JP2005254791A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃インクタンクを取り外している間、廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止しつつ、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止する。
【解決手段】 インクカートリッジカバー39が開かれるとヘッド吸引手段81を駆動するためのポンプモータ76の駆動を抑止するヘッド吸引モータ駆動禁止指示が出力される(ステップS7)。ポンプモータ制御部73は、カバー開閉状態検出部72から再びヘッド吸引モータ駆動許可指示を入力するまでの間は、インクシステム制御部74からヘッド吸引モータ駆動指示を出力されてもポンプモータ76の正回転駆動制御を抑止する。一方、その間にインクシステム制御部74からCRロックモータ駆動指示が出力された場合(ステップS9)、及びヘッド封止モータ駆動指示が出力された場合には(ステップS11)、その指示に基づいてポンプモータ76を逆回転駆動制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録材へインクを噴射する記録ヘッドのヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段、及び記録ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有するインクシステムと、インクシステムの被駆動手段共用の駆動力源と、駆動力源の駆動力を伝達する被駆動手段を切り換える駆動力伝達切換手段と、所定の制御条件に基づいて駆動力源を制御することによって前記インクシステムを制御するインクシステム制御装置とを備えた記録装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
インクジェット式記録装置等の記録ヘッドから被記録材へインクを噴射して記録を実行する記録装置においては、記録ヘッドのヘッド面に多数配設されたインクを噴射するノズルの目詰まりを防止するために定期的にヘッド面を吸引する手段を有しているのが一般的である。ヘッド面を吸引してノズル内のインクを吸い出すことによって、ノズル内の気泡や異物等を除去し、ノズルのメニスカスを整えることができる。それによって、ノズルの目詰まりを防止することができるとともに、安定したインク噴射状態を維持して高いインク噴射精度を維持することができる。従来は、定期的にヘッド面を吸引することにより生じる廃インクの量が極めて微量であったため、廃インク吸収材を記録装置内に設け、ヘッド面から吸引した廃インクを廃インク吸収材に吸い込ませて貯留するのが一般的であった。
しかし、近年記録装置のインク噴射性能が向上し、多数のノズルからインクを噴射しながら高速に大量の記録を実行することが可能になり、それによって、定期的にヘッド面を吸引する回数が増加し、それに伴って定期的にヘッド面を吸引することにより生じる廃インクの量も多くなってきた。また、廃インク吸収材に貯留されている廃インクが記録装置内外に流出する虞があるとともに、小型の記録装置においては、大きな廃インク吸収材を実装することが困難な場合もある。このような課題を解決するべく、定期的にヘッド面を吸引することにより生じる廃インクを着脱交換可能に配設された廃インクタンクに貯留するようにした記録装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−54009号公報
このような構成を有する記録装置においては、廃インクを着脱可能に配設した廃インクタンクへ貯留する構成としたことによって、廃インクタンクを取り外した状態で記録ヘッドのヘッド面の吸引動作が可能になってしまい、廃インクタンクを取り外した状態で記録ヘッドのヘッド面の吸引動作が行われてしまうと廃インクが記録装置内に流出してしまう虞が生じる。そこで、廃インクタンクが取り外されている状態等を検出し、廃インクタンクが取り外されている間は、記録ヘッドのヘッド面を吸引する手段を包含する記録装置のインクシステムの駆動を抑止して記録ヘッドのヘッド面の吸引動作が行われないようにすることで、廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止することができる。
しかしながら、一般的な記録装置のインクシステムは、記録ヘッドのヘッド面を吸引する手段とともに、記録ヘッドのヘッド面を封止部材等で封止する手段も包含している。記録ヘッドのヘッド面に多数配設されているインクを噴射するノズルには、インクが充填されており、そのインクが乾燥するとノズルに目詰まりが生じる虞がある。記録ヘッドのヘッド面を封止部材等で封止する手段は、長時間インクの噴射を実行しない場合には、記録ヘッドのヘッド面を封止してノズル内のインクの乾燥を防止するためのものである。また、一般的な記録装置のインクシステムは、コスト的な制約等から1つのインクシステム用モータが記録ヘッドのヘッド面を吸引する手段、及び記録ヘッドのヘッド面を封止する手段の共用駆動力源となっている場合が多い。
したがって、廃インクタンクが取り外されている間、記録ヘッドのヘッド面を吸引する手段の動作を抑止すべく、単純に廃インクタンクが取り外されている間のインクシステム用モータの駆動を抑止してしまうと、その間は、記録ヘッドのヘッド面を封止することもできなくなり、ノズル内のインクが乾燥して固まってノズルに目詰まりが生じてしまう虞がある。また、一般的な記録装置のインクシステムは、記録ヘッドのヘッド面を吸引する手段、及び記録ヘッドのヘッド面を封止する手段に加えて、例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの移動位置を固定するキャリッジロック手段等をさらに包含している場合があり、インクシステムの駆動を抑止してしまうと、それらの手段も機能しなくなってしまうことになる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、廃インクタンクを取り外している間、廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止しつつ、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することが可能な記録装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材へインクを噴射する記録ヘッドのヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段、及び前記記録ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有するインクシステムと、該インクシステムの被駆動手段共用の駆動力源と、該駆動力源の駆動力を伝達する被駆動手段を切り換える駆動力伝達切換手段と、所定の制御条件に基づいて前記駆動力伝達切換手段及び前記駆動力源を制御することによって、前記インクシステムを制御するインクシステム制御装置とを備えた記録装置であって、前記ヘッド吸引手段にて吸引した廃インクを貯留する廃インクタンクと、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出する検出手段とを備え、前記インクシステム制御装置は、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記ヘッド吸引手段の動作のみ抑止する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある間は、インクシステムのヘッド吸引手段の動作のみ抑止するように駆動力伝達切換手段及び駆動力源を制御することによって、その間のヘッド封止手段による記録ヘッドのヘッド面の封止動作を行うことが可能になる。したがって、ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態では、ヘッド吸引手段による記録ヘッドのヘッド面の吸引動作が行われないので、ヘッド吸引手段により吸引した廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止することができる。
また、その間もヘッド封止手段によって記録ヘッドのヘッド面を封止することができるので、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することができる。これにより、被記録材へインクを噴射する記録ヘッドのヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段、及び記録ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有するインクシステムと、ヘッド吸引手段により吸引された廃インクが廃インクタンクへ貯留される構成を備えた記録装置において、廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止しつつ、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記廃インクタンクが着脱可能に配設され、前記検出手段は、前記廃インクタンクの着脱状態を検出する廃インクタンク着脱状態検出センサを有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、廃インクタンクが着脱可能に配設された記録装置においては、廃インクタンクの着脱状態を検出する廃インクタンク着脱状態検出センサを配設し、廃インクタンクが取り外されている間は、インクシステムのヘッド吸引手段の動作のみ抑止するように駆動力伝達切換手段及び駆動力源を制御することによって、その間のヘッド封止手段による記録ヘッドのヘッド面の封止動作を行うことが可能になる。したがって、廃インクタンクが取り外されている間は、ヘッド吸引手段による記録ヘッドのヘッド面の吸引動作が行われないので、ヘッド吸引手段により吸引した廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止することができる。また、その間もヘッド封止手段によって記録ヘッドのヘッド面を封止することができるので、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することができる。
これにより、被記録材へインクを噴射する記録ヘッドのヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段、及び記録ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有するインクシステムと、ヘッド吸引手段により吸引された廃インクが着脱可能に配設された廃インクタンクへ貯留される構成を備えた記録装置において、廃インクタンクが取り外されている間、廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止しつつ、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、前記廃インクタンクが着脱可能に配設され、前記廃インクタンクの装着部に開閉可能に設けられたカバーを開いた状態でのみ前記廃インクタンクの着脱が可能になる構成を有し、前記検出手段は、前記カバーの開閉状態を検出するカバー開閉状態検出センサを有している、ことを特徴とした記録装置である。
このように、開いた状態でのみ廃インクタンクの着脱が可能になるカバーの開閉状態を検出するカバー開閉状態検出センサを設けることによって、廃インクタンクが取り外されている可能性がある状態、つまり、ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出することができる。
本発明の第4の態様は、前述した第1の態様〜第3の態様のいずれかにおいて、前記インクシステム制御装置は、所定の制御条件に基づいて前記ヘッド吸引手段又は前記ヘッド封止手段の駆動制御指示を出力するインクシステム制御部と、該インクシステム制御部からの駆動制御指示を入力して前記駆動力源を制御する駆動力源制御部と、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記駆動力源の駆動禁止指示を前記駆動力源制御部へ出力する検出部とを有し、前記駆動力源制御部は、前記検出部から前記駆動力源の駆動禁止指示が出力されている間は、前記インクシステム制御部から前記ヘッド吸引手段の駆動制御指示を入力しても前記駆動力源の駆動制御を抑止することを特徴とした記録装置である。
このように、インクシステムの駆動力源を制御する駆動力源制御部は、検出部から駆動力源の駆動禁止指示が出力されている間は、インクシステム制御部からヘッド吸引手段の駆動制御指示が出力されても駆動力源の駆動制御を抑止する。したがって、検出部から駆動力源の駆動禁止指示が出力されている間、つまり、ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が検出されている間、駆動力源の駆動制御が抑止され、それによって、ヘッド吸引手段が動作することを抑止することができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかにおいて、前記記録ヘッドは、所定の往復動方向へ往復動可能に軸支されたキャリッジに搭載されており、前記インクシステムは、前記キャリッジを所定の位置で固定する前記駆動力源によって駆動されるキャリッジロック手段を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、キャリッジロック手段を包含するインクシステムを備えた記録装置においては、ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態においてもキャリッジの移動位置を所定の位置で固定することが可能になる。したがって、そのような状態で記録装置を持ち運びしても廃インクが記録装置内に流出してしまうことを防止しつつ、記録ヘッドのノズルに目詰まりが生じることを防止することができるとともに、キャリッジを所定の位置で固定した状態で保持することができるので、記録装置を持ち運ぶことによる振動等によってキャリッジに搭載された記録ヘッドに作用する衝撃を低減させて記録ヘッドを保護することができる。
本発明の第6の態様は、被噴射材へ液体を噴射する液体噴射ヘッドのヘッド面の液体を吸引するヘッド吸引手段、及び前記液体噴射ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有する液体システムと、該液体システムの被駆動手段共用の駆動力源と、該駆動力源の駆動力を伝達する被駆動手段を切り換える駆動力伝達切換手段と、所定の制御条件に基づいて前記駆動力伝達切換手段及び前記駆動力源を制御することによって、前記液体システムを制御する液体システム制御装置とを備えた液体噴射装置であって、前記ヘッド吸引手段にて吸引した廃液を貯留する廃液タンクと、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃液が前記廃液タンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出する検出手段とを備え、前記液体システム制御装置は、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃液が前記廃液タンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記ヘッド吸引手段の動作のみ抑止する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、図1〜図4を参照しながら本発明に係る「記録装置」、「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)の構成について概説する。
図1はプリンタ1の外観斜視図、図2は同装置本体の斜視図、図3は同側断面概略図、図4は制御部50のブロック図である。尚、以下では、用紙搬送経路の上流側(図3の右側)を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側(図3の左側)を単に「下流側」と言うこととする。
プリンタ1は、「被記録材」、「被噴射材」の一例としての、比較的サイズの小さいハガキ、L判サイズ等の記録紙Pへの記録に適した小型サイズに構成されたものである。プリンタ1は、ハウジング3によって外観が構成され、A4サイズの記録に適したインクジェットプリンタと同様に、装置後部に記録紙Pを傾斜姿勢で複数枚セット可能な給紙装置2と、装置中程に主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジ25と、装置前部には記録の行われた用紙をスタックするスタッカ6とを備えている。スタッカ6は、使用しないときには図示の如く略垂直に立設された状態となり、使用時には、プリンタ前方側に開いて記録用紙をスタック可能な状態となるが、プリンタ1は小型であることから、スタッカ6が開いた状態においても、装置内部には手指を入れることができない構成となっている。装置上面中央には電源ボタン、印刷設定ボタン等によって構成された操作部5と、印刷設定内容や現在の動作ステータス等を表示する表示部4とが配置され、装置前方右上には、画像データ等が記憶されたメモリカードを装着可能なカードスロット(図示せず)を覆う開閉自在なカバー3aが設けられている。つまり、プリンタ1は、外部のホスト・コンピュータと接続して印刷データを受信するのみならず、画像データを記憶したメモリカードから直接画像データを読み込み、画像データから印刷データを自ら生成して印刷実行可能に構成されている。
次に、図2及び図3を参照しながら、プリンタ1の内部構成について説明する。給紙装置2は、ホッパ10、可動ガイド9、固定ガイド8、給送ローラ11、摩擦分離材13、及び紙戻しレバー12を備えている。ホッパ10は、揺動支点10aを中心に図示しない駆動手段によって揺動駆動される如く設けられ、記録紙Pを傾斜姿勢に支持するとともに、記録紙Pの給送時には、給送ローラ11に記録紙Pを圧接させる。ホッパ10に設けられた固定ガイド8と可動ガイド9とは、記録紙Pの側端位置を規制し、また、可動ガイド9は、記録紙Pの各サイズに対応するように記録紙Pの幅方向にスライド可能に設けられている。
給送ローラ11は、側面視略D形の形状を成し、外周にはゴム材が巻回され、図示しない駆動モータによって用紙給送時に選択的に回転駆動される。給送ローラ11は、用紙給送時には、その円弧部分によって給送ローラ11に圧接した記録紙Pの最上位のものを下流側へ給送し、用紙給送が終了すると、下流側の搬送駆動ローラ21による搬送動作の際に搬送負荷を生じさせないように、図示の如く側面視略D形の形状における平坦部が摩擦分離材13と対向する様に回転制御される。
尚、符号14で示すローラは自由回転可能なアイドルローラであり、搬送中の記録紙Pが給送ローラ11に接して搬送負荷を生じさせないように搬送中の記録紙Pと接して従動回転する。このアイドルローラ14は、本実施形態では給送ローラ11を挟む様に給送ローラ11の両側に設けられている。
給送ローラ11と対向する位置には摩擦分離材13が設けられている。摩擦分離材13は用紙給送時に給送ローラ11の円弧部分と圧接して圧接点を形成し、これにより、給送されるべき最上位の記録紙Pと、重送されようとする次位以降の記録紙Pとを分離する。また、給送ローラ11と対向する位置には紙戻しレバー12が設けられている。紙戻しレバー12は揺動支点12aを中心に揺動可能に設けられ、給送ローラ11の1回転動作中に、図3に示す待機状態から記録紙Pの給送経路を開放するようにいったん倒れ、そして再び図3に示すように起き上がることによって、重送されようとした次位以降の記録紙Pをホッパ10上に戻す。
以上が給紙装置2であり、給紙装置2下流側の給送ローラ11と搬送駆動ローラ21との間には、レバー15と検出部16とを有する紙検出器17が設けられている。レバー15は、揺動軸15aを中心に揺動可能に設けられており、かつ揺動軸15aから上側部分が給送される記録紙Pと接触可能に構成されている。検出部16は光学式センサであり、レバー15の揺動軸15aから下側部分が図示の如く検出部16に入り込むことにより、発光部から受光部へ向かう光が遮断され、記録紙Pの未通過状態が検出される。そして、レバー15が記録紙Pの通過に伴って揺動すると、レバー15の揺動軸15aから下側部分が検出部16から外れ、これにより、記録紙P先端の通過を検出することができるようになっている。また、記録紙P後端が通過すると、再びレバー15の下端部が検出部16に入り込み、記録紙P後端の通過を検出可能な状態となる。
紙検出器17の下流側には、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とが設けられている(以下当該ローラ対を適宜「搬送ローラ」と言う)。搬送駆動ローラ21は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21に圧接して従動回転する。搬送駆動ローラ21は回転軸芯線方向に長い金属棒体の外周に塗装膜が付着されることによって形成されており、搬送従動ローラ22は、搬送駆動ローラ21の軸方向に所定の間隔で複数個設けられている。
そして、給送ローラ11によって給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とに挟持され、搬送駆動ローラ21の駆動回転によって記録ヘッド26と対向した記録部(記録ヘッド26とプラテン28との間の領域)へと搬送される。また、搬送従動ローラ22を軸支する搬送従動ローラホルダ20の下流側端部には、自由回転可能なガイドローラ23が設けられている。ガイドローラ23は、記録紙Pのプラテン28からの浮き上がりを防止する為のローラであり、これにより、記録紙Pと記録ヘッド14との距離が一定に保たれる。
搬送ローラの下流側には、記録ヘッド26とプラテン28とが対向するように設けられている。記録ヘッド26はキャリッジ25の底部に設けられ、液体の一例としてのインクを記録紙Pに向けて噴射することによって記録を実行する。キャリッジ25には主走査方向に延びるキャリッジガイド軸27が挿通し、また、主走査方向に延びる無端ベルト24(図2)の一部に固定されている。そして、キャリッジモータ19(図2)の動力を受けて、キャリッジガイド軸27にガイドされながら、主走査方向に往復駆動される。
尚、本実施形態では、キャリッジ25はインクカートリッジを搭載せず、プリンタ1の装置本体底部に配設される各色のインクタンクが一体に形成された「廃インクタンク」としてのインクカートリッジ41から、図示していないインクチューブを介して記録ヘッド26へとインクが供給されるように構成されている。インクカートリッジ41は、プリンタ1の背面に開閉可能に設けられたインクカートリッジカバー39を開いた状態で着脱することができるようになっている。インクカートリッジカバー39の近傍には、インクカートリッジカバー39の開閉状態を検出するカバー開閉状態検出センサ71が配設されている。
さらに、キャリッジ25がホームポジション(図2に示したキャリッジの停止位置)に位置している状態で、記録ヘッド14のヘッド面と対向する位置には、公知の技術によるインクシステム80(後述)が配設されている。インクカートリッジ41は、各色のインクタンクが一体に形成されているとともに、インクシステム80にて記録ヘッド14のヘッド面から吸引された廃インクが貯留される。
プラテン28は、記録紙Pを下から支持することにより、記録紙Pと記録ヘッド25のヘッド面との間のギャップを規定するが、記録ヘッド25のヘッド面と対向する面には、凹部28aが形成されている。これは、記録紙Pに余白無く印刷を行う為のものであり、記録紙Pの端部にインクを噴射する際に、記録紙P端部から外れた部分にもインクを噴射し、そして凹部28aへと打ち捨てることにより、いわゆる縁無し印刷が実行される。尚、凹部28aには、インクを吸収するインク吸収材36(図2)が配設されている。凹部28aに打ち捨てられたインクは図示しない排出孔から下部へ排出され、そしてプラテン28の下部には、この排出されたインクを受ける廃インクトレイ31が設けられている。廃インクトレイ31の内部には廃インク吸収材34が設けられ、廃インクトレイ31内の廃インクを確実に保持する。
記録ヘッド26の下流側には、排出駆動ローラ29と、排出従動ローラ30とが設けられている(以下当該ローラ対を適宜「排出ローラ」と言う)。排出駆動ローラ29は図示しない駆動モータによって回転駆動され、排出従動ローラ30は、排出駆動ローラ29に接して従動回転する。そして、記録が行われた記録紙Pは、排出駆動ローラ29と排出従動ローラ30とに挟持され、排出駆動ローラ29の駆動回転によって図示しないスタッカへ向けて排出される。排出駆動ローラ29の下流側には、排出補助ローラ37が設けられている。排出補助ローラ37は、その回転軸37aと、排出駆動ローラ29の回転軸29aとに係回されたベルト38によって、排出駆動ローラ29の回転に従って回転する。この排出補助ローラ37は、排出駆動ローラ29と排出従動ローラ30とに挟持されて排出される記録紙Pの後端を、スタッカに向けて確実に落とす機能を果たすものである。
つづいて、図4を参照しながらプリンタ1の「制御手段」としての制御部50の構成について説明する。制御部50は、プリンタ1に記録(印刷)情報を送信するホスト・コンピュータ100との間でデータの送受信が可能に構成され、ホスト・コンピュータ100とのインタフェース機能を実現するIF51の他に、ASIC52、RAM53、PROM54、EEPROM55、CPU56、タイマIC57、DCユニット58、紙送り(PF)モータドライバ59、キャリッジ(CR)モータドライバ65、及びヘッドドライバ66を備えている。
CPU56はプリンタ1の制御プログラムを実行する為の演算処理やその他必要な演算処理を行い、タイマIC57は、CPU56に対して各種処理に必要な周期的な割り込み信号を発生させる。ASIC52は、ホスト・コンピュータ100からIF51を介して送信される記録データに基づいて、印刷解像度や記録ヘッド14の駆動波形等を制御するものである。RAM53は、ASIC52及びCPU56の作業領域や他のデータの1次格納領域として用いられ、PROM54及びEEPROM55には、プリンタ1を制御する為に必要な制御プログラム(ファームウェア)及び処理に必要なデータが格納され、EEPROM55は、更に必要なデータの読み書きが行われる。
DCユニット58は、DCモータ(CRモータ19及びPFモータ67)の速度制御を行う為の制御回路である。DCユニット58は、CPU56から送られてくる制御命令や、ロータリエンコーダ68、リニアエンコーダ64、紙検出器17等の検出手段からの出力信号に基づいてDCモータの速度制御を行う為の各種演算を行い、CRモータドライバ65及びPFモータドライバ59へモータ制御信号を送出する。PFモータドライバ59は、DCユニット58が出力するモータ制御信号に基づいてPFモータ67を駆動制御する。PFモータ67は、本実施形態においては複数の駆動対象、即ち、前述した給送ローラ11、搬送駆動ローラ21、排出駆動ローラ29(及び排出補助ローラ37)を回動させる。CRモータドライバ65は、DCユニット58が出力するモータ制御信号に基づいてキャリッジ25の駆動源であるCRモータ19を駆動制御する。それによって、キャリッジ25を主走査方向に往復動させ、または停止・保持させる。
ヘッドドライバ66は、CPU56が出力するヘッド制御信号に基づいてホスト・コンピュータ100から送信された記録データに従って記録ヘッド26を駆動制御する。CPU56及びDCユニット58には、搬送される用紙Pの始端及び終端を検出する紙検出器17からの検出信号と、PFモータ67の回転量、回転方向、及び回転速度を検出する為のロータリエンコーダ68からの出力信号と、キャリッジ25の主走査方向における絶対位置を検出するリニアエンコーダ64からの出力信号と、操作部5及びその他の入出力デバイスからの出力信号とが与えられる。
ロータリエンコーダ68は、外周部に多数の透光部(図示せず)を有する円盤状スケール(図示せず)と、透光部に対して発光する発光部(図示せず)及び透光部を通過した光を受光する受光部(図示せず)を備えて構成された検出部とを有し、透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力する。制御部50は、この様なロータリエンコーダ68の出力信号を入力することによって、搬送駆動ローラ21(PFモータ67)の回転量、回転速度、及び回転方向を検出し、これにより、目的とする記録紙Pの送り制御を実行することができるようになっている。
リニアエンコーダ64は、主走査方向に長い符号板63において、主走査方向に複数形成された透光部に対して発光する発光部(図示せず)、及び透光部を通過した光を受光する受光部(図示せず)を有し、透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力する。制御部50はこれによってキャリッジ25の主走査方向における絶対位置や速度を検出する。
つづいて、図5及び図6を参照しながらインクシステム80、及びインクシステム制御装置によるインクシステム80の制御について説明する。
図5は、本発明に係る「インクシステム制御装置」のブロック図である。
インクシステム80は、記録ヘッド14のヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段81、記録ヘッド14のヘッド面を封止するヘッド封止手段82、キャリッジ25をホームポジション近傍の所定の位置(キャリッジロック位置)で固定するキャリッジロック手段83、及びインクシステム80の「被駆動手段共用の駆動力源」としてのポンプモータ76の駆動力伝達を切り換える駆動力伝達切換手段84を有している。駆動力伝達切換手段84は、ポンプモータ76が正回転方向へ回転すると、その正回転の駆動力をヘッド吸引手段81、ヘッド封止手段82、及びキャリッジロック手段83へ伝達する構成を有し、一方、ポンプモータ76が逆回転方向へ回転すると、その逆回転の駆動力をヘッド封止手段82及びキャリッジロック手段83へ伝達し、ヘッド吸引手段81には伝達しない構成を有している。
所定の制御条件に基づいて駆動力伝達切換手段84及びポンプモータ76を制御することによってインクシステム80を制御するインクシステム制御装置70は、インクシステム80の状態情報を入力し、所定の制御条件に基づいてヘッド吸引手段81、ヘッド封止手段82、及びキャリッジロック手段83の駆動制御指示を出力するインクシステム制御部74、インクシステム制御部74からの駆動制御指示を入力してポンプモータ76を制御する「駆動力源制御部」としてのポンプモータ制御部73、ポンプモータ制御部73が出力するモータ制御信号に基づいてポンプモータ76を駆動制御するポンプモータドライバ75、及びヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクがインクカートリッジ41へ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出する「検出部」をカバー開閉状態検出センサ71とともに構成するカバー開閉状態検出部72を有している。カバー開閉状態検出部72は、カバー開閉状態検出センサ71の出力信号を入力してインクカートリッジカバー39(図3参照)の開閉状態を検出する。
尚、カバー開閉状態検出センサ71に代えて、廃インクタンク41の着脱状態を検出する廃インクタンク着脱状態検出センサ等を設けても良く、或いは、カバー開閉状態検出センサ71と廃インクタンク着脱状態検出センサとを両方設けて、両センサの出力信号から総合的に、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクがインクカートリッジ41へ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出するようにしても良い。
図6は、カバー開閉状態検出部72、ポンプモータ制御部73、及びインクシステム制御部74における制御手順の一例のイメージを示した模式図である。
インクカートリッジカバー39が閉じられるとカバー開閉状態検出センサ71がそれを検出し、その検出信号をカバー開閉状態検出部72が入力して、カバー開閉状態検出部72からポンプモータ制御部73へヘッド吸引手段81を駆動するためのポンプモータ76の駆動を許可するヘッド吸引モータ駆動許可指示が出力される(ステップS1)。ポンプモータ制御部73は、ヘッド吸引モータ駆動許可指示を入力した場合には、ヘッド吸引手段81を駆動するためのポンプモータ76の駆動制御が可能な状態となる。キャリッジロック手段83を駆動してキャリッジ25のロック状態を解除するためのCRロック解除モータ制御指示がインクシステム制御部74からポンプモータ制御部73へ出力された場合には(ステップS2)、ポンプモータ制御部73は、その指示に基づいてポンプモータ76を逆回転駆動制御する。それによって、キャリッジロック手段83が駆動されてキャリッジ25のロック状態が解除され、ポンプモータ76の逆回転駆動制御が終了した時点でCRロック解除モータ駆動終了をインクシステム制御部74へ出力する(ステップS3)。
また、ヘッド吸引手段81を駆動して記録ヘッド26のヘッド面を吸引するためのヘッド吸引モータ駆動指示がインクシステム制御部74からポンプモータ制御部73へ出力された場合には(ステップS4)、ポンプモータ制御部73は、その指示に基づいてポンプモータ76を正回転駆動制御する。それによって、ヘッド吸引手段81が駆動されて記録ヘッド26のヘッド面が吸引され、ポンプモータ76の正回転駆動制御が終了した時点でヘッド吸引モータ駆動終了をインクシステム制御部74へ出力する(ステップS5)。
インクカートリッジカバー39が開かれるとカバー開閉状態検出センサ71がそれを検出し、その検出信号をカバー開閉状態検出部72が入力して、カバー開閉状態検出部72からポンプモータ制御部73へヘッド吸引手段81を駆動するためのポンプモータ76の駆動を抑止するヘッド吸引モータ駆動禁止指示が出力される(ステップS7)。それによって、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンク41へ貯留されずに漏れ出る可能性がある間は、ヘッド吸引手段81の動作のみ抑止することができる。
インクシステム制御部74からヘッド吸引モータ駆動指示がポンプモータ制御部73へ出力され(ステップS6)、ポンプモータ制御部73がその指示に基づいてポンプモータ76を正回転駆動制御している間に、カバー開閉状態検出部72からポンプモータ制御部73へヘッド吸引モータ駆動禁止指示が出力されると(ステップS7)、ポンプモータ制御部73は、その時点でポンプモータ76の正回転駆動制御を中断して、ヘッド吸引モータ駆動終了をインクシステム制御部74へ出力する(ステップS8)。ポンプモータ制御部73は、カバー開閉状態検出部72からヘッド吸引モータ駆動禁止指示を入力した後は(ステップS7以降)、カバー開閉状態検出部72から再びヘッド吸引モータ駆動許可指示を入力するまでの間は、インクシステム制御部74からヘッド吸引モータ駆動指示を出力されてもポンプモータ76の正回転駆動制御を抑止する。
一方、ポンプモータ制御部73は、その間にインクシステム制御部74からキャリッジロック手段83を駆動してキャリッジ25をロックするためのCRロックモータ駆動指示が出力された場合には(ステップS9)、その指示に基づいてポンプモータ76を逆回転駆動制御する。それによって、キャリッジロック手段83が駆動されてキャリッジ25がロックされ、ポンプモータ76の逆回転駆動制御が終了した時点でCRロックモータ駆動終了をインクシステム制御部74へ出力する(ステップS10)。
また、ポンプモータ制御部73は、インクシステム制御部74からヘッド封止手段82を駆動して記録ヘッド26のヘッド面を封止するためのヘッド封止モータ駆動指示が出力された場合には(ステップS11)、その指示に基づいてポンプモータ76を逆回転駆動制御する。それによって、ヘッド封止手段82が駆動されて記録ヘッド26のヘッド面が封止され、ポンプモータ76の逆回転駆動制御が終了した時点でヘッド封止モータ駆動終了をインクシステム制御部74へ出力する(ステップS12)。
つづいて、インクシステム80の構成について詳細に説明する。
図7は、インクシステム80の斜視図である。
キャリッジ25の移動可能範囲内であって、非記録実行領域にはホームポジションが設けられており、このホームポジションにインクシステム80が配設されている。前述したように、インクシステム80は、記録休止時に記録ヘッド14のヘッド面を封止し、ノズルからインクを適宜吸引する吸引動作を行ってノズルの目詰まりを防止するヘッド封止手段82を有している。また、記録ヘッド14のヘッド面を清掃するワイピング動作を行って、ノズル内のインクのメニスカスを整えるワイピング装置19も有している。このインクシステム80は、図7に示すように、ケースCを備えており、このケースCには、ポンプモータ76、ヘッド封止手段82、ヘッド吸引手段(吸引ポンプ)81、ワイピング装置19、及びキャリッジロック手段83が取付けられている。ポンプモータ76は、正逆回転可能なモータであって、その回転軸の一端側には、駆動力伝達手段84を構成するキャップ側駆動ギヤ(図示せず)が連結されている。このキャップ側駆動ギヤは、ヘッド吸引手段81に備えられた図示しないポンプ駆動歯車に連結されており、ポンプ駆動歯車は、駆動力伝達手段84を構成するキャップ昇降機構121に連結されている。さらに、ポンプモータ76の回転軸の他端側には、駆動力伝達手段84を構成するキャリッジロック手段83の駆動機構(後述)に連結されている。
次に、ヘッド封止手段82について説明する。
図8は、ヘッド封止手段82の要部斜視図である。
ヘッド封止手段82は、図7に示すように、ヘッド封止手段82を構成するキャップ122を備えている。キャップ122は、上面が開口した樹脂等からなる2つの箱体からなり、その開口は記録ヘッド14のヘッド面を覆うことが可能な大きさに形成されている。各箱体は、キャップ122が記録ヘッド14のヘッド面を封止した際に、それぞれ別のノズル列を封止するようになっている。図8に示すように、キャップ122の開口側の端部には、エラストマからなるシール部122aが設けられており、記録ヘッド14のヘッド面に押しつけられた際に撓むことにより密着する。また、キャップ122の各箱体の底面には、インク排出口122bがそれぞれ形成されている。各インク排出口122bからは、記録ヘッド14からキャップ122内に吐出されたインクが外部へ排出される。さらに、キャップ122内には、インク吸収材122cが収容されている。インク吸収材122cは、スポンジ等の多孔質体からなり、記録ヘッド14から吐出されたインクを受け止めて吸収する。そして、キャップ122が記録ヘッド14のヘッド面を封止した際に、記録ヘッド14のヘッド面とキャップ122とから構成される密閉空間内にインク溶媒を充満させて、記録ヘッド14のノズル内の乾燥を防止する。さらに、キャップ122には、図示しない大気開放バルブが連通されている。この大気開放バルブは、主走査方向Xに往復動するキャリッジ25の記録実行領域からホームポジションへの移動に追従して、キャップ122内を大気に連通する閉状態にする。また、大気開放バルブは、キャリッジ25がホームポジションから記録実行領域へ向けて主走査方向Xに移動すると、その移動に追従してキャップ122内を大気に連通しない開状態にする。
次に、キャップ昇降機構121について説明する。
図9〜図11は、キャップ昇降機構121の動作を説明する要部側面図である。
キャップ昇降機構121は、キャップ122を支持するキャップ支持部123(図7参照)を備えている。キャップ支持部123は有底状に形成されており、図7に示すように、キャップ122を下面側から支持した状態でケースCに取付けられている。キャップ支持部123は、キャップ昇降機構121に連動して上下動することによって、キャップ122の移動位置を、封止位置、ワイピング位置、退避位置のいずれかに変位させる。ヘッド封止手段82は、キャップ122がワイピング位置及び退避位置に位置しているときには、記録ヘッド14がキャップ122と当接することなく、キャリッジ25のホームポジションへの進入、及びキャリッジ25のホームポジションからの退避が可能な状態となる。このキャップ支持部123は、キャップ昇降機構121の一部を構成している。キャップ昇降機構121は、駆動力伝達手段84を構成する制御軸125及び伝達用ギヤ126を備えている。制御軸125及び伝達用ギヤ126は、ケースC内であって、キャップ支持部123の下方に収容されている。
伝達用ギヤ126は、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128と、第1の伝達用歯車129、及び第2の伝達用歯車130とを備えており、ケースCに設けられた共通の軸によって回転可能に支持されている。第1の伝達用歯車129は、平歯車であって第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128とともに、ポンプモータ76に連結した前述したポンプ駆動歯車(図示せず)に歯合し、ポンプモータ76が正回転方向に回転するとr2方向に回転するようになっている。第2の伝達用歯車130は、同じく平歯車であって後述する制御軸125の駆動歯車131に歯合する。第1の伝達用歯車129、及び第2の伝達用歯車130及び第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128は、ケースC側に取着された図示しない付勢ばねによって互いに圧接されるようになっている。
第1の伝達用歯車129は、第1の欠歯歯車127に対して自由に回転可能に重ね合わされている。第1の欠歯歯車127と第2の欠歯歯車128は、互いの欠歯部がほぼ同じ位置になるように重ね合わされるとともに、第1の欠歯歯車127は、第2の欠歯歯車128に対して所定の角度だけ相対的に移動可能に遊嵌されている。第2の欠歯歯車128と第2の伝達用歯車130とは同期して回転するようになっている。つまり、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128の欠歯部が前述したポンプ駆動歯車の歯と対向することにより、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128がそのポンプ駆動歯車に歯合しない場合、ポンプモータ76の回転力が第1の伝達用歯車129にのみ伝達され第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128には伝達されない。このとき、ポンプモータ76の回転により、ヘッド吸引手段81のみが駆動制御されることになる。
一方、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128の歯が前述したポンプ駆動歯車の歯と歯合している場合、第1の伝達用歯車129及び第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128のそれぞれは、そのポンプ駆動歯車に同期して回転する。このとき、第2の欠歯歯車128と第2の伝達用歯車130とは同期して回転するので、ポンプモータ76の回転力が駆動歯車131と歯合している制御軸125にも伝達される。つまり、伝達用ギヤ126は、その欠歯部によってポンプ駆動歯車と歯合する状態と歯合しない状態を切り換えることにより、制御軸125に回転を伝達する状態と伝達しない状態とを切り換える。
制御軸125は、軸部132を備えており、この軸部132の端部132a、端部132bはケースCに回転可能に支持されている。軸部132の途中には歯車付カム133が一体に形成されている。歯車付カム133は、軸部132の端部132a側に形成された歯車部134と、その歯車部134に一体に形成された第1のカム部135とを備えている。歯車部134は、軸部132が回転した際に、後述するワイパ支持部材124に形成された回動用歯車124aと歯合して、ワイパ支持部材124をr1方向及び反r1方向に所定の角度だけ回動させる。第1のカム部135は、略楕円形状に形成されており、その外周面は前記ヘッド封止手段82のキャップ支持部123に設けられた2つの位置決め部123b(図9〜図11参照)のうち一方が摺動するカム面となっている。尚、2つの位置決め部123bは、キャップ支持部123の下面に形成された、2つの板状の支持部材123cに、それぞれ一体に形成されており、図9〜図11には、一方の支持部材123cのみを示している。
第1のカム部135のカム面は、図9に示すように、第1のカム面T1、第2のカム面T2及び第3のカム面T3から構成されている。第1のカム面T1は、回転軸(軸部132の軸心)からの距離がほぼ等しくなるように形成され、その距離は比較的小さく設定されている。また、第2のカム面T2は、第1のカム面T1に連続して形成され、第1のカム面T1から離間するにしたがって、軸部132の軸心からの距離が徐々に大きくなるように形成されている。さらに、第3のカム面T3は、第1のカム面T1に連続して形成されるとともに、第2のカム面T2の反対側に設けられている。そして、第3のカム面T3は、第1のカム面T1から離間するにしたがって、軸部132の軸心からの距離が徐々に大きくなるように形成されている。
また、第1のカム部135は、図8に示すように歯車部134と反対側の面に第1のカム溝135aを備えている。第1のカム溝135aは、第1のカム部135の外周面形状にほぼ沿うように形成されている。この第1のカム溝135aには、キャップ支持部123の支持部材123cに設けられた2つのガイド軸123a(図9〜図11参照)の一方が嵌挿固着されるようになっている。軸部132の端部132bには、第2のカム部136が取り外し可能に設けられている。第2のカム部136は、第1のカム部135と同じ形状に形成されている。キャップ支持部123に形成された他方の位置決め部123bは、第2のカム部136の外周面(カム面)を摺動する。第2のカム部136は、第1のカム部135と同じ様に第2のカム溝136aを備えている。第2のカム溝136aには、図9〜図11に示すように、キャップ支持部123の下面に設けられたガイド軸123aの他方が嵌挿固着される。軸部132には、駆動歯車131が取り外し可能に嵌挿固着されており、第1のカム部135及び第2のカム部136との間に配置されている。駆動歯車131は、伝達用ギヤ126の第2の伝達用歯車130と歯合することにより、ポンプモータ76の回転力を制御軸125に伝達する。ポンプモータ76の正回転方向の回転により、第2の伝達用歯車130がr2方向に回転すると、軸部132がr3方向に回転することにより、駆動歯車131、第1のカム部135、及び第2のカム部136はr3方向に回転する。キャップ支持部123の各位置決め部123bは、第1のカム部135、及び第2のカム部136の回転にともなってその外周面(カム面)を摺動する。したがって、キャップ支持部123は、第1のカム部135、及び第2のカム部136の外周面によって位置決めされ、図7中Z方向及び反Z方向に上下動する。
具体的には、図10に示すように、キャップ支持部123の各位置決め部123bが第1のカム面T1を摺動する場合、第1のカム面T1は、軸部132の軸心からの距離がほぼ等しく短くなるように形成されているため、キャップ支持部123が押し上げられず、キャップ支持部123は比較的低い位置(退避用位置)に保たれる。キャップ支持部123が退避用位置に配置されたとき、キャップ122は記録ヘッド14と当接不可能な高さに配置される。また、各位置決め部123bが第2のカム面T2を第1のカム面T1側と反対側に向かって摺動する場合、第2のカム面T2は回転軸からの距離が徐々に大きくなるように形成されているため、キャップ支持部123は上方へ押し上げられ、図9に示すように、配置可能な位置のうち、ヘッド封止手段82は最も高い位置(封止用位置)に配置される。キャップ支持部123が封止用位置に配置されたとき、キャップ122は、ホームポジションに移動した記録ヘッド14の下面に密着可能な封止位置に配置される。さらに、位置決め部123bが第3のカム面T3を第1のカム面T1側と反対側に向かって摺動すると、第3のカム面T3は回転軸からの距離が徐々に大きくなるように形成されているため、キャップ支持部123は上方へ押し上げられる。それによって、図11に示すように、キャップ支持部123は比較的高い位置(ワイピング用位置)に配置されるが、このときの配置位置は、第2のカム面T2と第3のカム面T3とのカムプロフィールの相違により封止用位置よりも低くなっている。キャップ支持部123がワイピング用位置に配置されたとき、キャップ122は記録ヘッド14と当接不可能な高さに配置される。また、このとき、ワイパ支持部材124はワイピング位置まで回動され、ワイパ124cが記録ヘッド14の下面を摺動可能なワイピング位置に配置される。
また、キャップ支持部123の各ガイド軸123aは、第1のカム部135、及び第2のカム部136の回転にしたがって、第1のカム溝135a及び第2のカム溝136a内を案内される。各ガイド軸123aが第1のカム溝135a及び第2のカム溝136a内に嵌挿された状態で、軸部132がr3方向に回転し続けると、各ガイド軸123aは、第1のカム溝135aの上側ストッパ面135b、第2のカム溝136aの上側ストッパ面136bに係止される。その結果、第1のカム部135、及び第2のカム部136のr3方向の回転が規制される。各ガイド軸123aが上側ストッパ面135b、及び上側ストッパ面136bに係止されるとき、キャップ支持部123の位置決め部123bは第2のカム面T2上に配置されており、キャップ支持部123は最も高い封止用位置で停止する。逆に、軸部132が反r3方向に回転し続けると、各ガイド軸123aは、第1のカム溝135a及び第2のカム溝136a内を案内され、第1のカム溝135aの下側ストッパ面135c、第2のカム溝136aの下側ストッパ面136cに係止される。その結果、第1のカム部135、及び第2のカム部136の反r3方向の回転が規制される。各ガイド軸123aが下側ストッパ面135c、及び下側ストッパ面136cに係止されるとき、キャップ支持部123の位置決め部123bは、第3のカム面T3上に配置されており、キャップ支持部123はワイピング用位置で停止する。
次に、ヘッド吸引手段81について説明する。
ヘッド吸引手段81は、チューブポンプであって、内部に可撓性のチューブ(図示せず)を環状に引き回した状態で収容している。このチューブの一端は、キャップ122のインク排出口122bに連通しており、その他端は廃インクタンク5に連通している。ヘッド吸引手段81は、上述したように、図示しないポンプ駆動歯車を備えており、このポンプ駆動歯車は、ポンプモータ76が正回転方向に回転することにより正回転方向に回転する。ポンプ駆動歯車が正回転方向に回転すると、ポンプ駆動歯車に歯合した第1の伝達用歯車129、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128もr2方向に回転する。ポンプモータ76がさらに正回転方向に回転すると、第1の欠歯歯車127及び第2の欠歯歯車128はr2方向に回転するうちに、ポンプ駆動歯車と歯合しなくなり、その結果、制御軸125には回転が伝達されない状態になる。このとき、ポンプモータ76により、ポンプ駆動歯車を介してヘッド吸引手段81だけに回転力が伝達される。
ポンプモータ76の回転力が伝達されて、ポンプ駆動歯車が回転すると、内部に収容されたチューブが順次潰されて、チューブ内の空気、インク等が押し出されることにより、チューブ内に負圧が発生する。したがって、キャップ122が記録ヘッド14の下面を封止した状態で、前述したポンプ駆動歯車を正回転方向に回転させると、キャップ122と記録ヘッド14の下面とから構成される密閉空間内の空気及びインク等が吸引されて、内部に負圧が蓄積される。この負圧により記録ヘッド14のノズル内のインクがキャップ122内に排出され、いわゆる記録ヘッド14のクリーニングが行われる。このクリーニングにより、記録ヘッド14のノズル内の粘度が上昇したインク、気泡等が排出され、インクの目詰まり等が解消されるようになっている。そして、ノズルからキャップ122内に排出されたインクは、チューブを介して廃インクタンク5に排出される。また、ヘッド吸引手段81は、ポンプモータ76が逆回転方向に回転すると、チューブを押し潰さないレリース状態となる。したがって、ポンプモータ76が逆回転方向に回転するとき、ヘッド吸引手段81は負圧を発生しない。
次に、ワイピング装置19について説明する。
図7に示すように、ヘッド封止手段82の主走査方向Xの記録実行領域側には、ワイピング装置19が設けられている。図8に示すように、ワイピング装置19は、ワイパ支持部材124を備えており、このワイパ支持部材124には、板状のワイパ124cが固着されている。ワイパ支持部材124は、端部に軸受け部124bを有しており、軸受け部124bは、キャップ支持部123に形成された回転軸(図示せず)に回転可能に支持される。そして、ワイパ支持部材124は、軸受け部124bがキャップ支持部123に形成された回転軸に支持されることにより、このワイパ124cのZ方向と副走査方向Yとで形成される面がキャップ122の一辺と略平行となるように、キャップ支持部123に対してr1方向及び反r1方向に回動可能に支持される。ワイパ124cはエラストマ等から形成され、その先端は、主走査方向Xに湾曲形成されている。そして、この先端が記録ヘッド14の下面を摺動することにより、下面に付着したインクや塵埃を掻き取るように清掃し、ノズル開口部のインクのメニスカスを整える。また、ワイパ支持部材124は軸受け部124bの周囲に回動用歯車124aを備えており、この回動用歯車124aが、制御軸125に備えられた歯車付カム133の歯車部134と歯合するようになっている。そして、ワイパ支持部材124の回動用歯車124aが、歯車部134と歯合すると、ワイパ支持部材124は、キャップ支持部123に形成された回転軸を中心にあらかじめ設定された角度だけr1方向及び反r1方向に回動可能となっている。
次に、キャリッジロック手段83について詳述する。
図12は、キャリッジロック手段83の分解斜視図である。また、図13はキャリッジ25のロック状態を示す説明図、図14〜図16は、キャリッジロック手段83の動作を説明するための側面図である。
図12に示すように、キャリッジロック手段83は、第1歯車140、及び第1歯車140と共通の回転軸を有する第2歯車141を備えている。第1歯車140は、ポンプモータ76の回転軸と連結しており、ポンプモータ76が正回転方向に回転するとr4方向に回転し、逆回転方向に回転すると反r4方向に回転する。第2歯車141は、第1歯車140よりも小さな径となっており、第1歯車140に圧接された状態でケースCに軸着され、第1歯車140に従動して回転するようになっている。また、キャリッジロック手段83は、第2歯車141に歯合する駆動歯車142、間欠歯車143、及びカム歯車144を備えている。これらの駆動歯車142、間欠歯車143,及びカム歯車144は、互いに重ね合わされ、ケースCに設けられた図示しない共通の軸に回転可能に支持されている。駆動歯車142は、平歯車であって、常に第2歯車141に歯合して回転する。また、駆動歯車142と、ケースCとの間には、図示しない圧縮ばねが配設されており、この圧縮ばねは、駆動歯車142を間欠歯車143側に圧接している。間欠歯車143は、歯が形成されていない間欠部143aを備えており、この間欠部143a以外の外周面には、駆動歯車142と同じピッチで歯が形成されている。間欠歯車143は、前述した圧縮ばねの付勢力により、カム歯車144に圧接されている。カム歯車144は、歯が形成されていない間欠部144aを備えており、この間欠部144a以外の外周面には、間欠歯車143及び駆動歯車142と同じピッチで歯が形成されている。そして、カム歯車144は、その間欠部144aを、間欠歯車143の間欠部143aの位置に合わせた状態で軸支されている。尚、図8では、便宜上、カム歯車144を間欠歯車143に対してずれた状態で示している。
また、カム歯車144の一側面144bには、略半円形状のカム部144cが形成されており、カム部144cの内側には軸受け部144dが形成されている。カム部144cは、緩やかな傾斜を有した第1のカム面C1と第2のカム面C2とを備えている(図14〜図16参照)。第1のカム面C1及び第2のカム面C2は、ほぼ同じ形状に形成されており、軸受け部144dから外周面に向かって延びるように形成されている。また、カム部144cは、第1のカム面C1及び第2のカム面C2に連続した第3のカム面C3(図14〜図16参照)を有している。第3のカム面C3は、軸受け部144dを囲むように半円状に形成されている。また、カム歯車144の一側面144bには、第3のカム面C3の端から外周面に向かって延びる係止突部144eが形成されている。カム歯車144の回転による係止突部144eの移動軌跡内には、ケースCに設けられた係止片145(図16参照)が突設されている。そして、図16に示すように、カム歯車144が反r5方向に回転することにより、この係止突部144eが係止片145に当接すると、カム歯車144の反r5方向への回転が規制されるようになっている。間欠歯車143には、回転軸から外周面に向かって形成された突部143bが形成されており、カム歯車144には、この突部143bが遊びを有して嵌合する図示しない被嵌合部が設けられている。そして、間欠歯車143の突部143bが、カム歯車144の前記被嵌合部に嵌合されることにより、間欠歯車143はカム歯車144に対して所定の角度だけ相対回転可能となっている。
また、キャリッジロック手段83は、ロック部材146、及びロック部材146を付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね147を備えている。ロック部材146は、略くの字形状の本体146aを備えており、本体146aの一端部には、軸受け部146bが貫通形成されている。この軸受け部146bには、ケースCに設けられた軸Z1が嵌挿され、この軸Z1は、ロック部材146をr6方向及び反r6方向に回動可能に支持している。本体146aの他端部には、本体146aの長手方向に対して略垂直な方向に延出された板状の延出部146cが形成されている。さらに、延出部146cの端部には、本体146aの長手方向と略平行な方向に突出した嵌合部146dが形成されている。係合部としての嵌合部146dは、板状に形成されており、キャリッジ25には、この嵌合部146dが嵌合可能な切り欠き部25aが形成されている。被係合部としての切り欠き部25aは、キャリッジ25の下面側で開口しており、嵌合部146dが下面側から進入することが可能なようになっている。したがって、ロック部材146がr6方向へ回動することにより上方へ移動すると、嵌合部146dが図13に示すようにキャリッジ25の切り欠き部25aに進入する。嵌合部146dが切り欠き部25aに嵌合すると、キャリッジ25はその位置で主走査方向Xへの移動が規制されて固定された状態(ロック状態)となる。
図12に示すように、ロック部材146の嵌合部146dの下端には、掛止部146eが形成されている。掛止部146eは、略L字形状に形成されており、ねじりコイルばね147の一方の巻端147aを掛止している。また、ねじりコイルばね147の他方の巻端147bは、ケースCに設けられた掛止部K(図14〜図16参照)に固定されている。これにより、ねじりコイルばね147は、ロック部材146を常に図12中上方(r6方向)に押し上げるような方向に付勢している。また、本体146aの一端部には、従動片146fが本体146aと一体に形成されており、従動片146fは本体146aに対して約90度の角度をなしている。従動片146fは、先端部146gが内側(嵌合部146d側)に屈曲することにより略L字形状に形成されている。先端部146gは、段差を有しており、その外周面は曲面になっている。ロック部材146は、図14〜図16に示すように、この先端部146gがカム歯車144のカム部144cの外周面に当接するようにケースCに軸支されている。
次に、キャリッジロック手段83の動作について、説明する。尚、図14〜図16は、ケースCに取着されたキャリッジロック手段83をケースCの内側から見た状態を示している。
図14は、ロック部材146がロック位置に配置された状態を示す。
カム歯車144は、ポンプモータ76を駆動力源としてr5方向又は反r5方向に回転し、ロック部材146の先端部146gは、第1のカム面C1と第2のカム面C2との中間付近に位置するときにカム歯車144の回転中心から最も近い位置に配置される。このとき、ロック部材146の先端部146gは、カム部144cにより押圧力を受けない状態になるように設定されている。したがって、ロック部材146は、ねじりコイルばね147の付勢力を受け、軸Z1を中心にr6方向に回動されることにより、キャリッジ25の移動を規制するロック位置に配置される。ロック位置に配置されたロック部材146は、キャリッジ25の切り欠き部25aに嵌合し、キャリッジ25の主走査方向Xへの移動を規制してキャリッジ25をロック状態とする。
ロック部材146がロック位置にある状態から、ポンプモータ76がさらに正回転方向に回転することにより、第1歯車140及び第2歯車141がr4方向に回転すると、カム歯車144がr5方向に回転する。このとき、第2歯車141には、間欠歯車143及び駆動歯車142も歯合しており、r5方向に回転している。すると、ロック部材146の先端部146gは、カム部144cの回転にしたがって第2のカム面C2を摺動する。カム歯車144がr5方向にさらに回転すると、図15に示すように、先端部146gが、第2のカム面C2上から第3のカム面C3上に移動する。先端部146gは、回転中心からの距離が大きい状態となり、その結果、第3のカム面C3により副走査方向Yと反対方向に押圧される。先端部146gが副走査方向Yと反対方向に押圧されると、ロック部材146は、ねじりコイルばね147の付勢力に対抗してロック位置から反r6方向に回動し、退避位置に移動する。この退避位置では、ロック部材146の嵌合部146dが、キャリッジ25の切り欠き部25aよりも下方に配置されるようになっている。したがって、このとき、キャリッジ25はロック解除状態となり、キャリッジ25はホームポジションに対して進退可能になる。
そして、図15に示すように、先端部146gが第3のカム面C3の途中に当接した状態では、間欠歯車143の間欠部143a及びカム歯車144の間欠部144aが第2歯車141(図12参照)の歯と対向する位置に配置され、間欠歯車143及びカム歯車144が第2歯車141と噛み合わなくなる。これにより、間欠歯車143及びカム歯車144は回転停止状態となり、第2歯車141をr4方向に回転させても、回転力が伝達されない。この状態から、第1歯車140及び第2歯車141が反r4方向に回転すると、駆動歯車142及び間欠歯車143が第2歯車141と噛み合って、反r5方向に回転を始める。間欠歯車143が予め設定された角度だけ回転すると、間欠歯車143の突部143bと、カム歯車144の被嵌合部とが係止することにより、間欠歯車143に誘導されてカム歯車144が反r5方向に回転を始める。すると、ロック部材146の先端部146gは、第3のカム面C3及び第2のカム面C2を摺動し、第1のカム面C1と第2のカム面C2との間に配置されて、ロック部材146は再び図14に示すロック位置に配置される。
ロック部材146が図14に示すロック位置に配置された状態から、ポンプモータ76が逆回転方向に回転すると、カム歯車144が反r5方向に回転する。先端部146gは、カム歯車144の反r5方向の回転にしたがって第1のカム面C1を摺動する。そして、カム歯車144がさらに反r5方向に回転すると、図16に示すように、先端部146gが、第1のカム面C1の端部から第3のカム面C3上に移動する。したがって、先端部146gが副走査方向Yと反対方向に押圧されることにより、ロック部材146は反r6方向に回動して退避位置に配置される。このとき、ケースCの係止片145が、カム歯車144の係止突部144eに係止されることにより、カム歯車144の反r5方向の回転が規制される。さらに、このとき、カム歯車144の間欠部144a及び間欠歯車143の間欠部143aが第2歯車141の歯と対向し、カム歯車144及び間欠歯車143と第2歯車141とが歯合しない状態になる。そして、間欠歯車143は、駆動歯車142との摩擦によって回転力を受けるが、間欠歯車143の突部143bとカム歯車144の被嵌合部との当接によって回転停止状態となる。
図16に示すように、カム歯車144及び間欠歯車143が回転停止状態になった状態で、ポンプモータ76が正回転方向に回転して、第1歯車140がr4方向に回転すると、駆動歯車142がr5方向に回転される。駆動歯車142がr5方向に回転すると、摩擦により間欠歯車143がr5方向に回転し、第2歯車141に歯合するようになる。間欠歯車143が回転し始めると、間欠歯車143の突部143bとカム歯車144の被係合部との係合と、間欠歯車143及びカム歯車144の摩擦とにより、カム歯車144もr5方向に回転する。このように、係止片145とカム歯車144の係止突部144eとの係止や、カム歯車144の間欠部144a等により、カム歯車144は360度未満しか回転することができなくなっている。そして、カム歯車144の回転方向、回転角度等を制御することにより、ロック部材146を所定の角度だけ回動させるようになっている。
つづいて、インクシステム80の制御手順について説明する。
図17は、記録ヘッド14のヘッドクリーニング概略手順を示したフローチャートである。
ヘッドクリーニングは、キャリッジ25がロック状態である場合には、キャリッジロック解除手順(ステップS21)を実行した後、インク本吸引手順(ステップS22)を実行する。つづいて、必要に応じた回数のラビングによるインク除去を実行し(ステップS23)、インク空吸引手順(ステップS24)、及びキャリッジロックセット手順(ステップS25)を実行することにより行われる。以下、各手順について説明する。
図18は、キャリッジロック解除手順を示したフローチャートである。
キャリッジロック手段83によってキャリッジ25がロックされている状態において、ポンプモータ76を逆回転方向へ回転させる(ステップS31)。ヘッド封止手段82のキャップ支持部123が退避位置へ移動して記録ヘッド14のヘッド面の封止が解除されるとともに、キャリッジロック手段83のロック部材146が退避位置へ移動してキャリッジ25のロック状態が解除される。当該ステップにおいてインク吸引動作は行われないので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「しない」にセットされる。
図19は、インク本吸引手順を示したフローチャートである。
吸引動作が行われる前には、プリンタ1は、キャリッジモータ8を駆動してキャリッジ25を記録実行領域からホームポジション(=封止ポジション)へ主走査方向Xに移動させ、キャリッジ25をインクシステム80のキャップ122と対向する位置に配置する(ステップS41)。
このとき、図10に示すように、キャップ支持部123の各位置決め部123bは、第1のカム面T1に当接した状態になっている。つまり、各位置決め部123bは、ケースCに回転可能に支持固定された軸部132の軸心から、比較的近い位置のカム面に当接している。その結果、キャップ支持部123は退避用位置に配置され、キャップ122は記録ヘッド14と当接しない退避位置に配置されるようになっている。また、ワイパ支持部材124も、ワイパ124cが記録ヘッド14と当接しない退避位置に配置されている。
つづいて、ポンプモータ76を正回転方向へ回転させる(ステップS42)。ヘッド封止手段82のキャップ支持部123が退避位置から封止位置へ上昇して記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止されるとともに、キャリッジロック手段83のロック部材146が退避位置からロック位置へ移動してキャリッジ25がロック状態となる。当該ステップにおいてインク吸引動作は行われないので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「しない」にセットされる。
さらに、ポンプモータ76を正回転方向へ回転させる(ステップS43)。記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止された状態、及びキャリッジロック手段83によるキャリッジ25のロック状態が維持されたまま、ヘッド吸引手段81によってキャップ122内に負圧が発生して記録ヘッド14のヘッド面が吸引される。当該ステップにおいてインク吸引動作が行われるので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「する」にセットされる。
さらに、ポンプモータ76を正回転方向へ回転させる(ステップS44)。記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止された状態が維持されたまま、キャリッジロック手段83のロック部材146が退避位置へ移動してキャリッジ25のロック状態が解除される。当該ステップにおいてインク吸引動作が行われるので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「する」にセットされる。
記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止された状態が維持されたまま、キャリッジロック手段83によるキャリッジ25のロック状態が解除された状態で、キャリッジ25をわずかに記録実行領域側へ移動させて空吸引ポジションへ移動させて当該手順を終了する(ステップS45)。
図20は、インク空吸引手順を示したフローチャートである。尚、当該手順は、インク本吸引手順の終了後、必要に応じた回数のラビングによるインク除去手順(ステップS23)を実行する場合にはその後に、ラビングによるインク除去手順(ステップS23)を実行しない場合には、インク本吸引手順の終了後に引き続き実行される手順である。
記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止された状態が維持されたまま、キャリッジロック手段83によるキャリッジ25のロック状態が解除された状態で、キャリッジ25をわずかに記録実行領域側へ移動させて空吸引ポジションへ移動させた状態では(ステップS51)、そのキャリッジ25の移動動作に追従して、図示しない大気開放バルブが開き、キャップ122内が大気に開放されている。この状態からポンプモータ76を正回転方向へ回転させる(ステップS52)。大気に開放されたキャップ122内が吸引され、キャップ122内に負圧が蓄積されず、キャップ122内のインクのみが吸引される空吸引が行われ、キャップ122内に滞留したインクが排出される。当該ステップにおいてインク吸引動作が行われるので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「する」にセットされる。
つづいて、ポンプモータ76を逆回転方向へ回転させる(ステップS53)。ヘッド封止手段82のキャップ支持部123が退避位置へ移動して記録ヘッド14のヘッド面の封止が解除される。また、キャリッジロック手段83によるキャリッジ25のロック解除状態は維持される。当該ステップにおいてインク吸引動作は行われないので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「しない」にセットされる。
つづいて、ワイピング動作を行うために、まず、ポンプモータ76を逆回転方向へ回転させる(ステップS54)。キャップ122は退避位置に保持されたまま、ポンプモータ76の逆回転方向の回転により、ワイパ支持部材124がワイピング位置まで回動され、ワイパ124cが図7に示すように直立した状態となる。ワイピング位置に配置されたワイパ124cは、記録ヘッド14がワイパ124cの上方を通過した際に、記録ヘッド14の下面を摺動可能な高さになるように配設されている。また、このときのキャップ支持部123の位置は、退避用位置と封止用位置との間であって、キャップ122が記録ヘッド14と当接しないワイピング用位置となっている。このとき、キャリッジロック手段83は、ポンプモータ76が逆回転方向に回転することにより、ロック部材146が一時的に退避位置からロック位置へ回動した後、ロック位置から再び退避位置に回動する。当該ステップにおいてインク吸引動作は行われないので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「しない」にセットされる。
つづいて、キャリッジ25をワイピングポジションへ移動させてワイピング動作を行う(ステップS55)。具体的には、キャリッジ25はホームポジションから記録実行領域側へ移動させる。記録ヘッド14がワイパ124cの上方を通過するときに、ワイパ124cが記録ヘッド14の下面を摺動し、下面に付着したインクを掻き取る。掻き取られたインクは、ワイパ124cの側面を伝って下方に流れ落ちる。
つづいて、キャリッジ25がワイパ124cの上方を通過した後、ポンプモータ76を正回転方向に回転させる(ステップS56)。キャップ支持部123が退避用位置まで下降して、ワイパ支持部材124がr1方向に回動し、ワイパ支持部材124は、図10に示すように退避位置に配置され、記録ヘッド14を払拭するワイパ124cの先端部が鉛直方向に略平行となるようにケースC内に収納される。また、キャリッジロック手段83のロック部材146は退避位置に保持されている。ワイピング動作の後、キャリッジ25を記録実行領域側からホームポジションへ移動させて当該手順を終了する(ステップS57)。
図21は、キャリッジロックセット手順を示したフローチャートである。
キャリッジ25を記録実行領域側からホームポジションへ移動させる(ステップS61)。キャリッジ25がホームポジションに配置されると、キャリッジ25の動きに追従して大気開放バルブが閉状態となる。その状態からポンプモータ76を正回転方向に回転させる(ステップS62)。ヘッド封止手段82のキャップ支持部123が退避位置から封止位置へ上昇して記録ヘッド14のヘッド面がキャップ122によって封止されるとともに、キャリッジロック手段83のロック部材146が退避位置からロック位置へ移動してキャリッジ25がロック状態となる。プリンタ1が記録休止状態にあるときは、このようにキャリッジ25がロック部材146によって固定されるとともに、記録ヘッド14がキャップ122によって封止された状態で保管される。当該ステップにおいてインク吸引動作は行われないので、インク吸引駆動フラグ(後述)は、「しない」にセットされる。
つづいて、ポンプモータ76の駆動制御手順について説明する。
図22は、インクカートリッジカバー39の開閉状態を検出してインク吸引許可フラグをセットする手順を示したフローチャートである。
カバー開閉状態検出センサ71の検出状態を入力し(ステップS71)、インクカートリッジカバー39が開いているか否かを判定する(ステップS72)。インクカートリッジカバー39が開いている場合には(ステップS72でYes)、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンク41へ貯留されずに漏れ出る可能性があるため、インク吸引許可フラグ=「禁止」にセットし、インクカートリッジカバー39が閉じている場合には(ステップS72でNo)、インク吸引許可フラグ=「許可」にセットする。そして、一定時間(100mS)Waitした後、ステップS71へ戻り、再びカバー開閉状態検出センサ71の検出状態を入力し(ステップS71)、インクカートリッジカバー39が開いているか否かを判定する(ステップS72)。つまり、インクカートリッジカバー39が開いているか否かを判定してインク吸引許可フラグをセットする手順を一定時間(100mS)周期で実行する。
図23は、ポンプモータ76の駆動制御手順を示したフローチャートである。
まず、ポンプモータ76を駆動する際の制御ステップ数をセットする(ステップS81)。つづいて、ポンプモータ76を駆動する前に、前述したインク吸引駆動フラグ=「する」にセットされているか否かを判定する(ステップS82)。インク吸引駆動フラグ=「しない」にセットされている場合には(ステップS82でNo)、インクシステム80は、ポンプモータ76を正回転させてもヘッド吸引手段81によるインク吸引動作が行われない状態にあるので、ポンプモータ76の回転制御を実行し(ステップS84)、駆動した分のステップ数を最初にセットした制御ステップ数から減算する(ステップS85)。駆動したステップ数を減算した後の制御ステップ数が0になったか否かを判定し(ステップS86)、制御ステップ数が0になった場合には(ステップS86でYes)、そのまま当該手順を終了し、制御ステップ数が0になっていない場合には(ステップS86でNo)、ステップS82へ戻り、引き続きポンプモータ76の制御を続行する。
一方、インク吸引駆動フラグ=「する」にセットされている場合には(ステップS82でYes)、インクシステム80は、ポンプモータ76を正回転させるとヘッド吸引手段81によるインク吸引動作が行われる状態にあるので、つづいて、前述したインク吸引許可フラグ=「許可」にセットされているか否かを判定する(ステップS83)。インク吸引許可フラグ=「禁止」にセットされている場合には(ステップS83でNo)、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンク41へ貯留されずに漏れ出る可能性があるので、ポンプモータ76を回転させずに、そのまま当該手順を終了し、インク吸引許可フラグ=「許可」にセットされている場合には(ステップS83でYes)、ポンプモータ76の回転制御を実行し(ステップS84)、駆動した分のステップ数を最初にセットした制御ステップ数から減算する(ステップS85)。駆動したステップ数を減算した後の制御ステップ数が0になったか否かを判定し(ステップS86)、制御ステップ数が0になった場合には(ステップS86でYes)、そのまま当該手順を終了し、制御ステップ数が0になっていない場合には(ステップS86でNo)、ステップS82へ戻り、引き続きポンプモータ76の制御を続行する。
このようにして、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンク41へ貯留されずに漏れ出る可能性がある間は、インクシステム80のヘッド吸引手段81の動作のみ抑止するように駆動力伝達切換手段84及びポンプモータ76を制御することによって、その間のヘッド封止手段82による記録ヘッド26のヘッド面の封止動作を行うことが可能になる。したがって、ヘッド吸引手段81を駆動すると吸引した廃インクが廃インクタンク41へ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態では、ヘッド吸引手段81による記録ヘッド26のヘッド面の吸引動作が行われないので、ヘッド吸引手段81により吸引した廃インクがプリンタ1内に流出してしまうことを廃インクの流出防止のための複雑な機構を設けることなく防止することができる。
また、その間もインクシステム80のヘッド封止手段82によって記録ヘッド26のヘッド面を封止することができるので、記録ヘッド26のノズルに目詰まりが生じることを防止することができる。さらに、その間もインクシステム80のキャリッジロック手段83によってキャリッジ25をロックすることができるので、プリンタ1を持ち運ぶことによる振動等によってキャリッジ25に搭載された記録ヘッド26に作用する衝撃を低減させて記録ヘッド26を保護することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るプリンタの外観斜視図である。 本発明に係るプリンタの、装置本体の斜視図である。 本発明に係るプリンタの側断面概略図である。 本発明に係るプリンタの、制御部のブロック図である。 本発明に係るインクシステム制御装置のブロック図である。 インクシステム制御装置における制御イメージを示した模式図である。 インクシステムの斜視図である。 ヘッド封止手段の要部斜視図である。 キャップ昇降機構の動作を説明する要部側面図である。 キャップ昇降機構の動作を説明する要部側面図である。 キャップ昇降機構の動作を説明する要部側面図である。 キャリッジロック手段の分解斜視図である。 キャリッジのロック状態を示す説明図である。 キャリッジロック手段の動作を説明するための側面図である。 キャリッジロック手段の動作を説明するための側面図である。 キャリッジロック手段の動作を説明するための側面図である。 記録ヘッドのヘッドクリーニング手順を示したフローチャートである。 キャリッジロック解除手順を示したフローチャートである。 インク本吸引手順を示したフローチャートである。 インク空吸引手順を示したフローチャートである。 キャリッジロックセット手順を示したフローチャートである。 インク吸引許可フラグをセットする手順を示したフローチャートである。 ポンプモータの駆動制御手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 給紙装置、3 ハウジング、4 表示部、5 操作部、6 スタッカ、7 付勢ばね、8 固定ガイド、9 可動ガイド、10 ホッパ、11 給送ローラ、12 紙戻しレバー、13 摩擦分離材、14 アイドルローラ、15 レバー、15a 揺動軸、15b 検出端、15c 掛止部、15d 接触端、15e 接触面、15f 当接面、16 検出部、17 紙検出器、18 紙案内部材、19 キャリッジモータ、20 搬送従動ローラホルダ、21 搬送駆動ローラ、22 搬送従動ローラ、23 ガイドローラ、24 キャリッジベルト、25 キャリッジ、26 記録ヘッド、27 キャリッジガイド軸、28 プラテン、29 排出駆動ローラ、30 排出従動ローラ、31 廃インクトレイ、34 廃インク吸収材、36 インク吸収材、37 排出補助ローラ、39 インクカートリッジカバー、41 廃インクタンク、70 インクシステム制御装置、71 カバー開閉状態検出センサ、76 ポンプモータ、80 インクシステム、P 記録紙

Claims (6)

  1. 被記録材へインクを噴射する記録ヘッドのヘッド面のインクを吸引するヘッド吸引手段、及び前記記録ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有するインクシステムと、該インクシステムの被駆動手段共用の駆動力源と、該駆動力源の駆動力を伝達する被駆動手段を切り換える駆動力伝達切換手段と、所定の制御条件に基づいて前記駆動力伝達切換手段及び前記駆動力源を制御することによって、前記インクシステムを制御するインクシステム制御装置とを備えた記録装置であって、
    前記ヘッド吸引手段にて吸引した廃インクを貯留する廃インクタンクと、
    前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出する検出手段とを備え、
    前記インクシステム制御装置は、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記ヘッド吸引手段の動作のみ抑止する、ことを特徴とした記録装置。
  2. 請求項1において、前記廃インクタンクが着脱可能に配設され、前記検出手段は、前記廃インクタンクの着脱状態を検出する廃インクタンク着脱状態検出センサを有している、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項1又は2において、前記廃インクタンクが着脱可能に配設され、前記廃インクタンクの装着部に開閉可能に設けられたカバーを開いた状態でのみ前記廃インクタンクの着脱が可能になる構成を有し、前記検出手段は、前記カバーの開閉状態を検出するカバー開閉状態検出センサを有している、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記インクシステム制御装置は、所定の制御条件に基づいて前記ヘッド吸引手段又は前記ヘッド封止手段の駆動制御指示を出力するインクシステム制御部と、該インクシステム制御部からの駆動制御指示を入力して前記駆動力源を制御する駆動力源制御部と、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃インクが前記廃インクタンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記駆動力源の駆動禁止指示を前記駆動力源制御部へ出力する検出部とを有し、
    前記駆動力源制御部は、前記検出部から前記駆動力源の駆動禁止指示が出力されている間は、前記インクシステム制御部から前記ヘッド吸引手段の駆動制御指示を入力しても前記駆動力源の駆動制御を抑止する、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記記録ヘッドは、所定の往復動方向へ往復動可能に軸支されたキャリッジに搭載されており、前記インクシステムは、前記キャリッジを所定の位置で固定する前記駆動力源によって駆動されるキャリッジロック手段を備えている、ことを特徴とした記録装置。
  6. 被噴射材へ液体を噴射する液体噴射ヘッドのヘッド面の液体を吸引するヘッド吸引手段、及び前記液体噴射ヘッドのヘッド面を封止するヘッド封止手段を有する液体システムと、該液体システムの被駆動手段共用の駆動力源と、該駆動力源の駆動力を伝達する被駆動手段を切り換える駆動力伝達切換手段と、所定の制御条件に基づいて前記駆動力伝達切換手段及び前記駆動力源を制御することによって、前記液体システムを制御する液体システム制御装置とを備えた液体噴射装置であって、前記ヘッド吸引手段にて吸引した廃液を貯留する廃液タンクと、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃液が前記廃液タンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態を検出する検出手段とを備え、前記液体システム制御装置は、前記ヘッド吸引手段を駆動すると吸引した廃液が前記廃液タンクへ貯留されずに漏れ出る可能性がある状態が前記検出手段にて検出されている間は、前記ヘッド吸引手段の動作のみ抑止する、ことを特徴とした液体噴射装置。
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JP2012025111A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
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