JP2005248207A - 金属酸化物膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱遮蔽用途に好適な金属酸化物膜であって、低コストに製造可能であり、かつ高い信頼性を備えた金属酸化物膜、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の金属酸化物膜は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、前記柱状結晶組織が、結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.1以上である金属酸化物からなり、前記基材上に前記金属酸化物の融液を配することで配向成長させてなるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属材料の熱遮蔽用の皮膜または各種保護膜やコ−テイング膜に適用できる金属酸化物膜、及びその製造方法に関する。
従来、金属などの材料へのコ−テイング技術としては、熱遮蔽用途に用いるジルコニア等の溶射膜が知られている(例えば特許文献1、2参照。)。この種のコ−テイング膜の高性能化のためには、さらに熱伝導率の低い新規な酸化物の厚膜化や、配向させた結晶から成る厚膜を成長させること、溶射以外の厚膜製造方法の開発が必要になると考えられる。特に、配向させた結晶から成る厚膜が得られれば、新規な熱遮蔽効果以外にも、優れた耐食性や光反射機能などの新しい用途が付与されることが期待される。一方、柱状晶から成る膜は蒸着等のPVD法によっても得られるが、この方法は厚膜を形成させるには時間がかかるとともに、膜厚が厚くなると剥離しやすくなるなど、厚膜を作る方法としてはコスト及び信頼性に係る問題がある。
特開平8−074505号公報 特開平10−183013号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、熱遮蔽用途に好適な金属酸化物膜であって、低コストに製造可能であり、かつ高い信頼性を備えた金属酸化物膜、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、前記柱状組織が、結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.1以上である金属酸化物からなり、前記基材上に前記金属酸化物の融液を配することで配向成長させてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜を提供する。
この金属酸化物膜は、柱状結晶組織を有していることで、例えば加熱/冷却を繰り返すタービン部材等の遮熱コーティング膜に用いた場合に、基材からの剥離が生じにくくなっており、優れた耐久性が得られる。また、上記長軸/短軸比を備えた結晶格子を形成する金属酸化物を用いているので、融液を基材上に配することで容易に柱状結晶組織を成長させることができ、低コストに施工可能である。また柱状結晶組織を有していることで、厚膜化した場合にも膜面方向への亀裂が生じにくいため剥離しにくくなっている。従って信頼性を損なうことなく厚膜化し、遮熱性を高めることができるので、高い遮熱性を要求される用途であっても好適に用いることができる。
また本発明は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、前記柱状結晶組織が、その配向面との格子不整合率が5%以下である表面を具備した基材上に、金属酸化物の融液を配することで配向成長させてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜を提供する。
上記構成を具備した基材上に融液を配するならば、前記柱状結晶組織が基材上に優先的に配向成長し、もって基材から剥離しにくく、信頼性に優れた金属酸化物膜を得ることができる。
また本発明は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、前記基材上に、前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を具備した整合層が設けられており、前記柱状結晶組織が、前記整合層上に金属酸化物の融液を配することで配向成長されてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜を提供する。
すなわち、金属酸化物膜の柱状結晶組織が、整合層を介して基材上に形成されていてもよい。この場合、前記整合層によって柱状結晶組織を配向成長させることができるので、基材の材質や表面状態に係る制限が緩和され、利用しやすい金属酸化物膜となる。
本発明の金属酸化物膜では、前記柱状結晶組織を構成する金属酸化物の結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.5以上であることが好ましい。このような異方性を有する結晶構造をとる金属酸化物を用いれば、より容易に柱状結晶組織を得ることができ、信頼性に優れた金属酸化物膜とすることが容易になる。
本発明に係る金属酸化物膜における前記格子不整合率は、基材ないし整合層の1個の結晶格子に対して、金属酸化物の1個の結晶格子が配向する場合に限らず、例えば基材ないし整合層の1個の結晶格子に対して、金属酸化物の複数個の結晶格子が配向する場合、又は基材ないし整合層の複数個の結晶格子に対して、金属酸化物の1個の結晶格子が配向する場合も含む概念である。すなわち、基材ないし整合層の表面における格子定数と、柱状結晶組織の配向面における格子定数との関係として示すと、以下のようになる。
前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、1.0±0.05の範囲内であることが好ましい。
あるいは、前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.5±0.025又は2.0±0.1の範囲内であることが好ましい。
あるいは、前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.33±0.0165又は3.0±0.15の範囲内であることが好ましい。
あるいは、前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.66±0.033又は1.5±0.075の範囲内であることが好ましい。
あるいは、前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.25±0.0125又は4.0±0.2の範囲内であることが好ましい。
本発明の金属酸化物膜では、前記金属酸化物が、Nb、Ta、Si、Ga、Al、Zr、Hf、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属から選ばれる1種以上の金属元素を含むことが好ましい。
また本発明の金属酸化物膜では、前記金属酸化物が、Nb、Ta、Si、Ga、Al、Zr、Hf、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属から選ばれる2種以上の金属元素を含む複合金属酸化物であることが好ましい。これらの金属酸化物ないし複合金属酸化物を用いることで、良好な柱状結晶組織を有する金属酸化物膜が得られることを確認している。
本発明の金属酸化物膜では、前記整合層が、金属酸化物からなることが好ましい。特に遮熱コーティング膜用途に金属酸化物膜を用いる場合、基材との間に介在する整合層も相当程度の耐熱性、熱伝導性を有するものであることが好ましく、金属酸化物により整合層を形成することで良好な耐熱性等を得やすくなる。また、柱状結晶組織の配向成長を助長する作用が得やすくなる。
本発明の金属酸化物膜では、前記柱状結晶組織中に気孔が形成されていることが好ましい。このように気孔を含む柱状結晶組織であるならば、優れた遮熱特性を得ることができ、遮熱コーティング膜に用いて好適な金属酸化物膜となる。
次に、本発明は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜の製造方法であって、前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を有する基材上に、金属酸化物の仮焼体の融液を滴下し、前記柱状結晶組織を配向成長させることを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供する。
また本発明は、基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜の製造方法であって、前記基材上に、前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を有する整合層を形成する工程と、前記整合層上に金属酸化物の仮焼体の融液を滴下し、前記柱状結晶組織を配向成長させる工程とを含むことを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供する。
上記製造方法によれば、基材上に金属酸化物の柱状結晶組織を容易に配向成長させることが可能であり、従来のPVD法等に比して金属酸化物膜の製造コストを大幅に低減することが可能である。
本発明に係る金属酸化物膜は、結晶構造において所定の長軸/短軸比を有する金属酸化物を融液として基材上に配することで形成された柱状結晶組織を具備しているので、低コストに製造可能であり、また前記柱状結晶組織によって得られる基材との優れた密着性により、高い信頼性を具備したものとなる。
本発明によれば、所定の表面を有する基材ないし整合層上に金属酸化物の融液を配し凝固させることにより配向成長させた柱状結晶組織を有していることで、基材からの剥離が生じにくく、信頼性に優れる金属酸化物膜を得ることができる。本発明に係る金属酸化物膜を、例えばタービン部材等の遮熱コーティング膜に適用するならば、優れた遮熱特性と信頼性とを備えた遮熱コーティング膜が提供される。
また本発明によれば、所定の配向面を有して配向成長した柱状結晶組織を有する金属酸化物膜を容易かつ低コストに製造する方法が提供される。
以下、配向した結晶から成る本発明の金属酸化物厚膜およびその製造方法について詳細を説明する。
本発明は、配向した柱状結晶、または配向した柱状結晶と少量の気孔とが混在する組織を有する熔融凝固により製造した金属酸化物膜である。この金属酸化物膜を構成する金属酸化物は、その結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.1以上とされる。このように結晶格子が所定方向に長くなっている構造の金属酸化物膜を用いることで、柱状結晶組織を容易に得ることができる。そして、柱状結晶組織を有した金属酸化物膜は、基材の膨張収縮によって膜内に生じる亀裂が膜厚方向に限定されるため、亀裂に起因して基材から剥離することがなく、優れた信頼性を具備したものとなる。
適用できる金属酸化物としては、金属としてアルカリ土類、希土類、遷移金属、Nb、Ta、Si、Ga、Al、Zrなどを含有する酸化物であり、例えばSrNb、SrY、SrYb、LaNiO、NdSi、LaTaO、LaSi、CaNb、SrNb、BaTa組成の複合酸化物が好ましい。
これら酸化物は融点が高いので耐熱性があり、対象性が低い結晶構造を有するので、熔融凝固させると特定の結晶軸が成長し易いので、柱状や板状の結晶が生成するという性質を持ち、熔融凝固により配向成長させるのに適切な素質をもつ材料である。さらに、これらの酸化物は熱伝導率が低いという特徴を持っているので、優れた遮熱効果が期待できる。また、配向させた酸化物膜は、優れた耐食性や光反射など新規な機能を持つ材料としても用途が期待される。柱状結晶組織中に気孔を含有することは、金属酸化物膜の断熱性を高めるためにも好ましい作用を有している。
上記金属酸化物膜の製造方法としては、赤外線イメ−ジ炉等の高温熱源によって酸化物仮焼体を熔融させた後、成長させる金属酸化物と適合した基材、または基材上に成長させる金属酸化物と適合した薄い酸化物からなる整合層を設けた基材上に前記の融液を落下させて、結晶を配向成長させる方法が有効である。
上記に挙げた金属酸化物は柱状晶に成り易いので、例えばステンレス基板上に融液を落下させても、柱状晶が生成し結晶が配向性成長する傾向にある。さらに、優先成長させる結晶の面間隔に近い面間隔をもつ酸化物からなる整合層を金属基材の上に形成し、その上に熔融した金属酸化物の融液を落下させるならば、成長し易い面が上を向いた結晶のみが優先的に成長し、これにより極めて良好な配向性を有する柱状結晶から成る組織を得ることができる。
前記整合層は、配向した結晶を成長させる核の作用を有すると考えられる。つまり、上記の金属酸化物膜の製造方法においては、粒状の金属酸化物を高温熱源で熔融して、基板上に付着させるのであるが、基材として、優先成長させる結晶の面間隔に近い面間隔をもつ酸化物から成る整合層を金属の基材の上に形成させた基材を用いることにより、配向性を向上させた柱状結晶からなる金属酸化物膜を得るのである。具体的には、両者の面間隔のずれ幅(格子不整合率)が5%以下とされる。このような基材ないし整合層上に金属酸化粒膜を成長させれば、優先的な配向成長を助長し、柱状結晶組織の配向性を向上させることができる。前記格子不整合率が5%を超える場合には、金属酸化物膜において所望の配向面を得ることが困難になる。
前記整合層の材料は、優先成長させる結晶面の成長核を形成させるのに都合がよい材料を選ぶ必要がある。整合層を形成させる材料としては、例えば、YSZ(ZrO−3.4%Y)、SrTiO、BaTiO、Al、Y、などの酸化物またはPtなどの金属を用いることができ、その上に成長させる金属酸化物膜の材料に応じて適宜最適なものを選択する。
尚、本実施形態では、金属酸化物の仮焼体を溶液とするための高温熱源として、赤外線イメージ炉を挙げたが、前記仮焼体を熔融させる熱源としては、ア−クプラズマ等も使用できる。
以下に、本発明の実施例を示し、発明の有効性をより詳細に示す。
(実施例1)
表1及び表2に列挙した各種金属酸化物を赤外線イメ−ジ炉で熔融し、ステンレス基板上に融液を落下させて厚さ10〜500μmの金属酸化物厚膜を製造した。得られた金属酸化物厚膜を検査したところ、表1及び表2に併記しているように、一部の金属酸化物厚膜では柱状結晶組織を有することが確認されたが、下層に柱状晶ではない結晶組織が存在しているものも確認された。また上記柱状結晶組織が配向成長しているものは、その結晶格子の長軸/短軸比が2.1以上のものであることが確認された。
また、作製した厚膜のX線回折図形は、粉末のX線回折図形とはそれぞれ異なっており、柱状結晶組織が得られたものでは、柱状の結晶が成長すると配向成長する傾向があることがわかった。
また本実施例では、ステンレス基板上に融液を落下させて凝固させたので、基板との界面で結晶核が多く形成され、多結晶の薄い層が形成されていることも確認された。しかしながら、厚膜の膜厚方向中央部から柱状結晶が成長し、配向性がでてくることから、成膜面の状態を制御することでより著しい配向成長を促進できることが示唆される。そこで次の実施例では、整合層を用いて柱状結晶組織の配向成長を助長し、結晶性に優れた柱状結晶組織を得ることを検討した。
Figure 2005248207
Figure 2005248207
(実施例2)
まず、ステンレス基板上にSrTiO微粉末をスラリ−塗布後、アルゴンガス雰囲気中1100℃で焼成して、薄いSrTiO整合層をステンレス基板上に形成した。次いで、前記整合層の上に、赤外線イメ−ジ炉で熔融したSrNbの融液を落下させて厚膜を形成した。
得られたSrNb厚膜の走査顕微鏡(SEM)像を図1に示す。同SEM像から明らかなように、整合層上に良好に柱状結晶組織が成長しており、整合層と柱状結晶組織との界面にも他の結晶相は観られない。
また、得られた厚膜の表面の構造をX線回折で調べた結果を図2に示す。図2に示すように、通常のSrNb粉末のX線回折図形とは異なって、(200)面のX線回折強度が非常に強いX線回折図形が得られており、(200)面が優先的に成長していることが分かる。
ここで、比較例として整合層を設けないステンレス基板上に赤外線イメ−ジ炉で熔融したSrNbの融液を落下させて厚膜を形成した試料のSEM像を図3に示す。また同試料をX線回折で調べた結果を図4に示す。
ステンレス基板上に直接成膜した厚膜(図3)と、整合層を介して成膜した厚膜(図1)とを比較すると、ステンレス基板上に直接成膜した場合にも柱状結晶組織が得られているが、一部柱状晶ではない部分が生じており、図4のX線回折図形にも異なる結晶組織であることが現れている。これに対して、整合層を介して成膜した金属酸化物膜は配向性が著しく向上していることが分かる。このことから、整合層を設けることで金属酸化物の配向成長を促進でき、より剥離しにくい金属酸化物膜を形成できることが分かる。そして本実施例では、形成する金属酸化物膜がSrNb膜である場合、整合層としてSrTiOを採用することにより、極めて良好に配向した柱状結晶組織を有する金属酸化物厚膜が得られることが明らかになった。尚、整合層であるSrTiOと金属酸化物膜であるSrNbとの格子不整合率は、0.71%である。
(実施例3)
次に、実施例2と同様の方法で、ステンレス基板上にYSZ(ZrO−3.4%Y)整合層を形成した後、整合層上に、赤外線イメ−ジ炉で熔融したCaNbの融液を落下させ、CaNbの厚膜を形成した。
得られた厚膜の表面の構造をX線回折で調べた結果、(200)面が優先的に成長したCaNb膜が得られていることが判明した。尚、整合層であるYSZ(ZrO−3.4%Y)と金属酸化物膜であるCaNbとの格子不整合率は、0.23%である。
(実施例4)
次に、実施例2と同様の方法で、ステンレス基板上にBaTiO整合層を形成した後、この整合層上に、赤外線イメ−ジ炉で熔融したBaTaの融液を落下させ、BaTaの厚膜を形成した。
上記各実施例と同様に厚膜の表面の構造をX線回折で調べた結果、(002)面が優先的に成長したBaTa膜が得られていることが判明した。尚、整合層であるBaTiOと金属酸化物膜であるBaTaとの格子不整合率は、2.9%である。
上記実施例3,4の結果からも明らかなように、基板上に適切な結晶構造を有する整合層を形成し、係る整合層上に金属酸化物の融液を落下させ、凝固させることで、所望の配向面を優先的に成長させることができ、その結果、上記金属酸化物の柱状結晶組織を容易に得られることが確認された。
従って本発明に係る製造方法によれば、従来のジルコニア等に比して優れた遮熱性を備えている金属酸化物の厚膜を、任意の基材上に柱状に成長させることができるので、遮熱性に優れ、かつ基材からの剥離も生じにくい、信頼性に優れた金属酸化物膜からなる遮熱コーティング膜を形成することが可能である。
実施例2にて作製した金属酸化物膜のSEM像である。 上記金属酸化物膜のX線回折図形である。 実施例2にて示した比較試料のSEM像である。 上記比較試料のX線回折図形である。

Claims (15)

  1. 基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、
    前記柱状結晶組織が、結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.1以上である金属酸化物からなり、前記基材上に前記金属酸化物の融液を配することで配向成長させてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜。
  2. 基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、
    前記柱状結晶組織が、その配向面との格子不整合率が5%以下である表面を具備した基材上に、金属酸化物の融液を配することで配向成長させてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜。
  3. 基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜であって、
    前記基材上に、前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を具備した整合層が設けられており、
    前記柱状結晶組織が、前記整合層上に金属酸化物の融液を配することで配向成長されてなるものであることを特徴とする金属酸化物膜。
  4. 前記柱状結晶組織を構成する金属酸化物の結晶構造における単位格子の長軸と短軸との比が2.5以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  5. 前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、1.0±0.05の範囲内であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  6. 前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.5±0.025又は2.0±0.1の範囲内であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  7. 前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.33±0.0165又は3.0±0.15の範囲内であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  8. 前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.66±0.033又は1.5±0.075の範囲内であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  9. 前記基材又は整合層と、前記柱状結晶組織との界面における両者の格子定数の比が、0.25±0.0125又は4.0±0.2の範囲内であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  10. 前記金属酸化物が、Nb、Ta、Si、Ga、Al、Zr、Hf、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属から選ばれる1種以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  11. 前記金属酸化物が、Nb、Ta、Si、Ga、Al、Zr、Hf、アルカリ土類金属、希土類金属、遷移金属から選ばれる2種以上の金属元素を含む複合金属酸化物であることを特徴とする請求項10に記載の金属酸化物膜。
  12. 前記整合層が、金属酸化物からなることを特徴とする請求項3から11のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  13. 前記柱状結晶組織中に気孔が形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の金属酸化物膜。
  14. 基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜の製造方法であって、
    前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を有する基材上に、金属酸化物の仮焼体の融液を滴下し、前記柱状結晶組織を配向成長させることを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。
  15. 基材上に配向成長してなる柱状結晶組織を有する金属酸化物膜の製造方法であって、
    前記基材上に、前記柱状結晶組織の配向面との格子不整合率が5%以下である表面を有する整合層を形成する工程と、
    前記整合層上に金属酸化物の仮焼体の融液を滴下し、前記柱状結晶組織を配向成長させる工程とを含むことを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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