JP2005251641A - 異方性導電膜及びその製造方法 - Google Patents

異方性導電膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度に集積された回路の結線を低コストで効率よく行なうことができる異方性導電膜を提供する。
【解決手段】25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する針状の硬質強磁性材料からなる金属粉末2を一定方向に配向させた状態で樹脂4に分散させて異方性導電膜10を構成する。強磁性金属粉末2は製造時に磁場配向させることによって整列される。磁場配向された強磁性金属粉末2は残留磁化により一定方向に整列し続けるので、電子部品の接続時に磁界を印加する必要は無い。また、導通部としての強磁性金属粉末2は針状形状であるので高密度に集積された回路の結線が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電膜及びその製造方法に関し、例えば、電子部品の電気的な接続のために用いられる異方性導電膜及びその製造方法に関する。
半導体の実装、携帯電話の配線、フラットパネルディスプレーの配線などの微小部分の電気的な接続のために異方性導電膜が用いられており、様々な機能に基づく異方性導電膜の接続方法が提案されている(非特許文献1及び特許文献1)。
例えば、非特許文献1には、球状の樹脂フィラーに金属メッキを施した導電性粒子を樹脂に分散させたものが開示されている。すなわち、導電性粒子を希薄な濃度で樹脂中に分散することにより形成した導電性膜に20〜30μmの高さのバンプ電極端子を加熱下でめり込ませ、バンプ電極端子によって挟まれた部分を加圧して変形させることで、導電性膜中に含まれる導電性粒子の間隔を小さくして、その部分の電気抵抗を低減させて通電させている。この方法では導電性膜は50μm以上の厚みが必要であり、導電性膜を薄くするには導電性粒子の濃度を高めなければならないが、導電性粒子の濃度を高くするとバンプ電極端子同士がショートするという問題があった。さらに、導電性粒子の粒子サイズが5〜20μmと大きいことと、加熱圧縮する際に圧力が拡散してしまうことを考慮すると、接続可能な隣接端子間の距離(端子のピッチ)は50μm以上でなければならず、高密度に形成された端子の接続には不向きであった。
また、特許文献1には、微細な導電粒子を、加圧によって破壊されるような絶縁性の樹脂からなるマイクロカプセルで包み込み、そのマイクロカプセルによって包み込まれた導電粒子を樹脂及び溶剤でなる異方性導電接着剤に混入し、それをフィルム状に形成した異方性導電膜が開示されている。マイクロカプセルを加圧することによって破壊することによって基板に端子を接続する方式を採用しているため、下地となる基板としてフレキシブルな基板を用いた場合に、接続のために圧力をかけたときに基板がその圧力により変形してしまうという問題がある。
以上のような問題を解決するためには、導電性物質を通電方向に配向することが有効であり、これを実現するために種々の方法が提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。
エレクトロニクス実装技術、第14巻7号 pp50−55 特開平8−311420号公報 特開2002−75064号公報 特開2002−8449号公報 特開平6−69643号公報 特開平5−11265号公報
特許文献2には、フィルムの厚み方向の貫通孔を設け、その貫通孔の中に導電性粒子を充填した異方導電性フィルムが開示されている。しかしながら、端子ピッチの短い電子部品を接続するためには、フィルムに微小な貫通孔を形成するとともに貫通孔の間隔を狭めることが必要であり、フィルムにそのような加工をすることには限界がある。
また、特許文献3には、電子部品の導通機能の検査用として好ましい異方導電性フィルムが開示されており、この異方導電性フィルムは、絶縁性を有するフィルム基材と、外フィルム基材中に複数個配置される導通路とを有する領域が形成されている。この異方性導電性フィルムは、導電性材料からなる線材に絶縁性材料からなる被覆層を形成して絶縁導線を作製し、それら絶縁導線を芯材に巻きつけて巻き線とし、巻き付けられた絶縁導線の被覆層同士を圧着させて一体化させ、絶縁導線に対して垂直な面でスライスすることによって作製される。しかしながら、各導通路は導電性材料からなる線材により形成されており、それらの直径は10〜200μmで、ピッチが30〜100μmであり、線材の直径をこれ以上細くすることは困難であり、端子ピッチの短い電子部品を接続するには限界がある。
また、特許文献4には、エポキシ系バインダでなる熱硬化性樹脂に、プラスチックビーズに磁性体でなるニッケルをメッキすることによって形成された導電性粒子を分散させることによって形成された異方性導電膜が開示されている。そして、この異方性導電膜を電極間に介挿して、電極間に磁界を印加すると共に、異方性導電膜を所定温度に加熱して導電性粒子が熱硬化樹脂中を移動できるようにし、この状態で押圧して電極間を接続する方法が開示されている。しかしながら、導電性粒子は球状であるために、磁場を印加している間に導電性粒子同士がランダムな凝集を起こしてしまい、電気抵抗の異方性が十分でない。また、導電性粒子は、プラスチックビーズを軟磁性のニッケルで被覆しているため、熱硬化樹脂の硬化が終了するまで磁場を印加しつづけなければ配向を維持することができず、塗膜単独では所定の方向に導電性粒子を配向させ続けることが困難であるという不都合があった。
また、特許文献5には、熱可塑性樹脂からなり少なくとも一方向に圧縮可能なペースト材中に、ニッケルの導電性ウィスカーを分散させ、このペースト材を回路パターン上に印刷することにより、回路パターン上に異方性導電膜を形成する方法が開示されている。しかし、特許文献5の異方性導電膜においては、導電性ウィスカーは、長さが10μm〜20μmであり、10μm以下の膜厚を得ることができないという問題があった。また、導電性ウィスカーは軟磁性を示すため、上記と同様に配向を維持することが困難であるという不都合があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、高密度に集積された回路の結線を低コストで効率よく行なうことができ、接続時の取扱いを簡便にすることができる異方性導電膜及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、絶縁性の樹脂と、25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する針状の強磁性金属粉末とを有し、前記針状の強磁性金属粉末が、前記樹脂の内部において所定方向に配向して分散している異方性導電膜を提供する。
本発明の異方性導電膜は、前記針状の強磁性金属粉末の長軸長が0.1〜5μm、短軸長が0.01〜0.5μmの範囲内にあり、前記短軸長に対する長軸長の比が5〜30の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の異方性導電膜において、前記針状の強磁性金属粉末は、その表面に導電性物質により形成される皮膜を有することが好ましい。導電性物質としては、Au、Ag、Cu、Niなどの金属若しくはそれらの合金又はカーボンが好ましい。
また、本発明の異方性導電膜において、前記針状の強磁性金属粉末は、その長軸の方向が膜厚方向と平行になるように配向していることが好ましい。
本発明の第2の態様は、支持体上に、25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する針状の強磁性金属粉末が分散された樹脂を形成し、前記支持体に対して、所定方向に磁場を印加して前記強磁性金属粉末を配向させる異方性導電膜の製造方法を提供する。
本発明の異方性導電膜は、絶縁性の樹脂の内部において導電部として機能する強磁性金属粉末を、25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する硬質の強磁性材料を用いて形成しているので、磁場を印加して強磁性金属粉末を使用時の通電方向に一旦配向させておけば、残留磁化により強磁性金属粉末の配向が維持される。それゆえ、本発明の異方性導電膜によれば、例えば、電子部品と基板とを接続する際に外部から磁界を印加する必要がなくなり、それらを簡便に、しかも低コストで接続することができる。
また、導通部として機能する強磁性金属粉末は細長い針状形状を有しているので、接続可能な電極間隔(電極ピッチ)を狭くすることができ、高密度に集積された回路の結線を効率よく行なうことができる。
本発明の異方性導電膜の製造方法は、針状の強磁性金属粉末を絶縁性の樹脂中に分散した後、外部から所定の方向に磁界を印加して強磁性金属粉末を配向させるので、本発明の異方性導電膜を製造する方法として最適である。
以下、本発明の異方性導電膜及びその製造方法について、添付の図面に示される好適な態様に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明の異方性導電膜の概略断面図を示す。本発明の異方性導電膜10は、絶縁性の樹脂4の内部に、細長い針状の形状を有する強磁性金属粉末2が一定の方向に配向された状態で分散された構造を有する。すなわち、樹脂4の内部に存在するそれぞれの強磁性金属粉末2は、図1に示すように、その長軸(長さ方向の軸)が一定方向(図では上下方向)に向いた状態で整列している。このような構造を有する異方性導電膜10は、例えば、基板と電子部品との間に介在され、異方性導電膜10中の強磁性金属粉末2を介してそれらを電気的に接続することができる。
本発明の異方性導電膜は、強磁性金属粉末が導通路として機能し、その配向方向と、それ以外の方向とにおいて電気抵抗率が異なっており、強磁性金属粉末の配向方向において高い電気伝導性を示す。強磁性金属粉末の配向方向における電気抵抗率は10Ωcm以下であることが好ましく、10Ωcm以下であることが一層好ましい。一方、配向方向に対して垂直な方向は、実質的に絶縁状態となっており、1010Ωcm以上の電気抵抗率を示すことが好ましい。
本発明の異方性導電膜は、強磁性金属粉末の長軸の方向が、実際に使用する際に通電させる方向と平行になるように強磁性金属粉末が配向されており、この強磁性金属粉末の配向する方向(長軸方向)にのみ実質的に導電性を示す。強磁性金属粉末を配向させるには、例えば、異方性導電膜を製造する際において、樹脂中に強磁性金属粉末を泳動可能な状態で分散させたときに、強磁性金属粉末に対して外部から磁場を印加させるようにすれば良い。すなわち、針状の強磁性金属粉末の磁化容易軸は長軸方向であるので、強磁性金属粉末を樹脂中に存在する強磁性金属粉末に外部から磁界を印加することにより、樹脂中のそれぞれの強磁性金属粉末を、印加した磁界の方向と平行に配向させることができる。
強磁性金属粉末は、樹脂内で均一に分散されていることが好ましく、強磁性金属粉末の分散率は、例えば、接続する電子部品の端子のピッチに応じて適宜選択することができる。樹脂中に含ませる強磁性金属粉末の密度を高めて分散率を上げることにより、例えば、端子間隔の短い電子部品であっても、隣接端子をショートさせることなく基板に接続することができる。
ここで、本発明の異方性導電膜に用いる針状の強磁性金属粉末について詳述する。
本発明の異方性導電膜に用いる強磁性金属粉末の材料は、Fe、Co、Sm、Nd又はそれらの合金であることが好ましい。これらの材料の中でも、針状形状の結晶が容易に得られるFeが最も好ましい。また、保磁力と飽和磁化の積(Hc・σs)を制御するために、Co、Niを合金成分として用いることができる。更に、Al、Si、希土類元素を焼結防止のために添加することができるが、それらの添加量が多すぎると強磁性金属粉末の電気抵抗が高くなるため、添加量は20重量%以下であることが好ましい。
強磁性金属粉末は、その表面にAu、Cu、Ag、Ni等の金属膜あるいはカーボン膜などの皮膜を有してもよい。このような皮膜を強磁性金属粉末の表面に形成することにより、強磁性金属粉末の電気抵抗を低くすることができる。更には、強磁性金属粉末の酸化を防止又は抑制することもできる。Au、Cu、Ag、Ni等の金属膜は、例えば無電解メッキにより形成することができ、カーボン膜はCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成することができる。
また、強磁性金属粉末は、25kA/m以上の保磁力と100〜160Am/kgの飽和磁化を有する。このような保磁力の大きな硬質磁性材料を、導通路として機能する強磁性金属粉末の材料として用いているので、樹脂中に分散している強磁性金属粉末は、外部磁場により配向された後、外部磁場が取り除かれた状態となっても、残留磁化によりその配向を維持し続けることができる。それゆえ、電子部品を基板等に接続する時に外部から磁界を印加しておく必要がなくなり、従来よりも簡便に電子部品を基板等に接続することができる。ここで、強磁性金属粉末の保磁力を25kA/m以上としたのは、保磁力が25kA/mよりも低くなると残留磁化が少なくなって、強磁性金属粉末の配向が乱れやすくなるからである。また、保磁力が高すぎると磁場による配向がしにくくなる恐れがあるため保磁力は300kA/m以下であることが好ましい。
本発明において、強磁性金属粉末の飽和磁化を100〜160Am/kgとしたのは、100Am/kgよりも小さいと、すなわち酸化成分が多いと電気抵抗が高くなるからである。また、飽和磁化が160Am/kgよりも大きいと強磁性金属粉末の凝集が起こりやすくなり、個々の粉末の独立性が損なわれる恐れがあるからである。更に、酸化安定性も悪くなり、電気抵抗も不安定となるからである。
強磁性金属粉末の長軸長(長さ)は、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μmである。短軸長(幅又は太さ)は、0.01〜0.5μmが好ましく、0.03〜0.3μmがより一層好ましい。強磁性金属粉末の長軸長及び短軸長が小さすぎると樹脂との接点が増加して電気抵抗が高くなる恐れがあり、強磁性金属粉末の長軸長及び短軸長が大きすぎると薄い膜を得ることが困難となるため、上記範囲が好ましい。
強磁性金属粉末の短軸長に対する長軸長の比(以下、針状比という)は、5〜30が好ましく、7〜20が一層好ましい。針状比が5よりも小さいと強磁性金属粉末が配向しにくくなる恐れがあり、30よりも大きすぎると針状金属粉末同士が筏状に凝集しやすくなる恐れがある。
本発明においては、二個〜数個の強磁性金属粉末が凝集して凝集粉末を構成していてもよい。強磁性金属粉末は細長い針状の形状を有しているので、それぞれの強磁性金属粉末が不規則に凝集することはなく、同一方向に向いた状態で凝集することになる。この場合は、それぞれの凝集粉末が、樹脂の内部において分散した状態で同一方向に配向していれば良い。また、強磁性金属粉末は、長さ方向(長軸方向)につながって接合していても、幅方向(短軸方向)につながって接合していても良い。短軸方向に二個〜数個の強磁性金属粉末がつながって凝集したとしても、強磁性金属粉末は針状の形状を有するので、凝集粉末の幅方向の大きさは、長さ方向よりも短いか、略同等となる。1つの凝集粉末を構成する強磁性金属粉末の個数は、樹脂中に含ませる強磁性金属粉末の量(濃度)により適宜調整することができる。
本発明の異方性導電膜を構成する絶縁性の樹脂は、特に限定されないが、絶縁性の観点から疎水性樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれも使用することができるが、熱安定性の観点から、乾燥後の塗膜のガラス転移点Tgは50℃以上が好ましい。また、樹脂には、強磁性粉末の分散性を高めるための吸着性極性基(例えば、−SOM、−POM、−COOM;Mは水素又はアルカリ金属)を含むことが好ましい。好適な熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂を挙げることができる。また、好適な熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂を挙げることができる。
また、電子部品等を接着するために、ある程度の可撓性を有することが好ましい。
本発明において、異方性導電膜の膜厚は用途に応じて適宜選択することができる。
上述したような本発明の異方性導電膜は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、有機溶媒を必要に応じて用いて、強磁性金属粉末及び絶縁性の樹脂を混練(混合)し分散して導電性塗料を作製する。導電性塗料を支持体上に塗布し、導電性塗料に対して外部から強磁性金属粉末の保磁力よりも大きな磁界強度の磁場を印加する。針状の強磁性金属粉末の磁化容易軸は長軸方向であるため、導電性塗料中の強磁性金属粉末は外部磁場方向に配向する。そして、導電性塗料を乾燥させた後、支持体から乾燥状態の導電性塗料を剥離して異方性導電膜を得る。
上記異方性導電膜の製造方法において、樹脂と強磁性金属粉末の配合量は、導電性塗料の固形分全体に対して10〜70%の範囲内であることが好ましい。
また、支持体上に塗布された導電性塗料に印加する外部磁界の大きさは、強磁性金属粉末の保磁力よりも大きいことが必要であり、強磁性金属粉末の保磁力の2倍以上の磁界強度であることが好ましい。外部磁場には永久磁石又は電磁石による磁場を用いることができる。
導電性塗料を塗布するための支持体としては、例えば、離型紙、金属板又はプラスチック板を用いることができる。支持体の導電性塗料が形成される面には、導電性塗料の剥離を容易にするために離型剤等を形成しておくことが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
まず、針状の強磁性金属粉末が分散された導電性塗料を作製する。導電性塗料の組成を以下に示す。以下の記載において量比を表す「部」は特に断らない限り「重量部」を意味するものとする。
<導電性塗料の組成>
針状強磁性金属粉末FeCoNi(原子比85−11−4) 100部
ポリウレタン 200部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサン 50部
トルエン 50部
本実施例で用いた導電性塗料に含まれる針状強磁性金属粉末及びポリウレタンの特性は下記のとおりである。
<針状強磁性金属粉末の特性>
平均長軸長 0.5μm
針状比 8.5
保磁力Hc 127kA/m
飽和磁化σs 145Am/kg
表面にCuを無電解メッキ
<ポリウレタンの特性>
Tg 160℃
分子量 4.5万
−SONa 5×10−4eq/g含有
<異方性導電膜の作製>
上記組成を有する導電性塗料を離型紙上にブレードアプリケターを用いて、乾燥後の厚みが5μmになるように塗布した。図2(a)に、導電性塗料8が離型紙6上に塗布されている様子の概略断面図を示す。図2(a)に示すように、この状態では、針状の強磁性金属粉末2はランダムな方向に向いている。そして、図2(b)に示すように、塗布した導電性塗料8が湿潤状態のうちに、表面磁場0.6Tの永久磁石を用いて厚み方向に磁場Hを印加した。導電性塗料8中の針状の強磁性金属粉末2の磁化容易軸は長軸方向であるため、このような磁場Hの印加により、図2(b)に示すように、強磁性金属粉末2は厚み方向(図中、上下方向)に配向する。
次いで、離型紙6上に形成されている導電性塗料8を磁場中で自然乾燥させた後、乾燥状態の導電性塗料8の膜を離型紙1から剥離して、図1に示す構造を有する異方性導電膜10を得た。
[実施例2〜4]
強磁性金属粉末の材料の種類、組成比、形状及び磁気特性を下記表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の異方性導電膜を製造した。
[比較例1〜3]
強磁性金属粉末の材料の種類、組成比、形状及び磁気特性を下記表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の異方性導電膜を製造した。
Figure 2005251641
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれの異方性導電膜について、異方性導電膜の表面に平行な方向と垂直の方向の電気抵抗率を測定した。
異方性導電膜の表面に対して垂直の方向の電気抵抗率は、異方性導電膜の両面にAuを蒸着してオーミック接触をとり、これに電極を接続し、100g/cmの圧力を与えて測定した。また、異方性導電膜の表面に平行な方向(面内方向とする)の電気抵抗率は、10μmのギャップを有する櫛歯電極を用いて測定した。測定結果を上記表1に示した。ここでは、異方性導電膜の垂直方向における電気抵抗率の実用的な目標値を1×10Ωcm以下とし、異方性導電膜の面内方向における電気抵抗率の実用的な目標値を1010Ωcm以上とした。表1に示した結果からわかるように、実施例1〜4の異方性導電膜は、垂直方向の電気抵抗率が10Ωcm以下と低く、面内方向の電気抵抗率が1010Ωcm以上と高くなっており、電気的に十分な異方性を有している。そして、電極のピッチが10μmであっても垂直方向において十分な電気伝導性を示すとともに、面内方向において実質的に絶縁性を示していることがわかる。
以上、本発明の異方性導電膜及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施態様及び実施例に限定はされず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の異方性導電膜の概略断面図である。 本発明の異方性導電膜の製造工程を説明するための図であり、(a)は支持体である離型紙上に導電性塗料を塗布したときの様子を模式的に示した図であり、(b)は導電性塗料に外部磁界を印加したときの様子を模式的に示した図である。
符号の説明
2 強磁性金属粉末
4 樹脂
6 支持体
8 導電性塗料
10 異方性導電膜

Claims (5)

  1. 絶縁性の樹脂と、
    25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する針状の強磁性金属粉末とを有し、
    前記針状の強磁性金属粉末が、前記樹脂の内部において一定の方向に配向して分散している異方性導電膜。
  2. 前記針状の強磁性金属粉末の長軸長が0.1〜5μm、短軸長が0.01〜0.5μmの範囲内にあり、前記短軸長に対する長軸長の比が5〜30の範囲内にある請求項1に記載の異方性導電膜。
  3. 前記針状の強磁性金属粉末は、その表面に導電性物質により形成される皮膜を有する請求項1または2に記載の異方性導電膜。
  4. 前記針状の強磁性金属粉末は、その長軸の方向が膜厚方向と平行になるように配向している請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性導電膜。
  5. 支持体上に、25kA/m以上の保磁力、及び、100〜160Am/kgの飽和磁化を有する針状の強磁性金属粉末が分散された樹脂を形成し、前記支持体に対して、所定方向に磁場を印加して前記強磁性金属粉末を配向させる異方性導電膜の製造方法。
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