JP2005254384A - 被覆ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】近年、ドリルによる穴あけ加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に対する要求は強く、これに伴い、ボール盤など穴あけ加工機械の高性能化と相まって、穴あけ加工は高速で行われる傾向にある。そこで、高速穴あけ加工において使用寿命の長い被覆ドリルを提供する。
【解決手段】ドリル基材3の表面に被膜2が被覆された被覆ドリルにおいて、切れ刃先端1からシャンク方向にドリル基材3の直径の1.5倍の位置における被膜の最小膜厚Tminに対する被膜の最大膜厚Tmaxの割合を示す膜厚比(Tmax/Tmin)が1.5≦(Tmax/Tmin)≦7.0を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、被膜をドリル基材に被覆した被覆ドリルに関するものである。
超硬合金製ドリルに被膜を被覆することにより、耐摩耗性が改善され工具寿命が延長することはよく知られている。被覆ドリルの従来技術としては、炭化タングステン基超硬合金基体の表面に平均層厚0.05〜0.5μmのTi−Al複合窒化物層からなる結晶配向履歴層を介して、平均層厚0.1〜1.0μmの窒化チタン層からなる硬質被覆層を被覆した表面被覆超硬合金製ミニチュアドリルがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−136316号公報
近年、ドリルによる穴あけ加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に対する要求は強く、これに伴い、ボール盤など穴あけ加工機械の高性能化と相まって、穴あけ加工は高速で行われる傾向にある。また穴加工の評価についても、従来の穴位置精度や穴寸法のほか、加工穴周辺の被削財のバリ(めくれ)も厳しく評価されている。例えばステンレス箔板やアルムニウム合金箔板の加工では、複数枚の被削材を重ねる工夫や、被削材をバリ防止のための捨て板に挟む工夫をして加工している。
従来の被覆ドリルは、被膜の膜厚を可能な限り平均化することで各部における材料特性を均一にして信頼性を向上させようとしてきた。しかし、従来の被覆ドリルを高速などの条件が厳しい穴あけ加工に用いるとドリル自体に振動が発生したり、切れ刃に微小な欠けが発生するなどの問題があり比較的短時間で使用寿命となった。本発明は、穴あけ加工において使用寿命の長い被覆ドリルの提供を目的とする。
本発明者らは、被覆ドリルの寿命向上について研究を行ったところ、従来被覆ドリルのように被膜の膜厚を均一に被覆するよりも、むしろ膜厚を不均一に被覆すると被覆ドリル自体の剛性が維持されることが分かった。
すなわち、本発明被覆ドリルは、切れ刃先端からシャンク方向にドリル基材の直径の1.5倍の位置における該被膜の最小膜厚Tminに対する該被膜の最大膜厚Tmaxの割合を示す膜厚比(Tmax/Tmin)が1.5≦(Tmax/Tmin)≦7.0を満たすことを特徴とする。
従来、ドリル基材に被膜を被覆するとき物理蒸着法(以下、PVD法という。)を用いることが多い。PVD法は被膜を形成する金属イオンの飛散に指向性がみられる。特に陰極アーク型イオンイオンプレーティング法においてこの傾向が強く、蒸発源またはターゲットに面した基材面に被膜が厚く被覆される。従来は被膜の膜厚を均一に被覆するために、ドリル軸を中心にしてドリル基材を自転させて被覆してきた。しかしながら、蒸発源またはターゲットに面した基材面は被膜が厚く被覆されるとともに温度が上がり、蒸発源またはターゲットに面しない基材面は被膜が薄く被覆されるとともに温度が下がる。従来被覆ドリルの剛性が低く高速穴あけ加工において折損が頻発する。このような傾向は直径3mm以下の被覆ドリルにおいて顕著にみられた。折損の主な原因は、ドリル基材の温度が短かい周期で上昇と下降を繰り返すためと思われた。
そこで、本発明者らは、ドリル基材を自転しないで被覆することにより剛性を低下させず、高速穴あけ加工における折損を減少させることができた。しかし、ドリル基材を自転しないため被膜の膜厚が不均一になる。本発明被覆ドリルの被膜の膜厚について、切れ刃先端からシャンク方向に直径の1.5倍の断面における該被膜の最小膜厚Tminに対する該被膜の最大膜厚Tmaxの割合を示す膜厚比(Tmax/Tmin)が1.5未満であると、被覆ドリルの剛性が低下して穴あけ加工時に折損が頻発し、逆に膜厚比(Tmax/Tmin)が7.0を超えると、被膜のチッピングが頻発し安定した穴あけ加工が困難になる。そのため、膜厚比(Tmax/Tmin)を1.5≦(Tmax/Tmin)≦7.0の範囲とした。本発明は直径3mm以下の被覆ドリルに応用すると効果が高く好ましい。ここで直径とはドリル基材の直径を示す。
Tminが0.1μm以上であると耐摩耗性に優れるが、Tmaxが3.0μmを超えると耐チッピング性が低下する傾向を示すため、Tminが0.1μm以上であり、Tmaxが3.0μm以下であると好ましい。
本発明被覆ドリルの切れ刃逃げ面が平滑であると耐チッピング性が向上する。本発明被覆ドリルの切れ刃逃げ面における粗さ曲線の算術平均粗さRaが直径の0.5%以下であると耐チッピング性が向上するため好ましい。
本発明被覆ドリルのドリル基材は、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物およびこれらの固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなる硬質相:60〜97重量%と、鉄族金属を主成分とする結合相:3〜40重量%とで構成される焼結合金であるが、その中でも平均粒径が0.1〜2μmのWCからなる硬質相:92〜97重量%と、Coを主成分とする結合相:3〜8重量%とで構成される超硬合金が靭性と硬さに優れるため、さらに好ましい。
本発明被覆ドリルの被膜は、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物およびこれらの固溶体、ダイヤモンド、DLC並びに窒化硼素の中から選ばれた少なくとも1種からなる。具体的にはTiN、(Ti,Al)N、(Ti,Si)N、Ti(C,N)、Ti(C,N,O)、Al23、(Cr,Al,Si)N、ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化硼素)、hBN(六方晶窒化硼素)を挙げることができる。その中でもTiN、(Ti,Al)N、(Ti,Si)N、Ti(C,N,O)は、耐摩耗性が高いため、さらに好ましい。
本発明被覆ドリルの被覆方法としてはPVD法が好ましく、その中でも被膜と基材の密着性が高いイオンプレーティング法がさらに好ましい。イオンプレーティング法として具体的には、ホローカソード型イオンプレーティング法、陰極アーク型イオンプレーティング法、アンバランスドマグネトロン型イオンプレーティング法を挙げることができる。
従来被覆ドリルを製造する場合、均一な膜厚を得るためにドリル基材を自転させる機構を有する保持治具を被覆装置内に内蔵していたが、本発明被覆ドリルを製造する際には必ずしもドリル基材を自転しなくてもよいため、保持治具の構造を簡略化することができ、保持治具の大きさも小さくできる。その結果、保持治具費および治具メンテナンス費を含む製造コストが低くなる。また、1炉回当たりの処理本数が増え大量生産が可能となる。
従来被覆ドリルの用途としては、穴明け加工を挙げることができる。例えば、サブミリサイズの機械部品の穴あけ加工や流体の精密制御用オリフィスの加工などを挙げることが好ましい。その中でも特に高速穴あけ加工に用いることは非常に好ましい。
本発明被覆ドリルは、耐折損性を向上させ、穴あけ加工における寿命の延長を実現する。
超硬合金製のソリッドドリル(直径φ0.5mm、組成:残WC−8重量%Co−0.6重量%Cr32,硬さ:HRA=93.5)を基材として準備し、前処理として脱脂洗浄する。基材となるドリルを被覆中に所定の部位が常に、陰極アーク型イオンプレーティング装置のターゲットに対向するように配置して治具に固定し、陰極アーク型イオンプレーティング装置内に挿入する。圧力が1×10-3Paになるまで予備排気し、真空に保持しながら500℃に加熱して基材の表面に付着した水分を除去する。さらにArガスを圧力1Paまで導入した後、基材に−500Vのバイアス電圧をかけて30分間保持することにより、基材表面をArイオンで清浄した。次いで、表1に示した被覆条件で被覆することよって、表2に示した本発明品1〜3を得た。なお、表1中の成膜装置を示す記号は、A:ホローカソード型イオンプレーティング装置、B:陰極アーク型イオンプレーティング装置である。
比較品については本発明品1〜3と同様に基材を用意し、基材となるドリルを被覆中にドリルの軸を中心に回転する治具に固定して、陰極アーク型イオンプレーティング装置内に挿入する。圧力1×10-3Paになるまで予備排気し、真空に保持しながら500℃に加熱して基材の表面に付着した水分を除去する。さらにArガスを圧力1Paまで導入した後、基材に−500Vのバイアス電圧をかけて30分間保持することにより、基材表面をArイオンで清浄した。次いで、表1に示した被覆条件で被覆することによって、表2に示した比較品1〜5を得た。
得られた試料について、切れ刃先端からシャンク方向にドリル基材の直径の1.5倍の位置における該被膜の最小膜厚Tminと最大膜厚Tmaxを測定し、膜厚比(Tmax/Tmin)を求めた。さらに、表面粗さ測定器を用いて、試料の切れ刃逃げ面の粗さ曲線の算術平均粗さRaを測定し、ドリル基材の直径に対するRaの比(Ra/直径)を算出した。これらの値は表2に記載した。
Figure 2005254384
Figure 2005254384
得られた本発明品1〜3と比較品1〜5を用いて、被削材:S45C,切削外周速度:23.6m/min,送り:0.007mm/rev、ステップ量:0.1mm、穴深さ:1.5mm(L/D=3)、乾式加工の条件で穴明け加工を連続して行った。刃先のチッピング発生、折損あるいは切り屑詰まりによる急激なトルク上昇が発生するまでの加工可能な穴数を表3に示す。600穴加工まで正常であった場合には、刃先の平均逃げ面摩耗量を併記した。
Figure 2005254384
膜厚比(Tmax/Tmin)測定位置を示す本発明被覆ドリルの断面概念図
符号の説明
1…切れ刃先端
2…被膜
3…ドリル基材

Claims (5)

  1. ドリル基材の表面に被膜が被覆された被覆ドリルにおいて、切れ刃先端からシャンク方向にドリル基材の直径の1.5倍の位置における該被膜の最小膜厚Tminに対する該被膜の最大膜厚Tmaxの割合を示す膜厚比(Tmax/Tmin)が1.5≦(Tmax/Tmin)≦7.0を満たす被覆ドリル。
  2. 上記被覆ドリルの直径は3mm以下である請求項1に記載の被覆ドリル。
  3. 上記被覆ドリルの切れ刃逃げ面における粗さ曲線の算術平均粗さRaは直径の0.5%以下である請求項1または2に記載の被覆ドリル。
  4. 上記被膜は、TiN、(Ti,Al)N、(Ti,Si)N、Ti(C,N,O)の中の少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆ドリル。
  5. 上記Tminは0.1μm以上であり、上記Tmaxは3.0μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆ドリル。
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