JP2005257430A - 画像形成装置及び画像濃度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像濃度制御部4は、拡散反射用発光素子31が光を照射したときのトナーパッチからの反射光に基づく受光素子32の出力電圧Vpcに対して補正を行い、D1=(Vpc−Vcln-d×C2×C)/(Vref×C1)で示されるD1をトナー濃度として用いて画像濃度制御を行う。なお、D1の式において、Vcln-dは像担持体表面からの拡散反射光に基づく受光素子32の出力電圧、Vrefは基準反射板33からの拡散反射光に基づく受光素子32の出力電圧であり、C1及びC2は補正係数であり、Cはトナーパッチのトナー濃度の増加に応じて減少する補正値である。
【選択図】 図2
Description
図8は、このトナー濃度測定装置を用いた場合における、理想的なカラートナーの出力特性C1と実際の出力特性(測定値)C2とを示した図である。同図に示されているように、実際の出力特性C2はトナー濃度が低いほど理想の出力特性C1とのずれが大きくなり、そのずれ量Δは一定でないから、上述の従来の補正式のように定数であるVerrを減じていたのでは、結局全ての濃度において適切に補正を行うことはできない。すなわちここには、このずれ量Δには上述の光学的誤差以外の要素が含まれていることが示唆されている。
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示した図である。同図に示されているように、画像形成装置100は、画像形成部1と、給紙部2と、トナー濃度測定部3と、画像濃度制御部4とを備える。
鏡面反射用発光素子30及び拡散反射用発光素子31は例えばLED(発光ダイオード)であり、中間転写ベルト15上に形成されたトナーパッチに光を照射する。受光素子32は、鏡面反射用発光素子30及び拡散反射用発光素子31がトナーパッチに光を照射したときの反射光を受光する位置に設けられており、反射光の光量に応じた電圧値を出力する。鏡面反射用発光素子30はK色のトナーパッチの測定に用いられ、拡散反射用発光素子31はYMC各色のトナーパッチの測定に用いられる。これは、なお、以下においては、このYMC各色のトナーパッチをK色のトナーパッチを区別するために、これを「カラートナーパッチ」と称する。
図3はトナーパッチPを示した図である。同図に示されているように、トナーパッチPは中間転写ベルト15上に例えば1cm四方で形成されている。このトナーパッチPは複数の線状のトナー像Tによって形成されており、トナー濃度を増加させたときにはこの線状のトナー像Tの数または太さが増加するようになっている。ここで、トナーパッチP上の中間転写ベルト15が露出している領域をBとすれば、トナーパッチPのトナー濃度を増加させるほど、トナーパッチP上で線状のトナー像Tが占める面積の総和が増加し、逆に中間転写ベルト15が露出している領域Bの総和は減少する。すなわち、トナーパッチのトナー濃度は、トナーパッチを形成しているトナー像の面積比率によって決定される。
本発明者はその後の研究により、上述の光漏れ以外の誤差要因を見出すに至った。まず、本発明者は、特許文献1のトナー濃度測定装置、すなわち本実施形態のトナー濃度測定部3の主要な誤差要因として、上述の光漏れに加えてトナーパッチを測定する像担持体(本実施形態では中間転写ベルト15)からの拡散反射光があると予測した。すなわちこれは、特許文献1のトナー濃度測定装置でトナーパッチの拡散反射光を測定するときには、トナー像の拡散反射光だけでなく像担持体からの拡散反射光をも含んでしまっている、ということを意味している。そのため、本発明者は、上述の従来の補正式の発展形として、数1の補正式を考案した。数1において、Vcln-dはトナーパッチが形成されていない状態の像担持体を測定して得られた測定値(これを濃度0%のトナー濃度とする)であり、C1はVrefに対して重み付けを行うための補正係数であり、この値は画像濃度処理や画質設計において、YMC各色のカラーバランスが良好になるように決定されるパラメータである。
トナー濃度測定部3の制御目標値は、設計時においてはこの3000回の試行の平均値を用いているのだが、この度数分布は平均値が「386」付近である一方、最頻値は「378」付近である。つまりこの度数分布は平均値と最頻値に不一致が生じており、正規分布からは大きく異なる度数分布になっている。このような状態で求められた平均値を制御目標値として用いて画像濃度制御を行っても、制御の結果を精度よく画像形成に反映させることはできない。例えば図7の状態では、最頻値が制御目標値(平均値)よりも低濃度側にあるため、この状態で画像濃度制御を行うと、その結果は理想的な濃度よりも薄くなることが多くなってしまう。
しかし、電圧Vcln-dが電圧Verrを含んでいるゆえに、上述の数2を補正式に用いたのでは誤差が生じることになる。これは、電圧Vcln-dのうち電圧Verrに相当する部分にまで(100−Cin)/100を乗じることになるためである。
本発明者は、上述のようにして導き出された補正式の妥当性を検証すべく実験を行った。実験は、図9に示されるカラートナーの出力特性を理想値として用い、上述した光学的誤差に起因する電圧と中間転写ベルト15からの拡散反射光による電圧は、図10,図11に示されたサンプルデータをベースとし、数1〜3で示した補正式による補正効果を数値シミュレーションにて3000回実行し、得られたトナー濃度の分散と理想値との差分をそれぞれ求めることにより行った。なお、数3の補正式においては、補正係数C2の値を変化させ、C2=0.2(20%),0.5(50%),0.8(80%)の3つの場合についてそれぞれ実験を行った。
なお、図9において、横軸はトナー濃度を示す階級値であり、縦軸は受光素子32の出力電圧(理想値)である。また、図10,図11において、横軸は出力電圧(Verr或いはVcln-d)を示す階級値であり、縦軸はその各階級における度数(出現頻度)である。
また、本実験においては、データはデジタル値としてビット換算した値を用いたため、上述の階級値の単位はビットとなっている。そのため、数1〜3においてもビット換算がなされ、実際には上述した数1〜3の補正式で与えられる値に「1023/3.3」を乗じている。ここで、「1023」はビット数(10ビット)を意味しており、「3.3」は本装置の駆動電圧(3.3V)を意味している。
図12に示されているように、数1,2,3の順に分散σの値が小さくなっていることが明らかとなり、この結果、数3の補正式を用いることで従来よりもさらに高精度なトナー濃度の測定を行うことが可能となることが実証された。同様に、図13においても、数1,2の補正式を用いた場合よりも数3の補正式を用いた場合のほうが、より理想値との差が小さくなることが示されている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、以下のような種々の変形が可能である。
まず、上述の実施形態は、中間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置を例示して説明されたが、本発明の適用はこの種の画像形成装置には限定されず、例えば用紙搬送ベルトを備えた画像形成装置や、或いはいわゆるサイクル方式(ロータリー現像方式)の画像形成装置においても可能である。また、トナーパッチを形成するための像担持体も、上述の実施形態のように中間転写ベルトに限定されず、感光体や用紙搬送ベルトを用いることも可能である。
また、上述の実施形態においては、例えばVcln-d等の値が画像濃度制御部40のメモリ40にあらかじめ記憶されているとしたが、もちろんこのような態様に限定されるものではなく、例えば画像濃度制御を実行する都度測定してもよい。
また、上述の実施形態はYMCK4色のトナーを用いた画像形成装置を例示して説明されたが、他の色のトナーを用いたり、使用するトナーの色数を増減することが容易であるのは言うまでもない。
Claims (6)
- 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段とを有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVpc,
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,
前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVref,
前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1,
前記Vpcに対して、前記トナー像濃度測定手段内部の光学的誤差に起因して定まる補正係数をC2,
前記トナーパッチのトナー濃度の増加に応じて減少する補正値をC
としたとき、前記画像濃度制御手段が
画像形成装置。 - 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段とを有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVpc,
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,
前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVref,
前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1,
前記トナーパッチのトナー濃度の増加に応じて減少する補正値をC
としたとき、前記画像濃度制御手段が
画像形成装置。 - 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段とを有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVpc,
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,
前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVref,
前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1
としたとき、前記画像濃度制御手段が
画像形成装置。 - 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段と
を有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置が行う画像濃度制御方法において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vpcと、前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vrefとを測定するステップと、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1,前記Vpcに対して、前記トナー像濃度測定手段内部の光学的誤差に起因して定まる補正係数をC2,前記トナーパッチのトナー濃度の増加に応じて減少する補正値をCとしたとき、
算出したトナー濃度D1に基づいて前記画像形成条件を補正するステップと
を有する画像濃度制御方法。 - 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段と
を有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置が行う画像濃度制御方法において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vpcと、前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vrefとを測定するステップと、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1,前記トナーパッチのトナー濃度の増加に応じて減少する補正値をCとしたとき、
算出したトナー濃度D2に基づいて前記画像形成条件を補正するステップと
を有する画像濃度制御方法。 - 所定の画像形成条件に従って像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録材に転写する画像形成手段と、
光を照射する発光手段と、前記発光手段によって照射される光を基準反射光として反射する基準反射手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体表面に形成されたトナーパッチに対し前記発光手段が光を照射したときの反射光、または、前記発光手段が前記基準反射手段に光を照射したときの基準反射光を受光し、これらの反射光の光量に応じた値の電圧を出力する受光手段と
を有するトナー濃度測定手段と、
前記トナー濃度測定手段により出力された電圧の値に基づいて前記トナーパッチのトナー濃度を算出し、算出したトナー濃度に基づいて前記画像形成条件を補正する画像濃度制御手段と
を備えた画像形成装置が行う画像濃度制御方法において、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチからの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vpcと、前記発光手段が光を照射したときの前記基準反射手段からの基準反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値Vrefとを測定するステップと、
前記発光手段が光を照射したときの前記トナーパッチが形成されていない前記像担持体表面からの反射光を前記受光手段が受光して出力する電圧の値をVcln-d,前記Vrefに対して重み付けを行うための補正係数をC1としたとき、
算出したトナー濃度D3に基づいて前記画像形成条件を補正するステップと
を有する画像濃度制御方法。
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