JP2005251394A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛蓄電池の寿命性能の向上と、放電容量の増加とを達成するためには、鉛蓄電池の使用形態を充分に調査し、その使用方法に適した構成を取ることが主な方法であったが、そのための集電体や電槽自体の設計を見直す必要があり、多大なコストがかかるとともに、設計の検証に多大な時間を要するものであった。本願発明の目的は、密閉形、開放形のいずれにも使用でき、正極の集電体と活物質との密着性向上による鉛蓄電池の寿命性能の向上と、正極活物質の比表面積増大による放電容量の増加とを達成することにある。
【解決手段】鉛蓄電池において、電解液中に還元性有機物を0.5mg/L以上3mg/L以下の濃度で含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は鉛蓄電池に関する。
一般的に、鉛蓄電池は、正負極ともに鉛または鉛合金製の集電体に、正極には二酸化鉛を、負極には海綿上の金属鉛を保持させたものを極板とし、それらを、セパレータを介して積層または巻回した後に電槽に収納し、前記電槽に希硫酸水溶液を主成分とする電解液を注液したものである。
鉛蓄電池は100年以上の歴史があり、安定した品質を提供しつつ、コストが安いという経済的有利性を有している。現在では、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の新規な二次電池が開発されているにもかかわらず、鉛蓄電池に対する寿命性能の向上、放電容量の増加、低コスト化などの各種の要求は日々高まるばかりである。
一方で、鉛蓄電池に揮発性有機酸、有機物、ハロゲンなどの不純物が混入すると、前述した集電体の腐食が促進され、鉛蓄電池の寿命が短くなるということが一般的に知られている。また、特許文献1には、負極の充電不足を解消し、長寿命の密閉形鉛蓄電池を提供するために、正極電位において酸化する有機物を正極活物質または電解液中に添加したことを特徴とする密閉形鉛蓄電池が開示されている。すなわち、特許文献1には、「正極電位において酸化する有機物を正極活物質または電解液中に添加したことを特徴とする密閉形鉛蓄電池」および「前記有機物を正極活物質に0.1〜2質量%添加したことを特徴とする請求項1に記載の密閉形鉛蓄電池」が記載されている。
しかし特許文献1に、正極に添加する有機物の例として、カルボキシメチルセルロース1.3質量%、電解液に添加する有機物としてポリビニルアルコール15g/L、カルボキシメチルセルロース20g/Lが挙げられ、特許文献1の段落[0011]と[0016]とには、いずれも添加量が少なすぎると添加効果がえられないことが明記されている。これら、特許文献1に記載の有機物の量はg単位であり、本願発明のmg単位に比べて100〜1000倍程度大きなものとなる。
さらに、前記特許文献1には、添加した有機物を具体的に検出する方法が記載されておらず、その目的も負極の充電不足を解消して、長寿命の密閉形鉛蓄電池を提供するものであった。
特開平9−129261号公報
一般に、前述した鉛蓄電池の寿命性能の向上と、放電容量の増加とを達成するためには、鉛蓄電池の使用形態を充分に調査し、その使用方法に適した構成を取ることが主な方法であった。このように、鉛蓄電池の構成を、使用形態にあわせて最適化するためには、前述した集電体の設計を見直す必要があり、必要に応じて電槽自体の設計をも見直す場合もあった。この手法は、設計自体を変更させるものであるために、多大なコストがかかるとともに、設計の検証に多大な時間を要するものであった。
本願発明の目的は、密閉形、開放形のいずれにも使用でき、正極の集電体と活物質との密着性向上による鉛蓄電池の寿命性能の向上と、正極活物質の比表面積増大による放電容量の増加とを達成することにある。
請求項1の発明は、鉛蓄電池において、電解液中に0.5mg/L以上3mg/L以下の還元性有機物を含むことを特徴とする。
本発明のように、鉛蓄電池電解液中の還元性有機物の濃度を0.5mg/L以上3mg/L以下とすることで、正極の集電体と活物質との密着性が向上することにより寿命性能が改善され、また、正極活物質の比表面積が増大することにより放電容量の大きな鉛蓄電池を得ることができる。
本発明は、一般的に鉛蓄電池の寿命を短くするとして知られる電解液中の還元性有機物の濃度を制御することによって、鉛蓄電池の寿命性能が向上することと、鉛蓄電池の放電容量が増加することを見出したことに起因する。
本発明は、鉛蓄電池において、電解液中に0.5mg/L以上3mg/L以下の還元性有機物を含むことを特徴とする。
鉛蓄電池中の還元性有機物は、正極板での電解酸化反応によって最終的に酢酸などのカルボン酸になる。これは、過マンガン酸カリウムでの酸化反応でも、ほぼ同様のことが起こる。酢酸は、鉛蓄電池の集電体、活物質、ストラップ、極柱などの主要構成要素である鉛と反応して酢酸鉛となる。酢酸鉛は水溶性であるため、鉛蓄電池の電解液に溶解することによって鉛の腐食を促進する。
このため、酢酸が鉛蓄電池内に大量に存在すると、鉛蓄電池の寿命性能が極端に短くなるが、鉛蓄電池電解液中の還元性有機物の濃度を0.5mg/L以上3mg/L以下にすることで、酢酸の量が適量となり、安価に鉛蓄電池の寿命性能が向上し、放電容量が増加する。これは、還元性有機物に起因する少量の酢酸が、集電体の腐食を進行させることなく格子と活物質との密着性を向上させて寿命性能に優れたものとなる一方、正極活物質の腐食を適度に進行させることにより、正極活物質の比表面積が増加して、鉛蓄電池の放電容量が増加したためと考えられる。
なお、本願発明では、鉛蓄電池の電解液中に0.5mg/L以上3mg/L以下の還元性有機物を含むことで効果が認められたが、さらに、後述するように、電解液中に1.0mg/L〜2.0mg/Lの還元性有機物を含ませることで容量、寿命ともに最適な鉛蓄電池を得ることができる。
ここでいう還元性有機物とは、JIS K 1322(1987)による「硫酸試験方法」の6.16に記載の「過マンガン酸カリウム還元性物質(O)」を意味する。すなわち、過マンガン酸カリウムによって還元される物質を指し、その量は過マンガン酸カリウムを使用した酸化還元滴定から算出される酸素の濃度(mg/試料の体積、リットル、L)である。以下にその具体的な測定方法を記載する。
鉛蓄電池内の電解液を所定量(VmL、25mL程度が好ましい)採取し、この電解液中に0.01規定[ファクター(f)既知]の過マンガン酸カリウム水溶液を一定量投入(5mL程度が好ましい)する。これに試料とほぼ同量の精製水を加えて希釈し、55℃まで加温する。その後、室温まで30分程度放置冷却し、0.01規定の硫酸第一鉄アンモニウム[FeSO(NHSO4・6HO]を一定量(10mL程度が好ましい)投入する。その後、前述した、0.01規定(ファクター既知)の過マンガン酸カリウム水溶液で試料溶液が微紅色を呈するときを終点として滴定を実施する。この試験で、得られた滴定量をamLとする。
同様に、鉛蓄電池の電解液比重と同じ比重の硫酸(試薬より調整)で滴定を実施し、この試験で得られた滴定量をbmLとする。
還元性有機物の量は次の式に従って、酸素の濃度(mg/試料L)として算出される。
(酸素の濃度)=f×0.01×8×(a−b)×1000/V (mg/L)
なお、過マンガン酸カリウムは、次の反応式に従って被酸化性物質(上記有機物)を酸化する。
MnO+8H+5e → Mn2++4H
上記酸素の濃度をもって、本発明での還元性有機物の濃度と称する。
鉛蓄電池の電解液中に還元性有機物を存在させるための方法としては、以下の2つのものが代表的であるが、本願発明の目的を達成するためには、電解液中に、還元性有機物が0.5mg/L以上3mg/L以下の濃度で存在すればよいので、下記の2つの手法に限定されるものではない。
第1の方法は、鉛蓄電池の電解液中に還元性有機物を事前に添加することである。ここで注意を要するのは、還元性有機物の多くは、鉛蓄電池の正極活物質との接触による電解酸化反応によって消費される。そのため、電解液中の還元性有機物の含有量は、鉛蓄電池に最初に電解液を注液する際の電解液に添加した量と、注液して一定時間後に実際に測定した量とでは、実際に測定した量の方が少なくなる。さらに、鉛蓄電池を充電すると、還元性有機物の電解酸化が促進され、還元性有機物が消費されるために、必要に応じた還元性有機物の再添加が必要になる場合がある。
第2の方法は、鉛蓄電池内で還元性有機物を発生する部材を使用することである。具体的には、添加剤の量を制御したポリエチレン製セパレータを使用することである。ポリエチレン製セパレータは希硫酸電解液中において、酸化剤である正極活物質と接触すると、希硫酸の酸化作用と、正極活物質の電解酸化とによって分解され、還元性有機物を発生する。
なお、上記還元性有機物の測定方法では、2価の鉄を代表とする無機物も含まれてしまう場合があるが、通常の鉛蓄電池では、そのような金属不純物を含むと鉛蓄電池の寿命性能を短くしたり、自己放電を促進したりするため、通常は金属不純物を含まない。これら金属不純物については、原子吸光法やICP発光分光法によって定性、定量を実施して補正することが可能であるし、有機物については、適宜、鉛蓄電池電解液を濃縮し、フーリエ変換赤外分光光度計を使用することによってその存在を確認することができる。
第2の方法の具体例は、ポリエチレン製セパレータを製造する際に添加される、ポリエチレン製セパレータの親水性を向上させるための、浸透剤と称される添加剤(例、ジ(2−メチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)や、フェノール樹脂、オイル等の添加剤を調整した多孔性ポリエチレン製セパレータを用いて、通常の方法で鉛蓄電池を組み立てることである。
前述したように、ポリエチレン製セパレータは、希硫酸電解液中で酸化剤である正極活物質と接触すると、希硫酸の酸化作用と正極活物質の電解酸化とによって分解され、還元性有機物を発生する。しかしポリエチレン製セパレータのポリエチレン自身は、比較的分解されにくく、上述の各種添加剤の方がより分解速度が速い。従って、製造条件に起因する部分が大ではあるが、上記ポリエチレン製セパレータの添加剤量を調整することによって、鉛蓄電池電解液中の有機物濃度を0.5mg/L以上3mg/L以下となるように製造することができる。
本発明の実施例を、図面を参照して説明する。本実施例では、5時間率公称容量が36AhであるB24サイズ(12V)の鉛蓄電池を用いた。
極板にはタンク化成したもの、セパレータには、そのほとんどが1μm以下のガラス繊維を抄造したセパレータ、ポリプロピレン製電槽を用いてB24電池を試作した。有機物にはメタノールを選択し、比重1.280の硫酸に所定濃度となるようにメタノールを加えて十分に攪拌した後、メタノール入りの電解液をB24電池に注液した。所定添加量は、過マンガン酸カリウムの消費量から換算した酸素濃度が、0、0.1、0.3、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0mg/Lとなるように調整した。理論上、過マンガン酸カリウム滴定量から、酸素濃度が1mg/Lになるためには、メタノールは11.5mg/Lとなる(以下の反応式を参照)。
MnO+COH+5e→Mn2++4HO+4CHCHO
なお、この所定添加量は実際に電池に添加した後の電解液を分析し、測定した後の値である。前述したように、メタノールは電解酸化によって分解するために、計算上で添加した量と実際に測定した量とでは、値が変わってしまうので、添加量と測定量の関係を求め、それをもとに、元の添加量を算出した。測定値と添加量の関係を表1に示す。
Figure 2005251394

[実施例1〜5および比較例1〜3]
[実施例1]
電解液中のメタノール濃度を0.3mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを実施例1の鉛蓄電池とした。
[実施例2]
電解液中のメタノール濃度を0.5mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを実施例2の鉛蓄電池とした。
[実施例3]
電解液中のメタノール濃度を1.0mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを実施例3の鉛蓄電池とした。
[実施例4]
電解液中のメタノール濃度を2.0mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを実施例4の鉛蓄電池とした。
[実施例5]
電解液中のメタノール濃度を3.0mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを実施例5の鉛蓄電池とした。
[比較例1]
電解液中にメタノールを添加しなかった鉛蓄電池を作製し、これを比較例1の鉛蓄電池とした。
[比較例2]
電解液中のメタノール濃度を0.1mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを比較例2の鉛蓄電池とした。
[比較例3]
電解液中のメタノール濃度を4.0mg/Lとした鉛蓄電池を作製し、これを比較例3の鉛蓄電池とした。
実施例1〜5および比較例1〜3の鉛蓄電池を、JIS D 5301の5時間率容量試験およびJIS D 5301の75℃軽負荷寿命試験に供した。メタノールを添加した鉛蓄電池の測定酸素濃度と結果とを表2に示す。
Figure 2005251394

表2から、実施例1〜5の本発明品(メタノールを酸素濃度で0.3〜3.0mg/L添加したもの)は、メタノールを添加していない比較例1およびメタノールを酸素濃度で0.1mg/L添加した比較例2と比較して、約4〜7%の5時間率放電容量の向上が認められた。一方、メタノールを酸素濃度で4.0mg/Lとした比較例3の5時間率放電容量は実施例1と同等であった。
また、表2から、実施例1〜5の本発明品は、メタノールを添加していない比較例1およびメタノールを酸素濃度で0.1mg/L添加した比較例2と比較して、1.25〜1.75倍の寿命性能の向上が認められた。さらに、メタノールを酸素濃度で4.0mg/L添加した比較例3の鉛蓄電池の寿命性能は、比較例1よりも劣っていた。
特に、電解液中にメタノールを1.0mg/L含んだ実施例3および2.0mg/L含んだ実施例4の場合に、5時間率放電容量は最大の43.5Ahとなり、軽負荷寿命性能も最大の3360サイクルとなった。このように、電解液中に1.0mg/L〜2.0mg/Lの還元性有機物を含ませることで容量、寿命ともに最適な鉛蓄電池を得ることができることがわかった。
寿命性能劣化の原因を調査するために、試験後の電池を解体し、極板断面を観察した。寿命の短かった、比較例1および比較例2とでは、格子と活物質との間にクラックがみられ、比較例3では格子の腐食が著しかった。これらのことが寿命性能劣化の原因と思われた。一方、実施例1〜5の電池では、格子の周囲に活物質層が残っており、格子と活物質の間のクラックは見られず、寿命性能劣化の原因は活物質自体の劣化であった。酢酸が電解液中に存在することで、格子と活物質との密着性がより強固なものとなることで、本発明品が寿命性能に優れる理由と思われる。
図1に、電解液中のメタノール濃度(測定酸素濃度に換算)と鉛蓄電池の性能(5時間率容量および軽負荷寿命性能)の関係を示した。図1において、記号◆は容量比を示し、記号■は寿命比を示す。なお、容量比および寿命比は、いずれも還元性有機物濃度がゼロの場合の容量および寿命に対する比率を表すものとする。図1からわかるように、電解液中に酸素濃度で0.5mg/L〜3mg/Lのメタノールを含む鉛蓄電池は、容量、寿命ともに優れていることがわかった。
さらに、実施例1〜5および比較例1〜3の鉛蓄電池を、75℃水槽中、0.1CA(3.6A)で28日間過充電試験を行い、試験後の電池を解体し、格子の腐食量を測定した。ここで「格子の腐食量」は、事前に測定しておいた集電耳を除いた集電体重量を100とし(本実施例ではn=30の平均値を使用した)、試験後の集電耳を除いた集電体重量(活物質を取り除いた後、アルカリ溶液でPbOを溶解後、洗淨・乾燥した重量)の重量減少分」である。
試験結果を表3に示す。
Figure 2005251394
表3から、実施例1〜5の本発明品は、メタノールを添加した電池の測定酸素濃度酢酸が0.4mg/Lの比較例3の電池と比較して、15%程度もの格子腐食の抑制が認められた。
[実施例6]
さらに、実施例6では、5時間率公称容量が36AhであるB24サイズ(12V)の液式鉛蓄電池を、浸透剤と称される添加剤や、フェノール樹脂、オイル等の添加剤を調整した多孔性ポリエチレン製セパレータを用いて、通常の方法で作成し、それについて、還元性有機物濃度を調べるとともに、容量及び寿命試験を実施した。
この電池のJIS D 5301の5時間率公称容量は43.0Ah、また、JIS D5301の75℃軽負荷寿命試験のサイクル数は3360サイクル、さらに、75℃水槽中、0.1CA(3.6A)で28日間過充電試験における格子の腐食量21%となり、いずれも良好であった。
また、電池をランダムに選択し、100個の電池の還元性有機物濃度(酸素濃度に換算)を調べたところ、平均で0.83mg/Lであり、その標準偏差は0.21であり、本発明の最適な領域にあった。また、前記鉛蓄電池を電池製造後から一年間、還元性有機物濃度がどのように推移するかを調査し、放置期間と測定酸素濃度との関係を求め、その結果を図2に示した。
図2によれば、電池製造直後、還元性有機物は電解液中にわずかに存在する程度であり、日が経つに従って、還元性有機物濃度は徐々に上昇していき、約一ヶ月で1.5mg/L前後の値を示した。その後、約1.5mg/Lの値で推移しつづけ、およそ半年目までその値を保っていた。しかし、半年を過ぎたあたりから、還元性有機物の濃度は減少し始め、一年目では、約0.6mg/Lという値になっていた。
この結果、還元性有機物は、製造直後には多孔性ポリエチレンセパレータから溶出されることで増加しつづけるが、ある時期になると還元性有機物の溶出反応と正極板及び希硫酸の酸化作用による分解反応が平衡に保たれるようである。また、半年後にその平衡が壊れて、還元性有機物濃度が減少していることから、セパレータから酢酸として溶出される物質がなくなり、還元性有機物の分解反応のみが生じ、還元性有機物濃度の減少がみられたものと考えられる。
以上のことから、前記方法で製造した鉛蓄電池の電解液中に存在する還元性有機物は、製造直後から数日経過した後、およそ半年までの間は最適な濃度で存在していることがわかった。なお、還元性有機物を全く含まない鉛蓄電池においても、酢酸などを新たに鉛蓄電池内に添加することで、同様の効果を得られることがわかっている。さらに、還元性有機物濃度が3.0mg/Lより多く含まれている鉛蓄電池は、0.1CAの電流値で過充電をし、有機物濃度を0.5mg/L以上3mg/L以下にすることもできる。
また、鉛蓄電池の電解液中に存在する還元性有機物の濃度を測定するタイミングとしては、上記の事実より、製造後10日から半年程度までの間が最適であると考えられる。
また、本実施例では、5時間率公称容量が36AhであるB24型自動車用鉛蓄電池を用いたが、他のタイプの自動車用鉛蓄電池は勿論、多孔性ポリエチレン製セパレータを用いた産業用鉛蓄電池についても同様の結果が得られた。さらに、電池部材として、還元性有機物を含む要素がない場合でも、化成後又は電池として完成した後に、液栓から0.5mg/L〜3mg/Lの酸素濃度になるようなメタノールを加えれば、液式鉛蓄電池、密閉式鉛蓄電池のいずれにも同様の効果が得られることは確認済みである。
なお、上記実施例では還元性有機物としてメタノールを使用したが、ケトン、エステル、エーテル等、ハロゲンを含まない還元性有機物に対しては同様の効果が認められた。この効果は、これら還元性有機物の添加量よりも過マンガン酸カリウムによる滴定から算出した酸素濃度により相関が強い傾向にあった。
なお、本実施例では、具体的なポリエチレン製セパレータの組成は示していないが、これらは設計に関する事項であり、本実施例で使用したポリエチレン製セパレータは、添加剤、製造工程、原料等の調整、変更で達成することができる。
測定酸素濃度と鉛蓄電池の性能(容量比、寿命比)との関係を示す図。 放置期間と測定酸素濃度の関係とを示す図。

Claims (1)

  1. 電解液中に0.5mg/L以上3mg/L以下の還元性有機物を含むことを特徴とする鉛蓄電池。





































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