JP2005257499A - 静電振動型デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 基部、振動子および駆動電極を有する静電振動型の角速度センサにおいて、体格を極力増大させることなく、駆動力を適切に増加させる。
【解決手段】 基部20に対してx方向へ振動可能に設けられた振動子30と、基部20に固定され振動子30をx方向へ駆動振動させるために振動子30に静電気力を印加するための駆動電極40、41とを有する角速度センサS1において、振動子30は平面形状が枠形状をなす枠部31を有し、枠部31の内周にて枠部31に取り囲まれた枠内固定部60が基部20に固定され、駆動電極は、振動子30の外周部に対向配置された第1の駆動電極40a、41aと、枠内固定部60に設けられ枠部31の内周部に対向配置された第2の駆動電極40b、41bとから構成されており、対向背面間隔70には、電位がフローティング状態もしくは枠部31と同じ状態となるダミー部80が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電気力により振動子を駆動振動させる静電振動型デバイスに関し、例えば、静電振動型の角速度センサやアクチュエータ等に適用可能である。
例えば、静電振動型デバイスとして、半導体基板をエッチングして基部、振動子および振動子を駆動させるための駆動電極を形成してなる静電振動型角速度センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このものは、駆動電極によって振動子を所定方向に駆動振動させ、この駆動振動のもと、角速度印加の際にコリオリ力によって振動子が駆動振動方向と直交する方向へ検出振動することで、印加角速度を検出するものである。
特開2001−91265号公報
本発明者は、上記した静電振動型角速度センサについて、試作検討を行った。図5は、上記従来技術に基づいて作製した試作品としての角速度センサの概略平面構成を示す図である。
この試作品は、2枚のシリコン基板が酸化膜を介して貼り合わされたSOI(シリコンオンインシュレータ)基板10を用い、周知の半導体製造技術を用いることで作ることができる。
図5には、一方のシリコン基板(半導体基板)12の平面形状が示されており、この一方のシリコン基板12には、エッチングにて溝12aを形成することにより、各部が形成されている。
振動子30は、一方のシリコン基板12を支持する酸化膜及び他方のシリコン基板を部分的に除去することにより形成された開口部14上に、配置されている。振動子30は、図中のx方向へバネ変形可能な駆動梁33を介して開口部14の外周に位置する基部20に固定されている。この基部20は上記酸化膜及び他方のシリコン基板である。
また、基部20には、振動子30をx方向へ駆動振動させるべく振動子30に静電気力を印加するための櫛歯状の駆動電極40、41が固定されており、この駆動電極40、41は、振動子30の外周部に対向して配置されている。一方、振動子30における駆動電極40、41との対向部は、駆動電極40、41とかみ合うように櫛歯部30aが形成されている。
また、図5において、振動子30の中央部には、y方向へバネ変形可能な検出梁34によって連結された検出用錘部32が形成されている。そして、検出用錘部32に対向する基部20には、検出用電極50が形成され固定されている。
そして、この図5に示す静電振動型角速度センサにおいては、振動子30を一定電圧にして、左右の駆動電極40、41に互いに逆相の交流電圧(駆動信号)を印加することにより、駆動梁33によって振動子30全体がx方向へ駆動振動する。
この振動子30の駆動振動のもと、角速度Ωが印加されると、振動子30にはy方向にコリオリ力が発生し、振動子30のうち検出梁34によって支持された検出用錘部32がそのコリオリ力によってy方向へ振動(検出振動)する。
すると、この検出振動によって、検出電極50と検出用錘部32との間の静電容量が変化する。この容量変化を検出することにより、角速度Ωの大きさを求めることができる。
ところで、コリオリ力は、振動子30の駆動振動の振動速度に比例するため、角速度の感度を高め、精度良く検出するためには、その振動速度を大きくする必要がある。そのためには、駆動電極の個数を多くして駆動力つまり静電気力を大きくすることが必要である。例えば、図5に示すセンサにおいて、駆動電極40、41の櫛歯の本数を増やすことが必要となってくる。
しかし、単純に駆動電極の個数を多くすると、センサを構成する基板の体格が増大してしまい、好ましくない。そこで、本発明者は、第2の試作品として図6に示すような静電振動型角速度センサを試作した。
この図6に示すものは、上記した図5に示す第1の試作品において、振動子30の左右部分を、平面形状が枠形状をなす枠部31としたものである。
そして、基部20に固定されている駆動電極40、41の一部を枠部31の内周に位置させて枠内固定部60とし、この枠部31に取り囲まれた枠内固定部60にも櫛歯状の駆動電極40b、41bを設けている。
つまり、この第2の試作品における駆動電極40、41は、振動子30の外周部に対向して配置された第1の駆動電極40a、41aと、枠内固定部60に設けられ枠部31の内周部に対向して配置された第2の駆動電極40b、41bとにより構成されたものとなる。
このように、振動子30を枠形状とし、その枠部31内にも駆動電極を設けた構成を採用することにより、面積効率の良い駆動電極の増加を図ることができる。そして、第2の駆動電極40b、41bによって櫛歯の本数が増えた分、振動子30に印加される静電気力も大きくなるはずである。
しかし、この図6に示すような構成では、枠内固定部60における第2の駆動電極40b、41bの配置部とは反対側の背面部60aとこの背面部60aに対向する枠部31の内周部との隙間(以下、対向背面間隔という)70において、駆動振動のための静電気力とは反対方向の静電気力が作用することになる。
そのため、せっかく駆動電極を増やしても、それに見合った駆動力の増加、駆動振動速度の増加が得られない。なお、この問題は静電振動型角速度センサに限らず、振動子を枠形状とし該枠部内にも駆動電極を設けた構成を有する静電振動型デバイスにおいて駆動力の増加を図ろうとした場合に、共通して生じる問題である。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、基部、振動子および駆動電極を有する静電振動型デバイスにおいて、体格を極力増大させることなく、駆動力を適切に増加させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板をエッチングすることにより形成されるものであって、基部(20)と、基部(20)に対して可動状態に設けられ所定方向(x)へ振動可能な振動子(30)と、基部(20)に固定され、振動子(30)を所定方向(x)へ駆動振動させるために振動子(30)に静電気力を印加するための駆動電極(40、41)とを有する静電振動型デバイスにおいて、次のような特徴点を有している。
・振動子(30)は、平面形状が枠形状をなす枠部(31)を有しており、基部(20)に固定されるとともに、枠部(31)の内周に位置して枠部(31)に取り囲まれた枠内固定部(60)が形成されていること。
・駆動電極は、振動子(30)の外周部に対向して配置された第1の駆動電極(40a、41a)と、枠内固定部(60)に設けられ枠部(31)の内周部に対向して配置された第2の駆動電極(40b、41b)とから構成されていること。
・枠内固定部(60)における第2の駆動電極(40b、41b)の配置部とは反対側の背面部(60a)と、この背面部(60a)に対向する枠部(31)の内周部との間には、電位がフローティング状態もしくは枠部(31)と同じ状態となるダミー部(80)が設けられていること。
これらの点を特徴とする本発明の静電振動型デバイスによれば、振動子(30)を枠形状とし、その枠部(31)内にも第2の駆動電極(40b、41b)を設けた構成を有するため、基板の体格の増大を極力抑え、面積効率の良い駆動電極の増加が図れる。
そして、枠内固定部(60)における第2の駆動電極(40b、41b)の配置部とは反対側の背面部(60a)と、この背面部(60a)に対向する枠部(31)の内周部との間、すなわち、対向背面間隔(70)に、電位がフローティング状態もしくは枠部(31)と同じ状態となるダミー部(80)が設けられているため、対向背面間隔(70)における静電気力は、ダミー部(80)により緩和され低減される。
よって、本発明によれば、基部(20)、振動子(30)および駆動電極(40、41)を有する静電振動型デバイスにおいて、体格を極力増大させることなく、駆動力を適切に増加させることができる。
ここで、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の静電振動型デバイスにおいて、ダミー部(80)は、電位が枠部(31)と同じ状態となるものであることを特徴としている。
それによれば、ダミー部(80)と枠部(31)との間には、静電気力が作用しないため、駆動振動のための静電気力とは反対方向の静電気力が、振動子(30)に作用することをより適切に抑制することができ、好ましい。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または請求項2に記載の静電振動型デバイスにおいては、枠部(31)は、その一部が切り欠かれた切欠き部(31a)となっており、枠内固定部(60)は、基部(20)との固定部から切欠き部(31a)を介して枠部(31)の内周に入り込んだ形状となっているものにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る静電振動型デバイスとしての角速度センサS1を示す概略平面図であり、図2は、図1中のA−A断面図である。
この角速度センサS1を構成する基板は、図2に示されるように、第1シリコン基板11上に酸化膜13を介して第2シリコン基板12を積層してなる矩形状のSOI基板10である。
ここで、第2シリコン基板12には、エッチング加工を施すことにより溝12aを形成し、当該第2シリコン基板12を振動子30、駆動電極40、41、検出電極50、各梁33、34等に区画している。
また、SOI基板10のうち振動子30に対応した部分においては、第1シリコン基板11および酸化膜13はエッチングにより除去されており、開口部14が形成されている。そして、開口部14の周囲の第1シリコン基板11および酸化膜13が、支持基板すなわち基部20として構成されている。
この振動子30は、第2シリコン基板12の左右両側に位置する平面形状が枠形状をなす2つの枠部31と、各枠部31の間に設けられた平面長方形状の検出用錘部32とよりなる。
そして、振動子30全体は、本例では4つの駆動梁33を介して基部20に連結されている。また、検出用錘部32は、本例では4つの検出梁34を介して枠部31に連結されている。
ここで、駆動梁33は、実質的にx方向にのみ自由度を持つものであり、この駆動梁33によって振動子30全体がx方向へ振動可能となっている。一方、検出梁34は、実質的にy方向にのみ自由度を持つものであり、この検出梁34によって振動子30のうち検出用錘部32がy方向へ振動可能となっている。
また、基部20に固定された第2シリコン基板12のうち枠部31におけるx方向の両外側には、駆動電極40、41が形成されている。
この駆動電極40、41は、振動子30全体をx方向へ駆動振動させるために振動子30に静電気力を印加するためのものである。図1中の左側の駆動電極40を左側駆動電極40、右側の駆動電極41を右側駆動電極41ということにする。
ここで、左側駆動電極40および右側駆動電極41はそれぞれ、振動子30の外周部に対向して配置された第1の駆動電極40a、41aと、振動子30の枠部31の内周部に対向して配置された第2の駆動電極40b、41bとから構成されている。
第2の駆動電極40b、41bは、基部20に固定されている第2のシリコン基板12の一部を枠部31の内周に位置させて、これを枠内固定部60とし、この枠部31に取り囲まれた枠内固定部60に設けたものである。
ここでは、枠部31は、その一部が切り欠かれた切欠き部31aとなっており、枠内固定部60は、基部20との固定部から切欠き部31aを介して枠部31の内周に入り込んだ略T字形状となっている。
そして、本例では、第1および第2の駆動電極40、41は櫛歯状をなしており、各駆動電極40、41に対向する振動子30の部分から突出する櫛歯部30a、30bに対し、互いの櫛歯が噛み合うように対向して配置されている。
また、第2シリコン基板12のうち検出用錘部32におけるy方向の両外側には、検出電極50が形成されている。この検出電極50は、振動子30の駆動振動のもとxおよびy方向と直交するz軸回りに角速度Ωが印加されたときに発生する検出用錘部32のy方向への振動(検出振動)を検出信号として検出するためのものである。
ここで、駆動電極40、検出電極50にはそれぞれ、図示しない回路部とワイヤボンディング等により電気的に接続すためのパッド(駆動電極用パッド)45、パッド(検出電極用パッド)55がアルミ等により形成されている。
また、駆動梁33の基部20との固定部分には、振動子30を上記回路部とワイヤボンディング等により電気的に接続するためのパッド(振動子用パッド)35がアルミ等により形成されている。
さらに、本実施形態では、枠内固定部60における第2の駆動電極40b、41bの配置部とは反対側の背面部60aと、この背面部60aに対向する枠部31の内周部との間、すなわち対向背面間隔70には、電位がフローティング状態もしくは枠部31と同じ状態となるダミー部80が設けられている。
このダミー部80は、第2シリコン基板12の一部として構成されていてもよいし、第2シリコン基板12とは別の半導体などからなる部材から構成されたものでもよいが、ダミー部80は、基部20に対して固定されていることが望ましい。その固定方法は、当業者であれば任意の方法を適切に採用できる。
たとえば、基部20に支持された第2シリコン基板12の部分のうち振動子30および各電極40、41、50とは電気的に独立した部位と、ダミー部80との間に、電気絶縁性部材を橋渡しして、この電気絶縁部材を介して、ダミー部80を基部20に支持すればよい。
あるいは、ダミー部80は、電気絶縁性の接合部材などを介して、枠内固定部60の適所に固定されたものとしてもよい。また、図1に示される各部を区画する溝12aのパターンは一例を示すものであり、溝12aのパターンを変更すれば、ダミー部80を基部20に片持ち支持させることも可能である。
ただし、ダミー部80は、振動子30の枠部31および枠内固定部60に対して接触することの無い範囲内で可動する構造でもよい。
そして、ダミー部80を、枠部31と同じ電位状態すなわち振動子30と同じ電位状態とするには、たとえばダミー部80に導通する電極を適所に設け、この電極を介して振動子30と同じ電圧をダミー部80に印加するようにすればよい。
次に、角速度センサS1の製造方法について、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板を用いた例として述べる。図3および図4は、角速度センサS1を製造するための製造方法を示すもので、上記図2に沿った断面に対応して、各工程中のワークを示したものである。
まず、図3(a)に示されるように、単結晶シリコンからなる第1および第2シリコン基板11、12の間に酸化膜(例えば厚さ1μm)13を挟んでなるSOI基板10を用意する。
そして、第2シリコン基板12の全面に表面抵抗値を下げ、次工程にて形成されるアルミニウムからなる上記各パッド35、45、55(図中では、パッド45が図示されている)との接触抵抗を下げるために、例えばリンを高濃度に拡散(N+ 拡散)する。
続いて、SOI基板10の表面(第2シリコン基板12)にアルミニウムを例えば1μm蒸着し、ホト、エッチングを行い、上記各パッド35、45、55を形成する。
続いて、図3(b)に示されるように、SOI基板10の裏面(第1シリコン基板11)を切削研磨(バックポリッシュ)することにより所定の厚さ(例えば300μm)とし、且つ鏡面仕上げする。
続いて、図3(c)に示されるように、SOI基板10の裏面(第1シリコン基板11)にプラズマSiN膜300を堆積(例えば0.5μm)し、ホトパターンを形成し、プラズマSiN膜300をエッチングすることにより所定の領域を開口する。
続いて、図4(a)に示されるように、第2シリコン基板12の表面に、上記振動子30、駆動電極40、41、検出電極50、各梁33、34、さらには対向背面間隔70におけるダミー部80等を画定するパターンをレジストで形成し、ドライエッチングにより垂直に酸化膜13までトレンチすなわち溝12aを形成する。
続いて、図4(b)に示されるように、第1シリコン基板11を、プラズマSiN膜300に形成したパターンをマスクとして、例えばKOH水溶液で深くエッチングする。
このとき、酸化膜13までエッチングを進めると、エッチング液の圧力により酸化膜13が破れてSOI基板10を破損するため、酸化膜13が破れないように、例えば第1シリコン基板11のシリコンを10μm残してエッチングを終了できるようエッチング時間を管理する。
続いて、図4(c)に示されるように、プラズマドライエッチングにより、図4(b)の工程で残したSiをエッチング除去する。このとき、SOI基板10の裏面のプラズマSiN膜300は同時に除去される。
最後に、図4(d)に示されるように、酸化膜13をドライエッチングによって除去して、上記振動子30等を形成する。なお、ダミー部80は、酸化膜13を除去する前に基部20に固定することが必要である。こうして、角速度センサS1が完成する。この後、上記各パッド35、45、55は、ワイヤボンディング等により、上記回路部と電気的に接続される。
かかる角速度センサS1の作動について述べる。上記した回路部から振動子用パッド35を介して振動子30に一定電圧を印加するとともに、駆動電極用パッド45を介して図1中の左右の駆動電極40、41に互いに逆相の交流電圧(駆動信号)を印加する。
それによって、左右それぞれにおいて振動子30の櫛歯部30a、30bと駆動電極40、41との間に静電気力(つまり、静電引力)が発生し、駆動梁33によって振動子30全体がx方向へ駆動振動する。
この振動子30の駆動振動のもと、z軸回りに角速度Ωが印加されると、振動子30にはy方向にコリオリ力が印加され、振動子30のうちの検出用錘部32が検出梁34によってy方向へ振動(検出振動)する。
すると、この検出振動によって、検出電極50と検出用錘部32との間の静電容量が変化し、この容量変化を検出電極50から検出することにより、角速度Ωの大きさを求めることができる。
ところで、本実施形態によれば、基部20と、この基部20に対して可動状態に設けられ所定方向すなわちx方向へ振動可能な振動子30と、基部20に固定され振動子30をx方向へ駆動振動させるために振動子30に静電気力を印加するための駆動電極40、41とを有する静電振動型デバイスとしての角速度センサS1において、次のような特徴点を有している。
・振動子30は、平面形状が枠形状をなす枠部31を有しており、枠部31の内周に位置して枠部31に取り囲まれた枠内固定部60が基部20に固定されて設けられていること。
・駆動電極は、振動子30の外周部に対向して配置された第1の駆動電極40a、41aと、枠内固定部60に設けられ枠部31の内周部に対向して配置された第2の駆動電極40b、41bとから構成されていること。
・枠内固定部60における第2の駆動電極40b、41bの配置部とは反対側の背面部60aと、この背面部60aに対向する枠部31の内周部との間には、電位がフローティング状態もしくは枠部31と同じ状態となるダミー部80が設けられていること。
これらの点を特徴とする本実施形態の角速度センサS1によれば、振動子30を枠形状とし、その枠部31内にも第2の駆動電極40b、41bを設けた構成を有するため、基板の体格の増大を極力抑え、面積効率の良い駆動電極の増加が図れる。
そして、対向背面間隔70に、電位がフローティング状態もしくは枠部31と同じ状態となるダミー部80が設けられているため、対向背面間隔70における静電気力は、ダミー部80により緩和され低減される。
つまり、枠内固定部60における第2の駆動電極40b、41bの配置部とは反対側の背面部60aと、この背面部60aに対向する枠部31の内周部とが、両者間に介在するダミー部80によって、直接、面していないため、駆動振動を阻害する静電気力が背面部60aから枠部31に作用する度合が、緩和される。
よって、本実施形態によれば、基板をエッチングすることにより、基部20、振動子30および駆動電極40、41を形成してなる静電振動型デバイスとしての静電振動型角速度センサS1において、体格を極力増大させることなく、駆動力を適切に増加させることができる。
ここで、本実施形態においては、ダミー部80は、電位が枠部31すなわち振動子30と同じ状態であることが好ましい。それによれば、ダミー部80と枠部31との間には、静電気力が作用しないため、駆動振動のための静電気力とは反対方向の静電気力が、振動子30に作用することをより適切に抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、上記角速度センサでは、裏面加工型の角速度センサであったが、表面加工型すなわちSOI基板10の酸化膜13の犠牲層エッチングを行ったり、表面からトレンチエッチングおよびサイドエッチングを行ったりすることにより振動子30等を形成するものでもよい。この場合、ダミー部80は、その下の酸化膜13を残すようにエッチングすることより基部20への支持がなされる。
また、本発明は、上記した角速度センサ以外にも、静電振動型のアクチュエータ等にも適用して良い。
要するに、本発明は、基板をエッチングすることにより、基部、振動子および駆動電極を形成してなり、さらに振動子を枠形状とし該枠部内にも駆動電極を設けた構成を有する静電振動型デバイスに適用可能である。
本発明の実施形態に係る角速度センサの概略平面図である。 図1中のA−A断面図である。 上記実施形態に係る角速度センサの製造方法を示す工程図である。 図3に続く製造方法を示す工程図である。 本発明者が試作した第1の試作品としての角速度センサの概略平面図である。 本発明者が試作した第2の試作品としての角速度センサの概略平面図である。
符号の説明
20…基部、30…振動子、31…枠部、31a…切欠き部、
40、41…駆動電極、40a、41a…第1の駆動電極、
40b、41b…第2の駆動電極、60…枠内固定部、
60a…枠内固定部における背面部、70…対向背面間隔、80…ダミー部。

Claims (3)

  1. 基部(20)と、
    前記基部(20)に対して可動状態に設けられ所定方向(x)へ振動可能な振動子(30)と、
    前記基部(20)に固定され、前記振動子(30)を前記所定方向(x)へ駆動振動させるために前記振動子(30)に静電気力を印加するための駆動電極(40、41)とを有する静電振動型デバイスにおいて、
    前記振動子(30)は、平面形状が枠形状をなす枠部(31)を有しており、
    前記基部(20)に固定されるとともに、前記枠部(31)の内周に位置して前記枠部(31)に取り囲まれた枠内固定部(60)が形成されており、
    前記駆動電極は、前記振動子(30)の外周部に対向して配置された第1の駆動電極(40a、41a)と、前記枠内固定部(60)に設けられ前記枠部(31)の内周部に対向して配置された第2の駆動電極(40b、41b)とから構成されており、
    前記枠内固定部(60)における第2の駆動電極(40b、41b)の配置部とは反対側の背面部(60a)と、この背面部(60a)に対向する前記枠部(31)の内周部との間には、電位がフローティング状態もしくは前記枠部(31)と同じ状態となるダミー部(80)が設けられていることを特徴とする静電振動型デバイス。
  2. 前記ダミー部(80)は、電位が前記枠部(31)と同じ状態となるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電振動型デバイス。
  3. 前記枠部(31)は、その一部が切り欠かれた切欠き部(31a)となっており、
    前記枠内固定部(60)は、前記基部(20)との固定部から前記切欠き部(31a)を介して前記枠部(31)の内周に入り込んだ形状となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電振動型デバイス。
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