JP2005252708A - Dクラスアンプ - Google Patents

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Abstract

【目的】出力の大小、デッドタイムの大小に関係なく歪率を改善したDクラスアンプを提供する。
【構成】Dクラスアンプ10は、入力パルスP1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタQ1及びローサイドMOSトランジスタQ2からなるスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段のスイッチング出力端Aと負荷SPKとの間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備えるローパスフィルタ回路LPFと、を有するハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプであり、特に、前記スイッチング出力端Aと接地との間に、コイルL2とコンデンサC2が直列接続された強制フライバック発生回路FFG1が接続されている構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルオーディオアンプやモータドライバ等に用いられるDクラスアンプ(D級アンプ或いはD級電力増幅器とも云う。)に関する。
PWM(パルス幅変調)出力或いはPDM(パルス持続変調)出力等の逆位相の2つのパルス入力波によって交互に駆動されるスイッチング出力段のハイサイドMOSトランジスタとローサイドMOSトランジスタを備えるDクラスアンプは、デジタルオーディオアンプやモータドライバ等に汎用されており、一般に前記スイッチング出力段の±B電源間に直列接続された前記ハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタ(典型としてMOSFET)のスイッチング時のデッドタイム(Dead Time;ハイ及びローサイドMOSトランジスタが双方ともオフ状態の期間)をコントロールすることによって前記ハイサイドMOSトランジスタと前記ローサイドMOSトランジスタに瞬間的に流れる貫通電流を低減すると共に歪率を抑制する駆動方式を採っている。
そして駆動出力方式は、大きく分けて図10に示されるような±B電源間に接続されたハイサイドMOSトランジスタQ1とローサイドMOSトランジスタQ2を逆位相のパルス入力波P1、P2で各々交互にスイッチング駆動するハーフ・ブリッジ型と、図11に示されるようなハイサイドMOSトランジスタ、ローサイドMOSトランジスタの(Q1、Q2)と(Q3、Q4)の2組のスイッチング出力段からなるフル・ブリッジ型がある。
なお、図10、図11中の破線枠で囲まれたコイルL1とコンデンサC1はローパスフィルタ回路LPFを構成し、符号1、2はデッドタイム調整回路、符号3はレベルシフト回路、符号4、5はMOSトランジスタのドライバー回路である。
このDクラスアンプに関する公知文献としては、例えば、下記[特許文献1]にDクラスアンプ(D級増幅器)のS/N比の向上及び低歪率化を図る技術が記載されている。
この[特許文献1]に記載されているD級増幅器は、PWMパルス出力にてスイッチング駆動されるハーフ・ブリッジ型であり、そのスイッチング出力端と負荷のスピーカとの間にコイルとコンデンサを備えるローパスフィルタ回路LPFが挿入されている構成は図10の回路構成と同様である。
特開2002−359525号公報
図10の前記ハーフ・ブリッジ型と図11のフル・ブリッジ型のどちらのDクラスアンプにおいても歪率を改善するためには一般に前記デッドタイムを短くする必要がある。
しかし、デッドタイムを短くすればするほど、前記ハイサイドMOSトランジスタQ1、Q3とローサイドMOSトランジスタQ2、Q4に流れる貫通電流(ショート・スルー)が増大し、効率の悪化(電力損失の悪化)、更にはMOSトランジスタの発熱増大、破壊を引き起こすことになる。そこで、通常は歪率と効率の双方を見据えて適当な妥協点で設計されている。
例えば、図10の従来のハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプでは、MOSトランジスタQ1、Q2の貫通電流を抑えつつ歪を低減するために、適当なデッドタイム(一般にはデジタルオーディオアンプで数十ns)を設けて調整している。
上記構成によれば、図10におけるスイッチング出力端Aのスイッチング出力電圧Vaのスイッチング時(Q2がオフしてQ1がオンする際のスイッチング)の立ち上がりは、図12のスイッチング出力電圧Vaの波形模式図に示されるように、図面上段の[無信号時](小パワー出力時を含む)は、デッドタイムの期間でもローパスフィルタ回路LPFのコイルL1のフライバック効果(電流変化に逆らうように流そうとする自己誘導の作用)によりMOSトランジスタQ2がオフになってデッドタイムに入った瞬間にVaが立ち上がり始めて(波形M1)、デッドタイムがマスクされるため、歪率の悪化は殆ど生じない。そしてデッドタイムが終わってMOSトランジスタQ1がオンするとその本来の駆動力が加わって急激に立ち上がるのである(波形M2)。
しかし、出力パワーを上げていくと図12の図面下段の[パワー出力時]では、前記コイルL1のフライバック効果がなくなり、前記スイッチング出力電圧Vaのデッドタイムによる立ち上がりの遅延(波形M2)が現れて歪率が悪化する。
この現象は、図13のデッドタイムを大きくとった場合(100ns)の負荷のスピーカの出力振幅電圧波形W1とデッドタイムを小さくとった場合(30ns)の出力振幅電圧波形W2の比較グラフ(シミュレーション)から判るように、デッドタイムを大きくとった場合に符号7で示される波形部分に目に見える歪が現れる。
しかしながら、前述のようにデッドタイムを小さく設定すると貫通電流が増大してスイッチング損失大(電力損失大)となるのでデッドタイムを小さくとるのにも限界があり、歪率の問題は解消されない。
図14は従来のフル・ブリッジ型のDクラスアンプにおける負荷SPKのスピーカの出力波形(サイン波)と歪波形の実測グラフである。本図から判るように出力が2Wと小さい場合には歪率THDは0.0047%と小さいが、出力が8Wと大きくなると歪率THDは0.0222%と目に見えて大きくなる。
このように、従来のDクラスアンプにおいては、デッドタイムをマスクするフライバック効果が無くなるような出力振幅のパワー出力時においては波形が歪み、オーディオ特性等を悪化させていた。
また、図12における[無信号時]及び[パワー出力時]の双方の場合に共通の課題として、前記スイッチング出力電圧Vaのスイッチング時の立ち上がり/立ち下がり波形のオーバーシュート及びリンギング(符号8の網線領域)により、スイッチングMOSトランジスタQ1、Q2の耐圧マージン不足(MOSトランジスタの破壊の恐れ)、不要輻射レベルの増加(EMCレベル増大)を招き、Dクラスアンプの回路設計を困難なものとしていた。
実際、図15の従来のDクラスアンプにおける上記スイッチング出力電圧Vaのスイッチング時の立ち上がり実測波形に示されるように、顕著なオーバーシュート及びリンギング8が現れていることが判る。
上記オーバーシュート及びリンギング8を抑え込む手段として、デッドタイムを大きくするか或いはMOSトランジスタのスルーレートを小さくするなどの方法がある。デッドタイムを大きくする方法はローパスフィルタ回路LPFのコイルL1のフライバック効果によって前記スイッチング出力電圧Vaがある程度上がり切ったところでMOSFETをオンさせる、所謂ゼロスイッチング動作させることで実現する手法である。
しかし、いくらデッドタイムを大きくしたところで、結局は、出力パワーを上げていくと上記コイルL1によるフライバック効果が無くなるため、ゼロスイッチング動作とならず、再びオーバーシュート及びリンギングが発生することになる。当然、前述のようにデッドタイムが見え始め、歪率も悪化することになる。
ここで、従来のDクラスアンプにおいて、無信号時には現れていたコイルL1のフライバック効果によってデッドタイムがマスクされるという歪率改善に有益な作用がパワー出力時には無くなる理由を詳述する。
先ず、図10に示されるハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプにおいて、ローパスフィルタ回路LPFのコイルL1に流れる電流をIa(負荷SPKのスピーカ側方向を正とする。)と定義すると、図16の前記スイッチング出力電圧Vaと前記コイルL1に流れる電流Iaの波形変化図に示されるように、[無信号時]のIaはデューティ50%で交互に電流の向きが変わるため、スイッチング時のコイルL1のフライバック効果によるスイッチングが立ち上がり/立ち下がり共に支配的となり、デッドタイムによる遅延は見えない。
しかし、出力パワーを上げると、下段の[パワー出力時]のIaの向きは交互ではなく同一方向(図16の例では常にIa>0で+方向)のみとなるため、フライバック効果による電流の方向がデューティ50%のときとは逆になるタイミングが生じる(図16ではVaの立ち上がり時のタイミング)。このタイミングでは、フライバック効果によるスイッチング出力電圧Vaの立ち上がりは期待できなくなり、デッドタイム分遅れたところでのMOSトランジスタQ1本来のスイッチングによる立ち上がりが支配的となる。即ち、コイルL1のフライバック効果による立ち上がりからMOSFET本来の立ち上がりに遷移するため、立ち上がりポイントがデッドタイム分遅延する、つまリデッドタイムがマスクされなくなることになり歪率が悪化するのである。
さらに、遷移によりスルーレートも変化する上に、逆向きフライバック(図16におけるVaの立ち上がり時に下向きのフライバック効果が生じている。)に打ち勝ってスイッチング出力電圧Vaを立ち上げなければならないため、スルーレートは複雑な動きを呈し、一段と歪率の悪化を招くことになる。
本発明は、上記Dクラスアンプの孕む歪率と効率の相反する特性に鑑みて為されたものであり、簡単な構成でありながら常にデッドタイムをマスクするような望ましいコイルのフライバック効果を得るような構成として、デッドタイムを大きく取れるようにし、ゼロスイッチング動作が実現できるようにしたDクラスアンプを提供することを目的とする。
従来のDクラスアンプにおける前記課題を解決するには、大パワー出力時においてもデューティ50%の無信号時のときと同様にコイルによるデッドタイムをマスクするようなフライバック効果を発生させることができれば、デッドタイムによる遅延が発生せず、歪率の悪化は無いことになる。つまり、出力パワーに関係なく、常に同じタイミング、同じスルーレートで立ち上げることが重要である。
本発明は、上記コイルのフライバック効果に着眼して以下の(1)、(2)のDクラスアンプを上記課題を解決する手段として提供する。
(1)入力パルスP1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタQ1及びローサイドMOSトランジスタQ2からなるスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段のスイッチング出力端Aと負荷SPKとの間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備えるローパスフィルタ回路LPFと、を有するハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプにおいて、前記スイッチング出力段のスイッチング出力端Aと接地との間に、コイルL2とコンデンサC2が直列接続されていることを特徴とするDクラスアンプ10。
(2)入力パルスP1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタQ1、Q3及びローサイドMOSトランジスタQ2、Q4からなる2組のスイッチング出力段と、前記2組のスイッチング出力段のスイッチング出力端A、Bと負荷SPKとの間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備えるローパスフィルタ回路LPF1、LPF2と、を有するフル・ブリッジ型のDクラスアンプにおいて、前記2組のスイッチング出力段の各スイッチング出力端A、Bと接地との間に、または、前記2組のスイッチング出力段の双方のスイッチング出力端A、Bの間に、コイルL3又はL4とコンデンサC3又はC4が直列接続されていることを特徴とするDクラスアンプ20又は30。
新たに付加された直列接続のコイルL2(又はL3、L4)及びコンデンサC2(又はC3、C4)等のLC回路によって、出力パワーに関係なく常時デッドタイムをマスクする方向にフライバック効果を発生させることができる。以降、フライバックを発生させるこの直列接続のコイルL2又はL3又はL4とコンデンサC2又はC3又はC4を構成要素とするLC回路を強制フライバック発生回路(Forced Flyback Generator;略してFFG)と称する。
本発明に係るDクラスアンプは、上記のようにスイッチング時のデッドタイムを常時見えなくする強制フライバック発生回路が挿入された回路構成のため、
(1) 簡単な回路構成でありながら、コイルのフライバック効果を大パワー出力時にも得ることができ、スイッチング時のデッドタイムが常にマスクされて歪率改善に有効である。
(2) 強制フライバック効果によってデッドタイムを大きくしても歪率が悪化しないので、予めデッドタイムを大きく取るように回路設計することが可能となり、ゼロスイッチング動作を容易に実現することができる。
(3)出力パワーに関係なく、ゼロスイッチング動作が可能となるため、オーバーシュートやリンギングが低減することで不要輻射レベルの低減が実現できる。
(4)デッドタイムを大きくすることで、スイッチング出力段のハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタに流れる貫通電流の低減が容易に実現できる。この貫通電流の低減は、両MOSトランジスタの劣化を最小限にとどめ、長寿命化が図れるに留まらず、電流検出回路などの誤動作防止に有効であり、また、マルチチャンネルシステムにおいては、他チャンネルへのノイズ混入やチャンネル間干渉を低減することができる。
(5)オーバーシュートが低減できるため、MOSトランジスタの耐圧破壊回避、耐圧マージン確保、長寿命化が期待できる。
本発明に係るDクラスアンプの最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、従来のDクラスアンプにおけるスイッチング出力段より手前のPWM変調回路等の回路は周知技術であるので説明を省略し、専らスイッチング出力段に係るスイッチング時のコイルのフライバック効果とその作用に絞って説明する。また、図10、図11に示される従来のDクラスアンプの回路図における同等部については同符号で示す。
図1は本発明に係る第1の実施の形態例のDクラスアンプ(ハーフ・ブリッジ型)の回路図であり、図2は第2の実施の形態例のDクラスアンプ(フル・ブリッジ型)の回路図であり、図3は第3の実施の形態例のDクラスアンプ(フル・ブリッジ型)の回路図である。図4は図1のDクラスアンプにおけるスイッチング出力端Aのスイッチング出力電圧VaとコイルL1に流れる電流Ia及びコイルL2に流れる電流Ibの波形変化図である。図5はスイッチング出力電圧Vaの立ち上がり波形の模式図である。
図1において、本発明のDクラスアンプ10は、パルス入力波P1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタQ1及びローサイドMOSトランジスタQ2からなるスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段のスイッチング出力端Aと負荷SPK(スピーカ等)との間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備えるローパスフィルタ回路LPFと、を有するハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプであり、特に、前記スイッチング出力端Aと接地との間に、コイルL2とコンデンサC2が直列接続されている破線枠内の強制フライバック発生回路FFG1が接続されている構成である。
また、図2において、本発明のDクラスアンプ20は、パルス入力波P1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタ(Q1、Q2)、(Q3、Q4)からなる2組のスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段の各スイッチング出力端A、Bと負荷SPKとの間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備える2つのローパスフィルタ回路LPF1、LPF2と、を有するフル・ブリッジ型のDクラスアンプであり、特に、前記フル・ブリッジ型の各スイッチング出力端A、Bと接地の間に、コイルL3とコンデンサC3が直列接続されている破線枠内の強制フライバック発生回路FFG2が接続されている構成である。
また、図3において、本発明のDクラスアンプ30は、パルス入力波P1、P2によって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタ(Q1、Q2)、(Q3、Q4)からなる2組のスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段の各スイッチング出力端A、Bと負荷SPKとの間に挿入されたコイルL1とコンデンサC1を備える2つのローパスフィルタ回路LPF1、LPF2と、を有するフル・ブリッジ型のDクラスアンプであり、特に、前記フル・ブリッジ型の両スイッチング出力端A、Bの間に、コイルL4とコンデンサC4が直列接続されている破線枠内の強制フライバック発生回路FFG3が接続されている構成である。
以下、上記Dクラスアンプ30における強制フライバック発生回路FFG3を例にしてスイッチング時の歪率改善作用について図4を基に説明する。
先ず、強制フライバック発生用に新たに挿入した強制フライバック発生回路FFG3のコイルL4とコンデンサC4に流れる電流をIb(スイッチング出力端Aからスイッチング出力端B方向を正とする。)と定義する。本回路では、スイッチングの際に電流Iaと共に電流Ibも流れるようになるが、電流Ibは負荷(スピーカ等)がないため、電流Iaよりも電流の変化が早く、より大きい電流振幅をとることができる。
したがって、コイルL4のインダクタンス値を適当な値に選べば、出力パワーが上がった場合でも、交互に電流Ibの向きが変わる状態を作り出すことができる。そこで、図4の図面下段のスイッチング出力電圧Vaの立ち上がりのスイッチング時に、電流Iaよりも電流Ibが常に大きい逆電流が流れるようにコイルL4を調整すれば、トータルのスイッチング出力電流(Ia+Ib)は実質的に交互に電流が流れることになり、強制的にデューティ50%の無信号時と同じ向きのフライバック効果を得ることができる。即ち、Vaの立ち上がりにおいてIa+Ib<0となって無信号時のデューティ50%の時と同じフライバック方向となり、デッドタイムによる遅延が生じなくなる。
その結果、MOSトランジスタQ1、Q2本来のデッドタイム経過後の急峻な立ち上がりは生じないことになり、安定した低歪率を得ることができる。
なお、図4は、電流Iaが正方向電流の場合の例であるが、当然、逆方向時でも同じ効果が得られる。また、フル・ブリッジ型のDクラスアンプ20、30のみならずハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプ10でも動作原理は同じである。
上記コイルL4のインダクタンス値は、他の回路素子の値を考慮して最適値に設定されるが、電流Ibの変化を電流Iaより大きくとることが肝要である。例えばコイルL1のインダクタ値が20μHの場合には、その約半分の10μH程度が適当である。Dクラスアンプ10、20においても、例えばコイルL2、コイルL3のインダクタンス値をローパスフィルタ回路のコイルL1のインダクタンス値よりも小さい値とする。
本発明の上記強制フライバック発生回路FFG1、2、3によって、スイッチング出力電圧Vaの立ち上がり波形はスイッチング出力の大小に関係なく(最大出力パワーであっても)、図5のような立ち上がり波形模式図となり、デッドタイムが常にマスクされるため、デッドタイムの大小によって歪率が依存しなくなるばかりか、デッドタイムを大きく設定することで、フライバック効果で十分にスイッチング出力電圧Vaが上がった時点でMOSトランジスタをオンさせることが可能となり、容易にゼロスイッチング動作を実現することができる。その結果、貫通電流、オーバーシュート及びリンギング等も減少するという極めてDクラスアンプにとって有益な作用効果が得られる。
図6は本発明に係る強制フライバック発生回路FFG3を設けたDクラスアンプ30の負荷SPK(スピーカ)の出力振幅電圧波形W3と、設けていない従来のDクラスアンプの同出力振幅電圧波形W4の比較グラフ(シミュレーション)であるが、これより強制フライバック発生回路の歪率改善の作用効果が確認される。
また、図7は本発明のDクラスアンプ30における負荷SPK(スピーカ)の出力波形(サイン波)と歪波形の実測グラフである。本図と前述の図14とを比較すると明らかなように、出力が2Wと小さい場合は歪率THDは0.0047%と小さく、且つ、出力が8Wと大きい場合でもTHDは0.00225%と安定して小さいことが判り、従来よりも飛躍的な歪率の改善が実現できることが判る。
図8は本発明に係る強制フライバック発生回路の有無と歪率THDとデッドタイムとの関係をとったシミュレーション値の対数グラフである。フライバック発生回路が無い場合のDクラスアンプの場合はデッドタイムの増大とともに急激に歪率が上昇しているが、強制フライバック発生回路を設けたDクラスアンプでは歪率はデッドタイムに依存せず安定して低い値を維持していることが判る。実際に、本発明のDクラスアンプでは、デッドタイムを100〜200nsに設定しても低い歪率が確保されることが実測されている。
また、図9の本発明のDクラスアンプ30におけるスイッチング出力電圧Vaのスイッチング時の立ち上がり実測波形から明らかなように、オーバーシュート及びリンギングが従来の同型Dクラスアンプの場合(図15参照)と比して十分に抑えられていることが判る。
以上、詳述したように、本発明に特有の強制フライバック発生回路FFG1又はFFG2又はFFG3を備えるDクラスアンプ10又は20又は30では、出力の大小に関係なく、且つ、デッドタイムの大小に係わらずに歪率を改善できるため、デッドタイムを大きく設定することにより、貫通電流の低減(効率向上)、オーバーシュート及びリンギングの低減、不要輻射量の低減等の優れた作用効果が得られるのである。
本発明に係る第1の実施の形態例(ハーフ・ブリッジ型)のDクラスアンプの回路図である。 本発明に係る第2の実施の形態例のDクラスアンプ(フル・ブリッジ型)の回路図である。 本発明に係る第3の実施の形態例のDクラスアンプ(フル・ブリッジ型)の回路図である。 本発明に係る第3の実施の形態例のDクラスアンプにおけるスイッチング出力端Aのスイッチング出力電圧VaとコイルL1に流れる電流Ia及びコイルL2に流れる電流Ibの波形変化図である。 本発明に係る第3の実施の形態例のDクラスアンプにおけるスイッチング出力電圧Vaの立ち上がり波形の模式図である。 本発明に係る強制フライバック発生回路を設けたDクラスアンプと設けていないDクラスアンプの出力振幅電圧波形の比較グラフ(シミュレーション)である。 本発明のDクラスアンプにおける出力波形(サイン波)と歪波形の実測グラフである。 本発明に係る強制フライバック発生回路の有無と歪率THDとデッドタイムとの関係をとったシミュレーション値の対数グラフである。 本発明のDクラスアンプにおけるスイッチング出力電圧Vaのスイッチング時の立ち上がり実測波形である。 従来のハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプの回路図である。 従来のフル・ブリッジ型のDクラスアンプの回路図である。 従来のDクラスアンプにおけるスイッチング出力電圧Vaの波形模式図である。 従来のDクラスアンプにおけるデッドタイムを大きくとった場合の出力振幅電圧波形W1とデッドタイムを小さくとった場合の出力振幅電圧波形W2の比較グラフ(シミュレーション)である。 従来のDクラスアンプにおける出力波形(サイン波)と歪波形の実測グラフである。 従来のDクラスアンプにおけるスイッチング出力電圧Vaのスイッチング時の立ち上がり実測波形である。 従来のDクラスアンプにおけるスイッチング出力電圧VaとコイルL1に流れる電流Iaの波形変化図である。
符号の説明
1、2 デッドタイム調整回路
3 レベルシフト回路
4、5 ドライバー回路
8 オーバーシュート及びリンギング
10、20、30 Dクラスアンプ
Q1、Q3 ハイサイドMOSトランジスタ
Q2、Q4 ローサイドMOSトランジスタ
C1、C2、C3、C4 コンデンサ
L、L1、L2、L3、L4 コイル
LPF、LPF1、LPF2 ローパスフィルタ
P1、P2 パルス入力波
A、B スイッチング出力端
M1 フライバック効果のみによる立ち上がり波形
M2 MOSトランジスタ(+フライバック効果)による立ち上がり波形
Va スイッチング出力電圧
Ia、Ib コイルに流れる電流
FFG1、FFG2、FFG3 強制フライバック発生回路
SPK 負荷

Claims (2)

  1. 入力パルスによって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタからなるスイッチング出力段と、前記スイッチング出力段のスイッチング出力端と負荷との間に挿入されたコイルとコンデンサを備えるローパスフィルタ回路と、を有するハーフ・ブリッジ型のDクラスアンプにおいて、
    前記スイッチング出力段のスイッチング出力端と接地との間に、コイルとコンデンサが直列接続されていることを特徴とするDクラスアンプ。
  2. 入力パルスによって交互に駆動されるハイサイドMOSトランジスタ及びローサイドMOSトランジスタからなる2組のスイッチング出力段と、前記2組のスイッチング出力段のスイッチング出力端と負荷との間に挿入されたコイルとコンデンサを備えるローパスフィルタ回路と、を有するフル・ブリッジ型のDクラスアンプにおいて、
    前記2組のスイッチング出力段の各スイッチング出力端と接地との間に、または、前記2組のスイッチング出力段の双方のスイッチング出力端の間に、コイルとコンデンサが直列接続されていることを特徴とするDクラスアンプ。
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