以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像処理システムの概要>
図1は、本発明に係る画像形成装置を備えた画像処理システムを示す概略図である。この画像処理システム1は、画像入力端末3および画像出力端末7を備える。
画像入力端末3は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3d、さらにはFAX装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像出力端末7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像出力端末7に送られる。このPDLデータを受け取った画像出力端末7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスタデータを出力する。
画像出力端末7は、本発明に係る画像形成装置の一例であって、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
この画像出力端末7は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と端末全体の動作を制御する制御機能とを備えたコントローラ部20、およびコントローラ部20からの画像データに基づいて所定の記録媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30、および複数(たとえばA4,B4,A3の各サイズや、裏面紙や色紙など;図では3つ)の給紙トレイ82の内の何れかから記録媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備える。コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板38上に設けられている。
また画像出力端末7は、接続ケーブルやネットワークを介して外部機器に接続可能になっている。たとえば、接続ケーブル90は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LAN8という)によりパソコン3aなどの画像入力端末3に接続される。
あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )9を介してFAX装置3eなどの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
また、画像出力端末7は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gを介してリモートで画像出力端末7を制御することもできるようになっている。
このような構成により、画像出力端末7は、前述のように、画像読取部10にて読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、接続ケーブル90を介してパソコンなどの画像入力端末から取得した文書データや画像ファイルなどに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータやその他の画像データに基づいて印刷出力する機能も備えるようになる。
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する操作パネル部15aやオペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bを有するユーザインタフェース部15とを有している。なお、操作パネル部15aや操作キー部15bに代えて、あるいはこれらとともに使用される大型ユーザインタフェースあるいはメンテナンス画面を備えたユーザインタフェース装置16を設けてもよい。
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
このようにして、読取りが完了すると、コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像出力端末7をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
処理基板38には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、コントローラ部20の画像処理機能部や画像出力端末7全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像出力端末7内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82などを制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
この画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(A4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。
画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
<画像出力端末の信号系統>
図2は、画像出力端末7における画像処理機能に着目した信号系統を示す機能ブロック図である。画像読取装置10は、スキャナ部20と読取信号処理部22とを有する。
<画像読取部の構成>
画像読取部10は、スキャンデータを生成する画像入力端末の機能を備えている。たとえば画像読取部10は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を有する受光部110と、受光部110によって取得された撮像画像に対してAGC(Auto Gain Control;自動ゲイン調整)、AOC(Auto Offset Control;自動オフセット調整)、A/D変換などの信号処理を施す読取信号処理部120とを備える。
たとえば、受光部110は、図示しない光源にて照明光をカラー原稿に照射し、その反射光をR(赤)、G(緑)、B(青)の3ラインのCCDで光電変換することで、R,G,Bの3系統のアナログ電気信号を得る。読取信号処理部120は、受光部110にて得られたアナログ電気信号を、A/D変換器でデジタル画像信号に変換し、それぞれR,G,Bのデジタル画像データを出力する。
また、画像読取部10は、読取信号処理部120からのデジタル画像データに対して所望の処理を施す第1画像処理部130および第1画像処理部140を備える。第1画像処理部130は、R,G,Bの各デジタル画像データをL*、第1の色差信号a*、第2の色差信号b*に色変換し(以下“*”を省略してそれぞれL,a,bと記す)、またL,a,bの各画像データに対して拡大または縮小、MTF(Modulation Transfer Function )補正、画質調整、下色除去など画像処理を施す。第2画像処理部140は、L,a,bの各画像データを画像出力部30側の色空間であるY,M,C,Kの4色データに色変換し、画像出力部30のエンジン部の階調特性に合わせて階調変換を施す。この後、第2画像処理部140は、必要であれば2値化処理を加えて、印字可能形式データに変換してから、処理済の画像データをコントローラ部20に渡す。
また、画像読取部10には、読み取った原稿中にインサートページが存在するか否かを検知するインサートページ検知機能を備えるようにするとよい。インサートページの検知は、交換対象ページであることを示す情報を検知することで実現される。その一例として、交換対象ページであることを示すページ画像として実質的に白紙状態のページ画像を使用するのであれば、白紙検知機能を備えるようにすればよい。この場合、読み取った画像データを印字可能形式データに変換すると同時に、読み取った原稿が白紙原稿や無地原稿など有効画像部分が含まれていない原稿(以下白紙原稿で代表させる)かどうかをチェックし、白紙原稿の場合には、そのフラグFGWをそのページ画像に付しておく。つまり、スキャンジョブを印字可能形式データに変換すると同時に、コントローラ部20側にてインサートページを容易に検出可能なフラグFGWを生成する。
<コントローラ部の構成>
コントローラ部20は、制御部210、画像処理部220、画像蓄積部230、およびインタフェース部240を備えている。本実施形態の制御部210は、本発明に係る制御部の機能の他に、クライアント端末から送られる印刷ジョブデータに基づいて、またはユーザインタフェース部15を介してユーザから指定入力される情報に基づいて、差込合成モード時における差込み画像の差込み位置を取得する差込み位置情報取得部、または差し込むべき差込ページ画像情報を取得する差込ページ画像情報取得部の機能も備えている。
制御部210は、中央制御部(CPU;Central Processing Unit )212と、プログラムデータなどの固定的なデータを保持するROM(Read Only Memory)、画像データや処理中のその他のデータなどを一時的に保存するRAM(Random Access Memory)などを有するメモリ部214と、中央制御部212やメモリ部214と他の機能部との間の画像データや制御データが流れるPCI(Peripheral Component Interconnect )バスを中継するブリッジ部216とを有する。
中央制御部212は、画像出力端末7全体をメモリ部214のROMに記憶されている制御プログラムをメインメモリとしてのRAMにロードして、コントローラ部20内の各部を制御する。なお、コントローラ部20内のメインバス(PCIバス)に存在する画像データや制御データは、特定のフォーマットに基づいたものになっており、ブリッジ部216を介して中央制御部212と記憶装置236の図示しないコントローラとが授受を行なう構成を採る。
画像処理部220は、プリントジョブの画像データについて描画展開処理(デコンポーズ)しY,M,C,Kの4色データに変換し、また画像出力部30のエンジン部の出力装置の階調特性に合わせて階調変換を施すことで、印刷可能形式の画像データに変換する。なお、ジョブとは、基本的には、複数のページから構成される画像データ群を意味する。処理対象ページが1ページの場合には、複数ではなく1つの画像のみで1つのジョブが構成される。
また、画像処理部220は、プリントジョブ中にインサートページが存在するか否かを検知するインサートページ検知機能を備えるようにするとよい。インサートページの検知は、交換対象ページであることを示す情報を検知することで実現される。その一例として、交換対象ページであることを示すページ画像として実質的に白紙状態のページ画像を使用するのであれば、白紙検知機能を備えるものとすればよい。たとえば、デコンポーズして印字可能形式に変換すると同時に、デコンポーズしたページが白紙かどうかをチェックし、白紙の場合には、そのフラグFGWをそのページ画像に付しておくとよい。つまり、プリントジョブを印字可能形式データに変換すると同時にインサートページを検出する。
画像蓄積部230は、ページ単位で画像データを保持するページメモリ部232と、ページメモリ部232を制御するメモリ制御部234と、主に外部機器から取り込んだ印刷用の画像データを格納するハードディスク装置(HDD;Hard Disk Drive )やその他の不揮発性の記憶媒体からなる記憶装置236とを備える。メモリ制御部234は、画像読取部10の第2画像処理部140からコントローラ部20に入力された画像データを、ページメモリ部232に一旦記憶させる。この際、画像処理部220は、必要に応じて、色に関する画像変換や拡大、縮小、変形編集などを行なう。
インタフェース部240としては、パソコン3eやFAX装置3eなどの画像入力端末3としての外部機器との間のインタフェース機能をなす入出力インタフェース部242と、画像出力部30の画像形成ユニット32との間のインタフェース機能をなすビデオインタフェース部244とを有する。
スキャン処理時には、コントローラ部20は、ページメモリ部232に蓄積されたスキャンデータに対してローテーションなどの処理を必要に応じて施した後に、記憶装置236に貯える。また、電子ソートを行なった後、処理済みの画像データを画像形成ユニット32に送る。
また、プリント処理時には、コントローラ部20は、クライアントのパソコン3aやデータ格納装置3dなどからLAN8またはFAX装置3eやUSB機器3gなどの周辺デバイスからローカルインタフェースを介して送られてきたPDL形式のプリントデータを、それぞれのインタフェースで受け取った後に一旦記憶装置236に蓄積させる。この後、制御部210は、プリントジョブを起動し、このプリントジョブの印刷データのプリント順序が指示されると、記憶装置236から対象の印刷データを読み出し、画像処理部220に送る。つまり、コントローラ部20は、ネットワーク上のプロトコル処理を制御することで、プロトコルにより抽出したパケット内容の解析や印刷用データの分離など、プリントサーバとしての制御を行なう。
画像処理部220は、印刷データをY,M,C,Kの4色データに変換の後、エンジン部の階調特性に合わせて階調変換を施した後に、印刷可能形式データに変換し再度記憶装置236に記憶する。この後、制御部210は、再度記憶装置236に貯えられた印刷可能形式データを読み出して、画像形成ユニット32に送る。
<画像出力部の構成>
画像出力部30は、画像読取部10にて得られた画像信号により表されるスキャン画像や外部機器から取り込んだ印刷画像に基づいて、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する。具体的には、本実施形態の画像出力部30では、コントローラ部20から入力された印刷可能形式データにスクリーン処理やその他の出力処理を施す出力処理部310と、ラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを有する画像形成ユニット32と備える。
画像形成ユニット32は、たとえば、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたK,Y,M,C(図ではその内の1色についてのみ示す)の各色の画像形成部320を有する。画像形成部320の中央部には、感光体ドラム322が配され、この感光体ドラム322の周囲には、一次帯電器323、現像器324、および転写帯電器325、クリーナ326などが配設されている。さらに、画像形成ユニット32は、出力処理部310から出力される画像形成データに基づいて書込光を発する半導体レーザからなる光源332と、潜像を感光体ドラム322に記録するためのポリゴンミラー334と、複数枚の反射ミラー336などを有する書込走査光学系330を備える。
このような構成の画像出力部30では、スキャン画像に基づく複写ジョブおよび印刷データに基づくプリントジョブともに、画像出力部30に送られた印字可能形式データに基づいて、出力処理部310にてスクリーン処理を施した後に、ROSベースの画像形成部320にて、光源332によりレーザ点灯信号に変換し、感光体ドラム322に照射することで静電潜像を形成するというゼログラフィのプロセスを用いて、さらに図示しない用紙搬送手段で搬送されてきた記録用紙に転写(印字)することで、可視画像を出力する。
<ユーザインタフェース部の構成>
図3は、ユーザインタフェース部15の一例を示した図である。図3に示すように、ユーザインタフェース部15は、画像出力端末7の状態や画像出力端末7を使用するためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などをユーザに知らせたり、ユーザによる各種の設定などを受け付けたりするために、ユーザに対してメッセージを表示するための表示部としての操作パネル部15aと、操作の指示を行なうためのキー入力部としての操作キー部15bと備える。なお、操作パネル部15aは、表示の機能だけでなく、操作の指示を行なうためのタッチセンサの機能も含んでいる。この操作パネル部15aおよび操作キー部15bの制御は、図示しないパネルコントローラにて行なわれる。
操作キー部15bとしては、複写枚数などの置数や複写倍率などを入力するテンキー610、置数などを予め設定された標準値に戻すクリアキー620、画像出力端末7内部に設定された設定値を予め設定された標準値に戻すリセットキー622、複写動作を開始させるスタートキー630、および複写動作を中止させるストップキー632が設けられている。
また操作キー部15bとしては、複写モードとして、通常モード、両面モード、および差込合成モードの何れか1つを選択設定するモード設定キー642、およびすべての原稿の読込みが完了したとき、その旨を画像出力端末7に入力する読込み完了キー646が設けられている。なおモード設定キー642により設定されたモードが通常/両面/合成の何れであるか表示する表示LED650が設けられている。
また操作キー部15bとしては、操作パネル部15aに表示されているメニュー画面上での操作を容易にするための上シフトキー662、下シフトキー663、左シフトキー664、右シフトキー665、および確定キー666からなる設定変更キー群660が設けられている。操作キー部15bの、前記各キーから指示された情報は、ユーザインタフェース部15のパネルコントローラを介してコントローラ部20の中央制御部212に通知される。
操作パネル部15aは、たとえば液晶タッチパネルにより構成されており、その表示画面には、画像出力端末7の各種モードに応じた各種のメニュー画面が表示される。たとえば用紙選択、倍率設定、両面/片面選択、ジョブメモリ設定などの指定ができる基本画面と、通常読取モード、外部機器から取得したプリント画像と画像読取部10にて読み取ったスキャン画像とを、ページ単位で合成(オーバーレイとは異なり差込みである)する差込合成モードなどの基本仕様の指定ができる機能設定画面、差込合成モード時に合成処理の詳細仕様を設定する画面や、その際の差込み対象画像あるいは交換対象画像の確認画面などが表示されるようになっている。
<差込合成モードのジョブ例>
図4〜図9は、差込合成モードにおけるジョブフォーム(画像データ群)の一例を示した図である。差込合成モードは、画像出力用の複数のジョブ中の画像をページ単位で差込合成して新たなジョブを生成して画像出力を行なうモードである。ここでは、プリントジョブPJとスキャンジョブSJを例にして説明する。この場合、プリントジョブPJのページ画像とスキャンジョブSJのページ画像とをページ単位で混在させるモードであり、スキャン画像差込みモードとプリント画像差込みモードの2つがある。
スキャン画像差込みモードは、図4〜図9の括弧なしで示すページ番号のように、ユーザが印刷を所望する複数のプリント画像からなるプリントジョブPJにおける所定のページ位置に画像読取部10にて読み取ったスキャン画像(1ページ分でもいし複数ページ分でもよい)をインサートして所望の印刷結果を得る、プリントジョブPJがマスターとなる差込合成モードである。
一方、プリント画像差込みモードは、スキャン画像差込みモードとは逆の差込合成モードであって、図4〜図9の括弧内に示すページ番号のように、ユーザが複写を所望する画像読取部10にて読み取った複数のスキャン画像からなるスキャンジョブSJにおける所定のページ位置に、プリントジョブPJ中の所定のプリント画像(1ページ分でもいし複数ページ分でもよい)をインサートして所望の印刷結果を得る、スキャンジョブSJがマスターとなる差込合成モードである。
なお、スキャン画像差込みモードとプリント画像差込みモードは、プリント画像とスキャン画像の何れをマスターとするのかによって定義しているもので、マスターとなる画像のページ数の方が差込用の画像のページ数よりも多い場合に限らず、マスターとなる画像のページ数の方が差込用の画像のページ数よりも少ない場合であってもよい。
この差込合成モードにおいて、他方のページ画像をインサートするページ位置(被インサートページ)やインサート対象のページ画像(差込み画像)を指示する手法としては、クライアント端末としての画像入力端末3側のプリント設定画面にてページ位置および差込み画像の双方を指示する第1の手法と、画像出力端末7のユーザインタフェース部15にてページ位置および差込み画像の双方を指示する第2の手法と、クライアント端末側のプリント設定画面および画像出力端末7のユーザインタフェース部15において、被インサートのページ位置および差込み画像のページ番号の何れか一方ずつを指示する第3の手法、の何れかを採り得る。
また、被インサートのページ位置やインサートするページ画像(差込み画像)に関しては、画像入力端末3側にて予め被インサートのページ位置や差込み画像を自動認識可能な差込合成情報を各ジョブ中に埋め込んでおくことで、画像出力端末7における出力処理の際、その差込合成情報に従って差込み画像を被インサートのページ位置にインサートする手法を採ることもできる。
たとえば、図4〜図6に示すように、被インサートページ番号やインサートページを示す差込合成情報をジョブ中のヘッダ情報として埋め込んでもよい。この場合、画像出力端末7では、中央制御部212が、ヘッダ情報を参照して、作業ジョブにおける被インサートページの次ページに差込対象ページを設定(ページ追加)する。差込み画像の情報も含まれていれば、その情報に従ってインサートジョブ中から選択して被インサートページの次ページに差し込む。なお、1つの被インサートページに対して複数のインサートページを割り当てる場合は、図6に示すように、被インサートページの次ページ以降に指定されている差込対象ページ数分を連続して追加(ページ追加)する。こうして、画像出力端末7は、差込合成ジョブJoutを作成し、この差込合成ジョブJoutに従って出力処理を行なうことで、被インサートジョブ(たとえばプリントデータ)の被インサートページ1ページ分に対して、1ページあるいは複数ページのインサート画像(たとえばスキャン画像)をページ単位で埋め込んでいくことができる。
あるいは、交換対象ページであることを示すページ画像をジョブ中に挿入する手法を採ることもできる。1つの被インサートページに対して複数のインサートページを割り当てる場合は、交換対象ページであることを示すページ画像を連続して挿入する。
交換対象ページであることを示すページ画像としては、たとえば図7〜図9に示すように、差込合成情報としての白紙ページをジョブ中に挿入する手法を採ることもできる。白紙ページを差込合成ページとして対応付けることで、マスタージョブの任意の位置に差込み画像をページ合成することが非常に簡便な操作で、また高価な装置を追加することなく、非常に安価に実現できる。
また、図7のP4(S4)部分の代替えとして示すように、「交換対象ページ」あるいは「このページがスキャン画像に交換されます」という文字が出力されるページ画像を利用することができる。この文字は、ページ中の所定位置(たとえばヘッダやフッタの部分)に所定サイズで出力することとして決めておくとよい。画像出力端末7側ではその情報を検知すると、この交換対象ページを差込み用のページ画像に差し替えることができる。
なお、1つの被インサートページに対して複数のインサートページを割り当てる場合は、図9に示すように、連続する複数の白紙ページを挿入する。この場合、画像出力端末7では、たとえばデコンポーズした印字可能形式のページ画像を解析して白紙ページであるか否かを判定し、白紙ページであれば被インサートページであると判定する。この判定は、回路構成や処理対象ジョブに応じて中央制御部212や画像処理部220にて行なう。また、インサートページの情報も含まれていれば、差込対象ページ画像(白紙ページ)をインサートページの情報に従ったページ画像に置き換える。こうして、画像出力端末7は、差込合成ジョブJoutを作成し、この差込合成ジョブJoutに従って出力処理を行なうことで、被インサートジョブ(たとえばプリントデータ)の白紙ページ部分(被インサートページ)に対して、1ページごとに、インサート画像(たとえばスキャン画像)をページ単位で埋め込んでいくことができる。
第1〜第3の何れの手法を採る場合であっても、スキャン画像とプリント画像をページ単位で合成するルール(指示)を予め所定のジョブメモリ(合成規則記憶部)に記憶しておき、ジョブメモリから読み出した指示によって定型的な合成操作を繰り返し実行する繰返指示手段(Build JOB )を設けるようにすると、差込合成処理時の使い勝手がよくなる。この繰返指示手段は、クライアント端末側に設けておいてもよいし、画像出力端末7側に設けておいてもよい。前者の場合、プリンタドライバに繰返指示手段の機能を持たせるとよい。また後者の場合、たとえばメモリ部214や記憶装置236がジョブメモリの機能をなし、制御部210が繰返指示手段の機能をなすようにすればよい。
差込合成モードにおいて、一方のジョブ中に他方のジョブの所定ページの画像をインサートする機能は、たとえば、コントローラ部20の記憶装置236を利用した電子ソート(EPC;Electronic Pre Collation)にて実行することができる。その指示は、画像出力端末7のユーザインタフェース部15にて行なうことができるし、クライアント端末としての画像入力端末3におけるプリントジョブ設定の際に指定することもできる。
たとえば、プリントデータを一旦記憶装置236に蓄積し、蓄積されているプリントジョブのリストをユーザインタフェース部15の操作パネル部15aに表示し、そのリストからプリントジョブを選択した直後に原稿をスキャンして画像読取部10にて読み取ることで、スキャンした原稿をページ単位で蓄積してあるプリントジョブ中にインサートし出力する。なお、スキャンジョブも一旦記憶装置236に格納しておき、所望のタイミングで双方のジョブリストを表示させてから差込合成モードの出力処理を指示するようにしてもよい。
この際、差込合成情報をジョブ中に埋め込んでおかない場合には、プリントジョブの何ページ目から1ページ分のスキャン画像を合成するかを操作キー部15bのテンキー610から指示する。インサート対象のスキャン画像を複数枚とする場合には、複数ページに亘るスキャン画像における何れのページ画像をプリントジョブの何れのページにインサートするかを、操作キー部15bのテンキー610から指示する。
また、プリントジョブ設定を利用する場合、画像出力端末7にてスキャンジョブを一旦記憶装置236に蓄積し、クライアントPCなどでのプリント指示画面で、スキャンジョブを選択しインサート対象のページ画像を選択した後にプリント指示することで、プリントしようとするデータ中にページ単位で蓄積してあるスキャン画像をインサート(差込合成)し、差込合成済みのプリントジョブを画像出力端末7に渡すことができる。画像出力端末7は、この差込合成済みのプリントジョブに従って出力処理すればよい。
この際、プリントジョブの何ページ目から1ページ分のスキャン画像を合成するかをプリント指示画面で設定する。インサート対象のスキャン画像を複数枚とする場合には、複数ページに亘るスキャン画像の何れのページ画像をプリントジョブのどのページにインサートするかを、プリント指示画面で設定する。
図10は、差込合成モードにおける画像編集機能を説明する図である。画像出力端末7は、処理対象のジョブが、通常のスキャンジョブやプリントジョブであるのか、前述の差込合成モードにおけるジョブであるのかに拘らず、スキャン画像やプリント画像に対して所定の画像編集処理を施すことができる。たとえば、図10(A)に示すように、出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大もしくは縮小することや、マスタージョブとインサートジョブのサイズが異なる場合にマスタージョブのサイズに合わせて自動的に拡大もしくは縮小することができる。また、図10(B)に示すように、スキャン画像やプリント画像を出力する用紙方向に合わせて自動的にローテーション(回転;主に90度単位)することができる。また、図10(C)に示すように、スキャン画像とプリント画像をページ単位に合成し、その結果をN−upする、すなわち出力用紙1ページ内へNページ分の画像を所定位置に縮小して割り付けることで、複数ページを1枚の用紙の上に出力することができる。
スキャン画像に対する拡大/縮小は、画像読取部10の第1画像処理部130またはコントローラ部20の画像処理部220にて行なう。一方、プリント画像に対する拡大/縮小は、コントローラ部20の画像処理部220にて行なう。また、スキャン画像およびプリント画像に対するローテーションは、コントローラ部20の記憶装置236を利用したEPC機能にて実行する。また、N−upは、コントローラ部20の記憶装置236を利用したEPC機能と画像処理部220による拡大/縮小機能によって実行する。
このように、差込合成時に、マスタージョブに対する出力指示(たとえばプリント出力指示)時の給紙トレイ82内の用紙サイズや用紙方向に合わせて、差込み画像を取得する際に(たとえばスキャン時に)、自動的に縮小や回転を施すことにより、ユーザは拡縮率や用紙方向を意識してスキャン時に操作パネルから指示することなく、簡便な操作で差込合成した出力を得ることができ便利である。
同様に、マスタージョブに対する出力指示の際にN−upの指示をしておくことで、差込合成結果として得られる複数(N)ページを1枚の用紙上に割り付けて出力されるように割付処理を施すことにより、ユーザは差込み画像の割付位置を意識してスキャン時に操作パネルから指示することなく、簡便な操作で差込合成かつN−upした出力を得ることができ便利である。
<操作パネルのメニュー画面例>
図11〜図13は、操作パネル部15aに表示される差込合成モード時の操作画面の一例を示す図である。ここで、図11は、合成処理対象のジョブを指定するジョブ選択画面の一例を示す。また図12および図13は、前記のジョブ選択画面にて選択されたジョブに関しての合成処理の詳細設定画面の一例である。
図11(A)では、プリントジョブをマスタージョブとし、インサートジョブとしてのスキャンジョブにより取得したスキャン画像を、プリントジョブ中の所望のページ位置にインサートするスキャン画像差込みモードの場合を例示している。
ここで、図11(A)に示すマスタージョブの選択画面では、これから出力処理すべき印刷用データを選択するためのプリントジョブがリスト表示される。なお、ここにリスト表示されるのは、クライアントPCのプリント指示画面にて合成処理が選択されたジョブだけである。このようなプリントジョブを画像出力端末7が受け取ると、直ちに出力処理を完結させるのではなく、受け取ったままあるいは所定部分まで処理を行なった後に一旦記憶装置236にそのジョブを記憶しており、この記憶されているプリントジョブに関する、ジョブNO、ジョブ名、トータルページ数、ユーザIDなどが図11(A)に示すように表示される。
なお、スキャンジョブをマスタージョブとし、インサートジョブとしてのプリントジョブにより取得したプリント画像を、スキャンジョブ中の所望のページ位置にインサートするプリント画像差込みモードの場合には、図11(B)に示すように、画像出力端末7の操作画面にてスプール処理(スキャンジョブとして記憶装置236に記憶させておく処理)が選択されたジョブがリスト表示されるとともに、これから読み取るジョブ(デフォルトジョブ)を選択可能にするボタンBT10も表示される。スプール処理したスキャンジョブを選択すれば、毎回原稿を読み取ってラスタイメージ化することなく、1回のラスタ化で済ませ、任意のタイミングでプリントジョブ中の所定ページをスキャンジョブ中に差し込むことができ、出力スループットが向上する。
インサートジョブの選択画面については図示を割愛するが、基本的には、図11(A)もしくは図11(B)と同様に、プリントジョブやスキャンジョブがリスト表示される。その際、図11(A)や図11(B)における“マスタージョブ選択”という表示が“インサートジョブ選択”になる。ユーザは、画像入力端末3側で指示した差込み合成処理のルールを覚えていなくても、この表示から自身が設定した条件を確認することができ便利である。
なお、スプール処理したスキャンジョブを選択すれば、毎回原稿を読み取ってラスタイメージ化することなく、1回のラスタ化で済ませ、任意のタイミングで、スキャンジョブ中の所定ページをプリントジョブ中に差し込むことができ、印刷スループットが向上する。たとえば、用途の異なる任意の表紙や裏表紙を、さらには所定ページ間に予め取得してある所望のスキャン画像を、それぞれ即時に差し込む、すなわちプリントジョブに追加することができ、印刷スループットが向上する。
マスタージョブおよびインサートジョブの各選択画面において、リスト表示の各ジョブは、OKボタンBT11が押下されるまで出力処理されることはない。たとえば、図11(A)において、ジョブが選択されハイライト表示された状態でOKボタンBT11が押下されると、操作パネル部15aには、図11(A)に示すインサートジョブの選択画面が表示され、キャンセルボタンBT12が押下されると、選択されているハイライト部分が消滅し、さらにこの状態でキャンセルボタンBT12が押下されると、それ以前のメニュー画面に戻る。
また、図11(B)において、ジョブが選択されハイライト表示された状態でOKボタンBT11が押下されると、操作パネル部15aには、図12に示す詳細設定画面が表示され、キャンセルボタンBT12が押下されると、選択されているハイライト部分が消滅し、さらにこの状態でキャンセルボタンBT12が押下されると、それ以前のメニュー画面(ここでは図11(A)に示す画面)に戻る。
図12に示す画面では、前記のジョブ選択画面にて選択されたジョブに関して、合成処理の詳細を設定可能になる。たとえば、図12(A)に示すように、差込合成モードの状態を示す表示LD21,LD22の何れか一方が点灯するとともに、画面の左側にはマスタージョブとして指定されたジョブの詳細と、マスタージョブのどのページにインサートするかを示す被インサートジョブページ番号が表示される。また、画面の右側にはインサートジョブとして指定されたジョブの詳細と、被インサートジョブページに対してマスタージョブのどのページをインサートするかを示すインサートジョブページ番号を入力する画面が表示される。
なお、結果的に、被インサートページと、そこに差し込まれる差込み画像との対応付けがなされればよく、その指定方法は前述の例に限らない。差込み画像とするべきページ画像と、出力対象ジョブデータへの差込み順の指定を受け付けるようにしてもよい。
たとえば、図12(A)に示すように、クライアント端末側で被インサートページが指定されていると、マスタージョブ部分には、被インサートページとして指定するマスタージョブ中のページ番号を指定するページ入力欄BX20に指定済みのページ番号が自動的に表示される。被インサートページが複数の場合には、ページ入力欄BX20がリスト表示される。
白紙ページによる差込合成情報が予めジョブ中に埋め込まれていて、デコンポーズ処理までを行なって印字可能形式のデータに変換してから一旦記憶装置236に記憶する場合には、白紙検知機能を追加しておきインサートページを自動検出すると、ページ入力欄BX20には、被インサートジョブページ番号が自動的に表示される。また、被インサートページ番号を示す差込合成情報が予めジョブ中のヘッダ情報として埋め込まれている場合には、制御部210は被インサートページ番号を解読して、ページ入力欄BX20に、その被インサートページ番号を自動的に表示する。
なお、デコンポーズ処理中に白紙検知機能を設けない場合には、白紙ページによる差込合成情報が予めジョブ中に埋め込まれていても、この時点では被インサートページ番号は表示されない。
ユーザは、操作パネル部15aに表示される図12(A)の表示画面のインサートジョブのページ入力欄BX22に対して差込みページの指示情報を操作キー部15bのテンキー610から入力することにより、図12(B)に示すように、インサートジョブのどのページ画像をマスタージョブのどのページにインサートするかの設定を行なうことが可能になる。なお、被インサートページがクライアント端末側で指定もしくは操作パネル部15aにて入力されていない限り、インサートページの入力ができないようになっている。
操作キー部15bにて指定する場合、テンキー610を使用してページ入力欄BX20に直接に入力する。被インサートページを複数とする場合には、追加ボタンBT22を押下することで、ページ入力欄BT20が順次リスト表示される。そして、図示するように、被インサートページとして指定した1ページに対して、インサートジョブ中から任意に選択した1つのページ画像を割り当てることもできるし、複数のページ画像を割り当てることもできる。複数のページ画像を差込み画像として割り当てる際には、その画像を含むジョブ中のページ順に関わらず、任意のページを割り当てることができる。
ユーザは、操作キー部15bのテンキー610を使うことで、被インサートページ番号が表示されていない場合でも、ページ入力欄BX20に被インサートページ番号を指定することができる。これにより、差込合成情報をジョブ中に埋め込んでおかない場合でも、プリントジョブの何ページ目から1ページ分の画像を合成するかを指示することができる。また、被インサートページ番号が自動的に表示されている場合でも、被インサートページ番号を指定(この場合は変更に相当)することができる。デフォルトボタンBT23を押下することで、被インサートページ番号を自動取得していればそのページ番号に、また自動取得していなければ初期値(たとえば空欄、表紙、裏表紙、見返しなど;ユーザ設定可能にする)が表示される。
また、インサートジョブ部分には、マスタージョブ部分に表示されている被インサートページの次にインサートするべきインサートジョブ中のページ番号を指定するページ入力欄BX22がページ入力欄BX22の被インサートページ番号に対応して表示される。被インサートページが複数の場合には、この対応がリスト状に表示される。登録数が表示エリアより多いときには自動的にカーソールバーが自動的に表示され“↑”や“↓”ボタンやアクティブカーソル(図中のハッチング部分)をクリックすることで表示対象部分を切り替えることができる。マスタージョブ部分とインサートジョブ部分とは、何れの表示部分にて切替指定をしても、両者のページ番号が対応するように連動して切り替わる。
ユーザは、操作キー部15bのテンキー610を使うことで、ページ入力欄BX22にインサートすべき画像のページ番号を指示することができる。なお、白紙ページによって被インサートページ番号を自動取得していれば、1つの白紙ページに対して1つの差込み画像を割り当てるのが原則であるから、そのページ番号を変更していた場合であっても、1つの被インサートページに対して1つのページ番号を割当て可能に制限される。
一方、被インサートページ番号を自動取得していなければ、フルマニュアル指定が可能となり、1つの被インサートページに対して複数のページ番号(連続した番号でもよいし、飛び飛びの番号でもよい)を割り当てることができる。これにより、ページ入力欄BX20に表示されている被インサートページの次に、複数ページに亘って、ページ入力欄BX22で指定した複数ページ分のインサート画像を連続して(纏めて)インサートすることができる。なお、差込み対象画像や交換対象画像を操作パネル部15aの表示部(あるいはユーザインタフェース装置16の画面でもよい)に表示させて、それら画像を確認することもできる。
ユーザは、この詳細設定画面にて、被インサートページとインサート対象のページ番号を指示し、この後、OKボタンBT38を押下してプリント指示する。制御部210はこの通知を受けると、指定された条件に従って出力処理を開始する。一方、キャンセルボタンBT39が押下されると、指示入力しているページ番号がデフォルトにクリアされ、さらにこの状態でキャンセルボタンBT39が押下されると、それ以前のメニュー画面(ここでは図11(B)に示す画面)に戻る。
なお、スキャン画像差込みモード時であって、スキャン後直ちに出力処理する場合において、指定したページ枚数よりも実際のインサート画像(すなわちスキャン画像)が少なければ、不足部分を白紙にして出力するとよい。あるいは、事前に枚数確認を行なって枚数が少なければ警告を発し、強制実効が指示されない限り、インサート画像が少ない状態での合成出力処理を行なわないようにしてもよい。一方、指定したページ枚数よりも実際のインサート画像(すなわちスキャン画像)が多い場合には、余分な分については出力処理しないようにすればよい。
なお、このようにして指定した合成処理の詳細を示したルールは、ジョブメモリに記憶させておくことができるようになっている。たとえば、“実行後ジョブを記憶”のボタンBT30をアクティブ(たとえば図中の黒丸表示)にしておくことで、制御部210は、処理後自動的にそのルールをメモリ部214の所定の不揮発性のメモリや記憶装置236に記憶する。こうすることで、そのジョブメモリから読み出した合成ジョブの指示を利用することができる。“実行後ジョブを記憶”のボタンBT30を再度押下することで非選択状態にでき、この状態で出力処理を実行した後には、ここで指定した詳細設定はジョブメモリに記憶されない。
そして、差込合成モードを指示したときに、ジョブメモリに合成ジョブが記憶されている場合には、処理設定画面(図示を割愛する)にて合成ジョブを利用する旨の指示を出すことで、直ちに図13の表示画面に切り替わる。これにより、定型的な合成操作を繰り返し実行する繰返指示手段を構築することができる。
図13の表示画面には、“合成ジョブ”のジョブ番号を選択する上シフトボタンBT32と下シフトボタンBT33が表示される。合成ジョブが記憶されていない場合には、これらのシフトボタンBT32,BT33は非表示である。ユーザは、シフトボタンBT32,BT33を操作することで、登録されている合成ジョブの中から、希望の合成ジョブを選択することができる。
この選択に応じて、ページ入力欄BX20の被インサートページ番号とページ入力欄BX22のインサートページ番号の各表示が切り替わる。これにより、登録されている合成ジョブの内容を確認することができる。登録されている合成ジョブの内容を変更して処理したければ、ページ入力欄BX20,BX22の番号を操作キー部15bのテンキー610から入力すればよい。このように、定型的な合成操作を繰り返し実行する繰返指示手段を設けることで、合成処理時の操作が簡易になる。
なお、“実行後ジョブを削除”のボタンBT31をアクティブにしておくことで、制御部210は、実行後に対象となったジョブを記憶しないし、また、記憶してあった合成ジョブを利用した場合は、実行後に記憶してあった合成ジョブを削除する。なお、合成処理を実行しなくても、別のメニュー画面(図示を割愛する)にて、登録してある合成ジョブを削除することもできる。
<プリンタジョブのメニュー画面例>
図14および図15は、クライアント端末としての画像入力端末3において印刷指示を発する際のメニュー画面の一例を示す図である。このメニュー画面は、プリンタドライバによりOS(Operating Systems )を介して所定の表示デバイスに表示処理されるものであり、このメニュー画面上で、ユーザはプリントに必要な情報を設定することができる。
たとえば、図14に表示されている情報や設定内容として、一意的に決められている現在利用可能なプリンタやプリントサーバとしての画像出力端末7の名称、同じく一意的に決められているユーザID、これからプリントを行なう原稿のジョブ(ファイル)名、プリントする用紙サイズ、印刷枚数、指定されたページ内のプリントが可能なように、印刷のページ範囲の指定を設定することができる。プリンタ名(画像出力端末7を含む)を指定するとともにプロパティボタンBT47を押下することで、ページ割付(N−up)や拡大/縮小、あるいはカラー/モノクロなど、プリンタ側の詳細設定を行なうことができる。
加えて、本実施形態特有の部分として、通常印刷ボタンBT40と2種類の差込合成ボタンBT41,BT42とが用意されており、差込合成ボタンBT41,BT42を押下することで、プリント画像とスキャン画像とをページ単位で差込み合成する設定を指示できるようになっている。
たとえば、差込合成ボタンBT41を押下することで、図14に示すように、被インサートページの指定欄BX41に、プリントジョブの何ページ目から1ページ分(あるいは複数ページ分)のスキャン画像を合成するかを設定することができる。なお、“0”を指定すればスキャン画像が1ページの前に表紙として差し込まれる。また、“#”を指定すればスキャン画像が最終ページの後に裏表紙として差し込まれる。指定を解除したければ通常印刷ボタンBT40を押下するか、キャンセルボタンBT49を押下すればよい。
ユーザは、この指定画面にて、被インサートページとインサート対象のスキャンジョブ中のページ番号を指示し、この後、実行ボタンBT48を押下してプリント指示する。画像出力端末7は、差込合成ボタンBT41が押下されたことを示すフラグFG41と被インサートページの情報とをプリントジョブに含めて画像出力端末7に送る。差込合成ボタンBT41が押下されたのみで被インサートページの入力がないときには、差込合成ボタンBT41が押下されたことを示すフラグFG41のみをプリントジョブに含めて画像出力端末7に送る。
画像出力端末7は、受け取ったプリントジョブにフラグFG41が含まれていれば、即時に出力処理を行なうのではなく、画像出力端末7のユーザインタフェース部15を介した指示により差込み用のスキャナ画像が読み取られるまでプリントジョブを記憶装置236に格納して処理を一時中断し、スキャナ画像が読み取られた後に出力処理を再開する。また、フラグFG41とともに被インサートページの情報が含まれているか否かや、画像出力端末7のユーザインタフェース部15を介した差込指示があるか否かに応じて処理を切り替える。
また、差込合成ボタンBT42を押下することで、図15に示すように、差込合成ボタンBT42の下に合成処理の詳細設定画面が表示され、プリントジョブの何ページ目から1ページ分(あるいは複数ページ分)のスキャン画像を合成するかを設定することができるようになる。また、インサート対象のスキャン画像を複数枚とする場合には、複数ページに亘るスキャン画像の何れのページ画像をプリントジョブの何れのページにインサートするかを設定することもできる。なお、被インサートページを先に指定しない限り、インサートページの入力ができないようになっている。
たとえば、プルダウンメニューとしての指定欄BX42と指定欄BX42にて選択されたスキャンジョブの原稿総ページ数が示されるとともに、そのスキャンジョブに基づいて差込用の画像も指定可能な詳細設定リストが表示される。この表示は、図12や図13と同様のもので、マスタージョブとしてのプリントジョブ部分に被インサートページのページ入力欄BX44が、またインサートジョブとしてのスキャンジョブ中のページ番号を指定するページ入力欄BX45が、対応して表示される。なお、指定欄BX42にプルダウンメニューとして表示される差込対象のスキャンジョブリストには、これから読み取るジョブを示す“デフォルトジョブ”も表示されるようになっており、ユーザは、このデフォルトジョブをスキャンジョブとして指示することもできる。“実行後ジョブを記憶”のボタンBT46を押下することで、このジョブ内容をクライアント端末側もしくは画像出力端末7に登録することもできる。
たとえばユーザは、この詳細設定画面にて、プリントジョブの何ページ目の次に1ページ分(あるいは複数ページ分)のスキャン画像を合成するかを設定することができる。たとえば、図示するように、被インサートページとして指定した1ページに対して、スキャンジョブ中から任意に選択した1つのスキャン画像を割り当てることもできるし、複数のスキャン画像を割り当てることもできる。この後、ユーザが実行ボタンBT48を押下してプリント指示すると、画像出力端末7は、差込合成ボタンBT42が押下されたことを示すフラグFG42と被インサートページとそれに対応するインサートページの情報とをプリントジョブに含めて画像出力端末7に送る。画像出力端末7は、この差込合成済みのプリントジョブに従って、即時に出力処理すればよい。
なお、差込合成ボタンBT42が押下されかつ被インサートページの指定があるがインサートページの入力がないときには、差込合成ボタンBT42が押下されたことを示すフラグFG42とともに被インサートページの情報をプリントジョブに含めて画像出力端末7に送る。また、差込合成ボタンBT42が押下されたのみで被インサートページおよびインサートページの入力がないときには、差込合成ボタンBT42が押下されたことを示すフラグFG42のみをプリントジョブに含めて画像出力端末7に送る。
何れの場合も、画像出力端末7は、受け取ったプリントジョブにフラグFG42が含まれているが被インサートページやインサートページの情報が含まれていなければ、即時に出力処理を行なうのではなく、画像出力端末7のユーザインタフェース部15を介したユーザ指示により差込み用のスキャナ画像が読み取られるまでプリントジョブを記憶装置236に格納して処理を一時中断し、あるいは図11〜C3における場合と同様に、画像出力端末7のユーザインタフェース部15を介した差込指示の詳細設定があるか否かに応じて、スキャナ画像が読み取られた後に出力処理を再開する。
<差込合成処理;第1例>
図16は、差込合成処理の第1実施形態を説明するフローチャートである。この第1実施形態の処理手順は、プリントジョブをマスターとして、プリントジョブ中の所定のページ位置にスキャンジョブで得た画像を差し込むスキャン画像差込みモードである。
この第1実施形態は、プリントデータのフォームに被インサートページを示す情報として白紙ページを埋め込んでおくことを基本とし、画像出力端末7側で、スプール(蓄積)しておいたプリントジョブのリストを表示し、そのリストに基づいて所定のプリントジョブがユーザにより選択された直後に差込用の原稿を読み取ることで、読み取った原稿画像を、読み取った順に、ページ単位で、選択されたプリントジョブ中に差込合成して出力することができるようにしている点に特徴を有する。
また、この第1実施形態は、被インサートページを示す白紙ページが埋め込まれていない、あるいは読み取った順とは異なる順で被インサートページにスキャン画像を割り当てるなど、プリントジョブの内容によっては、必要に応じて、ユーザインタフェース部15のテンキー610から、希望の差込合成条件を指示可能としている点に特徴を有する。
ユーザは、先ず、クライアントPCなどの画像入力端末3で所定のアプリケーションプログラムによりプリントジョブ用のデータを生成し一旦ハードディスク装置などに蓄積しておく(S110)。ユーザは、生成したプリントデータに基づいて通常印刷出力する場合(S120−NO)、画像入力端末3上のアプリケーションにて、図14に示したプリントジョブ設定画面を表示させ、この設定画面上でプリンタ名、ユーザID、ファイル名、プリントする用紙サイズ、あるいは印刷枚数などの各種プリントパラメータをセットするとともに通常印刷ボタンBT40をアクティブにする。
また、ユーザは、生成したプリントデータにスキャン画像を差込合成する場合(S120−YES)、各種プリントパラメータをセットするとともに差込合成ボタンBT41をアクティブにしページ指定欄BX41に被インサートページを指定することで、差込合成処理の内容を設定する(S122)。なお、図14に示したプリントジョブ設定画面にて差込合成ボタンBT42を押下して図15に示す詳細設定画面を表示させ、ここで、被インサートページだけでなく、それに対応するインサートページも指定してよい。なお、これから読み取るスキャンジョブを差込画像にするので、デフォルトジョブをスキャンジョブとして選択する。
画像入力端末3は、差込合成ボタンBT41が押下されたことを示すフラグFG41と被インサートページの情報とをプリントジョブに含める。たとえば、プリントデータのジョブフォームには、図7〜図9に示したように、被インサートページとして指定されたページの次に、予め、インサートページごとに白紙ページを挿入する。
以上の設定終了後、ユーザにより実行ボタンBT48が押下されると、画像入力端末3(のプリンタドライバ)は、アプリケーションからOSを介して入力される描画データを解析し、PDL(ページ記述言語)への変換を開始し、クライアント上でのスプール処理を実行することで、プリントジョブデータを生成する。プリントジョブデータが生成されると、画像出力端末7にこのプリントジョブデータを送信し印刷指示を発する(S128)。
画像出力端末7の中央制御部212は、受け取ったプリントジョブに対してジョブIDを付与するとともに、送付されてきたコマンドパケット部から、ユーザID、ファイル名、出力用紙サイズ、印刷枚数、差込合成処理の有無などの各種プリントパラメータをメモリ部214のジョブ管理テーブルに登録する。この後、中央制御部212は、プリントジョブデータの初めに1ページ分の変換されたPDLのコマンドを、コマンドデータブロックとして画像処理部220に渡し描画展開処理を指示する。画像処理部220は、PDLコマンドに基づき描画展開処理(デコンポーズ)することで、Y,M,C,Kごとに1ページ分のイメージデータを作成し、また画像出力部30のエンジン部の出力装置の階調特性に合わせて階調変換を施すことで、印刷可能形式の画像データに変換し、中央制御部212に渡す(S210)。この際、拡大/縮小や用紙サイズに合わせた自動リサイズの設定がされていれば、プリントデータを出力する用紙サイズや拡大/縮小の設定値に合わせて自動的に拡大/縮小あるいは回転を施す。中央制御部212は、メモリ部214のワークメモリ(ここではラスタイメージメモリ用)にイメージデータを画像ファイルとして登録する。
次に中央制御部212は、プリントジョブデータにフラグFG41が含まれているか否かを判定し(S212)、フラグFG41が含まれていなければ、即時に画像出力部30に出力処理を指示する(S212−NO)。また、フラグFG41が含まれていれば(S212−YES)、即時に出力処理を画像出力部30に指示するのではなく、ユーザインタフェース部15を介した指示により差込み用のスキャナ画像が読み取られるまで、デコンポーズ済みのプリントジョブ(画像ファイル)を記憶装置236に格納して、再開指示があるまで処理を一時中断する(S216−NO)。
差込合成(差込合成と蓄積)を指示したユーザは、画像出力端末7まで出向いて、ユーザインタフェース部15を操作して(S216−YES)、図11に示したように、操作パネル部15a上に、現在蓄積されている、プリント指示時に差込合成指示がなされたプリント可能データのリストを表示させる(S220)。ユーザがマスタージョブとして希望するプリントジョブを選択すると(S222)、図12(A)に示したように、差込合成の詳細内容が表示される。
ここで、ユーザが差込合成を指示した際、被インサートページを指定していなければ(S230−NO)、中央制御部212は、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して被インサートページおよびそれに対応するインサートページがユーザによって設定されるまで処理を進行しない(S232)。また、ユーザが差込合成を指示した際に被インサートページを指定していた場合、内容確認後に被インサートページを変更したければ、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して設定変更してもよい(S230−NO,S232)。また、被インサートページに対するインサートページ(原稿ページ)を指定したいときにも、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して設定変更してもよい(S230−YES,S234−NO,S236)。
一方、ユーザが差込合成を指示した際に被インサートページを指定していた場合において、内容に不都合がなければ即時に原稿を読み取らせてもよい(S230−YES,S234−YES)。たとえば、差込合成を指示した際に被インサートページを指定していれば、被インサートページ数に対応する原稿枚数が操作パネル部15aに表示される(S238)。ここで、クライアント端末にて設定した被インサートページに対して読取順にインサートページを割り付けたいときには、ユーザは、合成をさせたいページ分だけの原稿を画像読取部10の原稿読取装置にセットし、操作キー部15bのスタートボタン630を押下して読取指示を発する(S239)。
画像読取部10においては、読取指示を受け取ると(S310−YES)、原稿の読取りを開始する(S312)。たとえば、原稿に照明を照射し、受光部110はその反射光をR,G,Bの3ラインのCCDで光電変換し、読取信号処理部120は、その結果得られたアナログ電気信号をA/D変換器でR,G,Bのデジタル画像データに変換し、さらに第1画像処理部130はLabデータに色空間変換した後、出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大/縮小し、またMTF補正、画質調整、下色除去などの画像編集処理を施す(S314)。第2画像処理部140にて、LabデータをY,M,C,Kデータに色変換した後、画像出力部30の階調特性に合わせて階調変換を施して、さらに必要であれば2値化処理を加えて、印字可能形式データに変換してから、コントローラ部20の画像蓄積部230に送る(S316)。なお、原稿が複数ある場合は、全原稿の読取りが完了するまで上記処理を繰り返す(S315−YES)。
画像処理部220は、画像読取部10からの印字可能形式のスキャンデータが画像蓄積部230に蓄積されると、スキャンデータをプリントデータを出力する用紙方向に合わせて自動的にローテーション(ROT)やその他の画像編集を必要に応じて施した後に、記憶装置236に蓄積する(S240)。
中央制御部212は、画像読取部10からの印字可能形式のスキャンデータが画像蓄積部230に蓄積されると、スキャンの際に差込合成対象プリントデータをプリント可能データのリストから選択したか否かにより差込対象のスキャンデータかどうかを判別し、スキャンデータが記憶装置236に貯えられたことで、中断していた処理を再開する(S241−YES)。処理を再開すると、中央制御部212は、記憶装置236に保存しておいた印字可能形式プリントデータのうちで、被インサートジョブとして指示されたプリントデータを記憶装置236から読み出して、出力処理対象のページごとに、白紙ページすなわち差込対象のページであるのか否かを判定する(S260)。
この判定は、中央制御部212自身が、画像処理部220によりデコンポーズされた印字可能形式のページ画像を解析して、白紙ページであるか否かを判定してもよいし、本実施形態のように、画像処理部220が白紙検知機能を備えている場合には、画像処理部220にて判定されたフラグFGWを参照して差込対象のページであるのか否かを判定してもよい。
中央制御部212は、処理対象ページが差込対象のページであるのか否かに応じて、白紙のプリントデータをスキャン画像に置換するか否かを切り替え(S260,S261)、処理対象ページが複数ページに跨るジョブについては、この処理を繰り返す(S272)。
たとえば、出力処理対象ページが、白紙ページ(差込対象ページ)でない場合には(S260−NO)、中央制御部212は、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されていればページ割付枚数であるNページ分のページ画像が揃うまで出力処理を保留する(S268−YES,S272)。ページ割付(N−up)が指定されていなければ(S268−NO)、記憶装置236から読み出したプリントジョブの処理対象ページの印字可能形式データY,M,C,Kを、そのまま画像出力部30に送出し(S270)、残りのページの処理に移行する(S272−YES)。
一方、出力処理対象ページが白紙ページ(差込対象ページ)である場合には(S260−YES)、直ちに合成対象のスキャンデータを記憶装置236(あるいはページメモリ部232)から取り出し、白紙のプリントデータと置換する(S261)。次に中央制御部212は、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されていればページ割付枚数であるNページ分のページ画像が揃うまで出力処理を保留する(S268−YES,S272)。ページ割付(N−up)が指定されていなければ(S268−NO)、置換したスキャン画像の印字可能形式データY,M,C,Kを画像出力部30に送出し(S270)、残りのページの処理に移行する(S272−YES)。
また、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されている場合において、Nページ分が揃うと、中央制御部212は、差込合成ルールに従って差込合成されたNページ分のスキャンデータとプリントデータを記憶装置236と画像処理部220とに渡しN−upすることで1ページのデータに纏めるように指示し(S268−NO)、処理結果を画像出力部30に送出する(S270)。
なお、Nページ分が揃うまえに残りページがなくなったときには(S272−NO)、その時点で揃っている全ページのスキャンデータとプリントデータを記憶装置236と画像処理部220とに渡し不足分は白紙ページとしてN−upすることで1ページのデータに纏めるように指示し(S268−NO)、処理結果を画像出力部30に送出する(S270)。これにより、画像出力部30は、図差込合成ルールに従って差込合成されたNページ分のスキャン画像とプリント画像を1枚の用紙の上に出力することができる。
以上説明したように、第1実施形態の処理手順に依れば、白紙ページをユーザが希望する任意の差込ページ位置を示す情報として挿入したプリントジョブフォームを画像出力端末7に渡し、画像出力端末7側では白紙ページをスキャン画像に置き換えることでスキャン画像とプリント画像をページ単位で差込合成するようにしたので、印刷データのユーザが希望する任意のページ位置にスキャナ装置で読み取られるスキャン画像を挿入して印刷処理された印刷物を容易に得ることができ、ユーザの作業負担が減る。
また、プリント出力時の出力条件設定処理の一部として、プリントデータ側の白紙ページにスキャンデータのページを対応させるといった白紙ページを利用した簡便な操作で指定することができる。原稿読取時に煩雑な操作パネルの指示によらずに、非常に簡便な操作で、また高価な装置を追加することなしに、プリントデータの任意の位置にスキャンデータをページ合成(ページ単位での差込み)することが、白紙ページを利用することで、非常に簡易に実現できる。これは特にハードコピーのみしか手元にない1ページもしくは数ページの資料を、新たに作成する資料の途中に挿入して1つの資料としたいときに有効である。また、画像出力端末7側での読取順に限らず任意のページ順で差し込むスキャン画像を設定することもできる。
また、必要であれば、プリント指示後に画像出力端末7側にてプリントデータに対してスキャンデータをページ単位で合成して出力する際、プリントデータの何ページ目から1ページ分あるいは複数ページ分のスキャンデータを合成するかをユーザインタフェース部15(操作キー部15bのテンキー610)から指示することができ、便利である。
さらに、これから読み取るスキャン画像に限らず、記憶装置236にスプール(記憶・保存)してあるスキャンジョブの中から差込用のスキャン画像を設定することもでき、使い勝手がよい。なおこの場合、スプール済みのスキャン画像のサイズや向きがマスター側のプリント画像の出力設定と合わないケースが起こり得る。この場合、画像処理部220にて差込用のスキャン画像を、プリント画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大/縮小を施すとよい。また、画像処理部220と記憶装置236とで、差込用のスキャン画像を、プリント画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的にローテーションするとよい。
また、プリント指示時に、差込合成の指示とともに“自動配置”を指示しておけば、画像出力端末7側での差込合成処理時には、プリント指示時の用紙サイズや方向に合わせて、画像読取部10にてスキャン時に自動的に拡大/縮小を施し、またコントローラ部20にて自動的に回転(ローテーション)を施すようにしているので、ユーザは拡縮率や用紙方向を意識してスキャン時に操作パネルから指示することなく、簡便な操作で合成した出力を得ることができる、すなわち、操作性がよい。
また、プリント指示時に、差込合成の指示とともに割付出力(N−up)を指示しておけば、その指示を受けた画像出力端末7側では、自動的に拡大/縮小や回転が施された差込合成処理結果を用いて指定された条件で割付出力するようにしているので、画像出力端末7側での差込合成処理の再開指示時に、ユーザは拡縮率や用紙方向だけでなく割付出力設定に関しても、操作性がよい。
<差込合成処理;第2例>
図17は、差込合成処理の第2実施形態を説明するフローチャートである。この第2実施形態の処理手順は、プリントデータのフォームに被インサートページを示すヘッダ情報を埋め込んでおく点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1実施形態と同様に、ユーザは、プリントジョブ用のデータを生成し一旦ハードディスク装置などに蓄積しておく(S110)。画像入力端末3は、差込合成ボタンBT41が押下されるとページ画像をPDLへ変換し、この後実行ボタンBT48が押下されると、差込合成ボタンBT41が押下さたことを示すフラグFG41と被インサートページの情報とをプリントジョブのヘッダ情報に含めて(S123)、画像出力端末7に送信し印刷指示を発する(S128)。
画像出力端末7側では、処理対象ページが白紙ページであるか否かを判定することで差込対象のページ(被インサートページ)であるのか否かを判定していた第1実施形態のステップS260に代えて、ヘッダ情報を参照して、処理対象ページが被インサートページとして設定されているか否かを判定することで差込対象ページであるのか否かを判定する(S262)。差込対象ページである場合には、少なくとも次ページにスキャン画像の1ページを差込セットする。検出した差込対象ページに複数のインサートページが設定されている場合(たとえば図6参照)には、差込対象ページでの次ページ以降にその複数分だけのスキャン画像を差込セットする。
このように、第2実施形態の処理手順に依れば、差込ページ位置を示す被インサートページ情報をヘッダ情報としてプリントジョブフォームを画像出力端末7に渡し、画像出力端末7側ではヘッダ情報を参照してスキャン画像を差し込む(追加する)ことでスキャン画像とプリント画像をページ単位で差込合成するようにしたので、第1実施形態と同様に、ユーザが希望する任意の位置にスキャン画像を挿入することができる。また、差込ページ位置を指定するだけでよく、煩雑な操作パネルの指示によらずに簡便な操作でスキャン画像とプリント画像のページ単位の差込合成ができる。
また、画像入力端末3は、アプリケーションで生成したデータに白紙ページを追加する必要がない。このため、アプリケーションで生成したデータ自体に白紙ページがある場合であっても、画像出力端末7側では不都合なく、指示された差込合成条件に従って適切な出力を得ることができる。これに対して第1実施形態では、プリントジョブ中の白紙ページをスキャン画像に置換するので、アプリケーションで生成したデータ自体に白紙ページがある場合には、その白紙ページをもスキャンデータに置換し不都合が生じる。特に、差し込むスキャン画像のページを設定せずに読取順で置換する場合には、アプリケーションで生成したデータにおける白紙ページ以降のスキャン画像が順次繰り下がる結果となるので、その影響が大きい。
<差込合成処理;第3例>
図18は、差込合成処理の第3実施形態を説明するフローチャートである。また図19は、この第3実施形態の変形例を説明するフローチャートである。この第3実施形態およびその変形例の処理手順は、スキャンジョブをマスターとして、スキャンジョブ中の所定のページ位置にプリントジョブで得た画像を差し込むプリント画像差込みモードである。
また、第3実施形態およびその変形例は、スキャンデータのフォームに被インサートページを示す情報として第1実施形態と同様に白紙ページを埋め込んでおくことを基本とし、画像出力端末7側で、スプール(蓄積)しておいたスキャンジョブのリストを表示し、そのリストに基づいて所定のスキャンジョブがユーザにより選択された直後にスプール(蓄積)しておいた差込用のプリントジョブ中から、所定の順に、ページ単位で、選択されたスキャンジョブ中に差込合成して出力することができるようにしている点に特徴を有する。
ユーザインタフェース部15のテンキー610から、希望の差込合成条件を指示可能である点は第1実施形態と同様である。
ユーザは、プリントジョブ用のデータを生成し一旦ハードディスク装置などに蓄積しておく(S110)。ユーザは、生成したプリントデータをスキャンジョブに埋め込む差込用の画像とする場合(S112−YES)、各種プリントパラメータをセットするとともに、ページ指定欄BX41を空欄としたままで差込合成ボタンBT41をアクティブにすることで、スプール設定する(S114)。画像入力端末3は、差込合成ボタンBT41が押下されるとページ画像をPDLへ変換し、実行ボタンBT48が押下されると、差込合成ボタンBT41が押下さたことを示すフラグFG41のみをプリントジョブのヘッダ情報に含めて画像出力端末7に送信し印刷指示を発する(S114)。
画像出力端末7側では、パラメータをメモリ部214のジョブ管理テーブルに登録した後、画像処理部220にて描画展開して印刷可能形式の画像データに変換した後(S210)、中央制御部212は、プリントジョブデータにフラグFG41が含まれているか否かを判定し(S214)、フラグFG41が含まれていなければ、即時に画像出力部30に出力処理を指示する(S214−NO)。また、フラグFG41が含まれていれば(S214−YES)、スプール用のプリントデータであるとして、即時に出力処理を画像出力部30に指示するのではなく、ユーザインタフェース部15を介した指示によりマスタージョブとしてのスキャンジョブが用意されるまで、デコンポーズ済みのプリントジョブ(画像ファイル)を記憶装置236に格納して、再開指示があるまで処理を一時中断する(S214−NO,S241−NO)。
一方、画像読取部10側では、原稿を読み取って、マスタージョブとしてのスキャンジョブを用意する。具体的には、ユーザは、読み取ったスキャンデータにプリント画像を差込合成する場合(S300−YES)、各種読込パラメータをユーザインタフェース部15にてセットするとともに差込合成モードをアクティブにして、図12に示した設定画面を表示させ(プリント画像差込みの表示LD22が点灯)、マスタージョブの入力欄に被インサートページを指定することで、差込合成処理の内容を設定する(S302)。この設定を受け取った中央制御部212は、画像読取部10に差込フラグをセットする。この後、ユーザは、マスターとしたページ分だけの原稿を画像読取部10の原稿読取装置にセットし、操作キー部15bのスタートボタン630を押下して読取指示を発する(S310)。
画像読取部10においては、読取指示を受け取ると(S310−YES)、原稿の読取りを開始し(S312)、第1画像処理部130は、受光部110が読み取ったスキャン画像に対して、出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大/縮小し、またMTF補正、画質調整、下色除去などの画像編集処理を施し(S314)、第2画像処理部140にて印字可能形式データに変換する。なお、原稿が複数ある場合は、全原稿の読取りが完了するまで上記処理を繰り返す(S315−YES)。
そして、差込フラグがオフであれば(S320−NO)、画像読取部10は、読み取った画像を印字可能形式のスキャンデータにしてコントローラ部20に渡す(S324)。一方、差込フラグがオンであれば(S320−YES)、画像読取部10は、被インサートページの情報とスキャンジョブに含め(S322)、読み取ったスキャン画像を印字可能形式のスキャンデータにしてコントローラ部20に渡す(S324)。たとえば、スキャンデータのジョブフォームには、図7〜図9に示したように、被インサートページとして指定されたページの次に予め、インサートページごとに白紙ページを挿入する。
なお、図18では、スキャンデータ上で被インサートページを示す白紙ページを挿入するようにしているが(S322)、データ加工によって白紙ページを挿入するのではなく、図19に示すように、読み取らせる原稿の差込位置に白紙原稿を挿入して読み取らせてもよい(S313)。
画像読取部10は、図18および図19で何れの態様で読み取ったのかに応じて処理を切り替える必要があるので、その設定のためのボタンを操作メニューに含めておく。あるいは、図12に示したような設定画面にて、被インサートページを指定せずに、読み取らせる原稿の差込位置に白紙原稿を挿入して読み取らせてもよい。この画面で被インサートページの指定がなければ、図18のステップS322では、データ加工で白紙ページを挿入することがないからである。
コントローラ部20は、画像読取部10からスキャンデータを受け取ると、図12に示した設定画面にて指示された差込合成処理内容を含む種々のパラメータをメモリ部214のジョブ管理テーブルに登録する。また、画像読取部10にて読み取られた印字可能形式のスキャンデータが画像蓄積部230に蓄積されると、画像処理部220は、スキャンデータをプリントデータを出力する用紙方向に合わせて自動的にローテーション(ROT)し、あるいはその他の画像編集を必要に応じて施した後に記憶装置236に再度蓄積する(S240)。そして、通常モードにて読み取られたものである場合には、中央制御部212は、画像読取部10から受け取ったスキャンジョブを通常のスキャン画像として処理する(S241−通常)。操作キー部15bのスタートボタン630が押下されることで出力指示が同時に発せられているので(S254−YES)、コントローラ部20は、そのスキャン画像に基づいて直ちに通常の出力処理を開始する。
一方、プリント画像差込みモードにて読み取られたものである場合には、中央制御部212は、即時に出力処理を画像出力部30に指示するのではなく、ユーザインタフェース部15を介した指示により差込み用のプリント画像が設定され再開指示があるまで処理を一時中断する。
たとえば、プリント画像差込みモードを指示したユーザは、引き続きユーザインタフェース部15を操作して、図11に示したように、操作パネル部15a上に、現在蓄積されている、スキャン指示時に差込合成指示がなされたスキャンジョブのリストを表示させる(S220)。ユーザがマスタージョブとして希望するスキャンジョブを選択すると(S222)、図12(A)に示したように、差込合成の詳細内容が表示される。なお、マスタージョブ側にはスキャンジョブが、インサートジョブ側にはプリントジョブが表示される。
ここで、ユーザがプリント画像差込みモードを指示した際、被インサートページを指定していなければ、すなわち白紙ページを含めていなければ(S246−NO)、中央制御部212は、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して被インサートページおよびそれに対応するインサートページがユーザによって設定されるまで処理を進行しない(S248)。また、ユーザがプリント画像差込みモードを指示した際に白紙ページを含めていた場合、内容確認後に被インサートページを変更したければ、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して設定変更してもよい(S246−NO,S248)。また、被インサートページに対するインサートページ(印刷ページ)を指定したいときにも、図12(B)に示したように、操作パネル部15aを介して設定変更してもよい(S246−YES,S250−NO,S252)。
このように、第3実施形態の構成では、スキャンデータに対してプリントデータをページ単位で合成して出力する際、スキャンデータの何ページ目から1ページ分あるいは複数ページ分のプリントデータを合成するかをユーザインタフェース部15(操作キー部15bのテンキー610)から指示することができる。これから読み取るスキャン画像に限らず、予め白紙ページを挿入して記憶装置236にスプールしておくことで、それ以前に読み取ってスプールしてあるスキャンジョブの中からマスター用のスキャン画像を設定することもできる。
一方、ユーザが差込合成を指示した際に被インサートページを指定していた場合において、内容に不都合がなければ即時に出力指示を発してもよい。(S246−YES,S250−YES)。たとえば、プリント画像差込みモードを指示した際にインサート用のプリントジョブを予め設定しつつ白紙原稿を含めて読み取らせることで、インサートページ数に対応する原稿枚数が操作パネル部15aに表示される。ここで、白紙原稿にて設定した被インサートページに対してプリントジョブの1ページ目から順にインサートページを割り付けたいときには、ユーザは、そのままOKボタンBT48を押下して出力指示を発することで処理を再開する(S254)。
処理を再開すると、先ずコントローラ部20は、差込用のプリント画像に対して、マスター側のスキャン画像の出力設定に合うように、拡大/縮小やローテーションを施す(S256)。具体的には、画像処理部220にて、差込用のプリント画像を、スキャン画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大/縮小を施す。また、画像処理部220と記憶装置236とで、差込用のプリント画像を、スキャン画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的にローテーションする。
次に中央制御部212は、記憶装置236に保存しておいた印字可能形式スキャンデータのうちで、被インサートジョブとして指示されたスキャンデータを記憶装置236から読み出して、出力処理対象のページごとに、白紙ページすなわち差込対象のページであるのか否かを判定する(S260)。この判定は、中央制御部212自身が、画像読取部10により読み取られた印字可能形式のページ画像を解析して、白紙ページであるか否かを判定してもよいし、画像読取部10が白紙検知機能を備えている場合には、画像読取部10にて判定されたフラグFGWを参照して差込対象のページであるのか否かを判定してもよい。
中央制御部212は、処理対象ページが差込対象のページであるのか否かに応じて、白紙のスキャンデータをプリント画像に置換するか否かを切り替え(S264,S265)、処理対象ページが複数ページに跨るジョブについては、この処理を繰り返す(S272)。
たとえば、出力処理対象ページが、白紙原稿(差込対象ページ)でない場合には(S264−NO)、中央制御部212は、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されていればページ割付枚数であるNページ分のページ画像が揃うまで出力処理を保留する(S268−YES,S272)。ページ割付(N−up)が指定されていなければ(S268−NO)、記憶装置236から読み出したスキャンジョブの処理対象ページの印字可能形式データY,M,C,Kを、そのまま画像出力部30に送出し(S270)、残りのページの処理に移行する(S272−YES)。
一方、出力処理対象ページが白紙原稿(差込対象ページ)である場合には(S264−YES)、直ちに合成対象のプリントデータを記憶装置236から取り出し、白紙原稿のスキャンページと置換する(S265)。次に中央制御部212は、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されていればページ割付枚数であるNページ分のページ画像が揃うまで出力処理を保留する(S268−YES,S272)。ページ割付(N−up)が指定されていなければ(S268−NO)、置換したプリント画像の印字可能形式データY,M,C,Kを画像出力部30に送出し(S270)、残りのページの処理に移行する(S272−YES)。
また、印刷出力条件としてページ割付(N−up)が指定されている場合において、Nページ分が揃うと、中央制御部212は、差込合成ルールに従って差込合成されたNページ分のスキャンデータとプリントデータを記憶装置236と画像処理部220とに渡しN−upすることで1ページのデータに纏めるように指示し(S268−NO)、処理結果を画像出力部30に送出する(S270)。なお、Nページ分が揃うまえに残りページがなくなったときには(S272−NO)、その時点で揃っている全ページのスキャンデータとプリントデータを記憶装置236と画像処理部220とに渡し不足分は白紙ページとしてN−upすることで1ページのデータに纏めるように指示し(S268−NO)、処理結果を画像出力部30に送出する(S270)。これにより、画像出力部30は、図差込合成ルールに従って差込合成されたNページ分のスキャン画像とプリント画像を1枚の用紙の上に出力することができる
以上説明したように、第3実施形態およびその変形例の処理手順に依れば、白紙ページをユーザが希望する任意の差込ページ位置を示す情報として挿入したスキャンジョブフォームを用意し、画像出力端末7側では白紙ページをプリント画像に置き換えることでスキャン画像とプリント画像をページ単位で差込合成するようにしたので、スキャナ装置で読み取られるジョブ中のユーザが希望する任意の位置にプリント画像を挿入して印刷処理された印刷物を容易に得ることができ、ユーザの作業負担が減る。
また、差込位置は、スキャン指示時の出力条件設定処理の一部として、スキャンデータ側の白紙ページにプリントデータのページを対応させるといった白紙ページを利用した簡便な操作で指定することができる。煩雑な操作パネルの指示によらずに、非常に簡便な操作で、また高価な装置を追加することなしに、スキャンデータの任意の位置にプリントデータをページ合成(ページ単位での差込み)することが、白紙原稿を利用することで、非常に簡易に実現できる。
これは特にハードコピーの資料に、アプリケーションで生成されているプリントデータ中の所定ページを、新たに作成する資料の途中に挿入して1つの資料としたいときに有効である。原稿読取時に白紙原稿を挟んで読み取らせることで差込位置を設定することができるので、被インサートページの設定が非常に簡単である。
また、アプリケーションで生成されているプリントデータのページ順に限らず任意のページ順で差し込むプリント画像を設定することもでき、使い勝手がよい。また、白紙ページを差込ページ位置を示す情報として挿入されたスキャンジョブフォームを有していればよく、同様のフォームであれば、直前に読み込んだスキャン画像に限らず、画像出力端末7でそれ以前に用意したスキャンジョブや、他の装置で用意したスキャンジョブもマスタージョブとして利用することができる。
また、必要であれば、読取完了後に、スキャンデータに対してプリントデータをページ単位で合成して出力する際、スキャンデータの何ページ目から1ページ分あるいは複数ページ分のプリントデータを合成するかをユーザインタフェース部15(操作キー部15bのテンキー610)やユーザインタフェース装置16から指示することができ、またこれから読み取るスキャン画像に限らず、記憶装置236にスプールしてあるスキャンジョブの中からマスター用のスキャン画像を設定することもでき、使い勝手がよい。
また、スキャン指示時や差込合成条件の設定時に、これらの指示とともに“自動配置”を指示しておけば、画像出力端末7側での差込合成処理時には、スキャン指示時の用紙サイズや方向に合わせて、コントローラ部20にて自動的に拡大/縮小や回転(ローテーション)を施すようにしているので、操作性がよい。また、自動的に拡大/縮小や回転が施された差込合成処理結果を用いて指定された条件で割付出力するようにしているので、割付出力(N−up)に関しても同様に操作性がよい。
<差込合成処理;第4例>
図20は、差込合成処理の第4実施形態を説明するフローチャートである。この第4実施形態の処理手順は、スキャンデータのフォームに被インサートページを示すヘッダ情報を埋め込んでおく点が第3実施形態およびその変形例と異なる。以下、これらと異なる点を中心に説明する。なお、これは、スキャン画像差込みモードにおける第1実施形態と第2実施形態の関係と同様である。
第3実施形態と同様に、ユーザは、スキャンジョブ用の原稿を画像読取部10にて読み取らせる(S300〜S315)。ここで、画像読取部10は、プリント画像差込みモードにてスタートボタンBT48が押下されると、その旨を示すフラグFG51と図12に示した設定画面にて指示された差込合成処理内容やフラグFG51を含む種々のパラメータをプリントジョブのヘッダ情報に含め、ヘッダ情報を含むスキャンデータをコントローラ部20に送る(S326,S327)。コントローラ部20は、画像読取部10からフラグFG51付きのスキャンデータを受け取ると、ヘッダ情報に含まれている差込合成処理内容やフラグFG51を含む種々のスキャンパラメータをメモリ部214のジョブ管理テーブルに登録する。
なお、プリント画像差込みモードにて読み取られたときに、メモリ部214のジョブ管理テーブルに図12に示した設定画面にて指示された差込合成処理内容や種々のスキャンパラメータを登録することができればよく、本実施形態の画像出力端末7の構成のように、画像読取部10がコントローラ部20と一体となっている場合には、画像読取部10はスキャンデータだけをコントローラ部20に送り、コントローラ部20は、ユーザインタフェース部15から設定情報を取得して、その設定情報をジョブ管理テーブル登録すればよい。ただし、このことは本実施形態特有のものであり、ユーザインタフェース部15と読取ユニットがコントローラ部20と別体となっている場合や、ネットワーク接続されているスキャナデバイスからのスキャンデータをマスタージョブとする場合には、この図20に示した通り、画像読取部10側にて取得した差込合成処理内容やフラグFG51を含む種々のパラメータをプリントジョブのヘッダ情報に含めてコントローラ部20に送るようにする。
コントローラ部20は、処理対象ページが白紙原稿であるか否かを判定することで差込対象のページ(被インサートページ)であるのか否かを判定していた第3実施形態のステップS264に代えて、ヘッダ情報を参照して、処理対象ページが被インサートページとして設定されているか否かを判定することで差込対象ページであるのか否かを判定する(S266)。差込対象ページである場合には、少なくとも次ページにスキャン画像の1ページを差込セットする。検出した差込対象ページに複数のインサートページが設定されている場合(たとえば図6参照)には、差込対象ページでの次ページ以降にその複数分だけのスキャン画像を差込セットする。
このように、第4実施形態の処理手順に依れば、差込ページ位置を示す被インサートページ情報をヘッダ情報としてスキャンジョブフォームをコントローラ部20に渡し、コントローラ部20側ではヘッダ情報を参照してプリント画像を差し込む(追加する)ことでスキャン画像とプリント画像をページ単位で差込合成するようにしたので、第3実施形態と同様に、ユーザが希望する任意の位置にプリント画像を挿入することができる。また、差込ページ位置を指定するだけでよく、煩雑な操作パネルの指示によらずに簡便な操作でスキャン画像とプリント画像のページ単位の差込合成ができる。
また、差込みページ位置を示す白紙原稿を読取時に追加する必要がない。このため、差込合成以外の目的で意図的に読取原稿に白紙原稿を含めたい場合であっても、何ら不都合なく、指示した差込合成条件に従って適切な合成出力を得ることができる。これに対して第3実施形態では、スキャンジョブ中の白紙原稿をプリント画像に置換するので、差込合成以外の目的で意図的に読取原稿に白紙原稿を含めたい場合には、その白紙原稿をもプリントデータに置換し不都合が生じる。
<差込合成処理;第5例>
図21は、差込合成処理の第5実施形態を説明するフローチャートである。この第5実施形態の処理手順は、クライアントPCなどの画像入力端末3でのプリント指示画面で、画像出力端末7側に蓄積されているスキャンジョブのリスト表示し、そのリストからスキャンデータを選択してプリント指示することで、画像入力端末3側にて、被インサートページとそこに差し込むインサートページを設定する点に特徴を有する。
第4実施形態と同様に、ユーザは、スキャンジョブ用の原稿を画像読取部10にて読み取らせる(S300〜S315)。ここで、画像読取部10は、スキャン画像差込みモードにてスタートボタンBT48が押下されると、その旨を示すフラグFG52を含む種々のスキャンパラメータをプリントジョブのヘッダ情報に含め、このヘッダ情報を含むスキャンデータをコントローラ部20に送る(S328,S329)。コントローラ部20は、画像読取部10からフラグFG52付きのスキャンデータを受け取ると、ヘッダ情報に含まれているフラグFG52を含む種々のスキャンパラメータをメモリ部214のジョブ管理テーブルに登録する。
また、画像読取部10にて読み取られた印字可能形式のスキャンデータが画像蓄積部230に蓄積されると、画像処理部220は、スキャンデータをプリントデータを出力する用紙方向に合わせて自動的にローテーション(ROT)やその他の画像編集を必要に応じて施した後に記憶装置236に再度蓄積する(S202)。そして、通常モードにて読み取られたものである場合には、中央制御部212は、画像読取部10から受け取ったスキャンジョブを通常のスキャン画像として処理する(S204−NO)。操作キー部15bのスタートボタン630が押下されることで出力指示が同時に発せられているので、コントローラ部20は、そのスキャン画像に基づいて直ちに通常の出力処理を開始する。
一方、スキャン画像差込みモードにて読み取られたものである場合には、中央制御部212は、即時に出力処理を画像出力部30に指示するのではなく、プリンタ側からの出力指示もしくはユーザインタフェース部15を介した指示により再開指示があるまで処理を一時中断する(S202−YES,S208−NO)。
一方、ユーザは、第1実施形態と同様に、プリントジョブ用のデータを生成し一旦ハードディスク装置などに蓄積しておく(S110)。次にユーザは、生成したプリントデータにスキャン画像を差込合成する場合(S120−YES)、画像入力端末3上のアプリケーションにて、先ず図14に示したプリントジョブ設定画面を表示させ、各種プリントパラメータをセットするとともに差込合成ボタンBT41をアクティブにして、さらに差込合成ボタンBT42を押下することで、図15に示すように、合成処理の詳細設定画面を表示させる(S128)。
ここで、ユーザが指定欄BX42をクリックすると、画像入力端末3は、画像出力端末7が蓄積しているスキャンジョブのスプール情報の送信を画像出力端末7に要求する(S130)。これを受けて画像出力端末7は、スプール情報を返信する(S208−YES,S209)。画像入力端末3は、画像出力端末7からスプール情報を受信すると(S132−YES)、指定欄BX42に、画像出力端末7が蓄積しているスキャンジョブデータのリストを表示させる(S134)。
ユーザは、そのリストから希望のスキャンジョブを選択する(S136)。これにより、画像入力端末3は、指定欄BX42の下に、選択したスキャンジョブの原稿総ページ数を表示するとともに、そのスキャンジョブに基づいて差込用の画像も指定可能な詳細設定リストを表示する。ここで、ユーザは、プリントジョブのページ入力欄BX44に被インサートページを、スキャンジョブのページ入力欄BX45にインサートページを入力することで、スキャン画像差込モードの差込合成条件の詳細を設定する(S138)。指定した被インサートページに対して、選択したスキャンジョブの1ページから順に割り当ててもよい場合には、スキャンジョブのページ入力欄BX45を空欄としておいてもよい。
以上の設定終了後、ユーザにより実行ボタンBT48が押下されると、画像入力端末3は、差込合成ボタンBT42が押下さたことを示すフラグFG42と被インサートページの情報とをプリントジョブのヘッダ情報に含めて画像出力端末7に送信し印刷指示を発する(S138)。なお、被インサートページの情報としては、第1実施形態と同様に白紙ページを挿入してもよいし、第2実施形態と同様に、ヘッダ情報を利用してもよい。以下の説明では、被インサートページの情報が白紙ページで埋め込まれているものとする。一方、差込用のインサートページに関する情報は、ヘッダ情報を利用する。
画像出力端末7の中央制御部212は、受け取ったプリントジョブに対してジョブIDを付与する。画像処理部220は、デコンポーズして印刷可能形式の画像データに変換する(S210)。この際、拡大/縮小や用紙サイズに合わせた自動リサイズの設定がされていれば、プリントデータを出力する用紙サイズや拡大/縮小の設定値に合わせて自動的に拡大/縮小あるいは回転を施す。また画像処理部220は、プリントジョブのヘッダ情報を参照して、差込用のスキャンジョブ中のページ画像を記憶装置236から読み出して、差込用のスキャン画像を、プリント画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的に拡大/縮小を施し、また、画像処理部220と記憶装置236とで、差込用のスキャン画像を、プリント画像を出力する用紙サイズに合わせて自動的にローテーションする
S211)。
この後、コントローラ部20は、通常モードであるのかボタンBT42が押下されたスキャン画像差込モードであるのかに拘わらず、出力処理を継続する。スキャン画像差込モード時には、第1実施形態と同様に、中央制御部212は、処理対象ページが白紙ページ(差込対象のページ)であるのか否かに応じて、白紙のプリントデータをスキャン画像に置換するか否かを切り替え(S260,S261)、処理対象ページが複数ページに跨るジョブについては、この処理を繰り返す(S272)。
このように、第5実施形態の処理手順に依れば、差込合成処理の詳細設定を全て画像入力端末3側にて行なっている点が異なるものの、画像出力端末7における差込合成処理の手順自体は第1あるいは第2実施形態と同様であり、第1あるいは第2実施形態と同様の効果を享受できる。また、差込合成処理の詳細設定を全て画像入力端末3側のプリント設定画面にて行なうことができ、操作性が非常によい。必要であれば、画像出力端末7側にて詳細設定を変更することもできるのは上述した各実施形態と同様である。
なお、上述した差込合成処理を指示する仕組みは、専用のハードウェアにより構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づいて電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。よって、本発明に係る差込合成処理を指示する方法や画像処理装置や情報処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順や処理対象ジョブなどを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
電子計算機に一連の差込合成を指示する処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU(Central Processing Unit )、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。または、ソフトウェアを構成するプログラムが、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
たとえば、差込合成処理を指示する機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェアにて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が差込合成処理を指示する機能を実現する。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、差込合成処理を指示する機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって差込合成処理を指示する機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって差込合成処理を指示する機能が実現される場合であってもよい。
なお、差込合成処理を指示する機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。たとえば、既存の複写装置制御ソフトやプリンタ制御ソフト(プリンタドライバ)に組み込まれるアドインソフトとして提供されてもよい。
また、上記実施形態では、プリントジョブを画像出力端末7側に送る画像入力端末3側のハードウェア構成については特に示さず、コンピュータを利用しつつ、プリンタドライバ(いわゆるソフトウェア)にて処理するものとして説明したが、ソフトウェアにて実現することに代えて、ハードウェア構成で画像入力端末3を構成してもよい。
図22は、画像入力端末3のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像入力端末3は、画像処理装置としての画像出力端末7に出力処理を要求する情報処理装置として構成されていて、図示するように、マスタージョブデータを取得するマスタージョブデータ取得部410と、インサートジョブデータ中のページ画像を差込み画像として配置するための位置に関する差込み位置情報の入力をユーザから受け付ける差込み位置情報受付部420とを備えている。
また、画像入力端末3は、差込み位置情報受付部420が受け付けた差込み位置情報に基づいて、マスタージョブデータ中にインサートジョブデータ中のページ画像を差込み画像として差し込んで出力を行なうことができるように、マスタージョブデータ取得部410が取得したマスタージョブデータを加工するジョブデータ加工処理部430と、所定の情報を表示する表示部440と、キーボードやマウスなどを有するユーザインタフェース部445と、各部を制御する機能を備えるとともに、ジョブデータ加工処理部430により得られる加工済みのジョブデータを、ネットワークを介して画像出力端末7に送り、そのジョブデータに基づく出力要求を発する出力指示部450とを備えている。
ここで、上述した各実施形態との対応で言えば、マスタージョブデータは印刷ジョブデータが典型例であり、インサートジョブデータはスキャンジョブデータが典型例である。この場合、マスタージョブデータ取得部410は、印刷出力用のジョブデータ(プリントジョブデータ)を取得する印刷ジョブデータ取得部としての機能をなす。また、出力指示部450は、印刷指示部としての機能をなす。マスタージョブデータ取得部410は、アプリケーションプログラムを利用することで、自端末にてマスタージョブデータを取得する形態のものであってもよい。あるいは、他の装置にて生成された画像情報をネットワークや記録媒体を介して取得し、この画像情報を使って印刷ジョブを生成する形態のものであってもよい。
上述した第1実施形態を実現するには、ジョブデータ加工処理部430は、マスタージョブデータにおける、マスタージョブデータ中に差し込まれるインサートジョブデータ中のページ画像の差込み位置に、交換対象ページであることを示すページ画像(典型的には白紙ページ)を埋め込むとよい(S122)。また、上述した第2実施形態を実現するには、ジョブデータ加工処理部430は、マスタージョブデータ中に差し込まれるインサートジョブデータ中のページ画像の差込み位置をヘッダ情報としてマスタージョブデータに埋め込むとよい(S123)。
また、上述した第5実施形態を実現するには、出力指示部450は、差込み合成モードが指示されると(S120−YES)、画像出力端末7が記憶している読取画像データ(スキャンジョブデータ)の情報を画像出力端末7から取得し、この取得した情報を表示部440に表示させ、この表示に応じてスキャンジョブデータ中の所定のページ画像を差込み対象画像とする旨のユーザによる指示を受け付ける(S128〜S136)。この後に、ジョブデータ加工処理部430は、ユーザより指示された差込み画像を、印刷ジョブデータ取得部としての機能をなすマスタージョブデータ取得部410が取得したプリントジョブデータ中の所定位置に差し込んで出力を行なうことができるようにジョブデータを加工する(S138)。そして、出力指示部450は、加工済みのジョブデータを画像出力端末7に送り出力要求をする(S128)。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記実施形態では、スキャンジョブとプリントジョブとの何れか一方をマスタージョブとして、他方のジョブ中のページ画像を、マスタージョブ中の任意のページ位置に差し込んで合成処理する事例を説明したが、画像出力用の複数のジョブ中の画像をページ単位で差込合成するものであればよく、ジョブのカテゴリーには制約がない。
たとえば、差し込まれる側であるマスタージョブと差込み画像を提供するインサートジョブとは、同一のカテゴリーのジョブであってもよく、たとえば、双方ともプリントジョブデータであってもよいし、双方ともスキャンジョブデータであってもよい。また、画像入力端末3にて用意するジョブとしてプリントジョブを例示したが、これに限らず、図1に示した画像入力端末3にて得られるあらゆるジョブをマスタージョブとして、またジョブ中の画像を差込み画像として利用することができる。
たとえば、スキャンジョブデータを生成する際に、これから読み取る原稿中に、デジタルカメラ3c(図1参照)で撮影した画像を差し込む使い方も可能である。この場合、差込み合成されたスキャンジョブデータを生成できればよく、その結果を印刷出力するか否かは自由である。この場合、本発明に係る画像処理装置としてはパソコンで実現でき、出力制御処理機能をパソコンに持たせることができる。たとえば、パソコンの周辺機器として接続されるカラースキャナ3bを利用して元のスキャンジョブデータを取得し、この元のスキャンジョブデータにおけるユーザから指示されたページ位置に、デジタルカメラ3cで撮影された画像を差し込むことで、合成されたスキャンジョブデータを生成し、この合成されたスキャンジョブデータを所定の記憶媒体に記憶させる(出力の一態様)。
また、所定のアプリケーションで作成されたドキュメントをプリント処理する際に、別のプリントジョブ中の所定ページを差し込む使い方も可能である。この場合、別のプリントジョブは、画像出力端末7側にスプールされているものであってよい。この場合の処理手順については説明を割愛するが、上述した各実施形態のスキャンジョブを別のプリントジョブに置き換えて考えればよい。
また、上記実施形態では、マスタージョブおよびインサートジョブの各画像データを印字可能データ変換後に差込み合成処理を行なっていたが、最終的に、ユーザが希望するページ画像をマスタージョブ中のユーザが希望するページ位置に差し込んだ合成出力が得られればよく、どの段階で合成処理を行なうかは、自由である。
また、上記実施形態では、差込み画像を提供するインサートジョブを1つで例示したが、複数の画像を差し込む場合には、そこで必要となる画像を複数のジョブから選択してもよい。
1…画像処理システム、3…画像入力端末、7…画像出力端末、10…画像読取部、15…ユーザインタフェース部、15a…操作パネル部、15b…操作キー部、16…ユーザインタフェース装置、20…コントローラ部、30…画像出力部、32…画像形成ユニット、36…排紙ユニット、80…給紙部、82…給紙トレイ、90…接続ケーブル、110…受光部、120…読取信号処理部、130…第1画像処理部、140…第2画像処理部、210…制御部、212…中央制御部、214…メモリ部、216…ブリッジ部、220…画像処理部、230…画像蓄積部、232…ページメモリ部、234…メモリ制御部、236…記憶装置、240…インタフェース部、242…入出力インタフェース部、244…ビデオインタフェース部、310…出力処理部、320…画像形成部、322…感光体ドラム、332…光源、410…マスタージョブデータ取得部(印刷ジョブデータ取得部)、420…差込み位置情報受付部、430…ジョブデータ加工処理部、440…表示部、445…ユーザインタフェース部、450…出力指示部(印刷指示部)