JP2005258477A - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 冷却性能の一層の向上が可能な液晶パネルのプリズムへの取り付け構造を提供すること。
【解決手段】台座445に固着されて液晶パネル441Rが保持された保持枠443を保持する収納体であって、光入射側には保持枠443を受け入れるスペースを形成する起立片446Dが左右両側に突出して形成され、光射出側にはクロスダイクロイックプリズム45との間に風路を形成するための凸部446Fが左右両側に形成され、液晶パネル441Rのパネル面に対応する部分に開口部446Bを有してなる保持部材446を介して、液晶パネル441Rをクロスダイクロイックプリズム45に取り付ける。
【選択図】 図20

Description

本発明は、色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置で変調された色光を合成する色合成光学素子とが一体化された光学装置、およびその光学装置を採用したプロジェクタに関する。
プロジェクタにおける液晶パネルとプリズムの取り付け構造は、例えば、特開2000−221587あるいは特開2000−221588等に開示されている。これらの公報では、液晶パネルをパネル枠体内に収めてプリズムに取り付けることで、この部分の組立性や信頼性を高める工夫を行っている。そして、液晶パネルの冷却は、パネル枠体とプリズムとの間に設けた風路での冷却にほとんど依存する構造としていた。
しかしながら、近年、プロジェクタの小型化、高輝度化が促進され、装置内の熱密度が従来に比べて上昇して来たため、液晶パネルの冷却を主として風路にのみに依存した構造では、プロジェクタ内部の放熱対策、特に液晶パネルの冷却が充分に行えず、液晶パネルの性能を充分に発揮させることが困難となってきていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、冷却性能の一層の向上が可能な、光学装置を提供し、これによってプロジェクタの小型化、高輝度化、並びに高信頼性化にも寄与しようとするものである。
本発明の光学装置は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学素子とが一体的に設けられた光学装置であって、前記光変調装置を保持し、該光変調装置の画像形成領域に対応する部分に開口を有してなる保持枠と、前記保持枠の側縁を覆うように形成された起立片と、前記保持枠の前記色合成光学素子側の面を支持する支持片とを有し、前記色合成光学素子の光束入射端面に対して直接固定される保持部材と、前記保持枠と前記保持部材の前記起立片との間に配置されるスペーサと、前記色合成光学素子の光束入射端面と交差する一対の端面のうち、少なくとも一方に固定される台座と、を備え、前記台座と前記保持部材とは、熱伝導性金属または熱伝導性樹脂で構成され、前記保持枠は、前記スペーサを介して前記保持部材に固定されていることを特徴とするものである。
これによれば、保持部材および台座を、良好な熱伝導率を有する熱伝導性金属または熱伝導性樹脂によって構成しているため、光変調装置で発生した熱を、保持部材〜台座の順に逃がすことによって放熱させることができ、光変調装置の冷却性能を大きく向上させることが可能となる。
さらに、光学装置の冷却にファンを用いる場合には、当該ファンを小型化することが可能となる。
なお、「〜に対して直接固定」とは、各部材間に、スペーサやピンなど位置調整用の部材を介することなくこれらの部材が互いに固定されていることを意味する。よって、これらの部材の間に、放熱性向上のためのサファイア基板や金属板が介在するような場合も、本発明に含まれる。
本発明の光学装置において、前記熱伝導性金属または熱伝導性樹脂の熱伝導率は、3W/(m・K)以上であることが好ましい。
このような構成によれば、上記熱伝導経路を辿って光変調装置で発生した熱を迅速に放熱することができる。また、保持部材および前記台座の材料は、3W/(m・K)以上の条件を満たす範囲で自由に設定することでき、要求に応じた材質にすることが可能となる。従って、光学装置を設計するにあたり、要求性能等に応じて材料の最適化を図ることができる。
本発明の光学装置において、前記保持部材は、前記色合成光学素子との接合面に凸部を有しており、前記色合成光学素子と該凸部とによって、前記色合成光学素子と前記保持部材との間に部分的な隙間が形成されることことが好ましい。
このような構成によれば、当該隙間が、光変調装置やその周辺部に配置された偏光板等の光学素子を冷却するための風路を形成するので、光変調装置やその周辺部に配置された光学素子の熱による劣化を防ぐことが可能となり、画質の向上に寄与する。
本発明の光学装置において、前記色合成光学素子と前記台座、前記色合成光学素子と前記保持部材、前記保持部材と前記保持枠は、それぞれ、熱伝導性接着剤で固着されていることが好ましい。
このような構成によれば、各部材間に介在する接着剤が、部品間の熱伝達を補助するようになるため、放熱性能をより向上させることができる。
また、保持部材と保持枠とが熱伝導性接着剤で固着されている場合において、前記保持枠の外周と前記起立片との間の隙間が熱伝導性接着剤で充填されていることが好ましい。
このような構成によれば、保持枠と保持部材との接合面積が広がるため、光変調装置で発生した熱を、迅速に保持部材に放熱することができ、光変調装置の冷却効率をさらに向上させることができる。
また、以上の場合において、前記熱伝導性接着剤は、金属材料を含んで構成されていることが好ましい。このような接着剤を用いれば、接着剤中の金属材料が部材間に挟まれて、これらの部材を熱的に接続するようになるため、部材間の熱伝達がさらに促進される。
本発明の光学装置において、前記保持枠は、熱伝導性金属または熱伝導性樹脂によって構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、光変調装置と保持部材との間に介在する保持枠の熱伝導性を高めることが可能となるため、放熱性能をさらに向上させることが可能となる。
またこのとき、前記保持枠は、前記光変調装置を収納する凹形枠体と、収納された光変調装置を押圧固定する支持板とを備えて構成されていることが好ましい。
保持枠をこのような構成とすれば、光変調装置と保持枠との接触面積は増加する。したがって、光変調装置で発生した熱を効率的に保持枠に放熱することができ、光変調装置の冷却効率を向上させることができる。
本発明の光学装置において、前記光変調装置は、一対の基板と、前記一対の基板の少なくとも一方に固着された光透過性防塵板と、を備えており、前記光透過性防塵板の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高いことが好ましい。
このように、光変調装置に熱伝導率がより高い光透過性防塵板を設ければ、光変調装置の基板自体へのゴミの付着を防ぐことができ、また、光変調装置の表面からも放熱を行うことが可能となるため、光変調装置の冷却性能をさらに向上させることが可能となる。よって、光変調装置の基板自体にゴミが付着することによる画質の低下、並びに、熱によって光変調装置の性能が劣化することによる画質の低下を図ることができ、このような光学装置が採用されるプロジェクタなどの光学機器の画質を向上させることが可能となる。
本発明の光学装置において、前記色合成光学素子の光入射端面には、前記色合成光学素子を形成する物質より熱伝導率の高い光透過性板が設けられており、前記光透過性板と前記台座とは、熱伝導可能に結合されていることが好ましい。
このような構成によれば、保持部材〜光透過性板〜台座からなるより効率的な熱伝導経路を構成することができる。よって、色合成光学素子が比較的熱伝導率の低い材料で構成されている場合であっても、高い放熱性能を維持することが可能となる。このような光透過性板としては、熱伝導率が一般的なガラスよりも高いサファイア、水晶、石英等が挙げられる。
さらに、このとき、前記光透過性板と前記台座とを、熱伝導性接着剤で結合したり、熱伝導性シートや、熱伝導材から成るスペーサ部材等を介して結合したりしてもよい。このように、光透過性板と台座とを熱伝導性の良好な熱伝導性接着剤等を介して結合することで、上記熱伝導経路における放熱特性を向上させることができる。
本発明の光学装置において、前記台座は、強制冷却を行う放熱装置に接続されていることが好ましい。
先に述べたように、光変調装置で発生した熱は、保持部材を介して台座へと放出される。そこで、台座に強制冷却を行う放熱装置を接続すれば、光変調装置の冷却効率をさらに向上させることができる。
以上に述べた本発明の光学装置は、当該光学装置によって形成された画像を投写する投写レンズを備えたプロジェクタに採用することが可能である。本発明の光学装置をこのようなプロジェクタに採用すれば、光変調装置の冷却性能が改善されているため、光変調装置の温度上昇による動作不良を防止することができ、よって、高い画像品質を維持することが可能となる。また、光源からの光束を増やすことができるため、スクリーン等の投写面上に投写される画像の明るさを増加させることが可能となる。さらに、光学装置の冷却にファンを用いる場合は、ファンを小型化することができるため、プロジェクタの小型化をも図ることが可能となる。
さらに、このプロジェクタが、光学系を構成する複数の光学素子を収納する光学部品用筐体を備える場合は、前記光学部品用筐体を熱伝導性部材によって構成し、前記台座を、該光学部品用筐体に固定することが好ましい。さらに、前記光学装置と前記光学部品用筐体を外装ケースに収納する場合には、前記外装ケースを熱伝導性部材によって構成し、前記光学部品用筐体を前記外装ケースに熱伝導可能な状態で結合することが好ましい。このような構成とすれば、保持部材を介して台座に伝達した熱を、光学部品用筐体、場合によっては外装ケースまで順に熱伝導によって放熱させることができ、光変調装置の冷却性能を大きく向上させることが可能となる。従って、装置内部の光変調装置の冷却性能が大きく改善され、プロジェクタの小型化、高輝度化、並びに高信頼性化が達成される。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
(1.プロジェクタの主な構成)
図1は、第1実施形態に係るプロジェクタ1を上方から見た全体斜視図、図2は、プロジェクタ1を下方から見た全体斜視図、図3ないし図5は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的に図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図、図4は、図3の状態からシールド板80、ドライバーボード90、および上部筐体472を外して後方側から見た図、図5は、図4の状態から光学ユニット4を外した図である。プロジェクタを構成するこれらの部品4,21,80,90,472については、以下に詳説する。
図1ないし図5において、プロジェクタ1は、外装ケース2と、外装ケース2内に収容された電源ユニット3と、同じく外装ケース2内に配置された平面U字形の光学ユニット4とを備え、全体略直方体形状となっている。
外装ケース2は、それぞれ熱伝導性部材からなるアッパーケース21、ロアーケース23で構成されている。これらのケース21、23は、互いにネジで固定されている。
ここで、外装ケース2を構成する熱伝導性部材の例としては、軽量で熱伝導性が良好な、Al、Mg、Tiやこれらの合金、炭素鋼、黄銅、ステンレス等の金属、又は、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)が挙げられる。
また、外装ケースの全部を同じ材料で構成する必要はなく、一部を樹脂製とし、他の部分を金属製とすることも可能である。例えば、アッパーケース21を樹脂製とし、ロアーケースを金属製としても良い。
アッパーケース21は、上面部211と、その周囲に設けられた側面部212と、背面部213と、正面部214で形成されている。
上面部211の前方側には、ランプカバー24が嵌め込み式で着脱自在に取り付けられている。また、上面部211において、ランプカバー24の側方には、投写レンズ46の上面部分が露出した切欠部211Aが設けられ、投写レンズ46のズーム操作、フォーカス操作を、レバーを介して手動で行えるようになっている。この切欠部211Aの後方側には、操作パネル25が設けられている。
正面部214は、前記アッパーケース21の切欠部211Aと連続した丸孔開口212Aを備え、この丸孔開口212Aに対応して投写レンズ46が配置されている。この正面部214において、丸孔開口212Aとは反対側には、ロアーケース23側に形成された排気口212Bが位置している。この排気口212Bは、内部の電源ユニット3の前方側に位置している。冷却空気を画像投写領域から外れる方向、すなわち図1中左側へ排気するとともに、遮光機能を兼ねた排気用ルーバ26が設けられている(排気用ルーバ26は実際には、ロアーケース23に取り付けられている)。
ロアーケース23は、底面部231と、その周囲に設けられた側面部232および背面部233とで形成されている。
底面部231の前方側には、プロジェクタ1全体の傾きを調整して投写画像の位置合わせを行う位置調整機構27が設けられている。また、底面部231後方側の一方の隅部には、プロジェクタ1の別方向の傾きを調整する別の位置調整機構28が設けられ、他方の隅部には、リアフット231Aが設けられている。ただし、リアフット231Aは、位置を調整することはできない。さらに、底面部231には、冷却空気の吸気口231Bが設けられている。
一方の側面部232には、コ字形のハンドル29を回動自在に取り付けるための取付部232Aが設けられている。
このような外装ケース2の一方の側面側においては、アッパーケース21およびロアーケース23の各側面部212,232には、ハンドル29を上側にしてプロジェクタ1を立てた場合の足となるサイドフット2A(図2)が設けられている。
また、外装ケース2の背面側には、アッパーケース21の背面部213とロアーケース23の背面部233に跨って開口したインターフェース部2Bが設けられ、このインターフェース部2B内にはインターフェースカバー215が設けられ、さらに、インターフェースカバー215の内部側には、種々のコネクタが実装された図示略のインターフェース基板が配置されるようになっている。また、インターフェース部2Bの左右両側には、各背面部213,233に跨ってスピーカ孔2Cおよび吸気口2Dが設けられている。このうちの吸気口2Dは、内部の電源ユニット3の後方側に位置している。
電源ユニット3は、図4に示すように、電源31と、電源31の側方に配置されたランプ駆動回路(バラスト)32とで構成されている。
電源31は、電源ケーブルを通して供給された電力をランプ駆動回路32やドライバーボード90(図3)等に供給するものであり、前記電源ケーブルが差し込まれるインレットコネクタ33(図2)を備えている。
ランプ駆動回路32は、電力を光学ユニット4の光源ランプ411に供給するものである。
光学ユニット4は、図4、図6、図7に示すように、光源ランプ411から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム45(図7)、および投写光学系としての投写レンズ46を備えている。
これら電源ユニット3および光学ユニット4は、上下を含む周囲のアルミ製のシールド板80(図3、図5)で覆われており、これによって、電源ユニット3等から外部への電磁ノイズの漏れを防止している。
(2.光学系の詳細な構成)
図4、図7において、インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、UVフィルタを含む第2レンズアレイ414と、偏光変換素子415と、第1コンデンサレンズ416と、反射ミラー424と、第2コンデンサレンズ419とを備えている。
これらのうち、光源装置413は、放射状の光線を射出する放射光源としての光源ランプ411と、この光源ランプ411から射出された放射光を反射するリフレクタ412とを有する。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。リフレクタ412としては、放物面鏡を用いている。放物面鏡の他、平行化レンズ(凹レンズ)と共に楕円面鏡を用いてもよい。
第1レンズアレイ418は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。たとえば、液晶パネル441の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定する。
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ414は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414と第1コンデンサレンズ416との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ414と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分を利用することができない。
そこで、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ411からの射出光をほぼ1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子415は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、青色光を液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って偏光板442で偏光方向がそろえられた後、赤色用の液晶パネル441Rに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ414から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って偏光板442で偏光方向がそろえられた後、緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って偏光板442で偏光方向をそろえて青色光用の液晶パネル441Bに達する。なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。
電気光学装置44は、3枚の光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bを備えている。液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、各液晶パネル441R,441G,441Bとこれらの光束入射側および射出側にある偏光板442によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
色合成光学素子としてのクロスダイクロイックプリズム45は、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bから射出された色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイクロイックプリズム45には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム45で合成されたカラー画像は、投写レンズ46から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
以上説明した各光学系41〜45は、図4、図6に示すように、光学部品用の筐体としての光学部品用筐体47内に収容されている。
ここで、上部筐体472や下部筐体471は、熱伝導性部材によって構成することが好ましい。このような熱伝導性部材の例としては、軽量で熱伝導性が良好な、Al、Mg、Tiやこれらの合金、炭素鋼、黄銅、ステンレス等の金属、又は、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)が挙げられる。
この光学部品用筐体47は、前述の各光学部品414〜419,421〜423,431〜434、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側に配置された偏光板442を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下部筐体471と、下部筐体471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上部筐体472とで構成されている。
また、光学部品用筐体47の光射出側にはヘッド部49が形成されている。ヘッド部49の前方側に投写レンズ46が固定され、後方側に液晶パネル441R,441G,441Bが取り付けられたクロスダイクロイックプリズム45が固定されている。
(3.冷却構造)
本実施形態のプロジェクタ1は、図2,図4〜図6に示したとおり、液晶パネル441R,441G,441Bを主に冷却するパネル冷却系Aと、光源ランプ411を主に冷却するランプ冷却系Bと、電源31を主に冷却する電源冷却系Cとを備えている。
まず、パネル冷却系Aについて、図2、図4、図5を用いて説明する。パネル冷却系Aでは、投写レンズ46の両側に配置された一対のシロッコファン51,52が用いられている。シロッコファン51,52によって下面の吸気口231Bから吸引された冷却空気は、液晶パネル441R,441G,441Bとその光束入射側および射出側にある偏光板442(図7)とを下方から上方に向けて冷却した後、ドライバーボード90(図3)の下面を冷却しながら前方隅部の軸流排気ファン53側に寄せられ、前面側の排気口212B(図3)から排気される。
次に、ランプ冷却系Bについて、図4ないし図6を用いて説明する。ランプ冷却系Bでは、光学ユニット4の下面に設けられたシロッコファン54が用いられている。シロッコファン54によって引き寄せられたプロジェクタ1内の冷却空気は、上部筐体472に設けられた図示しない開口部から光学部品用筐体47内に入り込み、第2レンズアレイ414(図7)および偏光変換素子415(図7)間を通ってこれらを冷却した後、下部筐体471の排気側開口471Aから出て該シロッコファン54に吸引され、吐き出される。吐き出された冷却空気は、下部筐体471の吸気側開口471Bから再度光学部品用筐体47内に入り、光源装置413(図7)内に入り込んで光源ランプ411(図7)を冷却し、この後、光学部品用筐体47から出て、前記軸流排気ファン53によって排気口212B(図3)から排気される。
さらに、電源冷却系Cについて、図4を用いて説明する。電源冷却系Cでは、電源31の後方に設けられた軸流吸気ファン55が用いられる。軸流吸気ファン55によって背面側の吸気口2Dから吸引された冷却空気は、電源31およびランプ駆動回路32を冷却した後、他の冷却系統A,Bと同様に、軸流排気ファン53によって排気口212B(図3)から排気される。
(4.光学装置の構造)
以下には、図8ないし図14を参照し、光学装置の構造に付いて詳説する。
先ず、図8に示すように、光学装置は、クロスダイクロイックプリズム45と、クロスダイクロイックプリズム45の上下両面(光束入射端面と交差する一対の端面)に固定される台座445と、各液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bを収容する保持枠443と、保持枠443と台座445側面との間に介装される保持部材446とを備えて構成されている。
なお、図8では、図を簡素化するために、液晶パネル441、保持枠443、保持部材446を各1つずつのみ示している。これらの要素441,443,446は、実際には、クロスダイクロイックプリズム45の他の2つの光束入射端面にも配置される。
また、図9、図15、図16においても同様である。
ここで、本実施形態では、台座445、保持部材446および保持枠443は、マグネシウム合金で構成されている。ただし、これら各部材の材料は、マグネシウム合金に限られない。例えば、軽量で熱伝導性が良好な、Al、Mg、Tiやこれらの合金、炭素鋼、黄銅、ステンレス等の金属、又は、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)を用いても良い。また、これら各部材の材料としては、熱伝導率が3W/(m・K)以上の金属(合金を含む)または樹脂を採用することが好ましい。クロスダイクロイックプリズム45の一般的な材料である光学ガラスの熱伝導率が、約0.7W/(m・K)であるため、その4倍程度の熱伝導率を有していれば、放熱性能の向上が十分期待できると考えられるためである。表1(a)に、熱伝導率が3W/(m・K)以上の材料の一例を示す。また、表1(b)に、比較例として、熱伝導率が3W/(m・K)よりも低い材料の例を示す。
Figure 2005258477
表1(a)において、CoolPolyとは、Cool Polymer社の熱伝導性樹脂の商品名(登録商標)であり、括弧内は製品番号である。
なお、表1(a)に挙げた材料は、台座445、保持部材446および保持枠443の材料として採用し得る熱伝導性金属や熱伝導性樹脂の一例である。表1(a)では、黄銅が最も熱伝導率の高い材料として示されているが、これら各部材を構成する材料の熱伝導率は、それよりも高いものであっても勿論構わない。
台座445は、クロスダイクロイックプリズム45の上下両面に固定されており、外周形状はクロスダイクロイックプリズム45よりも若干大きく、側面がクロスダイクロイックプリズム45の側面より突出している。
また、図9に示されたように、台座445の側面には、対向する上下の辺縁にわたって凹部445Aが形成され、接着固定される保持部材446と台座445との間にドライバー等の工具が差し込めるようになっている。
さらに、クロスダイクロイックプリズム45の上面に固定された台座445には、光学装置を下部筐体471に固定するための、取付部445Bが形成されている。
図13に示すように、液晶パネル441Rは、駆動基板(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)441Aと対向基板(例えば、共通電極が形成された基板)441Eとの間に液晶が封入されたものであり、これらのガラス基板の間から制御用ケーブル441Cが延びている。駆動基板441A及び対向基板441E上には、通常、投写レンズ46のバックフォーカス位置から液晶パネル441のパネル面の位置をずらして光学的にパネル表面に付着したゴミを目立たなくするための光透過性防塵板441Dが固着されている。光透過性防塵板としては、サファイア、水晶、あるいは石英等の熱伝導性のよい材料が用いられる。サファイア、水晶、石英の熱伝導率は、それぞれ、42W/(m・K)、9W/(m・K)、1.38W/(m・K)である。本実施形態では、光透過性防塵板441Dを設けているが、このような防塵板は、必須ではない。また、駆動基板441A、対向基板441Eのうち、一方の基板上にのみ、光透過性防塵板441Dを設けるようにしても良い。さらに、光透過性防塵板441Dと基板441A、441Eとの間に、隙間を設けるようにしても良い。以下の実施形態についても同様である。なお、図13以外の図面では、光透過性防塵板441Dは省略されている。
図13に示すように、保持枠443は、各液晶パネル441R,441G,441Bを収容する収納部444A1を有する凹形枠体444Aと、凹形枠体444Aと係合し収納した各液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する支持板444Bとからなる。また、保持枠443は、各液晶パネル441R,441G,441Bの対向基板441Eに固着された光透過性防塵板441Dの外周を把持する。そして、保持枠443の収納部444A1に各液晶パネル441R,441G,441Bが収納される。収納された各液晶パネル441R,441G,441Bのパネル面に対応する位置には開口部443Cが設けられており、また、その四隅には孔443Dが形成されている。また、凹形枠体444Aと支持板444Bとの固定は、図9に示すように、支持板444Bの左右両側に設けたフック444Dと、凹形枠体444Aの対応する箇所に設けたフック係合部444Cとの係合により行う。
ここで、各液晶パネル441R,441G,441Bは、保持枠443の開口部443Cで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル441R,441G,441Bのこの部分に各色光R,G,Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
さらに、この支持板443Bの光束射出側端面には、遮光膜(図示省略)が設けられており、クロスダイクロイックプリズム45からの反射による光をクロスダイクロイックプリズム45側へさらに反射することを防ぎ、迷光によるコントラストの低下を防ぐようにしている。
保持部材446は、各液晶パネル441R,441G,441Bを収容する保持枠443を保持固定するものであり、図9に示すように、矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン447Aとを備えている。ここで、ピン447Aの位置は、矩形板状体446Aの隅である必要は無い。また、ピン447Aの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
この保持部材446は、台座445と保持枠443との間に介在している。該保持部材446のピン447Aと反対側の端面が台座445の側面に接着固定される。また、該保持部材446のピン447Aと保持枠443の孔443Dとを介して、保持部材446と保持枠443とが互いに接着固定されている。
この矩形板状体446Aには、略中央に矩形状の開口部446Bが形成され、その上下辺縁にわたって凹部446Nが形成されている。この開口部446Bは、各液晶パネル441R,441G,441Bの装着時、各液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域と対応する。また、矩形板状体446Aの光束射出側端面には、保持枠443と同様に遮光膜(図示省略)が設けられている。
また、この開口部446Bを囲うように係合溝446Cが形成され、この係合溝446Cに係合するように、サファイア基板上に偏光フィルムが透明接着剤を用いて貼り付けられた偏光板442が、両面テープまたは接着によって固定される。
ピン447Aは、その矩形板状体446Aからの立ち上がり部の径が保持枠443に形成された孔443Dよりも大きく形成されており、各液晶パネル441R,441G,441Bの装着時、各液晶パネル441R,441G,441Bと保持部材446との間に隙間が確保されるようになっている。
このような構造が無い場合、すなわち、ピン447Aの径が基端から先端にかけて略同一に形成されている場合には、保持枠443を保持部材446に装着した際に、隙間が確保出来なくなり、保持枠443と保持部材446とを固定する接着剤が、保持枠443端面に表面張力で広がり、液晶パネル441の表示面に付着してしまう。
(5.光学装置の製造方法)
以下には、図9を参照し、光学装置の製造方法について詳説する。先ず、
(a)まず、クロスダイクロイックプリズム45の上下面に台座445を、接着剤を用いて固定する(台座固定工程)。
(b)さらに、保持部材446の係合溝446Cに係合するように、偏光板442を両面テープまたは接着によって固定する(偏光板固定工程)。
(c)保持枠443の凹形枠体444Aの収納部444A1に各液晶パネル441R,441G,441Bを収納する。その後、保持枠443の支持板444Bを凹形枠体444Aの液晶パネル挿入側から取り付けて、各液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定して保持する。なお、凹形枠体444Aへの支持板444Bの取り付けは、支持板444Bのフック444Dを凹形枠体444Aのフック係合部444Cに係合することで行うことができる(光変調装置保持工程)。
(d)各液晶パネル441R,441G,441Bを収容した保持枠443の孔443Dに、接着剤を塗布した保持部材446のピン447Aを挿入する(保持枠装着工程)。
(e)台座445側面(クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面側)に、保持部材446のピン447Aとは反対側の端面を、接着剤を介して密着させる(保持部材装着工程)。この時、保持部材446は、接着剤の表面張力によって、台座側面に密着する。
(f)接着剤が未硬化な状態で、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行った後に接着剤を硬化させ、固定する(接着剤硬化工程)。
以上のような工程手順によって光学装置は製造される。
以上の製造工程において、接着剤は、良好な熱伝導性を有する熱硬化接着剤や光硬化接着剤を用いる。このように、良好な熱伝導性を有する接着剤としては、銀パラジウム等の金属を含んだアクリル系、あるいはエポキシ系の接着剤がある。
(6.液晶パネルの位置調整方法)
上記(f)の位置調整工程における液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整は、以下のように行う。
先ず、投写レンズ46(図7等)と正対する液晶パネル441Gについて、台座445側面と保持部材446との接合面を摺動面としてアライメント調整を行い、保持枠443と保持部材446との接合部、つまりピン447Aを介して保持枠443を摺動させることによって、フォーカス調整を行う。ここで、アライメント調整とは、投写レンズ46の光軸方向をZ方向、これに直交する2軸をX,Y軸とした場合、X軸方向と、Y軸方向と、XY平面内の回転方向(θ方向)の調整を意味する。フォーカス調整とは、Z軸方向と、X軸を中心とした回転方向(Xθ方向)と、Y軸を中心とした回転方向(Yθ方向)の調整を意味する。アライメント調整は、台座445と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をX軸方向、Y軸方向、θ方向に動かすことによって行うことが可能である。また、フォーカス調整は、保持枠443と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をZ軸方向、Xθ方向、Yθ方向に動かすことによって行うことが可能である。
所定の位置に液晶パネル441Gを調整した後、ホットエア、紫外線等で、接着剤を硬化させる。
次に、位置調整と固定が完了した液晶パネル441Gを基準として、上記と同様に、液晶パネル441R,441Bの位置調整および固定を行う。
なお、光学装置の製造並びに液晶パネルの位置調整は、必ずしも上記の順序で行う必要は無い。例えば、接着剤として半田を用いる場合は、上記の製造工程(d)、(e)で、接着剤を介することなく各部材を装着し、(f)の位置調整が終了した後、台座445、保持部材446、保持枠443を半田で固定すれば良い。他の実施形態の光学装置についても同様である。
(7.光学装置の取付方法)
上記のような方法で一体化された液晶パネル441R,441G,441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45からなる光学装置は、図10、図11、図14に示すように、クロスダイクロイックプリズム45の上面(光束入射面に対して直交する面)に固定された台座445の取付部445Bを介して下部筐体471の取付部473に固定されている。
この取付部445Bは、図9に示すように、平面視において、四方に延出した四つの腕部445Cを備えている。また、図11や図14に示すように、各腕部445Cに設けられた丸孔445Dのうち、ほぼ対角線上にある二つの丸孔445Dは、対応した取付部473に設けられた位置決め用の突部474に嵌合され、残る二つの丸孔445Dには、対応した取付部473に螺合されるネジ475が挿通される。また、図9に示すように、取付部445Bの中央の四角形部分には、着脱時に作業者が把持し易いように、適宜な把持部445Eが設けられている。
一方、下部筐体471の取付部473は、図10、図14に示すように、下部筐体471のほぼ上下方向にわたって連続した円柱状または角柱状の四つのボス部476の上部に設けられている。従って、台座445の取付部445Bが下部筐体471の取付部473に取り付けられた状態では、液晶パネル441R,441G,441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45は、取付部445Bの下面側に吊り下げられた状態に配置され、下部筐体471の底面から僅かに浮いた状態で光学部品用筐体47内に収容される。
このような下部筐体471において、投写レンズ46側の二つのボス部476には、投写レンズ46固定用のヘッド部49が一体に設けられている。このボス部476は、重量の大きい投写レンズ46がヘッド部49に固定されても、ヘッド部49が傾かないようにするための補強機能を有している。
投写レンズ46側から離間した二つのボス部476には、上下方向に沿った複数の保持片477(図4、図10に一部の保持片477を代表して図示)が設けられ、フィールドレンズ417、ダイクロイックミラー421,422、入射側レンズ431、リレーレンズ433を嵌め込むための溝が、近接し合う一対の保持片477間に形成されるようになっている。つまり、これらの保持片477もボス部476と一体に形成されることにより、ボス部476で補強されている。
他方、上部筐体472には、図11に示すように、液晶パネル441R,441G,441B(図8)およびクロスダイクロイックプリズム45(図8)に対応した部分に切欠開口472Aが設けられ、下部筐体471の取付部473もこの切欠開口472Aから露出している。すなわち、図8等に示す液晶パネル441R,441G,441Bおよびクロスダイクロイックプリズム45は、予め取付部445Bを備えた台座445に固定されていることにより、下部筐体471に上部筐体472が取り付けられた状態でも、取付部473に対して台座445の取付部445Bごと着脱することが可能である。
また特に、ヘッド部49と一体のボス部476に設けられた取付部473は、図12に示す投写レンズ46の中心軸X−Xよりも上方に位置している。このため、図14に示すように、ヘッド部49からクロスダイクロイックプリズム45側に突出した投写レンズ46の端部46Aの外周に対し、平面視では取付部445Bの二本の腕部445Cが重なるが、互いの実質的な干渉が生じないようになっている。
(8.光学装置の冷却構造)
以下には、上記取付方法によって光学部品用筐体47に固定された光学装置の冷却構造について詳説する。
図6、図10〜図13に示すように、下部筐体471の底面には、液晶パネル441R,441G,441Bに対応した三箇所に吸気側開口471Cが設けられ、これらの吸気側開口471Cから光学部品用筐体47内に流入するパネル冷却系A(図2,図5)での冷却空気で液晶パネル441R,441G,441Bおよびこの光入射側、射出側に配置された偏光板442が冷却される。このとき、台座445の端面の一部に形成された凹部445Aが冷却風の流路となるため、保持部材446や台座445に伝わった熱を効率良く冷却することが可能である。
この際、下部筐体471の下面には、平面略三角形の板状の整流板478が設けられ、整流板478に設けられた一対の立上片478A(合計6枚)が吸気側開口471Cから上方側に突出するようになっている。なお、図11では、立上片478Aを二点鎖線で示してある。これらの立上片478Aにより、液晶パネル441R,441G,441Bおよび偏光板442を冷却するための冷却空気の流れが下方から上方へ整えられる。
さらに、図11ないし図13において、吸気側開口471Cの周縁のうち、クロスダイクロイックプリズム45側であって、かつその光束入射面に平行な一周縁には、下部筐体471の底面から立ち上がった立上部471Dが位置しており、かつ、その上端部はクロスダイクロイックプリズム45の下面に固定された台座445の下端面と近接しており、下方から上方への冷却空気を、下部筐体471の底面およびクロスダイクロイックプリズム45間の隙間から漏れにくくし、液晶パネル441R,441G,441Bとクロスダイクロイックプリズム45の間の隙間に流入するようになっている。
(9.第1実施形態の効果)
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)台座445、保持部材446、保持枠443は、熱伝導率の高いマグネシウム合金によって構成しているので、光源ランプ411から照射された光等によって各液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442で発生する熱を、保持枠443〜保持部材446〜台座445の順に逃がすことによって、迅速に放熱することができる。よって、各液晶パネル441R,441G,441Bおよび偏光板442から効率良く熱を放出することが可能となり、液晶の温度上昇による動作不良および偏光板442の劣化を防止することができる。また、各液晶パネル441R,441G,441Bの冷却性能を大きく向上させることも可能となる。さらに、これに伴い、光源ランプ411の光量を増やすことが可能となるため、スクリーン上に投写される画像の明るさを増加させることができる。さらにまた、光学装置の冷却に用いるシロッコファン51,52を小型化することができる。
(2)台座445、保持部材446、保持枠443が同じ材料で構成されているので、各部材の熱による寸法変化(膨張、収縮)量が同じとなるため、機能信頼性が飛躍的に向上する。
(3)保持部材446に設けられたピン447Aと保持枠443に設けられた孔443Dとが、熱伝導性を有する接着剤によって固定されているので、液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442で発生する熱を効率良く逃がすことが可能となる。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。
(4)保持部材446には、係合溝446Cが形成され、この係合溝446Cに係合するように、サファイア基板上に偏光フィルムが透明接着剤を用いて貼りつけられた偏光板442が固定されている。従って、偏光フィルムで発生する熱を熱伝導率の高いサファイア基板へ逃がし、さらに、サファイア基板に伝わった熱を保持部材446に逃がすことができる。したがって、偏光板442の温度上昇や面内における温度分布の差を緩和して、熱による劣化を防止することが可能となる。なお、この係合溝446Cに、位相差板、光学補償板等、偏光板442以外の光学要素を係合させることも可能である。
(5)保持枠443と、保持部材446と、台座445とは、熱伝導性を有する接着剤によって固定されている。この接着剤は、保持枠443〜保持部材446〜台座445への熱伝達を補助する。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。
(6)下部筐体471の底面に設けられた吸気側開口471Cの一周縁には、下部筐体471の底面から立ち上がった立上部471Dが位置しており、かつ、その上端部はクロスダイクロイックプリズム45の下面に固定された台座445の下端面と近接しているため、パネル冷却系Aの冷却空気は、液晶パネル441R,441G,441Bとクロスダイクロイックプリズム45間の隙間に確実に流入する。よって、液晶パネル441R,441G,441Bやその周辺部を効率よく冷却できる。
(7)また、整流板478の立上片478Aが吸気側開口471Cから上方に突出しているため、冷却空気を下方から上方の液晶パネル441R,441G,441Bおよび偏光板442側に確実に案内でき、冷却空気が光学部品用筐体47内に漏れるのを抑えて液晶パネル441R,441G,441Bやその周辺部をより効率的に冷却できる。
(8)さらに、台座445の端面の一部に凹部445Aが形成されているため、保持部材446と台座445側面との間に隙間ができる。また、保持部材446の矩形板状体446Aにも凹部446Nが形成されているため、保持枠443と保持部材446との間に隙間ができる。従って、下部筐体471の底面から立ち上がった立上部471Dと整流板478の立上片478Aによって下方から上方に案内された冷却空気をこれら隙間に流入させることができ、液晶パネル441R,441G,441Bおよび偏光板442をより効率的に冷却できる。
(9)保持枠443は、凹形枠体444Aと支持板444Bから構成されているため、液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442と、保持枠443との接触面積が大きい。このような構造によって、液晶パネル441R,441G,441Bで発生した熱を、効率良く保持枠443に放出することができるので、高い放熱性能を得ることが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態における光学装置では、保持部材446は、矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン447Aとを備えていた。これに対して、第2実施形態における光学装置では、図15に示されるように、保持部材446が正面略L字状の起立片447Bを備えている点が異なる。それ以外の構成並びに製造方法は、第1実施形態と同様である。また、各構成要素の材料については、第1実施形態で説明したようなものを用いることが可能である。
具体的に、この起立片447Bは、矩形板状体446Aの四隅に位置し、この矩形板状体446Aの端縁に沿って延びるように突設され、各液晶パネル441R,441G,441Bを収容する保持枠443の外周を保持するように構成されている。そして、起立片447Bと保持枠443の端面とが、熱伝導性を有する接着剤によって接着される。ここで、起立片447Bの位置は、矩形板状体446Aの隅である必要は無い。また、起立片447Bの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
このような第2実施形態によれば、第1実施形態の説明で述べた前記(1)〜(2)、(4)〜(9)と同様の効果を得ることが可能である。
また、起立片447Bが矩形板状体446Aの角隅部分に位置しており、該矩形板状体446Aの端縁に沿って延びるように突設されており、この起立片447Bと保持枠443とが熱伝導性を有する接着剤によって固定されているため、液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442で発生する熱を、効率良く逃がすことが可能となる。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。また、起立片447Bが矩形板状体446Aの四隅に突設されているので、熱によって液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442に与えられる外力の影響を緩和することができ、よって、液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442の安定した保持が可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態における光学装置では、保持部材446は、矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン447Aとを備えていた。これに対して、第3実施形態における光学装置では、図16に示されるように、保持部材446が、正面略L字状の起立片447Cを備えている点が異なる。それ以外の構成並びに製造方法は、第1実施形態と同様である。また、各構成要素の材料については、第1実施形態で説明したようなものを用いることが可能である。
具体的に、この起立片447Cは、矩形板状体446Aの角隅部分に位置し、この矩形板状体446Aの端縁に沿って延びるように突設され、各液晶パネル4441R,441G,441Bを収容する保持枠443の外周を保持するように構成されている。また、この起立片447Cの平行な一対の辺は、矩形板状体446Aの一対の辺と同じ長さを有しており、起立片447Cの平行な一対の辺は、矩形板状体446Aの一対の辺と同じ長さを有している。そして起立片447Cと保持枠443の端面とが、熱伝導性を有する接着剤によって接着される。
このような第3実施形態によれば、第1実施形態の説明で述べた前記(1)〜(2)、(4)〜(9)と同様の効果を得ることが可能である。
また、起立片447Cが矩形板状体446Aの角隅部分に位置しており、該矩形板状体446Aの端縁に沿って延びるように突設されており、この起立片447Cと保持枠443とが熱伝導性を有する接着剤によって固定されているため、液晶パネル441R,441G,441Bや偏光板442で発生する熱を、効率良く逃がすことが可能となる。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。また、起立片447Cが矩形板状体446Aの互いに平行な一対の辺に沿って設けられ、前記矩形板状体の前記辺と略同じ長さを有しているので、保持枠443と保持部材446との接触部分をより大きくすることができ、よって、放熱性能をさらに向上することが可能となる。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態では、クロスダイクロイックプリズム45の上下両面(光束入射端面と交差する一対の端面の双方)に台座445が固定され、保持部材446は台座445側面に接着固定されていた。さらに、偏光板442は、保持部材446の係合溝446Cに両面テープまたは接着剤により固定されていた。
これに対して第4実施形態では、保持部材446がクロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に対して接着固定され、台座445がクロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面と交差する一対の端面のうち、一方にのみ設けられている。さらに、偏光板442は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に両面テープまたは接着剤で固定されている。
具体的に、保持部材446は、図17に示すように、矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン447Aとを備えている。
この矩形板状体446Aには、各液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域に対応して、矩形状の開口部446Bが形成され、矩形板状体446Aの上下の辺縁および開口部446Bの上下の辺縁には、熱間挙動差を吸収する切り欠き部446Lが形成されている。さらに、左右辺縁には、富士写真フィルムが販売する「Fuji WV Film ワイドビューA」(商品名)等の光学補償板(図示省略)を取り付けることができるように支持面446Mが形成されている。このような光学補償板の設置により、液晶パネル441R,441G,441Bで生じた複屈折を補償し、リターデイションを最小とすることで、広視野角化を可能とし、高いコントラスト比を得ることができる。
また、偏光板442は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面略中央部に固着される。
以上説明した以外の構成は、第1実施形態と同様である。また、各構成要素の材料については、第1実施形態で説明したようなものを用いることが可能である。
次に、図17を参照し、本実施形態に係る光学装置の製造方法について詳説する。先ず、
(a)まず、クロスダイクロイックプリズム45の上面に台座445を、接着剤を用いて固定する(台座固定工程)。
(b−1)また、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面略中央部に偏光板442を両面テープはまたは接着剤を用いて固定する(偏光板固定工程)。
(b−2)さらに、保持部材446の支持面446Mに係合するように、光学補償板を両面テープまたは接着剤を用いて保持固定する。
(c)保持枠443の凹形枠体444Aの収納部444A1に各液晶パネル441R,441G,441Bを収納する。その後、保持枠443の支持板444Bを凹形枠体444Aの液晶パネル挿入側から取り付けて、各液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定して保持する。なお、凹形枠体444Aへの支持板444Bの取り付けは、支持板444Bのフック444Dを凹形枠体444Aのフック係合部444Cに係合することで行うことができる(光変調装置保持工程)。
(d)各液晶パネル441R,441G,441Bを収容した保持枠443の孔443Dに保持部材446のピン447Aを接着剤とともに挿入する(保持枠装着工程)。
(e)クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、保持部材446のピン447Aとは反対側の端面に紫外線硬化性接着剤を塗布し、上記クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に密着させる(保持部材装着工程)。この時、保持部材446は、接着剤の表面張力によって、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に密着する。
(f)接着剤が未硬化な状態で、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行った後に接着剤を硬化する(接着剤硬化工程)。
上記(f)の位置調整工程における各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整は、以下のように行う。
先ず、投写レンズ46と正対する液晶パネル441Gについて、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面と保持部材446との接合面を摺動面としてアライメント調整(X軸方向、Y軸方向、θ方向の調整)を行い、保持枠443と保持部材446との接合面、つまりピン447Aを介して摺動させることによって、フォーカス調整(X軸方向、Xθ方向、Yθ方向の調整)を行う。すなわち、アライメント調整は、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をX軸方向、Y軸方向、θ方向に動かすことによって、行うことが可能である。また、フォーカス調整は、保持枠443と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をZ軸方向、Xθ方向、Yθ方向に動かすことによって行うことが可能である。
所定の位置に液晶パネル441Gを調整した後、ホットエア、ホットビーム、紫外線等で、接着剤を硬化させる。
次に、上記位置調整の後に硬化固定された液晶パネル441Gを基準として、上記と同様に、液晶パネル441R,441Bの位置調整および固定を行う。
このような第4実施形態によれば、以下のような効果がある。
(10)台座445、保持部材446、保持枠443を、熱伝導率の高いマグネシウム合金によって構成しているので、光源ランプ411から照射された光等によって各液晶パネル441R,441G,441B、光学補償板、偏光板442で発生する熱を、保持枠443〜保持部材446〜プリズム45〜台座445の順に放熱することができる。よって、各液晶パネル441R,441G,441B、光学補償板、偏光板442から効率良く熱を放出することが可能となり、液晶の温度上昇による動作不良および光学補償板の劣化を防止することができる。また、各液晶パネル441R,441G,441Bの冷却性能を大きく向上させることも可能となる。さらに、これに伴い、光源ランプ411の光量をふやすことが可能となるため、スクリーン上に投写される画像の明るさを増加させることができる。さらにまた、光学装置の冷却に用いるシロッコファン51,52を小型化することができる。
(11)台座445、保持部材446、保持枠443が同じ材料で構成されているので、各部材の熱による寸法変化(膨張、収縮)量が同じとなるため、機能信頼性が飛躍的に向上する。
(12)保持部材446に設けられたピン447Aと保持枠443に設けられた孔443Dとが、熱伝導性を有する接着剤によって固定されているので、液晶パネル441R,441G,441Bで発生する熱を効率良く逃すことが可能となる。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。
(13)保持枠443、保持部材446、プリズム45、台座445は、熱伝導性を有する接着剤によって固定されている。この接着剤は、保持枠443〜保持部材446〜プリズム45〜台座445への熱伝達を補助する。このような構造は、放熱性能の向上に寄与している。
(14)保持部材446左右辺縁に設けられた支持面446Mは、矩形板状体446Aのプリズム45に接着される部分よりも、プリズム45から離れる方向、つまり、面外方向に突出するように形成されている。従って、プリズム45と支持面446Mに固定される光学素子との間、及び、当該光学素子と保持枠443との間に、隙間ができる。従って、下部筐体471の底面から立ちあがった立上部471Dと整流板478の立上片478Aによって下方から上方に案内された冷却空気をこれら隙間に流入させることができ、液晶パネル441R,441G,441Bおよび光学素子をより効率的に冷却できる。
また、本実施形態では、第1の実施形態の説明で述べた前記(6)、(7)、(9)と同様の効果をも得ることが可能である。
なお、クロスダイクロイックプリズム45を構成する4つの直角プリズムは、光学ガラスによって形成するのが一般的であるが、これら直角プリズムを、サファイアや水晶など熱伝導率が光学ガラスより高い材料で構成したり、クロスダイクロイックプリズム45を、箱状の容器内にクロスミラーを収納して熱伝導率が光学ガラスより高い液体を満たした構成にしたりすることによって、保持枠443〜保持部材446〜プリズム45〜台座445への熱伝達がよりスムーズとなり、放熱性能が向上する。これは、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に対して保持部材446を固着するようにした他の実施形態においても同様である。
また、本実施形態では、保持部材446の支持面446Mには光学補償板を固定しており、偏光板442はクロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に固着しているが、支持面446Mには、光学補償板の代りに偏光板442を固定するようにしても良い。また、この支持面446Mに固定される光学素子は、光学補償板や偏光板には限らず、位相差板(1/4波長板、1/2波長板等)、集光レンズ等をここに固定するようにしても良い。
本実施形態の保持部材446の代わりに、第1〜第3実施形態のような保持部材446(図9、15、16参照)を用いて偏光板442等を保持部材446の係合溝446C(図9、15、16参照)に固定するようにしても良い。この場合は、本実施形態において、上記保持部材446に基づいて得られる効果の代りに、第1〜第3の実施形態の保持部材446に基づいて得られる効果を得ることが可能である。逆に、第1〜第3実施形態の保持部材446の代りに、本実施形態の保持部材446を用いて、支持面446Mに光学補償板等を固定するようにしても良い。この場合は、第1〜第3の実施形態において、これらの光学装置に用いられている保持部材446に基づいて得られる効果を得ることが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態を説明する。
以下の説明で、前記第4実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第4実施形態における光学装置では、偏光板442は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に直接両面テープまたは接着剤を用いて固定され、保持部材446の矩形板状体446Aは、左右辺縁に、光学補償板を取り付けることができるように支持面446Mが形成されていた。
これに対して、第5実施形態では、保持部材446に2組の支持面446M、446M1が設けられており、偏光板442および光学補償板が、これらの支持面446M、446M1に固定されている点が、第4の実施形態と相違している。それ以外の構成および製造方法は、第4実施形態と同様である。また、各構成要素の材料については、第1実施形態で説明したようなものを用いることが可能である。
具体的に、図18に示すように、保持部材446の矩形板状体446Aには、左右辺縁および上下辺縁に、それぞれ第1の支持面446Mおよび第2の支持面446M1が形成されている。第1の支持面446Mおよび第2の支持面446M1は、矩形板状体446Aからの高さ寸法(面外方向位置)が異なるように形成されている。
ここで、第1の支持面446Mには、偏光板442が、両面テープまたは接着剤により固定され、第2の支持面446M1には、光学補償板450が、同様に両面テープまたは接着剤により固定される。支持面446Mおよび支持面446M1の高さ寸法が互いに異なっているため、偏光板442および光学補償板450は、相互に干渉せずに、固定される。
このような第5実施形態によれば、第4実施形態と同様の効果の他、次のような効果がある。
偏光板442および光学補償板450が保持部材446に固定されることにより、偏光板442および光学補償板450で発生する熱を保持部材446に放出させることができ、偏光板442および光学補償板450の冷却効率を向上させ、劣化を防止することができる。
また、保持部材446が、面外方向位置が異なる2種類の支持面446Mおよび支持面446M1を備えているため、偏光板442および光学補償板450を異なる位置で保持部材446に支持することができる。従って、プリズム45、偏光板442、光学補償板450、保持枠443の間に、隙間ができる。従って、下部筐体471の底面から立ちあがった立上部471Dと整流板478の立上片478Aによって下方から上方に案内された冷却空気をこれら隙間に流入させることができ、液晶パネル441R,441G,441Bおよび光学素子をより効率的に冷却できる。
なお、支持面446M、446M1に固定される光学素子は、光学補償板や偏光板には限らず、位相差板(1/4波長板、1/2波長板等)、集光レンズ等であっても良い。
また、第1〜第3実施形態の保持部材446の代りに、本実施形態の保持部材446を用いて、支持面446M、446M1に光学補償板等を固定するようにしても良い。この場合は、第1〜第3の実施形態において、これらの光学装置に用いられている保持部材446に基づいて得られる効果を得ることが可能となる。
〔第6実施形態〕
次に本発明の第6実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態における光学装置では、クロスダイクロイックプリズム45の上下両面(光束入射端面と交差する一対の端面の双方)に台座445が固定され、保持部材446は台座445の側面に接着固定されていた。
また、クロスダイクロイックプリズム45は、上面に固定された台座445を介して下部筐体471に吊り下げ固定されていた。
また、保持部材446と保持枠443とは、保持部材446に設けられたピン447Aと保持枠443に設けられた孔443Dを介して、保持部材446と保持枠443とが互いに接着固定されていた。
さらに、偏光板442は、保持部材446の係合溝446Cに両面テープまたは接着剤により固定されていた。
これに対して、第6実施形態では、台座445は、クロスダイクロイックプリズム45の下面にのみ固定され、該クロスダイクロイックプリズム45は、下面に固定された台座445を介して下部筐体471に固定されている。
また、保持部材446は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に直接接着固定され、保持枠443は、該保持部材446に楔状スペーサ448Aを介して接着固定されている。
さらに、偏光板442は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に両面テープまたは接着剤で固定されている。
それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
具体的に、図19は第6実施形態に係る液晶パネル441R,441G,441Bとクロスダイクロイックプリズム45との取り付け状態を示す斜視図、図20はその組立分解図が示されている。ここで、液晶パネル441R,441G,441Bは、台座445に載置固定された水晶製のクロスダイクロイックプリズム45に、保持枠443、保持部材446、及び楔状スペーサ448Aを利用して取り付けられている。
保持枠443は、図示された外観が第1実施形態の保持枠443(図9等)と多少異なるが、基本的な構成は、支持板443Bの光束射出側端面に遮光膜が設けられている点を含め、第1実施形態で説明したものと同一である。
保持部材446は、液晶パネル441R,441G,441Bが収納保持された保持枠443を保持するものである。保持部材446は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に固定される。また、保持部材は、略中央に開口部446Bを備える。この開口部446Bは、各液晶パネル441R,441G,441Bの装着時、各液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域と対応する。保持部材446の光束射出側端面には、保持枠443と同様に、遮光膜(図示省略)が設けられている。
保持部材446の光入射側には保持枠443の側縁を覆うように形成された起立片446Dと、保持枠の光射出側の面を支持する支持片446Kが形成されている。また、光射出側の左右両側には凸部446Fが形成されている。この凸部446Fは、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446との間に部分的な隙間を形成する。そして、この隙間は、液晶パネル441R,441G,441Bやその周辺部に配置された変更板等の光学素子を冷却するための風路を形成する。凸部446Fの上下端面に、クロスダイクロイックプリズム45との接合面446Gが設けられている。起立片446Dの突出高さは、保持枠443の厚さにほぼ等しく、起立片446Dの高さ方向長さは保持枠443の高さにほぼ等しい。なお、起立片446Dの内側間隔は保持枠443の幅よりやや広くしている。また、保持枠443の光射出側面と保持部材446の光入射側面との間にはフォーカス調整用クリアランスを設け、保持枠443の幅と保持部材446の起立片446D内側間隔との間には画素合わせのためのアライメント調整用クリアランスを設ける。さらに、保持部材446の起立片446D内側には斜面446Eが形成されており、この斜面446Eと保持枠443との間に、保持枠443と保持部材446とを固定するための楔状スペーサ448Aを挿入できるようになっている。斜面446Eは、左右の起立片446Dの上下端部に左右対称に形成されている。
楔状スペーサ448Aは、液晶パネル441R,441G,441Bの位置決め、および、保持枠443と保持部材446との固定に用いられるものである。ここでは、4個の楔状スペーサ448Aが用いられている。楔状スペーサ448Aは、台座445、保持部材446、保持枠443と同様、熱伝導性の金属または熱伝導性の樹脂(好ましくは熱伝導率が3W/(m・K)以上のもの)によって構成する。このような金属や樹脂の例については、先に第1実施形態の説明部分で述べたとおりである。また、楔状スペーサ448Aは、保持枠443と保持部材446との接着に用いられるものであるため、熱による寸法変化を考慮すると、保持枠443または保持部材446と熱膨張係数が近い材料、または、保持枠443と保持部材446の間の熱膨張係数を有する材料を用いることが好ましい。特に、保持枠443、保持部材446、スペーサ448Aの材料をすべて同じものとすることが好ましい。また、これらの要素443、446、448Aを構成する材料の熱膨張係数は、できるだけ、クロスダイクロイックプリズム45を構成するガラスに近いことが好ましい。
台座445は、その中心部にクロスダイクロイックプリズム45を載せて固着するものである。台座445は、下部筐体471(図6)にねじ等によって固着される。
次に、本実施形態に係る光学装置の製造方法を説明する。先ず、
(a)まず、クロスダイクロイックプリズム45に偏光板442を固着する(偏光板固定工程)。
(b)偏光板442を固着したクロスダイクロイックプリズム45を台座445の中央部に固着する(台座固定工程)。
(c)また、保持枠443の凹形枠体444Aに液晶パネル441Rを収納する。その後、保持枠443の支持板444Bを凹形枠体444Aの液晶パネル挿入側から取り付けて、液晶パネル441R,441G,441Bを収納する。なお、凹形枠体444Aへの支持板444Bの取り付けは、支持板444Bのフック444Dを凹形枠体444Aのフック係合部444Cに係合することで行うことができる(光変調装置保持工程)。
(d)続いて、液晶パネル441R,441G,441Bを収納保持した保持枠443を、保持部材446の左右の起立片446D間に収納し、支持片446Kに当接させる(保持枠装着工程)。
(e−1)また、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、保持部材446の接合面446Gを、接着剤を介して密着させる(保持部材装着工程)。この時、保持部材446は、接着剤の表面張力によって、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に密着する。
(e−2)起立片446Dの内側面に形成した斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとの間に接着剤を塗布した楔状スペーサ448Aを挿入する(スペーサ装着工程)。この時、スペーサ448Aは、接着剤の表面張力によって、斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとに密着する。
(f)さらに、保持部材446とクロスダイクロイックプリズム45の接合面の接着剤と、楔状スペーサ448Aに塗布された接着剤とが未硬化な状態で、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行った後に、接着剤を硬化する(接着剤硬化工程)。
上記(f)の位置調整工程におけるクロスダイクロイックプリズム45への各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整は、以下のように行う。
先ず、投写レンズ46(図7等)と正対する液晶パネル441Gについて、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面と保持部材446との接合面を摺動面としてアライメント調整(X軸方向、Y軸方向、θ方向の調整)を行い、保持枠443と保持部材446との接合面を摺動させることによって、フォーカス調整(Z軸方向、Xθ方向、Yθ方向の調整)を行う。すなわち、アライメント調整は、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をX軸方向、Y軸方向、θ方向に動かすことによって行うことが可能である。また、フォーカス調整は、保持枠443と保持部材446のうち、一方の位置を固定した状態で、他方をZ軸方向、Xθ方向、Yθ方向に動かすことによって行うことが可能である。この時、楔形スペーサ448Aは、保持枠443あるいは保持部材446の動きに伴って、図21の矢印方向に摺動する。所定の位置に液晶パネル441Gを調整した後、ホットエア、ホットビーム、紫外線等で、接着剤を硬化させる。
次に、位置調整と固定が完了した液晶パネル441Gを基準として、上記と同様に、液晶パネル441R,441Bの位置調整および固定を行う。
以上の製造工程において、接着剤は、第1の実施形態で説明したのと同様な、良好な熱伝導性を有する接着剤を用いる。
なお、各液晶パネル441R,441G,441Bのクロスダイクロイックプリズム45への取り付けは、必ずしも上記の順序で行う必要はない。例えば、接着剤として半田を用いる場合は、上記の製造工程(d)、(e−1)、(e−2)で、接着剤を介することなく各部材を装着し、(f)の位置調整が終了した後、クロスダイクロイックプリズム45、保持部材446、スペーサ448A、保持枠443を半田で固定すれば良い。また、上記の製造工程(e−2)では、起立片446Dの内側面に形成した斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとの間に接着剤を塗布した楔状スペーサ448Aを挿入していたが、予め、保持枠443の外周と起立片446Dとの間の隙間に熱伝導性接着剤を充填しておいて、そこに楔状スペーサ448Aを挿入するようにしても良い。本実施形態と同様の製造方法で製造される他の実施形態の光学装置についても、同様である。
以上のようにして一体化された液晶パネル441R,441G,441Bとクロスダイクロイックプリズム45は、底部の台座445利用して下部筐体471(図6)にねじ等で固着される。
このような第6実施形態によれば、第4の実施形態の説明で述べた前記(10)、(11)、(13)と同様の効果を得ることが可能である。
また、保持部材446は、クロスダイクロイックプリズム45との接合面に凸部446Fを備えており、この凸部とクロスダイクロイックプリズム45によって、これらの間に部分的な隙間が形成されている。この隙間は、液晶パネル441R,441G,441Bやその周辺部に配置された偏光板等の光学素子を冷却するための風路を形成するので、液晶パネル441R,441G,441Bやその周辺部に配置された光学素子の熱による劣化を防ぐことが可能となり、画質の向上に寄与する。
また、保持枠443の外周と起立片446Dとの間の隙間を熱伝導性接着剤で充填するようにすれば、保持枠443と保持部材446との接合面積が広がる。よって、液晶パネル441R,441G,441Bで発生した熱を、迅速に保持部材446に放熱することができ、光変調装置の冷却効率をさらに向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第1の実施形態の説明で述べた前記(6)、(7)、(9)と同様の効果をも得ることが可能である。
〔第7実施形態〕
次に本発明の第7実施形態を説明する。
以下の説明で、前記第6実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第6実施形態における光学装置では、保持枠443の保持部材446への取り付けを、左右それぞれ2つの楔状スペーサ448Aで行っていた。
これに対して、第7実施形態における光学装置では、図22または図23に示されるように、保持枠443の保持部材446への取り付けを、左右それぞれ1つの楔状スペーサ448Bによって行っている。具体的には、楔状スペーサ448Bを起立片446Dの斜面446Eの全長にわたって配置し、保持枠443および保持部材446との接合部を上下端部に形成している。それ以外の構成は、第6実施形態と同様である。
このような第7実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、左右それぞれ1つの楔状スペーサ448Bを用い、該楔状スペーサ448Bを起立片446Dの斜面446Eの全長にわたって配置していることで、楔状スペーサ448Bと保持枠443との接触面積が大きくなるので、保持枠443から楔状スペーサ448Bへの放熱特性をより向上させることが可能であり、よって、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却効率をさらに向上させることができる。
〔第8実施形態〕
次に本発明の第8実施形態を説明する。
以下の説明で、前記第6実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第6実施形態および前記第7実施形態では、保持枠443の保持部材446への固定を、複数の楔状スペーサ448A,448Bによって行っていた。
これに対して、第8実施形態では、図24または図25に示されるように、第4実施形態や第5実施形態と同様、保持部材446の保持枠443側の面の四隅に突起されたピン447Aと、保持枠443の四隅に形成した孔443Dとによって行うようにした点が相違する。それ以外の構成は、第6実施形態と同様である。なお、ピン447Aの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
本実施形態にかかる光学装置の製造方法は、(b−2)の工程が存在しない点を除き、第4実施形態で説明したものと同様である。
このような第8実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
〔第9実施形態〕
次に本発明の第9実施形態を説明する。
以下の説明で、前記第7実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態〜前記第8実施形態では、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持する保持枠443は、液晶パネル441R,441G,441Bを収納する凹形枠体444Aと、収納された液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する支持板444Bとによって構成されていた。
これに対して、第9実施形態では、保持枠443Fを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する凹形枠体によって構成している。そして、その光射出側を支持板444Bにより押圧固定することなく、保持部材446の収納空間446Hに直接、収納保持している。その他の構成は、第7実施形態と同様である。
また、本実施形態に係る光学装置の製造方法は、(c)の光変調装置保持工程が、凹形枠体によって構成される保持枠443Fに、液晶パネル441R,441G,441Bを収納するのみで終了する点を除き、先に説明した第6実施形態と同様である。
このような第9実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、保持枠443Fを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する凹形枠体のみによって構成しているため、先に述べた第1〜第8実施形態の如く、支持板444Bを固定するためのフック係合部が不要となり、凹形枠体444Aをより薄い板材を使用して単純な形状にすることができる。さらに、液晶パネル441R,441G,441Bが直接保持部材446に接触する。従って、液晶パネル441R,441G,441Bから保持部材446への熱伝導がより促進され、放熱特性がより向上するという効果も得ることが可能である。
本実施形態において、スペーサ448Aを用いることなく、保持枠443と保持部材446とを固定する構成も可能である。この場合は、保持部材446の起立片446Dと、保持枠443Fの外周面とを、フォーカス調整が可能な隙間、あるいは、フォーカス調整とアライメント調整の双方が可能な隙間を設けて対峙させ、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整した後、保持部材446と保持枠443とを接着剤等で固定すれば良い。接着剤は、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する前に塗布しておいて、接着剤が未硬化な状態で位置調整を行うと良い。また、接着剤を、調整後に塗布して硬化させるようにしても良い。
〔第10実施形態〕
次に本発明の第10実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第6実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態〜前記第8実施形態では、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持する保持枠443は、液晶パネル441R,441G,441Bを収納する凹形枠体444Aと、収納された液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する支持板444Bとによって構成されていた。
これに対して、第10実施形態では、図28または図29に示されるように、保持枠443Gを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する支持板によって構成している。
そして、液晶パネル441R,441G,441Bを保持部材446の収納空間446Hに収納保持し、その液晶パネル441Rの光入射側を支持板によって構成された保持枠443Gで押圧固定している。支持板によって構成される保持枠443Gと保持部材446とは、保持枠443Gに設けられたフック444Dと保持部材446に設けられたフック係合部446Iとの係合により固定される。
さらに、第6実施形態における保持部材446には、起立片446Dの内側にスペーサ448Aを挿入する斜面446Eが形成されていたが(図20参照)、本実施形態の保持部材446は、このような斜面446Eを有していない。代りに、保持部材446の起立片446Dには、保持部材446の左右側面に露出した貫通孔446Jが設けられている。スペーサ448Aは、この貫通孔446Jを介して、保持部材446の外側から、液晶パネル441R,441G,441Bの光射出面と保持部材446の液晶パネル441R,441G,441B側の面との間に挿入される。スペーサ448Aと貫通孔446Jは、3つずつ設けられているが、2つ、あるいは4つ以上であっても構わない。その他の構成は、第6実施形態と同様である。
本実施形態にかかる光学装置の製造は以下のように行われる。
(a)クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に偏光板442を固着する(偏光板固定工程)。
(b)偏光板442が固定されたクロスダイクロイックプリズム45を台座445の上面中央部に固着する(台座固定工程)。
(c)クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、保持部材446の接合面446Gを固着する(保持部材固定工程)。
(d)保持部材446の収納空間446Hに液晶パネル441R,441G,441Bを収容する(光変調装置保持工程)。
(e)支持板によって構成された保持枠443Gを液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側から取り付け、保持部材446のフック係合部444Cにフック444Dを係合させて、液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する(保持枠装着工程)。
(f)保持部材446の左右両面に設けられた貫通孔446Jに楔状スペーサ448Aを挿入し、保持部材446の液晶パネル441R,441G,441B側の面と液晶パネル液晶パネル441R,441G,441Bの光射出面の双方に接触させながら移動させて、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)その後、接着剤を硬化させる(接着剤硬化工程)。
このような第10実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、液晶パネル441R,441G,441Bが直接保持部材446に接触する。従って、液晶パネル441R,441G,441Bから保持部材446への熱伝導がより促進され、放熱特性がより向上するという効果も得ることが可能である。
〔第11実施形態〕
次に本発明の第11実施形態を説明する。
以下の説明で、前記第8実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第8実施形態では、保持部材446を、直接クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に対して固着していた。これに対し、第11実施形態では、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、比較的熱伝導率の高いサファイア板451を固着し、そのサファイア板451を介して、保持部材446をクロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に対して固着させている。
具体的には、図30または図31に示すように、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面のほぼ全面に両面テープまたは接着剤を用いてサファイア板451を固着し、そのサファイア板451中央部の液晶パネル面対応部に両面テープまたは接着剤を用いて偏光板442を貼り付けている。また、保持部材446の凸部446Fを、接着剤によってサファイア板451に固着している。
さらに、図32に示すように、サファイア板451と台座445との隙間に熱伝導を有する接着剤449を充填して、これらを熱伝導可能に結合している。なお、以上以外の構成は、第8実施形態と同様である。
本発明にかかる光学装置の製造方法は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、サファイア板451を両面テープまたは接着剤を用いて固着した後、サファイア板451に、偏光板442を両面テープまたは接着剤を用いて固定する点、並びに、サファイア板451を介して保持部材446をクロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に固着する点を除き、第8実施形態と同様である。
ダイクロイックプリズム45、サファイア板451、保持部材446、台座445相互の界面を接着する接着剤としては、第1の実施形態で説明したような良好な熱伝導性を有する接着剤を用いる。
なお、台座445とサファイア板451とを熱伝導可能に結合する構成として、熱伝導性を有する接着剤をこれらの間に充填する代りに、カーボンが混合された熱伝導性シートや、熱伝導材から成るスペーサ部材等を介して、サファイア板451を下部筐体471へ直接固着させてもよい。この場合の熱伝導性シートやスペーサ部材の固着には、熱伝導性を有する接着剤に加えて、ねじ等を利用した機械的固着も利用できる。
このような第11実施形態によれば、前記第8実施形態と同様の効果の他、次のような効果がある。
クロスダイクロイックプリズム45と液晶パネル441R,441G,441Bとの間の風路を利用した冷却に加えて、液晶パネル441R,441G,441B付近の熱を、保持枠443〜保持部材446のピン447A〜保持部材446〜サファイア板451〜台座445〜下部筐体471の順に伝導させて放熱することができるため、たとえプリズム45がBK7等の比較的熱伝導率の低いガラス製であっても、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却性能を大きく向上させることが可能となる。これにより、プロジェクタの高輝度化が進んでも、液晶パネルの劣化を抑えることができ、安定した画質を維持することが可能である。
なお、本実施形態のように、サファイア板を介して保持部材446をクロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に固着して、サファイア板と台座を熱伝導可能に結合する構成は、第4〜第10実施形態にも適用することができる。このようにすれば、第4〜第10実施形態においても、冷却性能の向上、液晶パネルの劣化抑制、安定した画質の維持、という効果を得ることが可能となる。
〔第12実施形態〕
次に本発明の第12実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第6実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第6実施形態では、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、保持部材446が固着されていた。
これに対して第12実施形態では、図33または図34に示したように、保持部材446は、台座445に対して固定されている。さらに、対向する保持部材446の上端部は、フレーム連結部材452によって連結されている。
それ以外の構成は、第6実施形態と同様である。
本実施形態にかかる光学装置の製造方法は、以下のとおりである。
(a)クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に偏光板442を固着する(偏光板固定工程)。
(b)偏光板442が固着されたクロスダイクロイックプリズム45を、台座445の上面中央部に固着する(台座固定工程)。
(c)また、保持枠443の凹形枠体444Aに液晶パネル441R,441G,441Bを収納する。さらに、支持板444Bを液晶パネル441R,441G,441Bの光射出側から凹形枠体444Aに取り付けて、液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定して保持する。なお、凹形枠体への支持板444Bの取り付けは、支持板444Bのフック444Dを凹形枠体444Aのフック係合部444Cに係合することで行うことができる(光変調装置保持工程)。
(e−1")また、台座445の3方の端面に、保持部材446の接合面446Gを、接着剤を用いて固着する(保持部材固定工程)。
(d−1)さらに、合成光射出側の保持部材446間に、フレーム連結部材452を固着する(連結部材固定工程)。このフレーム連結部材452は投写レンズ46の取り付け補助板として用いることができる。
(d−2)続いて、液晶パネル441R,441G,441Bを収納保持した保持枠443を、保持部材446の左右の起立片446D間に収納し、支持片446Kに当接させる(保持枠装着工程)。
(e−2)起立片446Dの内側面に形成した斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとの間に接着剤を塗布した楔状スペーサ448Aを挿入する(スペーサ装着工程)。この時、スペーサ448Aは、接着剤の表面張力によって、斜面Eと保持枠443の外周面443Eとに密着する。
(f')さらに、楔状スペーサ448Aに塗布された接着剤が未硬化な状態で、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行った後に、接着剤を硬化する(接着剤硬化工程)。
以上の製造工程において、接着剤は、第1の実施形態で説明したのと同様な、良好な熱伝導性を有する接着剤を用いる。
なお、以上では、台座445、保持部材446、連結部材452を別部品として構成し、光学装置を組み立てる際に、それらを固着して一体化した場合の構成を説明したが、図35に示すように、これらを一体成形した成形ユニット460を用いてもよい。
この場合における光学装置の製造方法は、以下の通りである。
(a)クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に偏光板442を固着する(偏光板固定工程)。
(b)その後、偏光板442が固着されたクロスダイクロイックプリズム45を成形ユニット460の上方から挿入し、台座445の上面中央部に固着する(成形ユニット固定工程)。
(c)また、保持枠443の凹形枠体444Aに液晶パネル441R,441G,441Bを収納する。さらに、支持板444Bを液晶パネル441Rの光射出側から凹形枠体444Aに取り付けて、液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定して保持する。なお、凹形枠体への支持板444Bの取り付けは、支持板444Bのフック444Dを凹形枠体444Aのフック係合部444Cに係合することで行うことができる(光変調装置保持工程)。
(d−2)続いて、液晶パネル441R,441G,441Bを収納保持した保持枠443を、保持部材446の左右の起立片446D間に収納し、支持片446Kに当接させる(保持枠装着工程)。
(e−2)起立片446Dの内側面に形成した斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとの間に接着剤を塗布した楔状スペーサ448Aを挿入する(スペーサ装着工程)。この時、スペーサ448Aは、接着剤の表面張力によって、斜面Eと保持枠443の外周面443Eとに密着する。
(f')さらに、楔状スペーサ448Aに塗布された接着剤が未硬化な状態で、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行った後に、接着剤を硬化する(接着剤硬化工程)。
このように、台座445および保持部材446が予め一体成形された成形ユニットを採用することにより、保持部材固定工程および連結部材固定工程を省略することができ、光学装置を容易に組み立てることが可能となる。なお、台座445、保持部材446、連結部材452のすべてを一体成形する必要は無く、これらのうち、いずれか2つだけを一体成形した場合であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、各液晶パネル441R,441G,441Bのクロスダイクロイックプリズム45への取り付けは、必ずしも上記の順序で行う必要はない。例えば、接着剤として半田を用いる場合は、上記の製造工程(d−1)、(d−2)、(e−1")、(e−2)で接着剤を介することなく各部材を装着し、(f')の位置調整が終了した後、保持部材446、スペーサ448A、保持枠443、連結部材452を半田で固定すれば良い。また、接着剤に代えて、保持部材446やフレーム連結部材452を、ねじ等により機械的に固着するようにしても良い。また、上記の製造工程(e−2)では、起立片446Dの内側面に形成した斜面446Eと保持枠443の外周面443Eとの間に接着剤を塗布した楔状スペーサ448Aを挿入していたが、予め、保持枠443の外周と起立片446Dとの間の隙間に熱伝導性接着剤を充填しておいて、そこに楔状スペーサ448Aを挿入するようにしても良い。本実施形態と同様の製造方法で製造される他の実施形態の光学装置についても同様である。
以上のようにして一体化された液晶パネル441R,441G,441B及びクロスダイクロイックプリズム45は、底部の台座445を利用して下部筐体471(図6)にねじ等で固着される。
このような第12実施形態によれば、第1の実施形態で説明した前記(1)、(2)、(5)、(6)、(7)、(9)と同様の効果を得ることができる。
また、保持部材446の上端部をフレーム連結部材452で連結することにより、保持部材446を安定に保持固定することができるとともに、保持部材446の温度分布を均一化し、熱伝達性を向上させることができる。
また、台座445、保持部材446、連結部材452のうち少なくとも2つを一体成形すれば、保持枠から台座、保持部材〜連結部材への放熱がよりスムーズ隣、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却性能をさらに向上させることが可能となる。
さらに、保持枠443の外周と起立片446Dとの間の隙間を熱伝導性接着剤で充填するようにすれば、保持枠443と保持部材446との接合面積が広がる。よって、液晶パネル441R,441G,441Bで発生した熱を、迅速に保持部材446に放熱することができ、光変調装置の冷却効率をさらに向上させることができる。
〔第13実施形態〕
次に本発明の第13実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第12実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第12実施形態における光学装置では、保持枠443の保持部材446への取り付けを、左右それぞれ2つの楔状スペーサ448Aで行っていた。
これに対して、第13実施形態における光学装置では、図36または図37に示されるように、保持枠443の保持部材446への取り付けを、左右それぞれ1つの楔状スペーサ448Bによって行っている。具体的には、楔状スペーサ448Bを起立片446Dの斜面446Eの全長にわたって配置し、保持枠443および保持部材446との接合部を上下端部に形成している。なお、本実施形態においても、図38に示すように、台座445、保持部材446、連結部材452、あるいは、これらのうちいずれか2つを一体成形した成形ユニット470を用いることが可能である。以上説明した以外の構成ならびに製造方法は、第12実施形態と同様である。
このような第13実施形態によれば、前記第12実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、左右それぞれ1つ楔状スペーサ448Bを用い、該楔状スペーサ448Bを起立片446Dの斜面446Eの全長にわたって配置していることで、楔状スペーサ448Bと保持枠443との接触面積が大きくなるので、保持枠443から楔状スペーサ448Bへの放熱特性をより向上させることが可能であり、よって、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却効率をさらに向上させることができる。
〔第14実施形態〕
次に本発明の第14実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第12実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第12実施形態および前記第13実施形態では、保持枠443の保持部材446への固定を、複数の楔状スペーサ448A、448Bによって行っていた。
これに対して、第14実施形態では、図39または図40に示すように、保持部材446の保持枠443側の面の四隅に突起されたピン447Aと、そのピン447Aに対応する保持枠443の四隅に形成した孔443Dとを利用して行うようにした点が相違する。それ以外の構成は、第12実施形態と同様である。ここでピン447Aの位置は、保持部材446の隅である必要は無い。また、ピン447Aの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
なお本実施形態においても、図41に示すように、台座445、保持部材446、連結部材452、あるいは、これらのうちいずれか2つを一体成形した成形ユニット470を用いることが可能である。
本実施形態にかかる光学装置の製造方法は、第12実施形態にかかる光学装置の製造方法をほぼ同様であるが、(d−2)の保持枠装着工程において、保持枠443の孔443Dに保持部材446のピン447Aを、接着剤とともに挿入する点、(e−2)のスペーサ装着工程が無い点が異なる。
このような第11実施形態によれば、第12実施形態と同様の効果の他、第1の実施形態で説明した前記(3)と同様の効果を得ることができる。
〔第15実施形態〕
次に本発明の第15実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第13実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第12実施形態〜前記第14実施形態では、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持する保持枠443は、液晶パネル441R,441G,441Bを収納する凹形枠体444Aと、収納された液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する支持板444Bによって構成されていた。
これに対して、第15実施形態では、図42,43に示されるように保持枠443Fを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する凹形枠体によって構成している。そして、その光射出側を前記支持板444Bにより押圧固定すること無く、保持部材446の収納空間446Hに直接、収納保持している。なお、本実施形態においても、図38に示すように、台座445、保持部材446、連結部材452、あるいは、これらのうちいずれか2つの一体成形した成形ユニット470を用いることが可能である。それ以外の構成は、第13実施形態と同様である。
また、本実施形態にかかる光学装置の製造方法は、(c)の光変調装置保持工程が凹形枠体によって構成される保持枠443Fに、液晶パネル441R,441G,441Bを収納するのみで終了する点を除き、先に説明した第13実施形態と同様である。
このような第15実施形態によれば、第12実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、保持枠443Fを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する凹形枠体のみによって構成しているため、先に述べた第1〜第8実施形態の如き支持板444Bを固定するためのフック係合部が不要となり、凹形枠体444Aをより薄い板材を使用して単純な形状にすることができる。さらに、液晶パネル441R,441G,441Bが直接保持部材446に接触する。従って、液晶パネル441R,441G,441Bから保持部材446への熱伝導がより促進され、放熱特性がより向上するという効果も得ることが可能である。
本実施形態において、スペーサ448Aを用いることなく、保持枠443と保持部材446とを固定する構成も可能である。この場合は、保持部材446の起立片446Dと、保持枠443Fの外周面とを、フォーカス調整が可能な隙間、あるいは、フォーカス調整とアライメント調整の双方が可能な隙間を設けて対峙させ、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整した後、保持部材446と保持枠443とを接着剤等で固定すれば良い。接着剤は、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する前に塗布しておいて、接着剤が未硬化な状態で位置調整を行うと良い。また、接着剤を、調整後に塗布して硬化させるようにしても良い。
〔第16実施形態〕
次に本発明の第16実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第12実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第12実施形態〜前記第14実施形態では、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持する保持枠443は、液晶パネル441R,441G,441Bを収納する凹形枠体444Aと、収納された液晶パネル441R,441G,441Bをを押圧固定する支持板444Bとによって構成されていた。
これに対して、第16実施形態では、図44または図45に示されるように、保持枠443Gを、各液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側を支持する支持板によって構成している。
そして、液晶パネル441R,441G,441Bを保持部材446の収納空間446Hに収納保持し、その液晶パネル441R,441G,441Bの入射側を支持板によって構成される保持枠443Gで押圧固定している。支持板によって構成される保持枠443Gと保持部材446とは、保持枠443Gに設けられたフック444Dと保持部材446に設けられたフック係合部446Iとの係合により固定される。
さらに、第12実施形態における保持部材446には、起立片446Dの内側にスペーサ448Aを挿入する斜面446Eが形成されていたが(図34参照)、本実施形態の保持部材446は、このような斜面446Eを有していない。代りに、本実施形態の保持部材446の起立片446Dには、保持部材446左右側面に露出した貫通孔446Jが設けられている。スペーサ448Aは,この貫通孔446Jを介して、保持部材446の外側から、液晶パネル441R,441G,441Bの光射出面と保持部材446の液晶パネル441R,441G,441B側の面との間に挿入される。スペーサ448Aと貫通孔446Jは、3つずつ設けられているが、2つ、あるいは4つ以上であっても構わない。その他の構成は、第12実施形態と同様である。
本実施形態にかかる光学装置の製造は、以下のように行われる。
(a)先ず、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に偏光板442を固着する(偏光板固定工程)。
(b)偏光板442が固着されたクロスダイクロイックプリズム45を台座445の上面中央部に固着する(台座固定工程)。
(c)また、台座445の3方の端面に、保持部材446をその凸部446Fの接合面446Gを利用して固着する(保持部材固着工程)。
(d−1)さらに、合成光射出側の保持部材446間に熱伝導性を有する接着剤を用いてフレーム連結部材452を固着する(連結部材固着工程)。
(d−2)また、保持部材446の収納空間446Hに液晶パネル441R,441G,441Bを収容する(光変調装置保持工程)。
(e)支持板によって構成された保持枠443Gを液晶パネル441R,441G,441Bの光入射側から取り付け、保持部材446のフック係合部444Cにフック444Dを係合させて、液晶パネル441R,441G,441Bを押圧固定する(保持枠装着工程)。
(f)保持部材446の左右両面に設けられた貫通孔446Jに楔状スペーサ448Aを挿入し、保持部材446の液晶パネル441R,441G,441B側の面と液晶パネル441R,441G,441B側の光射出面の双方に接触させながら移動させて、液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整する(位置調整工程)。
(g)その後、接着剤を硬化させる(接着剤硬化工程)。
なお、接着剤に代えて、保持部材446やフレーム連結部材452を、ねじ等により機械的に固着するようにしても良い。
このような第16実施形態によれば、第12の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、液晶パネル441R,441G,441Bが直接保持部材446に接触する。従って、液晶パネル441R,441G,441Bから保持部材446への熱伝導がより促進され、放熱特性がより向上するという効果も得ることが可能である。
〔第17実施形態〕
次に本発明の第17実施形態を説明する。
以下の説明で、第12実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略又は簡素化する。
第12実施形態では、保持部材446を、直接クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に対して固着していた。これに対して第17実施形態では、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、比較的熱伝導率の高いサファイア板451を固着し、そのサファイア板451を介して、保持部材446を台座445の側面に対して固着させている。
具体的には、図46、図47に示すように、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面のほぼ全面に、両面テープまたは接着剤を用いてサファイア板451を固着し、そのサファイア板451中央部の液晶パネル対応面に両面テープまたは接着剤を用いて偏光板442を貼りつけている。また、保持部材の凸部446Fを、接着剤によってサファイア板451に固着している。
さらに、図47に示すように、サファイア板451と台座445との隙間に、良好な熱伝導性を有する接着剤449を充填して、これらを熱伝導可能に結合している。それ以外の構成は、第12実施形態と同様である。
また、本実施形態にかかる光学装置の製造方法は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面に、サファイア板451を両面テープまたは接着剤を用いて固着した後、サファイア板451に、偏光板442を両面テープまたは接着剤を用いて固着する点、並びに、サファイア板451を介して保持部材446を台座445の側面に固定する点を除き、第12実施形態と同様である。
台座445、サファイア板451、保持部材446相互の界面を接着する接着剤としては、第1実施形態で説明したような良好な熱伝導性を有する接着剤を用いる。
なお、台座445とサファイア板451を熱伝導可能に結合する構成としては、熱伝導性を有する接着剤をこれらの間に充填する代りに、カーボンが混合された熱伝導性シートや、熱伝導材からなるスペーサ部材等を介して、サファイア板451を下部筐体471へ直接固着させても良い。この場合の熱伝導性シートやスペーサ部材の固着には、熱伝導性を有する接着剤に加えて、ねじ等を利用した機械的固着も利用できる。
また、図示は省略するが、サファイア板451を、保持部材446の左右端縁に設けられた凸部446F間の寸法よりも小さく形成して、保持部材446を台座445側面に固着する最、サファイア板451が保持部材446の凸部間に位置するようにしても良い。
このような第17実施形態によれば、第12実施形態と同様の効果の他、次のような効果がある。
クロスダイクロイックプリズム45と液晶パネル441R,441G,441Bとの間の風路を利用した冷却に加えて、液晶パネル441R,441G,441B付近の熱を、保持枠443〜保持部材446〜サファイア板451〜台座445〜下部筐体471の順に伝導させて放熱することができるため、たとえプリズム45がBK7等の比較的熱伝導率が低いガラス製であっても、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却性能を大きく向上させることが可能となる。これにより、プロジェクタの高輝度化が進んでも、液晶パネルの劣化を抑える事ができ、安定した画質を維持することが可能となる。
なお、本実施形態のように、サファイア板451を用いる構成は、第1〜第3実施形態や、第12〜第16実施形態にも適用することができる。このようにすれば、第1〜第3実施形態や、第12〜第16実施形態においても、冷却性能の向上、液晶パネルの劣化抑制、安定した画質の維持、という効果を得ることが可能となる。
以上、本発明の様々な実施の形態を説明してきたが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含む。例えば、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1、4、5、8、11実施形態では、保持部材446は、矩形板状体446Aから突設されたピン447Aを備えており、該ピン447Aは、略柱状の構造を有していたが、基端よりも先端側が細い形状としても良い。例えば、図48に示すように、基端から先端にかけて先細となる略円錐形状の構造を有していてもよい。このように、ピン447Aを、基端よりも先端側が細い形状とすれば、保持部材446と保持枠443とを紫外線硬化接着剤等の光硬化接着剤によって、短時間で、効率良く、かつ確実に固定することが可能となる。なぜならば、ピン447A先端部から光を照射して接着剤を硬化させる際に、ピン447A先端部における光の反射や吸収を低減し、ピン447Aと保持枠443との接合部に存在する接着剤に光が充分照射されるからである。このような構造は、保持部材446が金属で構成されている場合に、特に好ましい。
また、前記第1実施形態〜前記第3実施形態における台座445の形状を、図49に示すように、テーパ形状にしてもよい。図49(A)には、台座445の平面図が示され、図49(B)には、図49(A)のB−B線断面図が示されている。台座445の形状をこのような形状にすることにより、保持部材446と保持枠443とを、紫外線硬化接着剤等の光硬化接着剤によって、短時間で効率良く、かつ確実に固定することが可能となる。なぜならば、台座445と保持部材446との接合を行うために、台座445の上方から該台座445と保持部材446との隙間に紫外線を照射する際に、台座445の角における光の反射や吸収を低減し、該台座445と保持部材446との隙間に存在する接着剤に光が充分照射されるからである。なお、ここでは、光が台座445上方から照射される場合について説明したが、クロスダイクロイックプリズム45の下方に固定された台座445の下方から光が照射される場合には、該下方に固定された台座445の端部をテーパ形状のものとすればよい。また、このように台座445の角をテーパ形状とする構成は、第12〜17実施形態にも適用することが可能である。
また、第1〜5、8、11、14実施形態において、保持部材446と保持枠443とは、ピン447Aや、正面略L字形状の起立片447Bを介して固定されていたが、ピン447Aや起立片447Bの形状は、図8〜9、15、16等に示したような形状に限られない。つまり、ピン447Aや起立片447Bの形状は、保持部材446と保持枠443とを固定できる形状であれば、どのようなものであってもよい。
また、第1〜3実施形態の保持部材446に設けられた係合溝446Cの形状に関しても、図9、15、16に示したような形状に限られない。つまり、偏光板442を支持できる形状であれば、どのようなものであってもよい。
さらに、台座445の位置や、台座445と下部筐体471との取り付け方についても、上記実施形態に示した構成には限られない。
例えば、第1〜第3実施形態では、台座445がクロスダイクロイックプリズム45の上下両面(光束入射端面と交差する一対の端面の双方)に設けられていたが、第12〜17実施形態のように、台座445と連結部材452とを用いた構成に代えても良い。逆に、第12〜17実施形態の、台座445と連結部材452とを用いた構成を、第1〜第3実施形態のように、台座445をプリズム45の上下両面に設けた構成に代えても良い。
また、第1〜第3実施形態では、光学装置がプリズム45の上面に固定された台座445によって下部筐体471に固定されていたが、他の実施形態のように、プリズム45の下面に固定された台座によって下部筐体471に固定されるようにしても良い。また、第1〜第4実施形態では、光学装置の下部筐体471への取付部445Bがクロスダイクロイックプリズム45の上面に固定された台座445に設けられていたが、これをクロスダイクロイックプリズム45の下面に固定された台座445に形成するようにしてもよい。ただし、実施形態のように取付部445Bがクロスダイクロイックプリズム45の上面に固定された台座445に形成されていた方が、下部筐体471に対して光学装置を着脱しやすいという利点がある。また、第5〜第17実施形態の光学装置を、第1〜第4実施形態の光学装置のように、プリズム45の上面に固定された台座445によって下部筐体471に固定するようにしても良い。
さらに、第1〜第4実施形態において、光学装置は下部筐体471のボス部476条に設けられた取付部473に固定されていたが、光学装置を取り付ける構造はこれに限られない。つまり、光学装置の取り付け部が設けられる位置や形状等は、任意である。また、台座445に設けられた取付部445Bの形状も任意であり、先に説明した各実施形態の形状に限定されない。なお、下部筐体471のボス部476には、ヘッド部49や保持片477が一体に設けられていたが、それぞれを個別に設けてもよい。
第4実施形態では、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446との間に部分的な隙間は形成されていなかったが、第6〜17実施形態のように、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446との間に部分的な隙間を形成するようにしても良い。このような構成とすれば、第6実施形態で述べた(23)のような効果を得ることが可能となる。
また、第12〜16実施形態において、クロスダイクロイックプリズム45と保持部材446との間に形成された隙間に熱伝導性接着剤を充填しても良い。その場合には、保持部材446〜クロスダイクロイックプリズム45〜台座445の熱伝導経路も形成されるため、液晶パネル441R,441G,441Bの冷却がより促進される。
上記実施形態において、クロスダイクロイックプリズム45は、光学ガラス、水晶、サファイアなどの材料からなるプリズムと、誘電体多層膜によって構成されていたが、プリズム45の構成はこれに限られない。例えば、ガラス等によって形成された略直方体または立方体の容器内にクロスミラーを配置し、この容器内を液体で満たした構成としても良い。つまり、プリズム45は、色光を合成する機能と、光変調装置を取り付けるための光束入射端面を備えていれば、どのような構成であっても良い。
さらに、前記各実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、前記各実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
さらにまた、前各記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置で変調された色光を合成する色合成光学素子とが一体化された光学装置、およびその光学装置を採用したプロジェクタに利用できる。
本発明の実施形態に係るプロジェクタを上方から見た全体斜視図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタを下方から見た全体斜視図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図1の状態からプロジェクタのアッパーケースを外した図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図3の状態からシールド板、ドライバーボード、および上部筐体を外して後方側から見た図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図4の状態から光学ユニットを外した図。 本発明の実施形態に係る光学ユニットを下方側から見た斜視図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学系を模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る光学装置を上方側から見た斜視図。 第1実施形態に係る光学装置の構造を表す分解斜視図。 本発明の実施形態に係る光学装置の取付位置を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図。 図11のXII−XII線断面図。 図12で示したXIII部分の拡大図。 本発明の実施形態に係る光学ユニットの要部を拡大して示す平面図である。 第2実施形態に係る光学装置の構造を表す分解斜視図である。 第3実施形態に係る光学装置の構造を表す分解斜視図である。 第4実施形態に係る光学装置の構造を表す分解斜視図である。 第5実施形態の要部を示す分解斜視図である。 第6実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図19の組立分解図。 第6実施形態における楔状スペーサの配置及び作用を示す説明図。 第7実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図22の組立分解図。 第8実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図24の組立分解図。 第9実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図26の組立分解図。 第10実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図28の組立分解図。 第11実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図30の組立分解図。 プリズムに貼り付けられたサファイア板と台座とを示す説明図。 第12実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図33の組立分解図。 前記第12実施形態の台座と保持部材を一体化した斜視図。 第13実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図36の組立分解図。 前記第13実施形態の台座と保持部材を一体化した斜視図。 第14実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図39の組立分解図。 前記第14実施形態の台座と保持部材を一体化した斜視図。 第15実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図42の組立分解図。 第16実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 図44の組立分解図。 第17実施形態に係る光学装置の構造を表す斜視図。 プリズムに貼り付けられたサファイア板と台座とを示す説明図。 保持部材のピン形状の変形例を表す拡大図。 台座形状の変形例を表す平面図および断面図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、441,441R,441G,441B・・・液晶パネル、442・・・光束入射側および射出側の偏光板、443・・・保持枠、443D・・・孔、443C・・・開口部、444A・・・凹形枠体、444B・・・支持板、445・・・台座、445A・・・凹部、445B・・・取付部、446・・・保持部材、446A・・・矩形板状体、446B・・・開口部、446C・・・係合溝、446D・・・起立片であるリブ、446F・・・凸部、446K・・・支持片、446M・・・支持面、446M1・・・支持面、447A・・・突起部であるピン、447B,447C・・・起立片、448A,448B・・・楔状スペーサ、45・・・クロスダイクロイックプリズム、47・・・光学部品用筐体、473・・・筐体の取付部。

Claims (16)

  1. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学素子とが一体的に設けられた光学装置であって、
    前記光変調装置を保持し、該光変調装置の画像形成領域に対応する部分に開口を有してなる保持枠と、
    前記保持枠の側縁を覆うように形成された起立片と、前記保持枠の前記色合成光学素子側の面を支持する支持片とを有し、前記色合成光学素子の光束入射端面に対して直接固定される保持部材と、
    前記保持枠と前記保持部材の前記起立片との間に配置されるスペーサと、
    前記色合成光学素子の光束入射端面と交差する一対の端面のうち、少なくとも一方に固定される台座と、を備え、
    前記台座と前記保持部材とは、熱伝導性金属または熱伝導性樹脂で構成され、
    前記保持枠は、前記スペーサを介して前記保持部材に固定されていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記熱伝導性金属または熱伝導性樹脂の熱伝導率は3W/(m・K)以上であることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学装置において、
    前記保持部材は、前記色合成光学素子との接合面に凸部を有しており、前記色合成光学素子と該凸部とによって、前記色合成光学素子と前記保持部材との間に部分的な隙間が形成されることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
    前記色合成光学素子と前記台座とが熱伝導性接着剤で固着されていることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
    前記色合成光学素子と前記保持部材とが熱伝導性接着剤で固着されていることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置において、
    前記保持部材と前記保持枠とが熱伝導性接着剤で固着されていることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項6に記載の光学装置において、
    前記起立片と前記保持枠との間の隙間が熱伝導性接着剤で充填されていることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項4から請求項7のいずれかに記載の光学装置において、
    前記接着剤は、金属材料を含んで構成されていることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の光学装置において、
    前記保持枠は、熱伝導性金属または熱伝導性樹脂によって構成されていることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学装置において、
    前記保持枠は、前記光変調装置を収納する凹形枠体と、収納された光変調装置を押圧固定する支持板とを備えて構成されていることを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光変調装置は、一対の基板と、前記一対の基板の少なくとも一方に固着された光透過性防塵板と、を備えており、前記光透過性防塵板の熱伝導率は、前記基板の熱伝導率よりも高いことを特徴とする光学装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光学装置において、
    前記色合成光学素子の光入射端面には、該色合成光学素子を形成する物質より熱伝導率の高い光透過性板が設けられており、前記光透過性板と前記台座とは、熱伝導可能に結合されていることを特徴とする光学装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の光学装置において、
    前記台座は、強制冷却を行う放熱装置に接続されていることを特徴とする光学装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の光学装置と、前記光学装置によって形成された画像を投写する投写レンズと、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  15. 請求項14に記載のプロジェクタにおいて、
    光学系を構成する複数の光学素子を収納する光学部品用筐体を備え、
    前記光学部品用筐体は熱伝導性部材によって構成され、
    前記台座は、該光学部品用筐体に固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
  16. 請求項15に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学装置と前記光学部品用筐体は、外装ケースに収納されており、
    前記外装ケースは熱伝導性部材によって構成され、
    前記光学部品用筐体は前記外装ケースに熱伝導可能な状態で結合されていることを特徴とするプロジェクタ。
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