JP2005248251A - 真空脱ガス槽の操業方法 - Google Patents

真空脱ガス槽の操業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の耐火物の熱スポールおよび耐火物表面の酸化鉄によるダメージを抑制し、寿命を延長することができる真空脱ガス槽の操業方法を提供する。
【解決手段】上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の操業方法であって、前記真空脱ガス槽がオンライン位置にて連続稼働中に、該真空脱ガス槽内のレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することを特徴とする真空脱ガス槽の操業方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、上部槽、下部槽、浸漬管さらには必要に応じて中間槽からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の操業方法に関する。
近年、製鋼プロセスにおける二次精錬工程において、溶鋼成分の微調整を行うために、真空脱ガス槽が用いられており、この真空脱ガス槽の操業方法について、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開2002―302714号公報には、二以上の真空脱ガス槽を備え、何れかを処理槽とし、残りを待機槽とする真空脱ガス設備において、待機槽の何れかを専用鋼種のための専用槽とし少なくともその専用槽が待機槽となる待機期間中、当該専用槽内を400〜800℃の雰囲気温度で保持することによって、待機中のヒートショックによる槽寿命の低下を防止し、真空脱ガス槽の保守コストの低廉化を図ると共に、方向性電磁鋼鈑等の特定の鋼種の品質向上を可能とする方法が開示されている。
しかし、特開2002―302714号公報では、処理槽のヒートショック防止条件が明確でないうえ、待機槽側の温度が低過ぎるためレンガの熱スポールを防止することができないという問題点があった。
また、特許第3272372号公報には、槽頂部から容量ならびに長さの異なる補助バーナー、予熱バーナーおよび保熱バーナーを昇降、旋回可能に挿入し、これら各バーナーを順次燃焼状態におき槽加熱を行うことによって、槽内付着地金量の減少、付着地金の除去、処理中温度降下の抑制、槽内温度差低減によるスポール防止を図る方法が開示されている。これによって、槽内を最高1500℃程度に維持することが可能となり、出鋼温度を10℃低下させ、地金付着量を減少させ、地金除去能力を拡大し、耐火物コストを10%低減することができるとしている。
しかし、特許3272372号公報に開示された方法は、バーナーを用いる加熱方法であって、バーナーにより槽内が必要以上に局所的に高温に加熱されると、溶融した地金由来の酸化鉄がレンガに酸化鉄が浸透することによって、レンガの融点を低下させてしまう恐れがあり、地金溶流により耐火物寿命が悪化するという問題点があった。
また、特開平8−283830号公報には、OB羽口や浸漬管環流ガス羽口より燃焼ガスを吹込むことにより、真空脱ガス槽の保熱により内張り耐火物の損耗を抑制することにより、槽寿命平均38%延長することができるとの開示がなされている。
しかし、特開平8−283830号公報に開示された従来技術は、浸漬管部の寿命延長効果が不明確であり、本発明が課題とする具体的な温度条件については全く開示されていない。
すなわち、従来の真空脱ガス槽の操業方法には、下記のような問題点があり、いずれの技術も実機においては適用されていなかった。
1)槽寿命延長のポイントとなるべき操業条件が明確でなかった。
2)バーナーで必要以上に局所的に高温加熱されると地金溶流による耐火物寿命の悪化が懸念されていた。
3)浸漬管部の寿命延長策となっていない場合があった。
4)ハードが複雑且つ操業実態に適していなかった。
特開2002―302714号公報 特許第3272372号公報 特開平8−283830号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の耐火物の熱スポールおよび耐火物表面の酸化鉄によるダメージを抑制し、寿命を延長することができる真空脱ガス槽の操業方法を提供すること課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果、真空脱ガス槽内のレンガ使用部位の最低温度を特定範囲に調整することによって、上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の耐火物の熱スポールおよび溶融した地金由来の酸化鉄による耐火物表面のダメージを抑制し、寿命を延長することができる真空脱ガス槽の操業方法を提供するものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の操業方法であって、
前記真空脱ガス槽がオンライン位置にて連続稼働中に、該真空脱ガス槽内のレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することを特徴とする真空脱ガス槽の操業方法。
(2)前記真空脱ガス槽の脱ガス処理を行っていないときに、前記浸漬管開口部に蓋を配置し、または、浸漬管開口部の下方にえい鍋を配置することにより、前記レンガ使用部位の最低温度を調整することを特徴とする(1)に記載の真空脱ガス槽の操業方法。
(3)前記真空脱ガス槽の処理終了から次回処理開始までの時間により、前記浸漬管の開口部の蓋による保熱と、前記えい鍋による保熱の適用時間を決定することを特徴とする(1)または(2)に記載の真空脱ガス槽の操業方法。
本発明によれば、真空脱ガス槽内のレンガ使用部位の最低温度を特定範囲に調整することによって、上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の耐火物の熱スポールおよび耐火物表面の酸化鉄によるダメージを抑制し、寿命を延長することができる真空脱ガス槽の操業方法を提供することができ、具体的には以下のような産業上有用な著しい効果を奏する。
1)真空脱ガス槽のレンガの熱スポール抑制により耐火物の寿命を延長することができる。
2)真空脱ガス槽のレンガの溶融した地金由来の酸化鉄によるダメージ抑制により耐火物の寿命を延長することができる。
3)真空脱ガス槽の温度低下防止により処理中温度低下を抑制することができる。
4)真空脱ガス槽の耐火物への地金付着防止により操業異常防止、耐火物の寿命を延長することができる。
発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図5を用いて詳細に説明する。
図1は、ターンテーブルを用いた場合の本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図であり、図1の上段は側面図を示し、図1の下段は平面図を示す。
図1において、1は真空脱ガス槽、2は真空脱ガス槽の下部の浸漬管、3は取鍋、4はターンテーブル、5は蓋、11は昇降シリンダを示す。製鋼プロセスにおける二次精錬工程において、真空脱ガス槽1により、取鍋3の溶鋼中の不要な水素や窒素が除去されて鋼中成分の微調整が行われる。
図1の下段は転炉出鋼後の溶鋼を受鋼した取鍋3をターンテーブル4上の位置Aで搭載した後、ターンテーブル自体が反時計回りに回転して、位置Bに移動した状態を示す図である。この位置Bでは真空脱ガス槽1が取鍋3の上方に待機しており、脱ガス処理開始時には取鍋3を上昇もしくは真空脱ガス槽1を下降させて真空脱ガス槽下部の浸漬管を溶鋼に浸漬させて脱ガス処理を行い、処理後に取鍋3を下降もしくは真空脱ガス槽1を上昇させて再度待機状態に戻すのである。なおターンテーブル上の取鍋3を搭載していない位置に、後述する浸漬管開口部保熱用の蓋5が1つ以上搭載されており、ターンテーブルの回転によって真空脱ガス槽1の下方に蓋5を配置させることができるのである。
ここに、取鍋の中に、溶鋼が入っている取鍋を特に「えい鍋」という。
真空脱ガス槽1は、上部槽、下部槽、浸漬管からなり、その内壁にレンガが用いられており、その構造は図2を用いて後述する。
本発明は、真空脱ガス槽1がオンライン位置にて連続稼働中に、該真空脱ガス槽1内のレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することを特徴とする。
ここに、「真空脱ガス槽1がオンライン位置にて連続稼働中」とは、真空脱ガス槽1が脱ガス処理中、もしくは脱ガス処理していなくても図1に示すような待機位置に配置されており、メンテナンス等のために長時間休止されていない状態をいう。
脱ガス処理中は取鍋3内の溶鋼が真空脱ガス槽1内部に取り込まれ、槽内温度は1600℃程度まで加熱されるが、脱ガス処理が完了すると急激に温度が低下するため、真空脱ガス槽1内のレンガが熱履歴を受けてレンガの表面が剥離するスポールが発生するという問題点があった。
従来は、真空脱ガス槽の連続稼働が理想的としつつも、熱スポール抑制のために必要な条件が明確でなく、漠然と槽の保熱を指向するのみでその具体的な条件は示されていなかった。
そこで、本発明においては、熱スポール抑制のために必要な条件を「レンガ使用部位の最低温度を800℃以上」と明確化した上で、その温度範囲に調整することとした。
また、従来のように、脱ガス処理中以外に単にバーナーを用いて加熱すると、レンガの表面が局所的に加熱される恐れがあり、このように必要以上に局所加熱されたな場合には溶融した地金由来の酸化鉄がレンガに浸透することによりレンガが変質し融点が1600℃以下に低下するため、処理中の溶損速度の増大による耐火物の寿命悪化につながるという問題点があった。なお発明者らによる実操業における調査の結果、この酸化鉄を含む地金の溶融は炉内温度1400℃超に加熱された場合に発生することが判明した。
そこで、本発明においては、耐火物表面の酸化鉄によるダメージを防止する条件を「レンガ使用部位の最低温度を1400℃以下」と明確化した上で、その温度範囲に調整することとした。バーナーで加熱の場合でも内部温度を基に1400℃を越えないようにガス量を調整することによって局所加熱を防止することができる
また、本実施形態の望ましいレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整する方法として、脱ガス処理を行っていないときに、前記浸漬管開口部に蓋5を配置し、または、浸漬管開口部の下方にえい鍋3を配置することとした。
具体的には、図1に示すように真空脱ガス槽1の浸漬管開口部の下方に、えい鍋3と蓋5を配置したターンテーブル4を設け、このターンテーブル4を回転させることによって、真空脱ガス槽1が待機中に記浸漬管開口部に蓋5を配置し、または、浸漬管開口部の下方にえい鍋3を配置することによって、真空脱ガス槽1が脱ガス処理を行っていない間の温度低下を防止する保熱によって、レンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することができる。
また、脱ガス処理終了から次回処理開始までの真空脱ガス槽の待機時間により、浸漬管の開口部の蓋5の配置と、前記えい鍋3の配置の適用時間を決定し、ターンテーブル4の回転タイミングを調整することによって、真空脱ガス槽1の処理時間に応じてレンガ使用部位の最低温度を適正範囲に調整することができる。
図2は、本発明が対象とする真空脱ガス槽の構造を示す図である。
図2において、6は上部槽、7は下部槽、2は浸漬管、8、8´はフランジ、9はバーナー、10は真空排気系を示す。
図2に示すように、一般的な真空脱ガス槽は、フランジ8、8´を境界として上部槽5、下部槽6、浸漬管7から構成されており、真空排気系10によって槽内の圧力を低減することによって、溶鋼に浸漬させた浸漬管7から溶鋼を吸引し、必要に応じてバーナー9を設置して脱ガス処理中に溶鋼を加熱することによって、溶鋼中の不要な水素や窒素を除去し溶鋼成分の微調整を行うことができる。
真空脱ガス槽では耐火物としてレンガと不定形耐火物の両方が併用されるのが一般的である。
このうちレンガは上部槽6の内壁や下部槽7の内面の底部や内壁に適用され、不定形耐火物は浸漬管8の外面および内面の溶鋼浸漬部下端、さらに上部槽6の天井部や真空排気系10との連結部位に適用される。
真空脱ガス槽の耐火物寿命において重要なのは、有効な補修が困難な内面のレンガ部分であるが、レンガは溶鋼の侵食には強いものの熱スポールに弱いことから、寿命延長策としては保熱の強化が一般的である。
特に、図2の下段左側に示すように、浸漬管2の下端における温度降下が最も著しく、脱ガス処理完了後10分間で800℃程度まで下降するため、この部分の保熱が重要である。
従来は、求められる温度レベルが曖昧であり、不十分な保熱により前述の熱スポールの発生や、バーナーによる局所的な過加熱により酸化鉄による耐火物表面層変質や地金溶流による耐火物溶損、保熱コスト上昇を招いていた。
そこで、本発明は、レンガ部位の最低表面温度を800〜1400℃に調整するという必要な温度条件を明確にしたことにより、安価且つ容易に最大の効果が得られる。
具体的には、図2の下段右図の○を付したレンガ使用部位下端近傍の温度が800〜1400℃となるよう前述の蓋または取鍋に溶鋼が入ったえい鍋の配置により保熱する。
図3乃至図5は、本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図であり、脱ガス処理終了から次の取鍋の脱ガス処理開始までの真空脱ガス槽の待機時間のレンガ使用部位の最低温度(図2のレンガ使用部位下端の温度)を示すものである。
本発明における浸漬管開口部へえい鍋の配置については、保熱専用のえい鍋を常に準備することはできず、通常当該二次精錬装置で処理した直後あるいは処理直前のえい鍋を用いるのが一般的であり、さらに二次精錬の前後工程(例えば転炉や連続鋳造)の処理スケジュールによって配置できる時間に制約を受ける場合もあるため、これを考慮して配置時間の考え方は以下のように行うのが良い。
まず予め浸漬管開口部へのえい鍋、及び蓋の配置によるレンガ使用部位の温度降下の実績量を把握しておき、それぞれの使用した場合の単位時間当たりの平均温度降下量を求めておく。但し、耐火物の物性・残厚等により都度変化する場合もあるため、それぞれ常に一定値を使用するのではなく、その耐火物の状況によって平均温度降下量を補正することが望ましい。
次に実際の配置について、当該処理完了から次の処理開始までの時間を把握しておき、一般的にえい鍋は蓋に比べ温度降下量が小さいため、えい鍋の配置を基本に考える。えい鍋は前記の如く時間制約がある場合があるため、二次精錬工程の前後のスケジュールを基に配置可能時間を決定し、前記の予め得られたえい鍋の単位時間当たりの温度降下量からえい鍋配置の温度降下量を求める。次にえい鍋配置以外の時間はすべて蓋を配置するとして、予め得られた蓋の単位時間当たりの温度降下量温度からえい鍋配置の温度降下量を求める。これらを基に浸漬管開口部のレンガ使用部位の最低温度が800〜1200℃になるか否かを判断し、良ければ前記時間でえい鍋と蓋を配置する。
なお、処理終了から次の処理終了までの間で、えい鍋や蓋の移動作業のため短時間ではあるが両方とも配置できないケースが生ずる場合にはその間の温度降下量も予め考慮する方が望ましい。なお、処理終了から次の処理終了までの時間が長く、当該処理前後のえい鍋と蓋配置では最低温度が800℃未満になると予想される場合には、他のえい鍋(例えば二次精錬設備処理用が複数機有り場合には他の二次精錬設備処理用のえい鍋)をさらに配置させることが望ましい。また、処理終了から次の処理終了までの時間が短い場合に、えい鍋や蓋を配置しない時間が生じても最低温度が800℃未満とならないと予想される場合には両者とも配置しない時間があっても構わない。すなわち、蓋による保熱、えい鍋による保熱、加熱における適用時間については、保熱方法切替時の温度降下の影響をも考慮し、次回処理開始までレンガ使用部位の最低温度を800℃以上に維持できるよう決定するものとする。
図3は、脱ガス処理後から処理開始までのの時間が約40分と通常レベルの場合を示しており、脱ガス処理後および処理前にそれぞれ10分えい鍋を浸漬管の下方に待機させ(処理後は当該処理した取鍋をそのまま待機させ、処理前は次に脱ガス処理する取鍋を早めに浸漬管の下方に待機させる)、また矢印で示す時間に浸漬管の開口部に蓋を配置することによってレンガ使用部位の最低温度を800℃以上とすることができる。
図4は、脱ガス処理後から処理開始までの時間が約30分と比較的短時間の場合を示しており、脱ガス処理後にえい鍋を浸漬管の下部に10分待機させ、また矢印で示す時間に浸漬管の開口部に蓋を配置することによってレンガ使用部位の最低温度を800℃以上とすることができる。
図5は、脱ガス処理の間隔が約60分と長いため脱ガス処理後の温度降下が大きい場合を示しており、脱ガス処理後および処理前にえい鍋を浸漬管の下部に待機させるうえ、その中間においてもえい鍋による加熱を行い、また矢印で示す時間に浸漬管の開口部に蓋を配置することによってレンガ使用部位の最低温度を800℃以上とすることができる。この例においては脱ガス処理終了後えい鍋による保熱を実施し、処理終了約10分後に当該取鍋溶鋼を次工程で処理するために移動させる必要があったために蓋による保熱に移行したが、蓋による保熱のみでは処理終了から約40分後以降に蓋を外した際の温度降下を考慮すると800℃未満となることが予想されたため、処理終了約30分後よりえい鍋による加熱を実施している。このえい鍋による加熱は、処理前待機のえい鍋による保熱開始までの時間を考慮し、温度が800℃未満にならないよう終了時刻を決定する必要があったが、次処理するえい鍋はまだ前工程の処理が終了しておらず、次の処理開始5分前からでないと待機させることができないため、当該二次精錬設備とは異なる別の二次精錬設備の処理後のえい鍋を待機させ、処理終了約40分後までの約10分保熱を実施し、その後処理終了約55分後からの処理前待機のえい鍋によって保熱を実施している。すなわち、蓋による保熱、えい鍋による保熱、加熱における適用時間については、保熱方法切替時の温度降下の影響をも考慮し、次回処理開始までレンガ使用部位の最低温度を800℃以上に維持できるよう決定するものとする。
このように、本発明を実現する手段として浸漬管開口部への蓋と、浸漬管開口部下方へのえい鍋の配置の2通りの手段を提供しているが、より高い効果を得るべく操業条件に応じて選択的に上記手段を使い分けることが好ましく、例えば真空脱ガス槽の処理終了から次回処理開始までの時間により、前記浸漬管の開口部の蓋による保熱と、えい鍋による保熱の適用時間を決定することによってレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することができる。
なお、以上はターンテーブルを用いて操業する場合を例示したが、ターンテーブルが必須ではなく台車やせり出し形式のステージ等の手段を用いて取鍋搭載位置から真空脱ガス槽の処理(待機)位置まで往復移動させるやり方でも構わない。
本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施例を表1に示す。実施例においては、真空脱ガス槽が鋼の脱ガス処理する際のオンラインで使用開始前と使用終了後のレンガ厚をそれぞれ測定し、その差を実際にオンライン使用チェージ(ch)数で割った値をレンガ損傷量とした。また前記図2に示したレンガ使用部位下端の温度をオンライン中に連続測温し、その最低温度をレンガ部位最低温度とした。
番号1〜7は本発明例であり、バーナーを用いて内部温度を測定しながら温度制御するか、あるいは予め蓋およびえい鍋の単位時間当たりの温度降下量を求め、脱ガス処理終了から次処理開始までの時間(分)を基に本発明の浸漬管開口部の蓋または浸漬管下方のえい鍋乃至はこれら両方を組み合わせた配置時間を決めて保熱を行うことによって、レンガ部位の最低温度を800〜1400℃に調整することができたのでレンガの損傷を脱ガス処理1回当たり0.6mm/chまで低減することができた。特に番号1〜6では浸漬管開口部の蓋または浸漬管下方のえい鍋乃至はこれら両方を組み合わせて用いることによって、さらにレンガの損傷を低減することができた。
番号8〜11は比較例であり、レンガ部位の最低温度が800〜1400℃の範囲を外れたのでレンガの損傷が1.0mm/ch以上の極めて大きく値となった。
Figure 2005248251
本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図である。 本発明が対象とする真空脱ガス槽の構造を示す図である。 本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図である。 本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図である。 本発明における真空脱ガス槽の操業方法の実施形態を例示する図である。
符号の説明
1 真空脱ガス槽
2 浸漬管
3 取鍋
4 ターンテーブル
5 蓋
6 上部槽
7 下部槽
8、8´ フランジ
9 バーナー
10 真空排気系
11 昇降シリンダ

Claims (3)

  1. 上部槽、下部槽、浸漬管からなる真空脱ガス槽の内壁にレンガを用いた真空脱ガス槽の操業方法であって、
    前記真空脱ガス槽が鋼の脱ガス処理する際のオンライン位置にて連続稼働中に、該真空脱ガス槽内のレンガ使用部位の最低温度を800〜1400℃の範囲に調整することを特徴とする真空脱ガス槽の操業方法。
  2. 前記真空脱ガス槽の脱ガス処理を行っていないときに、前記浸漬管開口部に蓋を配置し、または、浸漬管開口部の下方にえい鍋を配置することにより、前記レンガ使用部位の最低温度を調整することを特徴とする請求項1に記載の真空脱ガス槽の操業方法。
  3. 脱ガス処理終了から次回処理開始までの前記真空脱ガス槽の待機時間により、前記浸漬管の開口部の蓋の配置と、前記えい鍋の配置の適用時間を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空脱ガス槽の操業方法。
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