JP2005253378A - 養鶏方法 - Google Patents

養鶏方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005253378A
JP2005253378A JP2004070236A JP2004070236A JP2005253378A JP 2005253378 A JP2005253378 A JP 2005253378A JP 2004070236 A JP2004070236 A JP 2004070236A JP 2004070236 A JP2004070236 A JP 2004070236A JP 2005253378 A JP2005253378 A JP 2005253378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poultry
ozone water
chicken
concentration
poultry farming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004070236A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuko Hagiwara
信子 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NATURE S CO
NATURE'S CO
Original Assignee
NATURE S CO
NATURE'S CO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NATURE S CO, NATURE'S CO filed Critical NATURE S CO
Priority to JP2004070236A priority Critical patent/JP2005253378A/ja
Priority to PCT/JP2004/017072 priority patent/WO2005048697A1/ja
Publication of JP2005253378A publication Critical patent/JP2005253378A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Housing For Livestock And Birds (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】 養鶏場における消臭を含めた衛生管理、特に、鶏の感染性病原菌・ウイルスの感染を防止するために、鶏体への有害性を発現させることなく、鶏体表皮に付着した感染性病原菌・ウイルスを殺菌・不活化し、鶏の発病率や事故率(死亡率)を低下させ、養鶏業者の生産効率を挙げ得る方法及び養鶏施設の提供する。
【解決手段】 養鶏施設内に設けられたシャワー設備により、濃度0.8ppm以上、通常30ppm以下の高濃度のオゾン水を、養鶏施設内に撒布して、鶏舎の床面、敷料、通路、飲水器または鶏体そのものに直接吹き付け、また、養鶏作業者の手洗い、養鶏作業者が着用中の履物又は、養鶏施設に進入する車両の洗浄により、感染性病原菌・ウイルスを殺菌・不活化を図って、養鶏施設の衛生管理を行う。
【選択図】 なし

Description

この発明は、養鶏施設の衛生管理に関するもので、養鶏方法、養鶏施設および養鶏施設衛生管理用具などの食鳥生産技術や鶏卵生産技術に関するもので、畜産技術に属するものである。
家禽類、特に牛、豚、馬等の家畜を飼育するに際し、家禽類の排泄物や食餌残渣から発生する畜舎の悪臭や不衛生状態、それに基づく感染性病原菌・ウイルスの活性化は、環境面からも、飼育面からも、解決しなければならない重要な問題で、採卵鶏と食用鶏に拘らず鶏の生産においては、養鶏場における感染性病原菌・ウイルスを殺菌・不活化するなどの養鶏場の衛生管理が、飼育において避けることのできない重要な問題である。
特に、養鶏において、問題となる鶏の伝染病は多数存在し、中でも、ニューカッスル病や伝染性気管支炎、鶏痘、マレック病や伝染性コリーザ、マイコプラズマシノビエ感染症、ブドウ球菌症、大腸菌症などは伝播することが多く、それらの疾病が複合して、養鶏において被害を大きくする例が多い。さらに、人畜共通感染の恐れのある鶏インフルエンザ等は人命にも関わることで、鶏の生息環境から病原体を如何になくし、健康で抵抗力のある鶏を育てるかは養鶏業者の最大の課題である。
鶏舎など養鶏施設での感染性病原菌・ウイルスに対する対策として、清掃、洗浄および消毒が行われている。具体的には、まず、除糞や敷料などの除去から真空掃除機やワイヤーブラシ等を用いて汚れを除去する清掃(乾式清掃)が行われ、ついで、高圧洗浄装置の高水圧やスチームクリーナー等の熱による水洗い洗浄が行われる。さらに、消毒には、クレゾール石鹸液、オルソ剤、逆性石鹸、両性石鹸、さらにはフェノール系消毒剤、ヨード系消毒剤、塩素系消毒剤等の希釈液の散布を中心に、人体に有害なホルムアルデヒドまでが消毒に用いられている。その際、鶏舎内の完全な清浄化をするには、鶏を鶏舎から移動して空にする必要があり、オールインオールアウト方式といわれ、空になった鶏舎を、繰返し洗浄を中心とした物理的消毒法と、消毒剤を用いた化学的消毒法が施され、清浄化した鶏舎に、飼育される鶏が導入するという方法が行なわれている。
このオールインオールアウト方式により清浄になった鶏舎でも、しかも、当該鶏舎が、セミウインドウレス型やウインドレス型という、外部から病原体が侵入しずらい密閉構造のものであっても、導入される雛が感染性病原菌やウイルスを保有している場合や、養鶏場作業者や車両が媒介して、外部から感染症病原菌・ウイルスが侵入する危険を常に孕んでいる。
しかも、一旦、鶏舎内にそれらが伝播すると、咳きによる唾液飛沫や鶏糞などを媒介として、短期間に大量の発病が起こることとなる。また、病原体は鶏自身の体や羽に貯蔵され、排出され、他の鶏に撒き散らされることになるので、伝播における最大の伝播経路となっている。さらに、開放型鶏舎においては、渡り鳥等との直接接触により、海外伝染病までが伝播する危険にも曝されている。
そのため、鶏を飼育している鶏舎内では、自動噴霧装置を用いた消毒剤の散布が行われている。この消毒剤としては、クレゾール石鹸液、オルソ剤、フェノール系消毒剤、ヨード剤と異なり皮膚刺激性の少ない逆性石鹸、両性石鹸等が用いられるが、長期間継続的な鶏体への使用については、安全性について疑問を残すものである。また、防疫に対する不安から、必要量以上の消毒剤が散布されると、消毒剤が糞尿中に残留し、残留した消毒剤は、糞尿処理を行なう装置内で有用なバクテリアまでを不活化し、汚泥処理による排泄物の処理能力を低下させる原因となる恐れがある。
一方、対処療法として、病原菌・ウイルスに鶏が感染し難いように、ワクチンや抗菌性物質などの薬剤が、注射、点眼、点鼻の他、噴霧または飲水に混合されて経口投与されている。しかしながら、一旦感染性疾病が発病すると、その治癒のためにも、さらに薬剤を投与しなければならず、薬剤を投与する作業の頻発化と多量の薬剤の使用という別の問題が発生し、養鶏業者の受ける損失は図り知れない。また、疾病防止のために、多量に投与されるワクチンや経口投与される抗生物質は、耐性菌発生の要因であり、耐性菌によりワクチンなどが効力を発揮しない場合、事故率(鶏の死亡)の上昇や、最大の問題として人への感染に至る極めて重大な問題に発展する恐れもある。
他方、消毒剤としてのオゾンは、その強力な殺菌力、消臭力、脱色力等の特性、さらには分解による残存薬剤問題の回避性の面から、種々の分野で検討され、畜産関係、さらには養鶏関連での利用も、以下のように提案されている。
例えば、特開2002−306086号公報(特許文献1)においては、紫外線処理したオゾン水を家畜に飲ませ、オゾン水を洗浄水として使用して畜舎内を清掃し、また、畜舎内天井近傍にスプリンクラーを設置してオゾン水を散水して、畜舎を脱臭する方法が提案されている。
また、特開平11−178515号公報(特許文献2)および特開平07−236415号公報(特許文献3)においては、オゾンガスを用いて鶏卵表面を殺菌、消毒し品質保持を向上させる方法が提案されている。
特開2002−306086号公報(特許請求の範囲) 特開平11−178515号公報(特許請求の範囲) 特開平07−236415号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、オゾンそのものの毒性の故に、作業環境に於けるオゾンガス濃度は、0.1ppm以下にすることに規制されている。特に、特許文献2や3のように、ブース内で用いるしかも対象が鶏卵であるような場合はともかく、畜舎のように、内部で作業者が作業する箇所において、鶏にような生体に用いる場合は、特許文献1に示されるように、オゾンの有害性に鑑み、畜舎のオゾン濃度を環境基準内の0.1ppm以内に納めるように、0.03〜0.15ppm濃度のオゾン水を使用している。
そのため、特許文献1におけるオゾン水の使用は、畜舎の脱臭を主とするもので、殺菌効果の認められることも示しているものの、その殺菌は、空気中の雑菌の死滅させる程度の付随的なもので、畜舎内における殺菌、あるいはウイルスの不活化に十分な効力を発揮するものではなかった。
この発明はかかる現状に鑑み、肉用鶏平飼鶏舎において、殺菌・不活化のために、感染の伝播経路と養鶏場施設内の床面、通路はもとより、鶏体にオゾン濃度の高いオゾン水を直接撒布しても、養鶏作業者の作業環境におけるオゾンガス濃度は、環境基準の0.1ppm以下に納まり、作業者に悪影響を及ぼさないこと、鶏体への悪影響もないこと、さらに、感染性病原菌・ウイルスの殺菌・不活化の効果により、鶏の発病率や事故率(死亡率)を低下させ、健康増進に伴う飼料効率の向上を可能にする、養鶏方法、養鶏施設および養鶏施設衛生管理用具を提供せんとするものである。
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
濃度0.8ppm以上の高濃度のオゾン水を使用して、養鶏施設内の衛生管理を行なうこと
を特徴とする養鶏方法である。
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
濃度1〜30ppmの高濃度のオゾン水を使用して、養鶏施設内の衛生管理を行なうことを
特徴とする養鶏方法である。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の養鶏方法において、
前記生管理は、
養鶏施設内に、オゾン水を撒布して行なうものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の養鶏方法において、
前記撒布するオゾン水は、
オゾン濃度が2〜15ppmのものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項3に記載の養鶏方法において、
前記撒布するオゾン水は、
オゾン濃度が2〜6ppmのものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項3〜5のいずれかに記載の養鶏方法において、
前記オゾン水の撒布は、
鶏舎内に設けたシャワー設備により行われるものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項3〜5のいずれかに記載の養鶏方法において、
前記オゾン水の撒布は、
持ち運び可能な撒布用具を用い、この撒布用具の高濃度オゾン水を、直接鶏に吹き付けて行なうものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項6又は7に記載の養鶏方法において、
前記オゾン水の撒布は、
鶏舎の床面、敷料、通路、飲水器または鶏体そのものに直接吹き付けて行なうこと
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項7に記載の養鶏方法において、
前記撒布用具が、
畜圧式の撒布用具であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の養鶏方法において、
前記衛生管理は、
オゾン水による養鶏作業者の手洗い、養鶏作業者が着用中の履物又は、養鶏施設に進入する車両のオゾン水での洗浄によるものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項11に記載の発明は、
請求項1〜10のいずれかに記載の養鶏方法において、
オゾン水が、
電解式製造法、気液混合エジェクター又は気液混合式ポンプを用いて調製されたものであること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項12に記載の発明は、
鶏舎の衛生管理用に、高濃度オゾン水製造用の電解式オゾン水製造装置、又は気液混合エジェクター若しくは気液混合式ポンプを有するものであること
を特徴とする養鶏施設である。
さらにまた、この発明の請求項13に記載の発明は、
鶏舎の衛生管理用に、高濃度オゾン水の低温貯槽を有すること
を特徴とする養鶏施設である。
また、この発明の請求項14に記載の発明は、
請求項13に記載の養鶏施設において、
前記貯槽は、
高濃度オゾン水を、温度20℃以下に維持できるものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項15に記載の発明は、
請求項13に記載の養鶏施設において、
前記貯槽は、
飼育用ケージや通路、床面などに開口する吐水口を有し、鶏舎の天井付近に設けられた高濃度オゾン水用給水管と連通していること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項16に記載の発明は、
請求項14に記載の養鶏施設において、
前記吐水口は、
自動的に高濃度オゾン水を流出させる機能を有する自動制御機構により、開閉動作が作動するものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項17に記載の発明は、
持ち運び可能な撒布用具であって、畜圧機能とオゾン分解機能を有すること
を特徴とする養鶏施設衛生管理用具である。
この発明の養鶏方法は、オゾン濃度0.8ppm以上の高濃度オゾン水を、感染性病原菌・ウイルスの感染の伝播経路となる、養鶏施設の床面、敷料、通路、飲水器に撒布し、また、養鶏作業者が履いている長靴や作業者の手の消毒に用い、さらには鶏体そのものにホースや細霧ノズルの撒水用具を用いて撒布するという簡便な方法でありながら、感染性病原菌・ウイルスの殺菌・不活化を効率よく行なうものである。
特に、この発明においては、前記手段によって、これまで感染性疾病の種類毎に消毒や薬剤投与を種々行っていたものを、単一の方法で効果を発揮でき、また、鶏の移動等飼育環境の変化を伴わずに、継続的、かつ簡便に殺菌・不活化処理を常時行なえることとなり、養鶏業務が著しく改善される。
また、鶏体に直接高濃度オゾン水を撒布できることは、これまで鶏体消毒に用いられてきた逆性石鹸、両性石鹸等と比較して強い殺菌を達成しながら、殺菌後のオゾン水は完全に分解し、残留しないことから極めて安全で、効率的に防疫が行なえるという優れた効果を奏し、この効果により生産性の向上が実現できるものである。
加えて、薬品投与量が大幅に減少するということは、投与薬品の削減、投与作業の軽減を含め、生産性を著しく向上させるのみならず、安全性の高い食肉生産を可能にして鶏肉、鶏卵の付加価値を高めるという効果も奏するのである。
さらに、この発明の養鶏方法およびその施設は、養鶏業界における戸別農家の経営改善に繋がると共に、健康面で人の健康増進に寄与するとともに、薬剤使用量の減少による環境面へも配慮するという優れた効果を奏するものである。
この発明の養鶏方法は、濃度0.8ppm以上の高濃度のオゾン水を用いて養鶏施設の衛生管理を行なうことを特徴とするもので、その濃度が得られるものであれば、オゾン水の調製方法に格別制限はないが、高濃度のオゾン水が調製できる方法として、以下の三種の方法が、この発明にとり好ましい。
すなわち、原料水を電気分解し、オゾン分解速度を抑えた、持続性のある高濃度オゾン水を製造し得る電解式オゾン水製造法、または、原料水に対して酸素濃縮装置により濃縮された酸素を、放電によりオゾン化したガスを供給し、気液混合用エジェクターを用いて混合させて高濃度オゾン水を製造する方法、および、攪拌効果の高いインペラーを有する気液混合ポンプを用いて、オゾンと原料水を混合して製造する方法が好ましい。
高濃度オゾン水とは、その濃度が0.8ppm以上、好ましくは1ppm以上のものであって、濃度が0.8ppm未満のものは、使用条件下でオゾンが分解し、発散して、オゾン濃度が低下してしまうので、目的とする効果が得られず、その上限は、現行の製造条件の制限を受けるため30ppm程度である。
この高濃度オゾン水は弱酸性で、未溶解の細かなオゾンガス気泡を含まないものが好ましく、オゾンは分解されやすいため、製造してから鶏舎などで使用するまで、保冷タンクにおいて温度5〜20℃程度の低温度域に保持し、イオン濃度が低下しない間に利用されるようにすべきである。
また、高濃度オゾン水を調製するために用いる水についても、オゾンを溶解する前に予め温度5℃以上の低温に保持し、オゾン溶解が容易になるようにするべきである。
また、高濃度オゾン水の濃度は、放電出力や原料水量により調整可能で、使用される鶏舎の形態や、気温条件、湿度条件(共に鶏の飼育日齢により調製される)により任意に設定される。さらに、対象となる病原菌や鶏糞の残留状況、換気量によっても、任意に調整される。
通常、0.8ppm以上、好ましくは1ppm以上、通常30ppm以下の濃度のオゾン水を用いれば、飼育環境において存在する病原菌や、ウイルスの殆どを短時間で殺菌・不活化でき、消毒作業ごと、また、連続散水により継続的に鶏の生息環境に撒布することにより、充分な消毒効果をあげることができ、作業環境を悪化させることもない。
撒布される際の高濃度オゾン水濃度は、殺菌・不活化の効果と経済性、作業性、環境へのオゾンの放出等を考慮すると、2〜15ppmであることが好ましく、特に好ましいのはオゾン濃度2〜6ppmのオゾン水を撒布することである。
オゾン水製造装置において調製され、保冷貯槽に保管された高濃度オゾン水は、耐酸性の金属管、塩化ビニルなどのプラスチック管を用いて鶏舎に給水され、畜舎には天井付近に給水管を配置し、ケージや床面など鶏が存在する箇所に任意に吐出口を設け、そこからシャワー状に撒布されるようにするのが好ましく、その撒布も、任意の時刻に、任意の量の高濃度オゾン水が撒布できる自動殺菌装置で行なうことにすれば、連続的かつ無人での消毒作業が可能となるので好ましい。
なお、給水管やシャワーノズルを含め自動殺菌装置の配管系についても、耐酸性の材質を用い長期使用に耐える構造とするのが望ましい。
このシャワー状の撒布は、鶏舎内に通常設置されている噴霧装置(薬剤散布用)に類似したものを用いればよいが、オゾンのガス化を抑制するために、ノズルの先を、人が入浴時に用いるシャワー程度のシャワー状になるような構造にするのが好ましい。
これは、オゾン水からできるだけオゾンガスを分離させないための手段で、霧状に噴出したオゾン水からは瞬時にオゾンがガス化してしまうという性状や、同じく強く対象物にぶつかった際にガス化するという性状を考慮したものである。すなわち、ガス化を防止することは、オゾン水の酸化性能を低下させないことに加え、多量のオゾンガスが発生した際に鶏や作業者が、それを吸引し気管支炎などを起こすことを防止するためである。
また、鶏舎に給水された高濃度オゾン水は、給水管に設けられた吐出口に、連結金具などを用いて連結し、ノズルを取り付けたホースを用いて養鶏施設内に任意に撒布することもできるようにするのも好ましく、作業の軽減を考慮しながら、消毒した領域に近い吐出口の複数に、長さを考慮したホースを接続し、広い鶏舎において任意に、洗浄を兼ねた殺菌ができるようにすることが望ましい。
前記ノズルの先は、上述した理由と同じで、人が入浴時に用いるシャワー程度の散水ができる構造とし、ケージ及び床面、鶏体など、感染性疾病の伝播経路にノズルの先を近づけて、できるだけ衝撃が少ない条件で高濃度オゾン水を散水する。
なお、鶏が高濃度オゾン水を飲用しても、問題が発生せず、むしろ鶏の衛生管理に良好な結果を与える結果も予測されている。
また、上記と同様、連結用金具やその構成部品、ホース、ノズルなども耐酸性のあるものを用い、長期間使用に耐えるものとするのが望ましい。
また、この発明の養鶏施設の衛生管理として、鶏舎内または外部に洗浄槽を用意し、高濃度オゾン水を貯留又は撒水して、鶏舎に出入りする作業者の長靴や運搬用車両の消毒に用いることも行われる。さらに、作業者の手洗いに用いることも望ましい。
広い鶏舎内で効率よく消毒作業を繰り返すために、高濃度オゾン水の撒布用に調製された撒布用具を用いる。この高濃度オゾン水撒布用具としては、人が容易に携帯して鶏舎内を移動しつつ、高濃度オゾン水を撒布できる形態のもので、特に構造にこだわらないが、高濃度オゾン水やオゾンガスの漏洩が無く、排オゾンガスを、触媒等を用いて無害化した後に排出する機能を有し、散水ノズルで自在に鶏に高濃度オゾン水を撒布できる形状のものが好ましい。
高濃度オゾン水の撒布用具の一例として、図1に示される構造のものが挙げられる。
図示の高濃度オゾン水撒布用具Aは、基本的にオゾン水を収容するものであって、畜圧性を有する圧力容器1と、撒布ノズル5を主体とするもので、高濃度オゾン水製造装置で調製されたオゾン水11は、圧力容器1に収納され、高濃度オゾン水が収納された後、蓋2が閉められ密封される。
前記の圧力容器1には、手動によるエアポンプ4や、コンプレッサー3により外部より空気が、圧入され圧力容器1の内部に畜圧される。なお、エアポンプ4、コンプレッサー3ともに、空気は配管内を逆流しない形状でなければならない。コンプレッサー3は、圧力計9に設定した圧力まで稼動し、所定の圧力にて停止する。
オゾン水11は、圧力下に圧力容器1に収容することによって、撒布中や待機中において、水中からのオゾンの脱気を防ぐことができ、長時間オゾン濃度を高濃度に維持することができ、また、撒布のためのポンプインペラーの攪拌による、オゾンガスの分離も防止することができる。
使用に際しては、作業者は、撒布用具を背負等して移動し、対象となる鶏生息域に近づき、撒布ノズル5を開いて高濃度オゾン水を鶏に噴射する。その際、レベル計7で水が入っていることが確認された場合のみ、連動する電磁弁8が開き、初めてオゾン水が噴出する。これは、オゾンガスのノズルからの流出を発生させないための機構である。また、触媒に水を接触させないために排気用電磁弁10が閉止していることも条件とする。オゾン水の水面が、レベル計7のレベルになるまで散水が可能で、レベル計7のレベル以下になった場合は、撒布ノズル5が開であっても、噴出は電磁弁8により停止される。
高濃度オゾン水を撒布し終えると、作業者は任意に電磁弁10を開ける。圧力容器1内に残留しているオゾンガスは、オゾン分解筒6に至り、オゾン分解筒6に充填された触媒により完全に分解・無害化されて外部に放出される。
高濃度オゾン水撒布用具は、前記のような機構又は、同様の機能を有し、作業者の安全が確実に確保されるとともに、簡便に撒布作業ができる構造でなければならない。また、
高濃度オゾンに耐える耐蝕性のある材質を選択する必要がある。
なお、噴射孔12は、鶏舎構造や、鶏の日齢により交換可能にすることが望ましい。
すなわち、雛には、比較的細かな流用噴射孔12、例えば100ミクロンから300ミクロン程度のものを用いる。また、成鶏には、比較的大きな流用噴射孔12、例えば300ミクロンから1000ミクロン程度のものを用いる。すなわち、高濃度オゾン水の鶏体への付着が良好で、オゾン臭が少ない撒布状態にノズルおよび水量、鶏までの距離を加減して用いることが好ましい。これらの調整により、高濃度のオゾン水を飼育条件に問題のでない水量で、直接最少量で鶏に接触させることができる。
上記の高濃度オゾン水撒布用具は、鶏と同様に、養豚施設において豚に利用できる。特に、感染病に抵抗力の少ない出産後離乳期までの子豚に利用することが望ましい。高濃度オゾン水撒布用具は、少ない水量での消毒が可能であるため、子豚の体温低下など障害を発生させない範囲で、常時安全な消毒が可能となり、肥育効率の向上に大幅な効果が期待できる。
オゾン分解速度を抑制した、持続性のある高濃度オゾン水を用いる、この発明では、気化するオゾンガスが少ないため、鶏舎における通常の換気装置のある(又は送風により強制的に水面のオゾンガスを拡散させる)場所であれば、養鶏作業者の作業環境におけるオゾンガス濃度を、環境基準の0.1ppm以下に抑えて、確実な殺菌を可能とするものである。
この発明で用いる高濃度オゾン水は、オゾンガスに比べさらに酸化作用が強いため、養鶏場施設に高濃度オゾン水を用いる場合、鶏舎内のケージや配管取付け器具など鉄製製品を保護することが好ましく、防錆塗料およびエポキシなど耐酸性の高い樹脂系塗料などを用い、高濃度オゾン水の長期使用に際して防錆対策をすることが望ましい。
オゾン水による病原体不活化を実証するために、各種の病原体を用意し、高濃度オゾン水を添加することによる消毒効果を、インビトロで判定した結果を表1に示す。表1に明らかな様にオゾン水により病原体の不活化が確認された。
鶏卵、鶏肉等の食中毒事故において最も発生率の高いサルモネラについて、高濃度オゾン水の効果確認を以下の手順で確認した結果を表2に示す。表2に示されるように、逆性石鹸と同等の安定した消毒効果が確認された。
<試験方法>
表に示された高濃度オゾン水と逆性石鹸(モノビス(塩化トリメチルアンモニウムメチレン)アルキルトルエン)の液を、滅菌試験管に、それぞれ3ml分注し、ウマ血清3.3%濃度で添加し、10/mlに調整したサルモネラ菌(Saimonella Enteritidis ZK-2a)液30μlを入れ、10秒、30秒、1分、2分、3分、5分間、温度25℃の恒温槽で感作後、その30μlを、3%Tweenを加えたtryptone soy broth 3mlへ接種した。温度37℃で48時間培養し、ブロスの混濁により菌の発育を判定した。
さらに確認のため、1エーゼヲトリプトソイ寒天(TSA)培地に塗抹し、温度37℃で24時間培養し、菌の発育の有無を見た。
千葉県のブロイラー農場において、高濃度オゾン水を用いた実証試験を、以下のように実施した。
ウインドレス構造の鶏舎に、試験区、対象区共に、鶏16羽×2を飼育し、試験区においては、オゾン水を、床上1,300mmの高さに設置した3箇所のノズルより、朝夕2回自動的に撒布した。
ノズルは、100ミクロン径のステンレスノズルを用い細霧状に撒布した。撒布時のオゾン濃度は約4ppm、水温は温度20℃であった。
オゾン水撒布による鶏の行動に異常は認められず、鶏舎内のオゾン濃度は検知管による測定で、0.1ppm以下であった。
結果、非施用区との比較で、体重比は106%と増加した。また、飼料要求率は約3.9%向上した。増体重とは、出荷時の体重から雛鳥時の40〜45gの体重を差し引いた数値の平均である。
なお、試験3に用いた機器は、高濃度オゾン水発生装置仕様の通りである。
オゾンガス発生量 15g/h
酸素ガス流量 0.5Nm/H
オゾンガス発生方式 空冷円筒式、無声放電
酸素ガス供給 PSA
装置設置環境 周囲温度5〜35℃
オゾン水混合方式 エジェクター式
オゾン水生成濃度 0.3〜8.0mg/l
オゾン水生成水量 最大30l/min
この発明における高濃度オゾン水撒布用具の構造図である
符号の説明
A 高濃度オゾン水撒布用具
1 圧力容器
2 蓋
3 コンプレッサー
4 エアポンプ
5 撒布ノズル
6 オゾン分解筒
7 レベル計
8 電磁弁
9 圧力計
10 排気用電磁弁
11 オゾン水
12 噴射孔

Claims (17)

  1. 濃度0.8ppm以上の高濃度のオゾン水を使用して、養鶏施設内の衛生管理を行うこと
    を特徴とする養鶏方法。
  2. 濃度1〜30ppmの高濃度のオゾン水を使用して、養鶏施設内の衛生管理を行うことを
    特徴とする養鶏方法。
  3. 前記生管理は、
    養鶏施設内に、オゾン水を撒布して行うものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の養鶏方法。
  4. 前記撒布するオゾン水は、
    オゾン濃度が2〜15ppmのものであること
    を特徴とする請求項3に記載の養鶏方法。
  5. 前記撒布するオゾン水は、
    オゾン濃度が2〜6ppmのものであること
    を特徴とする請求項3に記載の養鶏方法。
  6. 前記オゾン水の撒布は、
    鶏舎内に設けたシャワー設備により行われるものであること
    を特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の養鶏方法。
  7. 前記オゾン水の撒布は、
    持ち運び可能な撒布用具を用い、この撒布用具の高濃度オゾン水を、直接鶏に吹き付けて行うものであること
    を特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の養鶏方法。
  8. 前記オゾン水の撒布は、
    鶏舎の床面、敷料、通路、飲水器、または鶏体そのものに直接吹き付けて行なうこと
    を特徴とする請求項6又は7に記載の養鶏方法。
  9. 前記撒布用具が、
    畜圧式の撒布用具であること
    を特徴とする請求項7に記載の養鶏方法。
  10. 前記衛生管理は、
    オゾン水による養鶏作業者の手洗い、養鶏作業者が着用中の履物、または養鶏施設に進入する車両のオゾン水での洗浄によるものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の養鶏方法。
  11. 前記オゾン水が、
    電解式製造法、気液混合エジェクター又は気液混合式ポンプを用いて調製されたものであること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の養鶏方法。
  12. 鶏舎の衛生管理用に、高濃度オゾン水製造用の電解式オゾン水製造装置、又は気液混合エジェクター若しくは気液混合式ポンプを有するものであること
    を特徴とする養鶏施設。
  13. 鶏舎の衛生管理用に、高濃度オゾン水の低温貯槽を有すること
    を特徴とする養鶏施設。
  14. 前記貯槽は、
    高濃度オゾン水を、温度20℃以下に維持できるものであること
    を特徴とする請求項13に記載の養鶏施設。
  15. 前記貯槽は、
    飼育用ケージや通路、床面などに開口する吐水口を有し、鶏舎の天井付近に設けられた高濃度オゾン水用給水管と連通していること
    を特徴とする請求項13に記載の養鶏施設。
  16. 前記吐水口は、
    自動的に高濃度オゾン水を流出させる機能を有する自動制御機構により、開閉動作が作動するものであること
    を特徴とする請求項14に記載の養鶏施設。
  17. 持ち運び可能な撒布用具であって、畜圧機能とオゾン分解機能を有すること
    を特徴とする養鶏施設衛生管理用具。
JP2004070236A 2003-11-20 2004-03-12 養鶏方法 Withdrawn JP2005253378A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070236A JP2005253378A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 養鶏方法
PCT/JP2004/017072 WO2005048697A1 (ja) 2003-11-20 2004-11-17 飼畜方法、飼畜施設および飼畜施設衛生管理用具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070236A JP2005253378A (ja) 2004-03-12 2004-03-12 養鶏方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005253378A true JP2005253378A (ja) 2005-09-22

Family

ID=35079719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004070236A Withdrawn JP2005253378A (ja) 2003-11-20 2004-03-12 養鶏方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005253378A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263839A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nepon Inc 畜舎の家禽ウイルス病防止方法
JP2009142204A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Seiwa Supply Kk 鶏舎用鳥インフルエンザ感染予防装置及び予防方法
JP2011229405A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Permelec Electrode Ltd 養殖魚に寄生する外部寄生虫の駆除方法
CN113100173A (zh) * 2021-05-20 2021-07-13 繁昌县绿野乡韵农庄 一种土鸡生态养殖方法
KR102622365B1 (ko) * 2022-11-16 2024-01-05 이동수 오존수를 이용한 생란의 제조 및 가공방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263839A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nepon Inc 畜舎の家禽ウイルス病防止方法
JP4653778B2 (ja) * 2007-04-19 2011-03-16 ネポン株式会社 畜舎の家禽ウイルス病防止方法
JP2009142204A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Seiwa Supply Kk 鶏舎用鳥インフルエンザ感染予防装置及び予防方法
JP2011229405A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Permelec Electrode Ltd 養殖魚に寄生する外部寄生虫の駆除方法
CN113100173A (zh) * 2021-05-20 2021-07-13 繁昌县绿野乡韵农庄 一种土鸡生态养殖方法
KR102622365B1 (ko) * 2022-11-16 2024-01-05 이동수 오존수를 이용한 생란의 제조 및 가공방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101291844B1 (ko) 가축 소독 방법, 가축 소독 장치, 가축 또는 가축육
JP3850027B1 (ja) 家畜消毒方法及び家畜消毒装置
CN101123873B (zh) 家畜消毒方法和家畜消毒装置
KR100817296B1 (ko) 축사자동소독시스템
KR20080039833A (ko) 생물 폐기물용 탈취 조성물
JP2007082419A (ja) 動物の飼育舎管理方法とオゾン水製造装置
KR20150030666A (ko) 가금류의 인도적 대량 도살 및 사육장의 살균을 위한 이산화탄소 기반 방법 및 시스템
CN201108612Y (zh) 一种二氧化氯消毒液雾化消毒装置
JP2007284399A (ja) 家畜用施設の内部に噴霧するための殺菌水及びその殺菌水を使用する家畜用施設の内部の殺菌方法
JP2005253378A (ja) 養鶏方法
CN105012973A (zh) 一种电化水用于猪场消毒的应用
JP2005151803A (ja) 養豚方法および養豚施設
JP2004097174A (ja) 豚舎と豚体(生体)の洗浄消毒
WO2005048697A1 (ja) 飼畜方法、飼畜施設および飼畜施設衛生管理用具
CN219517257U (zh) 一种羊养殖用羊舍消毒清理装置
JP2002281852A (ja) 家畜類の飼育方法、飼育設備
JP2024037185A (ja) 家畜の育成方法および家畜用飼料
CN215652828U (zh) 一种香猪饲养用猪舍消毒器
JP2008206664A (ja) 家鶏及び養鶏施設の防疫方法。
CN217745131U (zh) 一种建筑物内环境消毒除醛除味系统
KR20050088968A (ko) 가축용 살균, 소독제
CN213964503U (zh) 一种次氯酸消毒通道
CN217040843U (zh) 一种畜牧兽医用消毒喷雾装置
CN214342797U (zh) 一种畜牧兽医用喷洒消毒设备
KR102285529B1 (ko) 수산 방역 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050610

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050720

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051116

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060222