JP2005255974A - 複数のアルキル基と水酸基とを有する多分岐マクロモノマー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
ビニル基やエポキシ基等の重合性基を有する化合物又はカルボキシル基等の官能基を有する化合物と結合させることができる一級水酸基を複数個有する多分岐マクロモノマーを提供することである。及び、その製造方法を提供することである。
【解決手段】
水酸基を有するオキセタン化合物をアニオン開環重合させることにより得た分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物を、多価カルボン酸と反応させて得られる複数の水酸基を有する多分岐マクロモノマー(多分岐マクロモノマーと称する)により上記課題を解決できることを見出した。また、この多分岐マクロモノマーを得るための製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
デンドロンと同様に多分岐構造を有するハイパーブランチ高分子をマクロモノマーとして用いたものも報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
以下、本発明を詳細に説明する。
○水酸基を有するオキセタン化合物
多分岐ポリエーテル化合物の合成に用いる水酸基を有するオキセタン化合物としては、下記式(1)が挙げられる。
式(1)で表される化合物をアニオン開環重合させることにより分子内に1個のオキセタニル基と複数の水酸基とを有する多分岐ポリエーテル化合物を合成することができる。このアニオン開環重合の開始剤としては、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛、アルミニウムポルフィリン錯体、アルカリ金属アルコキシドとクラウンエーテルの併用系等を用いることができ、アルカリ金属アルコキシドとクラウンエーテルとの併用系が好適である。
本発明の多分岐マクロモノマーは、多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸とを重付加反応することにより得ることができる。
この重付加反応としては、第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体、第三アミン等を触媒に用い、これらの存在下に重付加反応させることが好ましい。これらの触媒の中でも、オキセタン環と多価カルボン酸との反応性の面から、第四オニウム塩、クラウンエーテル錯体の使用がより好ましい。
本発明の多分岐マクロモノマーを得るための多価カルボン酸としては、分子中に2個以上、好ましくは2〜200個のカルボキシル基を有する化合物であり、更に好ましくは2〜150個のカルボキシル基を有する化合物である。
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の4〜13個の炭素原子を有する脂肪族テトラカルボン酸、マレイン化メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸、ヘキサヒドロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、及びメリト酸等を挙げることができる。
第四オニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルピリジウムサルフェート、テトラエチルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムボレート、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウムクロライド、及び5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネウムテトラフルオロボレート等の第四アンモニウム塩類、並びにテトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチリベンジルホウホニウムクロライド、トリオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホスホニウムクロライド、及びトリオクチルエチルホスホニウムジメチルホスフェート等の第四ホスホニウム塩類が挙げられる。
これらの中でも第四ホスホニウム塩類を用いることが好ましく、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、又はテトラブチルホスホニウムクロライドが特に好ましい。
多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸との付加反応は、触媒の存在下に行うことが好ましい。この触媒の使用量は、多分岐ポリエーテル化合物に対して、1〜40モル%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜20モル%である。触媒量が1モル%未満であると、反応がほとんど進行しない場合があり、一方、40モル%を超えた割合で使用しても、格別の効果は認められない。
多分岐ポリエーテル化合物と多価カルボン酸との反応温度は、100〜200℃の範囲で行うことが好ましく、更に好ましくは120〜180℃の温度範囲である。反応温度が100℃以下であると、十分なポリマー収率を得るためには長時間の反応を必要とする場合があり、200℃以上を超えると、十分な分子量のポリマーが得られない恐れがある。一方、反応時間については特に限定はないが、反応温度との兼ね合いで、10〜50時間の反応時間が適当である。
上記反応には、溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、アニソール、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、オルト−クロロベンゼン、及びジメチルスルホキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。また、反応は無溶媒で行うことも可能である。
実施例を述べて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、本実施例では、数平均分子量をMn、質量平均分子量をMw、分子量分布をMw/Mn、重合度をD.P.、エステル化率をD.E.、反応率をD.R.、分岐度をD.B.、赤外線スペクトルをIR、核磁気共鳴をNMR、ゲル浸透クロマトグラフィーをGPCと略す。
○Poly(EHO)の合成
100mLのナス型フラスコに3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)を100mmol、Potassium tert−butoxide(t−BuOK)を10mol%、18−Crown−6(18−C−6)を10mol%、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を20mL入れ、180℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を蒸留水中に入れ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。この酸析物を、良溶媒にテトラヒドロフラン(THF)と貧溶媒にn−ヘキサンとを用いて再沈精製を行った後、減圧乾燥して、白色粉末を得た。
収量:8.0g(69%)
Mn:700、Mw/Mn:1.24
D.B.:0.18
・IR(film,cm-1):3365(O−H),1109,1051(C−O−C ether),990(C−O−C oxetane ring)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6 TMS)δppm:0.78(m,−CH3),1.25(m,−CH2CH3),1.60(m,−CH2CH3 end group),2.70−3.30(m,−OCH2,−CH2OH),3.42(s,−CH2O− end group),4.16(s,−CH2OH),4,42(AB quartet,0.66H,−CH2O− oxetane ring)
・13C−NMR(125MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:7.60,8.04,22.0−23.2,26.5,40.0,43.3,62.0,71.6,73.4,77.1
この白色粉末は、各種分析データの解析から分子中に1個のオキセタン環を有する多分岐マクロモノマー(Poly(EHO))と決定した。
○3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン(BHO)の合成
300mLのナス型フラスコに、ペンタエリスリトールを0.37mol、ジエチルカーボネートを0.5mol、及び炭酸カリウムを3mmol入れ、110℃で12時間撹拌した後、更に室温下で12時間撹拌した。その後、反応溶液中から副生成物であるエタノールと未反応のジエチルカーボネートとを常圧蒸留にて除去した。その後、粗生成物を減圧蒸留で精製し無色透明な固体を得た。
収量 18g(42%)
沸点 147℃(107Pa,文献値:148−160℃(1mmHg))
・IR(film,cm-1):3314(OH)、1109,1053(C−O−C ether)、983(C−O−C oxetane ring)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:3.55(d,4.0H,J=5.4Hz)、4.27(S,4.0H)、4.75(t,2.0H,J=5.4Hz)
・13C−NMR(125MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:44.9(C)、62.0(CH2)、74.0(CH2)
○Poly(EHO)の単独重合
50mLの二口ナス型フラスコに上記で合成したPoly(EHO)を0.3mmol、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)を5mol%、及びNMPを1.5mL入れて窒素置換した後、160℃で12時間又は24時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、分液ロートに移して蒸留水で5回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行い、茶褐色の固体を得た。
下記に12時間及び24時間反応を行ったものの収率、分子量及び分子量分布を示す。
反応時間 収量 分子量Mn Mw/Mn
・12時間 95% 800 1.23
・24時間 93% 1100 1.52
また、茶褐色の固体のGPCを測定した結果、12時間反応を行ったものは、Poly(EHO)のパターンとほぼ同じであった。しかし、反応時間を24時間にしたものでは、高分子量側に新しい肩が現れた。これは、24時間反応させたものは、Poly(EHO)の単独重合がわずかに進行していることを示している。
○BHOのアニオン開環重合(Poly(BHO))
摺りつき試験管に、BHOを3mmol、t−BuOKを10mol%、18−C−6を10mol%、及びNMPを0.6mL入れ、180℃で24時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を大量のメタノール中に入れ、沈殿した固体をろ過により回収した。得られた固体を60℃で減圧乾燥して褐色粉末(Poly(BHO))を得た。なお、得られた褐色粉末が種々の有機溶媒に不溶であることからアセチル化を行った。
20mLのナス型フラスコに、上記で得られたPoly(BHO)を0.2g、無水酢酸を3.2mL、及びピリジンを1.0mL入れ、3時間還流した。反応後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、希塩酸と蒸留水とで洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、溶媒を減圧留去することにより、褐色粘性の液体(Poly(BHO)−Ac)を得た。
収率:96%
Mn:3700,Mw/Mn:1.64
D.B.:0.51(4級炭素の13C−NMRのシグナル値から算出。Y.Chen,M.Bednarek,P.Kubisa,S.Penczek,J.Polym.Chem.Part A:Polym.Chem.,40,1991(2002)参照)
○Poly(BHO)のカチオン開環重合
摺り付き試験管にPoly(BHO)−Ac(D.B.=0.30)を0.3mmol、表1に記載の仕込み比で3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(EPO)、及びクロロホルムを入れ、0℃に冷却した。その後、開始剤として三フッ化ホウ素エチルエーテル錯化合物を10mol%を加え、0℃で24時問反応を行った。その後、少量のピリジンを加えて反応を停止させた後、クロロホルムで反応溶液を希釈し、希塩酸と蒸留水とで洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、貧溶媒にRun 1ではn−ヘキサンを、Run 2及びRun 3ではメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で減圧乾燥させることにより白色ポリマーを得た。結果を表1に示す。
50mLの二口ナス型フラスコに1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(TMA)を0.1mmol、Poly(EHO)を0.3mmol、TPPBを5mol%、NMPを1.5mL入れて窒素置換した後、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、分液ロートに移して蒸留水で5回洗浄を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行い、茶褐色の固体(TMA−poly(EHO))を得た。
・収量:0.17g(83%)
・D.E.=94%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),l109,1038(C−O−C ether)
・1H−NMR(500MHz,CDCl3,TMS)δppm:0.73−0.76(m,35.0),0.84−0.87(m,8.6),1.26−1.27(m,22.7),1.30−1.32(m,5.4),1.70−1.80(m,0.60),3.07−3.38(m,54.1),3.79−4.19(28.8),4.19(s,0.9),4.42(AB quartet,0.66),8.63−8.66(m,3.0)
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるTMA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
100mLの二口ナス型フラスコにテレフタル酸(TPA)を1mmol、Poly(EHO)を2mmol、TPPBを5mol%、NMPを5mL入れ、窒素置換した後、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製を行い、減圧乾燥して茶褐色の固体(TPA−poly(EHO))を得た。
・収量:1.26g(81%)
・D.E.=93%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),1109,1038(C−O−C ether)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.73−0.76(m,35.0),0.84−0.87(m,8.6),1.26−1.27(m,22.7),1.30−1.32(m,5.4),1.70−1.80(m,0.78),3.10−3.42(m,80.1),4.19(s,0.9),4.42(AB quartet,0.66,oxetane ring),8.10−8.20(m,4.0)
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるTPA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
○エチルエステル残基を有するCRA誘導体(CRA−COOEt)の合成
100mLのナス型フラスコにカリックスアレン(CRA)を2mmol、無水炭酸カリウムを24mmol、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)を0.05mmol、NMPを7mL入れ、室温で12時間撹拌した。その後、この反応液にブロモ酪酸エチルエステル(BBE)を入れ、窒素雰囲気下、75℃で48時間撹拌した。反応後、塩をろ別除去し、酢酸エチルエステルで希釈後、蒸留水で5回洗浄を行った。酢酸エチルエステル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤をろ別後、酢酸エチルエステルを減圧留去した。この残渣は、n−ヘキサンを用いて再沈精製を2回行った(CRA−COOEt)。
・収量:0.51g(18%)
・D.E.:100%
・IR(film,cm-1):1733(C−O ester),1584,1503,(C=C aromatic),1177(C−O−C ether)
・1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δ(ppm):1.20〜1.30(m,6.0),1.40〜1.50(m,3.0),4.00〜4.20(m,16.0)4.65〜4.74(m,1.0),5.90〜7.25(m,2.0)
・質量分析(MALDI−TOF MS)
matrix:2,5−dihydroxybenzoic acid
計算値(m/s)1457.76[M+Na]+
実測値(m/s)1460.76[M+Na]+
○カルボキシル基を有するCRA誘導体(八官能性カルボン酸、CRA−COOH)の合成
100mLのナス型フラスコに先に合成したCRA−COOEtを0.2mmol、水酸化カリウムを3.2mmol、TBABを5mol%、及び蒸留水を10mL入れ、90℃で72時間撹拌した。反応終了後、溶液をクエン酸水溶液に滴下し、固体を析出させた。固体をろ過により回収し、室温で24時間乾燥することにより白色固体(CRA−COOH)を得た。
・収量:0.21g(82%)
・D.R.=100%
・IR(film,cm-1):3408(O−H),1731(C=O),1499(C=C aromatic),1188(C−O−C ether)
・1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δ(ppm):1.40〜1.50(m,3.0),4.00〜4.19(m,12.0),4.65〜4.74(m,1.0),5.90〜7.25(m,2.0)
・質量分析(MALDI−TOF MS)
matrix:2,5−dihydroxybenzoic acid
計算値(m/s)1319.76[M+Na]+
実測値(m/s)1320.76[M+Na]+
100mLのナス型フラスコにCRA−COOHを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体を得た。
・回収量:0.59g(85%)
・D.E.=62%
・IR(film,cm-1):3460(O−H),1740(C=O ester),1486(C=C aromatic),1240(C−O−C ester),1109,1038(C−O−C ether)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.73−0.76(m,350.0),1.12−1.20(m,216.0),1.36−1.40(m,14,7),1.70−1.80(m,0.44),3.07−3.38(m,656.0),4.42(AB quartet,0.95),7.60−8.20(m,8.0)
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるCRA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
○4−ビニル安息香酸(VBA)の合成
300mL三口フラスコにマグネシウムチップを80mmolと脱水THFを50mL入れ、窒素置換した。その後、70mmolを含有するp−クロロスチレンのTHF溶液を滴下し、80℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をドライアイスで冷却した。その後、希塩酸を用いて酸析を行い、酢酸エチルエステルを加えた後、蒸留水で5回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、減圧留去し、析出した固体を酢酸エチルエステル:n−ヘキサン(10:1)を用いて再結晶を行った。得られた固体を減圧乾燥することにより白色の固体(VBA)を得た。
・収量:8.2g(82%)
・融点:144.3〜145.1℃、文献値(143.0〜144.0℃)
・IR(film,cm-1):1682(C=O ester),1710(C=C vinyl),1581,1486(C=C aromatic)
・1H−NMR(500MHz,CDC13,TMS)δppm:5.30−5.40(dd J=11.4Hz,J=11.4Hz, 1.0),5.80−5.90(dd,J=11.4Hz,J=17.4Hz,1.0),6.70〜6.80(dd,J=ll.4Hz,J=17.4Hz,1.0),7.51(d,J=1.8Hz,2.0),8.12(d,J=1.8Hz,2.0)
○VBAの単独重合(PolyVBA)
50mLのナス型フラスコにVBAを2.5mmol、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を10mol%、及びNMPを1mL入れ、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン:イソプロパノール(1:2)混合溶媒中に注ぎ、固体を沈殿させた。ろ過により固体を回収し、減圧乾燥させることにより白色固体(Poly−VBA)を得た。
・収量:0.23g(60%)
・Mn:20000 Mw/Mn:1.50
・IR(film,cm-1):1682(C=O),1581,1486(C=C aromatic)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δPPm:1.20〜1.70(m),6.40−6.85(m,aromatic),7.40−7.90(m,aromatic)
100mLのナス型フラスコにPoly−VBAを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体(PolyVBA−PolyEHO)を得た。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるPolyVBA−Poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
○スチレンとVBA(1:1)との共重合(Styrene−co−VBA)
50mLのナス型フラスコにスチレンを2.5mmol、VBAを2.5mmol、AIBNを10mol%、及びNMPを1mL入れ、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、工一テルを用いて再沈精製を行い、減圧乾燥させることにより白色粉末固体(Styrene−co−VBA)を得た。
・収量:0.38g(62%)
・Mn:9000 Mw/Mn:1.36
・ポリマーの組成比;スチレン:VBA=1:1
・IR(film,cm-1):1682(C=O),1581,1486(C=C aromatic)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS):δPPm:1.20〜1.62(m),6.20−6.80(m,aromatic),6.90−7.25(m,aromatic),7.40〜7.90(m,aromatic)
100mLのナス型フラスコにStyrene−co−VBAを0.lmmol、Poly(EHO)を0.8mmol、TPPBを5mol%、及びNMPを2mL入れた後、窒素置換し、160℃で12時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を蒸留水中に注ぎ、希塩酸を用いて酸析を行い、析出した固体をろ過により回収した。その後、良溶媒にTHF、貧溶媒にn−ヘキサンを用いて再沈精製し、減圧乾燥させることにより、茶褐色の固体(Styrene−co−VBA−polyEHO)を得た。
ここで得られた多分岐マクロモノマーであるStyrene−co−VBA−poly(EHO)は、各種官能基を簡単に付与できるものとして使用することができる。
また、上記に記載したPoly(EHO)の替わりにPoly(BHO)を用いても同様の多分岐マクロモノマーを得ることができる。
○Poly(BHO)へのメタクリロイル基の導入
ナス型フラスコにPoly(BHO)を1.6mmol、メタクリル酸無水物を16mmol、ピリジンを1.0mL、及び重合禁止剤としてヒドロキノンを少量入れ、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をクロロホルムで希釈し、希塩酸及び蒸留水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、良溶媒としてクロロホルム、貧溶媒としてn−ヘキサンを用いて再沈精製を行うことにより褐色粘性ポリマーを得た。
・エステル化率(D.E.)=83%
・収量:0.14g(34%)
・IR(film,cm-1):1742(C=O),1232(C−O−C ester),1109,1053(C−O−C ether),983(C−O−C oxetane ring)
・1H−NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:1.9(S,4.9H),3.16−3.64(m,4.0H)、4.00−4.41(m,4.0H)、5.55(s,1.6H)、6.05(s,1.6H)
Poly(BHO)はメタクリル酸無水物と反応してメタクリル酸エステル体とすることができた。
100mLのナス型フラスコにTPA−poly(EHO)を0.1mmol(水酸基当量1.8mmol)秤取り、ピリジン0.5mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を3.6mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿させた。ろ過により固体を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物について、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.0ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークとを確認した。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にし、メタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、80%であった。以上のことから、メタクリロイル基を80%有するPoly(EHO−MA)−TPAと決定した。
エステル化率(D.E.)=80%
収量:0.16g(45%)
・IR(film,cm-1):3220、1721、1638、1460、1108、1050.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−1.02(m,10H)、1.20−1.50(m,6.7H)、1.80(s,8.9H)、3.68−4.00(m,110.0H)、5.61(s,3H)、6.00(s,2.8H)、8.20−8.88(m,4H).
100mLのナス型フラスコにTMA−poly(EHO)を0.3mmol(水酸基当量3.6mmol)秤取り、ピリジン2mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を11.0mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。ここで得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を得て減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
褐色の付加体化合物は、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.0ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークが現れた。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にしメタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、78%であった。以上のことから、メタクリロイル基を78%有するPoly(EHO−MA)−TMAと決定した。
エステル化率(D.E.):78%
収量:0.16g(45%)
・IR(film,cm-1)3285、1721、1638、1523、1103、1050.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.60−0.72(m,9.0H)、1.20−1.39(m,5.9H)、1.80(s,5.0H)、3.68−4.00(m,110.0H)、5.61(s,2.5H)、6.00(s,2.4H)、8.50−8.68(m,3.0H).
100mLのナス型フラスコにCRA−poly(EHO)を0.05mmol(水酸基当量3.0mmol)秤取り、ピリジン3.0mLに溶解させた。次にメタクリル酸無水物を9.0mmolとヒドロキノンを少量加え、室温で48時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、1N塩酸で2回、蒸留水で5回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物は、IRスペクトルで1638cm-1にメタクリロイル基のνC=Cに起因する吸収を確認した。また、1H NMRにおいては1.8ppmにメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークと、5.6ppm、6.8ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに起因するピークを認めた。さらに、エステル化率をPoly(EHO)のメチレンプロトンの積分値を基準にしメタクリロイル基のメチルプロトンの積分値から算出したところ、65%であった。以上のことから、メタクリロイル基を65%有するPoly(EHO−MA)−CRAと決定した。
エステル化率:65%
収量:0.25g(52%)
・IR(film,cm-1)3220、1735、1638、1523、1103、1050.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,66.0H)、1.20−1.39(m,47.9H)、1.80(s,46.0H)、3.68−4.00(m,80.0H)、5.61(s,15.5H)、5.80(s,15.4H)、8.50−8.68(m,3.0H).
ラジカル重合性基を有する付加体化合物[Poly(EHO−MA)−TPA、Poly(EHO−MA)−TMA、Poly(EHO−MA)−CRA]を各0.2g(60wt%)、光ラジカル開始剤としてIrgracure 907を0.01g(3wt%)、増感剤として2−エチルアントラキノン(2E−AQ)を0.003g(1wt%)を秤取り、均一になるまで混合しサンプルを調製した。この混合物をKBr板上に塗布し、2850cm-1存近の吸収度を約1とするフィルムを作製した。光重合反応における光源は、250W高圧水銀灯を用い、照度は254nmで(810mJ/cm2)とした。光重合反応における転化率の測定は、1638cm-1のメタクリロイル基に起因する吸収の減衰から算出した。
この結果、Poly(EHO−MA)−TPA、Poly(EHO−MA)−TMA、Poly(EHO−MA)−CRAフィルムにUV照射後の硬化塗膜は、THFに不溶となった。また、Poly(EHO−MA)−TPAは変換率が約45%、Poly(EHO−MA)−TMAは変換率が約36%、Poly(EHO−MA)−CRAは変換率が約27%であった。
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−TPAを0.1mmol、THPAを0.6mmol、トリフェニルホスフィン(TPP)を5mol%、および1,4−ジオキサンを2mL入れ、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去した。ここで得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を生成させた。この沈殿をろ過により回収し、減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
この褐色の付加体化合物は、IRスペクトルにより3300cm-1付近にカルボン酸のO−Hに起因するピークを確認した。さらに1H NMRスペクトルにより5.63ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを確認した。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより、1.92ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.63ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から算出した。この結果、20%であった。以上のことから、メタクリロイル基を80%、カルボキシル基を20%有するPoly(EHO−MA−THPA)−TPAと決定した。
D.E.=65%
収量:0.17g(80%)
・IR(film,cm-1)3300、1718、1637、1163.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,20.0H)、1.20−1.39(m,15.9H)、1.80(s,12.0H)、2.20−2.40(m,4.0H)、3.68−4.00(s,58.0H)、5.61(s,3.5H)、5.70(s,2.0H)、5.80(s,3.4H)、8.00−8.28(m,4.0H).
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−TMAを0.1mmol、THPAを1.2mmol、トリフェニルホスフィンを5mol%、3mLの1,4−ジオキサンを入れ、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別後、ろ液から溶媒を減圧留去した。この得られた液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。ろ過により沈殿を回収し減圧乾燥させることにより褐色の付加体化合物を得た。
褐色の付加体化合物は、IRスペクトルにより3352cm-1付近にカルボン酸のOHに起因するピークを認めた。さらに1H NMRスペクトルにより5.63ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを認めた。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより、1.72ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.56ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から計算した。この結果、20%であった。以上のことから、褐色の付加体化合物は、メタクリロイル基を80%、カルボキシル基を20%有するPoly(EHO−MA−THPA)−TMAと決定した。
D.E.=20%
収量:0.4g(80%)
・IR(film,cm-1):3300、1718、1637、1163.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,20.0H)、1.10−1.39(m,18.9H)、1.70(s,20.4H)、2.10−2.30(m,2.7H)、3.68−4.00(s,30.0H)、5.61(s,3.5H)、5.80(s,3.4H)、5.90(s,2.7H)、8.10−8.23(m,3.0H).
100mLのナス型フラスコにPoly(EHO−MA)−CRAを0.1mmol、THPAを24mmol、トリフェニルホスフィンを5mol%秤取り、3mLの1,4−ジオキサン中、室温で24時間攪拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、蒸留水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、乾燥剤をろ別し、溶媒を減圧留去した。残った液体をn−ヘキサン中に入れ沈殿を得た。
この沈殿は、IRスペクトルにより3250cm-1付近にカルボン酸のOHに起因するピークを認めた。さらに1H NMRスペクトルにより5.65ppmにTHPAのビニルプロトンに起因する新たなピークを認めた。また、THPAの付加率(D.E.)は1H NMRスペクトルにより1.80ppm付近のメタクリロイル基のメチルプロトンに起因するピークを基準に、5.65ppmのTHPAのビニルプロトンとの積分値から計算し、25%であった。以上のことから、この沈殿は、メタクリロイル基を65%、カルボキシル基を25%有するPoly(EHO−MA−THPA)−CRAと決定した。
D.E.=25%
収量:0.95g(85%)
・IR(film,cm-1):3300、1718、1637、1163.
・1H NMR(500MHz,DMSO−d6,TMS)δppm:0.50−0.75(m,66.0H)、1.20−1.39(m,47.9H)、1.80(s,46.0H)、2.20−2.40(m,31.0H)、3.68−4.00(s,80.0H)、5.61(s,15.5H)、5.72(s,14.0H)、5.80(s,15.4H)、7.50−8.28(m,8.0H).
表2〜4に記載のサンプル2mgに表2〜4に記載の溶媒2mLを加え、室温で10分間放置した。
室温で10分間で溶解したものを「++」、加熱により溶解したものを「+」、一部溶解しなかったものを「±」、溶解しなかったものを「−」として評価した。
表5に記載のサンプル2mgに表5に記載のアルカリ水溶液(テトラメチルアンモニウムヒドロオキシドはTMAHと称す)に対する溶解性についても検討した。これらの結果を下記表2〜5に示す。なお、Poly(EHO)−TPAを「イ」と、Poly(EHO−MA)−TPAを「ロ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−TPAを「ハ」と、Poly(EHO)−TMAを「ニ」と、Poly(EHO−MA)−TMAを「ホ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−TMAを「ヘ」と、Poly(EHO)−CRAを「ト」と、Poly(EHO−MA)−CRAを「チ」と、Poly(EHO−MA−THPA)−CRAを「リ」と表示した。
表6に記載の付加体化合物(実施例13に記載した略号を使用)をアルミニウムパンに4mg秤とり、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで20〜600℃まで昇温させ、TG/DTA測定を行った。
また、DSC測定は、表6に記載のものをアルミニウムパンに4mg秤とり、密閉し、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで20〜200℃まで昇温させて行った。
これらの結果を下記表6に記す。Td5%は5%質量減少温度(℃)を、およびTd10%は10%質量減少温度(℃)を示す。
5%質量減少温度はポリマー類の末端が水酸基の場合、333〜351℃、末端メタクリロイル基の場合、355〜357℃、光架橋を行った後では、333〜351℃であった。さらに10%質量減少温度は、ポリマー類の末端が水酸基の場合、354〜368℃、末端メタクリロイル基の場合は389〜392℃、光架橋を行った後では、390〜395℃となり、光架橋を行うことにより、5%、10%質量減少温度ともに若干向上することが判明した。
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