JP2005256057A - 無酸素銅合金鋳塊の製造方法 - Google Patents

無酸素銅合金鋳塊の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 同一の連続鋳造機において無酸素銅合金溶銅鋳塊の製造から無酸素銅溶銅鋳塊の製造に切り替えたときに発生する成分規格に適合しない鋳塊を最小限に留めるとともに、切り替えを短時間に行うことができる無酸素銅合金鋳塊の製造方法を提供する。
【解決手段】 無酸素銅溶銅に母合金投入口5から母合金を添加することにより無酸素銅合金の鋳塊の製造および無酸素銅の鋳塊とを製造できる連続鋳造機を用い、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造への切り替えの際に、無酸素銅への合金成分の添加を停止するとともに鋳塊を形成する保持炉3内の無酸素銅の溶銅30の量を増加させて、保持炉3内に残留する合金成分濃度を希釈する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶解炉で溶解した無酸素銅溶銅に合金成分を添加して形成した無酸素銅合金溶銅を鋳型に供給して無酸素銅合金鋳塊を製造する無酸素銅合金鋳塊の製造方法に関し、特に、同一の連続鋳造機において無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替えたときに発生する成分規格に適合しない鋳塊を最小限に留めるとともに、切り替えを短時間に行うことができる無酸素銅合金鋳塊の製造方法に関する。
従来の連続鋳造機において、無酸素銅溶銅を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、溶解炉において還元性雰囲気で燃料ガスの燃焼が行われて脱酸素処理された無酸素銅溶銅がつくられ、この無酸素銅溶銅を一定の割合で保持炉に流し込み、その後連続鋳造される。このような連続鋳造機において、例えば無酸素銅合金を製造した後で、無酸素銅の製造に切り替える場合、保持炉内の無酸素銅溶銅中に添加されていたAg,Sn,P等の合金成分の添加を停止し、溶解炉から一定割合で供給される無酸素銅溶銅と混合、撹拌されることにより合金成分の濃度が規格値以下になるまで自然希釈されて無酸素溶銅が得られる。
特開2002−28757(図1)
しかし、従来の連続鋳造機において、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替える場合、保持炉内の無酸素銅溶銅中への合金成分の添加を停止し、溶解炉から無酸素銅溶銅を一定割合で保持炉内に供給し、保持炉内の無酸素銅合金と混合、撹拌されることにより合金成分の濃度を希釈していた。添加された合金成分の濃度が規格値以下になるまでの希釈時間は、溶解炉から供給される無酸素銅の量に影響されるので長時間を要していた。特に、この希釈時間は、保持炉の容量が大きいほど長時間を必要としていたため、無酸素銅合金及び無酸素銅の各成分規格に適合しない鋳塊が大量に発生するおそれがあった。例えば、従来の方法によれば、8.3トンもの規格に適合しない鋳塊が発生していた。このような成分規格に適合しない鋳塊は、製品として使用できないため、再改鋳しなければならず、再改鋳費が発生し、ひいてはコスト高となっていた。
従って、本発明の目的は、同一の連続鋳造機において無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替えたときに発生する成分規格に適合しない鋳塊を最小限に留めるとともに、切り替えを短時間に行うことができる無酸素銅合金鋳塊の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、溶解炉で溶解した無酸素銅溶銅に合金成分を添加して保持炉に供給し、前記保持炉から合金成分添加無酸素銅溶銅を鋳型に供給して無酸素銅合金鋳塊を製造する無酸素銅合金鋳塊の製造方法において、前記無酸素銅合金鋳塊の製造を停止して無酸素銅鋳塊の製造に切り替えるとき、前記合金成分の前記無酸素銅溶銅への添加を停止するとともに前記無酸素銅溶銅の前記保持炉への供給量を増加して前記保持炉内の溶銅量を増加させることにより前記保持炉内に残留する前記合金成分の濃度を希釈させることを特徴とする無酸素銅合金鋳塊の製造方法を提供する。
前記無酸素銅合金鋳塊の製造方法において、前記無酸素銅溶銅の前記保持炉への供給量を増加して前記保持炉内の溶銅量を増加させたとき、前記無酸素銅溶銅を前記鋳型に供給する単位時間当たりの供給量は、前記無酸素銅合金溶銅を前記鋳型に供給する単位時間当たりの供給量より大とすることが好ましい。
本発明の無酸素銅合金鋳塊の製造方法によれば、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替える際に、保持炉内の溶銅量を増加させることとしたため、保持炉内の溶銅の合金成分濃度を下げることができるので、成分規格に適合しない無酸素銅鋳塊の製造量を最小限に留めるとともに、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造への切り替えを短時間に行うことができる。
また、本発明の無酸素銅合金鋳塊の製造方法によれば、無酸素銅溶銅の保持炉への供給量を増加して保持炉内の溶銅量を増加させたとき、無酸素銅溶銅を鋳型に供給する単位時間当たりの供給量は、無酸素銅合金溶銅を鋳型に供給する単位時間当たりの供給量より大とし、無酸素銅鋳塊の鋳塊製造速度を無酸素銅合金の鋳塊製造速度より速めたため、保持炉内の溶銅の滞留時間が短くなり、同時に合金成分も保持炉から排出されることから、成分濃度を急速に下げることができるので、成分規格に適合しない無酸素銅鋳塊の製造量を最小限に留めるとともに、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造への切り替えを短時間に行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る無酸素銅合金製造装置の一部断面を示す。この無酸素銅合金製造装置1は、天然ガスと空気との混合ガスを燃料比を高めることにより還元性の雰囲気とし、図示しないバーナを用いて天然ガスを燃焼することにより脱酸素処理された溶銅がつくられる溶解炉2と、溶解炉2から湯道6を経由して送られてきた無酸素銅の溶銅30を一時貯蔵するとともに、鋳型4に送るための保持炉3と、保持炉3から送られてきた溶銅30を冷却水8により冷却して鋳塊7を形成する鋳型4と、無酸素銅溶銅にAg,Sn,P等の合金成分を母合金の形で図示しない投入機により添加する母合金投入口5とを備える。ここで保持炉3は、容量が7トンのものを使用する。なお、保持炉3内の無酸素銅合金溶銅の湯面レベル30Bは、一定である。
図2は、無酸素銅合金中に含まれる合金成分の濃度および無酸素銅溶銅の保持炉への供給量との関係を示す。実線は本発明の無酸素銅に含まれる合金成分の濃度を、破線は従来の無酸素銅に含まれる合金成分の濃度を示す。図1および図2を参照しながら、この無酸素銅合金製造装置1により無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替える方法について説明する。
(無酸素銅合金鋳塊の製造)
まず、溶解炉2の中に原料となる銅を投入し、例えば、天然ガスを還元性雰囲気下で図示しないバーナにより燃焼して原料の銅を溶解して、無酸素銅溶銅を形成する。この無酸素銅溶銅は、湯道6を通過して保持炉3に送られる。このとき、図示しない投入機によりAg,Sn等の合金成分を母合金投入口5から連続的に添加し、母合金を溶解し、混合することにより、無酸素銅の溶銅30は、所定の合金成分濃度(約0.03%)を有する無酸素銅合金の溶銅30となる。無酸素銅合金の溶銅30は、保持炉3の下部のノズル31から所定の速度で鋳型4に送られる。鋳型4において無酸素銅合金の溶銅30は冷却水8に冷却されて無酸素銅合金の鋳塊7が形成され、鋳型4の下方から連続的に無酸素銅合金の鋳塊7が連続的に取り出される。なお、保持炉3内に示す矢印は、溶銅30の流れを示す。
(無酸素銅鋳塊の製造)
次に、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造に切り替える。まず、Ag,Sn等の合金成分の母合金投入口5からの添加を停止する(cの時点)とともに、保持炉3内の無酸素銅の溶銅30の量を図1の無酸素銅合金溶銅の湯面レベル30Bから無酸素銅溶銅の湯面レベル30Aに示すように一定であった溶銅供給量を、母合金投入停止時cから急速に増加し、保持炉3内の溶銅30の量を短時間のうちに増加させる。
ここで、保持炉3内の無酸素銅の溶銅30の合金成分の濃度Cは、下記の計算式により表される。
C=A×{(W−B/60)/W}^T
ここで、C:保持炉3内の合金成分濃度(%),A:保持炉3内の初期合金成分濃度(%),B:保持炉3への溶銅の流入量(Kg/h),W:保持炉3内の溶銅量(Kg),T:時間(min)
この式を適用して溶解炉2から保持炉3内への無酸素銅溶銅を増加する。例えば、増加速度50mm/15分(3.3mm/分)で保持炉3内の溶銅30の湯面からの深さを150mm(図1の符号30Bで表わす。)から200mm(図1の符号30Aで表わす。)とする。これにより、容積比で1.3倍となり、保持炉3内の溶銅30の量は、4899kgから6099kgに増加するとともに、図2に示すように合金成分濃度aが減少する。
次に、溶解炉2から保持炉3への無酸素銅の供給量は、母合金の投入直後は、急速に増加するが、例えば、合金成分濃度限界f以下の濃度になった後は、無酸素銅合金の鋳塊7の製造時の供給量のほぼ1.3倍の供給量とする。また、無酸素銅を鋳造する速度は、無酸素銅合金を鋳造する速度の1.3倍の速度に増速する。これは、無酸素銅溶銅の湯面レベル30Aが無酸素銅合金溶銅30Bのレベルより上昇したことにより、鋳型に供給する溶銅を増やさなければ、保持炉から溶銅がオーバーフローすることになるからである。鋳型に供給する溶銅が増加するにともなって、鋳型4内に導入する冷却水量および鋳塊7を冷却する冷却水8も増加させる。増加速度は、急速に上げすぎると鋳肌が悪化するため、0.5トン/分で20分保持する。これを繰返して目標速度まで上昇する。そうすると、鋳型4から出てくる鋳塊7の銅以外の合金成分濃度は、急激に低くなり、本発明の無酸素銅溶銅の供給開始時dの時点で無酸素銅鋳塊7の合金成分濃度限界f以下となる。ここで、母合金投入停止時cから無酸素銅溶銅の供給開始時dの時点までの間に無酸素銅合金としても無酸素銅としても利用できない成分規格に適合しない鋳塊7が5トン生じる。
本発明の実施の形態によれば、保持炉中の溶銅量を急速に増加させることとしたため、保持炉中の合金成分の濃度を急激に下げることができるので、無酸素銅合金鋳塊の製造から無酸素銅鋳塊の製造への切り替えを短時間に行うことができる。また、従来の無酸素銅の製品として出荷する前に8.3トンもの成分規格に適合しない無酸素銅鋳塊が生じていたのと比べて、3.3トンも減少することができ、歩留まりが向上する。また、切り替えが短時間で行えるため、成分規格に適合しない無酸素銅鋳塊の製造される量を減少することができ、ひいては生産能力を向上することができる。また、エネルギーの使用量を減少することができ、コストの低減を図ることができる。また、鋳型の製造速度をも上昇させたので、より短時間で無酸素銅鋳塊を取り出すことができる。
なお、本発明の無酸素銅合金鋳塊の製造方法は、無酸素銅について説明したが、本発明の無酸素銅合金鋳塊の製造方法を他の金属に含まれる不純物の希釈についても適用することができる。
本発明の実施の形態に係る無酸素銅合金製造装置の一部断面図である。 無酸素銅合金中に含まれる合金成分の濃度および無酸素銅溶銅の保持炉への供給量との関係を示す図である。
符号の説明
1 無酸素銅合金製造装置
2 溶解炉
3 保持炉
4 鋳型
5 母合金投入口
6 湯道
7 鋳塊
8 冷却水
30 溶銅
30A 無酸素銅溶銅の湯面レベル
30B 無酸素銅合金溶銅の湯面レベル
31 ノズル
a 無酸素銅中の合金成分濃度
b 溶銅供給量
c 本発明の無酸素銅溶銅の供給開始時
d 従来の無酸素銅溶銅の供給開始時
e 無酸素銅鋳塊の合金成分の濃度限界
f 母合金投入停止時

Claims (2)

  1. 溶解炉で溶解した無酸素銅溶銅に合金成分を添加して保持炉に供給し、前記保持炉から合金成分添加無酸素銅溶銅を鋳型に供給して無酸素銅合金鋳塊を製造する無酸素銅合金鋳塊の製造方法において、
    前記無酸素銅合金鋳塊の製造を停止して無酸素銅鋳塊の製造に切り替えるとき、前記合金成分の前記無酸素銅溶銅への添加を停止するとともに前記無酸素銅溶銅の前記保持炉への供給量を増加して前記保持炉内の溶銅量を増加させることにより前記保持炉内に残留する前記合金成分の濃度を希釈させることを特徴とする無酸素銅合金鋳塊の製造方法。
  2. 前記無酸素銅溶銅の前記保持炉への供給量を増加して前記保持炉内の溶銅量を増加させたとき、前記無酸素銅溶銅を前記鋳型に供給する単位時間当たりの供給量は、前記無酸素銅合金溶銅を前記鋳型に供給する単位時間当たりの供給量より大としたことを特徴とする請求項1記載の無酸素銅合金鋳塊の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022198730A1 (zh) * 2021-03-23 2022-09-29 东莞宜安科技股份有限公司 一种半固态铝合金加工用大件成型机

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