JP2005254847A - 車両監視装置 - Google Patents

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哲 春本
Toshitaka Yamato
俊孝 大和
Hiroshi Takeuchi
博 竹内
Yoshihiko Maeno
義彦 前野
Kazuhiro Sakiyama
和広 崎山
Toshiaki Shimojo
俊昭 下条
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Abstract

【課題】低コストで高精度に異常を検出し、その内容を判断すること。
【解決手段】監視開始処理部10aは、監視を開始する場合に、サスペンション制御部13によってサスペンション22a〜22dのダンパ圧力を低下させた後、サスペンション22a〜22dのストロークを取得して初期状態記憶部10bに記憶する。その後、監視処理部10cがサスペンション22a〜22dのストロークをモニタし、ストロークに変化が有った場合にそれぞれのストローク変化量から車両に生じた異常の内容を判断する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両における異常の発生を監視する車両監視装置に関し、特に、車輪にかかる荷重から車両に生じた異常の内容を判断可能な車両監視装置に関する。
従来、車両の振動や傾斜、サスペンションのストローク、車輪の空気圧や速度、位置情報などを用いて車両の盗難を自動的に監視する車両監視装置が考案されてきた。たとえば、特許文献1は、サスペンションのストローク量と車両の速度とを用いて盗難を検出する技術を公開しており、特許文献2は、車輪の空気圧や回転角、GPS(Global Positioning System)による位置情報などを用いて盗難を検出する技術を公開している。
また、特許文献3は、ドアの開閉や施錠状態、車輪速度や油圧などを用いて盗難を検出する技術を公開しており、特許文献4は、車両の傾斜角を用いて盗難を検出する技術を公開している。
特開平8−175331号公報 特開2002−362318号公報 特開平7−69174号公報 特許第2889992号公報
しかしながら、近年、盗難の手口が巧妙化しており、従来の車両監視装置では対応できない事態が発生している。例えば、振動を検出してホーンを鳴らす車両監視装置が搭載された車両を盗む手口としては、目星をつけた車両を揺らしてホーンを鳴らさせる悪戯を繰り返し、ユーザが車両監視をオフにした事を確認した後に盗難を行なうというものがある。
この手口は、振動が盗難によるものか悪戯などによるものかを判別できず、悪戯によって誤報が発生することを悪用したものである。このように巧妙化した盗難を防止するためには、車両の状態に異常が発生した場合に、その異常の内容を自律的に判断することが求められる。
一方で、車両に搭載するセンサの種類や数を増やせば、より高度な判断が可能となるが、かかるセンサの増加はコストの増加に繋がる。そのため、車両に既に搭載されている機能を用いて、いかに高度な判断を実現するかが重要となる。
この点、従来技術にも開示されたように、サスペンションのストロークや車輪の空気圧をセンサとして用いる技術は、車両の機能を有効に活用することができる。しかし、サスペンションのストロークや車輪の空気圧は、本来の目的である走行時における車体の安定化に適するように設定されるため、必ずしも十分な検出精度を得ることができないという欠点があった。
すなわち、従来の車両監視装置には、車両に生じた異常の内容を判断することができないために十分な盗難防止効果が得られないという問題点があり、低コストで高精度に異常を検出し、その内容を判断することのできる車両監視装置の実現が重要な課題であった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、低コストで高精度に異常を検出し、その内容を判断することのできる車両監視装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る車両監視装置は、車両における異常の発生を監視する車両監視装置であって、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得する荷重取得手段と、前記荷重取得手段が取得した荷重をもとに、車両に生じた異常の内容を判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断する。
また、請求項2の発明に係る車両監視装置は、請求項1の発明において、監視開始時点において前記複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ記憶する初期状態記憶手段をさらに備え、前記判断手段は、前記荷重取得手段が取得した荷重が初期状態における荷重と異なる場合に車両に異常が発生したと判定し、該異常の内容の判断を行うことを特徴とする。
この請求項2の発明によれば車両監視装置は、監視開始時点において前記複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ記憶し、荷重取得手段が取得した荷重が初期状態における荷重と異なる場合に車両に異常が発生したと判定し、該異常の内容の判断を行なう。
また、請求項3の発明に係る車両監視装置は、請求項2の発明において、前記判断手段は、前輪の荷重がゼロとなり、かつ後輪の荷重が初期状態に比して増加した場合、もしくは後輪の荷重がゼロとなり、かつ前輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に車両の盗難が発生したと判断することを特徴とする。
この請求項3の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、前輪の荷重がゼロとなり、かつ後輪の荷重が初期状態に比して増加した場合、もしくは後輪の荷重がゼロとなり、かつ前輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に車両の盗難が発生したと判断する。
また、請求項4の発明に係る車両監視装置は、請求項2または3の発明において、前記判断手段は、全ての車輪の荷重がともにゼロとなった場合に、車両の盗難が発生したと判断することを特徴とする。
この請求項4の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、全ての車輪の荷重がともにゼロとなった場合に、車両の盗難が発生したと判断する。
また、請求項5の発明に係る車両監視装置は、請求項2,3または4の発明において、前記判断手段は、全ての車輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に、車両に対する侵入もしくは車両に対する不審物の設置が発生したと判断することを特徴とする。
この請求項5の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、全ての車輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に、車両に対する侵入もしくは車両に対する不審物の設置が発生したと判断する。
また、請求項6の発明に係る車両監視装置は、請求項2〜5の発明において、前記判断手段は、単一もしくは隣接する車輪の荷重が増加し、かつ当該車輪に対向する車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加量および減少量が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断することを特徴とする。
この請求項6の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、単一もしくは隣接する車輪の荷重が増加し、かつ当該車輪に対向する車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加量および減少量が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断する。
また、請求項7の発明に係る車両監視装置は、請求項2〜6の発明において、前記判断手段は、隣接する車輪の荷重が増加し、かつ他の車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加および減少における荷重変化速度が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断することを特徴とする。
この請求項7の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、隣接する車輪の荷重が増加し、かつ他の車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加および減少における荷重変化速度が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断する。
また、請求項8の発明に係る車両監視装置は、請求項1〜7の発明において、前記荷重取得手段は、前記複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションの状態から当該車輪にかかる荷重を取得することを特徴とする。
この請求項8の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションの状態から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断する。
また、請求項9の発明に係る車両監視装置は、請求項8の発明において、前記荷重取得手段は、前記サスペンションの状態として当該サスペンションのストロークを取得することを特徴とする。
この請求項9の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションのストロークから当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断する。
また、請求項10の発明に係る車両監視装置は、請求項8の発明において、前記サスペンションはダンパを備え、前記荷重取得手段は、前記サスペンションの状態として当該ダンパの圧力を取得することを特徴とする。
この請求項10の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションのダンパ圧力から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断する。
また、請求項11の発明に係る車両監視装置は、請求項8,9または10の発明において、異常の検出を行なう場合に、前記サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して低くすることを特徴とする。
この請求項11の発明によれば車両監視装置は、サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して低くした状態で異常の検出を行なう。
また、請求項12の発明に係る車両監視装置は、請求項8〜11の発明において、異常の検出を行なう場合に、前記車輪の空気圧を通常状態に比して高くすることを特徴とする。
この請求項12の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧を通常状態に比して高くした状態で異常の検出を行なう。
また、請求項13の発明に係る車両監視装置は、請求項1〜7の発明において、前記荷重取得手段は、前記複数の車輪の空気圧から荷重を取得することを特徴とする。
この請求項13の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断する。
また、請求項14の発明に係る車両監視装置は、請求項13の発明において、異常の検出を行なう場合に、前記サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して高くすることを特徴とする。
この請求項14の発明によれば車両監視装置は、サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して高くした状態で異常の検出を行なう。
また、請求項15の発明に係る車両監視装置は、請求項13または14の発明において、異常の検出を行なう場合に、前記車輪の空気圧を通常状態に比して低くすることを特徴とする。
この請求項15の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧を通常状態に比して低くした状態で異常の検出を行なう。
また、請求項16の発明に係る車両監視装置は、請求項1〜15の発明において、前記荷重取得手段は、複数の車輪のひとつにかかる荷重を取得する場合に、他の車輪の状態を前記初期状態記憶手段に記憶した状態と同一の状態に制御することを特徴とする。
この請求項16の発明によれば車両監視装置は、監視開始時点において複数の車輪にかかる重量をそれぞれ記憶し、複数の車輪のひとつにかかる重量を取得する場合に、他の車輪の状態を初期状態に記憶した状態と同一の状態に制御する。
また、請求項17の発明に係る車両監視装置は、請求項1〜16の発明において、前記判断手段は、車両に不審物が設置されたと判断した場合に、前記複数の車輪のそれぞれにかかる荷重から設置された不審物の位置を算出することを特徴とする。
この請求項17の発明によれば車両監視装置は、車両に不審物が設置されたと判断した場合に、前記複数の車輪のそれぞれにかかる荷重から設置された不審物の位置を算出する。
請求項1の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断するので、低コストで異常の内容を判断可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項2の発明によれば車両監視装置は、監視開始時点において前記複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ記憶し、荷重取得手段が取得した荷重が初期状態における荷重と異なる場合に車両に異常が発生したと判定し、該異常の内容の判断を行なうので、荷重の初期状態からの変化を簡易に取得し、異常の内容を判断可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項3の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、前輪の荷重がゼロとなり、かつ後輪の荷重が初期状態に比して増加した場合、もしくは後輪の荷重がゼロとなり、かつ前輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に車両の盗難が発生したと判断するので、牽引による盗難を識別可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項4の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、全ての車輪の荷重がともにゼロとなった場合に、車両の盗難が発生したと判断するので、積み込みによる車両盗難を識別可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項5の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、全ての車輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に、車両に対する侵入もしくは車両に対する不審物の設置が発生したと判断するので、車両への侵入や不審物の設置を識別可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項6の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、単一もしくは隣接する車輪の荷重が増加し、かつ当該車輪に対向する車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加量および減少量が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断するので、車両への当て逃げを識別可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項7の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得し、隣接する車輪の荷重が増加し、かつ他の車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加および減少における荷重変化速度が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断するので、車両への当て逃げを識別可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項8の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションの状態から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断するので、サスペンションを利用してコストを低減した車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項9の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションのストロークから当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断するので、低コストで異常の内容を判断可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項10の発明によれば車両監視装置は、複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションのダンパ圧力から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断するので、低コストで異常の内容を判断可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項11の発明によれば車両監視装置は、サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して低くした状態で異常の検出を行なうので、低コストで高精度な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項12の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧を通常状態に比して高くした状態で異常の検出を行なうので、低コストで高精度な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項13の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧から当該車輪にかかる荷重を取得し、取得した荷重をもとに車両に生じた異常の内容を判断するので、低コストで異常の内容を判断可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項14の発明によれば車両監視装置は、サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して高くした状態で異常の検出を行なうので、低コストで高精度な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項15の発明によれば車両監視装置は、車輪の空気圧を通常状態に比して低くした状態で異常の検出を行なうので、低コストで高精度な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項16の発明によれば車両監視装置は、監視開始時点において複数の車輪にかかる重量をそれぞれ記憶し、複数の車輪のひとつにかかる重量を取得する場合に、他の車輪の状態を初期状態に記憶した状態と同一の状態に制御するので、検出精度をさらに高めた低コストな車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項17の発明によれば車両監視装置は、車両に不審物が設置されたと判断した場合に、前記複数の車輪のそれぞれにかかる荷重から設置された不審物の位置を算出するので、不審物の設置場所を特定可能な車両監視装置を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車両監視装置の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例である車両監視装置の概要構成を説明する概要構成図である。同図に示すように、車両監視装置1は、車両に搭載され、ドア21、サスペンション22a〜22d、ウィンカー23、ホーン(警音器)24、発信部25、通信部26に接続している。
また、車両監視装置1は、その内部に主制御部10、ドアセンサ11、ストロークセンサ12、サスペンション制御部13、灯火系制御部14、ホーン制御部15、リモートキー制御部16および通報制御部17を有する。
ドアセンサ11は、ドア21の開閉状態を検知して主制御部10に出力するセンサである。また、ストロークセンサ12は、サスペンション22a〜22dのストロークを取得して主制御部10に出力する。ここで図2に示すように、サスペンション22aは、車両30の右前輪31aに対応するサスペンションであり、サスペンション22bは、車両30の右後輪31bに対応するサスペンションである。同様に、サスペンション22cは、車両30の左前輪31cに対応するサスペンションであり、サスペンション22dは、車両30の左後輪31dに対応するサスペンションである。
サスペンション制御部13は、サスペンション22a〜22dのダンパの圧力、すなわち、サスペンション22a〜22dが油圧ダンパである場合には油圧を、空気圧ダンパである場合には空気圧を制御する。この制御によってサスペンション制御部13は、ダンパ圧力、もしくはストロークを所望の値に設定することができる。
灯火制御部14は、主制御部10の出力を受け、ウィンカー23や図示しないヘッドライトなどの点灯状態を制御する制御部である。また、ホーン制御部15は、主制御部10の出力を受けてホーン24の動作を制御する制御部である。
リモートキー制御部16は、ここではイグニッションキーと一体に形成され、車両の遠隔操作を実行するリモートキーを想定し、かかるリモートキーとの通信を実行する車両側の端末である。
通報処理部17は、所定の通信網と無線接続して通信を行なう処理部である。この通信網としては、例えばインターネットや電話回線などを利用すればよい。ここで、所定の連絡先としては、例えば運転者、車両の所有者や管理者などの関係者、警察、警備会社などを利用することができる。また、連絡先として携帯電話を利用することもできる。特に運転者への通信では、携帯電話を連絡先とすることが好適である。
これらの灯火系制御部14、ホーン制御部15、リモートキー制御部16、通報処理部17は、主制御部10が車両における異常を検出した場合に、運転者や車両の周囲、警察や警備会社への通知処理を実行する。
主制御部10は、車両監視装置1を全体制御し、車両の異常を検出するとともに異常の内容を判断する制御部である。具体的には、主制御部10は、その内部に監視開始処理部10a、初期状態記憶部10b、監視処理部10cおよび警報処理部10dを有する。
監視開始処理部10aは、ドアセンサ21の出力をもとに、運転者の離席を検出した場合に監視開始処理を実行する。監視開始処理は、具体的には、サスペンション22a〜22dのダンパ圧力を低下させ、タイヤの空気圧をそれぞれ高上させた後、サスペンション22a〜22dのストロークを初期状態記憶部10bに記憶する処理である。
このように、サスペンション22a〜22dのダンパ圧力を低下させ、車輪の空気圧を高上させることで、サスペンション22a〜22dのストロークを不審物32の重量に対してより敏感に変動させる、すなわち検出の精度を向上することができる。
監視開始処理部10aは、ダンパ圧力および空気圧の制御を実行し、ストロークを記憶した後に、監視処理部10cによる監視処理を開始する。監視処理部10cは、ストロークセンサ12が取得したサスペンション22a〜22dのストロークを、初期状態記憶部10bに記憶した監視開始時点におけるストロークと比較する。
その結果、ストロークが初期状態から変化しているならば、監視処理部10cは、車両に異常が発生したと判定する。そして、サスペンション22a〜22dのストロークの変化状態から車両に生じた異常の内容を判断して警報処理部10dに出力する。
警報処理部10dは、監視処理部10cが出力した異常の内容をもとに、灯火系制御部14、ホーン制御部15、リモートキー制御部16、通報処理部17の少なくともいずれか一つを用いた警告処理を実行する。この警告処理は、異常の内容に対応し、異なったものとすることが好ましい。
つぎに、監視処理部10cによる異常の内容判断について具体的に説明する。監視処理部10cは、サスペンション22a〜22dのストロークの変化状態から「レッカーによる盗難」、「積み込みによる盗難」、「車両への侵入」、「車両への不審物の設置」、「当て逃げ」をそれぞれ識別する。
レッカー(牽引)による車両盗難では、車両の前輪、もしくは後輪を持ち上げて車両を運搬する。従って、レッカーによる車両盗難が発生したならば、持ち上げられた車輪にかかる荷重はゼロとなり、残りの車輪が車体の重量を支えることとなる。
そこで、監視処理部10cは、サスペンション22aおよびサスペンション22bのストローク長が荷重ゼロに対応する値となり、サスペンション22cおよびサスペンション22dのストローク長が荷重の増加を示した場合、もしくはサスペンション22aおよびサスペンション22bのストローク長が荷重の増加を示し、サスペンション22cおよびサスペンション22dのストローク長が荷重ゼロに対応する値となった場合に、レッカーによる盗難が発生したと判断する。
レッカーによる盗難が発生した場合のサスペンション22a〜22dのストローク長の変化の具体例を図3に示す。図3は、前輪を持ち上げるレッカーの場合であり、ストローク長Pmは、サスペンション22a〜22dのストローク長の最小値、ストローク長P0は、サスペンション22a〜22dのストローク長の最大値である。ここで、ストローク長Pmは、荷重の最大値に対応し、ストローク長P0は、車輪に荷重がかかっていない状態(車輪が浮いている状態)に対応する。また、ストローク長Psa〜Psdは、それぞれサスペンション22a〜22dの初期状態のストローク長である。
同図において、時刻t11まではサスペンション22a〜22dのストローク長Ps1〜P1dは、初期状態の値(ストローク長Psa〜Psd)を取る。そして、時刻t11において牽引のための作業が開始され、時刻t12において前輪にかかる荷重がゼロになっている。
そのため、サスペンション22aおよびサスペンション22bでは、時刻t11から荷重が減少してストローク長P1a,P1bが長くなり、時刻t12で値「P0」を取る。一方、サスペンション22cおよびサスペンション22dでは、時刻t11から荷重が増加してストローク長P1c,P1dが短くなり、時刻t12以降は安定する。
ここで、レッカー時に前輪を持ち上げるか後輪を持ち上げるかは車両の駆動方式によって定まる。そこで、車両監視装置1が搭載された車両の駆動方式が分かっているならば、駆動方式に対応した側の車輪の荷重がゼロとなった場合にのみ「レッカーによる盗難」と判断するようにしてもよい。
積み込みによる車両盗難では、車体を持ち上げて積み込みを行なうので、車体が持ち上がった時点で全ての車輪の荷重が同時にゼロになる。そこで、監視処理部10cは、サスペンション22a〜22dのストローク長が同時に荷重ゼロに対応する値となった場合に、積み込みによる盗難が発生したと判断する。
積み込みによる盗難が発生した場合のサスペンション22a〜22dのストローク長の変化の具体例を図4に示す。同図では、時刻t21から時刻t22の間に車両の積み込みが行なわれている。
そのため、サスペンション22a〜22dのストローク長P2a〜P2dは、時刻t21から時刻t22の間に同時に値「P0」を取り、その後、初期状態の値(Psa〜Psd)に戻っている。
侵入が発生した場合や不審物が設置された場合には、車輪にかかる荷重の総量が増加する。そこで、監視処理部10cは、サスペンション22a〜22dのストローク長がすべて短くなった(荷重が増加した)場合に、侵入もしくは不審物の設置が発生したと判断する。
侵入や不審物の設置が発生した場合のサスペンション22a〜22dのストローク長の変化の具体例を図5に示す。同図では、時刻t31において侵入もしくは不審物の設置が行なわれている。
そのため、時刻t31以降のサスペンション22a〜22dのストローク長P3a〜P3dは、初期状態の値(Psa〜Psd)に比してそれぞれ短くなっている。ここで、ストローク長P3a〜P3dの変化量ΔP3a〜ΔP3dは、侵入者の体重や設置された不審物の重量によって定まる。
また、変化量ΔP3a〜ΔP3dは均一ではなく、侵入者の位置や不審物の設置位置によって異なる。図5は、不審者が運転席に居る状態を想定しているので、運転席にもっとも近いサスペンション22aのストローク変化量ΔP3aは、変化量ΔP3b〜ΔP3dに比して大きく、運転席からもっとも遠いサスペンション22dのストローク変化量ΔP3dは、変化量ΔP3a〜ΔP3cに比して小さい。
さらに、発生した異常が「車両への侵入」と「車両への不審物の設置」とのいずれであるのかは、ストローク長P3a〜P3dの変動から判断する。具体的には、不審物が設置された場合には、設置作業中、すなわち荷重が変化する時刻t31の前にストローク長変動41が生ずる。一方、車両への侵入が発生した場合、不審者が車内にいる間、すなわち荷重が変化した時刻t31以降に継続してストローク長変動42が生ずる。
そこで、サスペンション22a〜22dのストローク長変動41が生じているならば「車両への不審物の設置」が発生したと判断し、ストローク変動42が所定時間に比して長く生じているならば「車両への侵入」が発生したと判断する。
当て逃げなどが発生した場合には、単一の車輪もしくは隣接する複数の車輪にかかる荷重が減少し、反対側の車輪にかかる荷重が増加する。すなわち、対称的な荷重変化が発生する。
例えば、車両の左方向からの当て逃げでは、左前輪および左後輪にかかる荷重が減少し、右前輪および右後輪にかかる荷重が増加する。また、車両の後方からの当て逃げであれば、右後輪および左後輪にかかる荷重が減少し、右前輪および左前輪にかかる荷重が増加する。さらに、右前方からの当て逃げであれば、右前輪の荷重が減少し、左後輪の荷重が増加する。
なお、当たる高さなどによっては、当たった側に近い側の荷重が増加し、反対側の荷重が減少する場合もあるが、この場合であっても、単一の車輪もしくは隣接する複数の車輪にかかる荷重が減少し、反対側の車輪にかかる荷重が増加することとなる。
そこで、監視処理部10cは、サスペンション22a〜22dのうちの一つ、もしくは隣接する車輪に対応するサスペンションのストローク長が短くなり、対向するサスペンションのストローク長が長くなった場合に、当て逃げ等が発生したと判断する。
当て逃げ等が発生した場合のサスペンション22a〜22dのストローク長の変化の具体例を図6に示す。同図では、時刻t41において、左方向から当て逃げが発生した場合を示している。
そのため、時刻t41以降の右前輪に対応するストローク長P4aおよび右後輪に対応するストローク長P4cは、初期状態に比して短くなっており、時刻t41以降の左前輪に対応するストローク長P4bおよび左後輪に対応するストローク長P4dは、初期状態に比して長くなっている。
ここで、車両を揺らすなどの悪戯や、強風などが吹いた場合、また通行者が手をついた場合などにも図6に示したものと同様の対称的な荷重変化が発生する。そこで、監視処理部10cは、ストロークの変化量ΔP4a〜ΔP4dと、ストロークの変化速度∂P4a〜∂P4dのうち、少なくとも一方が所定の閾値以上である場合に、「当て逃げ」が発生したと判断する。
つぎに、主制御部10による監視の処理動作について説明する。図7は、主制御部10による監視処理動作を説明するフローチャートである。同図に示した処理動作は、ドアセンサ21の出力などによって、運転者の離席を検出した場合に開始される。
まず、監視開始処理部10aは、全てのサスペンションのダンパ圧力を低下させる(ステップS101)。ここで、タイヤの空気圧を制御可能であるならば、空気圧の高上も併せて実行する。
その後、監視開始処理部10aは、それぞれのサスペンションのストローク長を初期状態として初期状態記憶部10bに記憶して(ステップS102)、監視処理部10cに監視動作の開始を指示する。
監視処理部10cは、監視動作、すなわちサスペンション22a〜22dのストローク長をそれぞれ取得して初期状態記憶部10bに記憶した値と比較し、異常の発生を検出視するとともに異常の内容を判断する処理動作を実行する(ステップS103)。
その結果、監視処理部10cが異常を検出したならば(ステップS104,Yes)、警報処理部10dが警報処理を実行する(ステップS106)。一方、監視制御部10cが異常を検出しなかった場合(ステップS104,No)、もしくはステップS106終了後、監視処理部10cは、監視終了の条件が成立したか否かを判定する(ステップS105)。
その結果、監視終了の条件が成立していなければ(ステップS105,No)、監視処理部10cは、再度監視動作を実行する(ステップS103)。
一方、監視終了の条件が成立したならば(ステップS105,Yes)、監視処理部10cは、処理を終了する。ここで、監視終了の条件とは、例えば、運転者などからの監視終了指示であってもよいし、ドアセンサ21の出力から自動判定することとしてもよい。
つぎに、ステップS103に示した監視動作をさらに具体的に説明する。図8は、図7に示したステップS103を詳細に説明するフローチャートである。同図に示すように、監視処理部10cは、まず、ストロークセンサ12からサスペンション22a〜22dのストローク長を取得し、初期状態からの変化を取得する(ステップS201)。
そして、前輪(もしくは後輪)に対応するサスペンションが「荷重0(ストローク長がP0)」の状態になり、後輪(もしくは前輪)の荷重が増えたか否かを判定する(ステップS202)。
その結果、前輪(もしくは後輪)に対応するサスペンションが「荷重0」の状態になり、後輪(もしくは前輪)の荷重が増えているならば(ステップS202,Yes)、監視処理部10cは、「レッカーによる盗難発生」と判断し(ステップS207)、処理を終了する。
一方、前輪(もしくは後輪)に対応するサスペンションが「荷重0」の状態になっていない場合や、後輪(もしくは前輪)の荷重が増えていない場合((ステップS202,No)、監視処理部10cは、次に、全てのサスペンションが一定時間「荷重0(ストローク長がP0)」の状態になったか否かを判定する(ステップS203)。
その結果、全てのサスペンションが一定時間「荷重0(ストローク長がP0)」の状態になっているならば(ステップS203,Yes)、監視処理部10cは、「積み込みによる盗難発生」と判断し(ステップS208)、処理を終了する。
一方、全てのサスペンションが一定時間「荷重0(ストローク長がP0)」の状態になっていないならば(ステップS203,No)、監視処理部10cは、全てのサスペンションで荷重が増加した(ストローク長が短くなった)か否かを判定する(ステップS204)。
その結果、全てのサスペンションで荷重が増加しているならば(ステップS204,Yes)、監視処理部10cは、「侵入」もしくは「不審物の設置」が発生したと判断して(ステップS209)、処理を終了する。なお、監視処理部10cは、ステップS203において、上述したようにストローク長変動から「侵入」と「不審物の設置」とのいずれが発生したのかを判別する。
一方、荷重が増加していないサスペンションがある場合、(ステップS204,No)、監視処理部10cは、つぎに、単一もしくは隣接するサスペンションで荷重が増加し、対向するサスペンションで荷重が減少しているか否かを判定する(ステップS205)。
その結果、単一もしくは隣接するサスペンションで荷重が増加し、対向するサスペンションで荷重が減少している場合(ステップS205,Yes)、監視処理部10cは、荷重の変化量もしくは変化速度が閾値以上である場合(ステップS210,Yes)、監視処理部10cは、「当て逃げ」が発生したと判断し(ステップS211)、処理を終了する。
一方、サスペンションに対称的な荷重変化が発生していない場合(ステップS205,No)、また、荷重の変化量および変化速度が閾値に達していない場合(ステップS210,No)、監視処理部10cは、深刻な異常なしと判断し(ステップS206)、処理を終了する。
ところで、サスペンション22a〜22dのストローク変化をさらに高精度に検出するためには、検出対象以外のサスペンションのストローク長を初期状態にすることが効果的である。すなわち、監視動作において、サスペンション22aのストローク長を取得する場合には、サスペンション22b,22c,22dのストローク長を初期状態記憶部10bに記憶した値と一致させ、サスペンション22bのストローク長を取得する場合には、サスペンション22a,22c,22dのストローク長を初期状態記憶部10bに記憶した値と一致させる。
同様に、サスペンション22cのストローク長を取得する場合には、サスペンション22a,22b,22dのストローク長を初期状態記憶部10bに記憶した値と一致させ、サスペンション22dのストローク長を取得する場合には、サスペンション22a,22b,22cのストロークを初期状態記憶部10bに記憶した値と一致させる。
このように、検出対象以外のサスペンションのストローク長を初期状態にすることで、荷重の変化を全て検出対象のサスペンションにかけ、検出の精度を上げることができる。図9−1は、荷重の変化がサスペンション22a〜22dに分散された状態を説明する説明図であり、サスペンション22a〜22dに対応するストローク長P5a〜P5dは、それぞれΔP5a〜ΔP5dずつ変化する。
しかし、サスペンション22b〜22dのストローク長を初期状態の値で固定したならば、図9−2のストローク長P6a〜P6dに示すように、サスペンション22aに荷重変化が集中し、ストローク長変化ΔP6aは、ストローク長変化ΔP5aに比して大きくなるので、微小な荷重変化であっても高精度に取得することが可能となる。
このようなストロークの固定による検出精度の向上は、不審物の設置を検出する場合など、安定した荷重変化の検出に特に有効である。また、車両周辺の状況から不審者の接近経路が特定可能である場合や、接近センサなどによって不審者を検出し、接近方向が事前に取得できた場合には、不審者が接近する方向に対応するサスペンションを検出対象とすればよい。
さらに、車両に不審物が設置された場合、不審物の重量は、サスペンション22a〜22dに分散される。従って、サスペンション22a〜22dのストロークをそれぞれ取得することで、その変化量から不審物の重量を算定することができる。
また、不審物の重量の各サスペンションへの分散の割合は、車両における不審物の設置場所によって定まるので、サスペンション22a〜22dの各ストロークから不審物の設置場所を算定することができる。
ここで、各サスペンションにおけるストローク変化量を精度良く検出するならば、検出対象となるサスペンションをローテーションし、検出対象以外のサスペンションのストロークを固定することで、各サスペンションにおけるストローク変化量を順次取得すればよい。
図10は、検出対象のストロークをローテーションする場合の監視処理を説明するフローチャートである。この処理フローは、例えば不審物の設置と判定された後に、より高精度な検出を実現するために開始してもよいし、運転者が車両を離れた状態で繰り返し実行することで予め高い精度の検出を行なうようにしてもよい。同図に示すように、監視処理部10cは、まず、右前輪以外のストローク、すなわちサスペンション22b,22c,22dのストローク長を初期状態と一致させて固定し(ステップS301)、右前輪に対応するサスペンション22aのストローク長を測定する(ステップS302)。
その後、監視処理部10cは、左前輪以外のストローク長、すなわちサスペンション22a,22c,22dのストローク長を初期状態と一致させて固定し(ステップS303)、左前輪に対応するサスペンション22bのストローク長を測定する(ステップS304)。
同様に、監視処理部10cは、右後輪以外のストローク長、すなわちサスペンション22a,22b,22dのストローク長を初期状態と一致させて固定し(ステップS305)、右後前輪に対応するサスペンション22cのストローク長を測定する(ステップS306)。
その後、監視処理部10cは、左後輪以外のストローク長、すなわちサスペンション22a,22b,22cのストローク長を初期状態と一致させて固定し(ステップS307)、左後輪に対応するサスペンション22dのストローク長を測定して(ステップS308)、処理を終了する。
つぎに、各ストロークの変化量は、図11に示すように、設置された不審物32の位置によって決まる。同図では、不審物32からサスペンション22bまでの距離Dbが最も短く、不審物32からサスペンション22cまでの距離Dcが最も遠い。従って、サスペンションのストローク長変化量は、サスペンション22bでもっとも大きく、サスペンション22cでもっとも小さくなる。
このようにサスペンション22a〜22dのストローク変化量から、距離Da〜Ddを算出することで、不審物32が車両30のどの位置に取り付けられたかを求めることができる。
上述してきたように、本実施例に示した車両監視装置は、監視開始時にそれぞれの車輪にかかる荷重を初期状態として記憶し、車輪にかかる重量の変化を監視することで車両における異常を検出するとともに、その異常の内容を判断することができる。
そのため、低コストで高精度に異常を検出し、異常の内容に従って警告動作などを選択することができる。
さらに、本実施例に示した車両監視装置では、サスペンションのダンパ圧力を低下させ、タイヤの空気圧を高上した状態でストロークの測定を実行することで、荷重変化の検出精度を向上している。
また、ストロークの測定を行なう場合に、測定対象以外のサスペンションのストロークが初期状態と一致するように制御することで、荷重変化の検出精度をさらに向上している。
さらに、不審物が設置されたと判断した場合には、複数の車輪にかかる荷重の変化から、設置された不審物の重量と、設置された場所とを算定することができる。なお、算定した重量と場所は、運転者や警察、警備会社への情報提供に使用してもよいし、算定結果によって警告先や警告内容を変化させる構成としてもよい。
ところで、本実施例では、ストロークをモニタすることで車輪にかかる荷重の変化を取得していたが、本発明の利用はこれに限定されるものではない。たとえぱ、サスペンションのダンパ圧力の値をモニタする構成で実施してもよいし、タイヤの空気圧の値をモニタする構成で実施してもよい。なお、タイヤの空気圧をモニタする構成では、サスペンションのダンパ圧力を高上させ、タイヤの空気圧を低下した状態で初期状態の取得や監視を行なうことで検出精度を向上することが望ましい。
また、本実施例では、ドアセンサの出力をもとに運転者の離席や帰還を判定し、監視の開始や終了を自動化する構成を例示して説明をおこなったが、本発明の利用はこれに限定されるものではない。たとえば、運転者の操作によって監視の開始や終了を実行してもよいし、座席に設けた着座センサや、車内カメラ、イグニッションスイッチなどを利用してもよい。
以上のように、本発明にかかる車両監視装置は、車両の状態の監視に有用であり、特に、低コストで高精度な異常検出と、異常内容の判断に適している。
本発明の実施例である車両監視装置の概要構成を説明する概要構成図である。 車両のサスペンションについて説明する説明図である。 レッカーによる盗難が発生した場合のストローク長の変化の具体例を示す図である。 積み込みによる盗難が発生した場合のストローク長の変化の具体例を示す図である。 侵入や不審物の設置が発生した場合のストローク長の変化の具体例を示す図である。 当て逃げ等が発生した場合のストローク長の変化の具体例を示す図である。 図1に示した主制御部による監視の処理動作について説明するフローチャートである。 図7に示した監視動作を具体的に説明するフローチャートである。 サスペンション制御と検出精度について説明する説明図である。 サスペンション制御と検出精度について説明する説明図である。 検出対象のストロークをローテーションする場合の監視処理を説明するフローチャートである。 不審物の設置位置とストローク変化について説明する説明図である。
符号の説明
1 車両監視装置
10 主制御部
10a 監視開始処理部
10b 初期状態記憶部
10c 監視処理部
10d 警報処理部
11 ドアセンサ
12 ストロークセンサ
13 サスペンション制御部
14 灯火制御部
15 ホーン制御部
16 リモートキー制御部
17 通報制御部
21 ドア
22a〜22d サスペンション
23 ウィンカー
24 ホーン
25 発信部
26 通信部
30 車両
31a〜31d 車輪
32 不審物

Claims (17)

  1. 車両における異常の発生を監視する車両監視装置であって、
    複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ取得する荷重取得手段と、
    前記荷重取得手段が取得した荷重をもとに、車両に生じた異常の内容を判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする車両監視装置。
  2. 監視開始時点において前記複数の車輪にかかる荷重をそれぞれ記憶する初期状態記憶手段をさらに備え、前記判断手段は、前記荷重取得手段が取得した荷重が初期状態における荷重と異なる場合に車両に異常が発生したと判定し、該異常の内容の判断を行なうことを特徴とする請求項1に記載の車両監視装置。
  3. 前記判断手段は、前輪の荷重がゼロとなり、かつ後輪の荷重が初期状態に比して増加した場合、もしくは後輪の荷重がゼロとなり、かつ前輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に車両の盗難が発生したと判断することを特徴とする請求項2に記載の車両監視装置。
  4. 前記判断手段は、全ての車輪の荷重がともにゼロとなった場合に、車両の盗難が発生したと判断することを特徴とする請求項2または3に記載の車両監視装置。
  5. 前記判断手段は、全ての車輪の荷重が初期状態に比して増加した場合に、車両に対する侵入もしくは車両に対する不審物の設置が発生したと判断することを特徴とする請求項2,3または4に記載の車両監視装置。
  6. 前記判断手段は、単一もしくは隣接する車輪の荷重が増加し、かつ当該車輪に対向する車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加量および減少量が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  7. 前記判断手段は、隣接する車輪の荷重が増加し、かつ他の車輪の荷重が減少し、かつ該荷重の増加および減少における荷重変化速度が所定の閾値を超える場合に当て逃げが発生したと判断することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  8. 前記荷重取得手段は、前記複数の車輪にそれぞれ対応するサスペンションの状態から当該車輪にかかる荷重を取得することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  9. 前記荷重取得手段は、前記サスペンションの状態として当該サスペンションのストロークを取得することを特徴とする請求項8に記載の車両監視装置。
  10. 前記サスペンションはダンパを備え、前記荷重取得手段は、前記サスペンションの状態として当該ダンパの圧力を取得することを特徴とする請求項8に記載の車両監視装置。
  11. 異常の検出を行なう場合に、前記サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して低くすることを特徴とする請求項8,9または10に記載の車両監視装置。
  12. 異常の検出を行なう場合に、前記車輪の空気圧を通常状態に比して高くすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  13. 前記荷重取得手段は、前記複数の車輪の空気圧から荷重を取得することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  14. 異常の検出を行なう場合に、前記サスペンションのダンパ圧力を通常状態に比して高くすることを特徴とする請求項13に記載の車両監視装置。
  15. 異常の検出を行なう場合に、前記車輪の空気圧を通常状態に比して低くすることを特徴とする請求項13または14に記載の車両監視装置。
  16. 前記荷重取得手段は、複数の車輪のひとつにかかる荷重を取得する場合に、他の車輪の状態を前記初期状態記憶手段に記憶した状態と同一の状態に制御することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の車両監視装置。
  17. 前記判断手段は、車両に不審物が設置されたと判断した場合に、前記複数の車輪のそれぞれにかかる荷重から設置された不審物の位置を算出することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の車両監視装置。
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