JP2005248078A - 吸湿性樹脂組成物及びこれを用いた吸湿性成形品の製造方法 - Google Patents

吸湿性樹脂組成物及びこれを用いた吸湿性成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 押出成形に適しており、気泡を含まない平滑性に優れた成形品を効率よく製造しうる吸湿性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の吸湿性樹脂組成物は、メルトフローレート(MFR)が40〜80である熱可塑性樹脂及び吸湿性粉末で構成されている。本発明の吸湿性樹脂組成物は、好ましくは吸湿性樹脂ペレットの形態で利用される。例えば、メルトフローレート(MFR)が40〜80である熱可塑性樹脂及び吸湿性粉末で構成された吸湿性樹脂ペレットを押出成形することにより、表面に凹凸がなく平滑で内部にも気泡を含まない吸湿性成形品を容易に調整することができる
【選択図】 なし

Description

本発明は、押出成形に好適な吸湿性樹脂組成物及びこれを用いた吸湿性成形品の製造方法に関する。
従来、押出しラミネートに使用される樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の各種オレフィン系重合体が挙げられる。これら押出しラミネート用樹脂は、流動性の指標となるMFR(メルトフローレート)が2〜25程度である樹脂が多い。しかし、樹脂のMFRが5未満では樹脂の流動性が悪く、良好に押出しラミネートするためには、押出し時のダイの吐出圧を高くしたり、押出温度を高くする必要がある。このため、吐出圧の高さや高温押出しにより樹脂が熱分解しやすい。また、MFRが10を越える場合には、均一な膜厚が得られにくく、塗工幅にばらつきが生じやすい。このため、実際には、MFRが5〜10程度であるポリエチレン系樹脂が押出しラミネートに最も多く使用されている。
一方、環境下の水分を吸収することができる軽包装袋や包装容器等のラミネート製品が知られている(例えば、特許公報1参照)。前記特許文献1には、熱可塑性樹脂を乾燥剤(吸湿剤)と共に加熱混練し、押出しラミネートにより加工して乾燥剤成型品が得られることが記載されている。しかし、前記熱可塑性樹脂として従来の押出しラミネート用樹脂を用いると、押出し時の加温(例えば230℃以上)で、吸湿剤に含まれる水分(結晶水として含む水分や保管時に吸収した水分など)により発泡が起き、成形品に気泡が入るという問題があった。また、発泡を避けるため押出温度を低くすると、樹脂の流動性を高めることができず、低速度の塗工を余儀なくされるため、加工コストも高かった。
特公平7−96092号公報
本発明の目的は、押出成形により、気泡を含まない平滑性に優れた層を形成できる吸湿性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、内部に気泡を含まず、表面に凹凸がない平滑性に優れた吸湿性成形品を低コストで製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、吸湿性粉末と特定の物性を有する熱可塑性樹脂とを組み合わせた場合には、低温下で溶融押出しが可能となり、押出し成形時の発泡を抑制でき、しかも生産効率を向上することができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、メルトフローレート(MFR)が40〜80である熱可塑性樹脂及び吸湿性粉末からなる吸湿性樹脂組成物を提供する。
また、上記本発明の吸湿性樹脂組成物を押出成形する工程を含む吸湿性成形品の製造方法を提供する。
本発明の吸湿性樹脂組成物によれば、押出成形時の発泡を抑制して、内部に気泡がなく表面が平滑な吸湿性成形品を低コストで製造できる。
本発明の吸湿性樹脂組成物は、MFRが40〜80である熱可塑性樹脂及び吸湿性粉末で構成されている。熱可塑性樹脂の材質としては、吸湿機能を担保するため、ある程度の透湿性を有する樹脂(透湿性樹脂)が好ましい。このような透湿性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリメチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマーなどのオレフィン系樹脂などが例示できる。好ましくは、LDPE、EVA等が用いられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なかでも、製品としたときの吸湿性能を高める点で、密度が低く且つ水蒸気透過度の高い樹脂が好ましく用いられる。具体的には、樹脂密度が0.890〜0.930g/cm3の範囲内であって、フィルム厚30μmに換算すると水蒸気透過度が80〜600g/m2・24H・atmの範囲内である樹脂が好ましい。
なお、2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせて用いる場合には、混合後の樹脂のMFRが前記範囲内となればよい。例えば、MFRが80より高い樹脂と40より低い樹脂との組み合わせであっても、これらを混合した後の樹脂のMFRが40〜80の範囲内であればよい。本発明における熱可塑性樹脂は、吸湿性粉末を混合して使用するため、従来のラミネート用樹脂より高いMFR値を示す場合にも溶融押出しによる成形が可能であり、且つ低温押出しを実施するため均一な膜厚を形成することができる。
MFRは、熱可塑性樹脂の溶融流動性の指標であって、この値が高いものほど流動性に富むことを意味しており、JIS K 7210に準じて測定できる。MFRが上記範囲内である熱可塑性樹脂は、流動性に優れるため、押出し時の押出温度を低くすることができる。このため、押出しラミネーション時の発泡を抑制できる。また、MFRが上記範囲内である樹脂の分子量は比較的低く、透湿性に優れるため、成形品の吸湿性能を向上しうる点で有利である。樹脂のMFRが80を越える場合には吸湿性粉末の分散性が低下して膜厚にばらつきが生じ、40未満である場合には低温押出し時に樹脂の流動性が十分に得られないため上記範囲に限定される。特に、MFRが40〜60である場合は、膜厚のばらつきを最小限にでき、例えば5%以内に抑えることができる。このような熱可塑性樹脂を溶融押出し成形する場合には、押出温度を比較的低温、例えば230℃以下に設定できるため、吸湿性粉末に含まれる水分による発泡を抑制し、表面が平滑なシートやフィルムなどの成形品を得ることができる。
吸湿性粉末としては、特に制限されず、公知の粉末状吸湿剤、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸銅などの金属硫酸塩、炭酸カルシウム、シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナ等の乾燥剤などが挙げられる。これらの吸湿性粉末は、単独で又は複数の種類を組み合わせて用いられる。成形品を食品の包装に用いる場合には、安全性、調湿性等の観点から、少なくとも硫酸マグネシウムを含む吸湿剤が好ましく用いられ、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウムとシリカの混合物などが特に好ましい。硫酸マグネシウムは、式:MgSO4・nH2O(nは0〜3の整数)で表される。硫酸マグネシウムとしては、無水の硫酸マグネシウム(n=0)又は低含水量の硫酸マグネシウム(n=1又は2)が好ましい。
吸湿性粉末の粒径は、特に限定されないが、例えば1〜20μm(好ましくは3〜10μm)程度である。吸湿性粉末の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、例えば5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部程度である。吸湿性粉末の使用量が50重量部を超えると、樹脂中の吸湿性粉末の分散性が低下する他、経済性、生産性に劣り、5重量部未満であると、十分な吸湿性や保水性が得られにくい。
本発明の吸湿性樹脂組成物は、流動性を損なわない範囲で、上記の他に、滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸)、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色料、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
本発明の吸湿性樹脂組成物は、上記特性を有するため、押出成形に好ましく使用することができる。このような吸湿性樹脂組成物によれば、押出成形により、吸湿性を有するフィルム、シート等の各種吸湿性成形品を得ることができる。
本発明の吸湿性樹脂組成物には、吸湿性樹脂ペレットが含まれる。すなわち、吸湿性樹脂ペレットは、全体としてMFRが40〜80である熱可塑性樹脂と、吸湿性粉末とで構成されている。前記吸湿性樹脂ペレットは、単層又は2以上の層で構成されていてもよい。
前記吸湿性樹脂ペレットは、好ましくは、吸湿性粉末と熱可塑性樹脂からなる中心部の表面が、熱可塑性樹脂からなる外層で被覆された構造を有している。このような吸湿性樹脂ペレットは、ペレット製造後の輸送時や保管時における吸水(吸湿)を抑え、且つ押出し生産時においてホッパー内での吸湿が起こりにくいため、高い吸湿性能を長期間保持することができ、品質管理上極めて有利である。なお、中心部の表面は外層によって必ずしも完全に被覆されていなくてもよいが、中心部の表面積のうち50%以上が外層に被覆されていることが好ましい。外層に多く被覆されているほど、吸湿性粉末を含む中心部が水や空気中の水分と直接接触しにくくなるため、より高い吸湿抑制効果が得られる。
中心部と外層との構成比率は、特に限定されないが、外層の比率が低すぎると吸湿防止効果が得られにくく、外層の比率が大きすぎるとペレット全体に対する吸湿性粉末の比率が低下して、吸湿性成形品とした際に理論吸湿量が低下してしまうため、好ましくは中心部:外層(重量比)=98:2〜50:50、さらに好ましくは90:10〜70:30程度の範囲内である。
前記外層及び中心部を構成する熱可塑性樹脂としては、それぞれ、上記本発明の吸湿性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂(透湿性樹脂)として例示の樹脂から、外層及び中心部を構成する樹脂全体のMFRが40〜80となる1種又は2種以上の樹脂を選択して使用できる。なかでも、外層及び中心部が互いに相溶性を有する樹脂で構成されていることが好ましく、特に同種の樹脂で構成されていることが好ましい。
吸湿性樹脂ペレットは、例えば、MFRが40〜80である熱可塑性樹脂、吸湿性粉末、及び必要に応じてその他の添加物からなる吸湿性樹脂組成物を溶融押出しし、冷却、乾燥した後、慣用の切断機(カッター)等を用いて所望の大きさに切断することにより製造できる。
溶融押出し時の温度は、発泡を抑制できる比較的低温、例えば吸湿性粉末が硫酸マグネシウムの場合は230℃未満、例えば100℃以上230℃未満、好ましくは120〜220℃、より好ましくは150〜210℃程度である。上記温度範囲内では、押出し時の発泡を著しく抑制することができる。押出温度が230℃を越えると、吸湿性粉末に含まれる水分が蒸発して発泡を生じ、成形品に気泡や凹凸を形成しやすく、100℃未満では流動性が不足し好ましくない。押出圧力(吐出圧)は、例えば1〜20MPa、好ましくは5〜15MPa程度である。20MPaを越えるとシリンダー内の内圧が高くなり、押出し後常圧に戻ると発泡が生じやすくなり、1MPa未満では押出しの安定性が乏しく膜厚の均一性がなくなり好ましくない。
また、中心部と外層からなる吸湿性樹脂ペレットは、例えば、中心部と外層を構成する樹脂組成物を共押出し成形する方法、中心部を成形した後に外層を積層する方法等により製造することができる。なかでも、共押出し成形する方法によれば、中心部と外層とを同時に形成できるため、工程数が少なく、しかも安価に製造することができる。より具体的には、円形状のダイとその外側に配されたリング状のダイとを備えた慣用の押出し機を用いて、熱可塑性樹脂に吸湿性粉末及び必要な添加物を添加した中心部樹脂組成物と、熱可塑性樹脂に必要な添加物を添加した外層樹脂組成物とをそれぞれ加熱溶融し、中心部の表面が外層に被覆された構造となるように中心部樹脂組成物と外層樹脂組成物とを共押出しし、冷却、乾燥した後、慣用の切断機(カッター)等を用いて所望の大きさに切断することにより吸湿性樹脂ペレットを得ることができる。前記工程中、共押出し後の切断により生ずる端面の面積を小さくするため、押出された溶融樹脂を冷却前に熱カットする方法、押出された溶融樹脂を所定の間隔をおいて荷重をかけてつぶした後、冷却し、押しつぶした箇所を切断する方法等を採用することができる。このような方法によれば、中心部の表面が外層により広く覆われた(被覆率の高い)ペレットを製造することができる。
ペレットの形状は、特に限定されず、例えば、角柱状、円柱状、粒状などが挙げられる。ペレットの大きさは、特に限定されないが、取扱性の点から、径が20mm未満(例えば1〜20mm)、好ましくは1〜10mm程度、長さが50mm未満(例えば1〜50mm)、好ましくは4〜10mm程度である。
本発明の吸湿性樹脂組成物は、また、熱可塑性樹脂及び吸湿性樹脂ペレットで構成されていてもよい。前記熱可塑性樹脂及び吸湿性樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂としては、全体として、MFRが40〜80となるような樹脂が用いられる。このような樹脂組成物は、吸湿性樹脂ペレットを吸湿性成形品製造用のマスターバッチとして用いることができるため、吸湿性成形品の吸湿性能を容易に調整することができる。
本発明の吸湿性成形品の製造方法は、上記本発明の吸湿性樹脂組成物(吸湿性樹脂ペレット)を押出成形する工程を含んでいる。前記押出成形は、例えば、Tダイや環状ダイを備えた押出し機を用いて押出し単層フィルムを成形する方法、2種以上の吸湿性樹脂組成物又は吸湿性樹脂組成物とその他の素材とを共押出しする方法、吸湿性樹脂組成物をその他の素材に押出しラミネート(コーティング)する方法、その他の素材からなる二層の間に吸湿性樹脂組成物をサンドラミネートする方法等により行われる。前記その他の素材としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂などの樹脂、紙、繊維、金属、塗料、接着剤などが挙げられる。その他の素材は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
押出成形時の押出温度は、発泡を抑制できる比較的低温、例えば吸湿性粉末が硫酸マグネシウムの場合は230℃未満であり、例えば100℃以上230℃未満、好ましくは120〜220℃、より好ましくは150〜210℃程度である。上記温度範囲内では、押出し時の発泡を著しく抑制することができる。押出温度が230℃を越えると、吸湿性粉末に含まれる水分が蒸発して発泡を生じ、成形品に気泡や凹凸を形成しやすく、さらに発泡により押出圧力(吐出圧)が変動しやすくなり製膜が困難となる。また、100℃未満では流動性が不足し好ましくない。
押出圧力(吐出圧)は、例えば1〜20MPa、好ましくは5〜15MPa程度である。20MPaを越えるとシリンダー内の内圧が高くなり、押出し後常圧に戻ると発泡が生じやすくなり、1MPa未満では押出しの安定性が乏しく膜厚の均一性がなくなり好ましくない。本発明の製造方法によれば、押出し時の発泡が抑制されるため、吐出圧を一定に保ち、スムーズに加工することができる。
また、本発明における熱可塑性樹脂は、溶融流動性に優れるため、溶融押出し時の速度を向上することができ、加工コストを低減できる。具体的には、押出速度70m/min以上(例えば70〜200m/min)、好ましくは80m/min以上(例えば80〜150m/min)で、吸湿性樹脂ペレットを押出しラミネートすることにより、厚みが、例えば10〜40μm、好ましくは20〜30μm程度の層を形成することができる。
上記方法により得られる吸湿性成形品としては、例えば、吸湿フィルム、前記吸湿層とその他の素材からなる層とが積層された積層フィルム等が挙げられる。
前記積層フィルムとしては、例えば、吸湿層の片面に透湿層、ヒートシール層等、吸湿層の他の面に水蒸気バリア層やガスバリア層などのバリア層、印刷層、表基材、オーバーコート層等が積層されたフィルム、これらの層間にアンカーコート層、プライマーコート層、接着剤層、接着性樹脂層等が設けられたフィルム等が挙げられる。透湿層を構成する素材としては、例えば、上記本発明の吸湿性樹脂組成物における透湿性樹脂として例示のものを使用できる。前記水蒸気バリア層は、水蒸気バリア性を有する素材からなる層であればよく、このような水蒸気バリア性素材としては、例えば、アルミニウム等の金属箔、酸化ケイ素等の蒸着フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコーティングフィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレンなどが挙げられる。また、表基材としては、例えば、紙、合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムなどを使用できる。
代表的な積層フィルムの層構成としては、内側から外側の順に、吸湿層/水蒸気バリア層、透湿層/吸湿層/水蒸気バリア層、ヒートシール層/吸湿層/水蒸気バリア層、吸湿層/水蒸気バリア層/表基材、透湿層/吸湿層/水蒸気バリア層/表基材、吸湿層/水蒸気バリア層/印刷層/表基材、透湿層/吸湿層/水蒸気バリア層/印刷層/表基材、ヒートシール層/吸湿層/水蒸気バリア層/印刷層/表基材、ヒートシール層/透湿層/吸湿層/水蒸気バリア層/印刷層/表基材とする層構成などが挙げられる。具体的には、ポリエチレン/吸湿層/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/吸湿層/ポリエチレン/アルミニウム箔/ナイロンからなる層で構成された積層フィルムが好ましく用いられる。
これらの積層フィルムは、吸湿層が内側となるように袋状、容器状等に加工することにより吸湿包装材等として利用することができる。吸湿包装材は、包装材内部への水分の侵入を防ぐため、吸湿層の外側に水蒸気バリア層を有する場合が多い。また、吸湿層の内側にシーラントとなる前記透湿層を有する吸湿包装材は、吸湿層と内容物との直接接触を防いで、例えば食品、菓子、飲料などの内容物に対する安全性を確保することができる他、吸湿層を保護する保護層としての効果も得ることができる。特に、吸湿包装材の最内層に設ける透湿層は、ヒートシール性を有する樹脂で構成されていることが好ましい。
上記のような吸湿性成形品によれば、高い吸湿性を有するため、吸湿包装材として用いた場合に、包装体内に置かれた物品の水分による劣化を防止できるとともに、適宜な層を積層することにより、バリア性、安全性、安定性等の機能が付与される。従って、このような吸湿性成形品は、食品、医薬品、化粧品、嗜好品、精密機器、機械部品等の品質保護のための吸湿包装材等として好適に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、押出温度は、押出し機のスクリュー先端部(ダイスとの連結部)における温度を示している。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:VA含量6重量%、MFR75、密度0.922g/cm3:商品名「ウルトラセン530」、東ソ−(株)製)100重量部に、0.2重量部のステアリン酸カルシウム(滑剤)を添加して外層樹脂組成物とした。EVA(前記に同じ)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加して中心部樹脂組成物とした。これらの樹脂組成物を、外層押出し温度180℃、中心部押出し温度150℃の条件下、外層:中心部=1:9(重量比)でロッド状に共押出しし、水冷後、105℃で2時間乾燥して切断し、円柱状のペレット(直径3mm、長さ4mm)を作製した。得られたペレットの水分量を、カールフィッシャー適定法(JIS K 0068に準拠)により測定したところ、390ppmであった。このペレットをTダイ法により190℃で押出ししたところ、表面に凹凸がなく平滑で、内部にも気泡を含まない吸湿フィルム(厚み25μm)が得られた。
実施例2
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm;水蒸気バリア層)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:VA含量6重量%、MFR75、密度0.922g/cm3:商品名「ウルトラセン530」、東ソ−(株)製)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加した樹脂組成物を、押出温度178℃、吐出圧11.3MPa(115kgf/cm2)の条件下、押出速度100m/minで押出しラミネートしたところ、表面に凹凸がなく平滑で、内部にも気泡を含まない吸湿層(厚み25μm)を積層したラミネートフィルムが得られた。
実施例3
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:表基材、厚さ12μm)とアルミ箔(厚さ7μm:水蒸気バリア層)とを接着剤を用いてドライラミネートし、該アルミ箔上にグラビア印刷によりプライマーを塗工した。さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:VA含量6重量%、MFR75、密度0.922g/cm3:商品名「ウルトラセン530」、東ソ−(株)製)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加した樹脂組成物を、押出温度178℃、吐出圧11.3MPa(115kgf/cm2)の条件下、押出速度100m/minで押出しラミネートして吸湿層を形成し、次いで、透湿層としての低密度ポリエチレンを押出しラミネートすることにより、表基材/水蒸気バリア層/プライマーコート層/吸湿層/透湿層の層構成を有するラミネートフィルムを得た。
このフィルムの吸湿層は、表面に凹凸がなく平滑であり、内部にも気泡を含んでいなかった。
実施例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:VA含量6重量%、MFR75、密度0.922g/cm3:商品名「ウルトラセン530」、東ソ−(株)製)50重量部、とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、VA含量10重量%、MFR28、密度0.924g/cm3:商品名「ウルトラセン538」、東ソ−(株)製)50重量部を混ぜて作成したエチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR50)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加した樹脂組成物を、押出温度195℃、吐出圧11.2MPa(114kgf/cm2)の条件下、押出速度80m/minで、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm;水蒸気バリア層)の片面に押出しラミネートしたところ、表面に凹凸がなく平滑で、内部にも気泡を含まない吸湿層(厚み25μm)を積層したラミネートフィルムが得られた。
比較例1
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm;水蒸気バリア層)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:VA含量10重量%、MFR8、密度0.927g/cm3:商品名「ウルトラセン541」、東ソ−(株)製)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加した樹脂組成物を、押出温度230℃、吐出圧9.7MPa(99kgf/cm2)の条件下、押出速度30m/minで押出しラミネートしたが、吐出圧が安定せず、製膜が困難であった。
比較例2
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm;水蒸気バリア層)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、VA含量10重量%、MFR28、密度0.924g/cm3:商品名「ウルトラセン538」、東ソ−(株)製)100重量部に、30重量部の粉末状硫酸マグネシウム(平均粒子径5μm)を添加した樹脂組成物を、押出温度213℃、吐出圧11.2MPa(114kgf/cm2)の条件下、押出速度60m/minで押出しラミネートすることにより吸湿層(厚み25μm)を積層したラミネートフィルムを得た。
このフィルムの吸湿層は、表面に発泡に起因する凹凸が多数存在していた。

Claims (2)

  1. メルトフローレート(MFR)が40〜80である熱可塑性樹脂及び吸湿性粉末からなる吸湿性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の吸湿性樹脂組成物を押出成形する工程を含む吸湿性成形品の製造方法。
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