JP2005256994A - 断熱バリア材およびその製造方法、液化ガス貯蔵槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量かつ剥離が生じない高品質の断熱バリア材およびその製造方法、施工が容易で工期短縮が図れる液化ガス貯蔵槽を提供する。
【解決手段】強化繊維3が内在する樹脂製のバリア材2と、保冷材1a、1bとを積層成形した断熱バリア材1。保冷材1a、1b層上に、強化繊維3を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んで積層成形する断熱バリア材の製造方法。液化ガス側に位置する液密性の一次バリア層2Bと、強化繊維3が内在する樹脂製のバリア材の両面に保冷材1a、1bを積層成形した二次バリア層2Aと、コンクリート壁等の構造壁4とで構成されている液化ガス貯蔵槽。
【選択図】図1
【解決手段】強化繊維3が内在する樹脂製のバリア材2と、保冷材1a、1bとを積層成形した断熱バリア材1。保冷材1a、1b層上に、強化繊維3を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んで積層成形する断熱バリア材の製造方法。液化ガス側に位置する液密性の一次バリア層2Bと、強化繊維3が内在する樹脂製のバリア材の両面に保冷材1a、1bを積層成形した二次バリア層2Aと、コンクリート壁等の構造壁4とで構成されている液化ガス貯蔵槽。
【選択図】図1
Description
本発明は、液化ガス貯蔵槽等の躯体構造に用いる断熱バリア材およびその製造方法、液化ガス貯蔵槽に関する。
液化ガス貯蔵槽の躯体構造壁は、保冷層と、液密を図るバリア層、およびコンクリート壁等の構造壁とで構成されている。貯蔵流体が液化天然ガス(LNG)の場合には、図9に示すように、熱を断熱するグラスファイバーまたはPUF製等の保冷層1a、1bと、液密を図る金属製(ステンレスorアルミor9%Ni鋼)の一次バリア層5aおよび二次バリア層5bと、強度部材であるコンクリート層4とで、その貯蔵槽は構成されている。
上記各層はそれぞれ別個に構成されていて、各層を順次敷き詰め及び貼り付けることにより液化ガス貯蔵槽を構築している。更に、一次および二次バリア層(5a、5b)の継ぎ目は溶接W施工しているので、多くの工期を費やす不具合があった。また、液化ガス貯蔵槽の円筒形状に対して、保冷材の敷き詰め、樹脂補強用クロス材の貼り付け、ウレタンフォームの吹き付けあるいはこれらの施工方法を併用することが考えられているが、工程の多様さから多くの工期を費やすことや、吹き付けによる厚さの不均一性、補強用クロス材の偏り等が問題となっている。
液化ガス貯蔵装置として、コンクリート製シェルと、粘土や砂などを用いた液封断熱機能を有する密集体とで構成されているものが提案(特許文献1参照)されている。
また、断熱パネルとして、硬質ウレタンフォーム等の断熱材に、FRPやアルミ箔などの表面材と、金属板やFRP、合板などの裏面材を一体化したものが提案(引用文献2参照)されている。上記一体化の手段としては、接着剤による手段が一般的に多用されているが、接着剤による一体化では、低温流体熱にさらされることにより、表裏面材と断熱材との材質の相違、特に線膨張係数の違いから剥離が発生する不具合があった。
特表2002−528691号公報(図1)
特開2000−276894号公報(図1)
本発明は上記に鑑み、軽量かつ剥離が生じない高品質の断熱バリア材およびその製造方法、施工が容易で工期短縮が図れる液化ガス貯蔵槽を提案することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、以下の(1)〜(13)の手段を採用する。
(1)第1の手段に係る断熱バリア材は、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材と、保冷材とを積層成形したことを特徴とする。
バリア材と保冷材とを積層成形、つまり、液状または粘性状態の樹脂の接着力を利用して、バリア材と保冷材とを一体化したものである。また、樹脂であるので、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有すことになる。更に、樹脂内に強化繊維が内在しているので、十分な剛性強度を有す断熱バリア材となる。
なお、上記保冷材の材質としては、泡ガラス、グラスウール、パーライトコンクリート、ポリウレタンフォーム(PUF)等がある。
また、上記強化繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維、ケプラ繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維などがある。
また、上記樹脂としては、ビニルエステル、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂などがある。
(2)第2の手段に係る断熱バリア材は、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面または片面に、保冷材を積層成形したことを特徴とする。
本断熱バリア材は、上記作用効果を有すると共に、バリア材の両面に保冷材を設けているので、より断熱効果が大きいものである。また、バリア材の両面または片面に保冷材が一体化されているので、設置時に繊維性の保冷材が偏ることなく、断熱および液密機能を有する断熱バリア材の設置が一挙に行い得。
(3)第3の手段に係る断熱バリア材は、第1の手段または第2の手段に係る断熱バリア材において、前記バリア材の周縁から前記強化繊維または繊維で強化された樹脂が延設されていることを特徴とする。
バリア材の周縁から強化繊維または繊維強化された樹脂が延設されているので、同強化繊維または繊維強化された樹脂を目地止めや固定手段に利用できる。つまり、強化繊維または繊維強化された樹脂に目地止め剤や接着剤を塗布することにより、両剤の保持力が高まり、構造物への固定や、断熱バリア材相互の目地止めやシールが容易に行える。
(4)第4の手段に係る断熱バリア材は、第1の手段ないし第3の手段の何れかに係る断熱バリア材において、前記保冷材の少なくともその積層面が繊維性または気泡性の保冷材であることを特徴とする。
少なくとも繊維性または気泡性の積層面を有す保冷材であるので、積層成形時、液状の樹脂が保冷材の繊維表面層または気泡層に含浸し、両者の接触面積が増し、その状態で硬化されることで、両者の一体化が強固なものとなる。
(5)第5の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んで積層成形することを特徴とする。
保冷材層と、樹脂層との一体成形の断熱バリア材が接着剤を用いずに容易に製造できる。樹脂を用いているので、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す断熱バリア材が製造できる。更に、樹脂内に強化繊維が内在することになるので、十分な剛性強度を有す断熱バリア材が製造できる。
(6)第6の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付けると共に、強化繊維を含浸させて積層成形することを特徴とする。要するに、樹脂を強化繊維に含浸させればよく、保冷材層上に樹脂を吹き付けてから強化繊維を置く、又は、保冷材層上に強化繊維を置いてから樹脂を吹き付けてもよい。
保冷材層に強化繊維を内在する樹脂層との積層構造の断熱バリア材が一挙に製造できる。
(7)第7の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ねて、三層構造に積層成形することを特徴とする。
強化繊維を内在する樹脂層の両面に保冷材層を有す三層構造の断熱バリア材が一挙に製造できる。
(8)第8の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ね、さらに強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んだ四層構造に積層成形することを特徴とする。
保冷材層と強化繊維を内在する樹脂層とが交互に積層する四層構造の断熱バリア材が一挙に製造できる。
(9)第9の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付け、その上に強化繊維を敷き詰めて含浸させ、さらにその上に保冷材層を重ねて三層構造に積層成形することを特徴とする。
強化繊維を内在する樹脂層の両面に保冷材層を有す三層構造の断熱バリア材が一挙に製造できる。
(10)第10の手段に係る断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付け、強化繊維を敷き詰めて含浸させ、その上に保冷材層を重ね、さらに樹脂を吹き付け、次に、強化繊維を敷き詰めて含浸させて四層構造に積層成形することを特徴とする。
保冷材層と強化繊維を内在する樹脂層とが交互に積層する四層構造の断熱バリア材が一挙に製造できる。
(11)第11の手段に係る液化ガス貯蔵槽は、液化ガス側に位置する液密性の一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面に保冷材を積層成形した二次バリア層と、コンクリート壁等の構造壁とで構成されていることを特徴とする。
(12)第12の手段に係る液化ガス貯蔵槽は、液化ガス側に位置し、強化繊維が内在する樹脂製の液密機能を有する一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製の二次バリア層が保冷材を介して積層されたものと、コンクリート壁等の構造壁とで構成されていることを特徴とする。
(13)第13の手段に係る液化ガス貯蔵槽は、上記手段1ないし手段4の何れかに記載の断熱バリア材を用いた液化ガス貯蔵槽であって、液化ガス貯蔵槽の壁面が、平面状の断熱バリア材を並設して形成され、その水平方向断面が多角形状であることを特徴とする。
(13)第13の手段に係る液化ガス貯蔵槽は、上記手段1ないし手段4の何れかに記載の断熱バリア材を用いた液化ガス貯蔵槽であって、液化ガス貯蔵槽の壁面が、平面状の断熱バリア材を並設して形成され、その水平方向断面が多角形状であることを特徴とする。
第1の手段よりなる請求項1に記載の断熱バリア材は、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材と、保冷材とを積層成形したものであるので、バリア材と保冷材との剥離が生じないと共に、従来の断熱バリア材よりも高剛性の断熱バリア材を提供できる。
第2の手段よりなる請求項2に記載の断熱バリア材は、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面または片面に、保冷材を積層成形したものであるので、上記と同様の作用効果を有すると共に、2層または1層の保冷材と液密性を有するバリア材との一体化により、それらの取り付け施工が一挙に行い得る効果がある。また、保冷材はバリア材により保持されており、偏りが生じることがなく、構造物に容易に設置することができる。
第3の手段よりなる請求項3に記載の断熱バリア材は、第1の手段または第2の手段に係る断熱バリア材において、前記バリア材の周縁から前記強化繊維または繊維で強化された樹脂が延設されているので、目地止めや固定が確実に行える。例えば、延設している強化繊維または樹脂に、目地止め充填剤や接着剤を塗布することで、充填剤や接着剤の保持性や接着力が高まると共に、構造物への設置が強固に行い得る効果がある。
第4の手段よりなる請求項4に記載の断熱バリア材は、第1の手段ないし第3の手段の何れかに係る断熱バリア材において、前記保冷材の少なくともその積層面が繊維性または気泡性の保冷材であるので、積層成形時、液状の樹脂が保冷材の積層面に含浸して固化され、両者の剥離が生じない品質の良い断熱バリア材となる。
第5の手段よりなる請求項5に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んで積層成形するものであり、保冷材層に液状の樹脂を流し込むことにより、液状の樹脂の接着力により保冷材が一体成形される。また、樹脂を用いているので、硬化後は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す断熱バリア材が一挙に低コストで製造できる。更に、樹脂内に強化繊維が内在することになるので、十分な剛性強度を有す断熱バリア材が製造できる。
第6の手段よりなる請求項6に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付けると共に、強化繊維を含浸させて積層成形するものであり、 保冷材層に樹脂を吹き付けることにより、液状の樹脂の接着力により保冷材が一体成形される。また、樹脂を用いているので、硬化後は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す断熱バリア材が一挙に低コストで製造できる。更に、樹脂内に強化繊維が内在することになるので、十分な剛性強度を有す断熱バリア材が製造できる。
第7の手段よりなる請求項7に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ねて、三層構造に積層成形するものであり、保冷材層に液状の樹脂を流し込みその上に保冷材層を重ねることにより、液状の樹脂層の両面にその接着力により保冷材が一体成形される。また、樹脂を用いているので、硬化後は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す断熱バリア材が一挙に低コストで製造できる。更に、樹脂内に強化繊維が内在することになるので、十分な剛性強度を有す三層構造の断熱バリア材が製造できる。
第8の手段よりなる請求項8に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ね、さらに強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んだ四層構造に積層成形するものであり、保冷材層と強化繊維を内在する樹脂層とが交互に一体的に積層する断熱バリア材が、一挙に低コストで製造できる。
第9の手段よりなる請求項9に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付け、その上に強化繊維を敷き詰めて含浸させ、さらにその上に保冷材層を重ねて三層構造に積層成形するものであり、強化繊維が内在する樹脂層の両面に保冷材層が一体的に積層する三層構造の断熱バリア材が、一挙に低コストで製造できる。
第10の手段よりなる請求項10に記載の断熱バリア材の製造方法は、保冷材層上に、樹脂を吹き付け、強化繊維を敷き詰めて含浸させ、その上に保冷材層を重ね、さらに樹脂を吹き付け、次に、強化繊維を敷き詰めて含浸させて四層構造に積層成形するものであり、保冷材層と強化繊維が内在する樹脂層とが交互に一体的に積層する四層構造の断熱バリア材が、一挙に低コストで製造できる。
第11の手段よりなる請求項11に記載の液化ガス貯蔵槽は、液化ガス側に位置する液密性の一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面に保冷材を積層成形した二次バリア層と、コンクリート壁等の構造壁とで構成されているものであり、一次バリア層と二次バリア層とを備えた液化ガス貯蔵槽であるので、もし、一次バリア層の液密が損なわれても、二次バリア層により液密性が保たれことになる。また、貯蔵液化ガス熱は二重の保冷層により断熱されることになる。また、バリア材の両面に保冷材を積層成形した二次バリア層を採用しているので、取り付け構造及び取り付け工程が簡素化され、施工が容易で工期短縮が図れる効果がある。
第12の手段よりなる請求項11に記載の液化ガス貯蔵槽は、液化ガス側に位置し、強化繊維が内在する樹脂製の液密機能を有する一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製の二次バリア層が保冷材を介して一体的に積層されたものと、コンクリート壁等の構造壁とで構成されているものであり、一次バリア層と二次バリア層とを備えた貯蔵槽であるので、もし、一次バリア層の液密が損なわれても、二次バリア層により液密性が保たれることになる。また、一次バリア材と二次バリア材とが保冷材を介して一体的に積層成形された断熱バリア材を採用しているので、取り付け構造及び取り付け工程が簡素化され、施工が容易で工期短縮が図れる効果がある。
第13の手段よりなる請求項13に記載の液化ガス貯蔵槽は、請求項1ないし請求項4の何れかに記載の断熱バリア材を用いた液化ガス貯蔵槽であって、液化ガス貯蔵槽の壁面が、平面状の断熱バリア材を並設して形成され、その水平方向断面が多角形状であるものであり、経年変化に耐え得る剥離の生じない耐久性の高い液化ガス貯蔵槽が、低コストかつ短工期で建設できる効果がある。
本発明を実施するための最良の形態を、図1ないし図8に示す実施例に基づき説明する。
図1(a)は断熱バリア材の断面図、図2は図1(a)の斜視図である。
図1(a)および図2において、1は断熱バリア材を示し、この断熱バリア材1は、強化繊維(ガラス繊維またはガラス織物など)3が内在する、ポリウレタン製のバリア材2と、その両面にそれぞれ、下述する積層成形により一体化されたガラスウール製の保冷材(断熱材)1a、1b層とで構成されている。
長矩形状のバリア材2の四周縁には、強化繊維片3aが延設されていて、この強化繊維片3aは、バリア材2に内在する強化繊維3と連通している。
保冷材1a、1bは同じ厚さでも良いが、本実施例では、保冷材1aの厚さ寸法よりも、保冷材1bの厚さ寸法を厚くしていて、同増厚側を冷熱源側に対面させるようにしている。
保冷材1a、1bはガラス繊維を層状に形成したものであり、ガラス繊維の少なくともその繊維表面層(積層面層)にポリウレタンが含浸している。なお、保冷材はバリア材2の何れか一方の片面のみに積層成形しても良い。
バリア材2は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す。更に、バリア材2に強化繊維3が内在しているので、十分な剛性強度を有す。
バリア材2は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す。更に、バリア材2に強化繊維3が内在しているので、十分な剛性強度を有す。
断熱バリア材1相互を連結する場合、上記強化繊維片3aに目地止め充填剤や接着剤を塗布すれば、充填剤や接着剤の保持性や接着力が高まると共に、シールが強固に行い得る効果がある。また、上記強化繊維3には、ガラス繊維の他に、カーボン繊維やケプラ繊維などを用いればよく、それらの組み合わせ複合繊維織物でも良い。
また、上記バリア材2には、ポリウレタンの他に、ビニルエステル、ポリエステル、エポキシ樹脂などを用いればよく、それらの複合材でも良い。
図1(b)は断熱バリア材の一部断面図を示し、この図1の(b)は、図1(a)の保冷材1bの上に、強化繊維が内在する樹脂製の一次バリア材2Bを積層成形したものであり、保冷材1a、1bは図1(a)の保冷材1a、1bと同様のものである。図1の(b)の二次バリア材2Aは、図1(a)のバリア材2に相当するものであるが、この二次バリア材2Aの周縁には、二次バリア材2Aから延伸して継手延伸部2aが設けてあり、この継手延伸部2aは強化繊維が内在する樹脂製のものである点が相違している。一次バリア材2Bの周縁には、一次バリア材2Bから延伸して一次バリア用継手延伸部2bが設けてある。
なお、一次バリア材2Bの材質としてはアルミまたはNi合金鋼、あるいはそれらの複合材でもよい。断熱バリア材相互を連結する場合、上記継手延伸部2aや一次バリア用継手延伸部2bに目地止め充填剤や接着剤を塗布すれば、充填剤や接着剤の保持性や接着力が高まると共に、シールが強固に行い得る効果がある。
なお、一次バリア材2Bの材質としてはアルミまたはNi合金鋼、あるいはそれらの複合材でもよい。断熱バリア材相互を連結する場合、上記継手延伸部2aや一次バリア用継手延伸部2bに目地止め充填剤や接着剤を塗布すれば、充填剤や接着剤の保持性や接着力が高まると共に、シールが強固に行い得る効果がある。
図3は断熱バリア材の断面図であり、図3において、1aはポリウレタンフォーム(PUF)製の保冷材を示し、保冷材1aの積層面側の全面には、種々の方向に向けて穴X、Y、Zが、多数設けてある。2は樹脂製のバリア材であり、バリア材2の一部が保冷材1aの穴X、Y、Z内に流し込まれて充填されていて、保冷材1aとバリア材2との結合力を高めたものである。
なお、実施例1、2のものにおいても、その保冷材1a、1bとバリア材2とが剥離しないように、両者の結合力を高めるためには、実施例3で説明したように、保冷材1a、1bの表面に穴を設け、同穴内に樹脂を一体的に充填することや、保冷材1a、1bの材質を繊維性または気泡性のものとして、保冷材1a、1bの積層表面層に樹脂を含浸させればよい。
次に、保冷材1a、1bとバリア材2との第1、第2、第3の積層成形手順を図4(A)(B)(C)に基づき説明する。
図4(A)において、型枠G内に泡ガラス等の保冷材1a層を敷き詰め(a)、その上にガラス繊維等の強化繊維3を載置し(b)、その上から、液状または粘性状の樹脂(ポリウレタン等)を流し込む(c)。そして、強化繊維3の載置(b)、樹脂の流し込み(c)工程を複数回繰り返し、バリア材2層を形成する。次に、バリア材2層の上に保冷材1bを載置し(d)、全面を上方から押さえ付け、硬化すれば断熱バリア材1が積層成形される。なお、図4(A)の(b)(c)(d)は、型枠Gの図示を省略している。
また、図1、2に示す強化繊維片3aを延設する場合には、上記(b)工程での強化繊維3の大きさを、保冷材1a、1bよりも大きいものとしておけばよい。
また、断熱バリア材1を円弧状にする場合には加熱して、その央部をプレス圧すれば円弧状に形成できる。
上記方法によれば、保冷材1a、1b層と、強化繊維3が内在する樹脂製のバリア材2層との三層構造の断熱バリア材1が接着剤を用いずに製造できる。バリア材2層を形成している樹脂の加熱硬化後は、不溶性、不融性を有し、かつ、液密性機能を有す。更に、樹脂内に強化繊維3が内在しているので、十分な剛性強度を有す断熱バリア材1が製造できる。
図4(B)において、1a、1bは保冷材を、2Aは強化繊維が内在する樹脂製の二次バリア材、2Bは強化繊維が内在する一次バリア材を示し、それらそれぞれを別個に成形後、相互を交互に接着により結合することで、四層構造の断熱バリア材を製造できる。
図4(C)は所謂ハンドレイアップ法による積層成形手順を示すもので、保冷材1a全面にノズル10より樹脂Jを吹き付ける(a)、樹脂に強化繊維を含浸させる(b)、(a)(b)の工程を繰り返し所定厚みのバリア材2層を形成する、同左工程を経て形成された長矩形状の大パネルを所定の大きさに(点線位置にて)切り出し加工して、多数枚の断熱バリア材1を得る(c)。
図5(a)(b)および図6(a)(b)に基づき、図1に示す断熱バリア材1を用いた液化ガス貯蔵槽を説明する。図5はLNGタンク等の液化ガス貯蔵槽の、周壁の断面構造を示し、図6(a)は図5(a)のA部分の拡大断面図を示す。図6(b)は二次バリア材の継ぎ手構造を示す説明図である。
図5(a)に示すように液化ガス貯蔵槽の周壁は、液化ガス側(LNG)に位置する液密機能を有する金属製の一次バリア層5と、図1(a)の断熱バリア材1を接合した液密機能を有する樹脂製の二次バリア層2と、コンクリート壁等の構造壁4とで構成されている。断熱バリア材は強化繊維(3)が内在する樹脂製のバリア材の両面に、保冷材1a、1bを一体的に積層成形したものである。また、二次バリア層2は構造壁4に固定されている固定具7により、構造壁4に固定されている。
また、図5(a)に示す上下の断熱バリア材の目地部Kは、図6(a)で示すように、その隙間8には、上下の二次バリア層2から、それぞれ延設されている強化繊維片3aがあり、この隙間8にエポキシ等の充填材6を充填することでシールを行う。なお、充填材6の充填は一次バリア材5の設置前に、LNG側から行えば良く、隙間8の奥まで充填材6の充填を円滑に行うためには、図6(a)のT矢印方向(壁面の外周方向)に抽気しながら行えばよい。
図5(a)で示す一次バリア層5と二次バリア層2とは何れも液密機能を有するので、もし、一次バリア層5の液密が損なわれても、二次バリア層2により液密性が保たれことになる。また、貯蔵液化ガス(LNG)熱は二重の保冷材1a、1b層により断熱されることになる。また、二次バリア材2の両面に保冷材1a、1bを一体的に積層成形した二次バリア層2を採用しているので、構造が簡単であり施工工期短縮が図れる。また、LNG側がより断熱が必要なので、LNG側の保冷材1bの層厚は、保冷材1aの層厚よりも増厚している。また、本液化ガス貯蔵槽では、樹脂製の二次バリア層2を用いているので、従来の金属製(9%Ni鋼)のものに比べ、5分の1程度に重量低減化が達成できる。
なお、上述した液化ガス貯蔵槽の周壁と同様に、その天井壁および底壁の構造を構築すればよく、また、図5(a)に示す空間部Sに、更に保冷材層やバリア材層を追設しても良い。
図5(b)に示すものは、固定具7の材質を、壁面を構成する樹脂製の二次バリア層2Aよりも低線膨張係数の材質(例、36%Ni鋼)としたもので、液化ガス貯蔵時に、二次バリア層2Aが固定具7よりも収縮するために、二次バリア層2Aから固定具7への密着性が高くなるため、固定能力がより向上する。また、一次バリア層2Bの材質を上記二次バリア層2Aと同様に樹脂製とした場合でも同様の効果がある。
図6(b)に示すものは、図1(a)で示す断熱バリア材1を用いた場合での二次バリア材2A相互の結合構造を示し、二次バリア材2Aの周縁から延設してFRP製の結合片3a´を設けたものであり、相互の結合片3a´同士を接着剤Bにて接着結合している。この結合構造によれば隣接する断熱バリア材(二次バリア材2A)相互が強固に結合できる。なお、上述および下述において、二次バリア層とは断熱バリア材の二次バリア材相互を連結して層状(壁面状)に形成したものを意味しており、便宜上、同付番を付して説明している。
図7(a)(b)は、図1(b)に示す断熱バリア材の一次バリア材2B相互を結合する場合を示し、一次バリア材2Bより延設する一次バリア用継手延伸部2bを、液化ガス貯蔵槽内側に突出させ、向かい合う一次バリア用継手延伸部2bの先端部を接着剤Bにて接着固定したものである。また、同接着固定部にはキャップ9を被せている。図7(b)のものは、キャップ9の頭部に接着剤Bの注入口9aを設けているものを示し、注入口9aから接着剤Bを注入する。また、一次バリア用継手延伸部2bの先端部はキャップ9の弾性により、先端部相互を挟みつける方向に締め付けられていると共に、キャッブ9内に充填された接着剤Bにより、一次バリア用継手延伸部2bの先端部相互は結合されている。この結合構造によれば隣接する断熱バリア材の一次バリア材2B相互の結合部が、熱収縮による割れを発生することなく強固に結合できる。また、隣接する二次バリア材2A相互は図6(b)と同様に、その結合片3a´相互を接着剤Bにて接着することで結合されている。
図8は、液化ガス貯蔵槽の壁面の一部分を示す水平断面図であり、図中、1は図1(b)で示す四層構造の断熱バリア材、1aおよび1bは保冷材、2Aは強化繊維が内在する樹脂製の二次バリア材、2Bは強化繊維が内在する樹脂製の一次バリア材、Kは隣接する断熱バリア材1との目地部を示す。この液化ガス貯蔵槽は、その壁面が、コンクリート壁4と、図1(b)に示す、四層構造の一体積層成形の断熱バリア材1とで構成されている。図8に図示の通り、個々の断熱バリア材1の槽内外面は平面状で、その水平断面形状は平行紙片形状である。壁面全体は、その水平方向断面が多角形状である。このように多角形状の壁面構造を採用しているので、曲線部が無いことから、断熱バリア材1の曲げ加工が不要となり、低コストかつ短工期で建設できる。また、一体積層成形の断熱バリア材1を用いているので、経年変化に耐え得る剥離の生じない耐久性の高い液化ガス貯蔵槽が建設できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく必要に応じ、適宜設計変更し得るものである。また、上記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものや、実質的に同一のものが含まれる。
1 断熱バリア材
1a、1b 保冷材
2 バリア材
3 強化繊維
3a 強化繊維片
1a、1b 保冷材
2 バリア材
3 強化繊維
3a 強化繊維片
Claims (13)
- 強化繊維が内在する樹脂製のバリア材と、保冷材とを積層成形したことを特徴とする断熱バリア材。
- 強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面または片面に、保冷材を積層成形したことを特徴とする断熱バリア材。
- 前記バリア材の周縁から前記強化繊維または繊維で強化された樹脂が延設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の断熱バリア材。
- 前記保冷材の少なくともその積層面が繊維性または気泡性であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の断熱バリア材。
- 保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んで積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 保冷材層上に、樹脂を吹き付けると共に、強化繊維を含浸させて積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ねて、三層構造に積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 保冷材層上に、強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込み、その上から保冷材層を重ね、さらに強化繊維を敷き詰めると共に、液状の樹脂を流し込んだ四層構造に積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 保冷材層上に、樹脂を吹き付け、その上に強化繊維を敷き詰めて含浸させ、さらにその上に保冷材層を重ねて三層構造に積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 保冷材層上に、樹脂を吹き付け、強化繊維を敷き詰めて含浸させ、その上に保冷材層を重ね、さらに樹脂を吹き付け、次に、強化繊維を敷き詰めて含浸させて四層構造に積層成形することを特徴とする断熱バリア材の製造方法。
- 液化ガス側に位置する液密性の一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製のバリア材の両面に保冷材を積層成形した二次バリア層と、コンクリート壁等の構造壁とで構成されていることを特徴とする液化ガス貯蔵槽。
- 液化ガス側に位置し、強化繊維が内在する樹脂製の液密機能を有する一次バリア層と、強化繊維が内在する樹脂製の二次バリア層が保冷材を介して積層されたものと、コンクリート壁等の構造壁とで構成されていることを特徴とする液化ガス貯蔵槽。
- 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の断熱バリア材を用いた液化ガス貯蔵槽であって、液化ガス貯蔵槽の壁面が、平面状の断熱バリア材を並設して形成され、その水平方向断面が多角形状であることを特徴とする液化ガス貯蔵槽。
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JP2004070670A JP2005256994A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 断熱バリア材およびその製造方法、液化ガス貯蔵槽 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100807961B1 (ko) * | 2006-05-29 | 2008-02-28 | 현대중공업 주식회사 | 용접 접합용 2차 방벽을 구비하는 액화천연가스 저장용기용단열시스템 |
CN116006885A (zh) * | 2023-01-12 | 2023-04-25 | 东南大学 | 一种无内衬深冷高压储氢气瓶及制备方法 |
EP3269542B1 (en) * | 2016-05-17 | 2023-09-27 | Hankuk Carbon Co., Ltd. | A liquefied natural gas storage tank |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004070670A patent/JP2005256994A/ja not_active Withdrawn
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