JP2005255834A - アセタール樹脂用摺動性改質剤、及びアセタール樹脂組成物 - Google Patents

アセタール樹脂用摺動性改質剤、及びアセタール樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 アセタール樹脂の摺動性改良効果に優れると共に、それ自身の滑性は低いという背反する特性を備え、粉体取り扱い性にも優れたアセタール樹脂用摺動性改質剤、及びこれを用いたアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤は、質量平均粒子径が10μm以下で、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満であるポリテトラフルオロエチレン(A)粒子と、有機系重合体(B)とを含有することを特徴とする。本発明のアセタール樹脂組成物は、アセタール樹脂(C)に対して、上記のアセタール樹脂用摺動性改質剤(D)を添加してなり、ポリテトラフルオロエチレン(A)粒子を、アセタール樹脂(C)100質量部に対して0.5〜50質量部含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アセタール樹脂にさらなる摺動性を付与するアセタール樹脂用摺動性改質剤、及びこれを用いたアセタール樹脂組成物に関する。
VTR等のAV機器、プリンタ等のOA機器等には、摺動性を要する部品として、アセタール樹脂成形品が用いられている。
従来、アセタール樹脂にさらなる摺動性を付与するべく、摺動性改質剤として低分子量のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体を添加混合することが行われている(非特許文献1等)。
「テフロン実用ハンドブック」、三井・デュポンフロロケミカル株式会社発行
しかしながら、従来、摺動性改質剤として用いられているPTFE粉体は微粉であり、取り扱い性に難がある。また、PTFE粉体は高い摺動性を付与するものの、それ自身の滑性が高く、アセタール樹脂との溶融混練時に押出機のスクリュー等に噛み込みにくく、効率の良い溶融混練が実施できず、生産性が低下する傾向にある。加えて、混練不良によりPTFE分散性が悪化する傾向にある。PTFEの分散不良は、成形性の悪化や、成形外観不良等を招く恐れがある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、アセタール樹脂の摺動性改良効果に優れると共に、それ自身の滑性は低いという背反する特性を備え、粉体取り扱い性にも優れたアセタール樹脂用摺動性改質剤を提供することを目的とする。また、この改質剤を用いることで、摺動性、成形性、成形外観に優れ、生産性も良好なアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討し、本発明を完成した。
本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤は、質量平均粒子径が10μm以下で、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(A)粒子と、有機系重合体(B)とを含有することを特徴とする。
本明細書において、PTFE(A)粒子の「質量平均粒子径」は、粒子分散液(必要に応じて水で希釈する)を試料とし、動的光散乱法(大塚電子(株)製「ELS800」、温度25℃、散乱角90度)にて、測定するものとする。
また、PTFE(A)粒子の「数平均分子量(Mn)」は、示差走査熱量計(DSC)により、結晶化熱の測定を行い、下記式に基づいて算出するものとする。なお、測定試料が粒子分散液の場合には、120℃で乾燥させた後、測定するものとする。
Mn=2.1×1010ΔHc−5.16
(式中、ΔHc:DSC結晶化熱(cal/g))
本発明のアセタール樹脂組成物は、アセタール樹脂(C)に対して、上記の本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤(D)を添加してなり、PTFE(A)粒子を、アセタール樹脂(C)100質量部に対して0.5〜50質量部含むことを特徴とする。
本発明によれば、アセタール樹脂の摺動性改良効果に優れると共に、それ自身の滑性は低いという背反する特性を備え、粉体取り扱い性にも優れたアセタール樹脂用摺動性改質剤を提供することができる。また、この改質剤を用いることで、アセタール樹脂との溶融混練を良好に実施することができ、PTFEが良好に分散し、摺動性、成形性、成形外観に優れ、生産性も良好なアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
「アセタール樹脂用摺動性改質剤」
本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤は、特定のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(A)粒子と、有機系重合体(B)とを含有してなる。
PTFE(A)は、テトラフルオロエチレンの単独重合体、あるいはテトラフルオロエチレンと他の単量体との共重合体であり、1種又は2種以上を用いることができる。共重合成分としては特に制限はないが、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。共重合成分量は、テトラフルオロエチレンに対して10質量%以下が好ましい。
本発明では、質量平均粒子径が10μm以下で、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満のPTFE(A)粒子を用いる。本発明者は、かかる小粒子径で低分子量のPTFE(A)粒子と有機系重合体(B)とを併用することで、改質剤が、PTFE(A)粒子の少なくとも一部が有機系重合体(B)により被覆され、改質剤表面に露出していない構造を呈すること、これによってアセタール樹脂の摺動性改良効果に優れると共に、それ自身の滑性は低いという背反する特性を備えた改質剤を提供できることを見出している。
本発明者はまた、用いるPTFE(A)粒子の質量平均粒子径を上記範囲内とすることで、摺動性改質剤(PTFE(A)粒子)をアセタール樹脂組成物中に均一に分散でき、摺動性に優れると共に、成形時の滑性すなわち成形性に優れ、成形外観にも優れるアセタール樹脂組成物を提供できることを見出している。
PTFE分散性の観点からは、特に摺動性改質剤中において、PTFE(A)粒子が単体で10μm以上の凝集体を生成していないことが好ましい。この場合、これを添加したアセタール樹脂組成物の成形外観が特に美麗なものとなり、好適である。
PTFE(A)粒子の質量平均粒子径は、好ましくは0.05〜1.0μmである。本発明者は、PTFE(A)粒子の質量平均粒子径を1.0μm以下とすることで、摺動性改質剤中においてPTFE(A)粒子が単体で10μm以上の凝集体を生成することを高いレベルで抑制できることを見出している。また、PTFE(A)粒子の質量平均粒子径が0.05μm未満では、PTFE(A)粒子の製造が困難であり、実用的ではない。
本発明者はまた、PTFE(A)粒子のDSC法によって測定される数平均分子量を上記範囲内とすることで、良好な摺動性改良効果が発現することを見出している。これはPTFEをフィブリル化することなくアセタール樹脂組成物中に均一に分散できること による。
PTFE(A)粒子の数平均分子量は好ましくは60万未満である。
質量平均粒子径が0.05〜1.0μmで、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満のPTFE(A)粒子は、例えば粒子分散液の形態で市販されている(ダイキン工業(株)製の「ルブロンLD−6E」、「同LDW−40E」等)。また、合成して用いることもできる(合成法については後記する。)。
また、本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤では、微粒子状のPTFE(A)と有機系重合体(B)とが一体となって改質剤を構成しているため、改質剤としてPTFE粉体を単独で用いる場合に比して改質剤の粒子径を大きくすることができる。そのため、本発明の改質剤は粉体取り扱い性にも優れる。
有機系重合体(B)としては特に限定されず、その構成単量体単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等のビニル系単量体等が挙げられる。
有機系重合体(B)は1種又は2種以上を用いることができる。有機系重合体(B)としては、アセタール樹脂に配合する際の分散性の観点から、アセタール樹脂に対して親和性が高いもの、具体的には芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体等を含むものが好ましく用いられる。
摺動性改質剤におけるPTFE(A)粒子量は特に限定されないが、20〜80質量%が好ましい。PTFE(A)粒子量が少なすぎると、アセタール樹脂に十分な摺動性を付与するために必要な摺動性改質剤量が多くなり、樹脂組成物の他の物性を損ねる恐れがある。また、多すぎると、改質剤中に10μm以上のPTFE(A)粒子単体の凝集体が生成されやすくなり、その結果、改質剤自身の滑性が増し、アセタール樹脂との溶融混練に支障を来す恐れがある。
「摺動性改質剤の製造方法」
本発明の摺動性改質剤の製造方法としては特に限定されないが、以下に例を示す。
第1の製造例は、PTFE(A)粒子の水性分散液と、有機系重合体(B)粒子の水性分散液との混合分散液を調製し、これを凝固して粉体化する方法である。該法によれば、比較的簡便な設備により摺動性改質剤が得られる。
第2の製造例は、PTFE(A)粒子の水性分散液の存在下で、有機系重合体(B)を重合し、これを凝固して粉体化する方法である。該法によれば、工程数を少なくできるので生産効率が高く、しかも効率的にPTFE(A)粒子表面を有機系重合体(B)で被覆できるため、粉体取扱い性に優れた摺動性改質剤が得られる。
第3の製造例は、PTFE(A)粒子の水性分散液と、有機系重合体(B)粒子の水性分散液とを混合した混合分散液中で、任意のビニル系単量体を乳化重合し、これを凝固して粉体化する方法である。重合するビニル系単量体としては、有機系重合体(B)の構成単位として挙げたビニル系単量体と同様のものが使用できる。用いる乳化剤としては、ビニル系単量体を乳化できるものであれば特に限定されない。該法によれば、アセタール樹脂に相容し易く、アセタール樹脂への分散性に優れ、さらには粉体取扱い性にも優れた摺動性改質剤が容易に得られる。
上記第1〜第3の製造例において用いるPTFE(A)粒子の水性分散液は、市販品を用いる他、含フッ素界面活性剤を用いた乳化重合あるいは懸濁重合でテトラフルオロエチレン単量体と必要に応じて共重合成分を重合させて合成することができる。共重合成分は先に例示したので説明を省略する。本発明では、PTFE(A)粒子の水性分散液中のPTFE(A)粒子の質量平均粒子径が10μm、好ましくは0.05〜1.0μm、かつ数平均分子量が100万未満となるように、重合を実施する。
上記第1、第3の製造例において、有機系重合体(B)粒子の水性分散液の製造方法に特に制限はないが、乳化重合、ソープフリー乳化重合等が挙げられる。
乳化重合で用いる乳化剤としては特に制限はないが、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルケニルスルホコハク酸、アルキルリン酸、アルケニルコハク酸、及びこれらの塩等が挙げられる。特に、アルケニルコハク酸塩等のカルボン酸系乳化剤が好ましく用いられる。カルボン酸系乳化剤を用いて重合することで、アセタール樹脂を分解する恐れのある微量成分を含まない有機系重合体(B)が得られ、好適である。
上記第1〜第3の製造例において、凝固して粉体化する方法としては特に制限はないが、PTFE(A)粒子と有機系重合体(B)とを含む水性分散液を、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入して塩析し、凝固した後、乾燥する方法や、直接噴霧乾燥する方法等が挙げられる。
本発明は、質量平均粒子径が10μm以下で、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満であるPTFE(A)粒子と、有機系重合体(B)とを併用することで、上記で詳述したように、アセタール樹脂の摺動性改良効果に優れると共に、それ自身の滑性は低いという背反する特性を備え、粉体取り扱い性にも優れたアセタール樹脂用摺動性改質剤を実現した。
「アセタール樹脂組成物」
本発明のアセタール樹脂組成物は、アセタール樹脂(C)に、上記の本発明の摺動性改質剤(D)が添加されたものである。
アセタール樹脂(C)としては特に限定されないが、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2以上のオキシアルキレン基を含むポリオキシメチレン共重合体を主成分とする樹脂が好ましい。アセタール樹脂(C)は1種又は2種以上を用いることができる。
具体的には、ホルムアルデヒド、又はその環状オリゴマーであるトリオキサンを主モノマーとし、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキセパン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマール等の少なくとも1つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状アセタールの中から選ばれた少なくとも1種をコモノマーとし、カチオン性触媒の存在下で共重合することで得られるものが好ましい。コモノマーとしては特に、その分散性が良好なことから、ポリマー中に連鎖移動を生じさせない1,3−ジオキソラン及び/又は1,3,5−トリオキセパンが好ましい。
摺動性改質剤(D)の添加量は特に制限はないが、PTFE(A)粒子を、アセタール樹脂(C)100質量部に対して0.5〜50質量部、特に3〜20質量部含むように、添加量を調整することが好ましい。
PTFE(A)粒子量が下限未満となる改質剤添加量では、顕著な摺動性改良効果が発現しない恐れがあり、PTFE(A)粒子量が上限を超える改質剤添加量では、成形外観が悪化する恐れがある。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて成分(C)及び(D)以外の成分を配合することができる。
例えば、公知の殆ど全ての熱可塑性樹脂を併用することができる。併用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂(SAN)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメチクリレート(PMMA)等のアクリル系ビニル重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)及びその変性品、芳香族ポリエステル樹脂(PET、PBT)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)等のポリアミド樹脂(PA)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用することができる。また、グラフト共重合体等の相溶化剤を併用することもできる。
その他、コア−シェル型、若しくはエラストマー等のゴム質重合体を配合することもできる。その具体例としては、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)等のジエン系コアシェル型ゴム質重合体、アクリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂(ASA樹脂)、アクリレート/メチルメタクリレート共重合体樹脂等のアクリル系コアシェル型ゴム質重合体、シリコーン/アクリレート/メチルメタクリレート共重合体樹脂、シリコーン/アクリレート/アクリロニトリル/スチレン共重合体樹脂等のシリコーン系コアシェル型ゴム質重合体、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体(SIS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)、及びこれらの無水マレイン酸やグリシジルメタクリレート等による変性品、熱可塑性ポリエステル(TPEs)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、イソブテン/イソプレンゴム(IIR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体(NBR)、ブタジエン/スチレン共重合体(SBR)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用することができる。
ゴム質重合体の配合量は特に限定されないが、アセタール樹脂(C)100質量部に対して0〜100質量部が好ましい。ゴム質重合体の配合量がこの範囲を超えると、樹脂組成物が柔らかくなり過ぎて密着性が大きくなるため、好ましくない。
その他、アセタール樹脂本来の特性を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
その具体例としては、顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補強剤や充填剤、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(ミックスド、モノ及びジニルフェニル)ホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジアステリアルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6)−テトラメチル−4−ピペリジニル)等の光安定剤、ヒドロキシルアルキルアミン、スルホン酸塩等の帯電防止剤、エチレンビスステアリルアミド、金属石鹸等の滑剤、及びテトラブロムフェノールA、デカブロモフェノールオキサイド、TBAエポキシオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマー、三酸化アンチモン、TPP、リン酸エステル等の難燃剤等が挙げられる。かかる各種添加剤を配合することで、より望ましい物性、特性に調節することができる。
本発明のアセタール樹脂組成物の調製方法は特に制限はないが、アセタール樹脂(C)と摺動性改質剤(D)、必要に応じて上記任意成分を所望の組成で配合し、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の公知混練機にて混練することで調製できる。混練後ペレット化するのが好ましい。
また、摺動性改質剤(D)を高濃度に含むマスターペレットを作製し、これをアセタール樹脂(C)、必要に応じて上記任意成分で希釈して、アセタール樹脂組成物を調製することもできる。
本発明のアセタール樹脂組成物を、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形、押出成形、熱成形、発泡成形、溶融紡糸等の公知成形に供することで、各種成形品、例えば、射出成形品、シート、フィルム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱成形体、発泡体、繊維等が得られる。
本発明の摺動性改質剤を用いて得られる本発明のアセタール樹脂組成物は、アセタール樹脂(C)と摺動性改質剤(D)の溶融混練を良好に実施することができ、生産性に優れる。また、PTFE(A)粒子の分散性に優れた組成物が得られるため、成形時の滑性が良好で成形性に優れ、しかも得られる成形品は摺動性に優れたものとなる。さらに、PTFE(A)粒子が粒子径の大きい凝集体を生成せず、良好に分散されるので、得られる成形品は表面外観が美麗なものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。以下の例において、「部」は質量部を示す。
下記製造例中、粒子分散液の固形分濃度は、粒子分散液を170℃で30分乾燥して求めた。また、有機系重合体の粒子径分布及び質量平均粒子径、PTFE粒子の質量平均粒子径及び数平均分子量は、段落[0006]に記載の方法にて測定した。質量平均粒子径の測定にあたっては、分散液を水で希釈し、試料とした。
[製造例:摺動性改質剤(D−1)]
攪拌翼、コンデンサー、熱電対、及び窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに、蒸留水290部、乳化剤としてアルケニルコハク酸ジカリウム(花王(株)製 商品名「ラテムルASK」)2.0部、メチルメタクリレート80部、エチルアクリレート20部を仕込み、窒素気流下で60℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.15部、蒸留水10部の混合液を加え、ラジカル重合を開始させた。発熱終了後、系内の温度を60℃で1時間保持して重合を完了させ、有機系重合体(B−1)粒子分散液を得た。得られた粒子分散液は、固形分濃度が25.3質量%であり、粒子径分布は単一のピークを示し、質量平均粒子径は107nmであった。
得られた有機系重合体(B−1)粒子分散液120部(有機系重合体(B−1)を固形分で30部含む)と、質量平均粒子径が0.2μmで、かつDSC法によって測定される数平均分子量が60万未満であるPTFE(A−1)粒子分散液(ダイキン化学工業(株)製 商品名「ルブロンLDW−40E」、PTFE(A−1)を固形分で70部含む)175部とを、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、室温下で30分間攪拌した。一連の操作を通じて固形分の分離は見られず、均一な粒子分散液が得られた。この粒子分散液を、酢酸カルシウム5部を含む90℃の熱水500部に投入して固形分を凝固し、分離させた後、濾布による濾過及び乾燥を経て粉体化し、本発明の摺動性改質剤(D−1)100部を得た。
[実施例、比較例]
表1に示す組成(配合量の単位は「部」)で、アセタール樹脂(C−1)に対して摺動性改質剤を添加し、バレル温度200℃の押出機により押出して、アセタール樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを用い、75t射出成形機にてシリンダ温度200℃の条件で、外径25.6mm、内径20.0mmの中空円筒形の試験片を成形した。
アセタール樹脂(C−1)としては、ポリプラスチックス(株)製「DURACON M90−34」を用いた。
摺動性改質剤として、実施例では上記製造例で得た(D−1)を用いた。比較例1では、改質剤を使用せず、比較例2、3では、比較用の摺動性改質剤(E−1)(低分子量PTFE粉体(ダイキン化学工業(株)製 商品名「ルブロンL−5」))を用いた。
[評価項目及び評価方法]
評価項目及び評価方法は以下の通りとした。
(1)溶融混練前の滑性:押出機での溶融混練時のスクリューへの噛み込みを目視観察し、下記基準にて評価した。
○:溶融混練前の滑性が低く、スクリューへの噛み込みが良好
×:溶融混練前の滑性が高く、スクリューへの噛み込みが悪い
(2)摺動性:得られた試験片に対して、JIS K7218A法に基づくスラスト式摩擦摩耗試験を実施し、下記式で示される動摩擦係数を測定した。相手材としては試験片と同じものを用いた。測定条件は、室温23℃湿度50%雰囲気、荷重2kg、走行速度10cm/秒とした。
μ(−)=f×r/L×R
(式中、μ:動摩擦係数、f:ロードセルで検出した摩擦力、R:試料平均半径、r:軸中心ロードセル長さ、L:荷重)
(3)表面外観
得られた試験片の表面外観を下記基準にて評価した。
○:表面が平滑で外観が良好
△:表面荒れが少し見られる
×:表面荒れがひどく外観が悪い
(結果)
結果を表1に合わせて示す。
実施例1及び2に示すように、本発明の摺動性改質剤(D−1)はそれ自身の滑性が低く、アセタール樹脂(C−1)と良好に溶融混練を実施することができ、生産性良くアセタール樹脂組成物ペレットを調製することができた。得られた樹脂組成物は成形性に優れ、摺動性及び表面外観に優れた成形品を得ることができた。
対して、摺動性改質剤を添加しなかった比較例1では、得られた成形品の摺動性が不良であった。
また、比較用の摺動性改質剤(E−1)(PTFE粉体)は、それ自身の滑性が高すぎ、これを用いた比較例2、3では、溶融混練を良好に実施できず、樹脂組成物ペレットの生産性が不良であった。特に改質剤(E−1)を多く添加した比較例3では、改質剤の分散性が不良となり、得られた成形品は表面外観が著しく不良であった。
Figure 2005255834
本発明のアセタール樹脂用摺動性改質剤、及びアセタール樹脂組成物は、OA機器、情報機器、家電、自動車、衣類、文具、雑貨、建材等に利用される、樹脂製歯車や機構部品等の摺動性を要する部品に好ましく適用できる。

Claims (2)

  1. 質量平均粒子径が10μm以下で、かつDSC法によって測定される数平均分子量が100万未満であるポリテトラフルオロエチレン(A)粒子と、有機系重合体(B)とを含有することを特徴とするアセタール樹脂用摺動性改質剤。
  2. アセタール樹脂(C)に対して、請求項1記載のアセタール樹脂用摺動性改質剤(D)を添加してなり、ポリテトラフルオロエチレン(A)粒子を、アセタール樹脂(C)100質量部に対して0.5〜50質量部含むことを特徴とするアセタール樹脂組成物。
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