JP2005256194A - 低密度紙およびその製造方法 - Google Patents

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Tomoyuki Terao
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Abstract

【課題】 特殊な原料や薬品を用いずに、十分な低密度性および印刷適性を有する紙と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1層の低密度紙層と1層の高密度紙層の2層以上からなる紙において、繊維軸方向と紙表面のなす角度の平均値が10〜80度である低密度層を少なくとも1層含み、かつ、少なくとも片側表層が高密度層であって、その表面の王研式平滑度が20秒以上であることを特徴とする、密度が0.5g/cm3未満の低密度紙。密度は0.3g/cm3〜0.45g/cm3であることが好ましく、低密度層が古紙を成分として含んでも良い。本発明の低密度紙は、湿式抄紙法により形成された紙基材に繊維を静電気力により堆積させて低密度層を形成することにより得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷用、包装用、情報記録用などに使用される紙に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は密度が小さく、かつ表面特性が優れた低密度紙およびその製造方法に関する。
紙を低密度化する方法としては、特許文献1などで開示された架橋パルプを用いる方法が公知であるが、製紙用パルプに化学的に架橋処理を行なうことは多分に付加的な設備と資源を必要とし、一般的な用途の紙の製造には適していない。また、同じ目的のために特許文献2などで開示された、嵩高剤(界面活性剤等)を用いる方法も公知であるが、この方法は嵩高化効果が十分ではない。また、特許文献3などで開示された、現在用いられている抄紙法の改変による嵩高化の方法も公知であるが、やはりその効果が十分ではない。
一方で、材料の表面改質の目的で、特許文献4などで開示された短繊維を材料表面に植え付ける静電植毛技術が公知であり、材料の表面に静電気力により繊維を垂直に近い状態で植え付ける技術として、自動車工業などで広くつかわれているが、この技術を低密度紙の製造に応用した例はなかった。
特開平4−185792号公報 特開平11−350380号公報 特開2003−227089号公報 特開平5−31437号公報
本発明の課題は、特殊な原料や薬品を用いずに、十分な低密度性を有する紙と、その製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(6)の構成を採用する。
(1) 少なくとも1層の低密度紙層と1層の高密度紙層の2層以上からなる紙において、繊維軸方向と紙表面のなす角度の平均値が10〜80度である低密度層を少なくとも一層含み、かつ、少なくとも片側表層が高密度層であって、その表面の王研式平滑度が20秒以上であることを特徴とする、密度が0.5g/cm3未満の低密度紙。
(2) 密度が0.3g/cm3〜0.45g/cm3である上記(1)記載の低密度紙。
(3) 前記低密度層が古紙を成分として含む上記(1)または(2)に記載の低密度紙。
(4) 3層構成であり、両表面の王研式平滑度が20秒以上であり、中間に位置する低密度層の密度が0.1〜0.3g/cm3で、紙全体の密度が0.3〜0.45g/cm3である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の低密度紙。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の低密度紙を製造する方法であって、湿式抄紙法により形成された紙基材に繊維を静電気力により堆積させて低密度層を形成することを特徴とする、低密度紙の製造方法。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の低密度紙の少なくとも片面に塗工層が設けられた低密度紙。
本発明により、特殊な薬品を使用することなく、密度が極めて低く、印刷適性を有する紙が得られる。
本発明の低密度紙は、低密度層と高密度層から成っており、その各層に用いる原料は、通常の製紙法において用いられる原料をそのまま使用することができる。即ち、晒し、ないし未晒しのクラフトパルプなどの化学パルプや、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、リサイクルされた紙から製造された再生パルプなどを好適に用いることができる。
本発明で言う高密度層とは、印刷紙などの通常の紙層のことを意味し、密度が0.7〜1.0g/cm3程度のものを指す。この場合、顔料塗工層を設ける前の紙の密度である。
本発明で言う低密度層とは、密度が0.4g/cm3以下であり、好ましくは、密度が0.1〜0.3g/cm3の範囲である。
本発明の低密度層の少なくとも1層は、繊維軸方向と紙表面のなす角度の平均値が10〜80度である。
ここで言う繊維軸と紙表面のなす角度は、紙の断面写真を撮影し、紙の断面における1本1本の繊維断面の長軸の紙表面に対する角度を測定し、その平均をとる方式で決定される。この際に常法にしたがって紙を樹脂等で包埋して構造を固定した後切断する方法をとることが望ましい。
当該測定は、紙幅20cmに1個所行い、抄紙機の流れ方向及びその直角方向の平均を採用する。
測定は、紙の断面の100倍の顕微鏡写真を撮影し、印画紙等に焼きつけてからこれを測定することにより行なう。
繊維断面が概略円形である場合、繊維軸の方向を定めることができず、無理に方向を決めると誤差を生じる。従って、測定の対象としては、繊維断面の長軸と短軸がはっきりしており、長軸が短軸の2倍以上の長さを有するものの全てを選択して測定する。このようにすれば、長軸の方向が繊維軸の方向と一致している。図1参照。
この場合、繊維の長軸が紙の表面に対して平行な場合、繊維断面の長軸の角度が0度であるとする。角度としては、角度の絶対値が、0度以上90度以下の角度を採用する。
発明者らは、紙の特性と上記紙断面の繊維断面の角度との関係を鋭意検討した結果、その関係が本発明に規定する値の範囲にある場合、好ましい特性の低密度紙が得られることがわかり、本発明を完成するにいたった。
本発明の、繊維軸方向と紙表面のなす角度の平均値が10〜80度である低密度層を形成する手段としては、乾式不織方式が好ましい。
例えば、乾燥したパルプシートを解繊し、ワイヤー上に散布し、バインダーをスプレーする代表的な乾式不織布の製造方法を採用することができる。
また、より好ましくは、静電植毛の方法を用いることができる。即ち、通常の抄紙法により形成した紙層(高密度層)の表面に、静電植毛の方法により繊維を付着させることにより、繊維が紙の表面に対して立った繊維の層(低密度層)を形成することができる。この場合、予め形成する紙層は乾燥状態であっても、未乾燥状態であっても差し支えない。さらに、必要に応じて低密度層の上に通常の抄紙法によって形成した紙層を重ねることも差し支えない。
静電植毛の方法により低密度層を形成する場合、使用する繊維は乾燥されたものを用いる。均一性の高い製品を得るためには繊維はよく分散されたものを用いる必要がある。静電気の力を使って繊維を対象物に飛翔させるためには、静電植毛加工の分野で経験的に知られているように繊維の表面(漏洩)抵抗値が104Ω/cm〜109Ω/cmであることが好ましい。繊維の表面抵抗値を好ましい範囲にするために、公知の抵抗調整剤を用いることができる。調整剤の例としては、塩化ナトリウムやケイ酸ソーダなどの無機塩類、各種の界面活性剤、タンニンなどがある。これらの調整剤を処理する方法は、繊維を処理剤を含む液にに含浸、または繊維に処理剤を含む液をスプレーし、乾燥することなどで実施可能である。また、繊維に加湿することで表面抵抗値を小さくする方法も使用可能である。静電植毛法による低密度層の形成に好適な長さは0.5〜5mmであり、特に好適な長さは1〜3mmのものである。繊維の長さが0.5mmより短いと十分な低密度効果が得られず、また、繊維の長さが5mmより長いと均一な構造の紙層が得られにくくなる。
静電植毛の装置は、通常のフィルムやゴムの表面に対して植毛を行なう装置と同様のものを使用することができる。即ち、原料を計量、供給する機構と、直流電圧を発生する機構、植毛対象物と植毛装置の間に電圧をかける装置などを備えた装置を用いることができる。
基材に塗布される水性液とは水、もしくはバインダーを含んだ水溶液又は水分散液で、繊維が基材から脱落するのを防止する効果、カレンダーロールで圧縮された際に繊維間結合が形成されるのを促進する効果がある。バインダーとしては、澱粉、PVA(ポリビニルアルコール)などの水溶性ポリマーや、アクリル樹脂や酢酸ビニル樹脂などのエマルジョンなど通常用いられるバインダー類を使用することができる。
電極間に印加される電圧は10〜70kVが好ましく、20〜50kVが特に好ましい。電極の配置は、繊維の供給装置と電極の間に植毛対象物をおいて植毛する場合と、繊維の供給装置と植毛対象物の間に電極をおく場合のいずれをも用いることができる。
電極は網状であることも差し支えなく、基材表面から5〜20cm程度の距離に設置することが望ましい。繊維供給装置の中には乾燥した繊維が入っていて、ファンやスクリューなどで舞い上がることで電極間の電位がかかっている領域に供給される。
静電植毛加工では、目的に応じて、被植毛物に対して植毛繊維を上方、側方、あるいは下方から堆積させる方法が知られているが、本発明の方法に適した繊維の堆積方法は繊維を基材の下方、もしくは上方から堆積させる方法である。
必要に応じて、基材の表面に堆積された繊維のうちの余分なものを除去する工程を繊維の堆積工程の後に設けることも可能である。この場合、エアーで吹き飛ばす方法や、ブラシで払い落とす方法、振動で振るい落とす方法など常法を用いることができる。この工程で除去された繊維や、堆積(紙層形成)工程で基材に堆積されなかった繊維は、常法により回収されて、再度原料として使用することも可能である。
紙匹に低密度層を重ねる場合、予め紙匹にバインダーを塗布しておくことも紙の強度を大きくする上で有効である。バインダー成分としては、澱粉やPVAなどの水溶性ポリマー類や、ポリアクリルアミドなどの紙力増強剤、アクリル樹脂エマルジョンなどのエマルジョン類を用いることができる。
静電植毛により低密度層を形成した後、必要に応じて低密度層の上に通常の抄紙法による紙層を重ねることも差し支えないし、より好ましい実施形態である。湿式抄紙により形成した紙層の上に静電植毛法により低密度層を形成する場合は、抄紙機のワイヤー上ないしは、プレスパートとドライヤーの間に植毛装置を設置して紙層を重ねる方法をとることが可能である。また、サイズプレスなどにより、プレドライヤーで一旦乾燥させた紙匹の上に液体を塗布し、その上に静電植毛により低密度層を形成することも可能である。図2にこのような装置の例を示す。なお、この装置によって本発明が限定されるものではない。
図2の説明: 図示されていない原料供給装置から供給された原料が、ヘッドボックス1から、図示されていない駆動装置によって駆動されるワイヤー2上に供給されて紙層3が形成される。紙層はプレスロール4に転送され、図示されていない駆動装置によって駆動されるフェルト5上を移動している際に、正に帯電している繊維供給装置6から陰極7を経て紙層上に繊維が供給される。さらに、図示されていない装置によって供給される新たな紙層8が重ねられ、第二のフェルトによって圧着されて次工程に供給される。
以上は、オンマシンで一度に多層構造の低密度紙を製造する方法であるが、一旦通常の方法で紙を製造した後、オフマシンで低密度層を積層することももちろん可能である。
本発明の低密度紙は、印刷適性の観点から、シートの平滑度がJ.TAPPI紙パルプ試験方法のNo.5Bに準拠して測定した王研式平滑度が20秒以上である必要がある。20秒未満では、印刷時の白抜け等の問題を発生する。好ましくは20秒〜200秒である。200秒を越えて平滑にするためには、カレンダー圧力が上がるので、低密度性を維持し難い。同様の理由で最も好ましくは、最も好ましくは20秒〜150秒である。
以上の方法で製造された低密度紙に対して、印刷適性を向上させる目的で塗工層を片面もしくは両面に設けることも可能である。この場合の好適な塗工量は、片面あたり1.0から20g/m2、より好ましくは1.5から10g/m2である。1.0 g/m2未満の塗工量では、十分な印刷適性の向上が得られず、また、20 g/m2越える塗工量では、用紙の重量が大きくなり過ぎる。
本発明の塗工組成物に配合される顔料としては、特に限定されるものではなく、カオリン、クレー、硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、プラスチックピグメント等が挙げられ、これらの公知の塗工用顔料がそれぞれの顔料の性質に応じて適宜選択して用いられる。
又、接着剤についても、カゼイン、大豆蛋白、酵母蛋白、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉、酵素変性澱粉等の変性澱粉、セルロース誘導体等の天然接着剤及びスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル共重合体ラテックスといったアルカリ非感応性或いはアルカリ感応性の合成樹脂エマルジョン等の合成接着剤等が挙げられ、これらの公知の塗工用接着剤が目的とする紙品質に応じて一種以上が適宜選択して用いられる。
接着剤の配合量は、顔料100 質量部に対して5〜25質量部の範囲で調節されるが、他にも分散剤、流動変性剤、消泡剤、染料、潤滑剤、耐水化剤、保水剤等の各種助剤が必要に応じて適宜用いられる。
塗工機についても特に限定されるものではなく、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーターでブレードがベベル或いはベント型のもの、ビルブレード、ツインブレード等の各種ブレードコーター等の各種塗工装置が本発明の塗工装置に適宜用いられる。
本発明の方法により製造された低密度紙に対して、塗工処理を行なう前に、被塗工面の平滑度を向上させる目的で、マシンカレンダー、ブレーカースタック、あるいはソフトカレンダー等により、カレンダー処理を行なうことも差し支えない。
また、塗工を行なった用紙に対して、常法によりスーパーカレンダー処理を行なうことも可能である。
以下に、本発明を実施例により詳説するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。下記実施例中の坪量は特に断りがない限り、すべて絶乾質量を元に計算した値であり、割合を表わす場合は質量%である。シートの密度はJIS P−8118に準じて測定した。シートの平滑度はJ.TAPPI紙パルプ試験方法のNo.5Bに準拠して測定した王研式平滑度を採用した。
<実施例1>
JIS P8222に規定される手抄きシートマシンを用いて、針葉樹材:広葉樹材を2:8の割合で含む晒しクラフトパルプからなる、20g/m2の湿紙をワイヤー上に作成し、クーチロールで圧迫した後、厚手の吸い取り紙上にクーチした。この吸い取り紙上の湿紙に、糊化した澱粉水溶液を接着剤として5g/m2(乾燥固形分換算)塗布した。
次いで、バッチ式植毛装置(商品名エロー・フロック、ローデンスタイン社製)により、上記の晒しクラフトパルプを乾式解繊したものを前記接着剤上に20g/m2分静電植毛した。さらにこの上に、別途手抄きシートマシンで調製した20g/m2の湿紙を重ね、JIS P8222に準じてプレスすることにより65g/m2の紙シートを調製し、これを乾燥した。
<実施例2>
静電植毛に用いたパルプが、新聞古紙を主体とする脱墨パルプを乾燥後解繊したものである以外は、実施例1と同様にして65g/m2の紙シートを調製した。
<実施例3>
[下塗り塗料の調製]顔料として軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製タマパールTP121)25部、重質炭酸カルシウム(備北粉化製ソフトン2200)75部を使用して、分散剤として顔料に対しポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製アロンA−9)0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに酸化澱粉(王子コーンスターチ製エースA)10部、及びスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製PT1004)10部(各固形分換算)をそれぞれ添加し、更に水を加えて固形分濃度62%の塗料を調製した。
[上塗り塗料]顔料としてカオリン(CADAM社製アマゾン)50部、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製タマパールTP121)50部を使用して、分散剤として顔料に対しポリアクリル酸ソーダ(東亜合成製アロンA−9)0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに酸化澱粉(王子コーンスターチ製エースA)5部、及びスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン製PT1004)15部(各固形分換算)をそれぞれ添加し、更にアミノ基含有アクリル系樹脂(中央理化製リカボンドET−8)10部と水を加えて固形分濃度60%の塗料を調製した。
実施例1で作製したシートの片面にメイヤバーを使用して下塗り塗料を乾燥質量で7g/m2となるように塗被、乾燥した後、ロッドコーターを用いて上塗り塗料を乾燥質量で5g/m2となるように塗被、乾燥してシートを作製した。
<比較例1>
実施例1で使用したパルプに対して、嵩高剤(商品名KB−115、花王製)を対パルプ1%添加して、20g/m2の湿紙を3枚調製し、これらを重ねてJIS P−8222に準じてプレスすることにより60g/m2のシートを調製した。
<比較例2>
比較例1で作成したシートの片面に、実施例3と同様に、メイヤバーを使用して下塗り塗料を乾燥質量で7g/m2となるように塗被、乾燥した後、ロッドコーターを用いて上塗り塗料を乾燥質量で5g/m2となるように塗布し乾燥した。
<比較例3>
実施例1で使用したパルプに対して、嵩高剤を使用せずに、20g/m2の湿紙を3枚調製し、これらを重ねてJIS P−8222に準じてプレスすることにより60g/m2のシートを調製した。
以上の実施例・比較例のシートをエポキシ樹脂で包埋し、ミクロトームにより断面を切り出し、光学顕微鏡により断面の写真を撮影した。実施例1、2、および3のシートについては写真上で低密度層に存在する繊維50本の断面を無作為に抽出し、その長軸が紙の表面となす角度を測定した。比較例1のシートについては中間の層に存在する繊維50本の断面を無作為に抽出し、その長軸が紙の表面となす角度を測定した。結果は、密度、平滑度と共に下記表1に示す。
Figure 2005256194
表1に示すように、本発明の低密度紙(実施例)は、従来の方法による低密度紙(比較例)よりも密度が小さく、嵩高化の効果が大きいことがわかる。また、嵩高であるにもかかわらず、高い平滑度の表面を有し、優れた印刷適性を持っていることがわかる。
繊維断面模式図 製造装置の概念図
符号の説明
1 ヘッドボックス
2 ワイヤー
3 紙層(高密度層)
4 プレスロール
5 フエルト
6 繊維供給装置
7 陰極
8 紙層(高密度層)
9 フエルト

Claims (6)

  1. 少なくとも1層の低密度紙層と1層の高密度紙層の2層以上からなる紙において、繊維軸方向と紙表面のなす角度の平均値が10〜80度である低密度層を少なくとも1層含み、かつ、少なくとも片側表層が高密度層であって、その表面の王研式平滑度が20秒以上であることを特徴とする、密度が0.5g/cm3未満の低密度紙。
  2. 密度が0.3g/cm3〜0.45g/cm3である請求項1記載の低密度紙。
  3. 前記低密度層が古紙を成分として含む請求項1または請求項2に記載の低密度紙。
  4. 3層構成であり、両表面の王研式平滑度が20秒以上であり、中間に位置する低密度層の密度が0.1〜0.3g/cm3で、紙全体の密度が0.3〜0.45g/cm3である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の低密度紙。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の低密度紙を製造する方法であって、湿式抄紙法により形成された紙基材に繊維を静電気力により堆積させて低密度層を形成することを特徴とする、低密度紙の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の低密度紙の少なくとも片面に塗工層が設けられた低密度紙。
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