JP2005257411A - 光熱変換測定装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試料の光熱効果による特性変化を,安定的に高精度で測定でき,さらに,消費電力の増加や高コスト化,S/N比の低下,測定時間の長時間化を防止しながら高感度に測定できること。及び,試料をセル内に収容して測定する場合であって,前記セルが励起光照射により特性変化を生じた場合であってもこれの影響を受けずに安定した測定結果を得ること。
【解決手段】 試料9内で励起光A及びBを交差させると交差部に干渉縞が生成される。前記試料9内のこの交差部には光熱効果により前記干渉縞に応じた屈折率変化が生じる。
一方,測定光源10から前記励起光と所定の光学的関係を有する測定光を,前記交差部に照射することで,前記交差部からブラッグ条件を満たす極めて強い反射光(回折光)を得ることができる。このブラッグ条件を満たす極めて強い反射光(回折光)を光検出器12で受光し,その強度を測定することによって,前記試料9の特性変化を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は,試料の含有物質等を分析する際に用いられ,励起光を試料に照射したときの光熱効果により試料に生じる屈折率変化に基づく試料の特性変化を測定する光熱変換測定装置及びその方法に関するものである。
各種試料の含有物質等の分析において,分析感度の向上は,試薬の量の低減や試料の濃縮処理の簡素化,分析の効率化及び低コスト化を図る上で重要である。
ところで,試料に励起光を照射すると,その照射部は励起光を吸収することにより発熱する。これを光熱効果といい,この発熱を測定することを光熱変換測定という。
従来,この光熱変換測定による試料の高感度分析法として,光熱効果により試料に形成される熱レンズ効果を用いた手法(以下,熱レンズ法という)があり,熱レンズ法による分析装置(光熱変換分光分析装置)が知られている(例えば,特許文献1参照。)。
図6は,特許文献1に示される熱レンズ法による試料の分析装置の構成図である(特許文献1の図1を引用)。図6に示されるように,励起光源10からの励起光Aは,チョッパ11で断続光に変換(即ち,周期的に強度変調)され,ビームエクスパンダ12,位置制御ミラー30,31,32,レンズ34及び顕微鏡35を介して試料40に照射される。これにより試料40は励起光Aを吸収して発熱し,その屈折率が変化する。
検出光源20からの検出光Bは,ビームエクスパンダ22を介して励起光Aと同軸経路となって位置制御ミラー31,32で反射し,更にレンズ34,顕微鏡35を介して試料40に照射される。そして,試料40を通過した検出光Cは,集光レンズ50により集光され,開口部51A(ピンホール)を通過して検出器53により受光され,その光強度が検出される。ここで,試料40の屈折率変化により検出光Bの試料40中の集光状態が変化するため,ピンホール51Aを通過して得られる検出光Cの強度は,試料40の屈折率の変化(即ち,試料の含有物質量等に応じた光吸収量)に応じて変化する。この検出光Cの強度変化を測定することにより,試料40の屈折率の変化を測定でき,その測定結果により試料40の含有物質の量等を評価することができる。
特開平10−232210号公報
前記熱レンズ法による試料の分析は,試料の発熱による屈折率変化を,測定光(検出光)の集光状態変化による光強度(検出信号の強度)の変化によって検出するものであり,この光強度(検出信号強度)の変化は,試料の屈折率変化だけでなく,検出器53(光電変換手段)の受光位置や測定光の強度及びその強度分布等にも依存する。このため,再現性良く(安定的に)試料を分析(屈折率変化を測定)することが難しいという問題点があった。
測定感度を高め,強い検出信号を受けることができれば,検出器53の受光位置等試料の屈折率変化以外の要因による影響が相対的に小さくなり,この問題を解消することができる。しかしながら,前記特許文献1に記載の発明にあっては,測定感度を高めるために,励起光Aの強度を増大させる,或いは試料通過後の測定光Cを通過させるピンホール51Aの径を小さくする必要があり,励起光Aの強度増大化は消費電力の増加,高コスト化を招き,ピンホール51Aの小口径化は検出器53での受光光量が減少することによるS/N比の低下や,これに伴う測定域の小径化によって測定時間の長時間化を招くという問題点があった。 さらに,一般に,試料はガラス等のセル(容器)に入れて測定されるが,このとき励起光は前記セルを通して試料に照射される。セルにおいて励起光が吸収された場合,励起光照射によってセル自体に温度変化が発生するため,セルの屈折率が変化する。このセルの屈折率の変化によっても,同セルを透過する測定光は偏向するため,分析結果に影響を及ぼす場合がある。特に,試料による前記励起光の吸収が微小である場合,前記セルの温度変化の影響を強く受け,試料の温度変化の測定精度が劣化するという問題点もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,試料の光熱効果による特性変化を,安定的に高精度で測定でき,更に,消費電力の増加や高コスト化,S/N比の低下,測定時間の長時間化を防止しながら高感度かつ容易に測定できる光熱変換測定装置及びその方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は, 試料の測定域を励起する励起光を照射する励起光照射手段と,前記励起光が照射された前記試料の測定域に測定光を照射する測定光照射手段とを具備し,前記励起光が照射された試料の光熱変化により生じる前記試料の特性変化を,前記試料の測定域に照射された前記測定光の変化に基づいて測定する光熱変換測定装置において,前記励起光照射手段から照射された励起光と前記測定光照射手段から照射された測定光との光学的関係を,前記試料に照射された前記測定光からブラッグ条件を満たす反射光または回折光が発生するように設定すると共に,前記試料の特性変化を前記試料に照射された前記測定光から発生するブラッグ条件を満たす反射光または回折光の光強度から検出することを特徴とする光熱変換測定装置として構成される。
後述するように,ブラッグ条件を満たす反射光または回折光の光強度は極めて強く,この反射光または回折光の光強度から試料の特性変化を検出するため,高感度で再現性の良い検出結果を得ることが可能となる。
前記励起光照射手段が二以上の可干渉性励起レーザ光の交差により前記試料の測定域に干渉縞を生成させるものであり,前記励起光照射手段によって干渉縞が生成された前記測定域に前記測定光照射手段から照射された測定光を入射させることによって前記ブラッグ条件を満たす反射光または回折光を発生させるものであっても良い。
これによって,ブラッグ条件を満たす反射光または回折光を発生させるための励起光及び測定光の光学的関係を設定することができる。
前記励起光が周期的に強度変調された光であり,前記測定光の反射光あるいは回折光の強度変化を前記励起光の強度変調周期と同周期成分について測定するものであれば,前記強度変調周期と同じ周期で試料の測定部の特性が変化するので,同じ周期成分を有しないノイズの影響を除去して前記測定光の強度変化に起因する試料の特性変化のみを測定することができ,特性変化検出のS/N比が向上する。
また,本発明は,前記光熱変換測定装置により行われる光熱変換測定方法として捉えたものであってもよい。
即ち,試料の測定域を励起する励起光を照射すると共に,前記励起光が照射された前記試料の測定域に測定光を照射することによって,前記励起光が照射された試料の光熱変化により生じる前記試料の特性変化を,前記試料の測定域に照射された前記測定光の変化に基づいて測定する光熱変換測定方法において,前記励起光照射手段から照射された励起光と前記測定光照射手段から照射された測定光との光学的関係を,前記試料に照射された前記測定光からブラッグ条件を満たす反射光または回折光が発生するように設定すると共に,前記試料の特性変化を前記試料に照射された前記測定光から発生するブラッグ条件を満たす反射光または回折光の光強度から検出することを特徴とする光熱変換測定方法である。
同様に,前記励起光が二以上の可干渉性励起レーザ光であり,これら二以上の可干渉性励起レーザ光の交差により前記試料の測定域に干渉縞を生成させると共に,この干渉縞が生成された前記測定域に測定光を入射させることによって前記ブラッグ条件を満たす反射光または回折光を発生させる光熱変換測定方法であっても良い。
以上のように本発明によれば,測定光の極めて強い反射光または回折光を得ることができ,この反射光または回折光の強度変化から試料の微小な屈折率変化を感度よく検出することができ,かつ試料の特性変化以外の要因による測定結果への影響が相対的に小さくなり,再現性良く試料の分析を行なうことができる。
また,前記反射光または回折光は,試料内部から発生するため,励起光によるセルの特性変化の影響を受けることなく試料の特性変化を測定でき,より精度の高い測定が可能となる。
以下,添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成図,図2は干渉縞の構造を示す概略図,図3は前記第1の実施の形態におけるブラッグ条件が成立する場合をベクトルを用いて説明した概念図,図4は本発明の第2の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成図,図5は前記第2の実施の形態におけるブラッグ条件が成立する場合をベクトルを用いて説明した概念図である。
〈実施の形態1〉 まず,図1の概略構成図を用いて本発明の第1の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成について説明する。
所定の励起光源1から出力された励起光(例えば,波長(λ0)523nm,出力100mWのレーザ(YAG倍波))は,レンズ系3によりビーム径が調整
される。レーザ光はその後,ミラー4によって反射された後,ハーフミラー5によって二分される。二分された励起光A,Bは,それぞれミラー6,7によって反射され,容器(セル)8を通過してセル内の試料9に照射される。ここで,前記ミラー6及び7の設置角度を調整し,前記励起光AとBとを試料9の内部にて交差させると,この交差部では前記励起光AとBとが干渉することにより,試料9内部の励起光交差部に図1に示されるような干渉縞が生成される。
励起光A,Bが照射された試料9が励起光A,Bを吸収して発熱し,その温度変化(上昇)によって試料9の屈折率は変化する(光熱効果)が,この屈折率変化の大きさは干渉縞に応じて空間的に変動することになる。
一方,測定光を出力するレーザ光源10から出力された測定光(例えば,波長(λ)633nm,出力1mWのHe−Neレーザ)は,ビームスプリッタ11を透過し,前記干渉縞が生成された励起光AとBとの交差部(測定部)に照射される。この測定光の試料に対する入射光の波数ベクトルをki,試料からの反射光もしくは回折光の波数ベクトルをkrとすると,kiは前記測定光の進行方向と同方向で大きさが2π/λのベクトル,krは前記測定光の反射光または回折光の進行方向と同方向で大きさが同じく2π/λのベクトルとして定義される。
次に,図2を用いて,この干渉縞の構造について説明する。
図2(a)ないし(c)に示すように励起光Aと励起光Bとを交差角θにて交差させた場合,この交差角θの二等分線Lと平行方向に干渉縞が生成される。ここで交差角とは,交差する二つの励起光がなす角度のうち,小さいほうをいい,図2(a)に示す例では,θ=θA+θB,図2(b)及び(c)に示す例では,θ=180°−(θA+θB)となる(但し,θA,θBは,励起光A,Bそれぞれの試料9の測定面に対する入射角)。また,θ=0°もしくはθ=90°の場合,干渉縞は生成されないため,0°<θ<90°である。
図2(a)に示すようにθ=θA+θBで定義され,かつθA=θBのとき前記干渉縞は試料9の測定面方向に対して水平に生成される。これは図1に示す本発明の第1の実施形態の場合に相当する。
図2(b)に示すようにθ=180°−(θA+θB)で定義され,かつθA=θBのとき前記干渉縞は試料9の測定面方向に対して垂直に生成され,これは図4に示す,後述する本発明の第2の実施形態の場合に相当する。
また,図2(c)に示すようにθA≠θBのとき,前記干渉縞は試料9の測定面方向に対して斜めに生成される。
この干渉縞の間隔Λは下式で表される。
Λ=λ0/(2n・sinθ) ・・・(1)
但し,λ0は励起光の波長,nは試料の屈折率,θは前記交差角である。
また,この干渉縞の格子ベクトルKは,干渉縞方向に対して垂直方向で,大きさ2π/Λで定義されるベクトルである。この格子ベクトルKが前記入射光波数ベクトルki及び前記反射光(回折光)波数ベクトルkrと間に次の(2)式の関係を満たす場合,m次ブラッグ条件が成立し,後述するように測定光の強い反射光若しくは回折光が発生する。
mK=ki−kr ・・・(2)
この測定光のm次ブラッグ条件を満たす反射光もしくは回折光の強度Iは,次式で表される。
I=P・Jm 2(2πΔn・T/λ) ・・・(3)
但し,Pは入射光(測定光)強度,Jmはm次ベッセル関数,Δnは屈折率変化,Tは周期構造の長さ(=Λ×干渉縞の数),λは入射光(測定光)の波長である。
この(3)式より,測定光のブラッグ条件を満たす反射光もしくは回折光の強度Iを測定することによって試料9の屈折率変化Δn(特性変化の一例)を測定できることが分かる。
ここで,前記(3)式を用いて,前記測定光のブラッグ条件を満たす反射光もしくは回折光の強度Iがブラッグ条件を満たさない反射光の強度と比べて高い点について説明する。
例えば,入射光(測定光)の強度P=1,屈折率変化Δn=1E−6,周期構造の長さT=100μm,入射光(測定光)の波長λ=523nmで,一次ブラッグ条件(m=1)の場合,これを(3)式に代入すると,I=3.6E−7となる。
一方,ブラッグ条件を満たさない反射光の屈折率変化に対する反射率Rsは,スネルの法則に従い,
Rs={Δn/(2n+Δn)}2 ・・・(4)
で表される。
今,上と同じ条件で,屈折率変化Δn=1E−6とし,屈折率nを仮に1.3とすると,(4)式よりRs=2.5E−13となる。
入射光(測定光)強度P=1であるため,ブラッグ条件を満たさない反射光の強度I´はI´=2.5E−13となる。
以上のように,ブラッグ条件を満たさない反射光の強度I´は,前記ブラッグ条件を満たす反射光若しくは回折光の強度Iの約1E−6倍と極めて低いことが分かる。すなわち,I´<<Iの関係が成り立ち,ブラッグ条件を満たす反射光若しくは回折光の強度が,ブラッグ条件を満たさない反射光の強度より極めて高いことが分かる。
図1に示される実施形態の場合,試料9に対する励起光A,Bの入射角θAとθBが等しいため,干渉縞は試料9の測定面に対して水平方向に生成される。従って,格子ベクトルKの方向は,図3(a)に示されるように試料の測定面に対して垂直方向となり,また,交差角θはθ=θA+θBで表され,これを(1)式に代入してΛを求めることにより,ベクトルKの大きさ2π/Λも決まり,格子ベクトルKが定まる。
このような干渉縞が形成された試料9の測定部に照射される測定光は,前記試料9に照射された前記測定光からブラッグ条件を満たす反射光または回折光が発生するように,すなわち前記(2)式を満たすように,前記励起光との光学的関係が設定される。
図3(a)に示すように,この第1の実施形態の場合,kr=−kiとなり,測定光は正反射する。したがって,|K|=2|ki|であり,例えば,屈折率n=1.33で,m=1のとき,前記交差角を約55°に設定すれば干渉縞間隔Λは約240nmとなり,励起光の波長λ0=523nm,測定光の波長λ=633nmに設定することで,前記(2)式(一次ブラッグ条件)を満たす。
図1に示すように,このブラッグ条件を満たす反射光は,ビームスプリッタ11で反射して,同反射光の強度が光検出器12によって電気信号に変換され,該電気信号は信号処理13に入力される。信号処理13ではこの強度信号から屈折率変化Δnを測定する。
ここで光検出器12によって受光される前記ブラッグ条件を満たす反射光は,上述の通り,強度Iの極めて強い光であり,前記(3)式において屈折率変化Δnが微小であってもこれを感度良く測定することができる。また,光強度が高いため,試料9の光熱効果以外の要因(例えば,光検出器12の設置位置がずれたような場合)による測定結果への影響が相対的に小さくなり,再現性の良い測定を行なうことが可能となる。
さらに,この反射光は,主として周期的屈折率変化が生じている励起光の交差部から発生するため,試料容器(セル)8が励起光を吸収することによるセル8の特性変化の影響を受けることなく,試料9の特性変化の測定が可能であり,測定精度が向上する。
〈実施の形態2〉 続いて,図4および図5を用いて本発明の第2の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成について説明する。
所定の励起光減21から出力された励起光は,レンズ系3によりビーム径が調整され,これがハーフミラー24で二分される。二分された励起光のうち励起光Aは前記ハーフミラー24によって反射され,励起光Bはミラー25によって反射され,容器(セル)26を通過してセル内の試料27に照射される。ここで,前記ハーフミラー24及びミラー25の設置角度を調整し,前記励起光AとBとを試料27の内部にて交差させると,上述の実施形態1の場合と同様,この交差部では前記励起光AとBとが干渉することにより,図4に示されるような干渉縞が生成される。
この第2の実施形態の場合,上述のように,励起光AとBとの交差角θが180°−(θA+θB)であり,かつそれぞれの入射角θAとθBが等しいため,前記干渉縞は,入射角θの二等分線Lと平行に,すなわち図4に示すように試料27の測定面に対して垂直方向に生成される。
この場合の干渉縞間隔Λは前記(1)式によって求めることができる。
また,格子ベクトルKと測定光の入射光波数ベクトルkiと回折光波数ベクトルkrとが(2)式の関係を満たすよう,すなわち図5に示す関係になるように励起光と測定光の光学的関係を設定することによって,ブラッグ条件を満たす強い回折光を得ることができる。
このときの回折光強度Iは,同様に(3)式によって決まり,これを検出することで屈折率変化Δnを測定することが可能である。
このブラッグ条件を満たす強い回折光は,所定の位置に定められたミラー27によって反射され,光検出器28に導かれる。同回折光の強度が光検出器28によって電気信号に変換され,該電気信号は信号処理29に入力される。信号処理29ではこの強度信号から屈折率変化Δnを測定する。
光検出器28によって受光される前記ブラッグ条件を満たす回折光は,前記第1の実施形態の場合と同様に,強度Iの極めて強い光であるため,感度および再現性の良い測定が可能となる。また,セル26の特性変化の影響を受けずに精度の高い検査を行なうことができる点も同様である。
図1または図4に示されるように,励起光源1または21から出力された励起光をチョッパ2または22によって周期的に強度変調し(周期f),信号処理13または29では,この励起光の変調周期fと同周期の信号成分を検出する構成としても良い。
これによって,周波数fの成分を有しないノイズの影響を除去しつつ,励起光照射による試料の特性変化を測定することができ,測定のS/N比が向上する。
前記第1及び第2の実施の形態においては,二つの励起光の入射角θAとθBが等しく,これによって干渉縞が試料の測定面に対して水平若しくは垂直方向に生成される場合についてのみ述べられているが,これ以外であっても良い。入射角θAとθBが等しいこと(θA=θB)がブラッグ条件成立のための必須要件とならないことは,前記(1)式,(2)式等から明らかである。
要するに前記(2)式を満たすよう,光学的関係を設定しておけば,ブラッグ条件を満たす強い反射光または回折光を得て,同様の結果を得ることができる。
尚,周期長が有限(前記干渉縞の数が有限)である限り,前記格子ベクトルKの大きさは有限の幅を持つ。従って,必ずしも前記実施の形態に記載の光学的関係が唯一絶対的な条件ではなく,適用レーザの条件や光学系の小型化等,装置構成機器の条件の面も踏まえた上で,最適な照射,受光条件を設定することが可能である。
また,二つの励起光A及びBを干渉させることによって干渉縞が生成される場合についてのみ述べられているが,三つ以上の励起光を干渉させて干渉縞を生成しても良く,このような場合であっても本発明の範囲内である。
さらに,前記実施の形態及び実施例においては,一次ブラッグ条件(前記(2)式においてm=1)を満たす構成についてのみ述べられているが,高次ブラッグ条件(前記(2)式において,m>1)でを満たす構成あっても良く,このような場合であっても本発明の範囲内である。
また,励起光及び/若しくは測定光をレンズにより収束する構成としても良い。レンズによって収束された前記励起光及び/若しくは測定光は,その強度密度が向上するため,測定の空間分解能が高まると共にS/N比が向上する。
本発明の第1の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成図。 励起光の交差部に形成される干渉縞の構造を示す概略図であって,(a)は干渉縞が試料の測定面に対して水平に生成される場合(第1の実施形態に相当),(b)は干渉縞が試料の測定面に対して垂直に生成される場合(第2の実施形態に相当),(c)は干渉縞が試料の測定面に対して斜めに生成される場合を示す。 本発明の第1の実施の形態においてブラッグ条件が成立する場合をベクトルを用いて示した概念図。 本発明の第2の実施の形態に係る光熱変換測定装置の概略構成図。 本発明の第2の実施の形態においてブラッグ条件が成立する場合をベクトルを用いて示した概念図。 従来の光熱変換測定装置(光熱変換分光分析装置)の概略構成図。
符号の説明
1,21…励起光源
2,22…チョッパ
3,23…レンズ
4,6,7,25,27…ミラー
5,24…ハーフミラー
8,26…セル
9,27…試料
10…測定光源
11…ビームスプリッタ
12,28…光検出器
13,29…信号処理装置

Claims (5)

  1. 試料の測定域を励起する励起光を照射する励起光照射手段と,前記励起光が照射された前記試料の測定域に測定光を照射する測定光照射手段とを具備し,前記励起光が照射された試料の光熱変化により生じる前記試料の特性変化を,前記試料の測定域に照射された前記測定光の変化に基づいて測定する光熱変換測定装置において,
    前記励起光照射手段から照射された励起光と前記測定光照射手段から照射された測定光との光学的関係を,前記試料に照射された前記測定光からブラッグ条件を満たす反射光または回折光が発生するように設定すると共に,
    前記試料の特性変化を前記試料に照射された前記測定光から発生するブラッグ条件を満たす反射光または回折光の光強度から検出することを特徴とする光熱変換測定装置。
  2. 前記励起光照射手段が二以上の可干渉性励起レーザ光の交差により前記試料の測定域に干渉縞を生成させるものであり,
    前記励起光照射手段によって干渉縞が生成された前記測定域に前記測定光照射手段から照射された測定光を入射させることによって前記ブラッグ条件を満たす反射光または回折光を発生させる請求項1に記載の光熱変換測定装置。
  3. 前記励起光が周期的に強度変調された光であり,前記測定光の反射光あるいは回折光の強度変化を前記励起光の強度変調周期と同周期成分について測定してなる請求項1又は2のいずれかに記載の光熱変換測定装置。
  4. 試料の測定域を励起する励起光を照射すると共に,前記励起光が照射された前記試料の測定域に測定光を照射することによって,前記励起光が照射された試料の光熱変化により生じる前記試料の特性変化を,前記試料の測定域に照射された前記測定光の変化に基づいて測定する光熱変換測定方法において,
    前記励起光照射手段から照射された励起光と前記測定光照射手段から照射された測定光との光学的関係を,前記試料に照射された前記測定光からブラッグ条件を満たす反射光または回折光が発生するように設定すると共に,
    前記試料の特性変化を前記試料に照射された前記測定光から発生するブラッグ条件を満たす反射光または回折光の光強度から検出することを特徴とする光熱変換測定方法。
  5. 前記励起光が二以上の可干渉性励起レーザ光であり,これら二以上の可干渉性励起レーザ光の交差により前記試料の測定域に干渉縞を生成させると共に,
    この干渉縞が生成された前記測定域に測定光を入射させることによって前記ブラッグ条件を満たす反射光または回折光を発生させる請求項4に記載の光熱変換測定方法。
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