JP2005249129A - インチングバルブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプール弁がエアシリンダ装置のピストンのヒステリシスの影響を受けにくくし、インチング開始時期にタイムラグが発生するのを防止する。
【解決手段】 復帰ばねを、内外二重の圧縮コイルばね42、43とし、外側の圧縮コイルばね42により、スプール弁28を常時エアシリンダ装置16の駆動方向と反対方向に付勢するとともに、前記スプール弁28がインチング開始位置まで移動したとき、内側の圧縮コイルばね43が圧縮され始めて、スプール弁28に両方の圧縮コイルばね42、43の付勢力が付与されるようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばフォークリフトのクラッチ等を作動させる油圧をインチング制御、すなわち微動制御して半クラッチ状態とするのに用いられるインチングバルブ装置に関する。
例えばトルクコンバータ付きのフォークリフトにおいては、クラッチへの圧油の供給量(圧力)を細かく制御して、クラッチを所定時間いわゆる半クラッチ状態に保持することにより、フォークリフトによる作業性を向上させたり、停止や発進を円滑にしたりするために、例えば特許文献1に記載されているようなインチングバルブ装置が用いられることがある。
特開2001−12516号公報
上記特許文献1に記載されているようなインチングバルブ装置においては、バルブ本体に、復帰ばねにより一側方に付勢されたスプール弁を収容し、このスプール弁を、復帰ばねに抗して、その反対側に連係したエアシリンダ装置により軸方向に移動させ、バルブ本体に設けた圧油の入口ポートを開閉し、該入口ポートから出口ポートに至る圧油の流量(圧力)を制御することにより、クラッチを半クラッチ状態にするようになっている。
このように、スプール弁の駆動をエアシリンダ装置を用いて行うインチングバルブ装置においては、次のような問題が発生することがある。
すなわち、エアシリンダ装置のピストンを往復移動させる空気は、圧縮及び膨張性を有しており、かつピストンとシリンダの内面との間には摩擦抵抗が存在し、しかも、ピストンにより作動させられるスプール弁の復帰ばねは単一で、ばね定数が一定であるため、圧縮空気によりピストンに連係したスプール弁を押動する際と、空気を減圧してスプール弁を復帰ばねにより戻す際にヒステリシスが発生し、同じ空気圧でも、往路では、スプール弁の移動ストロークが設計計算値よりも小さくなり、復路では、そのストロークが計算値より大きくなることがある。
このようになると、クラッチを断続する際において、クラッチ圧(油圧)も上記ヒステリシスの影響を受け、空気の加圧時と減圧時においてインチングの開始時期にタイムラグが発生したり、インチング(半クラッチ)領域が小さくなるなど、理想的なインチング特性が得られなくなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、スプール弁がエアシリンダ装置のピストンのヒステリシスの影響を受けにくくし、インチング開始時期にタイムラグが生じるのを防止することにより、理想的なインチング特性が得られるようにした、インチングバルブ装置を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される
(1)バルブ本体に設けたガイド孔内に、エアシリンダ装置のピストンに連係したスプール弁を、軸方向に摺動可能かつ復帰ばねにより前記エアシリンダ装置による駆動方向と反対方向に付勢して収容し、前記ピストンを作動させて前記スプール弁を移動させることにより、前記バルブ本体に設けた入口ポートを開閉し、該入口ポートから出口ポートに至る流体の流量を制御するようにしたインチングバル装置において、前記復帰ばねを、内外二重の圧縮コイルばねとし、そのいずれか一方により、前記スプール弁を常時エアシリンダ装置の駆動方向と反対方向に付勢するとともに、前記スプール弁が予め定めた位置まで移動したとき、他方の圧縮コイルばねが圧縮され始めて、スプール弁に両方の圧縮コイルばねの付勢力が付与されるようにする。
(2)上記(1)項において、スプール弁が、インチング開始位置まで移動したとき、他方の圧縮コイルばねが圧縮され始めるようにする。
(3)上記(1)または(2)項において、スプール弁に、エアシリンダ装置の非作動時に開口し、入口ポートと出口ポートとに連通する大流量流路と、エアシリンダ装置の作動により、スプール弁が移動したとき開口し、前記入口ポートから少量の流体を出口ポートに供給する小流量流路とを設けるとともに、前記スプール弁におけるエアシリンダ装置と反対側の側端面に突設した小径軸に、バルブ本体に設けたドレンポートを開閉するインチングピストンを、前記スプール弁が大流量流路を閉じる位置まで移動したとき、該スプール弁と共に前記ドレンポートを開口する位置まで移動しうるように、摺動可能かつスプール弁を付勢する圧縮コイルばねより小さい付勢力の復帰ばねにより前記ドレンポートを閉じる方向に付勢して嵌合し、該インチングピストンにおける復帰ばねと反対側の端面に作用する前記小流量流路の流体圧による付勢力と、前記復帰ばねの付勢力とがバランスするように、前記インチングピストンを微動運動させ、前記ドレンポートを開閉して流体の流出量を制御するようにする。
請求項1記載の発明によれば、エアシリンダ装置を作動させてスプール弁を移動させる際、スプール弁は、予め定めた位置に達するまでは一方の圧縮コイルばねの付勢力のみに抗して移動するので、その位置まで速やかに移動する。
また、エアシリンダ装置の作動を停止してスプール弁を復帰させる際には、2個の圧縮コイルばねによる大きな付勢力によりスプール弁が急速に戻されるようになる。
従って、インチングバルブ装置を、例えば車両用のクラッチ等を断続する油圧回路に組込んだ際において、スプール弁の往復移動が、エアシリンダ装置のピストンのヒステリシスの影響を受けにくくなり、クラッチを断続する際のインチング(半クラッチ)開始時期にタイムラグが生じるのが防止され、理想的なインチング特性が得られるようになる。
請求項2記載の発明によれば、スプール弁は、インチング開始位置まで速やかに移動するので、インチング開始時期をより早めることができる。
請求項3記載の発明によれば、インチング状態のときには、大流量流路とは別の小流量流路を介して、例えばクラッチ等に流体が常に供給され、かつスプール弁と別体をなすインチングピストンのみが微動運動して、インチング状態を維持するため、クラッチ等に供給される流体に大きな圧力変動が生じることなく、インチング(半クラッチ)状態にあるクラッチ等が小刻みに振動するのが防止される。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のインチングバルブ装置を備える、例えばフォークリフト等のトランスミッション付トルクコンバータの油圧回路を示すもので、(1)は、オイルパン(2)の油を吸引して圧送するオイルポンプ、(3)はトルクコンバータ、(4)は、トルクコンバータ(3)に連結されたトランスミッション、(5)は、トルクコンバータ(3)に供給される油圧を調整する主圧レギュレータバルブ、(6)は、トルクコンバータ(3)よりの圧油の出口圧力を調整するレギュレータバルブ、(7)は、ラインフィルタ、(8)及び(9)は、トランスミッション(4)の前進2段のギヤ(図示略)への動力を断続する前進用低速クラッチと高速クラッチ、(10)は、同じく後進ギヤ(図示略)への動力を断続する後進用クラッチである。
各クラッチ(8)〜(10)は、ラインフィルタ(7)より流出する油により潤滑されるようになっている。
オイルポンプ(1)に接続された主油圧回路(11)には、アキュムレータ(12)と、本発明のインチングバルブ装置(13)とを介して、4ポート3位置切換型の前後進切換用のソレノイドバルブ(14)が設けられている。
ソレノイドバルブ(14)は、後進用クラッチ(10)と、速度切換用の4ポート2位置切換用のソレノイドバルブ(15)を介して、上記前進用の低速及び高速クラッチ(8)(9)とに接続されている。
図1の回路は、ソレノイドバルブ(14)が前進側に切換えられるとともに、速度切換用のソレノイドバルブ(15)が低速側に切換えられ、前進用の低速クラッチ(8)が接続されている状態を示している。
図2は、上記インチングバルブ装置(13)と、その右端に取付けられたエアシリンダ装置(16)との中央縦断正面図を示すもので、エアシリンダ装置(16)は、フォークリフトに設けられているインチング(クラッチ)ペダル(図示略)の操作時に圧縮空気が送り込まれて作動するようになっている。
インチングバルブ装置(13)におけるバルブ本体(17)は、横長円筒状をなし、その中心部には、左端が閉塞されるとともに、右端が開口されたストレート状のガイド孔(18)が形成されている。
エアシリンダ装置(16)における右端が閉塞されたシリンダ(19)の左端は、上記バルブ本体(17)の右端に、それと連通するようにして、同心状に一体的に固定されている。
シリンダ(19)内には、ピストン(20)が軸方向に摺動可能に嵌合され、このピストン(20)は、シリンダ(19)の右側面に穿設されたエアポート(21)より流入する圧縮空気、すなわちフォークリフトのインチングペダルを踏み込んだ際、エアタンク又はエアポンプ等の圧縮空気源より供給される圧縮空気により、右限から左方に移動させられるようになっている。
バルブ本体(17)の周壁の右端部には、上記トルクコンバータの主油圧回路(11)に接続された、圧油の入口ポート(22)が、またその左方の周壁には、軸方向に所要寸法離間する主出口ポート(23a)と副出口ポート(23b)が、それぞれガイド孔(18)と連通するように穿設されている。
主出口ポート(23a)と副出口ポート(23b)とは、連通路(24)を介して接続され、それらより排出される圧油は、1個の出口ポート(25)より上記ソレノイドバルブ(14)に供給されるようになっている。
バルブ本体(17)の中央よりやや左方、すなわち出口ポート(25)よりも左方の周壁には、油圧回路の低圧側に接続されたドレンポート(26)が、ガイド孔(18)と連通状に穿設されている。
バルブ本体(17)のガイド孔(18)内には、左端に小径軸(27)が突設されたスプール弁(28)が、その右端を、ピストンロッド(29)を介してピストン(20)の左端に連結することにより、ピストン(20)と一体をなして軸方向に移動しうるように、摺動自在に嵌合されている。
スプール弁(28)の右端部から小径軸(27)の連設部に至る中心部には、円形の大径流路(30)が形成されている。
スプール弁(28)の右端部には、大径流路(30)と流通するオリフィス状の小径流路(31)が、半径方向を向いて穿設されている。なお、上記大径流路(30)と小径流路(31)とにより、小流量流路を構成している。
小径流路(31)と近接するスプール弁(28)の外周面には、環状溝よりなる大流量流路(32)が形成されている。
ピストン(20)が非作動状態(図1の状態)にあるとき、上記小径流路(31)の開口端は、入口ポート(22)の右方においてガイド孔(18)の内周面により閉塞され、かつ大流量流路(32)は、入口ポート(22)と主出口ポート(23a)とに連通し、入口ポート(22)より流入した大量の圧油が、出口ポート(25)よりソレノイドバルブ(14)及び各クラッチ(8)〜(10)に供給されるようになっている。
スプール弁(28)の中間部には、軸線と直交する複数の通孔、すなわち油孔(33)が、大径流路(30)と連通状に穿設され、各油孔(33)は、ピストン(20)の非作動時には閉じられ、それが作動したときのみ、副出口ポート(23b)と連通して、小径流路(31)および大径流路(30)に流入した圧油が、出口ポート(25)より流出するようになっている。
スプール弁(28)の左端部における副出口ポート(23b)とドレンポート(26)との間には、軸線と直交する複数の通孔、すなわち上記油孔(33)よりも小径の油孔(34)が、大径流路(30)と連通状に穿設され、各油孔(34)は、ピストン(20)が非作動状態のとき閉じられ、それが最大限左方に移動したときに、ドレンポート(26)と連通するようになっている。
スプール弁(28)の左端部の小径軸(27)には、外径がスプール弁(28)の外径と等径をなすインチングピストン(35)が、軸方向に摺動自在に嵌合され、その外周面はガイド孔(18)の内面に摺接している。
(36)は、ガイド孔(18)の内面に摺接している円板状のストッパ板で、インチングピストン(35)を小径軸(27)に嵌合したのち、その左端面にボルト(37)により固定されている。
インチングピストン(35)の左半部に形成された有底孔(38)の奥端部とストッパ板(36)との間には、圧縮コイルばねよりなる復帰ばね(39)が縮設され、これにより、インチングピストン(35)は右方に付勢され、その右端が、スプール弁(28)と小径軸(27)との連設部に形成された拡径段部(40)と当接し、ドレンポート(26)より大径流路(30)の圧油が流出するのを阻止している。
図6に示すように、インチングピストン(35)の右端の外周縁には、底面がほぼ45°の傾斜面をなす複数(4個)の油溝(41)が、円周方向に等間隔おきに形成されている。
バルブ本体(17)のガイド孔(18)の左端面とストッパ板(36)との間には、スプール弁(28)とピストン(20)を右方に付勢するための、上記復帰ばね(39)よりもばね力の大きい付勢手段、すなわち自由長の長い第1圧縮コイルばね(42)と、それより自由長の短かい第2圧縮コイルばね(43)とからなる内外二重の復帰ばねが、外側の第1圧縮コイルばね(42)のみを圧縮させて、スプール弁(28)とピストン(20)を常時右方に付勢するようにして収容されている。
なお、自由長の長い外側の第1圧縮コイルばね(42)のばね定数を、内側の第2圧縮コイルばね(43)のそれよりも小さくすることが好ましい。
次に、上記実施形態の作用について説明する。
図2は、フォークリフトの通常走行時を示し、この状態では、インチングペダルの作動はないので、ピストン(20)及びスプール弁(28)は、外側の第1圧縮コイルばね(42)の付勢力により右限に位置している。
この状態では、トルクコンバータの油圧回路(11)より、アキュムレータ(12)を介してインチングバルブ装置(13)の入口ポート(22)に流入した一定圧力の圧油は、スプール弁(28)の外周面の大流量流路(32)及び主出口ポート(23a)を経て、出口ポート(25)からソレノイドバルブ(14)に供給される。これにより、ソレノイドバルブ(14)が前進側に切換えられ、かつソレノイドバルブ(15)が低速側に切換えられているときには、低速クラッチ(8)がオンとなり、トルクコンバータの動力がトランスミッション(4)の第1速ギヤを介して車輪に伝達されて、フォークリフトの通常走行が可能となる。
図3〜図5は、インチングペダルを踏み込んでエアシリンダ装置(16)を作動させたときのピストン(20)とスプール弁(28)との移動量を段階的に示し、図7は、エアシリンダ装置(16)に供給される空気圧力、又はスプール弁(28)及びピストン(20)の移動量に対する出口ポート(25)の油圧、すなわちクラッチ油圧の関係を曲線で示している。
なお、図7には、図2〜図5に示す状態のスプール弁(28)及びピストン(20)の移動量を、図2〜図5の図番をもって示してある。
また、図中の符号(A)で示す太い曲線は、設計時の理想のインチング特性、(B)は、クラッチをオフにする際の実際のインチング曲線、(C)は、クラッチをオンにする際のインチング曲線、(S1)は、クラッチをオフとする際のインチング開始点、(S2)は、クラッチをオンとする際のインチング開始点、(E)は、インチング終了点を、それぞれ示している。
図2の状態において、インチングペダルを踏み込むと、エアシリンダ装置(16)のシリンダ(19)内に圧縮空気が供給されることにより、図3に示すように、スプール弁(28)及びピストン(20)が第1圧縮コイルばね(42)のみの付勢力に抗して左方に移動し始める。
すると、それまで閉じられていた小流量流路の一部をなす小径流路(31)が開口し始めると同時に、大流量流路(32)が徐々に閉じ、小径流路(31)に流入した圧油が、大径流路(30)を通って油孔(34)より流出することにより、インチングピストン(35)は、復帰ばね(39)に抗して、左方に押動され、圧油の一部は、インチングピストン(35)の油溝(41)よりドレンポート(26)に少量ずつ流れ出す。
また、それまで閉じられていた油孔(33)が、副出口ポート(23b)と連通し始めることにより、大径流路(30)の圧油は副出口ポート(23b)より流出するようになる。
従って、図3に示すピストン(20)及びスプール弁(28)の作動初期状態では、入口ポート(22)から出口ポート(23)に供給される油量が絞られることにより、低速クラッチ(8)に作用する油圧が徐々に低下し、クラッチ(8)は半クラッチ状態となり始める。
この際、第2圧縮コイルばね(43)は、その右端がストッパ板(36)に当接したのみで、まだ圧縮されていないので、スプール弁(28)及びピストン(20)に作用する反力は小さく、それらが速やかに移動することにより、インチングの開始に遅れが生じることはなく、図7に示すように、インチング開始点(S1)を、理想のインチング特性(A)のインチング開始点とほぼ一致させることができる。
図3の状態からピストン(20)及びスプール弁(28)がさらに左方に移動すると、図4に示すように、第2圧縮コイルばね(43)が圧縮され始め、ピストン(20)及びスプール弁(28)に作用する反力が徐々に大となる。
これにより、図7に示すように、スプール弁(28)及びピストン(20)の移動速度が遅くなることから、インチング曲線(B)が、理想のインチング曲線(A)よりも緩傾斜となり、インチング領域が広がる。
図4に示すように、スプール弁(28)が、小径流路(31)を全開し、大流量流路(32)を全閉する位置まで移動させられると、主出口ポート(23a)が閉じる代わりに、副出口ポート(23b)が徐々に大きく開くことにより、小径流路(31)より流入した圧油は、大径流路(30)、副出口ポート(23b)及び出口ポート(25)を経て、低速クラッチ(8)に供給されるとともに、油圧はインチングピストン(35)にも引き続き作用しているので、該インチングピストン(35)は、図3とほぼ同位置に保持される。
その結果、低速クラッチ(8)に供給される油量が減少し、油圧もさらに低下することにより、クラッチ(8)は完全に半クラッチ状態となり、動力の伝達力が小となる結果、フォークリフトの走行速度が低下する。
図4に示す状態において、出口ポート(25)(クラッチ側の油圧)、すなわちクラッチ(8)を半クラッチ状態とする油圧が、復帰ばね(39)によるインチングピストン(35)を右方(閉弁方向)へ押す押圧力より大となり、クラッチ(8)が再度接続されようとすると、インチングピストン(35)が左方(開弁方向)に押圧されてドレンポート(26)が開かれ、大径流路(30)内の圧油の一部が排出される。
これにより、出口ポート(25)側の油圧が若干低下し、再び半クラッチ状態となる。
この状態において復帰ばね(39)の付勢力が、出口ポート(25)側の油圧に打ち勝つと、インチングピストン(35)は、再度右方に押圧され、ドレンポート(26)を閉じる。
このようにして、インチングピストン(35)は、その復帰ばね(39)による閉弁方向の付勢力と、出口ポート(25)側の油圧、すなわちインチングピストン(35)の右端面に作用する油圧の付勢力とバランスするように、左右方向に往復微動し、ドレンポート(26)より流出する油量を制御することにより、クラッチ(8)を半クラッチ状態に維持する。
なお、この半クラッチ状態において、入口ポート(22)より大径流路(30)内に流入する圧油は、オリフィス状の小径流路(31)により制限されているため、ドレンポート(26)が開かれても、それより流出する油量が大となることはなく、従って、インチングバルブ装置より上流側の油圧回路の流量が減少するのが防止される。
図5に示すように、ピストン(20)及びスプール弁(28)が左限まで最大ストローク移動すると、小径流路(31)が閉じられることにより、入口ポート(22)よりの圧油の供給が遮断され、かつ副出口ポート(23b)と油孔(33)とが大きく連通する。また同時に、インチングピストン(35)が拡径段部(40)と当接して、強制的に左方(開弁方向)に移動させられることにより、ドレンポート(26)は大きく開口する。
これにより、それまでクラッチ(8)に供給されていた圧油が、矢印のようにドレンポート(26)より排出されることにより、出口ポート(25)側の圧力が急速に低下し、図7に示すように最終的に0となる。
その結果、クラッチ(8)はオフとなり、動力の伝達が断たれることにより、フォークリフトを停止することができる。
図5の状態において、インチングペダルから足を離し、エアシリンダ装置(16)への圧縮空気の供給を停止すると、第1及び第2圧縮コイルばね(42)(43)による大きな付勢力により、スプール弁(28)、インチングピストン(35)及びピストン(20)は、上記の逆の態様で作動し、図4から図3の状態に至るまで、すなわち図7の(E)点に達するまで、半クラッチ状態となり、動力の伝達が緩やかに行われる。
この際、スプール弁(28)及びピストン(20)は、2個の圧縮コイルばね(42)(43)の大きな付勢力により速やかに戻されるので、図7に示すように、クラッチをオンとする際のインチング開始点(S2)が早くなり、理想のインチング特性(A)の開始点とほぼ一致させることができ、かつインチング領域も拡大する。
図3から図2の状態に戻ると、スプール弁(28)の大流量流路(32)が、入口ポート(20)と出口ポート(25)とに連通し、クラッチ(8)に供給される圧油の量が増大して油圧が急速に上昇することにより、クラッチ(8)は接続状態となり、再度動力の伝達が行われる。
以上説明したように、上記実施形態のインチングバルブ装置(13)においては、
エアシリンダ装置(16)のピストン(20)及びこれに連結されたスプール弁(28)を右方、すなわちエアシリンダ装置(16)による駆動方向と反対方向に付勢する復帰ばねを、自由長の長い第1圧縮コイルばね(42)と、自由長の短かい第2圧縮コイルばね(43)との内外二重の圧縮コイルばねとし、クラッチが接続されている通常時には、第1圧縮コイルばね(42)のみの付勢力がスプール弁(28)とピストン(20)に作用するようにし、かつスプール弁(28)がインチング開始位置付近まで移動したとき、第2圧縮コイルばね(43)が圧縮され始め、その付勢力がスプール弁(28)及びピストン(20)に作用するようにしているため、ピストン(20)及びそれにより駆動されるスプール弁(28)がヒステリシスの影響を受けにくくなり、クラッチを断続する際において、インチング(半クラッチ)開始時期にタイムラグが生じる恐れが小さくなる。
また、上記実施形態のインチングバルブ装置(13)には、インチングピストン(35)が、スプール弁(28)と別体と設けられており、かつインチングピストン(35)を押圧する圧油の経路、すなわち大径流路(30)と小径流路(31)とからなる小流量流路を、通常時において入口ポート(22)と出口ポート(25)とを連通させる大流量流路(32)と別体に設け、インチング(半クラッチ)状態のときの圧油が、大流量流路(32)を介さずに、小流量流路より常に出口ポート(25)に供給されるようにしているため、インチングピストン(35)が往復微動運動を繰り返しても、クラッチに供給される圧油に大きな圧力変動が生じる恐れはない。
従って、半クラッチ状態にあるクラッチが小刻みに振動するのが防止される。
なお、上記実施形態では、外側の第1圧縮コイルばね(42)の自由長を長く、内側の第2圧縮コイルばね(43)の自由長を短かくしているが、それらを逆として、内側の第2圧縮コイルばね(43)を常時ストッパ板(36)に当接させ、スプール弁(28)及びピストン(20)を右方に付勢するようにしてもよいことは勿論である。
また、第1及び第2圧縮コイルばね(42)(43)は、ピストン(20)の左端面と、バルブ本体(17)との対向面間に収容することもある。
本発明は、上記インチングピストン(35)を有していない、前述した特許文献1に記載されているインチングバルブ装置や、同特許文献1に従来技術として開示されているインチングバルブ装置にも適用することができる。
本発明を適用したフォークリフト等のトランスミッション付きトルクコンバータの油圧回路である。 本発明のインチングバルブ装置とこれを駆動するエアシリンダ装置におけるピストン非作動時の中央縦断正面図である。 同じく、ピストン作動時におけるインチング開始時の中央縦断正面図である。 同じく、インチングの途中状態を示す中央縦断正面図である。 同じく、圧油の供給停止によるインチング状態解除時の中央縦断正面図である。 インチングピストンの斜視図である。 スプール弁(ピストン)の移動量とクラッチ油圧との関係を示す説明図である。
符号の説明
(1)オイルポンプ
(2)オイルパン
(3)トルクコンバータ
(4)トランスミッション
(5)主圧レギュレータバルブ
(6)レギュレータバルブ
(7)ラインフィルタ
(8)低速クラッチ
(9)高速クラッチ
(10)後進クラッチ
(11)主油圧回路
(12)アキュムレータ
(13)インチングバルブ装置
(14)(15)ソレノイドバルブ
(16)エアシリンダ装置
(17)バルブ本体
(18)ガイド孔
(19)シリンダ
(20)ピストン
(21)エアポート
(22)入口ポート
(23a)主出口ポート
(23b)副出口ポート
(24)連通路
(25)出口ポート
(26)ドレンポート
(27)小径軸
(28)スプール弁
(29)ピストンロッド
(30)大径流路
(31)小径流路
(32)大流量流路
(33)(34)油孔
(35)インチングピストン
(36)ストッパ板
(37)ボルト
(38)有底孔
(39)復帰ばね
(40)拡径段部
(41)油溝
(42)第1圧縮コイルばね
(43)第2圧縮コイルばね

Claims (3)

  1. バルブ本体に設けたガイド孔内に、エアシリンダ装置のピストンに連係したスプール弁を、軸方向に摺動可能かつ復帰ばねにより前記エアシリンダ装置による駆動方向と反対方向に付勢して収容し、前記ピストンを作動させて前記スプール弁を移動させることにより、前記バルブ本体に設けた入口ポートを開閉し、該入口ポートから出口ポートに至る流体の流量を制御するようにしたインチングバル装置において、
    前記復帰ばねを、内外二重の圧縮コイルばねとし、そのいずれか一方により、前記スプール弁を常時エアシリンダ装置の駆動方向と反対方向に付勢するとともに、前記スプール弁が予め定めた位置まで移動したとき、他方の圧縮コイルばねが圧縮され始めて、スプール弁に両方の圧縮コイルばねの付勢力が付与されるようにしたことを特徴とするインチングバルブ装置。
  2. スプール弁が、インチング開始位置まで移動したとき、他方の圧縮コイルばねが圧縮され始めるようにした請求項1記載のインチングバルブ装置。
  3. スプール弁に、エアシリンダ装置の非作動時に開口し、入口ポートと出口ポートとに連通する大流量流路と、エアシリンダ装置の作動により、スプール弁が移動したとき開口し、前記入口ポートから少量の流体を出口ポートに供給する小流量流路とを設けるとともに、前記スプール弁におけるエアシリンダ装置と反対側の側端面に突設した小径軸に、バルブ本体に設けたドレンポートを開閉するインチングピストンを、前記スプール弁が大流量流路を閉じる位置まで移動したとき、該スプール弁と共に前記ドレンポートを開口する位置まで移動しうるように、摺動可能かつスプール弁を付勢する圧縮コイルばねより小さい付勢力の復帰ばねにより前記ドレンポートを閉じる方向に付勢して嵌合し、該インチングピストンにおける復帰ばねと反対側の端面に作用する前記小流量流路の流体圧による付勢力と、前記復帰ばねの付勢力とがバランスするように、前記インチングピストンを微動運動させ、前記ドレンポートを開閉して流体の流出量を制御するようにした請求項1または2記載のインチングバルブ装置。
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