであるLa1−xCaCrO(ここで、xは前記と同様の意味を有する)が好ましい。
で示されるアルカリ土類金属とランタン(La)との化学量論比は、式(I)中、アルカリ土類金属元素の量xとして、0.01以上0.3以下の範囲であり、特に0.05〜0.1の範囲が好ましい。xが0.01未満であると、Cr4+がほとんど生成せず、薄膜セパレータ20の抵抗が大きくなり過ぎるので好ましくない。一方、xが0.3より大きいと、ランタンクロマイトが還元されて薄膜セパレータ20のペロブスカイト構造が破壊されるおそれがある。
すなわち、5〜100μm程度の薄い膜厚の場合、急激な酸素ポテンシャル変化がかかると、ランタンクロマイトのペロブスカイト構造を維持することが難しくなり、導電性を示す正孔を構成するCr4+がCr3+に還元されてしまう結果、導電性が損なわれる。
薄膜セパレータ20の厚さは、5〜100μmであり、20〜40μmが好ましい。膜厚が5μm未満であるとランタンクロマイトのペロブスカイト構造を維持することが難しくなり、還元されて薄膜が破壊されるおそれがあり、逆に100μmを超える場合には、抵抗が大きくなり、電池性能上好ましくない。
薄膜セパレータ20の成膜方法は特に問われないが、例えば、ランタンクロマイトを溶解または分散させた溶液に空気極集電体11を浸漬して成膜するディップコーティング法によって膜形成することが好ましい。
固体電解質膜13の材質としては、例えばZrOに対し、3〜10mol%の範囲でCaO、MgO、Y、Ce等を固溶させたものなどが用いられ、特にイットリア安定化ジルコニア(以下、「YSZ」と記す)を主成分とする材料が好ましい。この固体電解質膜13は、燃料極集電体15の片面に薄膜として形成され支持される。固体電解質膜13の膜厚は、電気抵抗を考慮すると、例えば5〜100μm程度に設定することが可能であり、20〜40μm程度が好ましい。
固体電解質膜13の成膜方法は特に問われないが、例えば、YSZを溶解または分散させた溶液に燃料極集電体15を浸漬して成膜するディップコーティング法によって形成できる。
燃料極集電体15は、例えば、ハニカム状の導電性セラミックス(図2)や片面に櫛歯状の溝53が形成された導電性セラミックス(図3)等により構成され、ハニカムの空洞51や溝53が燃料ガス流路として、例えば水素などの燃料ガスを流通させ得る構造になっている。燃料極集電体15の材質は、例えば、ニッケルとYSZからなるサーメットや、ニッケルとアルミナとYSZからなるサーメットなどの多孔質セラミックスが好ましく用いられる。燃料極集電体15は、固体電解質膜13に燃料ガスを供給するために、気孔率が10〜60体積%程度のものを用いることが好ましい。気孔率が高すぎると強度が低下するとともに電気抵抗が増加してしまうおそれがあり、逆に気孔率が低すぎると燃料ガスの透過性能が低下して電池性能が低下する場合がある。燃料極集電体15は、燃料ガス流路を含めて約0.7〜2mm程度の厚さで構成することが好ましい。
電池の最小構成単位であるセル10は、平板状の空気極集電体11と燃料極集電体15との間に固体電解質膜13が挟み込まれた構造である。支持膜型であるセル10においては、固体電解質膜13は、燃料極集電体15に支持される。そして、一つのセル10と、該セル10の空気極集電体11に形成された薄膜セパレータ20によって、ユニット40が形成される。さらに一つのユニット40の燃料極集電体15が隣接するユニット40の薄膜セパレータ20と当接するように複数段積層され、固体電解質型燃料電池スタック100〜102を構成する。ここで緻密なランタンクロマイトからなる薄膜セパレータ20を介在させることによって、複数のユニット40の間の酸化還元性を遮断しつつ、ユニット40間の電気的接続が可能になる。
すなわち、薄膜セパレータ20は、ガスセパレータ機能によって二つのセル10間(互いに隣接する空気極集電体11と燃料極集電体15)でのガスの移動を防止するとともに、電子通路として機能する。このようにランタンクロマイト系導電性セラミックスを薄膜化することにより、電子通路としての面積を大きくとることが可能となり、電圧降下の問題を生じさせることなく固体電解質型燃料電池の電池性能を向上させ得る。
図4は、本発明の別の実施形態に係る固体電解質型燃料電池スタック200の分解斜視図である。
この固体電解質型燃料電池スタック200は、マニホールド内蔵型スタック構造の平板型固体電解質型燃料電池であり、ここではモジュール30a〜30cを3段に積層した構造をしている。各モジュール30a〜30cは、それぞれ5つのユニット40a〜40eから構成されている。ここで、ユニット40a〜40eの基本的構成・原理は図1〜図3と同様である。
ユニット40a〜40eには、それぞれの枠体部33の一方の側に燃料ガス供給マニホールド81,81および酸化材ガス排出マニホールド83,83が、各ユニットを連通状態にする貫通孔部として各2つずつ一列に並んで形成されている。なお、符号85,85は燃料ガス供給口であり、符号87,87は、ガス供給絞りである。
同様に、ユニット40a〜40eの枠体部33の反対側には、酸化材ガス供給マニホールド82,82および燃料ガス排出マニホールド84,84が、各ユニットを連通状態にする貫通孔部として各2つずつ一列に並んで形成されている。なお、符号86,86は酸化材ガス供給口である(符号87,87は、前記と同じガス供給絞りである)。
マニホールド機能の備えた枠体部33の材質としては、絶縁性セラミックスが用いられ、例えばマグネシア(MgO)とスピネル(MgAl)を主成分とするものが挙げられる。ここで、マグネシアとスピネルの混合比を、重量比で30:70〜70:30(好ましくは40:60〜50:50)にすることによって、燃料極集電体15、空気極集電体11等の部材の熱膨張係数との整合性が保たれ、耐久性を向上させることができる。
燃料ガス供給マニホールド81,81は、連通路としてのガス供給絞り87,87を介して燃料ガス供給口85,85に接続されている。また、同様に、酸化材ガス供給マニホールド82,82は、連通路としてのガス供給絞り87,87を介して酸化材ガス供給口86,86に接続されている。
以上の構成において、燃料ガスは図示しない流量制御手段から燃料ガス供給マニホールド81,81に導入され、ガス供給絞り87,87を介してモジュール30a〜30cへ均等に配分される。燃料ガス供給マニホールド81,81に導入された燃料ガスは、ユニット40a〜40eに形成された流路を折り返しながら移動し、燃料ガス排出マニホールド84,84に排出される。
酸化材ガスについても、同様に、図示しない流量制御手段から酸化材ガス供給マニホールド82,82に導入され、ガス供給絞り87,87を介してモジュール30a〜30cへ均等に配分される。酸化材ガス供給マニホールド82,82に導入された燃料ガスは、ユニット40a〜40eに形成された流路を折り返しながら移動し、酸化材ガス排出マニホールド83,83に排出される。このように、枠体部33に設けた貫通孔によってマニホールドを形成することにより、各モジュール30a〜30cへのガス供給を均一化しつつ、配管などの部品点数を少なくし、構成を大幅に簡略化することが可能になる。
<作用>
本発明では、平板型空気極集電体表面に5〜10μmの厚みでランタンクロマイト(LaCrO)系導電性セラミックスを膜し、ガスセパレータに代替することにより、材料として高価なランタンクロマイト(LaCrO)系導電性セラミックスの使用量を低減できるとともに、装置を小型化することが可能になる。また、薄膜化によって少ない使用量で電子が流れる断面積を大きくとることができるようになり、電気抵抗を低減することができる。
本発明の薄膜セパレータ20では、その主成分であるLa1−x CrOのxが0.3を超えた値になると、5〜100μm程度の薄膜構造において急激な酸素ポテンシャルの変化が加わった場合、そのペロブスカイト構造を保持することが難しくなり、導電性を示す正孔を構成するCr4+がCr3+に還元されて導電性が損なわれる。また、0.01より小さい場合には、Cr4+がほとんど生成せず、実用的な導電性を維持できなくなる。
薄膜セパレータ20の主成分としてLa1−xCaCrOを用いる場合に、従来型のガスセパレータ(インターコネクタ)では、導電性を高める目的でCa量を多くしても(x>0.3)、厚い板状であるため上記のような問題は生じなかった。しかし、5〜100μmと非常に薄い薄膜セパレータ20においては、ペロブスカイト構造を維持して緻密性を保てるように、Ca量を所定範囲(0.1≦x≦0.3)に抑制する必要がある。なお、Ca量を低減しても、薄膜化によって十分な導電性を維持することができる。
ディップコーティング法によって薄膜セパレータ20を形成する場合に特有の問題として、空気極集電体11のランタンマンガナイトLaMMnO中のLaとMの合計に対するMnのモル比が多くなると、緻密な膜形成ができなくなることが挙げられる。ランタンクロマイトは焼結し難い性質を持つため、1500℃程度の高温での焼成が必要になる。前記温度では、薄膜セパレータ20の形成過程においてMnが薄膜セパレータ20に移行し、気化したMnによって膜の多孔質化が進みすぎ、その結果、薄膜セパレータ20のガスセパレート機能が低下して、燃料ガス中の水素などが空気側へ漏出する可能性がある。一方、Mnが少なすぎる場合は導電性が低下する。このため、LaとMの合計に対するMnのモル比は、1:1付近に設定することが好ましい。
以下、実施例等を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって何ら制約されるものではない。
実施例1
空気極集電体として、厚さ1.1mmのLa0.85Sr0.15MnOを使用した。この空気極集電体の片面に、La0.9Ca0.1CrO粉末をエタノール溶媒にて作製したスラリーを、ディップコーティング法によって製膜した。これを1500℃、5時間焼成することによってLa0.9Ca0.1CrOを主成分とする40μmの膜厚の薄膜セパレータ付空気極集電体(被験物)を得た。
図5に示す実発電環境雰囲気に近い模擬試験装置300を使用して導電性試験を実施した。この模擬試験装置300では、ランタンマンガナイトの空気側集電体11の片面にランタンクロマイトの薄膜セパレータ20を有する被験物について、薄膜セパレータ20の上にニッケルペースト91を積層した後、薄膜セパレータ20側を燃料(水素)雰囲気とし、空気極集電体11側を空気(酸素)雰囲気として、白金線90に通電して電気抵抗を測定した。その結果、1000℃において抵抗値0.015Ωという値を得た。これは従来のガスセパレータ構造と比較して明らかに低い抵抗を示すものであった。
実施例2〜5、参考例1、2
薄膜セパレータの膜厚を40μmに固定し、ランタンクロマイト中のCa量を表1のように変化させた以外は、実施例1と同様にして、ランタンマンガナイトの空気側集電体の片面にランタンクロマイトの薄膜セパレータを有する被験物を得た。各被験物について、実施例1と同様の模擬試験装置300を使用して抵抗値を測定した。その結果を併せて表1に示す。
Figure 2005259489
表1に示すとおり、材料の組成としては、一般式(I)中のxとしてCa量がx<0.01の場合、導電率の低下が認められる。また、x>0.3の場合、経時的に性能の劣化が認められ、水素雰囲気においた場合にクロムの還元による膜の変質が起こり、性能を十分に出せないことが示された。以上の結果から、xは0.01〜0.3の範囲が最適な組成と考えられる。
実施例6〜10、比較例1、2
Ca量を一般式(I)中のxとしてx=0.1に固定し、ランタンクロマイト薄膜の膜厚を表2のように変化させた以外は、実施例1と同様にして、ランタンマンガナイトの空気側集電体の片面にランタンクロマイトの薄膜セパレータを有する被験物を得た。各被験物について、実施例1と同様の模擬試験装置300を使用して抵抗値を測定した。その結果を併せて表2に示す。
Figure 2005259489
薄膜セパレータの膜厚に関しては、表2に示すように、膜厚が5μm未満では、緻密な膜が得られても、水素雰囲気にさらした場合の安定性がなく、膜自体の導電性の低下が認められる。また、膜厚が100μm超では抵抗の増加が認められた。この理由としては、電子通路材であるLa0.9Ca0.1CrOの電気抵抗に占める割合が大きくなったためと推測される。また、厚膜化により製膜時に膜の剥離などが見られることにより、膜厚の値としては5μm〜100μmが適していることが示された。
参考例3
従来型のLaCaCrOの板状セパレータ(板厚1mmのもの)について、表3のようにCa量を変えて抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2005259489
表3から、板状セパレータでは、本発明の薄膜セパレータとは逆に、Ca量が多くなるほど電気抵抗が低下し、導電率が高くなることが判る。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
本発明は、固体電解質型燃料電池として、各種の用途、例えば、産業用発電機やコージェネレーションシステムなどにおいて利用が可能である。
固体電解質型燃料電池スタックの概要を示す模式図である。 別の実施形態に係る固体電解質型燃料電池スタックの概要を示す模式図である。 さらに別の実施形態に係る固体電解質型燃料電池スタックの概要を示す模式図である。 固体電解質型燃料電池スタックの概要を示す分解斜視図である。 模擬試験装置の概要を示す図面である。
符号の説明
10 セル
11 空気極集電体
13 固体電解質膜
15 燃料極集電体
20 薄膜
30 モジュール
40 ユニット
60 燃料ガス
70 酸化材ガス
81 燃料ガス供給マニホールド
82 酸化材ガス供給マニホールド
83 酸化材ガス排出マニホールド
84 燃料ガス排出マニホールド
85 燃料ガス供給口
86 酸化材ガス供給口
87 ガス供給絞り
90 白金線
91 ニッケルペースト
100、101、102、200 固体電解質型燃料電池スタック
300 模擬試験装置

Claims (5)

  1. 燃料極集電体と空気極集電体と固体電解質膜とを含んで構成される単セルを複数積層した固体電解質型燃料電池であって、
    前記空気極集電体に、5〜100μmの厚みのランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜を形成したことを特徴とする、固体電解質型燃料電池。
  2. 請求項1において、前記ランタンクロマイト系導電性セラミックスが、次の式(I)、
    La1−x CrO (I)
    (ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、xは0.01〜0.3の数を示す)
    により示されるものであることを特徴とする、固体電解質型燃料電池。
  3. 請求項2において、前記空気極集電体の材質が、次の式(II)、
    La1−y MnO (II)
    (ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、yは0.01<y<0.3の数を示し、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1である)
    により示されるランタンマンガナイト系導電性セラミックスであることを特徴とする、固体電解質型燃料電池。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された、ランタンクロマイト系導電性セラミックスの薄膜を有する空気極集電体。
  5. 次の式(II)、
    La1−y MnO (II)
    (ここで、Mはアルカリ土類金属を意味し、yは0.01<y<0.3の数を示し、Mnと、LaおよびMの合計とのモル比が略1:1である)
    により示されるランタンマンガナイト系導電性セラミックス製の空気極集電体を、ランタンクロマイト粉末のスラリー中に浸漬した後、焼成することによって5〜100μmの厚みのランタンクロマイト系導電性セラミックス薄膜を形成することを特徴とする、
    固体電解質型燃料電池の空気極集電体における成膜方法。
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