JP2005255974A - 複数のアルキル基と水酸基とを有する多分岐マクロモノマー及びその製造方法 - Google Patents

複数のアルキル基と水酸基とを有する多分岐マクロモノマー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ビニル基やエポキシ基等の重合性基を有する化合物又はカルボキシル基等の官能基を有する化合物と結合させることができる一級水酸基を複数個有する多分岐マクロモノマーを提供することである。及び、その製造方法を提供することである。
【解決手段】
水酸基を有するオキセタン化合物をアニオン開環重合させることにより得た分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物を、多価カルボン酸と反応させて得られる複数の水酸基を有する多分岐マクロモノマー(多分岐マクロモノマーと称する)により上記課題を解決できることを見出した。また、この多分岐マクロモノマーを得るための製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、1個のオキセタニル基と複数の水酸基を有する多分岐マクロモノマー(ハイパーブランチ高分子)及びその製造方法に関するものである。
近年、デンドリマーやハイパーブランチ高分子、スターポリマー、グラフトポリマー、ブラシポリマー等のような線状ポリマーとは異なる構造を有するポリマーが、線状高分子とは異なる新機能や新性能を有することから注目を集めている。これらの中でもグラフトポリマーやブラシポリマーは、ポリマーとポリマーとの反応、あるいはポリマーとモノマーとの反応により合成される。即ち、ポリマー上に重合開始種を生成させ、そこからモノマーを重合させる方法、又は生長ポリマーと停止機能を有するポリマー鎖とをカップリングさせる方法である。しかし、これらの方法は、幹や枝のホモポリマーの副生及び/又は枝の長さの不揃いなど、いくつかの欠点を伴う場合がある。
これら以外に、第三の方法ともいえるマクロモノマーが最近盛んに研究されるようになってきた。なお、マクロモノマーとは、分子量がある程度高く(通常、数100〜10000程度)、かつ重合することの出来る官能基を有するものである。このようなマクロモノマーの一次構造を制御して合成し、他のモノマーと共重合させることにより、枝の長さの揃ったグラフトポリマー等を容易に合成することが可能である(例えば、非特許文献1参照)。なお、グラフトポリマーやブラシボリマーを合成するために用いるマクロモノマーの形状は、直鎖状である。
一方、最近、マクロモノマーに多分岐構造であるデンドロン(デンドリマーのサブユニット)を導入し、側鎖にデンドリティック部位を有するポリデンドロンの合成の研究が行われている。例えば、コアに水酸基を有するポリエーチルデンドロンとクロロメチルスチレンとの反応によりデンドリティックマクロモノマーを合成し、その後、スチレンモノマーとラジカル共重合させることによりポリデンドロンが得られることが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、メタクリロイル基を有する第二世代ポリエーテルデンドロンを合成し、単独でラジカル重合を行うことにより、重合度(D.P.)=6.7のポリデンドロンが得られることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
デンドロンと同様に多分岐構造を有するハイパーブランチ高分子をマクロモノマーとして用いたものも報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、(3−アルキル−3−ヒドロキシメチル)オキセタン類のアニオン開環重合により、分子内に1個のオキセタニル基と多数の水酸基を有するヘテロテレケリックハイパーブランチポリエーテルが得られることが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
オキセタン化合物を用いたハイパーブランチ高分子の製造法ついては、オキセタン化合物と多官能性カルボン酸化合物との重付加反応による方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、オキセタニル基とフェノール類との反応については、ビスオキセタン化合物とビスフェノール類から重付加共重合体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−3585号公報 特開平11−279277号公報 川上 雄資、化学総説、71−82(1993) C. J. Hawker, M. J. Frechet、Polymer、33、1507-1512 、(1992) Y. M. Chen,C.F. Chen, W.H.Liu, Y. E. Li, F. Xi, Macromol. Rapid Commun,17, 401-407 、(1996) C. Lach, R. Hanselmann, H. Frey, R. Mulhaupt, Macromol. Rapid Commun, 19,461-465 、 (1998) H. Kudo, A. Morita, T. Nishikubo, Polymer J. 35,88-91 、(2003)
ビニル基やエポキシ基等の重合性基を有する化合物又はカルボキシル基等の官能基を有する化合物と結合させることができる一級水酸基を複数個有する多分岐マクロモノマーを提供することである。及び、その製造方法を提供することである。
上記の問題を解決するため本発明者らは、種々の検討を行った結果、水酸基を有するオキセタン化合物をアニオン開環重合させることにより得た分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物(多分岐ポリエーテル化合物と称する)を、多価カルボン酸と反応させて得られる複数の水酸基を有する多分岐マクロモノマー(多分岐マクロモノマーと称する)により上記課題を解決できることを見出した。また、この多分岐マクロモノマーを得るための製造方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多分岐マクロモノマーとその製造方法について説明する。
○水酸基を有するオキセタン化合物
多分岐ポリエーテル化合物の合成に用いる水酸基を有するオキセタン化合物としては、下記式(1)が挙げられる。
Figure 2005255974
式(1)中のR1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基を示す。
式(1)のR1としては、炭素数1〜4の分岐を有していても良いアルキル基であり、メチル基又はエチル基が好ましく、更に好ましくはエチル基である。また、R2としては水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基であり、ヒドロキシメチル基が好ましい。具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及び3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。
○1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物
式(1)で表される化合物をアニオン開環重合させることにより分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物を合成することができる。このアニオン開環重合の開始剤としては、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛、アルミニウムポルフィリン錯体、アルカリ金属アルコキシドとクラウンエーテルの併用系等を用いることができ、アルカリ金属アルコキシドとクラウンエーテルとの併用系が好適である。
アニオン開環重合に用いるアルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等が挙げられる。
上記のクラウンエーテルとしては、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、シス−ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、21−クラウン−7、及び24−クラウン−8等が挙げられる。
○複数の水酸基を有する多分岐マクロモノマー
本発明の多分岐マクロモノマーは、多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸とを重付加反応することにより得ることができる。
この重付加反応としては、第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体、第三アミン等を触媒に用い、これらの存在下に重付加反応させることが好ましい。これらの触媒の中でも、オキセタン環と多価カルボン酸との反応性の面から、第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体の使用がより好ましい。
○多価カルボン酸
本発明の多分岐マクロモノマーを得るための多価カルボン酸としては、分子中に2個以上、好ましくは2〜200個のカルボキシル基を有する化合物であり、更に好ましくは2〜150個のカルボキシル基を有する化合物である。
分子中に2個のカルボキシル基を有する化合物であるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸及びエイコサン二酸等の2〜20個の炭素原子を有する直鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、n−プロピルマロン酸、n−ブチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸及び1,1,3,5−テトラメチルオクチルコハク酸等の3〜20個の炭素原子を有する分岐鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、γ−メチルシトラコン酸、メサコン酸、γ−メチルメサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等の直鎖又は分岐鎖脂肪族不飽和ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロイソフタル酸及びメチルヘキサヒドロテレフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸及びシクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,5−ジカルボン酸及びシクロヘキセン−3,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロイソフタル酸、シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸及びシクロヘキセン−3,6−ジカルボン酸等のテトラヒドロテレフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−5,6−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸等のジヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,3−ジカルボン酸及び1,3−シクロヘキサジエン−3,5−ジカルボン酸等のジヒドロイソフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサジエン−3,6−ジカルボン酸等のジヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(商品名:ナジック酸)及びメチル−エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(商品名:メチルナジック酸)等の飽和又は不飽和脂環式ジカルボン酸、クロレンディック酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、3−メチルフタル酸、3−エチルフタル酸、3−n−プロピルフタル酸、3−イソプロピルフタル酸、3−n−ブチルフタル酸、3−イソブチルフタル酸、3−sec−ブチルフタル酸及び3−tert−ブチルフタル酸等の3−アルキルフタル酸、4−メチルフタル酸、4−エチルフタル酸、4−n−プロピルフタル酸、4−イソプロピルフタル酸、4−n−ブチルフタル酸、4−イソブチルフタル酸、4−sec−ブチルフタル酸及び4−tert−ブチルフタル酸等の4−アルキルフタル酸、2−メチルイソフタル酸、2−エチルイソフタル酸、2−n−プロピルイソフタル酸、2−イソプロピルイソフタル酸、2−n−ブチルイソフタル酸、2−イソブチルイソフタル酸、2−sec−ブチルイソフタル酸及び2−tert−ブチルイソフタル酸等の2−アルキルイソフタル酸、4−メチルイソフタル酸、4−エチルイソフタル酸、4−n−プロピルイソフタル酸、4−イソプロピルイソフタル酸、4−n−ブチルイソフタル酸、4−イソブチルイソフタル酸、4−sec−ブチルイソフタル酸及び4−tert−ブチルイソフタル酸等の4−アルキルイソフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−エチルイソフタル酸、5−n−プロピルイソフタル酸、5−イソプロピルイソフタル酸、5−n−ブチルイソフタル酸、5−イソブチルイソフタル酸、5−sec−ブチルイソフタル酸及び5−tert−ブチルイソフタル酸等の5−アルキルイソフタル酸、メチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、n−プロピルテレフタル酸、イソプロピルテレフタル酸、n−ブチルテレフタル酸、イソブチルテレフタル酸、sec−ブチルテレフタル酸及びtert−ブチルテレフタル酸等のアルキルテレフタル酸、ナフタリン−1,2−ジカルボン酸、ナフタリン−1,3−ジカルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−1,6−ジカルボン酸、ナフタリン−1,7−ジカルボン酸、ナフタリン−1,8−ジカルボン酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、アントラセン−1,3−ジカルボン酸、アントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−1,9−ジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸及びアントラセン−9,10−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、並びに2,2’−ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を具体的に挙げることができる。
分子中に3個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としては、トリカルバリル酸、クエン酸、イソクエン酸及びアコニット酸等の脂肪族トリカルボン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸及びトリメシン酸等の芳香族トリカルボン酸等が挙げられる。
分子中に4個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としては、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の4〜13個の炭素原子を有する脂肪族テトラカルボン酸、マレイン化メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸、ヘキサヒドロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、及びメリト酸等を挙げることができる。
○第四オニウム塩
第四オニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルピリジウムサルフェート、テトラエチルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムボレート、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムクロライド、及び5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネウムテトラフルオロボレート等の第四アンモニウム塩類、並びにテトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチリベンジルホウホニウムクロライド、トリオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホスホニウムクロライド、及びトリオクチルエチルホスホニウムジメチルホスフェート等の第四ホスホニウム塩類が挙げられる。
これらの中でも第四ホスホニウム塩類を用いることが好ましく、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、又はテトラブチルホスホニウムクロライドが特に好ましい。
○第四オニウム塩濃度
多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸との付加反応は、触媒の存在下に行うことが好ましい。この触媒の使用量は、多分岐ポリエーテル化合物に対して、1〜40モル%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜20モル%である。触媒量が1モル%未満であると、反応がほとんど進行しない場合があり、一方、40モル%を超えた割合で使用しても、格別の効果は認められない。
○反応温度と反応時間
多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸との反応温度は、100〜200℃の範囲で行うことが好ましく、更に好ましくは120〜180℃の温度範囲である。反応温度が100℃以下であると、十分なポリマー収率を得るためには長時間の反応を必要とする場合があり、200℃以上を超えると、十分な分子量のポリマーが得られない恐れがある。一方、反応時間については特に限定はないが、反応温度との兼ね合いで、10〜50時間の反応時間が適当である。
○反応時の溶媒
上記反応には、溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、アニソール、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、オルト−クロロベンゼン、及びジメチルスルホキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。また、反応は無溶媒で行うことも可能である。
本発明の多分岐マクロモノマーは、多分岐構造であり、一般の線状高分子と比較して、優れた特性が期待できる。特に本発明の多分岐マクロモノマーは、各種溶媒に対する溶解性に優れる特徴がある。また、本発明で得られる多分岐マクロモノマーは、側鎖に一級の水酸基を有することから、各種機能を有する官能基を導入することができることから、機能の発現を考慮した分子設計が可能となる。例えば、光ラジカル重合基としてのメタクロイル基、アルカリ現像性基としてのカルボキシル基を導入することにより、アルカリ現像可能なネガ型感光性樹脂として使用することができる。
<実施例>
実施例を述べて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、本実施例では、数平均分子量をMn、質量平均分子量をMw、分子量分布をMw/Mn、重合度をD.P.、エステル化率をD.E.、反応率をD.R.、分岐度をD.B.、赤外線スペクトルをIR、核磁気共鳴をNMR、ゲル浸透クロマトグラフィーをGPCと略す。
<合成例1>
○Poly(EHO)の合成
100mLのナス型フラスコに3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)を100mmol、Potassium tert−butoxide(t−BuOK)を10mol%、18−Crown−6(18−C−6)を10mol%、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を20mL入れ、180℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を蒸留水中に入れ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。この酸析物を、良溶媒にテトラヒドロフラン(THF)と貧溶媒にn−ヘキサンとを用いて再沈精製を行った後、減圧乾燥して、白色粉末を得た。
収量:8.0g(69%)
Mn:700、Mw/Mn:1.24
D.B.:0.18
・IR(film,cm-1):3365(O−H),1109,1051(C−O−C ether),990(C−O−C oxetane ring)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6 TMS)δppm:0.78(m,−CH3),1.25(m,−CH2CH3),1.60(m,−CH2CH3 end group),2.70−3.30(m,−OCH2,−CH2OH),3.42(s,−CH2O− end group),4.16(s,−CH2OH),4,42(AB quartet,0.66H,−CH2O− oxetane ring)
13C−NMR(125MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:7.60,8.04,22.0−23.2,26.5,40.0,43.3,62.0,71.6,73.4,77.1
この白色粉末は、各種分析データの解析から分子中に1個のオキセタン環を有する多分岐マクロモノマー(Poly(EHO))と決定した。
<合成例2>
○3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン(BHO)の合成
300mLのナス型フラスコに、ペンタエリスリトールを0.37mol、ジエチルカーボネートを0.5mol、及び炭酸カリウムを3mmol入れ、110℃で12時間撹拌した後、更に室温下で12時間撹拌した。その後、反応溶液中から副生成物であるエタノールと未反応のジエチルカーボネートとを常圧蒸留にて除去した。その後、粗生成物を減圧蒸留で精製し無色透明な固体を得た。
収量 18g(42%)
沸点 147℃(107Pa,文献値:148−160℃(1mmHg))
・IR(film,cm-1):3314(OH)、1109,1053(C−O−C ether)、983(C−O−C oxetane ring)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:3.55(d,4.0H,J=5.4Hz)、4.27(S,4.0H)、4.75(t,2.0H,J=5.4Hz)
13C−NMR(125MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:44.9(C)、62.0(CH2)、74.0(CH2
<合成例3>
○Poly(EHO)の単独重合
50mLの二口ナス型フラスコに上記で合成したPoly(EHO)を0.3mmol、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)を5mol%、及びNMPを1.5mL入れて窒素置換した後、160℃で12時間又は24時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、分液ロートに移して蒸留水で5回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行い、茶褐色の固体を得た。
下記に12時間及び24時間反応を行ったものの収率、分子量及び分子量分布を示す。
反応時間 収量 分子量Mn Mw/Mn
・12時間 95% 800 1.23
・24時間 93% 1100 1.52
12時間反応させたものは、Poly(EHO)の値にほとんど変化がないが,24時間反応させたものではPoly(EHO)に比べ分子量及び分子量分布が共に増加した。
また、茶褐色の固体のGPCを測定した結果、12時間反応を行ったものは、Poly(EHO)のパターンとほぼ同じであった。しかし、反応時間を24時間にしたものでは、高分子量側に新しい肩が現れた。これは、24時間反応させたものは、Poly(EHO)の単独重合がわずかに進行していることを示している。
<合成例4>
○BHOのアニオン開環重合(Poly(BHO))
摺りつき試験管に、BHOを3mmol、t−BuOKを10mol%、18−C−6を10mol%、及びNMPを0.6mL入れ、180℃で24時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を大量のメタノール中に入れ、沈殿した固体をろ過により回収した。得られた固体を60℃で減圧乾燥して褐色粉末(Poly(BHO))を得た。なお、得られた褐色粉末が種々の有機溶媒に不溶であることからアセチル化を行った。
20mLのナス型フラスコに、上記で得られたPoly(BHO)を0.2g、無水酢酸を3.2mL、及びピリジンを1.0mL入れ、3時間還流した。反応後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、希塩酸と蒸留水とで洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、溶媒を減圧留去することにより、褐色粘性の液体(Poly(BHO)−Ac)を得た。
収率:96%
Mn:3700,Mw/Mn:1.64
D.B.:0.51(4級炭素の13C−NMRのシグナル値から算出。Y.Chen,M.Bednarek,P.Kubisa,S.Penczek,J.Polym.Chem.Part A:Polym.Chem.,40,1991(2002)参照)
<合成例5>
○Poly(BHO)のカチオン開環重合
摺り付き試験管にPoly(BHO)−Ac(D.B.=0.30)を0.3mmol、表1に記載の仕込み比で3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(EPO)、及びクロロホルムを入れ、0℃に冷却した。その後、開始剤として三フッ化ホウ素エチルエーテル錯化合物を10mol%を加え、0℃で24時問反応を行った。その後、少量のピリジンを加えて反応を停止させた後、クロロホルムで反応溶液を希釈し、希塩酸と蒸留水とで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、貧溶媒にRun 1ではn−ヘキサンを、Run 2及びRun 3ではメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で減圧乾燥させることにより白色ポリマーを得た。結果を表1に示す。
Figure 2005255974
上記に記載したPoly(BHO)とEPOとを重合して得られる多分岐マクロモノマーにおいて、Poly(BHO)の代わりにPoly(EHO)を用いても同様の多分岐マクロモノマーを得ることができる。また、EPOの替わりに他のオキセタン化合物を用いて同様に操作して多分岐マクロモノマーを得ることができる。
○三官能性カルボン酸とPoly(EHO)との付加反応によるTMA−poly(EHO)の合成
50mLの二口ナス型フラスコに1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(TMA)を0.1mmol、Poly(EHO)を0.3mmol、TPPBを5mol%、NMPを1.5mL入れて窒素置換した後、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、分液ロートに移して蒸留水で5回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行い、茶褐色の固体(TMA−poly(EHO))を得た。
・収量:0.17g(83%)
・D.E.=94%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),l109,1038(C−O−C ether)
1H−NMR(500MHz,CDCl3,TMS)δppm:0.73−0.76(m,35.0),0.84−0.87(m,8.6),1.26−1.27(m,22.7),1.30−1.32(m,5.4),1.70−1.80(m,0.60),3.07−3.38(m,54.1),3.79−4.19(28.8),4.19(s,0.9),4.42(AB quartet,0.66),8.63−8.66(m,3.0)
得られた茶褐色の固体についてGPCを測定した結果、ピークは高分子側にシフトし、Poly(EHO)のピークがほぼ消失していた。また、高分子側にシフトしたピークは単峰性を示した。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるTMA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
○二官能性カルボン酸とPoly(EHO)との付加反応によるTPA−poly(EHO)の合成
100mLの二口ナス型フラスコにテレフタル酸(TPA)を1mmol、Poly(EHO)を2mmol、TPPBを5mol%、NMPを5mL入れ、窒素置換した後、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製を行い、減圧乾燥して茶褐色の固体(TPA−poly(EHO))を得た。
・収量:1.26g(81%)
・D.E.=93%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),1109,1038(C−O−C ether)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.73−0.76(m,35.0),0.84−0.87(m,8.6),1.26−1.27(m,22.7),1.30−1.32(m,5.4),1.70−1.80(m,0.78),3.10−3.42(m,80.1),4.19(s,0.9),4.42(AB quartet,0.66,oxetane ring),8.10−8.20(m,4.0)
得られた茶褐色の固体についてGPCを測定した結果、Poly(EHO)のピークは消失し、ピークは高分子量側へとシフトしていた。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるTPA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
<合成例6>
○エチルエステル残基を有するCRA誘導体(CRA−COOEt)の合成
100mLのナス型フラスコにカリックスアレン(CRA)を2mmol、無水炭酸カリウムを24mmol、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)を0.05mmol、NMPを7mL入れ、室温で12時間撹拌した。その後、この反応液にブロモ酪酸エチルエステル(BBE)を入れ、窒素雰囲気下、75℃で48時間撹拌した。反応後、塩をろ別除去し、酢酸エチルエステルで希釈後、蒸留水で5回洗浄を行った。酢酸エチルエステル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤をろ別後、酢酸エチルエステルを減圧留去した。この残渣は、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行った(CRA−COOEt)。
・収量:0.51g(18%)
・D.E.:100%
・IR(film,cm-1):1733(C−O ester),1584,1503,(C=C aromatic),1177(C−O−C ether)
1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δ(ppm):1.20〜1.30(m,6.0),1.40〜1.50(m,3.0),4.00〜4.20(m,16.0)4.65〜4.74(m,1.0),5.90〜7.25(m,2.0)
・質量分析(MALDI−TOF MS)
matrix:2,5−dihydroxybenzoic acid
計算値(m/s)1457.76[M+Na]+
実測値(m/s)1460.76[M+Na]+
<合成例7>
○カルボキシル基を有するCRA誘導体(八官能性カルボン酸、CRA−COOH)の合成
100mLのナス型フラスコに先に合成したCRA−COOEtを0.2mmol、水酸化カリウムを3.2mmol、TBABを5mol%、及び蒸留水を10mL入れ、90℃で72時間撹拌した。反応終了後、溶液をクエン酸水溶液に滴下し、固体を析出させた。固体をろ過により回収し、室温で24時間乾燥することにより白色固体(CRA−COOH)を得た。
・収量:0.21g(82%)
・D.R.=100%
・IR(film,cm-1):3408(O−H),1731(C=O),1499(C=C aromatic),1188(C−O−C ether)
1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δ(ppm):1.40〜1.50(m,3.0),4.00〜4.19(m,12.0),4.65〜4.74(m,1.0),5.90〜7.25(m,2.0)
・質量分析(MALDI−TOF MS)
matrix:2,5−dihydroxybenzoic acid
計算値(m/s)1319.76[M+Na]+
実測値(m/s)1320.76[M+Na]+
○CRA−COOHとPoly(EHO)との付加反応によるCRA−poly(EHO)の合成
100mLのナス型フラスコにCRA−COOHを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体を得た。
・回収量:0.59g(85%)
・D.E.=62%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),1109,1038(C−O−C ether)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.73−0.76(m,350.0),1.12−1.20(m,216.0),1.36−1.40(m,14,7),1.70−1.80(m,0.44),3.07−3.38(m,656.0),4.42(AB quartet,0.95),7.60−8.20(m,8.0)
得られた茶褐色の固体についてGPCを測定した結果、Poly(EHO)のピークは消失し、ピークは高分子量側へとシフトしていた(なお、低分子量側に未反応のPoly(EHO)とCRA誘導体のピークが若干残っていた)。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるCRA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
<合成例8>
○4−ビニル安息香酸(VBA)の合成
300mL三口フラスコにマグネシウムチップを80mmolと脱水THFを50mL入れ、窒素置換した。その後、70mmolを含有するp−クロロスチレンのTHF溶液を滴下し、80℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をドライアイスで冷却した。その後、希塩酸を用いて酸析を行い、酢酸エチルエステルを加えた後、蒸留水で5回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、減圧留去し、析出した固体を酢酸エチルエステル:n−ヘキサン(10:1)を用いて再結晶を行った。得られた固体を減圧乾燥することにより白色の固体(VBA)を得た。
・収量:8.2g(82%)
・融点:144.3〜145.1℃、文献値(143.0〜144.0℃)
・IR(film,cm-1):1682(C=O ester),1710(C=C vinyl),1581,1486(C=C aromatic)
1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δppm:5.30−5.40(dd J=11.4Hz,J=11.4Hz, 1.0),5.80−5.90(dd,J=11.4Hz,J=17.4Hz,1.0),6.70〜6.80(dd,J=ll.4Hz,J=17.4Hz,1.0),7.51(d,J=1.8Hz,2.0),8.12(d,J=1.8Hz,2.0)
<合成例9>
○VBAの単独重合(PolyVBA)
50mLのナス型フラスコにVBAを2.5mmol、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を10mol%、及びNMPを1mL入れ、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン:イソプロパノール(1:2)混合溶媒中に注ぎ、固体を沈殿させた。ろ過により固体を回収し、減圧乾燥させることにより白色固体(Poly−VBA)を得た。
・収量:0.23g(60%)
・Mn:20000 Mw/Mn:1.50
・IR(film,cm-1):1682(C=O),1581,1486(C=C aromatic)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δPPm:1.20〜1.70(m),6.40−6.85(m,aromatic),7.40−7.90(m,aromatic)
○PolyVBA−PolyEHOの合成
100mLのナス型フラスコにPoly−VBAを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体(PolyVBA−PolyEHO)を得た。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるPolyVBA−Poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
<合成例10>
○スチレンとVBA(1:1)との共重合(Styrene−co−VBA)
50mLのナス型フラスコにスチレンを2.5mmol、VBAを2.5mmol、AIBNを10mol%、及びNMPを1mL入れ、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、工一テルを用いて再沈精製を行い、減圧乾燥させることにより白色粉末固体(Styrene−co−VBA)を得た。
・収量:0.38g(62%)
・Mn:9000 Mw/Mn:1.36
・ポリマーの組成比;スチレン:VBA=1:1
・IR(film,cm-1):1682(C=O),1581,1486(C=C aromatic)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS):δPPm:1.20〜1.62(m),6.20−6.80(m,aromatic),6.90−7.25(m,aromatic),7.40〜7.90(m,aromatic)
○Styrene−co−VBA−polyEHOの合成
100mLのナス型フラスコにStyrene−co−VBAを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体(Styrene−co−VBA−polyEHO)を得た。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるStyrene−co−VBA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
また、上記に記載したPoly(EHO)の替わりにPoly(BHO)を用いても同様の多分岐マクロモノマーを得ることができる。
<合成例11>
○Poly(BHO)へのメタクリロイル基の導入
ナス型フラスコにPoly(BHO)を1.6mmol、メタクリル酸無水物を16mmol、ピリジンを1.0mL、及び重合禁止剤としてヒドロキノンを少量入れ、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、希塩酸及び蒸留水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、良溶媒としてクロロホルム、貧溶媒としてn−ヘキサンを用いて再沈精製を行うことにより褐色粘性ポリマーを得た。
・エステル化率(D.E.)=83%
・収量:0.14g(34%)
・IR(film,cm-1):1742(C=O),1232(C−O−C ester),1109,1053(C−O−C ether),983(C−O−C oxetane ring)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:1.9(S,4.9H),3.16−3.64(m,4.0H)、4.00−4.41(m,4.0H)、5.55(s,1.6H)、6.05(s,1.6H)
Poly(BHO)はメタクリル酸無水物と反応してメタクリル酸エステル体とすることができた。
○TPA−poly(EHO)とメタクリル酸無水物との付加反応による側鎖にラジカル重合性基を有するPoly(EHO−MA)−TPAの合成
100mLのナス型フラスコにTPA−poly(EHO)を0.1mmol(水酸基当量1.8mmol)秤取り、ピリジン0.5mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を3.6mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿させた。ろ過により固体を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物について、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.0ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークとを確認した。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にし、メタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、80%であった。以上のことから、メタクリロイル基を80%有するPoly(EHO−MA)−TPAと決定した。
エステル化率(D.E.)=80%
収量:0.16g(45%)
・IR(film,cm-1):3220、1721、1638、1460、1108、1050.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−1.02(m,10H)、1.20−1.50(m,6.7H)、1.80(s,8.9H)、3.68−4.00(m,110.0H)、5.61(s,3H)、6.00(s,2.8H)、8.20−8.88(m,4H).
○TMA−poly(EHO)とメタクリル酸無水物との付加反応による側鎖にラジカル重合性基を有するPoly(EHO−MA)−TMAの合成
100mLのナス型フラスコにTMA−poly(EHO)を0.3mmol(水酸基当量3.6mmol)秤取り、ピリジン2mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を11.0mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。ここで得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を得て減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
褐色の付加体化合物は、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.0ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークが現れた。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にしメタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、78%であった。以上のことから、メタクリロイル基を78%有するPoly(EHO−MA)−TMAと決定した。
エステル化率(D.E.):78%
収量:0.16g(45%)
・IR(film,cm-1)3285、1721、1638、1523、1103、1050.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.60−0.72(m,9.0H)、1.20−1.39(m,5.9H)、1.80(s,5.0H)、3.68−4.00(m,110.0H)、5.61(s,2.5H)、6.00(s,2.4H)、8.50−8.68(m,3.0H).
○CRA−poly(EHO)とメタクリル酸無水物との付加反応による側鎖にラジカル重合性基を有するPoly(EHO−MA)−CRAの合成
100mLのナス型フラスコにCRA−poly(EHO)を0.05mmol(水酸基当量3.0mmol)秤取り、ピリジン3.0mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を9.0mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物は、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.8ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークを認めた。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にしメタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、65%であった。以上のことから、メタクリロイル基を65%有するPoly(EHO−MA)−CRAと決定した。
エステル化率:65%
収量:0.25g(52%)
・IR(film,cm-1)3220、1735、1638、1523、1103、1050.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,66.0H)、1.20−1.39(m,47.9H)、1.80(s,46.0H)、3.68−4.00(m,80.0H)、5.61(s,15.5H)、5.80(s,15.4H)、8.50−8.68(m,3.0H).
○Poly(EHO−MA)−TPA、Poly(EHO−MA)−TMA、Poly(EHO−MA)−CRAの光重合反応
ラジカル重合性基を有する付加体化合物[Poly(EHO−MA)−TPA、Poly(EHO−MA)−TMA、Poly(EHO−MA)−CRA]を各0.2g(60wt%)、光ラジカル開始剤としてIrgracure 907を0.01g(3wt%)、増感剤として2−エチルアントラキノン(2E−AQ)を0.003g(1wt%)を秤取り、均一になるまで混合しサンプルを調製した。この混合物をKBr板上に塗布し、2850cm-1存近の吸収度を約1とするフィルムを作製した。光重合反応における光源は、250W高圧水銀灯を用い、照度は254nmで(810mJ/cm2)とした。光重合反応における転化率の測定は、1638cm-1のメタクリロイル基に起因する吸収の減衰から算出した。
この結果、Poly(EHO−MA)−TPA、Poly(EHO−MA)−TMA、Poly(EHO−MA)−CRAフィルムにUV照射後の硬化塗膜は、THFに不溶となった。また、Poly(EHO−MA)−TPAは変換率が約45%、Poly(EHO−MA)−TMAは変換率が約36%、Poly(EHO−MA)−CRAは変換率が約27%であった。
○Poly(EHO−MA)−TPAとテトラヒドロフタル酸無水物(THPA)との付加反応による側鎖にラジカル重合性基とアルカリ現像性基を有するPoly(EHO−MA−THPA)−TPAの合成
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−TPAを0.1mmol、THPAを0.6mmol、トリフェニルホスフィン(TPP)を5mol%、および1,4−ジオキサンを2mL入れ、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。ここで得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を生成させた。この沈殿をろ過により回収し、減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物は、IRスペクトルにより3300cm-1付近にカルボン酸のO−Hに起因するピークを確認した。さらに1H NMRスペクトルにより5.63ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを確認した。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより、1.92ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.63ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から算出した。この結果、20%であった。以上のことから、メタクリロイル基を80%、カルボキシル基を20%有するPoly(EHO−MA−THPA)−TPAと決定した。
D.E.=65%
収量:0.17g(80%)
・IR(film,cm-1)3300、1718、1637、1163.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,20.0H)、1.20−1.39(m,15.9H)、1.80(s,12.0H)、2.20−2.40(m,4.0H)、3.68−4.00(s,58.0H)、5.61(s,3.5H)、5.70(s,2.0H)、5.80(s,3.4H)、8.00−8.28(m,4.0H).
○Poly(EHO−MA)−TMAとTHPAとの付加反応による側鎖にラジカル重合性基とアルカリ現像性基とを有するPoly(EHO−MA−THPA)−TMAの合成
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−TMAを0.1mmol、THPAを1.2mmol、トリフェニルホスフィンを5mol%、3mLの1,4−ジオキサンを入れ、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別後、ろ液から溶媒を減圧留去した。この得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
褐色の付加体化合物は、IRスペクトルにより3352cm-1付近にカルボン酸のOHに起因するピークを認めた。さらに1H NMRスペクトルにより5.63ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを認めた。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより、1.72ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.56ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から計算した。この結果、20%であった。以上のことから、褐色の付加体化合物は、メタクリロイル基を80%、カルボキシル基を20%有するPoly(EHO−MA−THPA)−TMAと決定した。
D.E.=20%
収量:0.4g(80%)
・IR(film,cm-1):3300、1718、1637、1163.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,20.0H)、1.10−1.39(m,18.9H)、1.70(s,20.4H)、2.10−2.30(m,2.7H)、3.68−4.00(s,30.0H)、5.61(s,3.5H)、5.80(s,3.4H)、5.90(s,2.7H)、8.10−8.23(m,3.0H).
○Poly(EHO−MA)−CRAとTHPAとの付加反応による側鎖にラジカル重合性基とアルカリ現像性基とを有するPoly(EHO−MA−THPA)−CRAの合成
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−CRAを0.1mmol、THPAを24mmol、トリフェニルホスフィンを5mol%秤取り、3mLの1,4−ジオキサン中、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧留去した。残った液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。
この沈殿は、IRスペクトルにより3250cm-1付近にカルボン酸のOHに起因するピークを認めた。さらに1H NMRスペクトルにより5.65ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを認めた。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより1.80ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.65ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から計算し、25%であった。以上のことから、この沈殿は、メタクリロイル基を65%、カルボキシル基を25%有するPoly(EHO−MA−THPA)−CRAと決定した。
D.E.=25%
収量:0.95g(85%)
・IR(film,cm-1):3300、1718、1637、1163.
1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,66.0H)、1.20−1.39(m,47.9H)、1.80(s,46.0H)、2.20−2.40(m,31.0H)、3.68−4.00(s,80.0H)、5.61(s,15.5H)、5.72(s,14.0H)、5.80(s,15.4H)、7.50−8.28(m,8.0H).
○溶解性試験
表2〜4に記載のサンプル2mgに表2〜4に記載の溶媒2mLを加え、室温で10分間放置した。
室温で10分間で溶解したものを「++」、加熱により溶解したものを「+」、一部溶解しなかったものを「±」、溶解しなかったものを「−」として評価した。
表5に記載のサンプル2mgに表5に記載のアルカリ水溶液(テトラメチルアンモニウムヒドロオキシドはTMAHと称す)に対する溶解性についても検討した。これらの結果を下記表2〜5に示す。なお、Poly(EHO)−TPAを「イ」と、Poly(EHO−MA)−TPAを「ロ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−TPAを「ハ」と、Poly(EHO)−TMAを「ニ」と、Poly(EHO−MA)−TMAを「ホ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−TMAを「ヘ」と、Poly(EHO)−CRAを「ト」と、Poly(EHO−MA)−CRAを「チ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−CRAを「リ」と表示した。
Figure 2005255974
Figure 2005255974
Figure 2005255974
Figure 2005255974
○付加体化合物の熱分析
表6に記載の付加体化合物(実施例13に記載した略号を使用)をアルミニウムパンに4mg秤とり、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで20〜600℃まで昇温させ、TG/DTA測定を行った。
また、DSC測定は、表6に記載のものをアルミニウムパンに4mg秤とり、密閉し、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで20〜200℃まで昇温させて行った。
これらの結果を下記表6に記す。Td5%は5%質量減少温度(℃)を、およびTd10%は10%質量減少温度(℃)を示す。
Figure 2005255974
この結果、各付加体化合物は、20〜200℃の間で明確なガラス転位温度(Tg)を認めることが出来なかった。
5%質量減少温度はポリマー類の末端が水酸基の場合、333〜351℃、末端メタクリロイル基の場合、355〜357℃、光架橋を行った後では、333〜351℃であった。さらに10%質量減少温度は、ポリマー類の末端が水酸基の場合、354〜368℃、末端メタクリロイル基の場合は389〜392℃、光架橋を行った後では、390〜395℃となり、光架橋を行うことにより、5%、10%質量減少温度ともに若干向上することが判明した。
本発明の多分岐マクロモノマーは、この分子中に存在する水酸基にビニル基、(メタ)アクリレート基、エポキシ基又はカルボキシル基等の官能基を有する化合物を付加することが容易である。このことから、本発明の多分岐マクロモノマーにより多くの機能を有する多分岐マクロモノマーに誘導することができる。また、本発明の多分岐マクロモノマーは、溶解性が向上するなどの機能が期待できる。このことから、各種用途の用いる樹脂の原料として活用できる。

Claims (3)

  1. 1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物と、多価カルボン酸とを反応させて得られる多分岐マクロモノマー。
  2. 水酸基を有するオキセタン化合物をアニオン開環重合して得た分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物と、多価カルボン酸とを反応させることを特徴とする請求項1記載の多分岐マクロモノマーの製造方法。
  3. 水酸基を有するオキセタン化合物が下記式(1)で表されるものである請求項2記載の多分岐マクロモノマーの製造方法。
    Figure 2005255974
    (式(1)中のR1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
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