JP2005256385A - コンクリート充填鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合構造 - Google Patents

コンクリート充填鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 H形断面梁を接合する接合金物と頭締め高力ボルトを用いた角形または円形のコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造において、簡易構造で施工が容易であり、低コストで接合部性能を向上可能な、コンクリート充填鋼管柱と接合金物の高力ボルト接合構造と、このボルト接合構造を実現させる座金およびナットを提供する。
【解決手段】 コンクリート充填鋼管柱と接合金物の高力ボルト接合構造においては、鋼管柱のボルト孔の内部側にアンカー機能付き座金またはアンカー機能付きナットを配置し、この鋼管柱に当接した接合金物の外面からボルト孔に頭部締め高力ボルトを挿入しナットに螺合して頭部締めにより鋼管柱に接合金物を高力ボルト接合し、鋼管柱内部にコンクリートを充填・固化させて、座金のアンカー部またはナットのアンカー部を、固化させたコンクリートに埋没させるようにした高力ボルト接合構造。
【選択図】 図6

Description

本発明は、各種の構造物において用いられる、コンクリートを結合して用いる鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合構造に関するものである。
例えば、角形または円形の鋼管柱を鋼製部材とし、この鋼管柱に、H形断面梁を鋼製金物である接合金物を介して高力ボルト接合し、内部にコンクリートを充填・固化させるコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造と、この接合構造に用いる座金およびナットに関するものである。
従来、例えば、建築構造物を構築する場合に用いる角形鋼管柱とH形鋼梁を対象とした柱−梁接合部形式では、図15に示すように、例えば角形鋼管柱1の2側面に内部側にナット7を配置し、この角形鋼管柱1に当接した上下一対のT形接合金物2a、2bの垂直板2fの外面からボルト孔に、座金8を用いる頭部締めトルシア形高力ボルト(以下「頭部締め高力ボルト」という。)3を挿入して、角形鋼管柱1の内部側のナット7に螺合し頭部締めして角形鋼管柱1の2側面に上下一対のT形接合金物2a、2bを接合し、この上下一対のT形接合金物2a、2bの水平板2u間にH形鋼梁4を高力ボルト5で接合する、溶接負担を軽減した角形鋼管柱とH形鋼梁の高力ボルト接合構造が知られている。
このような高力ボルト接合構造においては、接合部性能は角形鋼管柱1の面外曲げ抵抗により発揮されるため、接合部の剛性、耐力が比較的低いという問題がある。
そのため、上記のような高力ボルト接合構造において、図16に示すように、例えば角形鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填して接合部の剛性を高めることが行われている。
しかし、角形鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填した場合、H形鋼梁4のフランジからの圧縮力に対しては充填コンクリート6の抵抗が期待できるものの、引張力に対しては角形鋼管柱1の側面の内部への変形抑制による性能の向上しか期待できず、コンクリート6充填による接合部性能を充分に確保することはできない。
このような問題を解決するために、特許文献1には、例えば図17に示すように、ナット7の雌ねじより小径の雌ねじ付きのアンカー板9を軽接着したナット7を、角形鋼管柱1の内部側に座金10とともに固着し、角形鋼管柱1に当接した接合金物2の外面側からボルト孔2o、1oに、2段の雄ねじsa、sbと頭部にピンテール11pを有し、座金8を用いる特殊構造の頭部締め高力ボルト11を挿入し、頭締めして一段目の雄ねじsaをナット7と螺合するととともに、2段目の雄ねじsbをアンカー板9の雌ねじに螺合・締結し、アンカー板9が角形鋼管柱1の内部の所定位置に到達した時にナット7と頭締め高力ボルト11の締結を完了させた後に、角鋼管柱1の内部側にコンクリート6を充填・固化させて頭締め高力ボルト11に締結したアンカー板9を、固化させたコンクリート6に埋没させるようにしたコンクリート充填角形鋼管柱とH形鋼梁の接合構造が提案されている。
しかし、この接合構造では、アンカー部を形成するための特殊構造の頭締め高力ボルト11、アンカー板9を用いており加工負担が大きい。特殊ボルトは通常のボルトと比較して、長尺となり重量も増加するため、現場で施工する場合には、ボルト孔への挿入作業に手間がかかる上、角形鋼管柱1内部でのアンカー板9の形成施工も複雑になり施工負担も大きくなるという懸念があり、さらなる改善が求められている。
一方、特許文献2には、図18(a)、(b)に示すように、CFT造の角形鋼管柱1とH形鉄骨梁4を対象とした溶接による柱−梁接合形式で、ダイアフラムを設置せず、角形鋼管柱1の内部に縦リ12を設けて、この縦リブを充填・固化させたコンクリート6に埋没させるようにした柱−梁接合部が開示されている。
また、特許文献3には、図19に示すように、CFT造の角型鋼管柱1とH型鉄骨梁4を対象とした溶接もよる柱−梁接合形式で、ダイアフラム13を設置した角型鋼管柱1内部にスタッド14を設け、ダイアフラム13にH型鉄骨梁4を溶接した柱−梁接合部が開示されている。
図18、図19に開示の柱−梁接合部においては、縦リブ12やスタッド14の存在により梁4のフランジからの引張力に対して充填コンクリート6の抵抗が生じるため、縦リブ12やスタッド14を設けない場合に比較して接合部性能の向上が期待できることから、図17に示すようなT形接合金物2と頭締め高力ボルト3を用いた角形鋼管柱1とH形鋼梁4の接合構造において、角形鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填して接合部の剛性を高める場合に、コンクリート6を充填する角形鋼管柱1の内部に図18、図19に示すような縦リブ12またはスタッド14を溶接してコンクリート6との結合力を強化して接合部性能を強化することが考えられる。
しかし、このT形接合金物と高力ボルトを用いた、コンクリート充填角形鋼管柱とH形鋼梁の接合構造において、縦リブまたはスタッドを角形鋼管柱内部に溶接する必要があり、そのための加工負担や溶接負担が大きくコスト高になることに加えて、角形鋼管柱の内部側にナットを固定して外部側から頭締め高力ボルト挿入して締め付けたり、内部側から高力ボルトを挿入して外部側でナットを締めにより締め付けるなどの高力ボルトによる締結作業に施工面で支障を来すという問題がある。
特開2003−301514号公報 特開平06−257224号公報 特開平06−248698号公報
本発明は、コンクリートを結合して用いる鋼製部材と、鋼製金物とのボルト接合構造において、構造を簡易にして施工容易とし、かつ低コストで接合部性能(剛性、耐力)を向上可能にする、コンクリート充填鋼製部材と鋼製金物のボルト接合構造と、このボルト接合構造を実現させる座金およびナットを提供するものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の(1)〜(7)を要旨とするものである。
(1) 内部側にコンクリートを充填・固化させて結合する鋼製部材と、この鋼製部材の外面に当接した鋼製金物とのボルト接合構造であって、鋼製部材の内部側にアンカー機能付き座金またはアンカー機能付きナットを配置し、鋼製部材と鋼製金物のボルト孔に挿入したボルトとナットにより鋼製部材と鋼製金物をボルト接合し、鋼製部材の内部側にコンクリートを充填・固化させ、アンカー機能付き座金のアンカー部またはアンカー機能付きナットのアンカー部をコンクリートに埋没させたことを特徴とするコンクリート充填鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合構造。
(2) (1)において、鋼製部材が鋼管柱であり、鋼製金物がH形断面梁を接合する接合金物である、コンクリート充填鋼管柱と接合金物のボルト接合構造において、鋼管柱のボルト孔の内部側にアンカー機能付き座金を当接したナットまたはアンカー機能付きナットを配置し、このナットに、鋼管柱の外面に当接した接合金物の外面からボルト孔に挿入した頭部締め高力ボルトを螺合し頭部締めして鋼管柱に接合金物を高力ボルト接合し、鋼管柱内部にコンクリートを充填・固化させて、アンカー機能付き座金のアンカー部またはアンカー機能付きナットのアンカー部を、コンクリートに埋没させたことを特徴とするコンクリート充填鋼管柱(鋼製部材)と接合金物(鋼製金物)とのボルト接合構造。
(3) 2)において、アンカー機能付き座金に当接のナットに螺合した頭部締め高力ボルトと、アンカー機能付きナットに螺合した頭部締め高力ボルトを併用したことを特徴とするコンクリート充填鋼製部材(鋼管柱)と鋼製金物(接合金物)とのボルト接合構造。
(4) 底部の中心部にボルト孔を有し端部に鍔状部を有する鉢状体で、底部内面側にナットを配置するように形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
(5) 底部の中心部にボルト孔を有し側壁部に複数の穴部を有する鉢状体で、底部内面にナットを配置するように形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
(6) 中心部にボルト孔を有し外周部に、当接されるナット側部を囲むように屈曲させた複数のアンカーアームを形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
(7) 中心部にボルトの雄ねじに螺合するねじ孔を有し端部に鍔状部または傘状部を形成したことを特徴とするアンカー機能付きナット。
本発明では、内部側にコンクリートを充填・固化させて結合する鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合部構造において、アンカー機能付き座金に形成したアンカー部またはアンカー機能付きナットに形成したアンカー部を、鋼製部材の内部に充填・固化させ結合したコンクリートに埋没させることにより、鋼製部材とコンクリートとの結合を強化して、充填コンクリートの抵抗力をボルトを介して鋼製部材の接合部に作用させ、この接合部における接合部性能(剛性、耐力)を安定確保することができる。
アンカー部は、軽量の座金やナットに形成するため、アンカー部形成構造が簡易で、施工も容易であり、低コスト化を容易に実現可能である。
本発明は、内部側にコンクリートを充填・固化させて結合する鋼製部材(ここでは、各種の鋼製柱、鋼製床板、鉄皮、鋼製セグメント、鋼矢板などを意味し、以下、「鋼製部材」という。)と、鋼製金物(ここでは、鋼製部材ボルト接合する梁取付用のT形またはL形の接合金物、エンドプレート、あるいは、ケーブルラックや歩廊や換気扇等の取付金物などを意味し、以下「鋼製金物」という。)とのボルト接合構造であって、構造を簡易にして施工容易とし、かつ低コストで接合部性能(剛性、耐力)を向上可能にする、コンクリート充填鋼製部材と鋼製金物のボルト接合構造として広く適用可能なものである。
本発明のボルト接合構造は、鋼製部材の内部側にアンカー機能付き座金またはアンカー機能付きナットを配置し、鋼製部材と鋼製金物のボルト孔に挿入したボルトとナットにより鋼製部材と鋼製金物をボルト接合し、鋼製部材の内部側にコンクリートを充填・固化させ、アンカー機能付き座金のアンカー部またはアンカー機能付きナットのアンカー部をコンクリートに埋没させることにより、鋼製部材の鋼製金物のボルト接合部でのコンクリートとの結合力を強化し、接合部性能(剛性、耐性)を安定確保するものであり、各種の構造物を構築する場合に広く適用可能なものである。
ここで、アンカー機能付き座金を用いる場合には、この座金にナットを当接し鋼製部材の外面に当接した鋼製金物の外部からボルト孔に挿入した頭部締めボルトを螺合して頭締めする場合と、座金に鋼製部材の内部側から挿入したボルトの頭部を当接し、このボルトの先端部を鋼製部材の外部側に突出させナットを螺合してナット締めする場合とがある。
アンカー機能付きナットを用いる場合には、鋼製部材の外面に当接した鋼製金物の外部からボルト孔に挿入した頭部締めボルトを螺合して頭締めする。
アンカー機能付き座金と、アンカー機能付きナットの使い分け、その配置、ボルトの種類、接合施工条件などについては、接合対象、接合部位、要求される接合部強度などに応じて選択するものである。
なお、ボルトは、通常、一般のナット締めまたは頭部締めボルト、高力ボルト、トルク導入機構を有するナット締めまたは頭部締めトルシア形高力ボルトなどの中から選択使用するものである。
(請求項1の実施形態例に相当)
建築構造物を構築する場合では、例えば、T形接合金物またはL形接合金物などの接合金物(以下「接合金物」という。)と頭部締め引張高力ボルトを用いた角形または円形の鋼管柱(以下、「鋼管柱」という。)を用いるコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造において、鋼管柱と接合金物を高力ボルト接合する場合に適用されるものである。
この場合では、鋼管柱の内部側に、アンカー機能付きの座金を固定したナット、またはアンカー機能付きのナットを配置しておき、鋼管柱の外面に当接した接合金物の外面側から、ボルト孔に頭部締め高力ボルトを挿入して鋼管柱の内部側のナットに螺合し、頭部締め高力ボルトの頭締めして鋼管柱と接合金物を締結し、ナットを固定したアンカー機能付き座金のアンカー部、またはアンカー機能付きのナットのアンカー部を、鋼管柱内部に充填して固化させたコンクリートに埋没させることにより、充填コンクリートの抵抗力を頭部締め高力ボルトを介して鋼管柱の接合部に作用させ、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させるものである。
このボルト接合構造では、ナットを固定したアンカー機能付きの座金またはアンカー機能付きのナットを、予め鋼管柱の内部側に配置・固定するが、この固定は、基本的には、鋼管柱を製造する過程(例えば厚鋼板段階や成型体段階)でボルト孔の加工とともに、溶接や接着により行うものである。
したがって、この場合には、鋼管柱は厚鋼板や成型体を素材とし、最終的には溶接して得られるものが対象となる。
ただし、接合部が外部側から手の届く位置にある場合には、鋼管柱を製造後に溶接や接着または保持具により固定、あるいは鋼管柱に接合金物を当接した後に、頭部締め高力ボルトを接合金物の外面からボルト孔に挿入してから、ナットを螺合して頭締めして鋼管柱と接合金物を締結することもできる。この場合には、鋼管柱は最終的に溶接して得られる鋼管柱に限定されるものではない。
頭部締め高力ボルトとしては、例えば特開2002−266830号公報に開示されているような、頭部にトルク導入用のピンテールを有し、座金とともに用いる頭部締め高力ボルトを用いるものであり、この頭部締め高力ボルトを鋼管柱に当接した接合金物の外面からボルト孔に挿入し、鋼管柱の内部側に配置・固定したナットに螺合し、専用の締結具により頭締めして鋼管柱と接合金物を締結するものである。
ここで、アンカー機能付き座金、アンカー機能付きナットは、頭部締め高力ボルトの全てについて同様に用いるるのではなく、例えば鋼管柱1の面外曲げ抵抗を補強するように、上側の接合金物2aを接合する頭部締め高力ボルト3のみに用いるなど、選択的に用いることも有効である。
したがって、使用部位によってアンカー性能の異なるアンカー機能付き座金、またはアンカー機能付きナットを使い分けることもできる。(請求項2の実施形態例に相当)
本発明で用いるアンカー機能付きの座金としては、基本的には、以下のようなものである。
(1).図1(a)、(b)、(c)に示したアンカー機能付きの座金15は、底部15aの中心部にボルト孔15oを有し、端部にアンカー効果を確保するアンカー部を形成する鍔状部15bを有する鉢状体で、底部15aの内面側にナット7を配置した場合に、ナット7の端部から、ナット7の厚みの1.5〜2倍程度の突出部を形成するようにしたものである。
ここで、側壁部は、アンカー効果を高めるために端部側に拡径する形状にすることがより好ましい。
(請求項3の実施形態例に相当)
(2).図2(a)、(b)、(c)に示したアンカー機能付きの座金16は、底部16aの中心部にボルト孔16oを有し、側壁部にアンカー効果を確保するアンカー部を形成する複数の穴部16xを有する鉢状体で、底部16aの内面側にナット7を配置した場合に、ナット7の端部から、ナット7の厚みの1.5〜2倍程度の突出部を形成したものである。ここで、側壁部は、アンカー効果を高めるために端部側に拡径する形状にすることがより好ましい。
(請求項4の実施形態例に相当)
(3).図3(a)、(b)、(c)に示したアンカー機能付きの座金17は、基部(底部)17aの中心部にボルト孔17oを有し、外周部に、ナット7を配置した場合に、その側部側を囲むように屈曲させたアンカー効果を確保するアンカー部を形成する複数のアンカーアーム18を形成したものである。ここで、アンカーアーム18は、アンカー効果を高めるために、外側に広がるように斜めに形成され、先端部に幅広部を形成した形状にすることがより好ましい。また、アンカーアーム18の先端はナット7の端部から、ナット7の厚みの1.2〜2倍程度の突出していることがより好ましい。
(請求項5の実施形態例に相当)
上記(1)〜(3)のアンカー機能付きの座金は、鋼板を素材として型鍛造やプレス成型などで製造、または鋳造により製造することができる。
なお、上記のアンカー機能付きの座金は、例えば鋼管柱、頭部締めボルト、ナットのサイズ、使用部位に対応して使い分けするものであり、複数サイズを用意し使い分けることによって、所望のアンカー性能を確保することができる。
(請求項3〜5の実施形態例に相当)
本発明で用いるアンカー機能付きのナットとしては、基本的には、以下のようなものである。
(4).図4(a)、(b)、(c)に示したアンカー機能付きのナット20は、中心部に頭締め高力ボルト3の雄ねじに螺合するねじ孔21を有し端部にアンカー部を形成する鍔状部22を形成したものである。ここでは、上部側に空孔23設けて、アンカー効果を確保するため鍔状部22までの距離を長くして、ナット20に頭締め高力ボルト3を締結した状態で、この空孔23に頭締め高力ボルト3の先端部を突出させるようにしている。
鍔状部22の先端までの長さは、アンカー効果を高めるために、雌ねじ21形成端までのナット20の厚みの1.5〜2倍程度であることがより好ましい。
(5).図5(a)、(b)、(c)に示したアンカー機能付きのナット24は、中心部に頭締め高力ボルト3の雄ねじに螺合するねじ孔25を有するナット部26の端部にアンカー部を形成する傘状部27を固着したものである。
ここでは、ナット部25は一般的なナットを用い、このナット部とアンカー効果を確保するため傘状部26を別途製作して溶接などで固着してアンカー機能付きのナット23を形成し、ナット部25に頭締め高力ボルト3を締結した場合に、頭締め高力ボルト3の先端部を傘状部26の中心部に突出させるようにしている。
傘状部26の先端までの長さは、アンカー効果を高めるために、雌ねじ21形成端までのナット20の厚みの1.5〜2倍程度であることがより好ましい。
上記(4)、(5)のアンカー機能付きナット23は、型鍛造、鋳造などにより1ピースで成形し、雌ねじを切ることによって製造することができる。
または、従来のナットと、プレス加工や型鍛造で得られた鍔状部または傘状部の2ピースにして、これを溶接することによっても製造することができる。
なお、上記のアンカー機能付きのナット7は、例えば鋼管柱や頭部締めボルトのサイズなどに対応して使い分けするものであり、複数サイズを用意し使い分けることによって、所望のアンカー性能を確保することができる。
(請求項6の実施形態例に相当)
以下に本発明の実施例1について、図6、図7、図8(a)、(b)に基づいて説明する。
この実施例1は、鋼製金物である接合金物と高力ボルトを用いた、鋼製部材である鋼管柱によるコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造において、本発明を適用した場合のものである。
H形断面梁4は、通常の場合、鋼管柱1の1〜4側面に取り付けられるが、ここでは、鋼管柱の2側面にH形断面梁4を取り付ける場合について、接合構造を1側面での部分図で代表説明する。
図6、図7は、鋼管柱1の2側面に頭締め高力ボルト3で接合した上下一対の接合金物2a、2bを介してH形断面梁4を高力ボルト5で接合した後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態を示しており、図6は平面断面を示し、図7は図6の側断面を示す。
図6、図7において、鋼管柱1の2側面に、それぞれ、上下一対の接合金物2a(2b)の垂直板2fが頭締めトルシア形高力ボルト3により接合されており、H形断面梁4の上フランジ4aは上側の接合金物2aの水平板2uの下面に高力ボルト5で接合され、H形断面梁4の下フランジ4bは下側の接合金物2bの水平板2uの上面に当接され高力ボルト5で接合されている。
ここで、頭締めトルシア形高力ボルト3は、鋼管柱1の内部側に固定されたナット7に螺合しているが、このナット7と鋼管柱1間には、図1に示したような、鍔状部15aを有する鉢状体に形成した、本発明によるアンカー機能付き座金15が介在しており、この座金15は鋼管柱1とナット7に接着したものであり、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態では、コンクリート6に埋没して、充分に結合しており、接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
この実施例1のコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造は、概念的には、例えば、図8(a)、(b)のような手順を経て得ることができる。
(1).鋼管柱1を製造する過程で、内部側の所定位置にボルト孔1oを明け、ナット7を接着したアンカー機能付き座金15を接着しておく。
(2).予めH形鋼梁4を高力ボルト5で接合した上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fのボルト孔に頭部締め高力ボルト3を挿入する。
接合金物2a、2bに対するH形断面梁4の取り付けは、接合金物2a、2bを鋼管柱1に接合した後に行うこともある。その場合には、接合金物2a、2b間にH形断面梁4のセットが容易になるように接合金物2a、2b間の位置を微調整できるようにする必要がある。
(3).上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fを鋼管柱1の側面に接近させて鋼管柱1のボルト孔1oに、接合金物2a、2bに挿入している頭部締め高力ボルト3を位置合わせして挿入し、鋼管柱1に接合金物2a、2bの垂直板2fを当接する。
(4).頭部締め高力ボルト3を鋼管柱1の内部に接着したナット7に螺合し、専用の締結具(図示省略)で頭締めして、鋼管柱1と接合金物2a、2bを締結する。
(5).鋼管柱1と接合金物2a、2bを頭部締め高力ボルト3とナット7で締結を完了後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填し、養生して固化させる。
このようにして図6、図7に示すようなコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造を得ることができる。
本発明の実施例2について、図9(a)、(b)に基づいて説明する。
この実施例2は、実施例1と同様、接合金物2a、2bと頭締め高力ボルト3を用いたコンクリート充填鋼管柱1とH形断面梁4の接合構造において、接合金物と鋼管柱1を高力ボルト接合する場合本発明を適用した場合のものであり、鋼管柱1の内部側にアンカー機能付きナットを配置する点で、鋼管柱1の内部側にアンカー機能付き座金を配置する実施例1とは異なるものである。
実施例1との共通部分については、説明を省略する。
図9(a)、(b)は、鋼管柱1の2側面に頭締めトルシア形高力ボルト3で接合した上下一対の接合金物2a、2bを介してH形断面梁4を高力ボルト5で接合した後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態を示しており、図6(a)は平面断面を示し、(b)図は(a)図の側断面を示す。
図9(a)、(b)において、鋼管柱1の2側面に、それぞれ、上下一対の接合金物2a(2b)の垂直板2fが頭締めトルシア形高力ボルト3により接合されており、H形断面梁4の上フランジ4aは上側の接合金物2aの水平板2uの下面に高力ボルト5で接合され、H形断面梁4の下フランジ4bは下側の接合金物2bの水平板2uの上面に当接され高力ボルト5で接合されている。
ここで、頭締めトルシア形高力ボルト3は、鋼管柱1の内部側に配置されたナット24に螺合しているが、このナット24は、図5に示したような傘状部26を有する鉢状体に形成した本発明によるアンカー機能付きナットである。
このアンカー機能付きナット24は、鋼管柱1の内部側に接着・固定したものであり、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態では、コンクリート6に埋没してコンクリート6と充分に結合しており、コンクリート6の抵抗力を頭部締め高力ボルト3を介して鋼管柱1の接合部に作用させ、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
この実施例2のコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造は、概念的には、実施例1と基本的には同様の手順を経て得ることができる。
(1).鋼管柱1を製造する過程で、内部側の所定位置にボルト孔1oを明け、アンカー機能付きナット24を接着しておく。
ここで、必要に応じてアンカー機能付きナット24と鋼管柱1間に一般的な座金を介在・接着させておくこともできる。
(2).予めH形鋼梁4を高力ボルト5で接合した上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fのボルト孔に頭部締め高力ボルト3を挿入する。
接合金物2a、2bに対するH形断面梁4の取り付けは、接合金物2a、2bを鋼管柱1に接合した後に行うこともある。その場合には、接合金物2a、2b間にH形断面梁4のセットが容易になるように接合金物2a、2b間の位置を微調整できるようにする必要がある。
(3).上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fを角形鋼管柱1の側面に接近させて鋼管柱1のボルト孔1oに、接合金物2a、2bに挿入している頭部締め高力ボルト3を位置合わせして挿入し、鋼管柱1に接合金物2a、2bの垂直板2fを当接する。
(4).頭部締め高力ボルト3を鋼管柱1の内部に接着したアンカー機能付きナット24に螺合し、専用の締結具(図示省略)で頭締めして、鋼管柱1と接合金物2a、2bを締結する。
(5).鋼管柱1と接合金物2a、2bを頭部締め高力ボルト3とアンカー付きナット23で締結を完了後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填し、養生して固化させる。
このようにして、図9(a)、(b)に示すようなコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の高力ボルト接合構造を得ることができる。
この実施例2においては、充填コンクリートの抵抗力を高力ボルトを介して鋼管柱の接合部に作用させ、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させる効果は、実施例1の場合とほぼ同様である。
本発明の実施例3について、図10(a)、(b)、図11に基づいて説明する。
この実施例3は、実施例1、2と同様、接合金物2a、2bと頭締め高力ボルト3を用いたコンクリート充填鋼管柱1とH形断面梁4の接合構造において、接合金物と鋼管柱1を高力ボルト接合する場合に本発明を適用した場合のものであるが、接合金物2a、2bは、横3列の頭締め高力ボルト3で鋼管柱1に接合されており、鋼管柱1の一方の側面においては、中央列の頭部締め高力ボルト3にのみ図1に示すようなアンカー機能付き座金15を用い、鋼管柱1の他方の側面においては、中央列の頭部締め高力ボルト3にのみ図5に示すようなアンカー機能付きナット24を配置する点で、鋼管柱1の内部側にアンカー機能付き座金15のみを配置する実施例1、鋼管柱1の内部側にアンカー機能付ナット24のみを配置する実施例2とは異なるものである。
実施例1、2との共通部分については、説明を省略する。
図10(a)、(b)は、鋼管柱1の2側面に頭締め高力ボルト3で接合した上下一対の接合金物2a、2bを介してH形断面梁4を高力ボルト5で接合した後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態を示しており、図10(a)は平面断面を示し、(b)は(a)図のAa−Ab矢視断面を示す。また図11は、図10(a)図のBa−Bb矢視断面を示す。
図10(a)、(b)、図11において、鋼管柱1の2側面に、それぞれ、上下一対の接合金物2a(2b)の垂直板2fが頭締め高力ボルト3により接合されており、H形断面梁4の上フランジ4aは上側の接合金物2aの水平板2uの下面に高力ボルト5で接合され、H形断面梁4の下フランジ4bは下側の接合金物2bの水平板2uの上面に当接され高力ボルト5で接合されている。
ここで、鋼管柱1の一方の側面の中央列では、頭締め高力ボルト3が鋼管柱1の内部側に配置されたアンカー機能付き座金15に固定した一般的なナット7に螺合している。
また、鋼管柱1の他方の側面の中央列では、頭締め高力ボルト3が鋼管柱1の内部側に配置されたアンカー機能付きナット24に螺合している。
鋼管柱1の一方の側面と他方の側面とも、中央列の両側面の列では一般的なナット7が配置されている。
この実施例3では、鋼管柱1の内部において側面の幅中心部に、アンカー機能付き座金15、アンカー機能付きナット24を配置・固定したものであり、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填・固化させた状態では、コンクリート6に埋没してコンクリートと充分に結合しており、ここではH形断面梁4を接合する鋼管柱1の2側面での面外曲げ抵抗を補強するようにして、コンクリート6の抵抗力を頭部締め高力ボルト3を介して鋼管柱1の接合部に作用させるようにしており、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
この実施例3のコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造は、概念的には、実施例1と基本的には同様の手順を経て得ることができる。
(1).鋼管柱1を製造する過程で、接合金物2a、2bを接合する2側面の内部側の所定位置にボルト孔1oを明け、一方の側面の内部側の中央列にアンカー機能付き座金15を接着し、この座金15に一般的なナットを接着しておく。
また、他方の側面の内部側の中央列にアンカー機能付きナット24を接着しておく。ここで、必要に応じてアンカー機能付きナット24と鋼管柱1間に一般的な座金を介在・接着させておくこともできる。
なお、一方の側面および他方の側面の内部側の中央列以外の列には、一般的なナット7を接着・固定しておく。
(2).鋼管柱1の2側面において、予めH形断面梁4を高力ボルト5で接合した上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fのボルト孔に頭部締め高力ボルト3を挿入する。接合金物2a、2bに対するH形断面梁4の取り付けは、接合金物2a、2bを鋼管柱1に接合した後に行うこともある。その場合には、接合金物2a、2b間にH形断面梁4のセットが容易になるように接合金物2a、2b間の位置を微調整できるようにする必要がある。
(3).鋼管柱1の2側面において上下一対の接合金物2a、2bの垂直板2fを角形鋼管柱1の側面に接近させて鋼管柱1のボルト孔1oに、接合金物2a、2bに挿入している頭部締め高力ボルト3を位置合わせして挿入し、鋼管柱1に接合金物2a、2bの垂直板2fを当接する。
(4)−1).鋼管柱1の一方の側面において、頭部締め高力ボルト3を、鋼管柱1の内部に接着した中央列のアンカー機能付き座金15に固定されているナット7と、その両側列の一般的なナット7にそれぞれ螺合し、専用の締結具(図示省略)で頭締めして、鋼管柱1の一方の側面に接合金物2a、2bを締結する。
(4)−2).鋼管柱1の他方の側面において、頭部締め高力ボルト3を、鋼管柱1の内部に接着した中央列のアンカー機能付きナット24と、その両側列の一般的なナット7にそれぞれ螺合し、専用の締結具(図示省略)で頭締めして、鋼管柱1の他方の側面に接合金物2a、2bを締結する。
(5).鋼管柱1の2側面に接合金物2a、2bをの締結を完了後、鋼管柱1の内部にコンクリート6を充填し、養生して固化させる。
このようにして図10(a)、(b)、図11に示すようなコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)とH形断面梁の接合構造を得ることができる。
この実施例3においては、特に鋼管柱1の幅中央部において、アンカー機能付き座金15、またはアンカー機能付きナット24のアンカー部効果で、この部分での鋼管柱1の面外曲げ抵抗を補強しており、コンクリート6の抵抗力を高力ボルトを介して鋼管柱1の接合部に作用させ、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させる効果は、実施例1、2の場合とほぼ同様である。
一般には、鋼管柱1に接合金物2a、2bを頭部締め高力ボルト3接合する場合には、接合金物2a、2bに引張力が作用する場合、接合部は鋼管柱1の面外曲げにより抵抗するので、高力ボルトを鋼管柱の角部に配置する方が有利であることから、接合金物が鋼管柱の当接面の幅に近い幅にしており、大型化するという問題があるが、この実施例3では特に、鋼管柱の幅中央部にアンカー機能付き座金15、またはアンカー機能付きナット24を配置して充填・固化させたコンクリート6に埋没させコンクリートとの結合を強化できる。その結果、鋼管柱1自身の面外曲げ抵抗への依存度が小さくなることから、頭締め高力ボルト3を鋼管柱1の中心側に寄せて配置して接合金物を小型化することもできる。このような効果は、実施例1、2の場合でも同様に得ることができる。
上記の実施例1〜3は、いずれも本発明をコンクリート充填鋼管柱と接合金物の高力ボルト接合構造に適用した場合のものであるが、他のコンクリート充填鋼製部材と鋼製金物のボルト接合構造としても適用できる。
(1).[コンクリート充填鋼製壁とL形接合金物のボルト接合構造の場合]
例えば、図12に示すように、鋼製部材が、鉄皮28aと28bと、この鉄皮28aと28b間に充填・固化させたコンクリート6からなる鋼製壁28であり、鋼製金物がH形断面梁4を接合する上下一対のL形接合金物29a、29bである、コンクリート充填鋼製壁(鋼製部材)とL形接合金物(鋼製金物)のボルト接合構造において、本発明を適用することができる。
ここでは、鉄皮28aの内面側において、ボルト孔に図1に示すようなアンカー機能付き座金15を挿通したボルト30を鉄皮28aの内面側からボルト孔に挿入して鉄皮28aの外面に当接した上下一対のL形接合金物29a、29bのボルト孔から外部に突出させ、外部側でナット31を螺合してナット締めにより鉄皮28aと上下一対のL形接合金物29a、29bを締結しており、このときボルト30の頭部でアンカー機能付き座金15を押圧密着させている。
この鉄皮28aと上下一対のL形接合金物29a、29bとのボルト接合作業は、例えば鋼製壁28を構築する前の鉄皮28aの段階で行うことができる。この場合、ナット31を仮締め状態にしておき、鉄皮28aと28bを組み立て後に、上下一対のL形接合金物29a、29b間にH形断面梁4をボルト接合、または溶接接合してからナット31を本締めして、鉄皮28aと28b間にコンクリート6を充填・固化させ、このコンクリート6にアンカー機能付き座金15をボルト30の頭部とともに埋没させる。
このようにして、図12に示すようなコンクリート充填鋼製壁とL形接合金物のボルト接合構造を得ることができる。
この実施例4(1)では、鋼製壁28の内部側にアンカー機能付き座金15を配置して、鋼製壁28の内部に充填・固化させたコンクリート6にアンカー機能付き座金15のアンカー部を埋没させコンクリートと充分に結合させて鉄皮28aの面外曲げ抵抗を補強し、コンクリート6の抵抗力をボルト3を介して鉄皮28aの接合部に作用させるようにしており、この接合部における圧縮力と引張力に対する接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
なお、ここでは、ボルト30は鉄皮28aの内部側からボルト孔に挿入して鉄皮28aの外部側に当接したL形接合金物29a、29bのボルト孔から外部側に突出させ、ナット31を螺合してナット締めするようにしているが、鉄皮28aの内部側のアンカー機能付き座金15にナットを当接して、頭部締めボルトを鉄皮28aの外部側に当接したL形接合金物29a、29bの外面側からボルト孔に挿入してアンカー機能付き座金15に当接したナットに螺合し外部側で頭締めすることもできる。
また、鉄皮28aの内部側にアンカー機能付きナットを配置して、鋼製壁28の内部に充填・固化させたコンクリート6にアンカー機能付き座金15のアンカー部を埋没させることもできる。この場合には、ボルトとして頭部締めボルトを用いて、外部側で頭締めする。
この実施例4(1)において、鉄皮28aの内部側に配置するアンカー機能付き座金15にナットを当接して用いる場合、または鉄皮28aの内部側にアンカー機能付きナットを配置する場合は、これらを予め鉄皮28aに接着や溶接により固定しておいて鉄皮28a、28bを組み立ててから、外部側から挿入した頭部締めボルトと螺合して締め付けるようにしてもよい。
(2).[コンクリート充填鋼製床とケーブルラック等の取付金物のボルト接合構造の場合]
例えば、図13に示すように、コンクリート6を充填・固化して結合する鋼製部材が鋼製床32を形成するデッキプレート33であり、鋼製金物がケーブルラック34の取付金物35である、コンクリート充填鋼製床(鋼製部材)と取付金物(鋼製金物)のボルト接合構造においても、同様に、本発明を適用することができる。
この実施例4(2)では、デッキプレート33の内部側からボルト孔にアンカー機能付き座金15を挿通したボルト30を挿入して、その先端部を、デッキプレート33の外面側に当接した取付金物35のボルト孔から外部に突出させ、ナット31を螺合してナット締めによりデッキプレート33と取付金物35を接合し、デッキプレート33の内部に充填・固化させて、コンクリート6にアンカー機能付き座金15のアンカー部を埋没させコンクリート6と充分に結合させてデッキプレート33の面外曲げ抵抗を補強し、コンクリート6の抵抗力をボルト3を介して接合部に作用させて、この接合部における接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
(3).[コンクリート充填鋼製壁と点検歩廊の取付金物のボルト接合構造の場合]
例えば、図14に示すように、コンクリート6を充填・固化して結合する鋼製部材が鋼製壁36を形成する鋼矢板37群であり、鋼製金物が点検歩廊38の取付金物39である、コンクリート充填鋼製壁(鋼製部材)と取付金物(鋼製金物)のボルト接合構造においても、同様に、本発明を適用することができる。
この実施例4(3)では、鋼矢板37の内部側からボルト孔にアンカー機能付き座金15を挿通したボルト30を挿入して、その先端部を、鋼矢板37の外面側に当接した取付金物39のボルト孔から外部に突出させ、ナット31を螺合してナット締めにより鋼矢板37と取付金物39を接合し、鋼矢板37の内部に充填・固化させて、コンクリート6にアンカー機能付き座金15のアンカー部を埋没させコンクリート6と充分に結合させて鋼矢板37の面外曲げ抵抗を補強し、コンクリート6の抵抗力をボルトを介して接合部に作用させるようにしており、この接合部における接合部性能(剛性、耐力)を向上させることができる。
本発明は、上記の実施例1〜4の内容に限定されるものではない。例えば実施例1〜3では、鋼管柱が角形鋼管柱で接合金物がT形接合金物の場合の接合に適用したが、鋼管柱が円形鋼管柱でもよい。ただし、円形鋼管柱の場合には、接合金物、座金、ナットの接合面を曲面に形成するなどの形状変更が必要である。また接合金物がL形接合金物の場合にも適用可能である。
また、本発明の適用は、実施例1〜4の範囲に限定されるものではなく、コンクリートを充填・固化させるコンクリート充填鋼製部材に鋼製金物(取付金物を含む)をボルト接合する場合に広く適用可能である。
また、ボルトの種類、構造、本数、配置、アンカー機能付き座金(ナットの有無)およびアンカー機能付きナットの構造、形状、配置、鋼製部材への固定の有無、固定手段、通常座金の使用の有無、接合施工手順などについては、接合対象物、接合部配置、要求される接合部性能などに応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更のあるものである。
(a)図は、本発明によるアンカー機能付き座金の立体説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図、(c)図は、(b)図のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、本発明による他のアンカー機能付き座金の立体説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図、(c)図は、(b)図のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、本発明による他のアンカー機能付き座金の立体説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図、(c)図は、(b)図のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、本発明によるアンカー機能付きナットの立体説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図、(c)図は、(b)図のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、本発明による他のアンカー機能付きナットの立体説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図、(c)図は、(b)図のAa−Ab矢視断面説明図。 本発明の実施例1の接合金物を用いたコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリート充填・固化させた状態を示す平面断面説明図。 図6のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、図6、図7の本発明の実施例1の接合金物を用いたコンクリート充填鋼管柱と接合金物の高力ボルト接合構造例の施工手順例の一部を示す平面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Aa矢視断面説明図。 (a)図は、本発明の実施例2の接合金物を用いたコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリート充填・固化させた状態を示す平面断面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視断面説明図。 (a)図は、本発明の実施例3の接合金物を用いたコンクリート充填鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリートを充填・固化させた状態を示す平面断面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視断面説明図。 図10の(a)図のBa−Bb矢視断面説明図。 本発明の実施例4(1)の接合金物を用いたコンクリート充填鋼製壁とH形断面梁の高力ボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリートを充填・固化させた状態を示す側断面説明図。 本発明の実施例4(2)の接合金物を用いたコンクリート充填鋼製床とケーブルラック取付金物とのボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリートを充填・固化させた状態を示す側断面説明図。 本発明の実施例4(3)の接合金物を用いたコンクリート充填鋼製壁と歩廊取付金物とのボルト接合構造例で、接合が完了しコンクリートを充填・固化させた状態を示す側断面説明図。 (a)図は、従来の接合金物を用いたH形断面梁の高力ボルト接合構造例で、接合が完了した状態を示す平面断面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視断面説明図。 従来の接合金物を用いたコンクリート充填角形鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例を示す平面説明図。 従来の接合金物を用いたコンクリート充填角形鋼管柱とH形断面梁の高力ボルト接合構造例でのアンカー構造例を示す部分断面説明図。 (a)図は、従来のダイアフラムを用いない形鋼管柱とH形鋼梁の溶接による接合構造例を示す平面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Ab矢視断面説明図。 従来のダイアフラムを用いたコンクリート充填角形鋼管柱とH形鋼梁の溶接による接合構造例を示す平面説明図。
符号の説明
1 鋼管柱 1o ボルト孔
2a 上側の接合金物 2b 下側の接合金物
2o ボルト孔 2f 垂直板
2u 水平板 3 頭部締め高力ボルト
4 H形断面梁 4a 上フランジ
4b 下フランジ 5 高力ボルト
6 コンクリート 7 ナット
8 座金 9 アンカー板
10 特殊頭部締め高力ボルト 10p ピンテール
11 座金
sa 1段目ねじ sb 2段目ねじ
12 縦リブ 13 ダイアフラム
14 スタッド 15 アンカー機能付き座金
15a 底部 15b 鍔部
15o ボルト孔 16 アンカー機能付き座金
16a 底部 16p 穴
16o ボルト孔 17 アンカー機能付き座金
17a 基部(底部) 17o ボルト孔
18 アンカーアーム 19 幅広部
20 アンカー機能付きナット 21 ねじ孔
22 鍔状部 23 空孔
24 アンカー機能付きナット 25 ねじ孔
26 ナット部 27 傘状部
28 鋼製壁 28a、28b 鉄皮
29a、29b L形接合金物 30 ボルト
31 ナット 32 鋼製床
33 デッキプレート 34 ケーブルラック
35 ケーブルラック取付金物 36 鋼製壁
37 鋼矢板 38 点検歩廊
39 歩廊取付金物

Claims (7)

  1. 内部側にコンクリートを充填・固化させて結合する鋼製部材と、この鋼製部材の外面に当接した鋼製金物とのボルト接合構造であって、鋼製部材の内部側にアンカー機能付き座金またはアンカー機能付きナットを配置し、鋼製部材と鋼製金物のボルト孔に挿入したボルトとナットにより鋼製部材と鋼製金物をボルト接合し、鋼製部材の内部側にコンクリートを充填・固化させ、アンカー機能付き座金のアンカー部またはアンカー機能付きナットのアンカー部をコンクリートに埋没させたことを特徴とするコンクリート充填鋼製部材と鋼製金物とのボルト接合構造。
  2. 鋼製部材が鋼管柱であり、鋼製金物がH形断面梁を接合する接合金物であるコンクリート充填鋼管柱と接合金物のボルト接合構造において、鋼管柱のボルト孔の内部側にアンカー機能付き座金を当接したナットまたはアンカー機能付きナットを配置し、このナットに、鋼管柱の外面に当接した接合金物の外面からボルト孔に挿入した頭部締め高力ボルトを螺合し頭部締めして鋼管柱に接合金物を高力ボルト接合し、鋼管柱内部にコンクリートを充填・固化させて、アンカー機能付き座金のアンカー部またはアンカー機能付きナットのアンカー部をコンクリートに埋没させたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート充填鋼管柱(鋼製部材)と接合金物(鋼製金物)とのボルト接合構造。
  3. アンカー機能付き座金に当接のナットに螺合した頭部締め高力ボルトと、アンカー機能付きナットに螺合した頭部締め高力ボルトを併用したことを特徴とする請求項2に記載のコンクリート充填鋼製部材(鋼管柱)と鋼製金物(接合金物)とのボルト接合構造。
  4. 底部の中心部にボルト孔を有し端部に鍔状部を有する鉢状体で、底部内面側にナットを配置するように形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
  5. 底部の中心部にボルト孔を有し側壁部に複数の穴部を有する鉢状体で、底部内面にナットを配置するように形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
  6. 中心部にボルト孔を有し外周部に、当接されるナット側部を囲むように屈曲させた複数のアンカーアームを形成したことを特徴とするアンカー機能付き座金。
  7. 中心部にボルトの雄ねじに螺合するねじ孔を有し端部に鍔状部または傘状部を形成したことを特徴とするアンカー機能付きナット。
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