JP2005248917A - 内燃機関の触媒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被毒物質による触媒被毒を抑制し触媒性能を長期に維持できる簡単な構造で低コストの内燃機関の触媒装置を供する。
【解決手段】 排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、排気上流側の担体4aは、排気上流側の担体より下流の担体より触媒担持量が少ない内燃機関の触媒装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、排気上流側の担体4aは、排気上流側の担体より下流の担体より触媒担持量が少ない内燃機関の触媒装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒装置に関する。
内燃機関の排気ガス浄化用触媒としては、一酸化炭素COや炭化水素HCの酸化と、窒素酸化物NOxの還元を、同時に行う三元触媒が知られている。
三元触媒は、担体表面にγ-アルミナ等の高比表面積材料で被覆(ウオッシュコート)し、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh等の高価な貴金属を担持させており、空燃比が14.7の理論空燃比付近で高い浄化効率が得られるようにしている。
三元触媒は、担体表面にγ-アルミナ等の高比表面積材料で被覆(ウオッシュコート)し、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh等の高価な貴金属を担持させており、空燃比が14.7の理論空燃比付近で高い浄化効率が得られるようにしている。
内燃機関の低燃費化を図るために空燃比が高い希薄燃焼運転することが行われているが、空燃比が高いとNOxの還元ができなくなるため、その対策としてNOx吸蔵材等が提案され、三元触媒と組み合せて使用することが行われている。
NOx吸蔵材であるアルカリ金属やアルカリ土金属は、排気ガス中に含まれる硫黄被毒により硫酸塩となり、NOxの吸着作用が失われることがある。
さらに、排気ガス中には、ガソリンやオイル中のリンPや亜鉛Zn等の触媒被毒成分が含まれ、この触媒被毒物質が貴金属類に付着して触媒性能を低下させる問題があった。
さらに、排気ガス中には、ガソリンやオイル中のリンPや亜鉛Zn等の触媒被毒成分が含まれ、この触媒被毒物質が貴金属類に付着して触媒性能を低下させる問題があった。
そこで、触媒の上流側にトラップ成分を担持させたトラップ層を設けて硫黄を捕集して触媒被毒を抑制し触媒性能を維持する例(特許文献1)が提案されている。
特開2002−172329号公報
同特許文献1においては、被毒物質(硫黄)を触媒の上流側で積極的に捕集するために、トラップ成分を担持させたトラップ層を特別に設けているので、構成が複雑となるとともにトラップ層の形成のためにコスト高となっていた。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、被毒物質による触媒被毒を抑制し触媒性能を長期に維持できる簡単な構造で低コストの内燃機関の触媒装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、排気上流側の担体は、排気上流側の担体より下流の担体より触媒担持量が少ない内燃機関の触媒装置とした。
図10は、ハニカム構造のセラミック担体に付着する被毒物質の付着状況を示したグラフであり、排気ガスの流れに沿って担体上流端から下流端に至るまでの被毒物質の付着量の変化を示している。
同グラフに示すように、被毒物質の付着量は担体上流端を最大にして下流に行くに従い急激に減少している。
したがって、担体に付着する被毒物質の殆どが担体の上流側に集中している。
したがって、担体に付着する被毒物質の殆どが担体の上流側に集中している。
そこで、排気上流側の担体の触媒担持量を、排気上流側より下流の部分の担体の触媒担持量より少なくする構造にすることで、触媒担持量の少ない排気上流側の担体に付着被毒物質の殆どが付着し、触媒担持量の相対的に多い排気上流側より下流の担体には被毒物質の付着が少ないので、総体的に触媒被毒が抑制されて触媒性能を長期に亘って維持することができる。
排気上流側の担体の触媒担持量を少なくすることで、触媒として用いられる高価な貴金属が節約され、かつ別途特別な材料や部材を用いない簡単な構造であり、よってコストの低減を図ることができる。
請求項2記載の発明は、排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、排気上流側の担体には触媒が担持されていない内燃機関の触媒装置である。
触媒が担持されていない排気上流側の担体に付着被毒物質の殆どが付着し、触媒が担持される排気上流側より下流の担体には被毒物質の付着が少ないので、総体的に触媒被毒が抑制されて触媒性能を長期に亘って維持することができる。
別途特別な材料や部材を用いない極めて簡単な構造であり、かつ排気上流側の担体には触媒を担持させないことで、触媒として用いられる高価な貴金属が大幅に節約され、よってコストの低減を図ることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関の触媒装置において、前記担体が、ハニカム構造をなし、前記排気上流側の担体が、排気を整流する整流機能を有していることを特徴とする。
ハニカム構造をなす担体の上流側が、整流機能を有するので、排気上流側の担体により整流された排気ガスが、触媒が担持される排気上流側より下流の担体を通過するため、被毒物質も触媒に付着し難く、益々触媒被毒が抑制され、触媒性能をさらに長期に維持することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関の触媒装置において、前記排気上流側の担体は、排気上流側より下流の担体より単位面積当たりのセル数が少ないことを特徴とする。
ハニカム構造をなす担体の上流側が、単位面積当たりのセル数が少ないことで、各セルの流路断面積が大きく通気抵抗を小さくできるとともに、排気の整流も行い、その下流側の触媒に被毒物質が付着し難くし、触媒被毒を抑制して触媒性能を長期に維持することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の内燃機関の触媒装置において、前記ハニカム構造をなす担体の上流側排気通路が前記担体の上流側端面に対して斜めに排気ガスが導入されるよう折曲されていることを特徴とする。
整流機能を有する上流側担体の上流側端面に対して斜めに排気ガスが導入されるので、中央および中央周辺の流速の速い範囲が周辺部まで拡大して担体に導入され、整流されて、その下流側の触媒を担持した担体に流入する。
したがって、排気ガスは同触媒を担持する担体のより広い範囲を適当に速い流速で流れて触媒を広い範囲で効果的に作用させることができ、触媒性能を向上させることができる。
したがって、排気ガスは同触媒を担持する担体のより広い範囲を適当に速い流速で流れて触媒を広い範囲で効果的に作用させることができ、触媒性能を向上させることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図4に基づき説明する。
本実施の形態に係る内燃機関の触媒装置1は、図1および図2に図示するように、排気管に連続する金属製の外筒2内にセラミック触媒体3が嵌挿されている。
本実施の形態に係る内燃機関の触媒装置1は、図1および図2に図示するように、排気管に連続する金属製の外筒2内にセラミック触媒体3が嵌挿されている。
セラミック触媒体3は、ハニカム構造のセラミック担体4の表面にγ-アルミナ5でウオッシュコートし、この高比表面積材料に白金Pt等の貴金属の触媒6を担持させたものである(図3(b)参照)。
ハニカム構造のセラミック担体4は、コーディエライトを主成分としたものを基材とし、長尺中空の多数のセルにより断面が格子状を構成するように成形・焼成して担体としたものである。
なお、金属担体でもよい。
なお、金属担体でもよい。
ただし、セラミック担体4における排気の流れの上流側部分である担体上流部4aについては、表面にウオッシュコートもされず、貴金属の触媒も担持されていない(図3(a)参照)。
この担体上流部4aは、図1および図2において破線より左側部分で、セラミック担体4の全長のうち1〜2割程度の幅長を有する部分である。
この担体上流部4aは、図1および図2において破線より左側部分で、セラミック担体4の全長のうち1〜2割程度の幅長を有する部分である。
以上のような構造の触媒装置1の外筒2内に排気ガスが流通すると、前記したように排気ガス中のリンP等の被毒物質は担体上流端を最大にして上流側部分に集中して付着する(図10参照)ので、付着被毒物質7の殆どが担体上流部4aに付着する。
図4に示すように触媒の担持されていない担体上流部4aの担体表面に被毒物質7が付着し、残りの担体上流部4aより下流の触媒6が担持されている担体部分には殆ど付着しない。
したがって、触媒被毒が抑制されて触媒性能を長期に亘って維持することができる。
したがって、触媒被毒が抑制されて触媒性能を長期に亘って維持することができる。
担体上流部4aには触媒を担持させないという別途特別な材料や部材を用いない極めて簡単な構造であり、触媒として用いられる高価な貴金属が大幅に節約され、コストの低減を図ることができる。
上記実施の形態では、担体上流部4aに全く触媒を担持させていなかったが、少ない量の触媒を担持させるようにしてもよく、担体上流部4aに少量でも触媒を担持させることで、高価な触媒をあまり用いずに初期における触媒性能の向上を図ることができる。
ウオッシュコートだけを施してもよい。
ウオッシュコートだけを施してもよい。
次ぎに別の実施の形態に係る触媒装置11について図5ないし図7に基づき説明する。
外筒12内にセラミック触媒体が、上流側セラミック触媒体13aと下流側セラミック触媒体13bに分割されて互いの間に空隙18を存して嵌挿されている。
上流側セラミック触媒体13aの幅長は、下流側セラミック触媒体13bを合せた全長の1〜3割程度の幅長である。
外筒12内にセラミック触媒体が、上流側セラミック触媒体13aと下流側セラミック触媒体13bに分割されて互いの間に空隙18を存して嵌挿されている。
上流側セラミック触媒体13aの幅長は、下流側セラミック触媒体13bを合せた全長の1〜3割程度の幅長である。
下流側セラミック触媒体13bは、格子状をなすハニカム構造の下流側セラミック担体14bの表面にγ-アルミナ15でウオッシュコートし、この高比表面積材料に白金Pt等の貴金属の触媒16を担持させたものである(図6(b)参照)。
一方、上流側セラミック触媒体13aは、格子状をなすハニカム構造の上流側セラミック担体14aの表面にγ-アルミナ15でウオッシュコートしただけのものであり、触媒は担持させていない(図6(a)参照)。
上流側セラミック担体14aは、下流側セラミック担体14bよりも格子状に仕切られたセルの単位面積当たりのセル数が少なく、各セルの流路断面積が大きい。
したがって、上流側セラミック触媒体13aは、通気抵抗が小さい。
また、上流側セラミック触媒体13aは、格子状に整列され軸方向に延びる各セルが流入された排気ガスの流れを一方向に揃えて空隙18に流出する整流機能を有する。
したがって、上流側セラミック触媒体13aは、通気抵抗が小さい。
また、上流側セラミック触媒体13aは、格子状に整列され軸方向に延びる各セルが流入された排気ガスの流れを一方向に揃えて空隙18に流出する整流機能を有する。
以上のような構造の触媒装置11の外筒12内に排気ガスが流通すると、前記したように排気ガス中のリンP等の被毒物質は担体上流端を最大にして上流側部分に集中して付着する(図10参照)ので、付着被毒物質17の殆どが上流側セラミック触媒体13aのウオッシュコーティングされたγ-アルミナ15の表面に付着する(図7参照)。
この上流側セラミック触媒体13aから空隙18に流出した排気ガスは、上流側セラミック触媒体13aの前記整流機能により整流されているので、下流側セラミック触媒体13bに滑らかに流入し、上流側セラミック担体14aの各セル内を滑らかに通過する。
したがって、排気ガス中の被毒物質は下流側セラミック触媒体13bの上流端で若干多く付着されるものの、殆どが各セル内を通過しても触媒16に付着し難く、触媒被毒が益々抑制され、触媒性能をにさらに長期に維持することができる。
本触媒装置11は、上流側セラミック触媒体13aにウオッシュコーティングを施すものの触媒は担持させていないので、高価な貴金属の触媒を節約し、コストの低減を図ることができる。
なお、上流側セラミック触媒体13aに触媒を少量担持させて、高価な触媒をあまり使用せずに初期における触媒性能の向上を図ることもできる。
また、多少被毒物質の付着が減るが、上流側セラミック触媒体13aにウオッシュコーティングを施さなくてもよい。
また、多少被毒物質の付着が減るが、上流側セラミック触媒体13aにウオッシュコーティングを施さなくてもよい。
以上の触媒装置1,11は、図2,図5に示すように、外筒2,12の上流側開口中心が、外筒2,12の中心軸と一致して排気ガスがセラミック触媒体の上流側端面に対して垂直に流入される構造であったが、排気ガスがセラミック触媒体の上流側端面に対して斜めに流入される実施の形態を、図8に示す。
同実施の形態の触媒装置21は、前記図5に示す触媒装置11と概ね同じ構造をして上流側セラミック触媒体23aと下流側セラミック触媒体23bに分割されているが、外筒22の上流端縁部22aだけが異なり、セラミック触媒体23a,23bの中心軸に対して斜めの角度方向に延出している。
したがって、外筒22の上流端縁部22aの開口中心とセラミック触媒体23a,23bの中心軸とは一致せず、排気ガスは、この上流端縁部22aに沿って斜め方向から流入される。
排気ガスが、上流側セラミック触媒体23aの上流側端面に対して斜めに導入されるので、中央および中央周辺の流速の速い範囲が周辺部まで拡大して上流側セラミック触媒体23aに導入され、整流されて、その下流側の触媒を担持した下流側セラミック触媒体23bに流入する。
排気ガスが、上流側セラミック触媒体23aの上流側端面に対して斜めに導入されるので、中央および中央周辺の流速の速い範囲が周辺部まで拡大して上流側セラミック触媒体23aに導入され、整流されて、その下流側の触媒を担持した下流側セラミック触媒体23bに流入する。
したがって、排気ガスは同触媒を担持する下流側セラミック触媒体23bのより広い範囲を適当に速い流速で流れて触媒を効果的に作用させることができ、触媒性能を向上させることができる。
次ぎに、さらに別の実施の形態について図9に基づき説明する。
本実施の形態に係る触媒装置31は、上流側セラミック触媒体33と下流側セラミック触媒体35をそれぞれ別体の外筒32,34に嵌挿し、両外筒32,34を連結したものである。
本実施の形態に係る触媒装置31は、上流側セラミック触媒体33と下流側セラミック触媒体35をそれぞれ別体の外筒32,34に嵌挿し、両外筒32,34を連結したものである。
上流側セラミック触媒体33と下流側セラミック触媒体35は、それぞれ前記実施の形態の上流側セラミック触媒体13a,23aおよび下流側セラミック触媒体13b,23bと同じ構造をしている。
このように上流側セラミック触媒体33と下流側セラミック触媒体35が、別体で構成されるので、一方だけを交換することが可能で、かつ容易にでき、経済的に触媒装置を維持することができる。
1…触媒装置、2…外筒、3…セラミック触媒体、4…セラミック担体、5…γ-アルミナ、6…触媒、7…被毒物質、
11…触媒装置、12…外筒、13a…上流側セラミック触媒体、13b…下流側セラミック触媒体、14a…上流側セラミック担体、14b…下流側セラミック担体、15…γ-アルミナ、
16…触媒、17…被毒物質、
21…触媒装置、22…外筒、23a…上流側セラミック触媒体、23b…下流側セラミック触媒体、
31…触媒装置、32…外筒、33…上流側セラミック触媒体、34…外筒、35…下流側セラミック触媒体。
11…触媒装置、12…外筒、13a…上流側セラミック触媒体、13b…下流側セラミック触媒体、14a…上流側セラミック担体、14b…下流側セラミック担体、15…γ-アルミナ、
16…触媒、17…被毒物質、
21…触媒装置、22…外筒、23a…上流側セラミック触媒体、23b…下流側セラミック触媒体、
31…触媒装置、32…外筒、33…上流側セラミック触媒体、34…外筒、35…下流側セラミック触媒体。
Claims (5)
- 排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、
排気上流側の担体は、排気上流側の担体より下流の担体より触媒担持量が少ないことを特徴とする内燃機関の触媒装置。 - 排気流路中の担体に担持された触媒により排気ガスを浄化する内燃機関の触媒装置において、
排気上流側の担体には触媒が担持されていないことを特徴とする内燃機関の触媒装置。 - 前記担体は、ハニカム構造をなし、
前記排気上流側の担体は、排気を整流する整流機能を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の触媒装置。 - 前記排気上流側の担体は、排気上流側より下流の担体より単位面積当たりのセル数が少ないことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の触媒装置。
- 前記ハニカム構造をなす担体の上流側排気通路が前記担体の上流側端面に対して斜めに排気ガスが導入されるよう折曲されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の内燃機関の触媒装置。
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