JP2005250021A - X線による材料の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レジスト層に、基板面に対して斜め方向に所望の直角断面形状を有する被加工部を形成する。
【解決手段】 シリコン基板20上にレジスト層21を形成した被加工物を、多軸ステージ7に、マスク30と平行を保持した状態で載置する。多軸ステージ7は、レジスト層にX線ビーム6に対する傾斜角θおよび基板面内での回転角αをそれぞれ独立に与えるとともに、レジスト層をXYZ方向にも平行移動させる。レジスト層と平行に配置されるマスクには、傾斜角θに応じた形状の楕円の透過孔が複数設けられている。多軸ステージにより所望の姿勢が与えられたレジスト層にX線ビームを照射することにより、レジスト層の深さ方向に、種々の傾斜角θに応じた直角断面形状が円形の円筒状の被加工部が複数形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被加工材料にX線を照射し、微細な3次元部品を実現するためのX線による加工方法に関する。
従来より、X線照射による高分子鎖の切断を応用したLIGA(Lithographie,Galvanoformung,Abformung)と呼ばれる加工方法がある。このLIGAは、リソグラフィによりX線マスク(以下、単にマスクという)の形状にパターニングされた厚さ数10から数100μmのレジスト層と、これを型にして電気メッキした金属とを用いて3次元構造を形成するものである(例えば、特許文献1参照)。この方法では、X線は被加工材料であるレジスト層およびレジスト層が形成される基板に対して垂直に入射されるため、基本的に基板に垂直な方向の材料加工しかできないという制約がある。
レジスト層(および基板)に対して傾きを持った方向に加工を行う場合、a)マスクをレジスト層における加工したい方向と直交する角度に配置しX線をマスクに対して直角に照射して、この照射方向と加工したい方向とを一致させる方法と、b)マスクをレジスト層と平行に配置しX線をマスクに対して加工したい斜め方向に照射する方法とがある。
特開第3380878号公報
上記、a)の方法では、マスクと被加工物であるレジスト層との間の距離がX線マスクとレジスト層とのなす角に応じて大きくなり、これによりマスクでのX線の回折現象が大きくなるため加工精度が低くなるという問題がある。また、b)の方法では、X線がマスクを透過してレジスト層に照射される被加工部の直角断面形状がマスク形状と異なり、必要な形状が得られないという問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、レジスト層に、基板面に対して斜め方向に所望の直角断面形状を有する被加工部を形成することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、材料(21)の被加工部へマスク(30)を透過したX線ビーム(6)を照射することによって、マスク形状に応じた被加工部の材料を除去したり、被加工部の材料の物理的、化学的性質を変化させるX線による材料の加工方法において、マスクの面方向と材料の面方向とを平行とし、マスクおよび材料の法線方向よりX線のビーム方向を傾斜角(θ)分傾斜させて、X線を照射するとき、被加工部のビーム方向における直角断面形状を所望の形状とするよう、マスクの透過部の形状を傾斜角に応じて変更することを特徴とする。
この発明によれば、材料の被加工部と平行に配置されるマスクのX線透過部形状を、被加工部に対するX線のビーム方向の傾斜角に応じて変更するので、照射するX線の傾斜角を変更しても、被加工部のビーム方向における直角断面形状を常に所望の形状とすることができる。
マスクは、請求項2に記載のように、複数の傾斜角に応じて形成された複数の透過部(301〜305)を備えるようにすれば、被加工部へ照射するX線ビームの被加工部に対する傾斜角、すなわち、X線のビーム方向に対する被加工部の傾斜角を種々に変更することにより、1つのマスクで複数の傾斜角の異なる被加工部を形成することができる。
また、透過部は、請求項3に記載のように、マスクにおいて、同一の傾斜角に対して同一のグループとして形成されるとともに、同一グループの透過部と隣接する他のグループの透過部とのマスク上の距離は、X線のビームのマスク上での大きさよりも大きくすることにより、1回のX線ビームの照射により、同一グループの透過部による同一傾斜角の被加工部が形成されるとともに、異なる傾斜角の他のグループの透過部にX線ビームが照射されないため、不要な被加工部が形成されることが防止される。すなわち、所定の傾斜角に対応する同一グループの透過部に対して、異なる傾斜角のX線ビームを照射して得られる被加工部の直角断面形状は、所望の形状とは異なる。したがって、本発明により、このような不要な形状の被加工部の形成が排除される。
さらに、請求項4に記載のように、被加工部の直角断面形状は円形とするために、透過部のマスク上における形状は楕円とすることができる。すなわち、マスク形状の楕円の短径を所望の直角断面形状の円の直径とするとともに、マスク形状の楕円の長径を、X線ビームの被加工部に対する傾斜角に応じて決めることにより、傾斜角に応じた円形の直角断面形状を備えた被加工部を得ることができる。
材料は、請求項5に記載のように、マスクとの配置関係を固定した状態で、XYZステージ(12、13、14)により3次元方向に平行移動され、θ軸ステージ(15)により材料の面方向に平行なθ軸回りに回転され、さらに、α軸ステージ(11)により材料の法線方向回りに回転されることにより、材料に照射されるX線のビーム方向を所望の傾斜角とすることができる。なお、XYZステージ、θ軸ステージおよびα軸ステージの計5自由度は、それぞれ独立に変更することにより、所望の傾斜角を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、LIGAプロセスにより、最終的にガソリンエンジン用インジェクターの先端に用いられる多孔噴孔チップを製作する。まず、この製作プロセスの概要を図8を用いて説明する。なお図8において、被加工部の数および形状は、説明の都合上、後述する実施形態におけるものとは異なっている。
(ア)露光(リソグラフィ)工程では、被加工物であるレジスト層21(厚さt≒400μmのネガレジスト)にマスク30の透過孔を透過したX線ビーム6を斜めに照射して、3次元形状の直角断面が円形の傾斜した露光部21aとしての円柱状物を複数形成する。この露光部21aは、X線照射により化学変化が生じたレジスト層21の被加工部に相当する。
次の(イ)現像工程では、マスク30によって露光されていない可溶の未露光部21bが除去され、化学変化により不溶となった露光部21aのみが残る。(ウ)電鋳(メッキ)工程では、電解溶液中で露光部21aの周りに金属22(Ni−Co合金)がメッキにより、厚さt=300μm堆積される。
次の(エ)レジスト除去工程では、露光部21aのレジストが除去されメッキにより堆積された金属のみが、マスタ金型23として取り出される。なお、この工程で、マスタ金型23は所望の形状、例えば円盤状に加工される。(オ)成型・シード層形成工程では、マスタ金型23の周囲に樹脂層24を形成した後、マスタ金型23を取り除いた樹脂層24の底部にメッキ用シード層25を形成して樹脂型を作成する。
(カ)電鋳(メッキ)工程では、上記(ウ)と同様に、樹脂型周りにメッキにより金属26(Ni−Co合金)を厚さt=300μm堆積させ、(キ)樹脂除去工程で樹脂型の樹脂を除去することにより、部品26(多孔噴孔チップ)ができあがる。
したがって、実際の生産工程では、1つの精密成型されたマスタ金型23に対して、上記工程(オ)、(カ)、(キ)を繰り返すことにより、同一精度の製品26が量産される。
本発明のX線による材料の加工方法は、上記工程の内、(ア)露光工程に特徴がある。以下、本実施形態における露光工程について説明する。
図1は、本実施形態のX線露光装置1の概略を示す図である。シンクロトロン放射(SR)光源2からのX線を、多層コーティングミラー3および白金コーティングミラー4により集光し、ベリリウム窓5を透過させて、所望の波長、強度および指向性をもつX線ビーム6を形成し、このX線ビーム6を被加工物の傾斜方向を調整する多軸ステージ7へ導く。なお、X線ビーム6のビーム方向と垂直な面上における半値幅に相当する強度分布は、図2に示すような、横長に広がった(横×縦=約25mm×約5mm)形状となった。本実施形態では露光条件として、常にこのX線強度パターンのほぼ中央部分を後述するマスク30の透過孔に当てるようにした。
図3は、本実施形態で用いる多軸ステージ7の概略構成を示す、図1と同じ方向から見た斜視図である。図4は、多軸ステージ7を図3の紙面上方から見た一部断面図である。なお、図3および図4では、図示のため、各部の寸法関係は実際とは異なるものとして表している。
シリコンによる基板20上に、被加工材料であるエポキシ樹脂(ネガレジスト:SU−8)によるレジスト層21(厚さ約400μm)が形成されている。なお以下では、被加工物のレジスト層21の面方向および法線方向は、基板20の面方向およびその面方向と直交する法線方向とそれぞれ一致するものとして説明する。
この基板20およびレジスト層21は、α軸テーブル11上に配置される。α軸テーブル11は、互いに直交するA軸およびB軸方向にそれぞれ独立に移動可能なA−B軸ステージ12上に配置され、AB平面上で回転可能である。すなわち、基板20およびレジスト層21は、α軸テーブル11上で基板20およびレジスト層21の法線方向を回転軸αとして、α軸周りに回転(回転角α)可能である。
A−B軸ステージ12は、互いに直交するX軸およびZ軸方向にそれぞれ独立に移動可能なX−Z軸ステージ13上に載置されている。A軸方向とX軸方向とを一致させ、B軸方向とZ軸方向とを一致させることにより、マスク30、基板20およびレジスト層21の2次元位置を、X−Z軸ステージ13の移動により位置決めし、A−B軸ステージ12を反対方向に同じ量だけ移動にすることにより、マスク30と基板20およびレジスト層21との相対位置を変更し、マスク30のみを移動することができる。
X−Z軸ステージ13は、X−Z軸と直交するY軸方向に移動可能なY軸ステージ14上に載置されている。したがって、X−Z軸ステージ13(すなわちA−B軸ステージ12)とY軸ステージ14とをそれぞれ3軸方向に独立に移動することにより、基板20およびレジスト層21の3次元位置を決定することができる。
Y軸ステージ14は、Z軸方向に一致する回転軸θを持つθ軸テーブル15上に載置されている。したがって、Y軸テーブル14をθ軸回りに角度θ回転させることにより、基板20およびレジスト層21の法線方向を、傾斜角としての角度θ傾けることができる。
一方、マスク30はメンブレン31上に、X線を透過しない金(Au)メッキ層によるX線吸収体32が形成され、さらにその上にメンブレン31の外周部がフレーム33により押さえられるように形成されている。X線吸収体32には、X線を透過する透過部としての6個の透過孔301〜306が、後述するように所望の形状にパターニングされている。
このマスク30は、A−B軸ステージ12およびX−Z軸ステージ13に平行な平面上を2次元移動可能なI−J軸ステージ16上に、基板20およびレジスト層21の面に平行となるよう載置されている。ただし、本実施形態では、I−J軸ステージ16はX−Z軸ステージ13に対して固定されており、マスク30に対する基板20およびレジスト層21の2次元平面内の位置はA−B軸ステージ12により位置決めされる。
なお、基準となるθ軸の回転中心からX線吸収体32までの距離をdm、θ軸の回転中心からレジスト層21の表面までの距離をdrとするとき、マスク30とレジスト層21とは距離(dr−dm)離れている。この距離(dr−dm)はできるだけ短い方が、マスク30を透過したX線の回折が小さくなるので、加工精度の点からは望ましい。
また、常に同一の露光条件、すなわち、同一のX線強度パターン位置で各透過孔301〜306へ同一の傾斜角で露光する条件で加工するためには、多軸ステージ7に装着したマスク30を移動せず固定したまま、露光終了毎に基板20(およびレジスト層21)を多軸ステージ7に付け替える操作が必要となる。本実施形態において、4インチ角のシリコン基板20にレジスト層21をコーティングした厚さ1mm程度の板を多軸ステージ7に対して出し入れするための隙間が、マスク30とA−B軸ステージ12(またはα軸ステージ11)との間に必要である。したがって、本実施形態では距離(dr−dm)を4mmとした。
多軸ステージ7の各可動軸(α軸、A軸、B軸、X軸、Z軸、Y軸、θ軸等)は、全てそれぞれ、公知のサーボ制御回路(図示せず)により独立に位置制御され、位置指令値および角度指令値を各サーボ制御回路に与えることにより、各指令値どおりに正確に位置決めされる。
多軸ステージ7における基板20およびレジスト層21の配置、およびマスク30の配置を、上述のように行うので、多軸ステージ7の各軸の正確な位置決めにより、レジスト層21の所望の位置に、所望の角度でマスク30の透過孔301〜306を透過したX線ビーム6を露光することができる。
次に、本実施形態で用いたマスク30について説明する。図5(A)は、マスク30上における透過孔301〜306の位置関係を示す図であり、図5(B)は透過孔301〜306の寸法を表す図表である。なお、図5(A)には、説明のため、I−J軸ステージ16の2次元方向IおよびJを表示している。また、図中I方向の5本の平行な直線T1〜T5およびJ方向の2本の平行な直線L1、L2はそれぞれ仮想的な直線であり、直線L1、L2間の距離は30mm、直線T1〜T5の隣接する間隔はそれぞれ8mmである。このI方向の距離30mmとJ方向の距離8mmは、後述するように、用いるX線ビーム6の強度分布(図2)の大きさに応じて設定されている。
マスク30は、50mmの大きさの矩形状のX線吸収体32に、6つの楕円形状の透過孔301〜306が設けられている。また、X線吸収体32の4辺には、各辺に垂直に位置決めのための位置決め用細線310〜313が目視できる線として描かれている。なお、対向する位置決め用細線310および312はともに、直線L1とL2との中央を通る線上に設けられ、他方の対向する位置決め用細線311および313はともに、直線T2上に設けられている。
5つの透過孔301〜305は、直線L1と直線T1〜T5との各交点上にそれぞれ配置されている。したがって、透過孔301〜305のJ方向の隣接する各間隔は8mmとなっている。また、透過孔306は、直線L2と直線T2との交点に位置している。
透過孔301〜306は全て楕円形状であり、J方向に設けられる短径の寸法およびI方向に設けられる長径の寸法は図5(B)に示すとおりである。
直線L1上の5つの透過孔301〜305は、実際の加工用の露光パターンとして用いられる。すなわち、マスク30に垂直、かつ、直線T1〜T5を含む各面内でマスク30の法線方向に対して所定の傾斜角でX線ビーム6をそれぞれの透過孔301〜305に照射することにより、透過孔301〜305の短径(=0.16mm)を直径とする円を直角断面として備える5つの円筒形状の被加工部がレジスト層21の深さ方向に斜めに形成される。この被加工部の断面形状、寸法および傾斜角は、X線ビーム6の高い直進性および短い波長により、透過孔301〜305の寸法およびX線ビーム方向により幾何学的に決まる寸法、角度に正確に一致している。
後述するように、この傾斜角は多軸テーブル7に与えられるθ軸の回転角θに相当する。すなわち、各透過孔の短径および長径と傾斜角θとは、これらの幾何学的な関係から次の(1)式で表される。
短径=長径×cosθ ・・・(1)式
本実施形態では、透過孔301の長径が最も小さく、次に透過孔302、303、304、305の順に長径が大きくなっている。したがって、各透過孔へのX線ビーム6の傾斜角は透過孔301に対して最も小さく(マスク30の法線方向に最も近い)、透過孔305に対する傾斜角が最も大きくなる。なお、以下では、X線ビーム6の基板20およびレジスト層21の法線方向に対する傾き角を、単にX線ビーム6の傾斜角θという。
また、直線L2と直線T2との交点に配置された透過孔306は、寸法が他の透過孔301〜305よりも小さく形成されている。この透過孔306は、マスク30の多軸ステージ7への装着時に位置決め基準として設けられている。
なお、これら透過孔301〜305および306に照射されるX線ビーム6の強度パターンは、図2における横軸を図5(A)でのI方向に一致するよう配置される。これにより、各透過孔301〜305および306にそれぞれX線ビーム6を照射するとき、隣接する他の透過孔にはX線ビーム6が照射されない位置関係とすることができる。
換言すれば、各透過孔301〜306のそれぞれのI方向およびJ方向における隣接距離(30mmおよび8mm)を、X線ビーム6の強度分布のI方向およびJ方向における広がりの大きさ(約25mm×約5mm)よりそれぞれ大きくすることにより、1回のX線ビーム6の照射時に、2つ以上の透過孔を同時に照射することが防止できる。
すなわち、各透過孔301〜306はそれぞれ、所望の被加工部を得るためには、互いに異なったX線ビーム6の傾斜角が必要であるので、例えば、透過孔301に所望の被加工部を得るために選択された傾斜角で照射されたX線ビーム6が、隣接する透過孔302にも同じ傾斜角で照射されると、この透過孔302により露光された被加工部は、本来透過孔302により形成されるべき形状とはならない。
したがって、X線ビーム6の傾斜角θを同一として所望の被加工部を複数同時に得たい場合は、マスク30にはそのための複数の透過孔(同一グループの透過孔)を、X線ビーム6の強度分布の広がり範囲内に隣接して設けておけばよい。付言すれば、本実施形態においては、透過孔301〜305はそれぞれ単独で1つのグループを形成していると言うことができ、1つの透過孔すなわち1つのグループの透過孔毎にX線ビーム6を1回照射して、それぞれ所望の被加工部が形成される。
次に、図5(A)、(B)に示した透過孔301〜305により露光された被加工部について説明する。図6は、レジスト層21に形成された露光部21aをレジスト除去された後のマスタ金型23に設けられた10個の孔を示しており、図6(A)は各孔の番号を示す図、同(B)はマスタ金型23の平面図、同(C)は図6(B)をC方向から見た図、同(D)は図6(B)をC方向から見た図である。なお以下では、レジスト層21に形成される被加工部としての露光部21aを、単に孔と言う。
また、図7は、各孔のC視角度β1、D視角度β2、および、これらを形成するために多軸テーブル7において基板20およびレジスト層21をθ軸およびα軸回りにそれぞれ回転させるための回転角度指令値θ、αを示す図表である。
図6(A)の10個の孔に対する番号と、図7における番号とは一致している。すなわち、10個の孔は、直径0.16mm(φ0.16)の円筒状をなし、C方向から見た傾斜角(C視角度)β1は全て22°であるが、D方向から見た傾斜角(D視角度)β2は中心O(図6(A)参照)に対して点対称の位置にある孔のD視角度β2が等しくなるよう形成されている。このため、図6(B)において、孔(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(9)には反対側の孔端部が一部描かれている。
各孔に対応するレジスト層21の被加工部(露光部21a)は次のように多軸テーブル7の位置決めにより形成される。
透過孔301を透過したX線ビーム6を、θ軸回りにθ=22.23°、α軸回りにα=8.61°回転させ、さらに、A−B軸ステージ12を所望の位置に位置決めしたレジスト層21へ照射することにより、孔(1)が形成される。また、レジスト層21を同じθ回転角(22.23°)およびα回転角をマイナス側の同じ角度(−8.61°)により回転し、A−B軸ステージ12を別の所定位置に位置決めして、上記と同じ透過孔301を透過したX線ビーム6をレジスト層21に照射することにより、孔(3)が形成できる。すなわち、孔(1)と孔(3)とは、ともに透過孔301を用いて形成され、それぞれの孔の短径(0.16mm)および長径(0.1728mm)と傾斜角(θ=22.23°)との関係は、上記(1)式を満たす。
同様に、透過孔302により孔(2)と(4)とが形成され、透過孔303により孔(6)と(9)とが形成され、透過孔304により孔(7)と(10)とが形成され、透過孔305により孔(5)と(8)とが形成される。
以上のように、本実施形態では、X線によるリソグラフィを用いて多数の斜め深孔が高精度に形成されたマスタ金型を作成し、このマスタ金型により同一形状の多孔噴孔チップを繰り返し作成することができる。したがって、このように作成された多孔噴孔チップをガソリンエンジン用インジェクターに組み込むことにより、噴孔の3次元形状がエンジンの燃焼効率および排ガス浄化の性能を決定付けるインジェクターとして安定した品質を簡便に達成することができる。
なお、上記実施形態では、レジスト層21としてネガレジスト材料を用いた例を示したが、これに限らず、X線露光により化学変化して現像液に対して可溶となるポジレジスト材料を用いてもよい。さらには、X線露光により物理的、化学的変化を起こすものであれば、上記に限定されるものではない。
本発明の実施形態のX線露光装置の概略を示す図である。 X線ビームの強度分布を示す図である。 本実施形態の多軸ステージの概略構成を示す斜視図である。 図3の紙面上方から見た多軸ステージの一部断面図である。 (A)はマスク上における透過孔の位置関係を示す図であり、(B)は透過孔の寸法を示す図表である。 マスタ金型に設けられた孔を示す図であり、(A)は各孔の番号を示す図、(B)はマスタ金型の平面図、(C)は(B)をC方向から見た図、(D)は(B)をD方向から見た面である。 マスタ金型の各孔の各部の角度を表す図表である。 本実施形態における多孔噴孔チップの製作プロセスの概要を(ア)〜(キ)の順に示す図である。
符号の説明
2…SR光源、6…X線ビーム、7…多軸ステージ、11…α軸ステージ、
12…A−B軸ステージ、13…X−Z軸ステージ、14…Y軸ステージ、
15…θ軸ステージ、20…基板(Si)、21…レジスト層(SU−8)、
21a…露光部、21b…未露光部、23…マスタ金型、
26…部品(多孔噴孔チップ)、30…マスク、31…メンブレン、
32…X線吸収体(Au膜)、33…フレーム、301〜306…透過孔。

Claims (5)

  1. 材料(21)の被加工部へマスク(30)を透過したX線ビーム(6)を照射することによって、前記マスク形状に応じた前記被加工部の材料を除去したり、前記被加工部の材料の物理的、化学的性質を変化させるX線による材料の加工方法において、
    前記マスクの面方向と前記材料の面方向とを平行とし、前記マスクおよび材料の法線方向より前記X線のビーム方向を傾斜角(θ)分傾斜させて、前記X線を照射するとき、前記被加工部の前記ビーム方向における直角断面形状を所望の形状とするよう、前記マスクの透過部の形状を前記傾斜角に応じて変更することを特徴とするX線による材料の加工方法。
  2. 前記マスクは、前記複数の傾斜角に応じて形成された複数の透過部(301〜305)を備えることを特徴とする請求項1に記載のX線による材料の加工方法。
  3. 前記透過部は、前記マスクにおいて、同一の傾斜角に対して同一のグループとして形成されるとともに、前記同一グループの透過部と隣接する他のグループの透過部との前記マスク上の距離は、前記X線のビームの前記マスク上での大きさよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のX線による材料の加工方法。
  4. 前記被加工部の直角断面形状は円形であるとともに、前記透過部の前記マスク上における形状は楕円であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のX線による材料の加工方法。
  5. 前記材料は、前記マスクとの平行関係が保持された状態で、XYZステージ(12、13、14)により3次元方向に平行移動され、θ軸ステージ(15)により前記材料の面方向に平行なθ軸回りに回転され、さらに、α軸ステージ(11)により前記材料の法線方向回りに回転されることにより、前記材料に照射される前記X線のビーム方向が前記所望の傾斜角とされることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のX線による材料の加工方法。
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