JP2005247958A - 塗工液及びこの塗工液を用いた塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】
塗工液の保水性を向上させても、B型粘度を低く保つことができ、かつハイシェア粘度を上昇させた塗工液、及びこの塗工液を原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に塗工して形成された塗工層を有する塗工紙を提供する。
【解決手段】
顔料及び接着剤を主成分とし、助剤として合成保水剤を含有して成る塗工液において、前記合成保水剤として、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物を前記全顔料100重量部に対して固形分換算で0.01〜0.1重量部配合する。この場合、前記顔料には、炭酸カルシウムが固形分換算で30〜70重量部が配合されている。また、この塗工液を塗工して形成される塗工層を有する塗工紙の塗工層は、塗工液の塗工量が10〜20g/mである。
【選択図】なし

Description

本発明は保水性を向上させても、B型粘度を低く保つことができ、かつハイシェア粘度を上昇させた塗工液、及びこの塗工液を原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に塗工して形成された塗工層を有する塗工紙に関するものである。
塗工紙(塗被紙)は原紙(紙基材)に塗工液(塗被液)を塗工、乾燥することによって製造されている。この塗工液は通常クレー、炭酸カルシウム等の白色顔料とラテックスや澱粉等の接着剤とを水に分散させたスラリーである。
ところで、塗工液の塗工においては、塗工工程から乾燥工程に至る間に、原紙により塗工液中の水分が吸収され、クレー、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム)、ラテックス、澱粉等の成分が原紙内に侵入するため、塗工層の層厚の不一致、すなわち塗工層の層厚ムラが生じる。また原紙のカバーリング性が低下するので、塗工紙の平滑性が低下し、また塗工紙の光沢ムラも生じる。この結果、塗工紙の表面性が低下するという問題がある。また塗工紙の搬送性等の印刷適性も低下するという問題がある。このような塗工紙の表面性や印刷適性の低下は主として塗工液の保水性の不定に起因することが知られている。
塗工液には通常、その保水性、粘度、流動性等を調整するために、例えば特許文献1に示されるように、カルボキシメチルセルロース(CMC)やアルギン酸ソーダのような高分子物質が少量添加されている。しかしながら、これらの高分子物質が添加されると、塗工液の保水性は向上する反面、塗工液の粘度が著しく高くなる、すなわち塗工液の見掛け粘度(B型粘度)が上昇し、塗工液の流動性が悪化する。従って、塗工液を原紙に均一に塗工することができず、原紙のカバーリング性が低下し、塗工層の層厚ムラが生じるので、塗工紙の平滑性が低下し、また塗工紙の光沢ムラが生じる。この結果、塗工紙の表面性が低下し、また塗工紙の搬送性等の印刷適性が低下するという問題があった。そこで、塗工液の塗工量を調整することによって、塗工層の層厚ムラを減少させ、塗工紙の表面性や印刷適性を向上させることが提案されている。しかし、このような塗工液は、B型粘度が高いため塗工液の塗工量を調整することが困難であり、塗工層の層厚ムラを減少させることができず、塗工紙の表面性及び印刷適性を向上させることができなかった。また、塗工液のB型粘度が高いため、抄紙機の速度(抄速)を高速にすることができず、塗工紙の生産性を低下させていた。また、塗工量を増加させると、塗工紙の製造コストが高くなるという問題もあった。
また、上述した従来の塗工液はハイシェア粘度が低いため、抄紙機のサイズプレス、特にロッドメタリングサイズプレスで塗工液を高速塗工する場合、抄速が高速になる程、塗工量を調整することができなかった。従って、塗工液を原紙に均一に塗工することができないので、原紙のカバーリング性を改善することができず、この結果、塗工層の層厚ムラを減少させることができないので、塗工紙の表面性及び搬送性等の印刷適性を改善することができなかった。一方、塗工層の層厚ムラを減少させて、原紙のカバーリング性を改善し、塗工紙の表面性及び印刷適性を向上させるために、抄速を下げると、塗工紙の生産性が低下するという問題がある。
そこで、塗工液のハイシェア粘度を上昇させるために、顔料(クレー、炭酸カルシウム等)のうち、クレーの配合量を増やすことが一般に知られている。しかし、クレーの配合量が増加すると塗工液のハイシェア粘度を上昇させることができるので、塗工紙の印刷適性は向上する反面、塗工紙の白色度が低下するので塗工紙の表面性が低下するという問題があった。またクレーはコストが高いため、クレーの配合量を増やすと、塗工紙の製造コストが高くなるという問題もあった。
特開平11−290777号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗工液の保水性に優れ、B型粘度を低く保ち、かつハイシェア粘度の高い塗工液、及びこの塗工液を原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に塗工して形成された塗工層を有する塗工紙を提供することである。
本発明の上記目的は、顔料及び接着剤を主成分とし、助剤として合成保水剤を含有して成る塗工液において、前記合成保水剤として、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物が前記全顔料100重量部に対して固形分換算で0.01〜0.1重量部配合されたことを特徴とする塗工液を提供することによって、達成される。
また、本発明の上記目的は、前記顔料は、炭酸カルシウムが固形分換算で30〜70重量部配合されていることを特徴とする塗工液を提供することによって、効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に、塗工液を塗工して形成される塗工層を有する塗工紙であって、前記塗工層は、前記塗工液の塗工量が10〜20g/mであることを特徴とする塗工紙を提供することによって、より効果的に達成される。
本発明に係る塗工液によれば、塗工液中に、合成保水剤として、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物を全顔料100重量部に対して固形分換算で0.01〜0.1重量部配合することによって、塗工液の保水性を向上させることができるので、本塗工液は、原紙の表面に均一に塗工することができ、原紙のカバーリング性を向上させることができる。従って、塗工層の層厚ムラを減少させることができるので、塗工紙の平滑性を向上させると共に、塗工紙の光沢ムラを減少させることができる。この結果、塗工紙の表面性を向上させることができると共に、塗工紙の搬送性等の印刷適性も向上させることができる。
また、塗工液中にアクリル酸・アクリルアミドの共重合物を配合することによって、塗工液の保水性を向上させても、B型粘度を低く保つことができる。従って、抄紙機のサイズプレス、特にロッドメタリングサイズプレスにより塗工液を高速塗工する場合において、抄速を維持又は上げても、抄速に応じて塗工量を容易に調整することができるので、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができる。従って、塗工紙の表面性及び搬送性等の印刷適性を向上させることができると共に、塗工紙の生産性も向上させることができる。
また、塗工液中にアクリル酸・アクリルアミドの共重合物を配合することによって、塗工液のハイシェア粘度を上昇させることができる。従って、抄紙機のサイズプレス、特にロッドメタリングサイズプレスにより塗工液を高速塗工する場合において、抄速を維持又は上げても、抄速に応じて塗工量を容易に調整することができるので、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができる。従って、塗工紙の表面性及び搬送性等の印刷適性をより向上させることができると共に、塗工紙の生産性もより向上させることができる。
また、顔料として、炭酸カルシウムを固形分換算で30〜70重量部配合して成る塗工液に、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物が配合されると、塗工液のB型粘度をより低く保つことができる。従って、塗工紙の表面性、搬送性等の印刷適性、及び生産性等をより向上させることができる。
さらにまた、本発明に係る塗工液を塗工して形成される塗工層を有する塗工紙は、この塗工層の塗工液の塗工量が10〜20g/mと少量であっても、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができるので、塗工紙の表面性、搬送性等の印刷適性、及び生産性を維持しつつ、さらに低コストで塗工紙を製造することができるようになる。
以下、本発明に係る塗工液及びこの塗工液を原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に塗工して形成された塗工層を有する塗工紙について詳細に説明する。
本発明に係る塗工液は顔料及び接着剤を主成分とし、助剤として合成保水剤を含有して成る塗工液であって、この合成保水剤として、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物が全顔料100重量部に対し0.01〜0.1重量部配合されていることを最大の特徴とするものである。
アクリル酸・アクリルアミドの共重合物は、塗工液に配合された場合においても、カラーショック(塗工液の凝集)が少ないため、塗工液の保水性を向上させることができる。従って、本塗工液は、原紙の表面に均一に塗工することができるので、原紙のカバーリング性を向上させることができる。この結果、本塗工液を原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に塗工して形成された塗工層を有する塗工紙(以下、「本塗工紙」という)の塗工層の層厚ムラを減少させることができるので、本塗工紙の平滑性を向上させることができると共に、塗工紙の光沢ムラを減少させることができる。従って、本塗工紙の平滑性、層厚ムラ、光沢ムラ等の表面性を向上させることができると共に、搬送性等の印刷適性を向上させることもできる。
また、本塗工液は、上述したようにアクリル酸・アクリルアミドの共重合物を配合することによって、塗工液の保水性を向上させることができるので、従来の塗工液のように、保水性を向上させるために、高分子物質を添加する必要がない。従って、本塗工液は上述したように保水性は向上するが、B型粘度は低く保つことができる。従って、抄紙機のサイズプレス、特にロッドメタリングサイズプレスにより塗工液を高速塗工する場合において、抄速を維持又は上げることができるので、本塗工紙の生産性を向上させることができる。また、本塗工液は、抄速に応じて塗工量を容易に調整することができるので、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができ、原紙のカバーリング性を向上させることができる。従って、塗工層の層厚ムラを減少させることができるので、本塗工紙の平滑性を向上させることができると共に、本塗工紙の光沢ムラを減少させることができる。この結果、本塗工紙の表面性を向上させることができると共に、本塗工紙の印刷適性を向上させることもできる。
また、本塗工液は、上述したようにアクリル酸・アクリルアミドの共重合物を配合することによって、塗工液のハイシェア粘度を上昇させることができるので、例えばロッドメタリングサイズプレスにより塗工液を高速塗工する場合において、抄速を維持又は上げることができ、本塗工紙の生産性をより向上させることができる。また、本塗工液は抄速に応じて塗工量を容易に調整することができるので、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができ、原紙のカバーリング性を向上させることができる。従って、塗工層の層厚ムラを減少させることができるので、本塗工紙の平滑性を向上させることができると共に、本塗工紙の光沢ムラを減少させることができる。この結果、本塗工紙の表面性及び印刷適性をより向上させることができる。
本塗工液中のアクリル酸・アクリルアミドの共重合物の配合量は、全顔料100重量部に対し0.01〜0.1重量部、好ましくは0.02〜0.06重量部である。アクリル酸・アクリルアミドの配合量がこのような範囲であると、塗工液の保水性を向上させても、B型粘度を低く保つことができ、またハイシェア粘度を上昇させることができるので、本塗工紙の表面性、搬送性等の印刷適性、及び生産性等を向上させることができる。なお、後述する実施例で示すように、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物の配合量が0.01重量部未満であると、塗工液の保水性が低下すると共に、塗工液のB型粘度が上昇するので、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができず、原紙のカバーリング性が低下する。従って、塗工層の層厚ムラが生じるので、塗工紙の平滑性が低下すると共に、塗工紙に光沢ムラが生じる。この結果、本塗工紙の表面性及び印刷適性が低下する。また、塗工液のB型粘度が上昇するため、塗工液を高速塗工することが不可能となり、本塗工紙の生産性が低下する。一方、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物の配合量が0.1重量部を超えると、塗工液のハイシェア粘度が上昇し過ぎ、ゲル化を起こすといった不具合が発生する結果、塗工液を原紙の表面に均一に塗工することができないので、原紙のカバーリング性が低下する。従って、塗工層の層厚ムラが生じるので、塗工紙の平滑性が低下すると共に、塗工紙の光沢ムラが生じる。この結果、本塗工紙の表面性及び印刷適性が低下すると共に、塗工液を高速塗工することが不可能となるので、本塗工紙の生産性が低下する。
また、本塗工液には、顔料として、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムを含む)が固形分換算で30〜70重量部配合されている。後述する実施例で示すように、顔料としての炭酸カルシウムの配合量がこのような範囲である塗工液に、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物が配合されると、塗工液のB型粘度をより低く保つことができるので、本塗工紙の表面性、搬送性等の印刷適性、及び生産性等がより向上する。
なお、本塗工液の顔料として、炭酸カルシウムが固形分換算で30〜70重量部配合されていれば、その他の顔料として、例えばクレー、タルク、チタンホワイト、二酸化チタン、シリカ等の無機顔料や、プラスチックピグメント等の有機顔料等の公知の種々の顔料が使用されるが、クレーが使用されることが好ましい。顔料として、炭酸カルシウムが使用され、これにクレーが配合されて成る塗工液であると、白紙光沢や印刷光沢等の印刷適性を向上させることができる。なお、これらの顔料は単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
なお、本塗工液は、上述したようにアクリル酸・アクリルアミドの共重合物を配合することによって、塗工液のハイシェア粘度を上昇させることができるので、従来の塗工液のように、ハイシェア粘度を上昇させるために、クレーの配合量を増加させる必要はない。また、本塗工液は、保水性を向上させても、B型粘度を低く保つことができ、かつハイシェア粘度が高いので、抄速に応じて塗工量を容易に調整することができ、原紙の表面に均一に塗工することができる。従って、塗工層の層厚ムラを減少させることができるので、本塗工紙の平滑性を向上させることができると共に、本塗工紙の光沢ムラを減少させることができる。この結果、クレーの配合量を減らしても、本塗工紙の所望とする白色度を維持することができるので、本塗工液は、コストが高いクレーの配合量を減らしても、塗工紙の表面性及び印刷適性を維持することができ、本塗工液及び本塗工紙をより低コストで製造することができる。
また、本塗工液に使用される接着剤としては、特に限定されるものではないが水溶性接着剤が使用されることが望ましい。
水溶性接着剤として、例えば酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類、ポリビニルアルコール(PVA)等の合成樹脂接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類等が使用される。それに併用して、例えばスチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス等の、いわゆる塗工紙製造分野で一般に使用される公知の種々の接着剤を使用することができる。なお、これらの接着剤は単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
なお、接着剤の配合量は、全顔料100重量部に対し5〜20重量部、好ましくは8〜15重量部が適当である。
また、本塗工液には、前記の顔料、接着剤、及び合成保水剤であるアクリル酸・アクリルアミドの共重合物の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、滑剤、染料、pH調整剤等の各種助剤が適宜配合され、固形分濃度50〜70%程度に調整される。
本発明に係る塗工紙は、原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に、上記塗工液を塗工し、乾燥し、その後塗工面にカレンダー処理等の平滑化処理が施された塗工層を有するものである。
本発明に係る塗工紙の原紙に使用される原料パルプとしては、機械パルプ、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)等のクラフトパルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、あるいはケナフ、竹、麻、藁等の公知の非木材パルプを使用することができる。また、これらの原料パルプは単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
原紙の坪量については、特に限定されず、一般の塗工紙の坪量、具体的には40〜130g/m程度の坪量である紙ベースや板紙ベースの原紙が適宜用いられる。また、原紙の抄紙方法についても、特に限定されるものではないので、長網マシン、円網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方法で抄紙した原紙のいずれであっても良い。
なお、本発明に係る塗工紙の原紙の層構成は、単層であっても、2層以上の紙層から成る複数層であっても良い。また、複数層の場合の形成方法は貼合による形成であっても、抄き合わせによる形成であっても良い。
上記塗工液は、例えば2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ブレードロッドコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、エアーナイフコーター等の塗工紙製造分野で一般に使用されている種々の塗工装置を使用することができるが、この中でも、ロッドメタリングサイズプレスが好ましく使用される。
また、本塗工紙の塗工層は、塗工液の塗工量が10〜20g/mである。本塗工紙の塗工層は、塗工液の塗工量がこのような少量であっても、本塗工紙の所望とする表面性、搬送性等の印刷適性、及び生産性を維持することができるので、本塗工紙をより低コストで製造することができる。しかし、後述する実施例で示すように、塗工層の塗工液の塗工量が10g/m未満であると、塗工液を原紙の表面に塗工した場合において、原紙のカバーリング性が低下し、塗工紙の平滑性等が低下するので、本塗工紙の表面性及び印刷適性が低下する。一方、塗工層の塗工液の塗工量を20g/mより多くしても、塗工量が20g/mである塗工紙と比べて、塗工紙の表面性及び印刷適性の向上は見られない上、塗工液の塗工量が多くなり、塗工紙の製造コストが高くなる。
なお、本発明の塗工紙は、従来の塗工紙と同様に上記の塗工液が原紙上に塗工された後、例えば蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の種々の加熱方式によって、本発明に係る塗工紙を乾燥することができる。なお、乾燥条件については、使用する薬品等に応じて適宜調整する必要がある。
また、本発明に係る塗工紙は、乾燥された後、必要に応じて、通常の乾燥工程や表面処理工程等で平滑化処理が施されて塗工層が形成され、製品仕上げが行なわれる。このような平滑化処理を施す際は、通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等の公知の平滑化処理装置を使用することができるが、あまり加圧条件を強くせずに優れた平滑化効果を得ることができるソフトカレンダーが好ましく使用される。
なお、本願発明は、塗工層が1層から成る場合に限らず、塗工層が2層以上の複数層から成る場合であっても良い。塗工層が複数層から成る場合にあっては、少なくとも塗工層の最表層に本塗工液が塗工されて塗工層が形成されていれば、本願発明の所望とする効果が得られる。
本発明に係る塗工液及びこの塗工液を用いた塗工紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料の品質を評価する試験を行った。なお、本発明はこの実施例によって制限を受けるものではない。
本発明に係る7種類の塗工液及びこの塗工液を用いた塗工紙(これを「試料1」ないし「試料7」とする)と、これらの試料1ないし試料7と比較検討するための9種類の塗工液及びこの塗工液を用いた塗工紙(これを「比較試料1」ないし「比較試料9」とする)を作製した。
これらの全試料及び比較試料について、品質評価、すなわち塗工液のハイシェア粘度、表面性、及び印刷適性について試験を行った結果は、表1に示すとおりであった。
なお、表1中の「ハイシェア粘度(mPa・s)」とは、ハーキュレス高剪断粘度計(熊谷理機工業株式会社製)を用い、25℃に調整した塗工液をFボブ、4400rpmの条件にて測定した値である。
また、「平滑性」とは、JIS−P8119に基づいて測定した値である。
また、「層厚ムラ」とは、イオン交換水500g、イソプロパノール500gの混合液に塩化アンモニウム25gを溶かしたバーンアウト溶液中に、各試料及び比較試料のサンプルを1時間浸漬させた後、ドラフト内で1時間乾燥させ、温度200℃の真空乾燥機内で7分間焼き、バーンアウト処理を行った後、サンプルを取り出して塗工層を目視評価したものであり、その評価基準は◎印の「全くムラなし」、○印の「殆どムラなし」、△印の「若干ムラあり」、×印の「非常にムラが目立つ」の4段階とした。
また、「白色度」とは、JIS−P8123に基づいて測定した値である。
また、「光沢ムラ」とは、白紙表面の微小な光沢ムラを20人のモニターにより評価したもので、その評価基準は◎印の「非常に優れる」、○印の「優れる」、△印の「やや劣る」、×印の「劣る」の4段階とした。
さらにまた、「搬送性」とは、各試料及び比較試料のサンプル巻取りを、オフセット輪転印刷機にて印刷速度250m/分で10,000mの長さ印刷し、印刷中のインフィード部とクーリング部との張力の変動を評価したもので、その評価基準は○印の「小さい」、△印の「やや大きい」、×印の「大きい、又は断紙が発生する」の3段階とした。
Figure 2005247958
表1から、試料1ないし試料7、すなわち本発明に係る塗工液は、比較試料と比べて、ハイシェア粘度が高いことが分かる。また、この塗工液を塗工した塗工紙の塗工層の層厚ムラを減少させることができ、この結果、塗工紙の平滑性を向上させることができると共に、塗工紙の光沢ムラを減少させることができる、すなわち塗工紙の表面性を向上させることができることが分かる。また、塗工紙の搬送性等の印刷適性も向上させることができることが分かる。

Claims (3)

  1. 顔料及び接着剤を主成分とし、合成保水剤を配合して成る塗工液において、前記合成保水剤として、アクリル酸・アクリルアミドの共重合物が前記全顔料100重量部に対して固形分換算で0.01〜0.1重量部配合されたことを特徴とする塗工液。
  2. 前記顔料は、炭酸カルシウムが固形分換算で30〜70重量部配合されていることを特徴とする請求項1に記載の塗工液。
  3. 原紙の表裏面の少なくとも一方の面上に、請求項1又は2に記載の塗工液を塗工して形成される塗工層を有する塗工紙であって、前記塗工層は、前記塗工液の塗工量が10〜20g/mであることを特徴とする塗工紙。
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