運転者の目の付け処である注視点Aは、車両100の車速の上昇に伴い遠方となる。特に、高速エリア、つまり曲路の曲率半径が大きく、曲路よりも直線路が多く車両100が高速で走行する高速道路などのエリアを走行している車両100が旋回する場合は、図100−3および図200−3に示すように、運転者の注視点Aは旋回方向(同図では、右方向)の遠方となる。ここで、上記従来の車両用前照灯システムでは、高速エリアを車両100が走行する場合に、この車両100が旋回する際の旋回角度、つまり操舵角度θSが低速エリアを車両100が走行する際と比較して小さくなる。従って、高速エリアを走行している車両100の左右のヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを車両100が低速エリアを走行している場合と同様に操舵角度θSが変化開始角度θ1以上とならなければ変化させないとすると、配光手段であるヘッドランプ2R,2Lにより高速エリアを走行している車両100が旋回する際の運転者の注視点を基準とした配光パターンを形成できないため、運転者の遠方視認性の向上が図れないという問題がある。これは、高速エリアを走行している車両100の旋回時においてヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLは運転者がハンドルを切ることで操舵角度θSが変化しても、低速エリアにおける変化開始タイミングである変化開始角度θ1以上とならないため、車両100の直進方向に固定されたままとなる。つまり、ヘッドランプ2R,2Lにより形成される配光パターンは、車両100の直進方向近傍を基準とした配光パターンとなるためである。
また、高速エリアで車両100が曲路を走行する際に、低速エリアで車両100が曲路を走行する場合と同様にこの車両100の旋回方向と反対側の配光手段の光軸角度を車両100の直進方向に固定すると、旋回方向の配光手段が形成する配光パターンの高輝度帯が車両の旋回方向、つまり運転者の注視点(中心視野)に位置し、この旋回方向と反対側の配光手段が形成する配光パターンの高光度帯が車両100の直進方向Fに位置することとなる。これは、運転者の注視点とはずれた周辺視野(有効視野)に旋回方向と反対側の配光手段が形成する配光パターンの高光度帯が存在することとなり、この運転者の注視点が定まらない虞がある。また、高速エリアの曲路では、路肩にガードレールやコンクリート壁が接地されている場合があり、この垂直方向に存在する建造物に旋回方向と反対側の配光手段が形成する配光パターンの高光度帯が投影される場合がある。この場合には、旋回方向と反対側の配光手段が形成する配光パターンの高光度帯は、運転者の注視点からさらにずれた周辺視野に存在することとなり、この運転者の注視点がさらに定まらない虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少なくとも高速エリアを走行する車両の旋回時に運転者の注視点を基準とした配光パターンを形成することで、運転者の遠方視認性の向上を図ることができる車両用前照灯システムを提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明は、車両の直進方向に対して左右に配置され、かつ車両の直進方向に対する光軸角度が変化する配光手段と、車両が低速エリアあるいは高速エリアのいずれのエリアを走行しているかを判断するエリア判断手段と、車両が走行している道路あるいは車両が走行する道路の少なくともいずれか一方の曲率を算出する曲率算出手段と、検出されたエリアと算出された道路の曲率とに基づいて、配光手段の車両の直進方向に対する光軸角度を変化させる光軸制御手段とを備える車両用前照灯システムであって、光軸制御手段は、エリア検出手段により検出されたエリアよって、曲率算出手段により算出された曲率に基づいた配光手段の光軸角度の変化を異ならせることを特徴とする。
また、この発明では、上記車両用前照灯システムにおいて、光軸制御手段は、エリア判断手段により判断されたエリアが高速エリアである際に、各配光手段の光軸角度の変化開始タイミングがエリア判断手段により判断されたエリアが低速エリアである際における各配光手段の光軸角度の変化開始タイミングよりも早いことを特徴とする。
なお、車両の旋回方向と旋回角度を検出する車両旋回検出手段をさらに備え、曲率算出手段は、車両旋回検出手段により検出された車両の旋回方向と旋回角度に基づいて車両が走行している道路の曲率を算出することが好ましい。
これらの発明によれば、光軸制御手段は、各配光手段の光軸角度をエリア判断手段が判断したエリアが低速エリアあるいは高速エリアのいずれかによって異ならせる。例えば、車両が低速エリアを走行している場合と高速エリアを走行している場合とでは、光軸角度を変化させる変化開始タイミングを異ならせる。つまり、車両が高速エリアを走行している場合には、光軸角度の変化開始時における曲率をこの車両が低速エリアを走行している場合の曲率よりも大きくする。従って、車両旋回検出手段により検出された旋回角度が小さく、車両が走行している道路の曲率が大きい、すなわち曲率算出手段により算出された曲率が大きくても、各配光手段の光軸角度を旋回方向に変化させることができる。これにより、高速エリアを走行する車両の旋回時における運転者の遠方視認性の向上を図ることができる。
また、この発明では、上記車両用前照灯システムにおいて、車両の現在位置を検出する車両現在位置検出手段と、少なくとも車両が走行する道路形状を検出する道路形状検出手段とをさらに備え、曲率算出手段は、車両現在位置検出手段により検出された車両の現在位置および道路形状検出手段により検出された車両が走行する道路形状に基づいて車両が走行する道路の曲率を算出することを特徴とする。
この発明によれば、車両が低速エリアあるいは高速エリアのいずれかの道路を走行する際に、実際の車両がこれから走行する道路の曲率を予め曲率算出手段により算出する。つまり、この車両用前照灯システムでは、車両旋回検出手段により検出された車両が走行している道路の旋回方向と旋回角度に基づいて曲率算出手段により車両が走行している道路の曲率を求める場合と比較して、車両現在位置検出手段により検出された現在位置と道路形状検出手段により検出された車両が走行する道路形状に基づいて曲率算出手段により実際に車両がこれから走行する道路の曲率を求める。従って、光軸制御手段は、予め求められた実際に車両がこれから走行する道路の曲率に基づいて各配光手段の光軸角度を変化させる。これにより、車両の旋回に対する各配光手段の光軸角度の変化の遅れを抑制し、運転者の不快感や疲労を軽減することができる。また、運転者の個人差による各配光手段の光軸角度の変化を抑制することができるので、安全性を向上することができる。
また、この発明では、上記車両用前照灯システムにおいて、光軸制御手段は、エリア判断手段により判断されたエリアが高速エリアである際に、配光手段のそれぞれの光軸角度を曲率算出手段により算出された曲率に基づいて車両の旋回方向に同一角度変化させることを特徴とする。
この発明によれば、配光手段のそれぞれの光軸角度が車両の直進方向に対して車両の旋回方向に変化し、各配光手段が形成する配光パターンが運転者の注視点を基準とした配光パターンに形成される。つまり、各配光手段が形成する配光パターンの高光度帯が運転者の注視点、すなわち旋回方向の遠方に位置することとなる。また、車両が直進路を走行する場合に各配光手段により形成される配光パターンと、車両が曲路を走行する場合にそれぞれの光軸角度を旋回方向に同一角度変化させた各配光手段により形成される配光パターンとは、その配光パターンの変化は、ほとんど発生しない。これらにより、運転者の注視点が安定し、運転者の不要な注視点移動を抑制できるので、運転者の疲労や緊張を軽減することができる。
また、各配光手段が形成する配光パターンの高輝度帯が運転者の注視点で重なり合うので、高速エリアで車両が旋回する際に、低速エリアで車両が旋回する場合と同様にこの車両の旋回方向と反対側の配光手段の光軸角度が車両の直進方向に固定する場合と比較して、より明るく車両の旋回方向の遠方を照射することができる。これにより、各配光手段は、運転者の注視点を基準とした配光パターンを形成するので、高速エリアを走行する車両の旋回時における運転者の遠方視認性の向上をさらに図ることができる。
また、この発明では、上記車両用前照灯システムにおいて、光軸制御手段は、配光手段のそれぞれの光軸角度が車両の旋回方向に所定角度変化した際に、曲率算出手段により算出された曲率に基づいて、車両の旋回方向に配置される一方の配光手段の光軸角度を所定角度以上に車両の旋回方向に変化させ、車両の旋回方向と反対側に配置される他方の配光手段の光軸角度を前記所定角度以上に変化させないことを特徴とする。
各配光手段は、意匠に基づいて設計されるものである。従って、各配光手段は、この意匠に基づく形状や構造などにより車両の直進方向から各旋回方向における光軸角度の変化幅が異なっている場合がある。つまり、光軸制御手段が各配光手段の光軸角度が所定角度以上となるように各配光手段の光軸角度を変化させるようにしても、この光軸制御手段により配光手段の光軸角度を所望する光軸角度に変化させることができない場合がある。しかしながら、この発明によれば、曲率算出手段により算出された曲率に基づいた光軸角度が各配光手段の光軸角度を所定角度以上に変化させる必要がある場合、例えば高速エリア内の曲率が小さい道路を車両が走行するあるいは走行している場合に、車両の旋回方向に配置される一方の配光手段の光軸角度を所定角度以上に変化させ、車両の旋回方向と反対側に配置される他方の配光手段の光軸角度を所定角度以上に変化させない。従って、少なくとも一方の配光手段により形成される配光パターンの高光度帯が運転者の注視点に位置するようになる。これにより、配光手段の意匠や設計の自由度を抑制せずに、高速エリアを走行する車両の旋回時における運転者の遠方視認性の向上を図ることができる。
また、この発明では、上記車両用前照灯システムにおいて、エリア判断手段は、車両が走行しているエリアが高速エリアである際に、さらに高速エリア内における低速エリアである高速エリア内低速エリアを判断することができ、光軸制御手段は、エリア判断手段により判断されたエリアが高速エリア内低速エリアである際に、曲率算出手段により算出された曲率に基づいた配光手段の光軸角度をエリア検出手段により検出されたエリアが低速エリアである場合と同一変化させることを特徴とする。
この発明によれば、高速エリア内低速エリア、例えば高速道路におけるサービスエリアやインターチェンジ、渋滞している道路を車両が走行する際に、例えば低速エリアで車両が走行する場合と同様に、例えばこの車両の旋回方向と反対側の配光手段の光軸角度を車両の直進方向に固定する。これにより、高速エリア内における低速エリアにおいて車両近傍の広い視認性を確保することができる。
本発明に係る車両用前照灯システムは、車両が高速エリアを走行する場合における各配光手段の光軸角度の変化を光軸制御手段により、車両が低速エリアを走行する場合における各配光手段の光軸角度の変化と異ならせ、高速エリアを走行する車両の旋回時に運転者の注視点を基準とした配光パターンを形成することで、運転者の遠方視認性の向上を図ることができるという効果を奏する。
図2は、この実施例1にかかる車両用前照灯システムの概略構成例を示す図である。図3は、右側のヘッドランプを示す斜視図である。図4は、左右のヘッドランプが正面位置(ニュートラルポジション)に位置する状態を示す図である。なお、左側のヘッドランプ2Lは、図3に示す右側のヘッドランプ2Rの構造を左右対照にした構造である。
図1および図2に示すように、この発明にかかる車両用前照灯システム1は、配光手段である右側のヘッドランプ2Rと、左側のヘッドランプ2Lと、エリア判断手段であるエリア判断手段36と、曲率算出手段である曲率算出部37と、光軸制御手段である光軸制御部38とを有する光軸制御装置3と、車両旋回検出手段である操舵角センサ4と、車両100の走行しているエリアを検出するエリア検出手段5とにより構成されている。なお、6は、運転者の意志に基づいてヘッドランプ2R,2Lを点灯または消灯させるためのヘッドランプスイッチである。また、7は、光軸制御装置5にヘッドランプ2R,2Lを点灯させるための電力を供給するバッテリである。また、8は、光軸制御装置5への電源供給を開始または停止するイグニッションスイッチ(I/G)である。また、9は、車両100の車速を検出する車速センサである。
図3に示すように、左右のヘッドランプ2R,2Lは、プロジェクタタイプのヘッドランプであって、すれ違い用の配光パターンを形成するヘッドランプである。このプロジェクタタイプの左右のヘッドランプ2R,2Lは、放電灯などの図示しない光源と、この光源からの光を反射させるリフレクタ21と、このリフレクタ21からの反射光を光軸Z−Z(図4参照)に沿って前方に投影して車両100が走行している路面などを照明する投影レンズ(例えば、凸レンズなどの集光レンズ)22と、このリフレクタ21に固定され、かつこの投影レンズ22を支持するレンズホルダ23とにより構成されている。
左右のヘッドランプ2R,2Lは、図1−1〜図4に示すように、車両100の前部のブラケット24R,24Lに、上下の支持軸25(下側の支持軸は図示せず)を介して、それぞれほぼ垂直な回転軸O−O回りに回転可能に搭載されている。また、この左右のヘッドランプ2R,2Lのブラケット24R,24Lには、それぞれ例えばステッピングモータなどのモータ26R,26Lが備えられている。この左右のモータ26R,26Lの図示しない回転シャフトは、図示しない回転力伝達手段を介して、それぞれ左右のヘッドランプ2R,2Lの図示しない下側の支持軸に連結されている。
左右のモータ26R,26Lは、後述する光軸制御装置3から出力される駆動信号により、左右のヘッドランプ2R,2Lを回転軸O−O回りに右側あるいは左側に曲率に基づいた角度に回転させる。つまり、左右のモータ26R,26Lが回転すると、この左右のモータ26R,26Lの図示ない回転シャフトに回転力伝達手段を介して連結されているヘッドランプ2R,2Lの図示しない下側の支持軸が回転する。これにより、左右のヘッドランプ2R,2Lが回転軸O−Oを中心として右側あるいは左側に回転する。
光軸制御装置3は、後述するエリア検出センサ5から出力されるエリア情報に基づいて、車両100の走行しているエリアを判断するエリア判断手段である。また、後述する操舵角センサ4から出力される操舵方向および操舵角度に基づいて、車両100が走行している(車両100が走行する)道路の曲率を算出する曲率算出手段でもある。さらに、後述する左右のモータドライバー回路35R,35Lを介して左右のモータ26R,26Lに駆動信号を出力することで、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる光軸制御手段でもある。
また、光軸制御手段3は、車両100の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。具体的には、例えば後述する操舵角センサ4により検出された車両100の操舵方向および操舵角度、後述するエリア検出センサにより検出された車両100の走行しているエリア情報、後述するヘッドランプスイッチ6により検出された左右のヘッドランプ2R,2LのON/OFF、車速センサ9により検出された車両100の車速などがある。これら入力信号および後述する記憶部43に格納されている高速エリア、低速エリアのそれぞれにおける曲率とヘッドランプ2R,2Lの光軸角度との関係である高速エリアデータあるいは低速エリアデータ(図6−1〜2、図9−1〜2参照)に基づいて、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる駆動信号である出力信号を出力する。
具体的には、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)31と、エリア判断部36、曲率算出部37、光軸制御部38を有する処理部32と、上記各エリアにおける曲率Rとヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLはとのデータを格納する記憶部33と、電源回路34と、左右のドライバ回路35R,35Lとにより構成されている。処理部32は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、この発明にかかる車両用前照灯システム1の動作方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、この発明にかかる車両用前照灯システム1の動作方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部33は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。電源回路43は、処理部32および左右のモータ駆動回路35R,35Lを介して、左右のモータ26R,26Lを駆動する電力を供給するものである。左右のモータ駆動回路35R,35Lは、処理部32の光軸制御部38から出力される曲率Rに基づいた光軸角度信号に基づいて左右のモータ26R,26Lを駆動させ左右のヘッドランプ2R,2Lを回転させる駆動信号を出力するものである。なお、この実施例では、車両の光軸制御方法を光軸制御装置5により実現させるが、これに限定されるものではなく、車両100に搭載されている図示しないECU(Engine Control Unit)、あるいは後述するカーナビゲーションシステム10により実現しても良い。
操舵角センサ4は、車両旋回検出手段であり、車両100の直進方向Fに対するこの車両100の旋回方向および旋回角度を検出するものである。車両100の旋回方向および旋回角度は、ステアリング角度(操舵輪の操舵角度)と密接な関係がある。つまり、この操舵角センサ4は、車両100の旋回方向および旋回角度を、車両100の図示しないステアリングハンドルの操舵方向および操舵角度により検出するものである。なお、この操舵角センサ4は、検出した操舵方向、操舵角度を光軸制御装置3に出力する。
エリア検出センサ5は、エリア検出手段であり、後述する光軸制御装置5の処理部32のエリア判断部36が車両100の走行しているエリアを判断するためのエリア情報を検出するものである。このエリア検出センサ5としては、例えば自動料金収受システム(ETC)の車載器や標識検出装置などがある。自動料金収受システムは、高速エリアである有料高速道路の料金所に設けられたアンテナと車両100に搭載された車載器との間で、高速道路料金の収受を行うものである。車両100にこの車載器が搭載されている場合は、この車載器と料金所のアンテナとの送受信を行ったか否かをエリア情報として光軸制御装置5に出力する。後述する光軸制御装置5の処理部32のエリア判断部36は、車載器から出力されるエリア情報、つまりこの車載器と料金所のアンテナとの送受信を行ったか否かにより、車両100の走行しているエリアを判断する。
また、標識検出装置は、走行している車両100の道路の前方に位置する標識、特に道路案内標識の色を検出するものである。この標識検出手段が車両100の前方に取り付けられている場合は、この標識検出装置が検出する道路案内標識の色をエリア情報として光軸制御装置5に出力する。後述する光軸制御装置5の処理部32のエリア判断部36は、標識検出装置から出力されるエリア情報、つまりこの標識検出装置が検出した道路案内標識の色により、車両100の走行しているエリアを判断する。
ヘッドランプスイッチ6は、運転者がON,OFFを操作して、左右のヘッドランプ2R,2Lを点灯、消灯させるものである。このヘッドランプスイッチ6は、運転者の左右のヘッドランプ2R,2Lの点灯、消灯する意志であるON/OFF信号を光軸制御装置3に出力する。
次に、実施例1にかかる車両用前照灯システム1の動作方法について説明する。図5は、実施例1にかかる車両用前照灯システム1の動作方法のフローチャートを示す図である。図6−1および図6−2は、高速エリアにおける曲率とヘッドランプの光軸角度との関係である高速エリアデータを示す図である。図7−1、図7−2、図8−1、図8−2は、高速エリアにおける左右のヘッドランプが旋回位置に位置する状態を示す図である。図9−1および図9−2は、低速エリアにおける曲率とヘッドランプの光軸角度との関係である低速エリアデータを示す図である。図10−1および図10−2は、低速エリアにおける左右のヘッドランプが旋回位置に位置する状態を示す図である。
同図に示すように、まず、運転者によりイグニッションスイッチがONとされると、光軸制御装置5の処理部32は、ヘッドランプスイッチ6がONであるか否かを判断する(ステップST101)。具体的には、処理部32は、ヘッドランプスイッチ6から出力されたこのヘッドランプスイッチ6のON/OFF信号を入力し、この処理部32は、この入力されたON/OFF信号に基づいてヘッドランプスイッチ6がONであるか否かを判断する。
次に、処理部32によりヘッドランプスイッチ6がONであると判断されると、処理部32のエリア判断部36は、エリア情報を入力する(ステップST102)。具体的には、エリア判断部36は、エリア検出センサ5により検出された車両100の走行しているエリアのエリア情報を入力する。なお、処理部32によりヘッドランプスイッチ6がOFFであると判断されると、この処理部32の光軸制御部38は、左右のモータ駆動回路35R,35Lにヘッドランプ2R,2Lの車両100に直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLが0°、つまり車両100の直進方向Fとヘッドランプ2R,2Lの光軸Z−Zとが同一となるように光軸角度信号を出力する。この左右のモータ駆動回路35R,35Lは、この光軸角度信号に基づいて左右のモータ26R,26Lに駆動信号を出力し、図4に示すように、左右のヘッドランプ2R,2Lが正面位置に回転させる。これは、ヘッドランプスイッチ6がONになる際に、常にヘッドランプ2R,2Lが車両100に直進方向F(正面位置であるニュートラルポジション)となるようにするためである。
次に、処理部32のエリア判断部36は、車両100の走行しているエリアが高速エリアであるか否かを判断する(ステップST103)。具体的には、エリア判断部36は、エリア検出センサ5により検出された車両100の走行しているエリアのエリア情報に基づいて高速エリアであるか否かを判断する。例えば、エリア検出センサ5が上述の車載器である場合は、この車載器と料金所のアンテナとの送受信の全回数が何回であるかを判断する。これは、車両100が高速エリアを走行している場合は、車載器と料金所のアンテナとの送受信の全回数は奇数回であり、車両100が低速エリアを走行している場合は、車載器と料金所のアンテナとの送受信の全回数は0回あるいは偶数回であるからである。なお、エリア検出センサ5が上述の車載器である場合におけるこの車載器と料金所のアンテナとの送受信の全回数は、記憶部33に格納されても良い。また、エリア検出センサ5が標識検出センサである場合は、このエリア検出センサ5が検出した道路案内標識の色が緑色であるか否かを判断する。これは、一般に、日本国内では、高速エリアである走行道路における道路案内標識は緑色であり、低速エリアである一般道路における道路案内標識は青色であるからである。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリアであると判断されると、このエリア判断部36は、さらに車両100の走行しているエリアが高速エリア内の低速エリアであるか否かを判断する(ステップST104)。具体的には、処理部32のエリア判断部36は、車速センサ9により検出された車両100の車速を入力し、この車両100の車速が所定車速、例えば40km/h以下であるか否かにより判断する。なお、車両100の走行しているエリアが高速エリア内の低速エリアであるか否かを判断は、車両100の車速のみに限られるものではない。例えば、車両100の車速が所定車速以下で、かつヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLが変化した後に0°に戻った、つまり車両100の直進方向Fとヘッドランプ2R,2Lの光軸Z−Zとが同一となった場合に、車両100の走行しているエリアが高速エリア内の低速エリアであるかと判断しても良い。これにより、車両100が高速エリアから高速エリア内低速エリアに進入する際におけるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの突然の変化を抑制することができる。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリア内低速エリアでないと判断されると、処理部32の曲率算出部37は、操舵方向、操舵角度、図6−1〜2に示す高速エリアデータを入力する(ステップST105)。具体的には、エリア判断部36は、操舵角センサ4により検出された操舵方向である車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)、操舵角度である車両100の旋回角度を入力する。また、エリア判断部36は、記憶部33に格納されている高速エリアにおける曲率Rとヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLとの関係である高速エリアデータを入力する。
次に、処理部32の曲率算出部37は、入力された操舵方向、操舵角度に基づいて車両100の走行している道路である曲路の曲率Rを算出する(ステップST106)。ここで、操舵角度と車両100の走行している曲路の曲率Rとは略反比例の関係にある。従って、操舵角度が大きければ、車両100の走行している曲路の曲率Rは小さくなるものである。なお、車両100がステア状態(アンダーステア、オーバーステア)となり、同一操舵角度であっても車両100の走行している実際の曲路の曲率Rが異なる場合がある。この場合は、車速センサ9により検出される車両100の車速を考慮して曲率Rを算出しても良い。つまり、車両100の車速が高い場合は、算出される曲率Rが大きくなるように補正する。
次に、処理部32の光軸制御部38は、上記入力された高速エリアデータに基づいて、上記算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下である否かを判断する(ステップST107)。つまり、光軸制御部38は、算出された曲率Rがヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLの変化を開始する変化タイミングであるか否かを判断する。この変化開始曲率RAは、図9−1〜2に示す低速エリアデータにおける変化開始曲率RCよりも大きい曲率Rとなっている。つまり、車両100が低速エリアを走行している場合と高速エリアを走行している場合とでは、光軸角度を変化させる変化開始タイミングを異ならせる。従って、車両旋回検出手段である操舵角センサ4により検出された操舵角度である旋回角度が小さく、車両100の走行している道路の曲率Rが大きい、すなわち曲率算出手段である曲率算出部37により算出された曲率Rが大きくても、各配光手段であるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを車両100の旋回方向に変化させることができる。なお、処理部32の光軸制御部38が算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下でないと判断した場合、つまり車両100の旋回角度がヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる必要がないと判断した場合、算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下となるまで、上記ステップST101からステップST107までを繰り返す。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下であると判断すると、この算出された曲率Rが所定曲率RB以上であるか否かを判断する(ステップST108)。ここで、所定曲率RBは、光軸制御手段である光軸制御部38が算出された曲率Rに基づいて、モータ26R,26Lを駆動させてヘッドランプ2R,2Lを車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させようとしても、車両100の旋回方向と反対側のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを変化させることができない角度をいう。これは、ヘッドランプ2R,2Lは、意匠に基づいて設計され、その構造や形状が決定される。一般的に、ヘッドランプ2Rでは、その光軸角度θLRを車両100の直進方向Fに対して右側に変化させる場合よりも、左側に変化させる場合の方がその変化幅が小さい。また、ヘッドランプ2Lでは、その光軸角度θLLを車両100の直進方向Fに対して左側に変化させる場合よりも、右側に変化させる場合の方がその変化幅が小さい。つまり、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLは、車両100の内側に変化させる変化幅が車両100の外側に変化させる変化幅よりも小さくなるからである。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが所定曲率RB以下であると判断すると、算出された曲率Rに基づいて、ヘッドランプ2R,2Lを車両100の旋回方向、つまり操舵角センサ4の操舵方向に同一角度回転させる(ステップST109)。具体的には、まず、光軸制御部38は、上記曲率選出部37により算出された車両100の走行している道路である曲路の曲率Rと、高速エリアデータとに基づいて、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを決定する。ここで、図6−1〜2に示すように、算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下でかつ所定曲率RB以上である場合は、変化させる光軸角度θLR,θLLは、同一方向でかつ同一角度である。次に、光軸処理部38は、左右のモータドライバー回路35R,35Lを介して左右のモータ駆動回路35R,35Lに決定された光軸角度θLR,θLL、つまり車両100の直進方向Fとヘッドランプ2R,2Lの光軸Z−Zとが同一方向、同一の角度となるように光軸角度信号を出力する。この左右のモータ駆動回路35R,35Lは、この光軸角度信号に基づいて左右のモータ26R,26Lに駆動信号を出力し、図7−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて左右のヘッドランプ2R,2Lを旋回方向と同一方向(右方向、左方向)に同一角度、回転させる。
図11−1〜2は、従来の車両用前照灯システムによる配光パターン(右カーブR=300m)を示す図である。また、図11−3は、従来の車両用前照灯システムによる車両前方照明範囲(右カーブR=300m)を示す図である。図12−1〜2は、この発明にかかる車両用前照灯システムによる配光パターン(右カーブR=300m)を示す図である。また、図12−3は、この発明にかかる車両前方照明範囲(右カーブR=300m)を示す図である。図13−1〜2は、従来の車両用前照灯システムによる配光パターン(右カーブR=500m)を示す図である。また、図13−3は、従来の車両用前照灯システムによる車両前方照明範囲(右カーブR=500m)を示す図である。図14−1〜2は、従来の車両用前照灯システムによる配光パターン(右カーブR=500m)を示す図である。また、図14−3は、従来の車両用前照灯システムによる車両前方照明範囲(右カーブR=500m)を示す図である。なお、図11−1〜2、図12−1〜2、図13−1〜2、図14−1〜2においては、濃淡によって光度を表しており、濃くなるほど光度が高いものとする。また、図11−3、図12−3、図13−3、図14−3においては、濃淡によって照度を表しており、濃くなるほど照度が高いものとする。また、110は車両100の走行している道路(曲路)であり、111は車両100の走行している車線であり、112は車両100の走行している車線に隣接された車線である。また、Vは垂直線、Hは水平線である。
図11−1〜2、図13−1〜2に示すように、従来の車両用前照システムによりヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる、例えば車両100が右旋回を行う場合は、この旋回方向のヘッドランプ2Rの光軸角度θLRのみを旋回方向に変化させた場合は、車両100の運転者の注視点Aを基準にこのヘッドランプ2Rにより配光パターンが形成される。つまり、ヘッドランプ2Rにより形成された配光パターンの高輝度帯B1は、運転者の注視点Aに位置することとなる。一方、この旋回方向と反対側のヘッドランプ2Lの光軸角度θLLは変化しないため、このヘッドランプ2Lにより形成される配光パターンの高輝度帯B2は、運転者の注視点A近傍に位置することとなる。これらの図に示すように、右カーブR=300mでは8°、右カーブR=500では6°となる。特に、曲率が大きい曲路を車両100が走行する場合は、高輝度帯B2は運転者の注視点Aのさらに近傍となる。このように、高輝度帯B2が車両100の直進方向F、つまり運転者の注視点Aとはずれた周辺視野(有効視野)に存在することとなり、この運転者の注視点Aが定まらない虞があった。
しかし、図12−1〜2、図14−1〜2に示すように、この発明にかかる車両用前照灯システム1により、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを車両100の旋回方向と同一方向に同一角度に変化させた場合は、車両100の運転者の注視点Aを基準にこのヘッドランプ2R,2Lにより配光パターンがともに形成される。つまり、ヘッドランプ2Lが形成する配光パターンの高光度帯B2も運転者の注視点A、すなわち車両100の旋回方向に位置することとなる。また、車両100が直進路を走行する場合にヘッドランプ2R,2Lにより形成される配光パターンと、車両100が曲路を走行する場合にそれぞれの光軸角度θLR,θLLを車両100の旋回方向と同一方向に同一角度変化させたヘッドランプ2R,2Lにより形成される配光パターンとは、その配光パターンの変化は、ほとんど発生しない。これらにより、運転者の注視点が安定し、運転者の不要な注視点移動を抑制できるので、運転者の疲労や緊張を軽減することができる。
また、上述のように、従来の車両用前照システムでは、車両100の旋回時に一方のヘッドランプ2Rは、高輝度帯B1が運転者の注視点A、つまり車両100の旋回方向に位置するため、車両100の旋回方向の遠方まで照明するが、他方のヘッドランプ2Lは、高輝度帯B2が車両100の直進方向Fに位置するため、車両100の直進方向Fの遠方を照明することとなる。従って、図11−3、図13−3に示すように、運転者の注視点Aが位置する車両100の旋回方向の遠方を照射することが困難である。
しかし、この発明にかかる車両用前照システム1では、車両100の旋回時に両方のヘッドランプ2R,2Lの高輝度帯B1,B2が運転者の注視点A、つまり車両100の旋回方向に位置するため、車両100の旋回方向の遠方まで照明することができる。従って、図12−3、図14−3に示すように、運転者の注視点Aが位置する車両100の旋回方向の遠方をより明るく照射することができる。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが所定曲率RB以下でないと判断すると、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Rあるいはヘッドランプ2Lを算出された曲率Rに基づいて、車両100の旋回方向、つまり操舵角センサ4の操舵方向に回転させる。また、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Lあるいはヘッドランプ2Rを所定曲率RBに基づいて、車両100の旋回方向に回転させる(ステップST110)。具体的には、まず、光軸制御部38は、上記曲率選出部37により算出された車両100の走行している道路である曲路の曲率Rと、高速エリアデータとに基づいて、車両100の旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを決定する。ここで、図6−1〜2に示すように、算出された曲率Rが処理曲率RB以下である場合は、変化させる光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLは、所定角度である。次に、光軸制御部38は、所定曲率RBと、高速エリアデータとに基づいて、車両100の旋回方向と反対側のヘッドランプ2Lあるいは2Rの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLL,あるいは光軸角度θLRを決定する。次に、光軸処理部38は、左右のモータドライバー回路35R,35Lを介して左右のモータ駆動回路35R,35Lに上記それぞれ決定された光軸角度θLR,θLLとなるように光軸角度信号を出力する。この左右のモータ駆動回路35R,35Lは、それぞれの光軸角度信号に基づいて左右のモータ26R,26Lに駆動信号を出力し、図8−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLが旋回方向と反対側のヘッドランプ2L、あるいはヘッドランプ2Rの光軸角度θLL、あるいは光軸角度θLRよりも大きくなるように回転させる。
以上のように、曲率算出手段である曲率算出部37により算出された曲率Rに基づいた光軸角度θLR,θLLが各配光手段であるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを所定角度RB以上に変化させる必要がある場合、例えば高速エリア内の曲率Rが小さい道路である曲路を車両100が走行している場合に、車両100の旋回方向に配置される一方の配光手段であるヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを所定角度RB以上に変化させ、車両100の旋回方向と反対側に配置される他方の配光手段であるヘッドランプ2L、あるいはヘッドランプ2Rの光軸角度光軸角度θLL、あるいは光軸角度θLRを所定角度RB以上に変化させない。従って、少なくとも一方の配光手段であるヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lにより形成される配光パターンの高光度帯が運転者の注視点Aに位置するようになる。これにより、配光手段であるヘッドランプ2R,2Lの意匠や設計の自由度を抑制せずに、高速エリアを走行する車両100の旋回時における運転者の遠方視認性の向上を図ることができる。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリアでないと判断されると、処理部32の曲率算出部37は、操舵方向、操舵角度、図9−1〜2に示す低速エリアデータを入力する(ステップST111)。具体的には、エリア判断部36は、操舵角センサ4により検出された操舵方向である車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)、操舵角度である車両100の旋回角度を入力する。また、エリア判断部36は、記憶部33に格納されている低速エリアにおける曲率Rとヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLとの関係である低速エリアデータを入力する。
次に、処理部32の曲率算出部37は、入力された操舵方向、操舵角度に基づいて車両100の走行している道路である曲路の曲率Rを算出する(ステップST112)。
次に、処理部32の光軸制御部38は、上記入力された低速エリアデータに基づいて、上記算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下である否かを判断する(ステップST113)。つまり、光軸制御部38は、算出された曲率Rがヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLの変化を開始する変化タイミングであるか否かを判断する。この変化開始曲率RAは、図6−1〜2に示す高速エリアデータにおける変化開始曲率RAよりも小さい曲率Rとなっている。これは、例えば曲路から直進路に変わる際の車両100の進行方向の修正や直進路における車両100の進行方向の修正などの運転者の小刻みなハンドリングを行うことにより、ヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLが変化し、この光軸角度θLR,θLLが変化したヘッドランプ2R,2Lにより形成される配光パターンにより運転者に不快感や疲労を与えないためである。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下であると判断すると、車両100の旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lを算出された曲率Rに基づいて、車両100の旋回方向、つまり操舵角センサ4の操舵方向に回転させる(ステップST114)。具体的には、まず、光軸制御部38は、上記曲率選出部37により算出された車両100の走行している道路である曲路の曲率Rと、低速エリアデータとに基づいて、車両100の旋回方向のヘッドランプ2R、あるいは2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを決定する。なお、図9−1〜2に示すように、車両100の旋回方向と反対側のヘッドランプ2L、あるいは2Rの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLL、あるいは光軸角度θLRは、0°となる。
次に、光軸処理部38は、車両100の旋回方向と同一方向のモータドライバー回路35R、あるいはモータドライバー回路35Lを介して車両100の旋回方向と同一方向のモータ駆動回路35R、あるいはモータ駆動回路35Lに上記決定された光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLとなるように光軸角度信号を出力する。この車両100の旋回方向と同一方向のモータ駆動回路35R、あるいはモータ駆動回路35Lは、光軸角度信号に基づいて車両100の旋回方向と同一方向のモータ26R、あるいはモータ26Lに駆動信号を出力し、図10−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLに応じて旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lを回転させる。また、旋回方向と反対側のヘッドランプ2L、あるいはヘッドランプ2Rは、その光軸Z−Zを車両100の直進方向Fと同一のままとする。なお、処理部32の光軸制御部38が算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下でないと判断した場合、つまり車両100の旋回角度がヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる必要がないと判断した場合、算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下となるまで、上記ステップST101からステップST113までを繰り返す。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリア内低速エリアであると判断されると、上記ステップST111からステップST114までを処理する。つまり、車両100の走行しているエリアが高速エリア内低速エリアである場合は、ヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを車両100の走行しているエリアが低速エリアである場合と同一となるように変化させる。これは、例えば、高速道路におけるサービスエリアやインターチェンジ、渋滞している道路などを車両100が走行する場合は、車両100の旋回方向と反対側のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを車両100の直進方向Fに固定する。これにより、高速エリア内における低速エリアにおいて車両100近傍の広い視認性を確保することができる。
図15は、実施例2にかかる車両用前照灯システムの概略構成例を示す図である。同図に示す実施例2にかかる車両用前照灯システム1´が図2に示す実施例1にかかる車両用前照灯システム1と異なる点は、車両旋回検出手段である操舵角センサ4およびエリア検出手段であるエリア検出センサ5の代わりに、車両現在位置検出手段および道路形状検出手段であるカーナビゲーションシステム10を設けた点である。
カーナビゲーションシステム10は、上記光軸制御装置3の入出力ポート31に接続され、この光軸制御装置3に車両100が走行する道路形状、車両100の現在位置、車両100が走行しているエリアのエリア情報の出力を行う入出力ポート(I/O)11と、車両100の現在位置、自車100の走行する道路の道路形状などの算出や、車両100の現在位置から目標位置までの経路の検索などを行う処理部12と、地図データ13aなどを格納する記憶部13と、GPS(Global Positioning System)を構成する衛星からの位置情報を受信するアンテナ部14と、運転者が操作することで、入出力ポート11を介して処理部12に各種の指示データを入力する操作部15と、入出力ポート11を介して各種案内音声を出力するスピーカー16と、入出力ポート11を介して自車の現在位置や車両100の走行する道路形状を表示する表示部17とにより構成されている。なお、処理部12および記憶部13の構成は、上記光軸制御装置3とほぼ同様の構成であるのでその説明は省略する。また、地図データ13aは、記憶部13に格納されるほか、CD−ROMやDVDなどの記録媒体に記録され、適宜入出力ポート11を介して処理部12に読み込まれても良い。また、処理部12による車両100の現在位置の算出は、アンテナ部14が受信する位置情報のみに基づいて行う場合に限られず、この位置情報とこの実施例2にかかる車両用前照灯システム1´に車速センサを設け、この車速センサにより検出される車速とカーナビゲーションシステム10に搭載されているジャイロスコープとに基づいて行っても良い。
このナビゲーションシステム10は、基本的に車両100が現在位置から目的位置、つまり現在地から住所、電話番号、施設名などに基づいた目的地までナビゲーション走行を行う際に用いられるものである。具体的には、運転者は、操作部15を操作し目的地を入力する。この入力された目的地に基づく指示データは、処理部12に入力される。次に、処理部12は、アンテナ部14が受信した位置情報から車両100の現在位置を算出するとともに、記憶部13に格納されている地図データ13aを読み出す。次に、処理部12は、この車両100の現在位置と地図データ13aから目的位置までの最適経路を検索する。ここで、処理部12は、アンテナ部14が受信した交通情報、つまり車両100の走行している道路やその周辺道路の混雑状況を加味して最適経路を検索することもできる。そして、処理部12は、入出力ポート11を介して車両100の現在位置データや検索された経路に基づく車両が走行する道路形状を表示部17に出力する。この表示部17は、車両100の現在位置データや検索された経路に基づく車両100の走行する道路形状を表示する。また、処理部12は、検索された経路に基づいて適宜スピーカー16から案内音声を出力する。
このカーナビゲーションシステム10は、アンテナ部14が受信する位置情報に基づいて算出された車両100の現在位置と、記憶部13に格納されている地図データ13aにより車両100が走行すると道路形状を検出することができる現在位置検出手段および道路形状検出手段である。従って、カーナビゲーションシステム10は、この現在位置検出手段および道路形状検出手段により、エリア検出手段としての機能を有するものである。
次に、実施例2にかかる車両用前照灯システム1´の動作方法について説明する。図16は、実施例2にかかる車両用前照灯システム1の動作方法のフローチャートを示す図である。なお、同図に示す実施例2にかかる車両用前照灯システム1´の動作方法の基本的構成は、図5に示す実施例1にかかる車両用前照灯システム1の動作方法の基本的構成と略同一であるので、省略して説明する。
同図に示すように、まず、運転者によりイグニッションスイッチがONとされると、光軸制御装置5の処理部32は、ヘッドランプスイッチ6がONであるか否かを判断する(ステップST201)。次に、処理部32によりヘッドランプスイッチ6がONであると判断されると、処理部32のエリア判断部36は、車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状を入力する(ステップST202)。具体的には、エリア判断部36は、カーナビゲーションシステム10から出力された車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状を入力する。なお、処理部32によりヘッドランプスイッチ6がOFFであると判断されると、この処理部32の光軸制御部38は、図4に示すように、左右のヘッドランプ2R,2Lが正面位置に回転させる。
次に、処理部32のエリア判断部36は、車両100の走行しているエリアが高速エリアであるか否かを判断する(ステップST203)。具体的には、エリア判断部36は、カーナビゲーションシステム10から出力された車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状に基づいて高速エリアであるか否かを判断する。車両100の現在位置は、カーナビゲーションシステム10のアンテナ部14が受信した位置情報により算出される。車両100が走行する道路形状は、記憶部13に格納されている地図データに基づいて設定される。具体的には、エリア判断部36は、車両100の現在位置が地図データ13aにおいてどこに位置しているかを判断する。例えば、車両100の現在位置が地図データ13aにおいて高速道路上に位置している場合は、車両100が高速エリアを走行していると判断し、地図データ13aにおいて一般道路上に位置している場合は、車両100が低速エリアを走行していると判断する。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリアであると判断されると、このエリア判断部36は、さらに車両100の走行しているエリアが高速エリア内の低速エリアであるか否かを判断する(ステップST204)。具体的には、上記と同様にカーナビゲーションシステム10から出力された車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状に基づいて高速エリアであるか否かを判断する。例えば、車両100の現在位置が地図データ13aにおいて高速道路のサービスエリア上やインターチェンジ上に位置している場合は、車両100が高速エリア内低速エリアを走行していると判断する。なお、高速エリア内低速エリアとして、渋滞している高速道路も含まれる場合は、車両100の現在位置と、地図データ13aと、アンテナ部14に受信された道路交通情報通信システムを構成するFM多重放送、光ビーコン、電波ビーコンなどからの交通情報(渋滞情報)とに基づいて判断して良い。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリア内低速エリアでないと判断されると、処理部32の曲率算出部37は、図6−1〜2に示す高速エリアデータを入力する(ステップST205)。次に、処理部32の曲率算出部37は、上記入力された車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状に基づいて車両100の走行する道路である曲路の曲率Rを算出する(ステップST206)。具体的には、カーナビゲーションシステム10から出力された車両100の現在位置からこれから車両100が走行する道路形状を決定し、この車両100が走行する道路形状からこれから車両100が走行する道路の曲率Rを算出する。
次に、処理部32の光軸制御部38は、上記入力された高速エリアデータに基づいて、上記算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下である否かを判断する(ステップST207)。つまり、光軸制御部38は、算出された曲率Rがヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLの変化を開始する変化タイミングであるか否かを判断する。なお、処理部32の光軸制御部38が算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下でないと判断した場合、つまり車両100の旋回角度がヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる必要がないと判断した場合、算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下となるまで、上記ステップST201からステップST207までを繰り返す。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが変化開始曲率RA以下であると判断すると、この算出された曲率Rが所定曲率RB以上であるか否かを判断する(ステップST208)。次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが所定曲率RB以下であると判断すると、算出された曲率Rに基づいて、ヘッドランプ2R,2Lを車両100の旋回方向に同一角度回転させる(ステップST209)。具体的には、まず、光軸制御部38は、上記曲率選出部37により算出された車両100の走行する道路である曲路の曲率Rと、高速エリアデータとに基づいて、ヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを決定する。次に、上記入力された車両100の現在位置と図示しない車速センサにより検出された車速とに基づいて、あるいは再度カーナビゲーションシステム10から出力される車両100の現在位置に基づいて、車両100が上記算出された曲率Rの曲路に進入したことを判断する。次に、光軸処理部38は、左右のモータドライバー回路35R,35Lおよび左右のモータ駆動回路35R,35Lを介して、図7−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて左右のヘッドランプ2R,2Lを旋回方向と同一方向(右方向、左方向)に同一角度、回転させる。
次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが所定曲率RB以下でないと判断すると、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Rあるいはヘッドランプ2Lを算出された曲率Rに基づいて、車両100の旋回方向、つまり操舵角センサ4の操舵方向に回転させる。また、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Lあるいはヘッドランプ2Rを所定曲率RBに基づいて、車両100の旋回方向に回転させる(ステップST210)。なお、上記と同様に、車両100が上記算出された曲率Rの曲路に進入したことを判断して、左右のモータドライバー回路35R,35Lおよび左右のモータ駆動回路35R,35Lを介して、図8−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLが旋回方向と反対側のヘッドランプ2L、あるいはヘッドランプ2Rのよりも光軸角度θLL、あるいは光軸角度θLRよりも大きくなるように回転させる。
次に、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリアでないと判断されると、処理部32の曲率算出部37は、図9−1〜2に示す低速エリアデータを入力する(ステップST211)。次に、処理部32の曲率算出部37は、入力された車両100の現在位置、車両100が走行する道路形状に基づいて車両100の走行する道路である曲路の曲率Rを算出する(ステップST212)。
次に、処理部32の光軸制御部38は、上記入力された低速エリアデータに基づいて、上記算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下である否かを判断する(ステップST213)。つまり、光軸制御部38は、算出された曲率Rがヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLの変化を開始する変化タイミングであるか否かを判断する。次に、処理部32の光軸制御部38は、算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下であると判断すると、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Rあるいはヘッドランプ2Lを算出された曲率Rに基づいて、車両100の旋回方向に回転させる(ステップST214)。具体的には、まず、光軸制御部38は、上記曲率選出部37により算出された車両100の走行している道路である曲路の曲率Rと、低速エリアデータとに基づいて、車両100の旋回方向のヘッドランプ2Rあるいは2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,あるいは光軸角度θLLを決定する。次に、上記入力された車両100の現在位置と図示しない車速センサにより検出された車速とに基づいて、あるいは再度カーナビゲーションシステム10から出力される車両100の現在位置に基づいて、車両100が上記算出された曲率Rの曲路に進入したことを判断する。
次に、光軸処理部38は、車両100の旋回方向と同一方向のモータドライバー回路35R、あるいはモータドライバー回路35Lおよびモータ26R、あるいはモータ26Lを介して、図10−1〜2に示すように、車両100の旋回方向(右旋回、左旋回)に応じて旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lの光軸角度θLR、あるいは光軸角度θLLを所定角度変化させるように旋回方向のヘッドランプ2R、あるいはヘッドランプ2Lを回転させる。また、旋回方向と反対側のヘッドランプ2L、あるいはヘッドランプ2Rはその光軸Z−Zを車両100の直進方向Fと同一のままとする。なお、処理部32の光軸制御部38が算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下でないと判断した場合、つまり車両100の旋回角度がヘッドランプ2R,2Lの車両100の直進方向Fに対する光軸角度θLR,θLLを変化させる必要がないと判断した場合、算出された曲率Rが変化開始曲率RC以下となるまで、上記ステップST201からステップST213までを繰り返す。また、処理部32のエリア判断部36により車両100の走行しているエリアが高速エリア内低速エリアであると判断されると、上記ステップST111からステップST114までを処理する。
以上のように、実施例2にかかる車両用前照灯システム1´によれば、車両100が低速エリアあるいは高速エリアのいずれかの道路を走行する際に、実際の車両100がこれから走行する道路の曲率Rを予め曲率算出手段である曲率算出部37により算出する。つまり、この車両用前照灯システム1´では、車両旋回検出手段である操舵角センサ4により検出された車両100が走行している道路の旋回方向と旋回角度に基づいて曲率算出部37により車両100が走行している道路の曲率を求める場合と比較して、車両現在位置検出手段および道路形状検出手段であるカーナビゲーションシステム10により検出された車両100の現在位置および車両100が走行する道路形状に基づいて曲率算出手部37により実際に車両100がこれから走行する道路の曲率Rを求める。従って、光軸制御手段である光軸制御部38は、予め求められた実際に車両100がこれから走行する道路の曲率Rに基づいて各配光手段であるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを変化させる。これにより、車両100の旋回に対するヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの変化の遅れを抑制し、運転者の不快感や疲労を軽減することができる。また、運転者の個人差によるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの変化を抑制することができるので、安全性を向上することができる。
なお、上記実施例2では、処理部32の曲率算出部37は、カーナビゲーションシステム10から出力される車両100の現在位置、車両100の走行する道路形状に基づいて、これから車両100が走行する道路である曲路の曲率Rを算出するが、これに限定されるものではない。例えば、カーナビゲーションシステム10は、車両100の現在位置とこの車両100の現在位置の道路形状を出力し、処理部32の曲率算出部37は、車両100の現在位置、この車両100の現時位置の道路形状に基づいて車両100が現在走行している道路である曲路の曲率Rを算出するようにしても良い。
また、上記実施例1および実施例2にかかる車両用前照灯システム1,1´の構成をあわせても良い。つまり、処理部32の曲率算出部37は、操舵角センサ4により検出された車両100の旋回方向、旋回角度に基づいて車両100が走行している道路である曲路の曲率Rを算出するともに、カーナビゲーションシステム10から出力される車両100の現在位置、車両100の走行する道路形状に基づいて車両100が走行する道路である曲路の曲率Rを算出するようにしても良い。この場合は、まず、算出された車両100が走行する道路である曲路の曲率Rに基づいて、ヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLを変化させる。そして、上記車両100が走行する道路の曲率Rによるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの変化が算出された車両100が走行している道路である曲路の曲率Rに基づくヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの変化と異なる場合は、車両100が走行している道路の曲率Rによるヘッドランプ2R,2Lの光軸角度θLR,θLLの変化に修正するようにしても良い。