JP2005255661A - 面不斉を有する遷移金属錯体とその製法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、室温下安定な面不斉を有する中員環アミン類を配位子として活用する新規な遷移金属錯体に関する。
また、面不斉を有する光学活性な遷移金属錯体に関する。
また、その製造方法に関する。
また、面不斉を有する光学活性な遷移金属錯体に関する。
また、その製造方法に関する。
発明者らは最近、新規中員環ジアリルアミン類が室温下安定な面不斉を有していることを明らかにするとともに(例えば、特許文献1参照、または非特許文献1参照)、立体特異的に中心性不斉分子へ変換することにも成功し、不斉合成素子として有用であることを見出した(例えば、非特許文献2参照)。
友岡克彦,鈴木征希,島田麻木,柳鶴俊一 特願2002−064543 鈴木征希、磯知里、友岡克彦、日本化学会第83春季年会講演予稿集II、1H6−42. 鈴木征希、島田麻木、柳鶴俊一、友岡克彦、日本化学会第83春季年会講演予稿集II、1H6−40.
このような研究背景のもとに発明者らは、9員環アミン類を遷移金属錯体の不斉配位子として活用することを目的とし、新規な面不斉遷移金属錯体の合成を行った。
発明者らは、これら面不斉9員環アミン類を活用した遷移金属錯体の合成に成功し、この新規化合物が、室温下安定な面不斉を有しており、光学活性体として製造できることを見出した。
以下に本発明を説明する。
本発明のひとつは、一般式(1)で表されるものである。
本発明のひとつは、一般式(1)で表されるものである。
一般式(1)
(式中、R1は置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、水素、R2は置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、水素、R3はアルキル基、スルフォニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アリール基、シリル基、水素、またR2とR3のそれぞれは互いに結合して隣接する炭素原子と共に環あるいは縮合環を形成しても良い、R4は置換基を有してもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、スルフォニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アリール基、シリル基、水素、Metは遷移金属、Lは配位性のアミン配位子、Xはハロゲン原子、アルキル基から選ばれる)で示される9員環アミン類−遷移金属錯体。
尚、本発明においては、特に断り書きが無い限り官能基R1、R2、R3、遷移金属Met、及び配位子Lは上記の官能基のグループから選択されるものとし、官能基R1、R2、R3、遷移金属Met、及び配位子Lは反応前と後で同じである。
尚、本発明においては、特に断り書きが無い限り官能基R1、R2、R3、遷移金属Met、及び配位子Lは上記の官能基のグループから選択されるものとし、官能基R1、R2、R3、遷移金属Met、及び配位子Lは反応前と後で同じである。
上記において、R4とR5が形成しうる環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、シクロアルケン等が挙げられる。アルキル基としては、C1〜C10のアルキル基等を表し、より好ましくは、C1〜C7のアルキル基等を表す。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基などが挙げられる。スルフォニル基としては、C1〜C15のスルフォニル基等を表す。より好ましくは、C1〜C7のスルフォニル基等を表す。具体的には、メタンスルフォニル基、トリハロゲンスルフォニル基、ベンゼンスルフォニル基、トルエンスルフォニル基、ニトロベンゼンスルフォニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、C1〜C6のアルコキシカルボニル基等を表し、より好ましくは、C1〜C4のアルコキシカルボニル基等を表す。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。アシル基としては、C1〜C6のアシル基等を表し、より好ましくは、C1〜C4のアシル基等を表す。具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。アリール基としては、C6〜C20のアリール基等を表し、より好ましくは、C6〜C14のアリール基等を表す。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。シリル基としては、C1〜C20のシリル基等を表し、より好ましくは、C1〜C16のシリル基等を表す。具体的には、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基t−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、C1〜C6のアルコキシ基等を表し、より好ましくは、C1〜C4のアルコキシ基等を表す。具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アルキニル基としては、C2〜C20のアルキニル基等を表し、より好ましくは、C2〜C18のアルキニル基を表す。具体的には、エチニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基、t−ブチルジメチルシリルエチニル基、t−ブチルジフェニルシリルエチニル基等が挙げられる。アルケニル基としては、C1〜C20のアルケニル基等を表し、より好ましくは、C2〜C18のアルケニル基を表す。具体的には、ビニル基、スチニル基、トリメチルシリルビニル基、t−ブチルジメチルシリルビニル基、t−ブチルジフェニルシリルビニル基、トリイソプロピルビニル基等が挙げられる。遷移金属としては、Pt,Pd,Rh,Ir,Ni等が挙げられる。配位性のアミン配位子としては、C1〜C20のアミン配位子を表し、より好ましくはC1〜C10のアミン配位子を表す。具体的には、ベンジルアミン、α−メチルベンジルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン等が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アルキル基等が挙げられる。
光学活性面不斉中員環アミンの遷移金属錯体は、光学活性な中員環アミン類を用いることにより調製することができる。
一方、本発明のひとつは、中員環アミン類を配位子とする遷移金属錯体の製造法である。
本発明は、面不斉中員環アミン類の遷移金属錯体の合成からなる。
本発明のMetがPt(白金)である場合の例を示す。9員環アミン類−白金錯体の合成方法は、2段階の反応からなる。
第1段階の反応は、エチレン−白金錯体の合成反応である。
エチレン−白金錯体の合成反応は一般式(2)に示す通りである。
エチレン−白金錯体の合成反応は一般式(2)に示す通りである。
ここで、配位子Lとしては、σ供与性アミン配位子(ベンジルアミン、α−メチルベンジルアミンなど)、及び芳香族性アミン配位子(ピリジン、コリジン、キノリンなど)などのアミン類を使用することができる。
第2段階の反応は、9員環アミン類−白金錯体の合成反応である。
9員環アミン類−白金錯体の合成反応は一般式(3)に示す通りである。
9員環アミン類−白金錯体の合成反応は一般式(3)に示す通りである。
これら白金錯体は、中員環アミン類とエチレン−白金錯体とのアルケン交換反応によって合成することができる。このようにして得られた白金錯体は、室温下安定な面不斉を有する。
また、発明者らが既に報告している方法(例えば、特許文献1参照、または非特許文献1参照)にて、光学的に純粋な中員環アミン類(>98%ee)を基質とすることにより、光学活性な中員環アミン遷移金属錯体を得ることができる。
友岡克彦,鈴木征希,島田麻木,柳鶴俊一 特願2002−064543 鈴木征希、磯知里、友岡克彦、日本化学会第83春季年会講演予稿集II、1H6−42.
以上のことから、本実施の形態によれば、一般式2〜3からなる方法を用いることにより、新規な遷移金属錯体を提供することができる。また本発明は、医薬、農薬、各種化学品、あるいはその原料や合成中間体の供給法となり得る。
次に、具体的な実施例について試験結果を含めてさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
(I)エチレン−白金錯体の合成(一般式2)
K[PtCl3(C2H4)](Zeise塩、2)100.0mg(271mmol)を5mlの3%KCl水溶液に溶解させた。その溶液に0℃下、少量のMeOHに溶解させた2,4,6−コリジン32.8mg(271mmol),(L=2,4,6−コリジン)を加えた。反応直後、瞬時に黄色固体が析出し、生成物をクロロホルムで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後、再結晶法によって定量的にtrans−ジクロロ(エチレン)(コリジン)白金(B),(L=2,4,6−コリジン)を得た。trans−ジクロロ(エチレン)(コリジン)白金(化4)の物性データは、
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.03(s,2H),4.82(t,2J(195Pt−1H)=60.9Hz,4H),3.17(s,6H),2.38(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ158.02,151.44,125.34,75.33(1J(195Pt−13C)=164.6Hz),25.65,20.94.
K[PtCl3(C2H4)](Zeise塩、2)100.0mg(271mmol)を5mlの3%KCl水溶液に溶解させた。その溶液に0℃下、少量のMeOHに溶解させた2,4,6−コリジン32.8mg(271mmol),(L=2,4,6−コリジン)を加えた。反応直後、瞬時に黄色固体が析出し、生成物をクロロホルムで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後、再結晶法によって定量的にtrans−ジクロロ(エチレン)(コリジン)白金(B),(L=2,4,6−コリジン)を得た。trans−ジクロロ(エチレン)(コリジン)白金(化4)の物性データは、
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.03(s,2H),4.82(t,2J(195Pt−1H)=60.9Hz,4H),3.17(s,6H),2.38(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ158.02,151.44,125.34,75.33(1J(195Pt−13C)=164.6Hz),25.65,20.94.
(II)9員環アミン類−白金錯体の合成(一般式3)
アルゴン雰囲気下、エチレン−白金錯体(化4)15.9mg(0.038mmol),(L=2,4,6−コリジン)を3mlの塩化メチレンに溶解させた。その溶液に室温下、2mlの塩化メチレンに溶解させた9員環ジメチルアミド(3a)23.2mg(0.076mmol),(R’=Me,R2=Me,R3=H,R4=Ts)を加え、3時間30分攪拌した。反応を溶媒留去により停止し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1:1)で精製し、trans−ジクロロ(9員環ジメチルアミド)(コリジン)白金(4a)6.2mg(収率12%),(R1=Me,R2=Me,R3=H,R4=Ts,L=2,4,6−コリジン、X=塩素)(化5)を得た。
アルゴン雰囲気下、エチレン−白金錯体(化4)15.9mg(0.038mmol),(L=2,4,6−コリジン)を3mlの塩化メチレンに溶解させた。その溶液に室温下、2mlの塩化メチレンに溶解させた9員環ジメチルアミド(3a)23.2mg(0.076mmol),(R’=Me,R2=Me,R3=H,R4=Ts)を加え、3時間30分攪拌した。反応を溶媒留去により停止し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1:1)で精製し、trans−ジクロロ(9員環ジメチルアミド)(コリジン)白金(4a)6.2mg(収率12%),(R1=Me,R2=Me,R3=H,R4=Ts,L=2,4,6−コリジン、X=塩素)(化5)を得た。
上述の9員環ジメチルアミドを9員環無置換アミド(3b)25.3mg(0.091mmol),(R1=H,R2=H,R3=H,R4=Ts)とし、エチレン−白金錯体(2)37.8mg(0.091mmol),(L=2,4,6−コリジン)との同様の反応を行うことによって、trans−ジクロロ(9員環無置換アミド)(コリジン)白金(4b)47.2mg(収率78%),(R1=H,R2=H,R3=H,R4=Ts,L=2,4,6−コリジン、X=塩素)(化6)を得た。
(III)9員環アミド−白金錯体の立体化学的挙動
上記白金錯体4a,4bの立体化学的挙動を調べる為に、合成した当該9員環アミド−白金錯体4a,4bのX線結晶構造解析、及びキラルHPLC分析を行った。
上記白金錯体4a,4bの立体化学的挙動を調べる為に、合成した当該9員環アミド−白金錯体4a,4bのX線結晶構造解析、及びキラルHPLC分析を行った。
図1はX線結晶構造解析から得られた9員環ジメチルアミド−白金錯体4aの立体構造を示しており、また図3はX線結晶構造解析から得られた遊離の9員環ジメチルアミド3aの立体構造を示している。X線結晶構造解析の結果から、白金錯体4aは、コリジン配位子のトランス位に9員環ジメチルアミドのE−アルケンが配位した平面四角形錯体であることが分かった。また、白金錯体4aの9員環ジメチルアミドは、2つのメチル基がともにアキシアル位に位置する立体配座を有しており、遊離の9員環アミド3aと比較して、9員環の立体配座が大きく変化していないことが分かった。このことは、9員環ジメチルアミド−白金錯体4aに安定な面不斉が存在することを示唆している。
図4はキラルカラムによる9員環ジメチルアミド−白金錯体4aのHPLC分析結果である。カラムはCHIRALCEL OD−Hであり、溶出液はヘキサン/エタノール=1/1:0−15min(流速:0.5mL/min),1/1〜0/1:15−30min(流速:0.3mL/min),0/1:30−120min(流速:0.3mL/min)で行った。その結果、面積がほぼ等しい2成分(12.2minと81.0min)に分離することができた。図5(a)は図4の前半の成分(12.2min)についてのCDスペクトルであり、図5(b)は図4の後半の成分(81.0min)についてのCDスペクトルである。図5(a)と(b)を比較すると、その旋光性は互いに逆のものであり、両者がエナンチオマーの関係にあることが確認された。
続いて光学的に純粋な9員環ジメチルアミド(R)−及び(S)−3a(>98%ee)を用いてその白金錯体4aを合成し、キラルHPLC分析を行うと、(R)−3aからは後半の成分(81.0min)のみが、また(S)−3aからは前半の成分(12.2min)のみが観察された。両者の比旋光度を測定したところ、それぞれの結果は、tR=12.2min for(−)−isomer:[α]D 27−126.7(c 0.64,CHCl3)(>98%ee),81.0min for(+)−isomer:[α]D 27119.3(c0.46,CHCl3)(>98%ee)となり、互いに正負逆の値を示した。
次に、9員環無置換アミド−白金錯体4bの立体化学的挙動について調べた。
図6はX線結晶構造解析から得られた9員環無置換アミド−白金錯体4bの立体構造を示しており、白金錯体4bは、コリジン配位子のトランス位に9員環無置換アミドのE−アルケンが配位した平面四角形錯体であることが分かった。また、錯体4bが、9員環ジメチルアミド−白金錯体4aと類似の立体配座を有していることから、9員環無置換アミド−白金錯体4bにも同様に安定な面不斉が存在することが示唆された。
図8はキラルカラムによる9員環無置換アミド−白金錯体4bのHPLC分析結果である。カラムはCHIRALCEL OD−Hであり、溶出液はヘキサン/エタノール=1/1(流速:0.5mL/min)で行った。その結果、正負逆の円偏光を示す2成分(12.7minと22.6min)に分離することができた。なおこの時、両成分の積分比は等しくならなかったが、白金錯体4bが検出される以前に、遊離の無置換アミド3b由来のピークが観察されたことから、HPLC分析の過程において、白金錯体4bから無置換アミド3bが解離していることが考えられる。
続いて光学的に純粋な9員環無置換アミド(−)−3b(>98%ee)を用いてその白金錯体4bを合成し、キラルHPLC分析を行うと、後半の成分(22.6min)のみが観察された。その比旋光度を測定したところ、結果は、tR=22.6min for(+)−isomer:[α]D 23+150.3(c 1.20,CHCl3)(>98%ee)であった。
このように合成された9員環アミド−白金錯体4a,4bは室温下、安定な面不斉を有しており、光学活性体として調製することができる。これらは具体例として示されており、上記9員環アミン類3の官能基(R1,R2,R3,R4)、遷移金属(Met)及び配位子(L,X)はいずれが選択された場合であっても、同様の性質を示す。
9員環ジメチルアミド−白金錯体4aの物性データは、
1H NMR(300MHz,toluene−d8):δ7.69(d,J=8.4Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),6.10(s,2H),5.50(dd,J=11.4,4.5Hz,1H),5.35(dd.J=12.0,3.6Hz,2J(195Pt−1H)=64.2Hz,1H),4.81(d,J=11.3Hz,1H),3.89(d,J=11.3Hz,1H),3.81(dd,J=15.0,4.5Hz,1H),3.02(s,6H),2.71(dd,J=15.0,11.4Hz,1H),2.46(dt,J=12.9,11.4Hz,1H),2.28(m,1H),2.22(s,3H),1.94(dt,J=13.2,11.4Hz,1.88(s,3H),1.68(dd,J=13.2,4.5Hz,1H),1.59(s,3H),1.47(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ157.35,151.28,143.19,136.16,135.93,129.81,126.84,125.35,125.19,105.10(1J(195Pt−13C)=189.8Hz),92.67,58.03,45.05,31.24,27.45,26.07,25.22,21.79,21.70,20.93.
IR(reflection,cm−1):2940.1,1666.7,1624.9,1598.6,1557.9,1494.7,1463.4,1377.6,1327.9,1241.5,1223.8,1160.4,845.1,816.6,723.3.
Anal.Calcd for C25H34Cl2N2O2PtS:C,43.35;H,4.95;N,4.04;S,4.63.Found:C,43.41;H,4.80;N,3.93;S,4.26.
Chiral HPLC analysis(column:CHIRALCEL OD−H(0.46cmx25cm),eluent:ヘキサン/エタノール=1/1:0−15min,流速:0.5mL/min;1/1〜0/1:15−30min,03mL/min;0/1:30−120min,0.3mL/min,検出:UV254nm,CD254nm,温度:室温)tR=12.2min for(−)−isomer:[α]D 27−126.7(c0.64,CHCl3)(>98%ee),81.0min for(+)−isomer:[α]D 27+119.3(c0.46,CHCl3)(>98%ee).
であった。
1H NMR(300MHz,toluene−d8):δ7.69(d,J=8.4Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),6.10(s,2H),5.50(dd,J=11.4,4.5Hz,1H),5.35(dd.J=12.0,3.6Hz,2J(195Pt−1H)=64.2Hz,1H),4.81(d,J=11.3Hz,1H),3.89(d,J=11.3Hz,1H),3.81(dd,J=15.0,4.5Hz,1H),3.02(s,6H),2.71(dd,J=15.0,11.4Hz,1H),2.46(dt,J=12.9,11.4Hz,1H),2.28(m,1H),2.22(s,3H),1.94(dt,J=13.2,11.4Hz,1.88(s,3H),1.68(dd,J=13.2,4.5Hz,1H),1.59(s,3H),1.47(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ157.35,151.28,143.19,136.16,135.93,129.81,126.84,125.35,125.19,105.10(1J(195Pt−13C)=189.8Hz),92.67,58.03,45.05,31.24,27.45,26.07,25.22,21.79,21.70,20.93.
IR(reflection,cm−1):2940.1,1666.7,1624.9,1598.6,1557.9,1494.7,1463.4,1377.6,1327.9,1241.5,1223.8,1160.4,845.1,816.6,723.3.
Anal.Calcd for C25H34Cl2N2O2PtS:C,43.35;H,4.95;N,4.04;S,4.63.Found:C,43.41;H,4.80;N,3.93;S,4.26.
Chiral HPLC analysis(column:CHIRALCEL OD−H(0.46cmx25cm),eluent:ヘキサン/エタノール=1/1:0−15min,流速:0.5mL/min;1/1〜0/1:15−30min,03mL/min;0/1:30−120min,0.3mL/min,検出:UV254nm,CD254nm,温度:室温)tR=12.2min for(−)−isomer:[α]D 27−126.7(c0.64,CHCl3)(>98%ee),81.0min for(+)−isomer:[α]D 27+119.3(c0.46,CHCl3)(>98%ee).
であった。
9員環ジメチルアミド−白金体4aのX線結晶構造解析の結果は、図1に示した。尚、X線結晶構造解析に適した非結晶固体から塩化メチレン/エーテル/ヘキサンによって結晶化を行った。
9員環無置換アミド−白金錯体4bの物性データは、
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.70(d,J=8.1Hz,2H),7.31(d,J=8.1Hz,2H),7.04(s,2H),5.78(ddd,J=11.4,4.8Hz,1H),5.47(ddd,J=11.4,5.1,1.1Hz,1H),5.27(ddd,J=13.5,10.4,2.7Hz,1H),5.09(ddd,J=13.4,11.4,4.2Hz,1H),4.66(dd,J=11.4,2.9Hz,1H),3.88(dd,J=15.0,4.8Hz,1H),3.14(s,6H),3.12(dd,J=11.4,10.4Hz,1H),2.99(dd,J=15.0,11.4Hz,1H),2.66(m,1H),2.43(s,3H),2.38(s,3H),2.31(m,1H),2.17(m,1H),1.85(m,1H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ157.53,157.32,151.50,143.40,135.56,130.74,129.87,127.29,127.01,125.36,95.72(1J(195Pt−13C)=170.0Hz),85.20(1J(195Pt−13C)=193.1Hz),52.21,43.77,30.70,25.91,25.30,21.72,20.97.
IR(reflection,cm−1):3022.2,2977.0,2937.9,2873.0,1626.9,1600.1,1567.9,1496.1,1456.2,1383.1,1340.8,1227.8,1159.9,963.5,822.0,723.6,459.3.
Anal.Calcd for C23H30Cl2N2O2PtS:C,41.57;H,4.55;N,4.22;S,4.83,Cl,10.67.Found:C,41.11;H,4.56;N,4.34;S,4.55,Cl,12.89.
Chiral HPLC analysis(column:CHIRALCEL OD−H(0.46cmx25cm),eluent:ヘキサン/エタノール=1/1,流速:0.5mL/min,検出:UV254nm,CD254nm,温度:室温)tR=12.7min for(−)−isomer,22.6min for(+)−isomer:[α]D 23150.3(c1.20,CHCl3)(>98%ee).
であった。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.70(d,J=8.1Hz,2H),7.31(d,J=8.1Hz,2H),7.04(s,2H),5.78(ddd,J=11.4,4.8Hz,1H),5.47(ddd,J=11.4,5.1,1.1Hz,1H),5.27(ddd,J=13.5,10.4,2.7Hz,1H),5.09(ddd,J=13.4,11.4,4.2Hz,1H),4.66(dd,J=11.4,2.9Hz,1H),3.88(dd,J=15.0,4.8Hz,1H),3.14(s,6H),3.12(dd,J=11.4,10.4Hz,1H),2.99(dd,J=15.0,11.4Hz,1H),2.66(m,1H),2.43(s,3H),2.38(s,3H),2.31(m,1H),2.17(m,1H),1.85(m,1H).
13C NMR(75MHz,CDCl3):δ157.53,157.32,151.50,143.40,135.56,130.74,129.87,127.29,127.01,125.36,95.72(1J(195Pt−13C)=170.0Hz),85.20(1J(195Pt−13C)=193.1Hz),52.21,43.77,30.70,25.91,25.30,21.72,20.97.
IR(reflection,cm−1):3022.2,2977.0,2937.9,2873.0,1626.9,1600.1,1567.9,1496.1,1456.2,1383.1,1340.8,1227.8,1159.9,963.5,822.0,723.6,459.3.
Anal.Calcd for C23H30Cl2N2O2PtS:C,41.57;H,4.55;N,4.22;S,4.83,Cl,10.67.Found:C,41.11;H,4.56;N,4.34;S,4.55,Cl,12.89.
Chiral HPLC analysis(column:CHIRALCEL OD−H(0.46cmx25cm),eluent:ヘキサン/エタノール=1/1,流速:0.5mL/min,検出:UV254nm,CD254nm,温度:室温)tR=12.7min for(−)−isomer,22.6min for(+)−isomer:[α]D 23150.3(c1.20,CHCl3)(>98%ee).
であった。
9員環無置換アミド−白金錯体4bのX線結晶構造解析の結果は、図6に示した。尚、X線結晶構造解析に適した非結晶固体から塩化メチレン/エーテル/ヘキサンによって結晶化を行った。
本発明は、面不斉を有する中員環アミン類を遷移金属錯体の不斉配位子に活用した例であり、不斉反応剤、及び不斉合成素子として種々の用途に使用し得る。
これらの9員環アミン類−遷移金属錯体は室温下安定な面不斉を有しており、面不斉のみを有する中員環アミン類を遷移金属錯体の不斉配位子として活用した新規の例である。さらに、不斉反応剤、及び不斉合成素子として種々の用途に使用し得る。
Claims (3)
- 一般式(1)
(式中、R1は置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、水素、R2は置換基を有しても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、水素、R3はアルキル基、スルフォニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アリール基、シリル基、水素、またR2とR3のそれぞれは互いに結合して隣接する炭素原子と共に環あるいは縮合環を形成しても良い、R4は置換基を有してもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、スルフォニル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アリール基、シリル基、水素、Metは遷移金属、Lは配位性のアミン配位子、Xはハロゲン原子、アルキル基)で示される中員環アミン類の遷移金属錯体。 - 遷移金属がPt,Pd,Ni,Rh,Irから選択される請求項1の一般式(1)に記載の面不斉を有する光学活性な中員環アミン類の遷移金属錯体。
- 請求項1の一般式(1)に記載の面不斉を有する中員環アミン類
の遷移金属錯体の製造法。
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JP2003261538A (ja) * | 2002-03-08 | 2003-09-19 | Tokyo Inst Of Technol | 面不斉を有する新規中員環アミンとその製造方法 |
-
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- 2004-03-10 JP JP2004113660A patent/JP2005255661A/ja active Pending
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Non-Patent Citations (2)
Title |
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JPN6010024727, Godleski, S. A., "Platinum and palladium complexes of bicyclo[3.3.1]non−1−ene. Bonding and reactions of strained olefi", Organometallics, 1985, 4(2), p. 296−302 * |
JPN6010024729, Meester, M. A. M., "Bonding properties of trans−PtCl2(olefin)(L). Part II. Spectroscopic properties", Inorganica Chimica Acta, 1977, 21(2), p. 251−258 * |
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