JP5788691B2 - 金属溶製用溶解炉およびこれを用いた金属の溶製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属溶製用溶解炉およびこれを用いた金属の溶製方法に係り、特に、インゴットの生産性を高めることができる金属溶製用溶解炉の装置構成およびその製造方法に関する。
金属インゴット、特に金属チタンのような活性金属であり高融点金属であるインゴットの溶製においては、電子ビーム溶解炉が主流をなしており、その中でも特に、原料の溶解と精製を兼ねるハースを具備した形式の装置構成が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
電子ビーム溶解炉内の原料供給装置に保持されたスポンジチタン等のチタン溶解原料は、前記したハースに供給されて電子ビームにより溶解され、溶湯を形成する。溶湯は、ハース下流に配備した鋳型に供給されて冷却固化して、事前に鋳型底部に配置されたスタブと融合する形でインゴットが形成されて、前記スタブに係合された引き抜き装置により、前記インゴットが鋳型下方の引き抜き部に抜き出される。鋳型より抜き出されるインゴットは、引き抜き部周囲にある外筒(外壁)に抜熱されることにより、所定温度まで冷却されてから大気中に抜き出される。
従って、前記インゴットを高速で抜き出すようにチタン原料の供給および溶解速度を高めて行くと、鋳型から抜き出されたインゴットの表面温度は、引き抜き速度が低速の場合に比べて高温に加熱され凝固が不十分な状態で抜き出されるため、インゴットが鋳型を出た以降に、インゴット表面が外部に膨らむような熱変形(以降、バルジングと呼ぶ場合がある。)を引き起こす場合があり、改善の余地が残されている。
バルジングへの対策としては、鉄鋼の連続鋳造の分野において、鋳型から抜き出されたインゴット表面への水スプレーによる二次冷却を行うことでインゴットの冷却速度を高め、これによりバルジングのような熱変形を回避する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、活性金属であるチタンは高温状態においては水と反応するため、チタンインゴットに対して前記したような水スプレー冷却の方法を採用することはできない。
これに対して、真空アーク溶解炉(以下、VARと略称する)に関する技術ではあるが、インゴットが溶解されて生成する溶湯レードルの下方に複数の鋳型を設けて、一度の溶解で複数のインゴットを溶製する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3に記載の方法を本発明の電子ビーム溶解炉に適用するとしても、複数の鋳型ごとに外筒を設ける必要があり、設備コストが嵩むのみならず、複数の鋳型内の減圧度を調整する必要があり、電子ビーム溶解炉の運転が複雑になるという新たな課題が生じる。
また、金属溶製用の電子ビーム溶解炉において、ハースの下流に複数の鋳型を設けて、一度に複数のインゴットを溶製する装置構成も考えられる。しかしながら、複数の鋳型から抜き出されたインゴットは高温状態にあり、インゴットが相互に対向している面に対しては、相互に加熱される状態にあるのに対し、インゴットの外筒に対向する面では放熱が進行する。その結果、生成インゴット内の断面方向の温度分布が不均一となり、最終的に生成されるインゴットの熱変形をもたらす場合があり、改善の余地が残されている。
このように、電子ビーム溶解炉を使用して金属を溶製する場合において、従来に比べて高速でインゴットを製造した場合であっても、インゴットの不均一な冷却に起因する熱変形を抑制することが可能であり、しかも、従来の電子ビーム溶解炉の筐体の構造を大きく変えないことにより設備コストの点でも経済性に優れた電子ビーム溶解炉が望まれている。この課題は、電子ビーム溶解炉以外のプラズマ溶解炉についても該当するものである。
特開2004−276039号公報 特開平07−303951号公報 米国特許3834447号
本発明は、金属溶製用溶解炉であって、特に、インゴットの熱変形を抑制しつつ高速で生成させることにより高い生産性を有し、かつ設備コストの点でも経済性に優れた電子ビーム溶解炉の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねてきたところ、鋳型の断面の径(断面が非円形の場合は相当する断面積の円の径)に対する鋳型の長さの比を一定の範囲に設定した鋳型を用いて、かつ、インゴットの溶製速度を一定範囲に規定することにより、溶製されるインゴットの熱変形がないインゴットを溶製すことができることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金属溶製用溶解炉は、チタンインゴット製造用の、ハース、水冷銅鋳型およびインゴット引き抜き部を備えた金属溶製用溶解炉であって、鋳型の引き抜き方向の長さが、引き抜き方向に垂直な鋳型断面積基準の相当径(断面積基準の相当径とは、円形の場合はその径を、非円形の場合の断面積に相当する円の面積と仮定して計算される径を意味する)に対して1〜3倍の範囲に設定されており、鋳型内プールに照射される加熱源のエネルギー密度が0.05〜0.10KW/cmであり、溶製されるインゴットの溶製速度が、0.1〜3.0Kg/hr・cmの範囲で使用される鋳型を具備したことを特徴としている。
本発明においては、前記鋳型が複数基配設されており、更に、前記鋳型に溶湯を分配するためのレードルが前記鋳型上方に配設されていることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記複数の鋳型より抜き出されるインゴットは、引き抜き部により同時に引き抜かれるように構成されていることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記インゴットは、チタンインゴットまたはチタン合金インゴットであることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記インゴットの断面形状は、矩形、円形、楕円形、樽型、多角形、または不定形であることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記加熱源が、電子ビームまたはプラズマアークであることを好ましい態様としている。
本発明のインゴットの溶製方法は、ハース、水冷銅鋳型およびインゴット引き抜き部を備えたチタンインゴット溶製用溶解炉を用いたインゴットの溶製方法であって、引き抜き方向に垂直な鋳型断面積基準の相当径(断面積基準の相当径とは、円形の場合はその径を、非円形の場合の断面積に相当する円の面積と仮定して計算される径を意味する)に対して1〜3倍の範囲に設定された引き抜き方向の長さを有する鋳型を用い、鋳型内に形成される溶湯プールに0.05〜0.10KW/cmのエネルギー密度で加熱源を照射し、インゴットを、0.1〜3.0Kg/hr・cmの速度で溶製することを特徴としている。

本発明に係る電子ビーム溶解炉を用いることにより、単一の電子ビーム溶解炉でありながら、同時に複数のインゴットを溶製でき、その結果、金属インゴットの設備生産性を高めることができるのみならず、溶製されたインゴットの直線性も改善されて、生産性が高く、また品質の優れたインゴットを生産することができるという効果を奏するものである。
以上述べた本発明に係る金属溶製用溶解炉およびインゴットの溶製方法を用いることにより、金属溶製用溶解炉の筐体構造を大きく変えることなく、熱変形の少ないインゴットを高速で効率よく溶製できるという効果を奏するものである。また、前記の鋳型を複数配置することにより、更にインゴットの生産性を高めることができるという効果を奏するものである。
本発明の一実施形態に係る電子ビーム溶解炉を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子ビーム溶解炉を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子ビーム溶解炉を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る電子ビーム溶解炉を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る電子ビーム溶解炉を示す平面図である。 L/D、溶製速度およびインゴットのバルジングの関係を示すグラフである。
以下、本発明の最良の実施形態について、特に、金属溶製用溶解炉が電子ビーム溶解炉の場合を例にとり図面を用いて以下に説明するが、本発明は、電子ビーム溶解炉に限定されず、プラズマアーク溶解炉を含む。
本発明の金属溶製用溶解炉は、ハース、鋳型およびインゴット引き抜き部を備えた金属溶製用溶解炉であって、鋳型の引き抜き方向の長さが、引き抜き方向に垂直な鋳型断面積基準の相当径に対して1〜3倍の範囲に設定されており、鋳型内プールに照射される加熱源のエネルギー密度が0.05〜0.10KW/cmであり、溶製されるインゴットの溶製速度が0.1〜3.0Kg/hr・cmの範囲で使用される鋳型を具備したことを特徴としており、熱変形の少ないインゴットを効率よく溶製することができるという効果を奏するものである。
図1は、内部に1基の鋳型30と引き抜き治具13を配置した本発明の電子ビーム溶解炉に係る好ましい態様を表している。図1に示すように、この溶解炉は、図示しない原料供給手段から供給された溶解原料を保持するとともにこれを溶解した溶湯を保持するハース10と、ハース10から溶湯を流し込んでインゴット22を形成させる鋳型30と、鋳型30内に電子ビームを照射して鋳型プール21を形成させる電子銃12を備えている。
また、鋳型30下方には、生成したインゴット22を下方に引き抜くためのインゴット引き抜き治具13が設けられており、これらは大気から隔離されて外筒14に収容されている。また、ベース40および鋳型ベース50により、鋳型30は固定され、溶解炉内の空間は上方の溶解部と下方の引き抜き部に画成されている。
本実施形態においては、鋳型30内における引き抜き方向に垂直な断面が円形の場合には、前記断面の径に対する鋳型30の長さの比(以下、L/Dと略称する場合がある)は、1〜3倍に設定され、かつ、鋳型プール21に照射される電子ビームのエネルギー密度は、0.05〜0.10KW/cmに設定され、かつ、溶製されるインゴットの溶製速度は、0.1〜3.0Kg/hr・cmの速度で抜き出されることが好ましいとされる。
鋳型内の断面が円形の場合はその径を用い、断面が非円形の図形の場合は、その図形の断面積に相当する円の面積を仮定して、その円から計算される径を用いる。
このようにL/D、電子ビームのエネルギー密度およびインゴットの溶製速度を上記範囲とすることにより、鋳肌の優れたインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
次に、前記数値範囲の根拠について以下に説明する。
まず、本発明に用いる鋳型30の直径(または相当径)Dに対する全長Lの比L/Dが1未満の場合には、鋳型30内で形成される鋳型プール21の下端が鋳型30の下端よりも下方に位置することとなり、インゴット22の中心部が未凝固のまま鋳型30から引き抜かれることになり、インゴット22の熱変形やブレークアウトをもたらす場合があり好ましくない。一方、L/Dが3超の場合には、鋳型30内に挿入される引き抜き治具13が、鋳型30の内面と競って鋳型30内の所定の位置まで上昇させることができないという不具合が生じる場合がある。
この状況を、図6のグラフに示す。図に示すように、L/Dが1未満であると、溶解速度の増加にともなってインゴットのバルジング量が増大してしまうが、3以上であると、溶解速度が増加してもバルジング量は一定に保たれる。なお、図6のグラフは、横軸の溶製速度が本願の上限3.0Kg/hr・cm以内のプロットであり、これを超えると例えL/Dが1〜3でも、バルジングは増大する。
また、インゴット22を引き抜き治具13から取り外す必要があるが、鋳型30の長さが長くなるほど、インゴット22から鋳型30への抜熱量が増加する傾向にあり、その結果、インゴット22の頂部に形成されている鋳型プール21が浅くなり、これを補償するための電子ビームエネルギーが増加させる必要があり好ましくない。また、インゴット22を引き抜き治具13から取り外すためのピットを深く掘り下げる必要もあり、溶解炉設置のための初期投資を抑える意味からも経済的でない。
本願発明に係るインゴットの溶製速度と鋳型断面積基準の相当直径を有する鋳型を使用する場合においては、鋳型プール21に対する電子ビームのエネルギー密度は、0.1KW/cm以下とすることが好ましい。また、更には、鋳型プール21に対するエネルギー密度は、0.05KW/cm〜0.1KW/cmとすることがより好ましいとされる。前記した範囲のエネルギー密度を維持することにより、鋳型プール21の断面形状を矩形状に形成することができ、その結果、鋳肌の優れたインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
本願発明に係るインゴットの溶製速度は、鋳型断面積基準の相当直径に対する鋳型の全長の比が1〜3を有する鋳型を使用する場合においては、3.0Kg/hr・cm以下の範囲とすることが好ましい。更には、0.1〜3.0Kg/hr・cmの範囲とすることがより好ましいとされる。
前記した範囲の溶製速度を選択することにより、鋳肌のみならず直線性に優れたインゴットを、高い生産性でもって溶製することができるという効果を奏するものである。
図2は、内部に2基ずつの鋳型30と引き抜き治具13を配置した本発明の電子ビーム溶解炉に係る好ましい態様を表している。なお、前記溶解炉内に配設する鋳型の数が3以上の場合であっても、以下に記載する効果は、鋳型の数が2基の本実施形態の場合と同様に成立する。
本実施形態においては、電子ビーム溶解炉を大気から隔離する外筒17の中に、2基の鋳型30と2基のインゴット引き抜き治具13が設置されている。2基の鋳型30の上方には、2個の溶湯排出口16が形成されたハース15が配設されている。また、図1と同様、ベース42および鋳型ベース43は、溶解部と引き抜き部を画成しており、2基の鋳型は、ベース41および鋳型ベース51の上に載置固定されている。
本願実施形態においても、鋳型30の長さは、鋳型径の1〜3倍の範囲に形成することが好ましい。鋳型の全長が鋳型径の1倍未満では、鋳型から抜き出されたインゴットの表面温度が十分に下がっておらず、図1の場合と同様の不具合に加え、2基の鋳型30より抜き出されるインゴット22が相対する面が図2に破線の矢印で示すように相互に放熱を受け、それ以外の部分と比較して温度が低下せず、その結果、温度分布が不均一となり、インゴット22の反りや熱変形を生起する場合がある。
一方、鋳型30の全長が鋳型径の3倍を超えるようになると、インゴット22から鋳型30への抜熱量が増加し、その結果、インゴット22の頂部に形成された鋳型プール21が浅くなる傾向になるため、鋳型プール21に照射する電子ビーム出力を高める必要があり経済的でない。
また、本実施形態においては、2基の鋳型30より抜き出されるインゴット22は、同じ速度で抜き出すことが好ましい。このようなインゴットの引き抜き形態とすることにより、相互のインゴットの温度分布が不均一になることを抑制し、さらに、電子ビーム溶解炉の解体整備を効率よく進めることができるという効果を奏するものである。
図3は、本発明に係る別の好ましい態様であって、鋳型対の平面図を模式的に表している。図3に示すように、鋳型ベース52に2基の鋳型31が設置され、さらに鋳型ベース52は、ベース42に設置されている。図3に示すような鋳型対として2基の鋳型31を1基の鋳型ベース52に配設することにより、電子ビーム溶解炉内のベース42への装着・脱着を容易に進めることができるという効果を奏するものである。鋳型対の装着・脱着は、例えば、ボルト60により可能ならしめる。
図4は、更に別の鋳型対の好ましい態様を表している。当該実施形態における鋳型対は、4基の鋳型32から構成されており、同時に4本のインゴットを溶製することができる。なお、図4に示す4基の鋳型32の上方には、図示しないハースで生成した溶湯23を、図5に示すようなレードル70に一旦受けた後、それぞれの鋳型32に分配することが好ましい。前記レードル70は、ハースや鋳型と同様、例えば水冷銅で構成することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
1.溶解原料
スポンジチタン(粒度範囲:1〜20mm)
2.試験装置および条件
鋳型(材質:水冷銅、内径:1000mm、長さ比:0.1、0.5、1、2、3、5)
電子ビームのエネルギー密度:0.05〜0.10KW/cm
鋳造速度:0.01〜5.0Kg/hr・cm
3.試験方法
図1に示すような試験用の溶解炉を用いて、鋳型の内径1000mmで一定にし、鋳型の長さを前記した比に変更し、それぞれの鋳型を用いて溶製されたインゴットを溶製した。
4.試験結果
前記した方法で溶製されたインゴットの変形状況を目視で観察し、その結果を図6に示した。図6に示すように、L/Dを1以上とすることにより、インゴットの溶製速度を5倍程度に高めても、溶製されるインゴットに熱変形が見られなかった。また、ブレークアウトのような現象も見られなかった。しかしながら、L/Dが5の場合には、鋳型プールの温度が低下する傾向を示しため試験を途中で打ち切った。
[実施例2]
図3に示すようなタンデム型の鋳型を用いて、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を3にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.06KW/cm、溶製速度2.1Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例3]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を3にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.08KW/cm、溶製速度1.7Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例4]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を3にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.10KW/cm、溶製速度1.8Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例5]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を2にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.08KW/cm、溶製速度1.5Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例6]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を2にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.06KW/cm、溶製速度2.0Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例7]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を2にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.09KW/cm、溶製速度2.5Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例8]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を1にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.05KW/cm、溶製速度1.3Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例9]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を1にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.08KW/cm、溶製速度1.9Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例10]
実施例2において、鋳型の内径に対する全長の比(L/D)を1にした鋳型を使用して、エネルギー密度0.09KW/cm、溶製速度2.3Kg/hr・cmの条件下で、同時に2本のインゴットを溶製した。溶製されたインゴットの反りはなく、また鋳肌も良好であった。
[実施例11]
図4に示す十字型の鋳型対と図5に示したレードル70を用いて、鋳型の相当直径に対する全長の比を2に設定した鋳型を用いて4本のインゴットを同時に溶製した。溶製されたインゴットの直線性は良好であった。また、鋳肌も従来の設備で製造されたインゴットと遜色のないものであった。
[比較例1]
実施例2において、鋳型の相当直径に対する全長の比を0.5にした以外は同じ条件で、同時に2本のインゴットを溶製した。しかしながら、予定したインゴット長さの30%だけ引き抜いた時点で、インゴットの引き抜き治具を駆動するモーターの負荷が異常に上昇したため、その時点で電子ビーム溶解を中止した。
[比較例2]
実施例2において、鋳型の相当直径に対する全長の比を3.5にした以外は同じ条件で、同時に2本のインゴットを溶製した。しかしながら、予定したインゴット長さの30%だけ引き抜いた時点で、インゴットの引き抜き治具を駆動するモーターの負荷が異常に上昇したため、その時点で電子ビーム溶解を中止した。
[比較例3]
実施例2において、鋳型の相当直径に対する全長の比を2.0にし、溶製速度を3.5Kg/hr・cmにした以外は同じ条件で、同時に2本のインゴットを溶製した。しかしながら、溶製されたインゴットの直線性が十分でなく、インゴットの引き抜き途中で鋳型と競って抜き出すことができなかった。
金属溶製用溶解炉の生産性の向上に寄与する。
10、15…ハース、
11、16…溶湯排出口、
12…電子銃、
13…インゴット引き抜き治具、
14、17〜19…外筒、
20、23…溶湯、
21…鋳型プール、
22…インゴット、
30〜32…鋳型、
40〜43…ベース、
50〜53…鋳型ベース、
60…ボルト、
70…レードル。

Claims (6)

  1. チタンインゴット製造用の、ハース、水冷銅鋳型およびインゴット引き抜き部を備えた金属溶製用溶解炉であって、
    前記鋳型の引き抜き方向の長さが、引き抜き方向に垂直な鋳型断面積基準の相当径(断面積基準の相当径とは、円形の場合はその径を、非円形の場合は断面積に相当する円の面積と仮定して計算される直径を意味する)に対して1〜3倍の範囲に設定されており、
    鋳型内プールに照射される加熱源のエネルギー密度が0.05〜0.10KW/cmであり、
    溶製されるインゴットの溶製速度が、0.1〜3.0Kg/hr・cmの範囲で使用される鋳型を具備したことを特徴とする金属溶製用溶解炉。
  2. 前記鋳型が複数基配設されており、更に、前記鋳型に溶湯を分配するためのレードルが前記鋳型上方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の金属溶製用溶解炉。
  3. 前記複数の鋳型より抜き出されるインゴットは、前記引き抜き部により同時に引き抜かれるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の金属溶製用溶解炉。
  4. 前記インゴットの断面形状は、矩形、円形、楕円形、樽型、多角形、または不定形であることを特徴とする請求項1に記載の金属溶製用溶解炉。
  5. 前記加熱源が、電子ビームまたはプラズマアークであることを特徴とする請求項1に記載の金属溶製用溶解炉。
  6. ハース、水冷銅鋳型およびインゴット引き抜き部を備えたチタンインゴット溶製用溶解炉を用いたインゴットの溶製方法であって、
    引き抜き方向に垂直な鋳型断面積基準の相当径(断面積基準の相当径とは、円形の場合はその径を、非円形の場合は断面積に相当する円の面積と仮定して計算される径を意味する)に対して1〜3倍の範囲に設定された引き抜き方向の長さを有する鋳型を用い、
    前記鋳型内に形成される溶湯プールに0.05〜0.10KW/cmのエネルギー密度で加熱源を照射し、
    前記インゴットを0.1〜3.0Kg/hr・cmの速度で溶製することを特徴とするインゴットの溶製方法。

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