JP2005248853A - インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度良く行うことのできるインジェクタを提供する。
【解決手段】インジェクタ1において燃料噴射を行う際には、小径ピストン14が制御弁9側に移動させられ、その移動に伴い制御弁9がロッド14aに押されて開弁する。そして、制御弁9の開弁により圧力制御室5内の高圧燃料が排出通路8から排出されると、ニードル弁3が噴孔2を開く位置に移動し、燃料溜まり室6内の燃料が噴孔2を介して噴射される。排出通路8とピストン収容室13との間にはロッド14aが貫通する貫通孔16aを備えるとともに、ピストン収容室13を排出通路8と隔てる遮蔽板16が設けられる。ロッド14aの外径と貫通孔16aの内径とは両者が摺接する値に設定されており、ロッド14aの外周面と貫通孔16aの内周面との間を介して排出通路8内の高圧燃料がピストン収容室13に入り込むのを抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関等の燃料噴射に用いられるインジェクタに関するものである。
近年、自動車用ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、燃焼室に直接燃料を噴射供給するインジェクタを備えた直噴式のものが実用化されている。こうした直噴式の内燃機関では、燃焼室内の圧力に抗して燃料噴射を行わなければならないため、高圧燃料を噴射可能なインジェクタが採用されている。
上記のインジェクタは、噴孔を開閉するように往復移動可能なニードル弁を備えている。このニードル弁は、その基端側に設けられた圧力制御室、及び先端側に設けられた燃料溜まり室に高圧燃料を供給することで噴孔を閉じる位置に保持され、上記圧力制御室から高圧燃料を排出することで噴孔を開く位置に移動する。こうして噴孔が開かれると、燃料溜まり室内の高圧燃料が噴孔を介して内燃機関の燃焼室に噴射供給される。
その後、圧力制御室からの高圧燃料の排出を停止すると、同圧力制御室に再び高圧燃料が溜められるようになり、それに伴いニードル弁が噴孔を閉じる位置に移動して燃料噴射が停止される。
ここで、インジェクタにおける圧力制御室からの高圧燃料の排出構造について図5を参照して説明する。
同図に示されるように、圧力制御室から高圧燃料を排出するための排出通路51の途中には、同排出通路51で開閉動作して上記高圧燃料の排出を禁止・許可する制御弁52が設けられている。この制御弁52は、通常は排出通路51を通じての高圧燃料の排出を禁止する閉弁状態に保持されるとともに、同制御弁52の近傍に設けられた開閉機構53の動作を通じて開弁されるものである。なお、制御弁52の上記閉弁状態での保持は、例えば図示しないコイルスプリングの付勢力によって行われる。
上記開閉機構53は、制御弁52の近傍に設けられたピストン収容室54内を往復移動可能な小径ピストン55を備えている。この小径ピストン55は、ピストン収容室54内をピストン作動室54aと変位拡大室54bとに区画するとともに、ピストン作動室54a側に突出して制御弁52に接触するロッド55aを備えている。小径ピストン55によって区画されるピストン作動室54aと変位拡大室54bとのうち、ピストン作動室54aは排出通路51の一部を構成しており、変位拡大室54bには燃料が満たされている。この変位拡大室54bの容積は、ピストン収容室54内に小径ピストン55と離して設けられた大径ピストン56をアクチュエータ57で小径ピストン55側に変位させることにより可変とされるようになっている。
小径ピストン55は、変位拡大室54bの容積を小さくして同変位拡大室54b内の燃料の圧力を高めることによって制御弁52側に移動するようになる。この小径ピストン55の移動により、ロッド55aが制御弁52を押して開弁させることになる。そして、制御弁52が開弁すると、圧力制御室から排出通路51を通じての高圧燃料の排出が許可される。こうして圧力制御室から高圧燃料が排出されると、ニードル弁に働く圧力制御室内の圧力に基づく力が燃料溜まり室内の圧力に基づく力よりも小さくなり、ニードル弁が噴孔を開く位置に移動する。そして、このニードル弁の移動により、燃料溜まり室内の高圧燃料が噴孔を介して噴射される。
上述した小径ピストン55の制御弁52側への移動は、大径ピストン56の変位を変位拡大室54b内に存在する燃料を通じて小径ピストン55に伝達することによって行われるものである。従って、仮に変位拡大室54b内の燃料が不足した場合には、小径ピストン55を制御弁52側に移動させる際、変位拡大室54b内の圧力が上記移動を円滑に行うのに必要な値に達しなくなり、小径ピストン55の動作不良を招くおそれがある。そこで、変位拡大室54bに対し供給通路58からチェック弁59を介して燃料を供給し、変位拡大室54b内の燃料に不足が生じないようにすることも考えられている(特許文献1参照)。
一方、インジェクタにおける噴孔からの燃料噴射の終了は、アクチュエータ57で大径ピストン56を小径ピストン55から離れる側に変位させ、変位拡大室54b内の燃料の圧力を低減させることによって行われる。このように変位拡大室54b内の燃料の圧力を低減させると、小径ピストン55及び制御弁52が図示しないコイルスプリングの付勢力によって大径ピストン56側に変位し、制御弁52が閉弁状態とされて圧力制御室からの排出通路51を通じての高圧燃料の排出が停止される。その結果、圧力制御室には高圧燃料が再び溜められるようになり、それに伴いニードル弁が噴孔を閉じる位置に移動して燃料噴射が停止される。
従って、インジェクタにおいては、圧力制御室からの高圧燃料の排出によるニードル弁の噴孔を開く方向への移動、並びに、その後に行われる上記高圧燃料の排出停止によるニードル弁の噴孔を閉じる方向への移動を通じて、燃料噴射タイミング(噴射開始、噴射終了)や燃料噴射量が制御されることとなる。
特開平11−166653号公報
ところで、上記ピストン収容室54のピストン作動室54a内については、排出通路51の一部となっており、圧力制御室から高圧燃料を排出すべく制御弁52が開弁されるとき、排出通路51における制御弁52よりも圧力制御室の部分に存在する高圧燃料が一気に流れ込んで高圧となる。このようにピストン作動室54a内が高圧になると、小径ピストン55を制御弁52の開方向(ピストン作動室54a側)に移動させる際の抵抗が大となり、その移動を適切に行えなくなって制御弁52の開弁が不適切なものとなるおそれがある。その結果、圧力制御室からの高圧燃料の排出も適切に行えなくなり、ニードル弁の噴孔を開く側への移動に支障を来すおそれがある。
インジェクタにおいては、ニードル弁の移動によって燃料噴射タイミングや燃料噴射量が制御されるため、ニードル弁の噴孔を開く側への移動を適切に行えないときには、燃料噴射タイミング(正確には噴射開始タイミング)が適正からずれたり、燃料噴射量の調量精度が低下したりする。
また、ピストン作動室54a(排出通路51)を通過する高圧燃料には圧力脈動が生じるため、ピストン作動室54a内の圧力は上記圧力脈動に対応して変動する。小径ピストン55は、変位拡大室54b内の圧力の増加によって制御弁52側に移動し、制御弁52の開弁中は変位拡大室54b内の圧力とピストン作動室54a内の圧力との差圧に基づき制御弁52を開弁状態に保持するものである。従って、ピストン作動室54a内の圧力が変動すると、小径ピストン55を制御弁52側に移動させる力(制御弁52を開弁状態に保持する力)も変動し、それに起因して小径ピストン55に移動方向についての振動が生じる。そして、このような振動がロッド55aを通じて制御弁52に伝わり同制御弁52の開弁も不安定なものになる。その結果、ニードル弁の噴孔を開く方向への移動を適切に行えなくなり、上記と同様に燃料噴射タイミングが適正からずれたり、燃料噴射量の調量精度が低下したりするおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度良く行うことのできるインジェクタを提供することにある。
上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、噴孔を開閉するニードル弁の基端側に設けられた圧力制御室、及び同弁の先端側に設けられた燃料溜まり室に高圧燃料を供給して前記ニードル弁を閉じる位置に保持し、前記圧力制御室からの高圧燃料の排出により前記ニードル弁を開く位置に移動させて、前記燃料溜まり室内の燃料を前記噴孔から噴射させるインジェクタにおいて、前記圧力制御室から高圧燃料を排出させる排出通路内で開閉動作して同通路を通じての高圧燃料の排出を禁止・許可する制御弁と、前記制御弁近傍のピストン収容室内に往復移動可能に設けられた小径ピストンと、前記小径ピストンから突出して前記制御弁に接触するとともに、前記小径ピストンの制御弁側への移動に基づき前記制御弁を開弁させるロッドと備え、前記排出通路と前記ピストン収容室との間には、前記ロッドが貫通する貫通孔を備えるとともに、前記ピストン収容室を前記排出通路と隔てる遮蔽板が設けられ、前記ロッドの外径及び前記貫通孔の内径は、前記ロッドの移動時に同ロッドの外周面が前記貫通孔の内周面に対し摺接する値に設定されていることを要旨とする。
インジェクタにおいて燃料噴射を行う際には、小径ピストンが制御弁側に移動させられ、その移動に伴い制御弁がロッドに押されて開弁する。そして、制御弁の開弁により圧力制御室内の高圧燃料が排出通路から排出されると、ニードル弁が噴孔を開く位置に移動し、燃料溜まり室内の燃料が噴孔を介して噴射される。その後、小径ピストンが上記と逆方向に移動させられることで制御弁が閉弁されると、圧力制御室からの排出通路を通じての高圧燃料の排出が停止され、圧力制御室内に再び高圧燃料が溜められるようになる。これにより、ニードル弁が噴孔を閉じる位置に移動して燃料噴射が停止される。
ところで、制御弁の開弁に伴い圧力制御室から排出通路を介して高圧燃料が排出されるとき、同燃料が排出通路からピストン収容室内に流れることは、排出通路とピストン収容室との間に両者を隔てるように設けられた遮蔽板によって規制される。
また、遮蔽板にはロッドが貫通する貫通孔が形成されており、そのロッドの外周面と貫通孔の内周面との間を介して排出通路内の高圧燃料がポンプ作動室内に入り込もうとする。しかし、ロッドの外径と貫通孔の内径とは両者が摺接する値に設定されているため、ロッドの外周面と貫通孔の内周面との間を介して排出通路内の高圧燃料がピストン収容室に入り込むのを抑制することができる。また、仮に上記高圧燃料がロッドの外周面と貫通孔の内周面との間を介してピストン収容室に入り込んだとしても、その流入量を最小限にとどめることができる。このため、小径ピストンを制御弁側に移動させる際、ピストン収容室内が上記高圧燃料により高圧となって移動抵抗が大となることはなく、その移動を適切に行えないことによって制御弁の開弁が不適切なものとなるのを抑制することができる。従って、制御弁の開弁による圧力制御室からの高圧燃料の排出を適切に行い、ニードル弁の噴孔を開く側への移動を支障なく行って、燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度よく行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインジェクタにおいて、前記小径ピストンは、前記ピストン収容室内を燃料によって満たされたピストン作動室と変位拡大室とに区画するとともに、前記変位拡大室内の圧力を増減させることで移動するものであって、前記遮蔽板は、燃料によって満たされた前記ピストン作動室と前記排出通路とを隔てるものであることを要旨とする。
小径ピストンによる制御弁の開弁方向(ピストン作動室側)への移動及び制御弁の開弁状態での保持は、燃料が満たされた変位拡大室内の圧力を増加させ、その圧力と燃料が満たされたピストン作動室内の圧力と間に差圧を生じさせることによって行われる。このように小径ピストンを作動させる場合、仮に圧力制御室から排出された高圧燃料がピストン収容室(ピストン作動室)に多量に入り込むと、その高圧燃料の圧力脈動がピストン作動室内の圧力変動を招き、小径ピストンを作動させるための上記差圧の大きさにも変動が生じる。その結果、小径ピストンを制御弁側に移動させる力(制御弁を開弁状態に保持するための力)が変動し、それに起因して小径ピストンには移動方向についての振動が生じる。この振動がロッドを介して制御弁に伝わり同制御弁の開弁が不安定になると、圧力制御室内の圧力低下に悪影響を及ぼしてニードル弁の開弁動作も不安定になる。しかし、圧力制御室から排出された高圧燃料のピストン収容室(ピストン作動室)への流入は抑制されるため、上記のようにニードル弁の開弁動作が不安定になることはない。従って、ニードル弁の安定した開弁動作が可能になり、燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度よく行うことができるようになる。
以下、本発明を直噴射用ディーゼルエンジンの燃料噴射に用いられるインジェクタに具体化した実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示されるインジェクタ1は、噴孔2を開閉するよう軸方向(図中上下方向)に沿って往復移動可能なニードル弁3と、噴孔2を閉じる方向(図中下方向)にニードル弁3を付勢するコイルスプリング4とを備えている。
ニードル弁3の基端側にはコイルスプリング4が収容される圧力制御室5が設けられ、先端側には噴孔2に繋がる燃料溜まり室6が設けられている。これら圧力制御室5及び燃料溜まり室6には、燃料供給通路7を通じて常時高圧燃料が供給されており、これによりニードル弁3は噴孔2を閉じる位置に保持されている。
また、上記圧力制御室5には、そこから高圧燃料を排出するための排出通路8が接続されている。この排出通路8を介して圧力制御室5から高圧燃料が排出されると、ニードル弁3の基端側に設けられた圧力制御室5内の圧力が減少する。そして、圧力制御室5内の圧力に基づく力とコイルスプリング4との付勢力の和が燃料溜まり室6内の圧力に基づく力よりも小さくなると、ニードル弁3は圧力制御室5側に移動する。すると、ニードル弁3は噴孔2を開く位置に移動されて、燃料溜まり室6内の燃料が噴孔2を介してディーゼルエンジンの燃焼室内に噴射供給される。
その後、圧力制御室5からの排出通路8を通じての高圧燃料の排出を停止させると、燃料供給通路7からの燃料供給を通じて圧力制御室5に再び高圧燃料が溜められ、それに伴いニードル弁3が噴孔2を閉じる位置に移動して燃料噴射が停止される。
排出通路8を通じての圧力制御室5からの高圧燃料排出の禁止・許可は、排出通路8の途中に設けられたリフタ室8aと燃料リーク室8bとを連通・遮断すべく開閉動作する制御弁9によって実現される。
この制御弁9は、通常はコイルスプリング10の付勢力によってリフタ室8aと燃料リーク室8bとを遮断する閉弁状態に保持され、圧力制御室5からの排出通路8を通じての高圧燃料の排出を禁止している。この状態にあって、燃料リーク室8bよりも上流に位置するリフタ室8aは、燃料供給通路7からの燃料流入を受けるとともに、圧力制御室5から排出通路8を通じての燃料流入を受け、それら燃料によって満たされた状態となる。なお、リフタ室8a内を満たした燃料の極一部については、制御弁9の外周面に沿ってコイルスプリング10側に漏れ出すことになるが、この燃料は接続通路11を介してインジェクタ1の外部に排出される。
上記のように閉弁状態に保持された制御弁9の開弁は、燃料リーク室8bの近傍に設けられた開閉機構12の動作を通じて行われる。この開閉機構12の作動を通じての制御弁9の開弁時、同制御弁9はコイルスプリング10の付勢力に抗して図中下方に移動させられ、リフタ室8aと燃料リーク室8bとを連通させる。このように制御弁9を開弁させることで、圧力制御室5からの排出通路8を通じての高圧燃料の排出が許可されることとなる。その結果、圧力制御室5内の高圧燃料は、排出通路8(リフタ室8a、燃料リーク室8bを含む)を介して、インジェクタ1の外部に排出される。なお、開閉機構12を通じての制御弁9の開弁を終了すると、制御弁9はコイルスプリング10の付勢力によって閉弁状態とされる。これにより、圧力制御室5には再び高圧燃料が溜められるようになる。
次に、開閉機構12の詳細な構造について説明する。
開閉機構12は、燃料リーク室8bの隣に位置するピストン収容室13内に設けられた小径ピストン14と、同じくピストン収容室13内に小径ピストン14から離して設けられた大径ピストン15とを備えている。
ピストン収容室13は、排出通路8(詳しくは燃料リーク室8b)と当該ピストン収容室13との間に設けられた遮蔽板16によって、排出通路8と隔てられている。そして、排出通路8における燃料リーク室8bよりも下流側の部分は、ピストン収容室13を避けるように設けられている。
小径ピストン14は、制御弁9の開閉方向(図中上下方向)と同方向に往復移動可能となっており、ピストン収容室13内を小径ピストン14よりも制御弁9側に位置するピストン作動室13a、及び大径ピストン15側に位置する変位拡大室13bに区画している。また、小径ピストン14には、ピストン作動室13a内に突出するとともに上記遮蔽板16に形成された貫通孔16aを貫通して制御弁9に接触するロッド14aが設けられている。このロッド14aの外径と貫通孔16aの内径とは、小径ピストン14の移動に伴うロッド14aの移動時、ロッド14aの外周面と貫通孔16aの内周面とが摺接する値に設定されている。
大径ピストン15は、ピストン収容室13内において、小径ピストン14と同じく制御弁9の開閉方向と同方向に往復移動可能となっている。そして、大径ピストン15と小径ピストン14との間(変位拡大室13b)には、コイルスプリング17が介在されるとともに、通路18から逆止弁である充填弁19を介して燃料が供給されている。この充填弁19は、変位拡大室13bから通路18への燃料の逆流を禁止するとともに、変位拡大室13b内の圧力が下がったときに開弁して通路18から変位拡大室13b内への燃料の流入を許可し、変位拡大室13b内を燃料で満たして圧力を所定値以上に保つためのものである。なお、変位拡大室13b内に満たされた燃料の一部は、小径ピストン14の外面とピストン収容室13の内面との間を通ってピストン作動室13aに漏れ、同ピストン作動室13a内を満たした後に接続通路20を介してインジェクタ1の外部に排出される。
また、大径ピストン15は、制御弁9の開閉方向に伸縮する圧電素子21によって往復移動させられる。この圧電素子21は、PZT素子等からなる板状部材を複数枚積層した構造を有するピエゾ素子で構成されており、電圧印加の有無によって伸縮するものである。そして、大径ピストン15は、圧電素子21を伸張させることにより小径ピストン14に接近する方向に移動させられ、圧電素子21を収縮させることで小径ピストン14から離される方向に移動させられる。こうした大径ピストン15の移動により変位拡大室13b内の圧力が増減される。そして、変位拡大室13b内の圧力とピストン作動室13a内の圧力との差圧により小径ピストン14に働く力、及び制御弁9を通じて小径ピストン14(ロッド14a)に働く上昇コイルスプリング10の付勢力に基づき、小径ピストン14が制御弁9の開閉方向に移動するようになっている。
次に、開閉機構12の作動による制御弁9の開閉手順について、図1とともに図2及び図3を併せ参照して説明する。
圧電素子21への電圧印加がなされていないときには、圧電素子21は収縮した状態にあり、変位拡大室13b内の燃料が圧縮されていないことから、変位拡大室13b内の圧力が高くなることはない。
従って、変位拡大室13b内の圧力とピストン作動室13a内の圧力との差圧に基づき小径ピストン14に働くロッド突出方向(図中下方)への力が、制御弁9を通じて小径ピストン14に働くロッド没入方向(図中上方)への力よりも小さくなる。
このため、小径ピストン14は制御弁9を開弁するほどの大きさで押圧することはなく、制御弁9はコイルスプリング10に付勢されて図2に示されるように閉弁した状態に保持される。これにより、圧力制御室5から排出通路8を通じての燃料排出が禁止され、ニードル弁3が噴孔2を閉じる位置に保持される。その結果、インジェクタ1からの燃料噴射は停止した状態となる。
この状態にあって圧電素子21が電圧印加によって伸張し始めると、大径ピストン15が変位拡大室13b側に移動して変位拡大室13b内の燃料が加圧される。
やがてこの変位拡大室13b内の圧力上昇により、その圧力とピストン作動室13a内の圧力との差圧に基づき小径ピストン14に作用するロッド突出方向への力が、制御弁9を通じて小径ピストン14に働くロッド没入方向への力よりも大きくなる。その結果、小径ピストン14が制御弁9側に移動してロッド14aを介して制御弁9を押圧し、図3に示されるように同制御弁9を開弁させる。これにより、圧力制御室5から排出通路8を通じての燃料排出が許可され、圧力制御室5内の高圧燃料が排出通路8(リフタ室8a、燃料リーク室8bを含む)を通ってインジェクタ1の外部に排出される。そして、圧力制御室5から燃料が排出されると、ニードル弁3が噴孔2を開く位置に移動し、インジェクタ1からの燃料噴射が開始される。
こうしたインジェクタ1からの燃料噴射を終了させる際は、圧電素子21への電圧印加が解除される。これにより圧電素子21が収縮すると、大径ピストン15がコイルスプリング17の付勢力により変位拡大室13b内を拡大する方向(図中上方)に移動し、変位拡大室13b内が減圧される。やがてこの変位拡大室13b内の減圧により、同変位拡大室13b内の圧力とピストン作動室13a内の圧力との差圧に基づき小径ピストン14に作用するロッド突出方向への力が、制御弁9を通じて小径ピストン14に働くロッド没入方向への力よりも小さくなる。その結果、小径ピストン14が制御弁9から離れる方向に移動し、制御弁9がコイルスプリング10の付勢力によって閉弁させられる。これにより、圧力制御室5からの燃料排出が禁止されて当該圧力制御室5内に再び燃料が満たされる。そして、圧力制御室5内に燃料が満たされると、ニードル弁3が噴孔2を閉じる位置に移動し、インジェクタ1からの燃料噴射が終了する。
次に、本実施形態のインジェクタ1における従来のインジェクタとの違いについて説明する。
従来のインジェクタでは、排出通路8がピストン作動室13a内を通過するように、言い換えればピストン作動室13aが排出通路8の一部となるように構成されている。このため、インジェクタ1からの燃料噴射を開始すべく、制御弁9を開弁して圧力制御室5内の高圧燃料を排出通路8を通じて排出する際、その高圧燃料の流入を受けるピストン作動室13a内の圧力が高くなることは避けられない。このようにピストン作動室13a内の圧力が高くなると、制御弁9を開弁させるための小径ピストン14のロッド突出方向への移動(ピストン作動室13a側への移動)の抵抗が大となり、その移動を適切に行えなくなるおそれがある。そして、同移動が適切に行えないと、制御弁9の開弁、更には圧力制御室5からの燃料排出が適切に行えなくなり、それによってニードル弁3の噴孔2を開く方向への移動に支障を来し、ひいてはインジェクタ1の燃料噴射タイミングが適正からずれたり燃料噴射の調量精度が低下したりする。
これに対し、本実施形態のインジェクタ1では、ピストン収容室13(ピストン作動室13a)と排出通路8(燃料リーク室8b)との間が遮蔽板16により隔てられており、且つ排出通路8の燃料リーク室8bよりも下流側の部分がピストン収容室13を避けるように設けられている。更に、遮蔽板16には小径ピストン14のロッド14aが貫通する貫通孔16aが設けられているが、ロッド14aの外径と貫通孔16aの内径とはロッド14aの移動時に両者が摺接する値に設定されている。
このため、制御弁9を開弁して圧力制御室5内の高圧燃料を排出通路8を介して排出する際、その高圧燃料がピストン収容室13(ピストン作動室13a)に入り込むことは抑制される。より詳しくは、燃料リーク室8bを通過する上記高圧燃料がロッド14aの外周面と貫通孔16aの内周面との間を介してピストン作動室13aに入り込もうとするが、その流入が上述したようなロッド14aの外径及び貫通孔16aの内径の設定によって抑制されるようになる。また、仮に上記高圧燃料がロッド14aの外周面と貫通孔16aの内周面との間を介してピストン作動室13aに入り込んだとしても、その流入量は最小限にとどめられる。
以上のように、本実施形態のインジェクタ1では、圧力制御室5から排出された高圧燃料のピストン作動室13aへの流入が抑制されるため、そのピストン作動室13a内の圧力が高くなるのを抑制することができる。従って、従来のインジェクタのように、制御弁9を開弁させるための小径ピストン14のロッド突出方向への移動が適切に行えなくなり、インジェクタ1の燃料噴射タイミングが適正からずれたり燃料噴射の調量精度が低下したりすることはない。
また、小径ピストン14による制御弁9の開弁方向への移動、及び制御弁9の開弁状態での保持は、燃料によって満たされた変位拡大室13b及びピストン作動室13a内の各圧力に差圧を生じさせることによって行われる。このように小径ピストン14を作動させる場合、仮に燃料リーク室8bからピストン作動室13aに高圧燃料が多量に入り込むと、その高圧燃料の圧力脈動がピストン作動室13a内の圧力変動を招き、小径ピストン14を作動させるための上記差圧の大きさにも変動が生じる。その結果、小径ピストン14を制御弁9側に移動させる力(制御弁9を開弁状態に保持するための力)が変動し、それに起因して小径ピストン14には移動方向についての振動が生じる。
ここで、小径ピストン14の上記振動の発生態様について、図4のタイムチャートを参照して詳しく説明する。なお、図4において(a)及び(b)はそれぞれ、インジェクタ1の一回の燃料噴射が行われる際の小径ピストン14及び大径ピストン15の変位を示している。
同図におけるタイミングT1にて、大径ピストン15が小径ピストン14側に変位開始させられると、それに伴い小径ピストン14が制御弁9の開弁方向に変位開始し、同制御弁9を開弁状態に保持する位置へと変位する。そして、この小径ピストン14の変位に基づきインジェクタ1からの燃料噴射が行われる。その後、要求される燃料噴射量を得るための燃料噴射時間が経過すると(タイミングT2)、大径ピストン15が圧電素子21側に変位開始させられ、それに伴い小径ピストン14が制御弁9の閉弁方向に変位開始し、同制御弁9を閉弁状態に保持する位置へと変位する。
上述した小径ピストン14の振動は、同小径ピストン14が制御弁9の開弁方向に移動する過程、及び制御弁9を開弁状態に保持した状態において発生し、それに伴い大径ピストン15も振動するようになる。その結果、小径ピストン14の位置が図4(a)に破線で示されるように変動するとともに、大径ピストン15の位置も図4(b)に破線で示されるように変動することとなる。そして、小径ピストン14の振動がロッド14aを介して制御弁9に伝わると、制御弁9の開弁が不安定になり、更には圧力制御室5からの燃料排出に伴う同圧力制御室5内の圧力低下、及びニードル弁3の開弁動作も不安定になる。
しかし、小径ピストン14の上記振動の発生原因である燃料リーク室8bからピストン作動室13aへの高圧燃料の流入は、上述したように抑制されるため、小径ピストン14の上記振動も抑制されることとなる。その結果、小径ピストン14の位置が図4(a)に実線で示されるように安定し、更に大径ピストン15の位置も図4(b)に実線で示されるように安定する。そして、このように小径ピストン14の位置を安定させることで、上述したようにニードル弁3の開弁動作が不安定になるのを抑制することができ、同ニードル弁3の安定動作を通じてインジェクタ1の燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度よく行うことができるようになる。
本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)インジェクタ1において燃料噴射を行うべく、小径ピストン14を制御弁9側に移動させる際、圧力制御室5から排出された高圧燃料が燃料リーク室8bからピストン作動室13aに入り込むことは抑制される。このため、ピストン作動室13a内が高圧となって小径ピストン14を制御弁9側に移動させる際の抵抗が大となることが抑制され、その移動が適切に行えないことによって制御弁9の開弁、ひいてはニードル弁3の開弁動作が不適切なものとなるのを抑制することができる。従って、ニードル弁3の開弁動作を支障なく行い、燃料噴射タイミングの調整や燃料噴射量の調量を精度良く行うことができる。
(2)ピストン作動室13aへの上記高圧燃料の流入を抑制することで、その燃料の圧力脈動に起因する小径ピストン14の移動方向についての振動を抑制することができる。従って、その振動が制御弁9に伝わって同制御弁9の開弁が不安定になり、ニードル弁3の開弁動作が不安定になるのを抑制することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、小径ピストン14を移動させるための駆動源として圧電素子21を例示したが、小径ピストン14の駆動源としてこれに代えて電磁ソレノイドなどの他のアクチュエータを用いてもよい。
・本発明を直噴式のディーゼルエンジンに用いられるインジェクタ1に適用したが、直噴式のガソリンエンジンに用いられるインジェクタに適用することもできる。
本実施形態におけるインジェクタの断面図。 インジェクタの制御弁まわりの構造を示す拡大断面図。 インジェクタの制御弁まわりの構造を示す拡大断面図。 (a)及び(b)はインジェクタにおける1回の燃料噴射の際の小径ピストン及び大径ピストンの変位を示すタイムチャート。 従来のインジェクタにおける圧力制御弁からの高圧燃料の排出構造を示す略図。
符号の説明
1…インジェクタ、2…噴孔、3…ニードル弁、5…圧力制御室、6…燃料溜まり室、8…排出通路、9…制御弁、13…ピストン収容室、13a…ピストン作動室、13b…変位拡大室、14…小径ピストン、14a…ロッド、16…遮蔽板、16a…貫通孔。

Claims (2)

  1. 噴孔を開閉するニードル弁の基端側に設けられた圧力制御室、及び同弁の先端側に設けられた燃料溜まり室に高圧燃料を供給して前記ニードル弁を閉じる位置に保持し、前記圧力制御室からの高圧燃料の排出により前記ニードル弁を開く位置に移動させて、前記燃料溜まり室内の燃料を前記噴孔から噴射させるインジェクタにおいて、
    前記圧力制御室から高圧燃料を排出させる排出通路内で開閉動作して同通路を通じての高圧燃料の排出を禁止・許可する制御弁と、
    前記制御弁近傍のピストン収容室内に往復移動可能に設けられた小径ピストンと、
    前記小径ピストンから突出して前記制御弁に接触するとともに、前記小径ピストンの制御弁側への移動に基づき前記制御弁を開弁させるロッドと備え、
    前記排出通路と前記ピストン収容室との間には、前記ロッドが貫通する貫通孔を備えるとともに、前記ピストン収容室を前記排出通路と隔てる遮蔽板が設けられ、
    前記ロッドの外径及び前記貫通孔の内径は、前記ロッドの移動時に同ロッドの外周面が前記貫通孔の内周面に対し摺接する値に設定されている
    ことを特徴とするインジェクタ。
  2. 前記小径ピストンは、前記ピストン収容室内を燃料によって満たされたピストン作動室と変位拡大室とに区画するとともに、前記変位拡大室内の圧力を増減させることで移動するものであって、
    前記遮蔽板は、燃料によって満たされた前記ピストン作動室と前記排出通路とを隔てるものである
    請求項1に記載のインジェクタ。
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