JP2005257434A - 移動体検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子を用い、これにバイアス磁石によりバイアス磁界を印加する場合に、前記磁気抵抗素子の磁気特性の上限又は下限飽和領域にバイアス点を移動させて、温度ドリフト、磁性材移動体のぶれ、外乱ノイズ等による検出波形変動を抑制する。
【解決手段】 凸部2を有する軟磁性体歯車1と、バイアス磁石5と、歯車1で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子R1〜R4とを有し、歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、前記素子R1〜R4位置での磁界が、前記素子R1〜R4のピン層磁化方向に順平行又は反平行の成分を有し、前記凸部2による磁界変化を受ける第2状態では、前記素子R1〜R4位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転する構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性材移動体の移動に伴う磁界変化を検出する移動体検出装置に係り、特に工業用工作機械や、自動車のエンジン等に用いられる軟磁性体歯車の回転情報を検出する場合等に用いて好適な移動体検出装置に関するものである。
従来、回転センサ等に用いる移動体検出装置としては、下記特許文献1に示す強度検知型巨大磁気抵抗素子(以下、強度検知型GMR素子)を用いたものが知られている。
特開平9−329461号公報 この特許文献1の検出装置は、磁性材移動体としての歯車と磁石間に強度検知型GMR素子を配置した構成において、ヒステリシスを持った強度検知型GMR素子であっても、その感磁面中心と、磁石の中心とをずらして配置することで、抵抗値の変化範囲が対称となるように定め、歯車の凹凸のエッジに対応した波形を得ている。その際の波形を図10に示す。図10中、(A)は磁性材移動体としての歯車の凸部に対応した強度検知型GMR素子の検出波形であり、Vta,Vtbは強度検知型GMR素子の検出波形を波形整形する場合のスレッショルド電圧を示す。同図(B)は波形整形後の矩形波出力である。
図11は強度検知型GMR素子の磁気特性であり、ヒステリシス特性を有している。前記特許文献1の装置では2対の強度検知型GMR素子を用いてホイートストンブリッジ回路を組む場合、対をなす強度検知型GMR素子の一方は曲線の右側、他方は同曲線の左側の互いに対称的な動作点となるようにして、正方向の検出波形と負方向の検出波形が同程度のピークを有するように設定している。
ところで、前述したように特許文献1の検出装置で用いていたGMR素子は、磁界強度依存型(多層膜型)であり、図11の特性図に示すようにヒステリシスを持っている。ホイートストンブリッジ回路から取り出した検出信号は図10(A)のように上下にピークを持つ波形である。図10(A)のVtaは立ち上がりスレッショルド電圧であり、Vtbは立下りスレッショルド電圧である。このようにスレッショルド電圧に幅を持たせることで、温度ドリフトによって多少の検出波形の上下移動が生じたとしても、検出波形がスレッショルド電圧を横切るように工夫されている。ところが、図12(A)の歯車の凸部に対応した強度検知型GMR素子の検出波形、図12(B)の波形整形後の矩形波出力との関係において、さらなる温度ドリフトにより、検出波形やスレッショルド電圧Vta,Vtbがシフトすると、図13の検出波形スレッショルド付近拡大図(温度ドリフト時)に示すように検出波形の裾部分にスレッショルド電圧がかかるようになり、図12(B)の矩形波のパルス幅T1、T2、T3が異なる値を取る、つまり歯車凸部毎に異なる矩形波出力になるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑み、感磁素子としてピン層磁化方向に順平行、反平行の磁界成分で作動するスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子(以下、SV−GMR素子)を用い、これにバイアス磁石によりバイアス磁界を印加する場合に、前記SV−GMR素子磁気特性の上限又は下限飽和領域にバイアス点を移動させることにより、磁性材移動体の移動による磁界変化を、前記SV−GMR素子の急峻な抵抗変化を利用して検出することができ、SV−GMR素子や検出信号を得るための回路素子の温度ドリフト、磁性材移動体としての歯車の軸ぶれ、その他外乱ノイズ等による検出波形変動に強い(影響されにくい)検出信号を得ることが可能な移動体検出装置を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、少なくとも1つの凸部又は凹部を有する磁性材移動体と、磁界を発生するバイアス磁石と、前記磁性材移動体で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するSV−GMR素子とを有する移動体検出装置であって、
前記磁性材移動体の凸部又は凹部による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界が、前記SV−GMR素子のピン層磁化方向に順平行又は反平行の成分を有し、
前記凸部又は凹部による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転することを特徴としている。
本願請求項2の発明に係る移動体検出装置は、請求項1において、前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記SV−GMR素子が配置され、かつ前記バイアス磁石の中心に対して前記SV−GMR素子の中心を前記磁性材移動体の移動方向にずらしたことを特徴としている。
本願請求項3の発明に係る移動体検出装置は、請求項1において、前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記SV−GMR素子が配置され、かつ前記SV−GMR素子の感磁面と前記バイアス磁石の磁極面とが非平行となるように前記磁極面を傾斜させたことを特徴としている。
本願請求項4の発明に係る移動体検出装置は、請求項1において、前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記SV−GMR素子が配置され、かつ前記バイアス磁石の磁極面の前記磁性材移動体の移動方向にずらした位置にヨークを部分配置したことを特徴としている。
本願請求項5の発明に係る移動体検出装置は、請求項1において、前記磁性材移動体が外周に凸部又は凹部を有する回転部材であり、該回転部材の外周と前記バイアス磁石間に前記SV−GMR素子が配置され、かつ前記回転部材の回転中心は、前記バイアス磁石中心と前記SV−GMR素子中心とを通過する直線からずれた位置にあることを特徴としている。
本願請求項6の発明に係る移動体検出装置は、請求項1,2,3,4又は5において、前記SV−GMR素子が少なくとも1対設けられていて、対をなすSV−GMR素子のピン層磁化方向が互いに逆向きとなっていることを特徴としている。
本発明に係る移動体検出装置は、少なくとも1つの凸部又は凹部を有する磁性材移動体と、磁界を発生するバイアス磁石と、前記磁性材移動体で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するSV−GMR素子とを用いる場合において、前記磁性材移動体の凸部又は凹部による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界が、前記SV−GMR素子のピン層磁化方向に順平行又は反平行の成分を有し、前記凸部又は凹部による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転するようにしたので、SV−GMR素子等の温度ドリフト、磁性材移動体としての歯車の軸ぶれ、その他外乱ノイズ等に起因する検出波形変動を少なくでき、信頼性の高い検出信号を得ることできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、移動体検出装置の実施の形態を図面に従って説明する。
図1乃至図5で本発明に係る移動体検出装置の実施の形態1を説明する。この実施の形態1は磁性材移動体として軟磁性体歯車の回転検出を行う回転センサを構成した場合を示し、図1は磁性材移動体としての軟磁性体歯車1、SV−GMR素子10、及びこれにバイアス磁界を印加するバイアス磁石5の配置図である。
本実施の形態では、磁性材移動体である軟磁性体歯車1で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するGMR素子として、SV−GMR素子を用いており、その模式的な膜構成及び磁気特性を図2に示す。SV−GMR素子は、磁化方向が一方向に固定された強磁性体のピン層と、電流が主として流れる非磁性体を介して前記ピン層に積層された強磁性体のフリー層とを有し、ピン層は外部磁界(外部磁束)によって磁化方向は変化せず、フリー層は外部磁界(外部磁束)の方向に磁化される。ここで、ピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界の方向)とが直交しているとき(図2(a)のθ=0のとき)、抵抗変化率(ΔR/R)は0である。ピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界Hの方向)とが平行であるが向きが逆のとき、つまり反平行のとき、抵抗変化率はプラスとなり、図2(a)の高抵抗状態となる。また、ピン層の磁化方向とフリー層の磁化方向(つまり外部磁界Hの方向)とが平行でかつ向きが同じとき、つまり順平行のとき、抵抗変化率はマイナスとなり、図2(b)の低抵抗状態となる。
図2のような磁気特性を有するSV−GMR素子10は、図1のように磁性材移動体としての軟磁性体歯車1とバイアス磁石5間に配置され、SV−GMR素子10の感磁面は歯車1の外周面に対向している。バイアス磁石5は、例えば軟磁性体歯車1の外周面に対向する面にN極、反対面にS極を有する永久磁石であり、N極面と軟磁性体歯車1間にSV−GMR素子10が位置するとともに、バイアス磁石5の中心軸P(磁極面の中心軸)に対してSV−GMR素子の中心は歯車1の凸部2の移動方向(図1の左右方向)にずれた配置となっている。なお、図1ではSV−GMR素子の中心を通りその感磁面に垂直な直線Qは歯車1の回転中心を通るように設定している。
図1のように、バイアス磁石5の中心軸Pに対してSV−GMR素子の中心を歯車1の凸部2の移動方向(図1の左右方向)にずらした配置とする理由は、図3及び図4(A)のように、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態において、SV−GMR素子位置での磁界がピン層磁化方向に順平行又は反平行の成分を有するようにして、SV−GMR素子10のバイアス点が下限飽和域(又は上限飽和域)となるように設定するためである。
図4は軟磁性体歯車1が回転するのに伴うSV−GMR素子の動作点の軌跡を太線で示し、同図(A)では軟磁性体歯車1の凸部2がSV−GMR素子 10からかなり離れた位置にあり、バイアス磁石5のバイアス磁界によるSV−GMR素子のピン層磁化方向と平行で向きが同じ順平行の磁界成分によって下限飽和域の動作点となるようにバイアスされている(SV−GMR素子が低抵抗となる第1状態)。
図4(B)のように軟磁性体歯車1の回転に伴い凸部2がSV−GMR素子10の右側に近接することで、SV−GMR素子位置での磁界はその影響を受けてピン層磁化方向と平行で向きが逆の反平行の磁界成分を持つようになり、SV−GMR素子の動作点は上限飽和域に移行する(SV−GMR素子が高抵抗となる第2状態)。
図4(C)のように軟磁性体歯車1の回転に伴い凸部2がSV−GMR素子10の正面を通過して左側に移行すると、SV−GMR素子位置での磁界はその影響を受けてピン層磁化方向と平行で向きが同じ順平行の磁界成分を再び持つようになり、SV−GMR素子の動作点は下限飽和域に移行し、以後同図(D),(A)を経て(B)でピン層磁化方向に平行な磁界成分の向きが反転するまでSV−GMR素子が低抵抗となった第1状態を維持する。
従って、SV−GMR素子の検出波形は軟磁性体歯車1の凸部2の片エッジのみに反応し、凸部2の1回の通過に対して図3(B)のような検出信号波形を得ることができ、立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形することにより、矩形波出力を得ることが可能である。
図5(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応したSV−GMR素子抵抗変化による検出波形、同図(B)は立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力を示す。この場合、SV−GMR素子を下限飽和域及び上限飽和域で動作させることにより、凸部とSV−GMR素子間の取付間隔のばらつきに起因する同図(A)の検出波形の変化は発生せず、安定した矩形波出力を得ることができる。また、矩形波出力を得るための回路素子(波形整形回路等)の温度ドリフトによりスレッショルド電圧が変動してもSV−GMR素子抵抗変化による検出波形が図5(A)のように立ち上がり及び立ち下がり共に急峻であるため、図5(B)の矩形波出力のパルス位置及びパルス幅変動も極めて小さくなる。また、外乱ノイズ等による影響も受けにくくなる。
図6乃至図8は本発明に係る移動体検出装置の実施の形態2であり、4個のSV−GMR素子R1,R2,R3,R4を用いてホイートストンブリッジ回路20を構成し、SV−GMR素子R1,R2,R3,R4の抵抗変化による検出出力を得る構成である。この場合、各SV−GMR素子と軟磁性体歯車1とバイアス磁石5との位置関係は図1の場合と同様であるが、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、第1組のSV−GMR素子R1,R3のピン層磁化方向とバイアス磁石5による当該ピン層磁化方向に平行な磁界成分とが同方向(順平行)であり、第2組のSV−GMR素子R2,R4のピン層磁化方向とバイアス磁石5による当該ピン層磁化方向に平行な磁界成分とは逆方向(反平行)である。なお、図6では各SV−GMR素子R1,R2,R3,R4は軟磁性体歯車1の回転面に垂直な直線上に配置されているが、軟磁性体歯車1の回転面に平行で回転方向に直交した方向(軟磁性体歯車1の径方向)に各SV−GMR素子R1,R2,R3,R4を重ねて配置してもよい。
前記ホイートストンブリッジ回路20は、SV−GMR素子R1,R2の対と、もう一つのSV−GMR素子R3,R4の対とで構成され、このホイートストンブリッジ回路には一定の供給電圧Vinが供給されるようになっている。検出出力VoutはR1,R2の接続点とR3,R4の接続点間の電位差として得られる。
図7はSV−GMR素子R1,R2,R3,R4を用いたホイートストンブリッジ回路20から矩形波出力を得るための回路構成であり、ホイートストンブリッジ回路20の検出出力Voutは差動増幅器21で増幅された後、コンパレータ22で立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbと比較されて波形整形され、出力回路23から矩形波出力が得られる。
図8は実施の形態2の場合における温度ドリフト時の出力波形の例であり、図8(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応したホイートストンブリッジ回路20の検出波形、同図(B)は前記検出波形を立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力を示す。図8(A)のように、ドリフト前は直線位置にあった立下りスレッショルド電圧Vtbがドリフト後に点線位置に変化したとき、検出波形は立ち上がり及び立ち下がり共に極めて急峻であるため、同図(B)の矩形波出力のパルス位置及びパルス幅T1,T2,T3の変動は極めて僅かである(SV−GMR素子1個使用の場合よりもさらに改善される)。また、スレッショルド電圧のドリフト範囲に余裕が生じるため、強度検知型GMR素子よりも温度ドリフト等に影響されにくい検出出力波形を得ることができる。さらに、ホイートストンブリッジ回路20を組むことで、SV−GMR素子単独使用の4倍の検出出力を得ることができ、磁性材移動体としての軟磁性体歯車の軸ぶれ、その他外乱ノイズ等に影響されにくい矩形波出力信号を得ることか可能である。
図9は本発明に係る移動体検出装置の実施の形態3〜6をそれぞれ示す。図9(A)は実施の形態3であり、SV−GMR素子10は、磁性材移動体としての軟磁性体歯車1とバイアス磁石5間に配置され、SV−GMR素子10の感磁面は歯車1の外周面に対向している。SV−GMR素子の中心を通りその感磁面に垂直な直線Qは歯車1の回転中心を通り、この直線Qに対して左右方向にずれた位置にバイアス磁石5が傾斜配置されている(SV−GMR素子10の感磁面と磁石5の磁極面が非平行)。バイアス磁石5の傾斜方向は、例えばその中心軸P(磁極面の中心軸)がSV−GMR素子中心の近傍を通過する向きである。これにより、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、SV−GMR素子位置での磁界が、SV−GMR素子10のピン層磁化方向に順平行(又は反平行)の成分を有し、凸部2による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転するように設定できる。
図9(B)は実施の形態4であり、SV−GMR素子10は、磁性材移動体としての軟磁性体歯車1とバイアス磁石5間に配置され、SV−GMR素子10の感磁面は歯車1の外周面に対向している。SV−GMR素子の中心を通りその感磁面に垂直な直線Qは歯車1の回転中心を通り、この直線Q上にバイアス磁石5が配置されている(直線Qと磁石5の中心軸Pとが一致してよい)。但し、バイアス磁石5の磁極面の軟磁性体歯車1の移動方向にずらした位置に磁性体ヨーク30を部分配置し、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態において、SV−GMR素子位置での磁界が、SV−GMR素子10のピン層磁化方向に順平行(又は反平行)の成分を有するように設定する。
これにより、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、SV−GMR素子位置での磁界が、SV−GMR素子10のピン層磁化方向に順平行(又は反平行)の成分を有し、凸部2による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転するように設定できる。
図9(C)は実施の形態5であり、SV−GMR素子10は、磁性材移動体としての軟磁性体歯車1とバイアス磁石5間に配置され、SV−GMR素子10の感磁面は歯車1の外周面に対向している。また、バイアス磁石5はその中心軸P(磁極面の中心軸)が歯車1の回転中心を通過する配置であり、SV−GMR素子10の中心は中心軸Pの左右方向、つまり歯車1の移動方向にずらした配置となっている。
これにより、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、SV−GMR素子位置での磁界が、SV−GMR素子10のピン層磁化方向に順平行(又は反平行)の成分を有し、凸部2による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転するように設定できる。
図9(D)は実施の形態6であり、SV−GMR素子10は、磁性材移動体としての軟磁性体歯車1とバイアス磁石5間に配置され、SV−GMR素子10の感磁面は歯車1の外周面に対向している。また、バイアス磁石5の中心軸P(磁極面の中心軸)上にSV−GMR素子10の中心が位置している(磁石5の中心軸PとSV−GMR素子の中心を通る直線Qが一致してよい)。但し、回転部材としての軟磁性体歯車1の回転中心は、前記バイアス磁石5とSV−GMR素子中心とを通過する直線から移動方向にずれた位置にある。
これにより、軟磁性体歯車1の凸部2による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、SV−GMR素子位置での磁界が、SV−GMR素子10のピン層磁化方向に順平行(又は反平行)の成分を有し、凸部2による磁界変化を受ける第2状態では、前記SV−GMR素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転するように設定できる。
上記実施の形態3〜6の構成によっても、軟磁性体歯車1の回転に伴って前記第1状態(動作点:下限飽和域)から第2状態(動作点:上限飽和域)に移行し、第2状態から第1状態に戻ることで、実施の形態1の場合と同様にSV−GMR素子の抵抗変化を検出できる。得られる効果も実施の形態1と同様である。なお、実施の形態3〜6において、実施の形態2のように4個のSV−GMR素子を用いてホイートストンブリッジ回路を構成して、検出出力を得てもよい。
上記実施の形態1〜6では磁性材移動体として、回転する軟磁性体歯車の凸部が1個の場合を示したが、凸部又は凹部が回転する軟磁性体歯車の外周面に周期的に設けられた磁性材移動体を用いることができる。さらに、磁性材移動体が、軟磁性体の直線移動体に1個又は複数個の凸部又は凹部を設けた構成であってもよい。
また、一対のSV−GMR素子R1,R2(ピン層磁化方向が互いに逆向き)を用い、他のSV−GMR素子R3,R4の代わりに固定抵抗を用いてホイートストンブリッジ回路を構成してもよいし、SV−GMR素子R1,R3(ピン層磁化方向が同じ向き)を用い、他のSV−GMR素子R2,R4の代わりに固定抵抗を用いてホイートストンブリッジ回路を構成してもよい。これらの場合、1個のSV−GMR素子を用いる場合の2倍の検出出力を得ることができる。
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
本発明に係る移動体検出装置の実施の形態1であって、移動体検出装置の構成を示す模式的配置図である。 本発明の実施の形態で用いるSV−GMR素子の膜構成及び磁気特性を示す説明図である。 実施の形態1におけるSV−GMR素子の動作説明であり、(A)はバイアス磁石の磁界によるSV−GMR素子のバイアス点を示す説明図、(B)はSV−GMR素子の抵抗変化による検出波形を示す波形図である。 実施の形態1の場合の動作図である。 実施の形態1の出力波形の説明であり、(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応したSV−GMR素子抵抗変化による検出波形図、(B)は検出波形を立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力波形図である。 本発明に係る移動体検出装置の実施の形態2であって、移動体検出装置の構成を示す模式的斜視図及びホイートストンブリッジ回路図である。 SV−GMR素子のホイートストンブリッジ回路の検出出力を増幅処理する処理回路のブロック図である。 実施の形態2における出力波形の説明であり、(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応したホイートストンブリッジ回路の検出波形図、(B)は検出波形を立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力波形図である。 本発明に係る移動体検出装置の他の実施の形態であって、(A)は実施の形態3、(B)は実施の形態4、(C)は実施の形態5、(D)は実施の形態6をそれぞれ示す模式的配置図である。 従来の強度検知型GMR素子を用いた移動体検出装置における出力波形の説明であり、(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応した強度検知型GMR素子抵抗変化による検出波形図、(B)は検出波形を立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力波形図である。 強度検知型GMR素子の磁気特性及びバイアス点を示す説明図である。 温度ドリフト時の従来装置における出力波形の説明であり、(A)は軟磁性体歯車の凸部に対応した強度検知型GMR素子抵抗変化による検出波形図、(B)は検出波形を立ち上がりスレッショルド電圧Vta、立下りスレッショルド電圧Vtbで波形整形した矩形波出力波形図である。 温度ドリフト時の検出波形スレッショルド付近拡大図である。
符号の説明
1 軟磁性体歯車
2 凸部
5 バイアス磁石
10,R1,R2,R3,R4 SV−GMR素子
20 ホイートストンブリッジ回路
21 差動増幅器
22 コンパレータ
23 出力回路
30 磁性体ヨーク

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの凸部又は凹部を有する磁性材移動体と、磁界を発生するバイアス磁石と、前記磁性材移動体で変化された磁界に対応して抵抗値が変化するスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子とを有する移動体検出装置であって、
    前記磁性材移動体の凸部又は凹部による磁界変化を実質的に受けない第1状態では、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子位置での磁界が、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子のピン層磁化方向に順平行又は反平行の成分を有し、
    前記凸部又は凹部による磁界変化を受ける第2状態では、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子位置での磁界の前記ピン層磁化方向に平行な成分の向きが反転することを特徴とする移動体検出装置。
  2. 前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が配置され、かつ前記バイアス磁石の中心に対して前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子の中心を前記磁性材移動体の移動方向にずらしたことを特徴とする請求項1記載の移動体検出装置。
  3. 前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が配置され、かつ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子の感磁面と前記バイアス磁石の磁極面とが非平行となるように前記磁極面を傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の移動体検出装置。
  4. 前記磁性材移動体と前記バイアス磁石間に前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が配置され、かつ前記バイアス磁石の磁極面の前記磁性材移動体の移動方向にずらした位置にヨークを部分配置したことを特徴とする請求項1記載の移動体検出装置。
  5. 前記磁性材移動体が外周に凸部又は凹部を有する回転部材であり、該回転部材の外周と前記バイアス磁石間に前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が配置され、かつ前記回転部材の回転中心は、前記バイアス磁石中心と前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子中心とを通過する直線からずれた位置にあることを特徴とする請求項1記載の移動体検出装置。
  6. 前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗素子が少なくとも1対設けられていて、対をなすスピンバルブ型巨大磁気抵抗素子のピン層磁化方向が互いに逆向きとなっていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の移動体検出装置。
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