JP2005254560A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で均一な照射が可能で、かつ高効率なインク硬化を行えるUVインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】LED素子を配列した照射光源を備えるインクジェット記録装置であって、前記LED素子の断面形状が多角形であり、それらLED素子を隙間なく配列する。
【選択図】図1
【解決手段】LED素子を配列した照射光源を備えるインクジェット記録装置であって、前記LED素子の断面形状が多角形であり、それらLED素子を隙間なく配列する。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線硬化型インクを用いるインクジェット記録装置およびその記録装置を用いた記録方法に関する。
インクジェット記録方式の1種であるUVインクジェット方式は、紫外線(UV)等のエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化インクを記録媒体に付着させた後、この記録媒体にエネルギー線を照射することによりエネルギー線硬化インクを硬化させて印字を行う記録方式である。
このようなインクジェット記録装置として、記録媒体に付着した紫外線硬化型インクを速やかに硬化させるため、種々の提案がなされている。例えば、例えば特開昭60−132767号公報(特許文献1)には、水銀ランプやメタルハライドランプなどの紫外線照射装置を備えたインクジェット記録装置が提案されている。また、特開2003−301130号公報(特許文献2)には、紫外線照射装置としてキセノンランプや希ガス蛍光ランプを使用したものが提案されている。これら水銀ランプやキセノンランプを紫外線照射光源として用いた記録装置にあっては、紫外線ランプは高出力のものが必要でその発生熱量も大きく、熱対策手段を施す必要があることから記録装置自体が大型化する傾向にある。また、光源が安定するまでに一定時間を要するため、オンデマンド型のインクジェットプリンタに適用するのが困難である。
一方、特開2003−276256号公報(特許文献3)には、紫外線照射光源としてLEDを用いたものが開示されている。このようなLEDを光源として用いた記録装置にあっては、紫外線照射時の発熱もなく、また照射装置自体を小型化することができる。
特開昭60−132767号公報
特開2003−301130号公報
特開2003−276256号公報
本発明者らは今般、紫外線硬化型インクを用いるインクジェット記録装置(UVインクジェット記録装置という)の光源としてLEDを用いた場合において、所定形状のLED素子を隙間なく配列することにより、小型で均一な照射が可能で、かつ高効率なインク硬化を行えるUVインクジェット記録装置が実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、小型で均一な照射が可能で、かつ高効率なインク硬化を行えるUVインクジェット記録装置を提供することにある。
そして、本発明によるUVインクジェット記録装置は、LED素子を配列した照射光源を備えるインクジェット記録装置であって、前記LED素子の断面形状が多角形であり、それらの素子が隙間なく配列されてなるものである。
また、本発明の別の態様による記録方法は、上記インクジェット記録装置を用いた記録方法であって、記録ヘッドのノズルから紫外線硬化型インクを吐出させて記録媒体に付着させ、記録ヘッドの両端に設けた照射光源のうち、走査方向と反対側に備えてなる照射光源のみを点灯させてインク硬化を行い、前記記録ヘッドの走査方向が逆向きとなった際に、点灯している前記照射光源を消灯して、他方の照射光源を点灯させることにより、逆向きの走査方向時に吐出された紫外線硬化型インクの硬化を行うものである。
本発明によれば、断面が多角形の形状を有するLED素子を隙間なく配列することにより、小型で均一な照射が可能で、かつ高効率なインク硬化を行えるUVインクジェット記録装置を実現できる。また、本発明の記録方法によれば、印刷と同時にインクを硬化することができるためスループットも低下せず、かつ、照射光源のON/OFFにより照射エネルギーを制御できるため、オンデマンドに対応した記録物が得られる。
以下、本発明によるインクジェット記録装置および記録方法を図面を参照しながら説明する。
1.インクジェット記録装置
図1は、本発明によるインクジェット記録装置に用いられる紫外線照射光源の概略上面図である。また、図2は、上記照射光源に用いるLED素子の斜視図である。照射光源には断面形状が多角形のLED素子が隙間なく配列されている。このようにLED素子の断面を多角形とすることにより、従来の円形断面のLED素子を用いた場合に比べてLED素子を集積化することができる。従って、照射光源を小型化できるとともに、単位面積あたりに照射される光量が増加するため、エネルギー照射効率が向上し紫外線硬化型インクを短時間で硬化させることができる。
図1は、本発明によるインクジェット記録装置に用いられる紫外線照射光源の概略上面図である。また、図2は、上記照射光源に用いるLED素子の斜視図である。照射光源には断面形状が多角形のLED素子が隙間なく配列されている。このようにLED素子の断面を多角形とすることにより、従来の円形断面のLED素子を用いた場合に比べてLED素子を集積化することができる。従って、照射光源を小型化できるとともに、単位面積あたりに照射される光量が増加するため、エネルギー照射効率が向上し紫外線硬化型インクを短時間で硬化させることができる。
LED素子はその断面形状が、三角形、四角形、六角形等の多角形に限らず、菱形や台形であってもよい。上記の多角形は、円に内接するものに限られず、楕円に内接するものであってもよい。これら多角形の中でも、図1に示すように、断面形状を正方形とすることが好ましい。図3に示すような円形断面を有する通常のLED素子を用いた場合と比較して、正方形の断面形状を有するLEDとすることにより、約1.4倍LED素子を集積化することができる。また、図4に示すように断面を正三角形にして隙間なくLED素子を配列させることによって、円形断面形状を有するLED素子と比べて約1.15倍集積化することが可能である。本発明にあっては、このように多角形の断面形状を有するLED素子を隙間なく配列して集積化することにより、照射エネルギーが向上するだけでなく、隣接し合うLED素子の隙間がないため、均一な紫外線照射をすることができる。なお、照射光量は、100mJ/cm2以上であることが好ましい。
このような照射光源は、図5に示すように、記録ヘッドの副走査方向の記録媒体排出側に記録媒体全体が照射できるような幅を有するように設けてもよいが、図6に示すように、記録ヘッドの両端側にそれぞれ設けることが好ましい。照射光源をこのような位置に配置して、以下に説明する本発明のインクジェット記録方法を用いることにより、紫外線硬化インク吐出後、短時間で該インクを硬化させることができ、スループットを維持することができる。また、本発明にあっては、照射光源としてLED素子を用いることから、水銀ランプやキセノンランプを照射光源とする場合に比べ、照射のON/OFFの応答が優れるものである。従って、このような特性を有するLED素子を照射光源として、上記のように記録ヘッドの両端部に配置することにより、オンデマンド型の記録装置を実現できる。
本発明においては、記録ヘッドとLED照射光源との間に隙間を設けていることが好ましい。隙間なく光源を配置すると、記録ヘッドのノズル部に付着している紫外線硬化型インクを硬化させて、吐出安定性に悪影響を及ぼす。記録ヘッドと照射光源との間隔は、LED照射光源の照射光量や照射角度により適宜調製されるものであるが、概ね2.5cm程度であることが好ましい。
また、記録ヘッド走査方向と垂直方向における前記照射光源からの照射範囲が、記録ヘッドの幅よりも広いことが好ましい。記録ヘッドの幅よりも照射光源の幅を広くすることにより、記録ヘッドから吐出されたインクが記録媒体に付着した部分を確実に照射することができる。
使用するLEDとしては、発光波長が400nm以下のものが好ましく用いられる。LED素子の発光特性は、キセノンランプ等に比べ波長選択性に優れるため、インクに含まれる光重合性ポリマーや光重合開始剤のみに作用する波長を選択すればよく、このように400nm以下の紫外線を用いることにより、インク組成物中の重合に関与しない他の成分(例えば、染料や顔料等の色材等)の分解、変性等を最小限に抑えられる。このようなLED素子としては、例えばナイトライド・セミコンダクター製の紫外線発光ダイオード等を好適に用いることができる。
また、本発明にようインクジェット記録装置に用いられる照射光源は、図7に示すような市販のLED素子を、図2に示すように、素子胴体側面を多角形に加工することにより得ることができる。このように素子断面が多角形となるように加工したLED素子を隙間なく配列させることより、照射光源を製造することができる。また、レンズ部分を透明樹脂等により、多角形となるように形成してもよく、製造方法がこれらに限定されるものではない。
2.インクジェット記録方法
上記図6に示すようなインクジェット記録装置を用いて、記録ヘッドのノズルから紫外線硬化型インクを吐出させる。図8に示すように、記録ヘッドの走査方向が右向きである場合、該記録ヘッドの両端に設けた照射光源のうち、左側(走査方向と反対側)に設けた照射光源のみを点灯させる。そして、記録媒体上に付着した紫外線硬化インクを硬化させる。
上記図6に示すようなインクジェット記録装置を用いて、記録ヘッドのノズルから紫外線硬化型インクを吐出させる。図8に示すように、記録ヘッドの走査方向が右向きである場合、該記録ヘッドの両端に設けた照射光源のうち、左側(走査方向と反対側)に設けた照射光源のみを点灯させる。そして、記録媒体上に付着した紫外線硬化インクを硬化させる。
次に、記録ヘッドが終端から折り返して逆方向に移動する。この状態を図9に示す。図9に示すように、記録ヘッドの左側に配置された照射光源を消灯して、記録ヘッドが逆方向(左側)に移動しながら紫外線硬化型インクを吐出する。このとき、記録ヘッドの右側に配置した他方の照射光源を点灯し、記録媒体に付着した紫外線硬化型インクを硬化させる。このような走査を順次繰り返すことにより、記録媒体上に印字していく。記録媒体上に付着したインクは、記録ヘッド側面側に設けられたLED照射光源により瞬時に硬化されるため、インクが滲みやすい記録媒体を使用した場合であっても、滲みのない高品質な画像を得ることができる。また、インク吐出から硬化するまでの時間を短縮することができるため、印字速度も向上する。さらに、本発明にあっては、LED素子が集積化された照射光源を用いているため、より効率的にインクの硬化を行うことができる。
3.紫外線硬化型インク組成物
本発明のインクジェット記録装置に好適に用いられる紫外線硬化型インク組成物は、400nm以下の紫外線照射により硬化するものであれば、特に限定されるものではないが、着色剤と、ウレタン系オリゴマーと、三官能以上の反応基を有するモノマーと、水性溶媒とを少なくとも含んでなるものであることが好ましい。このようなインク組成物は高い保存安定性を示し、インクジェット記録方法において安定した印字が行えるとともに、得られた画像の膜強度および耐薬剤性が優れる。
本発明のインクジェット記録装置に好適に用いられる紫外線硬化型インク組成物は、400nm以下の紫外線照射により硬化するものであれば、特に限定されるものではないが、着色剤と、ウレタン系オリゴマーと、三官能以上の反応基を有するモノマーと、水性溶媒とを少なくとも含んでなるものであることが好ましい。このようなインク組成物は高い保存安定性を示し、インクジェット記録方法において安定した印字が行えるとともに、得られた画像の膜強度および耐薬剤性が優れる。
ウレタン系オリゴマーとは、分子中にウレタン結合とラジカル重合可能な不飽和二重結合とを一以上有するものをいう。該ウレタン系オリゴマーは、官能基としてアクリロイル基を1〜数個有しているため、紫外線照射等によりモノマー等と重合反応を生じ、架橋し重合する性質を有している。
上記ウレタン系オリゴマーは、ポリオールと、ポリイソシアネートとポリハイドロオキシ化合物との付加反応により生じるオリゴマーの他に、例えば骨格を構成する分子構造により、ポリエステル系ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート、ポリブタジエン系ウレタンアクリレート、ポリオール系ウレタンアクリレートが挙げられる。ウレタン系オリゴマーは、分子量が500〜20,000程度の範囲のもの、好ましくは500〜10,000程度の範囲のものが使用される。また、インク組成物におけるウレタン系オリゴマーの含有量は、1〜50重量%程度の範囲、好ましくは3〜30重量%程度の範囲である。
三官能以上の反応基を有するモノマーとは、モノマーの基本構造中にラジカル重合可能な不飽和二重結合、好ましくはアクリロイル基を三つ以上有するものをいい、三官能以上の多官能アクリレートが含まれる。例えば、下記の式(I)で表されるトリメチロールプロパン、下記の式(II)で表されるペンタエリスリトール、または下記の式(III)で表されるジペンタエリスリトールを基本構造とし、かつ、アクリロイル基を少なくとも三つ以上有するアクリレートモノマーである。
(上記式中、AはCH2=CHC(O)、またはCH2=CHC(O)Rnである(Rは炭素数1〜5の直線状または分岐鎖状のアルコキシル基であり、好ましくはエトキシ基、プロポキシ基であり、nはその繰り返し数が1〜10である))
(上記式中、AはH、CH2=CHC(O)、またはCH2=CHC(O)Rnであり(Rは炭素数1〜5の直線状または分岐鎖状のアルコキシル基、好ましくはエトキシ基、プロポキシ基であり、nはその繰り返し数が1〜10である)、BはH、CH2=CHCO、または炭素数1〜5の高級アシル基であり、かつ、AおよびBの全ての置換基のうち少なくとも三つはアクリロイル基を含んでなる)
(上記式中、AはH、CH2=CHC(O)、またはCH2=CHC(O)Rnであり(Rは炭素数1〜5の直線状または分岐鎖状のアルコキシル基、好ましくはエトキシ基、プロポキシ基であり、または炭素数1〜5のラクトン、好ましくはε−カプロラクトンであり、nはその繰り返し数が1〜10である)、BはH、CH2=CHCO、または炭素数1〜5の高級アシル基であり、かつ、式中、全てのAの置換基のうち少なくとも三つはアクリロイル基を含んでなる)
モノマーの具体例としては、グリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(アクロイル基が3以上のもの)、イソシアヌレートトリアクリレート等が挙がられ、好ましくは、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート(アクロイル基が3以上のもの)、であり、分子量が200〜3,000程度の範囲、好ましくは300〜2,000程度の範囲のものが使用される。また、インク組成物中のモノマー含有量は、1〜50重量%程度の範囲、好ましくは3〜30重量%程度の範囲である。
モノマーの具体例としては、グリセリルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(アクロイル基が3以上のもの)、イソシアヌレートトリアクリレート等が挙がられ、好ましくは、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート(アクロイル基が3以上のもの)、であり、分子量が200〜3,000程度の範囲、好ましくは300〜2,000程度の範囲のものが使用される。また、インク組成物中のモノマー含有量は、1〜50重量%程度の範囲、好ましくは3〜30重量%程度の範囲である。
なお、オリゴマーとモノマーは共重合して三次元化する性質を有する。従って、オリゴマーまたはモノマーの含有量は、重合効率、重合速度、重合後の耐性収縮率、重合被膜強度等を考慮して定める必要がある。具体的には、本発明によるインク組成物における、ウレタン系オリゴマーと三官能以上の反応基を有するモノマーとの含有量の比は、95:5〜40:60程度の範囲であり、好ましくは90:10〜50:50程度の範囲である。
光重合開始剤は、例えば、250nm〜450nm程度の領域の紫外線を吸収しラジカルまたはイオンを生成してオリゴマー、モノマーの重合を開始させるものである。代表的なものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンジル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ポリ塩化ポリフェニル、ヘキサクロロベンゼン等が挙げられ、好ましいくは、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムで挙げられる。また、Vicure10、30(Stauffer Chemical社製)、Irgacure184、651、2959、907、369、1700、1800、1850、819(チバスペシャルティケミカルズ社製)、Darocure1173(EM Chemical社製)、QuantacureCTX、ITX(Aceto Chemical社製)、Lucirin TPO(BASF社製)の商品名で入手可能な光重合開始剤も使用することができる。
着色剤としては、水に分散可能な顔料および/または水に分散可能な染料が用いられる。顔料としては、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
本発明に使用する紫外線硬化型インク組成物にあっては、着色剤がアナターゼ型二酸化チタンであることが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンを含んでなるインク組成物は、ルチル型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン等の他の結晶構造を有する二酸化チタンを含んでなるインク組成物と比較して、インク組成物の分散安定性を向上させることができる点で有利である。また、アナターゼ型二酸化チタンを含んでなる本発明によるインク組成物は、インクジェット記録に用いられた場合、安定した印字と良好な画像とが実現することができる。さらに、着色剤として用いるアナターゼ型二酸化チタンは、その粒径が2.0μm以下程度のものが好ましく、特に好ましくは、粒径が0.2μm以下のものが好ましい。上記範囲の粒径を有するアナターゼ型二酸化チタンを用いると、インク組成物の分散性を向上させることができると考えられる。
その他、インク組成物を構成する成分としての水溶性溶媒は、水と水溶性有機溶媒からなのが好ましい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、インク組成物を長期保存する場合には、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、カビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどが挙げられる。
1.紫外線照射光源の製造
直径5mmの円形断面を有するLED素子(発光波長365nm;NS365C、カーボンナイトライド社製)の胴体側面を、一辺が3.54mmの正方形となるように加工した。得られたLED素子を10mm×210mmの基盤上に、2行×59列となるように隙間なく配置することにより、照射光源1を得た。
直径5mmの円形断面を有するLED素子(発光波長365nm;NS365C、カーボンナイトライド社製)の胴体側面を、一辺が3.54mmの正方形となるように加工した。得られたLED素子を10mm×210mmの基盤上に、2行×59列となるように隙間なく配置することにより、照射光源1を得た。
また、未加工の円形断面を有する上記LED素子を用いて、上記と同様の基盤上に2行×42列となるように配置することにより、照射光源2を得た。
得られた各照射光源を、既存のインクジェット記録装置(PX-V600、セイコーエプソン社製)の排紙部分の直上に組み込むことにより、インクジェット記録装置を作製した。
2.インク組成物の調製
硫酸法により得られた含水酸化チタン(100重量部)に下記化合物を添加した混合物を、1200℃に加熱することにより、表面処理二酸化チタンを得た。得られた表面処理二酸化チタンはアナターゼ型であり、その平均粒子径は0.13μmであった。
硫酸法により得られた含水酸化チタン(100重量部)に下記化合物を添加した混合物を、1200℃に加熱することにより、表面処理二酸化チタンを得た。得られた表面処理二酸化チタンはアナターゼ型であり、その平均粒子径は0.13μmであった。
リン酸アンモニウム 0.3重量部
硫酸カリウム 0.3重量部
硫酸アルミニウム 0.3重量部
得られた表面処理二酸化チタン1500gとイオン交換水1000gとを混合して、サンドミルを用いて2時間分散することにより、平均粒子径130nm、顔料濃度60wt%の二酸化チタンスラリーを得た。
硫酸カリウム 0.3重量部
硫酸アルミニウム 0.3重量部
得られた表面処理二酸化チタン1500gとイオン交換水1000gとを混合して、サンドミルを用いて2時間分散することにより、平均粒子径130nm、顔料濃度60wt%の二酸化チタンスラリーを得た。
得られた二酸化チタンスラリーを顔料として用い、下記化合物を攪拌混合して均一になった溶媒に上記顔料を添加して20分間攪拌した後に、5μmのメンブランフィルターでろ過することによりインク組成物を得た。
二酸化チタンスラリー 33重量部
ウレタン系オリゴマー
(水性ウレタン系オリゴマー分散体;NR445、ゼネカ製) 19重量部
モノマー(ジペンタエリスリトールポリアクリレート;A-9530、新中村化学製)
7.5重量部
光重合開始剤
(イズガキュア1700、チバスペシャリティーケミカルズ製) 1.5重量部
イオン交換水 残量
得られたインク組成物を使用し、上記で作製した各インクジェット記録装置を用いて記録を行った。記録媒体として写真用紙(KA420PSK、セイコーエプソン社製)を用い、用紙全面に一様な印刷を実施して、印字後0.5秒後に紫外線照射を行った。照射光源1および2の両方とも、積算光量が2000mJ/cm2となるまで紫外線を照射させた。
ウレタン系オリゴマー
(水性ウレタン系オリゴマー分散体;NR445、ゼネカ製) 19重量部
モノマー(ジペンタエリスリトールポリアクリレート;A-9530、新中村化学製)
7.5重量部
光重合開始剤
(イズガキュア1700、チバスペシャリティーケミカルズ製) 1.5重量部
イオン交換水 残量
得られたインク組成物を使用し、上記で作製した各インクジェット記録装置を用いて記録を行った。記録媒体として写真用紙(KA420PSK、セイコーエプソン社製)を用い、用紙全面に一様な印刷を実施して、印字後0.5秒後に紫外線照射を行った。照射光源1および2の両方とも、積算光量が2000mJ/cm2となるまで紫外線を照射させた。
照射光源1を用いたものにあっては、単位面積あたりの照射効率は、7.94mW/cm2であった。これに対し、照射光源2を用いたものにあっては、照射効率は4mW/cm2であった。
また、積算照射時間は、照射光源1を用いたものにあっては252秒であり、一方、照射光源2を用いたものにあっては500秒であった。
Claims (7)
- LED素子を配列した照射光源を備えるインクジェット記録装置であって、前記LED素子の断面形状が多角形であり、それらの素子が隙間なく配列されてなる、インクジェット記録装置。
- 前記LED素子の断面形状が正方形である、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記LED素子の発光波長が、400nm以下である、請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記照射光源が、記録ヘッドの両端に設けられてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記照射光源と前記記録ヘッドとの間に隙間が設けられてなる、請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- 記録ヘッド走査方向と垂直方向における前記照射光源からの照射範囲が、記録ヘッドの幅よりも広い、請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項4〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を用いた記録方法であって、記録ヘッドのノズルから紫外線硬化型インクを吐出させて記録媒体に付着させ、記録ヘッドの両端に設けた照射光源のうち、走査方向と反対側に備えてなる照射光源のみを点灯させてインク硬化を行い、前記記録ヘッドの走査方向が逆向きとなった際に、点灯している前記照射光源を消灯して、他方の照射光源を点灯させることにより、逆向きの走査方向時に吐出された紫外線硬化型インクの硬化を行う、記録方法。
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