JP2005247868A - 免疫原性の解毒変異体E.coliLT−A毒素 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒトにおける使用について適切であり得るように、LTのアジュバント特性および免疫原性特性を可能な限り保持すること、解毒されているLTの形態を提供。
【解決手段】 E.coli熱不安定毒素(LT−A)のサブユニットA、またはそのフラグメントのアミノ酸配列を含む免疫原性解毒タンパク質であって、ここで、該配列またはフラグメントにおけるアミノ酸Ala−72が変異されている、タンパク質であって、1つの実施形態において、Ala−72が置換によって変異を受けており、また、Ala−82が、アルギニン残基で置換され得る、免疫原性解毒タンパク質。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、免疫原性の解毒された、Escherichia coli(E.coli)の腸毒素産生株によって産生される熱不安定毒素タンパク質(LT)に関する。そのタンパク質では、少なくともAサブユニットのアミノ酸Ala-72が変異している。そして本発明は、腸毒素産生性E.coli感染の予防もしくは処置において有用であるワクチンにおける使用、ならびに他の免疫原性タンパク質のためのアジュバントとしての使用に関する。本発明のトキソイドは、野生型毒素をコードするDNAの部位特異的変異誘発による組換えDNA技術を用いて適切に産生され得る。
本発明の背景
熱不安定(heat-labile)腸毒素(LT)(E.coliの腸毒素産生株により産生される)およびコレラ毒素(CT)(V.cholerae株によって産生される)は、それぞれ、旅行者の下痢およびコレラの原因物質である(Spangler(1992)、MicrobiolRev 56:622)。LTおよびCTは、1次構造においては80%の相同性、および同一の3次構造を示す。これらは2つの機能的に異なるドメインから構成されている:酵素的に活性なAサブユニット、およびB5量体であり、B5量体はレセプター結合部位を含む。Aサブユニットは、標的のプロテインG、すなわちGTP結合タンパク質(cAMPの細胞内レベルを制御する)をADP-リボシル化する(RappuoliおよびPizza(1991),Sourcebook of bacterial protein toxins, Academic Press NY)。cAMPレベルの増強はまた、水および塩素イオンの腸への分泌を誘導して、イオン輸送を変更させ得る。
CTおよびLTは、両方とも強力な免疫原であり、そして粘膜レベルにおいて抗原と共に同時投与(co-administerd)される場合、強い粘膜アジュバントである(例えば、Jacksonら(1993)、Infect.Immun. 61:4272; WO95/17211))。野生型CTおよびLTの免疫原性、およびアジュバント活性は、動物において広範囲に研究されている(例えば、Rollwagenら(1993)、Vaccine11:1316)。しかし、それらの毒性により、ヒトに対して野生型CTおよびLTを使用することは、予め除外されている。活性ホロ毒素(holotoxins)の使用によって生じる問題を克服するための試みとして、2つの異なるアプローチが引き続き行われてきた。1つは、B5量体(すなわち、ホロ毒素の非毒性ドメイン)の使用に基づくもの(例えば、Holmgrenら(1992)Vaccine 10:911)であり、もう一方は、LTおよびCTを遺伝的に解毒した誘導体の産生に基づくものである(例えば、Fontanaら(1995)、Infect.Immun. 63:2356)。AサブユニットおよびBサブユニットの両方における部位特異的変異誘発によって、これらの分子により誘導される免疫学的応答およびアジュバント応答の基礎を調査するための手段が提供されている。
これらの実験の例は、以下に見出され得る:
−Harfordら(EurJ Biochem(1989) 183:311)は、Ser-61-PheおよびGly-79-Lys置換を保有するLT-Aを生成した。
−Tsujiら(J.Biol Chem (1990) 265:22520)は、Glu-112-Lys置換を保有するLT-Aを生成した。
−Burnetteら(Infect.Immun.(1991) 59:4266)は、Arg-7-Lys置換を保有するCT-Aを生成した。この研究は、WO92/19265でもまた見られ得る。
−WO93/13202では、Val-53,Ser-63, Val-97, Tyr-104, およびPro-106に変異を保有する非毒性CTおよびLTが記載されている。
LTのBサブユニットのレセプター結合部位における変異体、すなわちG33D変異体は、天然Bサブユニットの免疫学的特性を欠失していることが報告されており(Nasharら(1996)、PNAS93:226)、これは、レセプターに対する結合が免疫原性のために重要であることを示唆している。変異体Aサブユニットを保有するLTの非毒性誘導体は、野生型LTの免疫学的特性を保存していることもまた、示されており(例えばMagagnoliら(1996)64:5434)、これはADPリボシル化活性が免疫原性に対して不可欠ではないことを示唆している。
アジュバント活性(adjuvanticity)に関しては、多くのデータがもたらされているが、多くの疑問もまた答えのないままである。いくつかの研究では、LT-BおよびCT-Bがアジュバント活性を有していることが示唆されているが、引き出された結論は、活性毒素の混入により損なわれている(Wilsonら(1993)Vaccine 11:113)。組換えLT-BおよびCT-Bを用いた研究では、これらが不十分な粘膜アジュバントとしてふるまうことが示唆されている(例えば、Douceら(1997)、Infect.Immun. 65:2821)。
LTのアジュバント活性におけるADP-リボシル化活性の役割を定義するための試みにより、矛盾している結果が生じた。Lyckeら(EurJ Immunol(1992) 22:2277)は、非毒性LT誘導体(LTE112K)について記載している。マウスに経口経路でKLHとともに投与した場合、野生型LTのアジュバント特性を欠失していた。それゆえアジュバント活性はADP-リボシル化活性と結び付いていることが示唆されている。しかし、LTK7およびLTK63のようなLT誘導体(例えば、Douceら(1997)、前出;Douceら(1996) PNAS 92:1644; DiTommasoら(1996)、Infect. Immun. 64:974)(インビトロおよびインビボの両方で毒性が欠失している)は、鼻腔内免疫されたマウスにおいて同時投与された抗原に対する抗体応答を誘発し得ることが示されている。LTK63は、合成ペプチドとともに鼻腔内免疫した後、包虫幼虫(measle)特異的CTL応答を誘導することが示され(Partidosら(1996)、Immunol89:483)、かつLTK63は、H.pylori抗原とともの胃内免疫した後にH.pyloriに対する防御を強く増幅する。しかし、これらの非毒性LT変異体によって誘導される抗体力価は、野生型毒素によって得られる抗体力価より低く、そして2回の粘膜免疫化後にのみ検出された(Douceら(1997)、前出)。
本発明の目的は、ヒトにおける使用について適切であり得るように、LTのアジュバント特性および免疫原性特性を可能な限り保持すること、解毒されているLTの形態を提供することである。
発明の要旨
本発明の第1の局面によれば、E.coli熱不安定毒素のサブユニットA(LT-A)のアミノ酸配列、もしくはそのフラグメントを含む免疫原性の解毒タンパク質がであって、ここで提供されるタンパク質の中では、上記配列またはフラグメントにおいて少なくともアミノ酸Ala-72が変異している。
本明細書中で使用される用語「解毒された」とは、トキソイドが、野生型毒素と比較して、減少した毒性を示すことを意味する。毒性は、マウス細胞、CHO細胞において、Y1細胞で誘導される形態学的変化の評価によって、または好ましくはウサギ回腸ループアッセイによって測定し得る。例えば、Y1細胞において測定される場合、「解毒された」とは、トキソイドが野生型毒素と比較して10,000倍を越える毒性の減少を示すことを意味する。
重大な副作用を引き起こさず効果的な免疫原性組成物において用いられるタンパク質については、任意の残存毒性は十分低くあるべきである。本発明の範囲内の特定の変異体は、無毒性活性を保有し得る。
本明細書中で使用される用語「残存毒性」とは、解毒した免疫原性タンパク質が測定可能な毒性を保持し得ることを意味する。より詳しくは、投与後に被験体に耐えられる十分低い毒性を維持する一方で、免疫原性および/もしくはアジュバント活性を最大化する利益/副作用トレードオフ(trade-off)において、毒性レベルは最適化され得る。
それゆえ、これらのタンパク質は、野生型タンパク質よりもかなり低い毒性を有するという意味において解毒されているが、毒性の原因である超微量の酵素活性は保持し得る。変異は、毒性の減少を引き起こし、これによりトキソイドはヒトへの使用に適切になる。
最も好ましくは、トキソイドの毒性は、天然に存在している対照物と比較して、Y1細胞で誘導される形態学的変化を評価することによって測定される場合10,000倍を超えて、または本明細書中に記載されるように実施されるウサギ回腸ループアッセイによって測定される場合10倍を超えて減少する。
本明細書中で使用される用語「トキソイド」とは、解毒された変異毒素タンパク質を意味する。
本明細書において、LTに対する言及は種々の天然に存在する株変異体、ならびに、サブユニットの特性またはアセンブルしたホロトキシンを有意に変化させない変異を含む他の変異を含む。これらの変異は、例えば、ホロトキシンのアセンブリー構築に影響しない保存的アミノ酸変化であり得る。
LT-Aに対する言及は、LT-Aのフラグメントもまた包むが、ただしLT-AのフラグメントにAla-72を含む。
最も重要なことには、このトキソイドは、このトキソイドが由来した毒素と免疫学的に交叉反応性のままでいなければならない。
免疫原性タンパク質は、LTサブユニットAトキソイドであり得るが、好ましくはLT-Aトキソイドおよび5つのLT-Bサブユニットを含むアセンブルされたホロトキソイド(holotoxoid)であり、それら自身は、野生型であり得るか、または変異され得る。
LT-Aの誘導体(例えばフラグメント)もしくは異なるE.coli株のLT-Aタンパク質において、変異されるべきアミノ酸残基は、Domenighiniら(Molec.Microbiol. (1995) 15:1165〜1167)でLT-Aについて定義されるように、Ala-72に対応するアミノ酸残基であると認識されている。Ala-72は、LT-Aのαヘリックスの第2番目のターンに位置し、かつNAD結合部位に面している。
Ala-72の変異は、置換、挿入、もしくは欠失であり得る。好ましくは、異なるアミノ酸での置換である。最も好ましい変異は、Ala-72のアルギニンでの置換であり、その標準的命名法はA72Rである。
A72R変異体は残存毒性を保持する一方、本発明の範囲内の他の変異体は、毒性を有し得ない(例えば、他の部位で1つ以上の変異を有する変異体もしくは化学的手段によりさらに解毒されるトキソイド)。
野生型アミノ酸に対して置換される特定のもしくは各アミノ酸(Ala-72もしくは他の場所かのどちらか)は、天然に存在するアミノ酸であり得るか、または改変されたアミノ酸もしくは合成アミノ酸であり得る。ただし、その変異体は、必要とされる免疫原性特性および解毒特性を保持する。
置換されたアミノ酸の立体的な影響を可能な限り保持する一方、タンパク質の両性(amphotericity)および/もしくは親水性を変更する置換が、一般に好ましい。
本発明のトキソイドは、従来のペプチド合成技術を用いて化学的に合成され得るが、好ましくは、組換えDNA手段により産生される。
好ましくは、トキソイドは実質的に純粋な形態で得られる。
本発明の第2の局面によれば、本発明の第1の局面の免疫原性の解毒タンパク質および薬学的に許容可能なキャリアを含む免疫原性組成物が提供される。この免疫原性組成物は、E.coliの腸毒素産生株自体に対するワクチンであり得、それゆえ、必要に応じてアジュバントをさらに含み得る。
酵素的活性が欠失した変異体の代表的な特性に加えて、変異体タンパク質もまた、アジュバント活性を示す。
さらに、免疫原性組成物は、別の疾患に対して免疫学的応答を惹起し得る第2の抗原をさらに含み得る。このような代替の組成物において、本発明の免疫原性の解毒タンパク質は、粘膜アジュバントとして作用し得る。
本発明の第3の局面によれば、第1の局面のトキソイドをアジュバントとして用いることが提供される。
本発明の第4の局面によれば、本発明の第1の局面による免疫原性の解毒されたタンパク質の免疫学的有効量を投与する工程を含むE.coliの腸毒素産生株に対して哺乳動物をワクチン接種する方法が提供される。必要に応じて、本発明の免疫原性の解毒タンパク質は、本発明の免疫原性の解毒タンパク質と別々に、連続して、もしくは同時に投与された第2の免疫原性タンパク質のためのアジュバントとして作用し得る。
本発明の第5の局面によれば、本発明の第1の局面による免疫原性の解毒タンパク質をコードするDNA配列が提供される。
好ましくは、このDNA配列は、多シストロン性ユニットにおいて解毒されたサブユニットAおよびサブユニットBの両方をコードする。あるいは、このDNAは解毒されたサブユニットAのみをコードし得る。
本発明の第6の局面によれば、本発明の第5の局面によるDNA配列を含むベクターが提供される。
本発明の第7の局面によれば、本発明の第6の局面によるベクターを用いて形質転換された宿主細胞が提供される。
この宿主細胞は、所望の免疫原性の解毒タンパク質を産生するために適切にトランスフェクトされた、第5の局面によるDNA配列を発現し得る任意の宿主であり得るが、好ましくは細菌であり、最も好ましくは、E.coliである。
本発明の第7の局面についてのさらなる実施態様では、宿主細胞は、それ自体、保護性の種(例えば、野生型LTを欠失して、そして本発明の第1の局面の免疫原性の解毒タンパク質を発現している表現型に変異したE.coli株)を提供し得る。
本発明の第8の局面によれば、本発明の第7の局面による宿主細胞を培養する工程を含む本発明の第1の局面による免疫原性の解毒タンパク質を産生するためのプロセスが提供される。
本発明の第9の局面によれば、野生型LT-AをコードするDNAまたはそのフラグメントを部位特異的変異誘発に供する工程を含む、本発明の第5の局面によるDNAを産生するためのプロセスが提供される。
本発明の第10の局面によれば、本発明の第1の局面による免疫原性の解毒タンパク質を、薬学的に受容可能なキャリアと、および必要に応じてアジュバントと会合させる工程を含む、第2の局面による免疫原性組成物の処方物のためのプロセスが提供される。
本発明の第11の局面によれば、上記被験体に対して、第2の局面による免疫原性組成物の免疫学的に有効な用量を投与する工程を含む、被験体における疾患の予防または処置のための方法が提供される。
産業上の利用可能性
本発明の免疫原性の解毒タンパク質は、E.coliの腸毒素産生株による感染の予防および処置に有用なワクチン組成物の活性成分を構成し得る。免疫原性の解毒タンパク質はまた、粘膜アジュバントとしてワクチン組成物に用いられ得る。従って、この組成物は、薬学的産業での使用のために利用可能である。
発明の実施態様の詳細な説明
本発明の実施は、他に示されない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来技術(これらは当該技術内である)を使用する。このような技術は、文献において十分に説明される。例えば、Sambrookら、MOLECULARCLONING;A LABORATORY MANUAL,第2版 (1989);DNA CLONING,第IおよびII巻(D.N Glover編1985);OLIGONUCLEOTIDESYNTHESIS(M.J.Gait編,1984);NUCLEIC ACID HYBRIDIZATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編1984);TRANSCRIPTIONAND TRANSLATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編1984);ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Freshney編1986);IMMOBILIZEDCELLS AND ENZYMES(IRL Press,1986);B.Perbal,A PRACTICAL GUIDE TO MOLECULARCLONING(1984);シリーズ、METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.);GENE TRANSFERVECTORS FOR MAMMALIAN CELLS(J.H.MillerおよびM.P.Calos編1987,Cold Spring HarborLaboratory)、Methods in Enzymology 第154巻および第155巻(それぞれ、WuおよびGrossmanならびにWu編)、MayerおよびWalker編(1987),IMMUNOCHEMICALMETHODS IN CELL AND MOLECULAR BIOLOGY(Academic Press,London)、Scopes,(1987),PROTEINPURIFICATION:PRINCIPLES AND PRACTICE,第2版(Springer-Verlag,N.Y.)、およびHANDBOOK OFEXPERIMENTAL IMMUNOLOGY,第I-IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編1986)を参照のこと
ヌクレオチドおよびアミノ酸の標準的な略語が本明細書において使用される。本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、参考として援用される。
特に、以下のアミノ酸略語が使用される:
アラニン A Ala アルギニン R Arg
アスパラギン N Asn アスパラギン酸 D Asp
システイン C Cys グリシン G Gly
グルタミン酸 E Glu グルタミン Q Gln
ヒスチジン H His イソロイシン I Ile
ロイシン L Leu リジン K Lys
メチオニン M Met フェニルアラニン F Phe
プロリン P Pro セリン S Ser
スレオニン T Thr トリプトファン W Trp
チロシン Y Tyr バリン V Val
上述のように、本発明において使用され得る免疫原性無毒化タンパク質の例は、詳細に述べられた変異部位以外に、タンパク質の天然アミノ酸配列に由来する少数のアミノ酸変化を有するポリペプチドを含む。
天然供給源からタンパク質を単離および精製することよりむしろ、組換えDNA技術により免疫原性無毒化タンパク質を生成する重大な利点は、等量のタンパク質が、天然供給源からタンパク質を単離するために必要とされる出発物質より少ない出発物質を使用することにより生成され得ることである。タンパク質を組換え技術により生成することはまた、タンパク質が、細胞に正常に存在するいくつかのタンパク質の非存在下で単離されることを可能にする。実際に、ヒトタンパク質汚染物質のいずれの痕跡も完全に含まないタンパク質組成物は、容易に生成され得る。なぜなら、組換え非ヒト宿主により生成されるヒトタンパク質のみが、係争中の組換えタンパク質であるからである。天然供給源に由来する潜在的なウイルス因子およびヒトに病原性のウイルス成分もまた避けられる。また、遺伝子的に無毒化された毒素は、より伝統的な化学的に無毒化された毒素ほど、毒性形態に戻らないようである。
薬学的に受容可能なキャリアは、それ自体が組成物を受ける個体に有害な抗体の生成を誘導しない、任意のキャリアを含む。適切なキャリアは、代表的に、大きな、ゆっくりと代謝される巨大分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム)および不活性ウイルス粒子)である。このようなキャリアは、当業者に周知である。さらに、これらのキャリアは、免役刺激剤(アジュバント)として機能し得る。
免疫原組成物の有効性を増強するための好ましいさらなるアジュバントは、以下を含むが、それらに限定されない:アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなど)、他の特定の免疫刺激剤(例えば、ムラミルペプチドまたは細菌細胞壁成分)を含むかまたは含まない、油エマルジョン処方物(例えば、(1)MF59(公開された国際特許出願WO90/14837、5%スクアレン、0.5%Tween(R)80、0.5%Span(R)85(必要としないが、必要に応じて、種々の量のMTP-PE(以下を参照のこと)を含む)を含む)、マイクロフルイダイザー(microfluidizer)(例えば、Model110Yマイクロフルイダイザー(Microfluidics,Newton,MA 02164))を用いてミクロン以下の粒子に処方される、(2)SAF(10%スクアレン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロックされたポリマーL121およびthr-MDP(以下を参照のこと)を含む)、サブミクロン以下のエマルジョンにマイクロフルイダイズ(microfluidize)されるか、またはより大きな粒子サイズのエマルジョンを作製するためにボルテックスされるかのいずれか、ならびに(3)RIBITMアジュバントシステム(RAS)(RibiImmunochem,Hamilton,MT)(2%スクアレン、0.2%Tween(R)80、ならびにモノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)および細胞壁骨格(CWS)からなる群に由来する1つ以上の細菌細胞壁成分(好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM)、ムラミルペプチド(例えば、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソ-グルタミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)など)、ならびにサイトカイン(例えば、インターロイキン(IL-1、IL-2など)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TMF)など)を含む)。さらに、サポニンアジュバント(例えば、StimulonTM(CambridgeBioscience,Worcester,MA))またはそれから作製される粒子(例えば、ISCOMS(免役刺激複合体))が使用され得る。さらに、完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)が使用され得る。ミョウバンおよびMF59が好ましい。
本発明の免疫原性無毒化タンパク質は、ヒトまたは動物の身体の処置またはワクチン接種のための免疫学的に活性な組成物における第2の抗原のアジュバントとして使用され得る。
免疫原組成物(例えば、抗原、薬学的に受容可能なキャリアおよびアジュバント)は、代表的に、希釈剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなど)を含む。さらに、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質など)は、このようなビヒクルに存在し得る。
代表的に、免疫原組成物は、液体溶液または懸濁物のいずれかとして、注射可能なように調製される;注射前の液体ビヒクル中の溶液または懸濁物に適した固体形態もまた調製され得る。調製物はまた乳化され得るか、または薬学的に受容可能なキャリア下での上記のような増強されたアジュバント効果のためにリポソームにカプセル化され得る。
ワクチンとして使用される免疫原組成物は、免疫学的に有効な量の抗原性ポリペプチド、ならびに必要な場合、任意の他の上述の成分を含む。「免疫学的に有効な量」は、単一用量または連続の一部のいずれかにおいて、個体へのその量の投与が処置または予防に有効であることを意味する。この量は、処置される個体の健康および肉体的状態、処置される個体の分類学的グループ(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する能力、所望の保護程度、ワクチンの処方、医療状況の処置医師の補助、ならびに他の関連因子に依存して変化する。この量は、日常的な試験により決定され得る比較的広い範囲になることが期待される。
免疫原組成物は、非経口的に(例えば、皮下的または筋肉内的のいずれかで注射により)従来的に投与される。投与の他の形式に適したさらなる処方物は、経口および肺処方物、座薬および経皮的適用を含む。投薬処置は、単一用量スケジュールまたは複数用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤と共に投与され得る。
本明細書中で使用する用語「組換えポリヌクレオチド」は、ゲノム、cDNA、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドを意図し、これらは、その起源または操作によって、(1)天然で結合するポリヌクレオチドの全てまたは一部と結合しないか、(2)天然で連結するポリヌクレオチド以外のポリヌクレオチドに連結するか、または(3)天然で生じない。
本明細書中で使用する用語「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態をいう。この用語は、分子の一次構造のみをいう。従って、この用語は、2本鎖および1本鎖のDNAおよびRNAを含む。既知の型の修飾(例えば、当該分野で公知の標識、メチル化、「キャップ」、1つ以上の天然に生じるヌクレオチドとアナログとの置換、ヌクレオチド間修飾(例えば、非荷電連結(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)および荷電連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を有するもの)、ペンダント部分(例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リジンなどを含む))を有するもの、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレーター(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された連結を有するもの(例えば、アルファアノマー核酸など)、ならびにポリヌクレオチドの非修飾形態)を含む。
「レプリコン」は、細胞内でポリヌクレオチド複製の自律単位として機能する任意の遺伝要素(例えば、プラスミド、染色体、ウイルス、コスミドなど)であり;すなわちそれ自体の制御下で複製し得る。これは選択マーカーを含み得る。
「ベクター」は、接着されるセグメントの複製および/または発現を引き起こすために、別のポリヌクレオチドセグメントが接着されるレプリコンである。
「制御配列」は、それらが連結されるコード配列の発現をもたらすのに必要なポリヌクレオチド配列をいう。このような制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なり;原核生物において、このような制御配列は、一般的に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含み;真核生物において、一般的に、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終結配列を含む。用語「制御配列」は、最小で、その存在が発現に必要である全ての成分を含むことが意図され、そしてその存在が有利であるさらなる成分(例えば、リーダー配列および融合パートナー配列)も含み得る。
「作動可能に連結された」は、そのように記載された成分が、それらがそれらの意図された様式で機能するのを可能にする関係にある並置をいう。コード配列に「作動可能に連結される」制御配列は、コード配列の発現が制御配列に適合した条件下で達成されるような方法で連結される。
「オープンリーディングフレーム」(ORF)は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の領域であり;この領域は、コード配列の一部または全部のコード配列を示し得る。
「コード配列」は、適切な調節配列の制御下に置かれた場合、通常mRNAを介してポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列の境界は、5’末端の翻訳開始コドンおよび3’末端の翻訳停止コドンにより決定される。コード配列は、cDNAおよび組換えポリヌクレオチド配列を含み得るが、それらに限定されない。
「PCR」は、Saikiら、Nature324:163(1986);およびScharfら、Science(1986)233:1076-1078;およびU.S.4,683,195;およびU.S.4,683,202に記載されるようなポリメラーゼ連鎖反応の技術をいう。
本明細書中で使用するxは、xが天然に同一の様式でyと結合しない場合、yに関して「異種」である;すなわち、xは天然でyと結合しないか、またはxは、天然で見出されるのと同じ様式ではyと結合しない。
「相同性」は、xとyとの間の類似性の程度をいう。1つの形態に由来する配列と別の配列との対応は、当該分野で公知の技術により決定され得る。例えば、それらは、ポリヌクレオチド配列情報の直接比較により決定され得る。あるいは、相同性は、相同領域間で安定な二重鎖を形成する条件(例えば、S1消化前に使用される条件)下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、それに続く1本鎖特異的ヌクレアーゼ(単数または複数)での消化、それに続く消化フラグメントのサイズ決定により決定され得る。
本明細書中で使用する用語「ポリペプチド」はアミノ酸のポリマーをいい、そして産物の特定の長さをいわず;従って、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)を言及も、排除もしない。例えば、1つ以上のアミノ酸アナログ(例えば、非天然アミノ酸などを含む)を含むポリペプチド、置換された結合を有するポリペプチド、ならびに当該分野で公知の他の修飾(天然に生じるものおよび非天然に生じるものの両方)は、定義内に含まれる。
示された核酸配列に「由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、この配列にコードされるポリペプチドのアミノ酸配列またはその一部(ここで一部は、少なくとも3〜5アミノ酸、より好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、いっそうより好ましくは少なくとも11〜15アミノ酸からなる)に同一のアミノ酸配列を有するか、またはこの配列にコードされるポリペプチドと免疫学的に同一である、ポリペプチドをいう。この用語法はまた、示された核酸配列から発現されたポリペプチドを含む。
タンパク質は、タンパク質に特異的な、モノクローナルまたはポリクローナルいずれかの抗体を生成するために使用され得る。これらの抗体を生成するための方法は、当該分野で公知である。
「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞培養物」、および他のこのような用語は、例えば、組換えベクターまたは他の転移DNAのレシピエントとして使用され得るか、または使用されている、微生物、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を示し、そして形質転換された最初の細胞の子孫を含む。単一の親細胞の子孫は、天然の、偶然の、または故意の変異に起因して、形態においてまたはゲノムもしくは総DNA相補物において最初の親と必ずしも完全に同一でなくてもよいことが理解される。哺乳動物宿主細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびサル腎臓(COS)細胞を含む。
具体的には、本明細書中で使用する「細胞株」は、インビトロで連続または延長した増殖および分裂をし得る細胞の集団をいう。しばしば、細胞株は、単一の前駆細胞に由来するクローン集団である。さらに、自発的または誘導された変化が、このようなクローン集団の貯蔵または移動の間に核型において起こり得ることは当該分野で公知である。従って、言及された細胞株に由来する細胞は、祖先細胞または培養物に正確に同一でなくてもよく、そして言及された細胞株は、このような改変体を含む。用語「細胞株」はまた、不死化細胞を含む。好ましくは、細胞株は、非ハイブリッド細胞株または2つのみの細胞型に対するハイブリドーマを含む。
本明細書中で使用する用語「微生物」は、原核生物および真核生物の微生物種(例えば、細菌および真菌)を含み、後者は酵母および糸状菌を含む。
本明細書中で使用する「形質転換」は、挿入のために使用される方法(例えば、直接的取り込み、形質導入、F接合またはエレクトロポレーション)と関係なく、外因性ポリヌクレオチドの宿主細胞への挿入をいう。外因性ポリヌクレオチドは、組込まれないベクター(例えば、プラスミド)として維持され得るか、あるいは宿主ゲノムに組込まれ得る。
「ゲノム」は、ベクターにクローニングされた制限フラグメントに由来するDNA分子の収集物またはライブラリーを意味する。これは、生物の遺伝物質の全てまたは一部を含み得る。
「cDNA」は、DNAの相補鎖にハイブリダイズする相補的DNA配列を意味する。
「精製された」および「単離された」は、ポリペプチドまたはヌクレオチド配列をいう場合、示された分子が、同じ型の他の生物学的巨大分子の実質的な非存在下で存在することを意味する。本明細書中で使用する用語「精製された」は、存在する同じ型の生物学的巨大分子の、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%意味する(しかし、水、緩衝液、および他の低分子、特に1000未満の分子量を有する分子は存在し得る)。
一旦適切なコード配列が単離されると、種々の異なる発現系;例えば、哺乳動物細胞、バキュロウイルス、細菌および酵母を用いて使用される発現系において発現され得る。
i.哺乳動物系
哺乳動物発現系は、当該分野で公知である。哺乳動物プロモーターは、哺乳動物RNAポリメラーゼに結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは転写開始領域を有し、これは通常コード配列の5’末端の近位に置かれ、そしてTATAボックスは、通常、転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流に位置する。TATAボックスは、正しい部位でRNA合成を始めるようにRNAポリメラーゼIIを導くと考えられる。哺乳動物プロモーターはまた、通常TATAボックスの100〜200bp上流内に位置する、上流プロモーターエレメントを含む。上流プロモーターエレメントは、転写が開始される速度を決定し、そしていずれの方向でも作用し得る(Sambrookら(1989)「哺乳動物細胞におけるクローニング遺伝子の発現」MolecularCloning:A Laboratory Manual.第2版)。
哺乳動物ウイルス遺伝子はしばしば非常に発現され、そして広い宿主範囲を有する;従って、哺乳動物ウイルス遺伝子をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。SV40初期プロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)、および単純ヘルペスウイルスプロモーターが例として挙げられる。さらに、非ウイルス遺伝子に由来する配列(例えば、マウスメタロチオネイン遺伝子)もまた、有用なプロモーター配列を提供する。発現は、プロモーターがホルモン応答細胞においてグルココルチコイドで誘導され得ることに依存して、構成的または調節的(誘導的)のいずれかであり得る。
上記のプロモーターエレメントと組み合わされるエンハンサーエレメント(エンハンサー)の存在は、通常、発現レベルを増大する。エンハンサーは、同種または異種のプロモーターに連結された場合、1000倍まで転写を刺激し得る調節DNA配列であり、合成は正常なRNA開始部位で始まる。エンハンサーはまた、それらが、正常なもしくは裏返しにされた方向でまたはプロモーターから1000より多いヌクレオチドの距離のいずれかで、転写開始部位の上流または下流の置かれても活性である(Maniatisら(1987)Science236:1237;Albertsら(1989)Molecular Biology of the Cell,第2版)。ウイルスに由来するエンハンサーエレメントは、それらが通常より広い宿主範囲を有するので、特に有用で有り得る。SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら(1985)EMBOJ.4:761)ならびにラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)(Gormanら(1982b)Proc.Natl.Acad.Sci.79:6777)およびヒトサイトメガロウイルス(Boshartら(1985)Cell41:521)に由来するエンハンサー/プロモーターが例として挙げられる。さらに、いくつかのエンハンサーは調節可能であり、そしてインデューサー(例えば、ホルモンまたは金属イオン)の存在下でのみ活性になる(Sassone-CorsiおよびBorelli(1986)TrendsGenet.2:215;Maniatisら(1987)Science 236:1237)。
DNA分子は、哺乳動物細胞において細胞内的に発現され得る。プロモーター配列はDNA分子と直接連結され得る。この場合、組換えタンパク質N末端の第1のアミノ酸は、常にATG開始コドンによりコードされるメチオニンである。所望であれば、N末端は、臭化シアンとのインビトロインキュベーションによりタンパク質から切断され得る。
あるいは、外来タンパク質はまた、哺乳動物細胞において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントからなる融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、細胞から増殖培地に分泌され得る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位がある。リーダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸からなるシグナルペプチドをコードする。アデノウイルスの3部から成るリーダーは、哺乳動物細胞において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列の例である。
通常、哺乳動物細胞により認識される転写終結およびポリアデニル化配列は、翻訳停止コドンに対して3’に位置する調節領域であり、従って、プロモーターエレメントと共に、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末端は、部位特異的転写後切断およびポリアデニル化により形成される(Birnstielら(1985)Cell41:349;ProudfootおよびWhitelaw(1988)「真核生物RNAの終結および3’末端プロセシング」Transcriptionand splicing(B.D.HamesおよびD.M.Glover編);Proudfoot(1989)TrendsBiochem.Sci.14:105)。これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を指向する。転写ターミネーター/ポリアデニル化シグナルの例として、SV40に由来するもの(Sambrookら(1989)「培養哺乳動物細胞におけるクローニングされた遺伝子の発現」MolecularCloning:A Laboratory Manual)が挙げられる。
いくつかの遺伝子は、イントロン(介在配列とも呼ばれる)が存在する場合により効率的に発現され得る。しかし、いくつかのcDNAは、スプライシングシグナル(スプライスドナーおよびアクセプター部位とも呼ばれる)を欠くベクターから効率的に発現されている(例えば、GothingおよびSambrook(1981)Nature293:620を参照のこと)。イントロンは、スプライスドナーおよびアクセプター部位を含む、コード配列内の介在非コード配列である。それらは、1次転写物のポリアデニル化後、「スプライシング」と呼ばれるプロセスにより除去される(Nevins(1983)Annu.Rev.Biochem.52:441;Green(1986)Annu.Rev.Genet.20:671;Padgettら(1986)Annu.Rev.Biochem.55:1119;KrainerおよびManiatis(1988)「RNAスプライシング」Transcriptionand splicing(B.D.HamesおよびD.M.Glover編))。
通常、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および転写終結配列を含む上記の成分は、発現構築物中にまとめられる。エンハンサー、機能的なスプライスドナーおよびアクセプター部位を有するイントロン、ならびにリーダー配列もまた、所望であれば発現構築物に含まれ得る。発現構築物は、しばしば、レプリコン(例えば、宿主(例えば、哺乳動物細胞または細菌)において安定維持が可能な染色体外要素(例えば、プラスミド))において維持される。哺乳動物複製系は動物ウイルスに由来するものを含み、これは複製するためにトランス作用因子を必要とする。例えば、パポバウイルス(例えば、SV40(Gluzman(1981)Cell 23:175)またはポリオーマウイルス)の複製系を含むプラスミドは、適切なウイルスT抗原の存在下で極度に高いコピー数まで複製する。哺乳動物レプリコンのさらなる例は、ウシパピローマウイルスおよびエプスタイン-バーウイルスに由来するものを含む。さらに、レプリコンは2つの複製系を有し得、従って、これが例えば、発現のために哺乳動物細胞においてならびにクローニングおよび増幅のために原核生物宿主において維持されることを可能にする。このような哺乳動物-細菌シャトルベクターの例は、pMT2(Kaufmanら(1989)Mol.Cell.Biol.9:946)およびpHEBO(Shimizuら(1986)Mol.Cell.Biol.6:1074)を含む。
使用される形質転換手順は、形質転換される宿主に依存する。異種ポリヌクレオチドの哺乳動物細胞への導入のための方法は当該分野で公知であり、そしてデキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中のポリヌクレオチド(単数または複数)のカプセル化、およびDNAの核への直接的マイクロインジェクションを含む。
発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は当該分野で公知であり、そしてAmerican Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な多くの不死化細胞株(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞ガン腫細胞(例えば、HepG2)、および多数の他の細胞株を含むが、それらに限定されない)を含む。
ii.バキュロウイルス系
タンパク質をコードするポリヌクレオチドはまた、適切な昆虫発現ベクターに挿入され得、そしてそのベクター内の制御エレメントに作動可能に連結される。ベクター構築物は、当該分野で公知の技術を使用する。
一般的に、発現系の成分は転移ベクター(通常、細菌プラスミド)を含み、これはバキュロウイルスゲノムのフラグメントおよび発現される異種遺伝子(単数または複数)の挿入のための便利な制限部位の両方;転移ベクターにおけるバキュロウイルス特異的フラグメントに相同な配列を有する野生型バキュロウイルス(これは、異種遺伝子のバキュロウイルスゲノムへの相同組換えを可能にする);ならびに適切な昆虫宿主細胞および増殖培地を含む。
タンパク質をコードするDNA配列を転移ベクターに挿入した後、ベクターおよび野生型ウイルスゲノムは、ベクターおよびウイルスゲノムが組換えることが許容される昆虫宿主細胞にトランスフェクトされる。パッケージされた組換えウイルスは発現され、そして組換えプラークは同定および精製される。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料と方法は、とりわけInvitrogen,SanDiego CAからのキット形態(「MaxBac」キット)で市販されている。これらの技術は一般的に当業者に公知であり、そしてSummerおよびSmith,TexasAgricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)(下文では「SummerおよびSmith」)において十分に記載される。
タンパク質をコードするDNA配列をバキュロウイルスゲノムに挿入する前に、プロモーター、リーダー(所望であれば)、目的のコード配列、および転写終結配列を含む上記の成分は、通常、中間転移配置(transplacement)構築物(転移ベクター)に集められる。この構築物は、単一遺伝子および作動可能に連結された調節エレメント;各々がそれ自身のセットの作動可能に連結された調節エレメントを有する複数遺伝子;または同じセットの調節エレメントにより調節される複数遺伝子を含み得る。中間転移配置構築物は、しばしば、レプリコン(例えば、宿主(例えば、細菌)において安定維持が可能な染色体外要素(例えば、プラスミド))において維持される。レプリコンは複製系を有し、従って、これがクローニングおよび増幅のために適切な宿主において維持されることを可能にする。
現在、外来遺伝子をAcNPVへ導入するための最も一般的に使用される転移ベクターはpAc373である。当業者に公知である多くの他のベクターもまた設計されている。これらは、例えば、pVL985(ATGからATTにポリヘドリン開始コドンを変え、そしてATTから32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導入する;LuckowおよびSummers,Virology(1989)17:31を参照のこと)を含む。
プラスミドはまた、通常、E.coliにおける選択および増殖のために、ポリヘドリンポリアデニル化シグナル(Millerら(1988)Ann.Rev.Microbiol.,42:177))および原核生物アンピシリン耐性(amp)遺伝子および複製起点を含む。
バキュロウイルス転移ベクターは、通常、バキュロウイルスプロモーターを含む。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(5’から3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に隣接して置かれる転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。バキュロウイルス転移ベクターはまた、エンハンサーと呼ばれる第2のドメインを有し得、これは存在すれば、通常、構造遺伝子に対して遠位である。発現は、調節的または構成的のいずれかであり得る。
ウイルス感染サイクルの後期で豊富に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列を提供する。ウイルスポリヘドリンタンパク質をコードする遺伝子に由来する配列が例として挙げられる(Friesenら(1986)「バキュロウイルス遺伝子発現の調節」The Molecular Biology ofBaculoviruses(Walter Doerfler編);EPO公報第127 839号および同第155 476号;ならびにthe geneencoding the p10 protein,Vlakら(1988),J.Gen.Virol.69:765)。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌される昆虫またはバキュロウイルスタンパク質の遺伝子(例えば、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子(Carbonellら(1988)Gene,73:409))に由来し得る。あるいは、哺乳動物細胞翻訳後修飾(例えば、シグナルペプチド切断、タンパク質分解切断、およびリン酸化)のためのシグナルは、昆虫細胞により認識されると思われ、そして分泌および核蓄積に必要とされるシグナルはまた、無脊椎動物細胞と脊椎動物細胞との間で保存されると思われるので、非昆虫起源のリーダー(例えば、ヒトα-インターフェロン(Maedaら(1985),Nature315:592);ヒトガストリン関連ペプチド、Lebacq-Verheydenら(1988),Molec.Cell.Biol.8:3129;ヒトIL-2、Smithら(1985)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA,82:8404;マウスIL-3、(Miyajimaら(1987)Gene58:273);およびヒトグルコセレブロシダーゼ、Martinら(1988)DNA,7:99をコードする遺伝子に由来するもの)はまた、昆虫における分泌を提供するために使用され得る。
組換えポリペプチドまたはポリタンパク質は細胞内で発現され得るか、または適した調節配列を用いて発現される場合、分泌され得る。非融合外来タンパク質の良い細胞内発現は、通常、ATG開始シグナルに先行する適切な翻訳開始シグナルを含む短いリーダー配列を理想的に有する異種遺伝子を必要とする。所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションにより成熟タンパク質から切断され得る。
あるいは、天然に分泌されない組換えポリタンパク質またはタンパク質は、昆虫において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントからなる融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、昆虫細胞から分泌され得る。リーダー配列フラグメントは、通常、タンパク質の小胞体への転置を指向する、疎水性アミノ酸からなるシグナルペプチドをコードする。
タンパク質の発現産物前駆体をコードするDNA配列および/または遺伝子の挿入後、昆虫細胞宿主は、通常同時トランスフェクションにより、移入ベクターの異種DNAおよび野生型バキュロウイルスのゲノムDNAで同時形質転換される。構築物のプロモーターおよび転写終結配列は、通常、バキュロウイルスゲノムの2〜5kbの断片を含む。異種DNAをバキュロウイルスウイルスにおける所望の部位に導入するための方法は、当該分野で公知である。(SummersおよびSmith前出;Juら(1987);Smithら、Mol.Cell.Biol.(1983) 3:2156;ならびにLuckowおよびSummers(1989)を参照のこと)。例えば、挿入は、相同2重交差組換えによるポリヘドリン遺伝子のような遺伝子へであり得;挿入はまた、所望のバキュロウイルス遺伝子に操作された制限酵素部位へであり得る。Millerら(1989),Bioassays4:91。DNA配列は、発現ベクターにおいてポリヘドリン遺伝子の代わりにクローニングされる場合、ポリヘドリン特異的配列により5’および3’の両方に隣接され、そしてポリヘドリンプロモーターの下流に配置される。
新たに形成されたバキュロウイルス発現ベクターは、続いて、感染性組換えバキュロウイルスにパッケージされる。相同組換えは低頻度(約1%〜約5%)で起こり;従って、同時トランスフェクション後に生成されたウイルスの大部分は、なお野生型ウイルスである。従って、組換えウイルスを同定するための方法が必要である。この発現系の利点は、組換えウイルスが判別されるのを可能にする視覚的スクリーニングである。ポリヘドリンタンパク質(これは天然ウイルスにより生成される)は、ウイルス感染後後期で感染細胞の核において非常に高いレベルで生成される。蓄積されたポリヘドリンタンパク質は、埋められた粒子もまた含む、閉塞体(occulusion body)を形成する。これらの閉塞体は(サイズが15μmまで)非常に屈折し、それらを光学顕微鏡下で容易に視覚化される輝く光沢のある外見にする。組換えウイルスで感染させられた細胞は閉塞体を欠く。組換えウイルスと野生型ウイルスとを区別するために、トランスフェクション上清は、当業者に公知の技術により昆虫細胞の単層上にプラーク形成させられる。すなわち、プラークは、閉塞体の存在(野生型ウイルスを示す)または非存在(組換えウイルスを示す)について光学顕微鏡下でスクリーニングされる。「CurrentProtocols in Microbiology」第2巻(Ausubelら編) 16.8(補遺10,1990);SummersおよびSmith、前出;Millerら(1989)。
組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞への感染のために開発された。例えば、組換えバキュロウイルスは、とりわけ:Aedes aeqyptiAutographa californicaBombyx moriDrosophila melanogasterSpodoptera fruqiperda、およびTrichoplusianiのために開発されている(PCT公開番号WO 89/046699;Carbonellら(1985)J.Virol.56:153;Wright(1986)Nature321:718;Smithら(1983)Mol.Cell.Biol.3:2156;および一般的に、Fraserら(1989)InVitro Cell.Dev.Biol.25:225を参照のこと)。
細胞および細胞培養培地は、バキュロウイルス/発現系における異種ポリペプチドの直接的発現および融合発現の両方について市販されており;細胞培養技術は、一般的に当業者に公知である。例えば、SummersおよびSmith(前出)を参照のこと。
次いで、改変された昆虫細胞は適切な栄養培地において増殖され得、適切な栄養培地は、改変された昆虫宿主に存在するプラスミド(単数または複数)の安定維持を可能にする。発現産物遺伝子が誘導制御下である場合、宿主は高密度で増殖され得、そして発現が誘導され得る。あるいは、発現が構成的である場合、産物は培地に連続的に発現され、そして目的に産物を取り出し、そして枯渇した栄養分を増大させる間、栄養培地は連続的に循環されなければならない。産物は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC、アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなど);電気泳動;密度勾配遠心分離;溶媒抽出などのような技術により精製され得る。適切なように、産物は、必要とされる場合、実質的に任意の昆虫タンパク質(これもまた培地に分泌されるか、または昆虫細胞の溶解から生じる)を除去するために、宿主破片(例えば、タンパク質、脂質、および多糖)を少なくとも実質的に含まない産物を提供するために、さらに精製され得る。
タンパク質発現を得るために、形質転換体に由来する組換え宿主細胞は、組換えタンパク質をコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートされる。これらの条件は、選択される宿主細胞に依存して変化する。しかし、この条件は、当該分野で公知のものに基づいて当業者によって容易に確かめられ得る。
iii.細菌系
細菌発現技術は当該分野で公知である。細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(3’’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に隣接して置かれる転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。細菌プロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第2のドメインを有し得、これは近接したRNAポリメラーゼ結合部位(ここでRNA合成が始まる)と重複し得る。オペレーターは、遺伝子リプレッサータンパク質がオペレーターに結合し得、それにより特異的遺伝子の転写を阻害するので、負の調節された(誘導的)転写を可能にする。構成的発現は、負の調節エレメント(例えば、オペレーター)の非存在下で起こり得る。さらに、正の調節は、遺伝子アクチベータータンパク質結合配列(これは、存在する場合、通常RNAポリメラーゼ結合配列に(5’)隣接する)により達成され得る。遺伝子アクチベータータンパク質の例は、カタボライトアクチベータータンパク質(CAP)であり、これはEscherichiacoli(E.coli)におけるlacオペロンの転写を開始するのを助ける(Raibaudら(1984)Annu.Rev.Genet.18:173)。従って、調節される発現は正または負のいずれかであり得、それにより転写を増強または低減させるかのいずれかである。
代謝経路酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。糖代謝酵素(例えば、ガラクトース、ラクトース(lac)(Changら(1977)Nature 198:1056)、およびマルトース)に由来するプロモーター配列が例として挙げられる。さらなる例は、生合成酵素に由来するプロモーター配列(例えば、トリプトファン(trp)(Goeddelら(1980)Nucl.AcidsRes.8:4057;Yelvertonら(1981)Nucl.Acids Res.9:731;米国特許第4,738,921号;EPO公報第036 776号および同第121775号))を含む。g-ラオタマーゼ(bla)プロモーター系(Weissmann(1981)「インターフェロンのクローニングおよび他の誤り」Interferon3(I.Gresser編))、バクテリオファージλPL(Shimatakeら(1981)Nature 292:128)およびT5(米国特許第4,689,406号)プロモーター系はまた、有用なプロモーター配列を提供する。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターはまた細菌プロモーターとして機能する。例えば、1つの細菌プロモーターまたはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列は、別の細菌プロモーターまたはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列に接合され得、これは合成ハイブリッドプロモーターを創作する(米国特許第4,551,433号)。例えば、tacプロモーターは、trpプロモーターおよびlacリプレッサーにより調節されるlacオペロン配列の両方からなるハイブリッドtrp-lacプロモーターである(Amannら(1983)Gene25:167;de Boerら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:21)。さらに、細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合し、そして転写を開始する能力を有する、非細菌起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。非細菌起源の天然に存在するプロモーターはまた、原核生物においていくつかの遺伝子の高発現レベルを生じるための適合RNAポリメラーゼと対にされ得る。バクテリオファージT7RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、対にされたプロモーター系の例である(Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;Taborら(1985)Proc Natl.Acad.Sci.82:1074)。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バクテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域からなり得る(EPO公報第267851号)。
機能するプロモーター配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位はまた、原核生物における外来遺伝子の発現のために有用である。E.coliにおいて、リボソーム結合部位はシャイン-ダルガノ(SD)配列と呼ばれ、そして開始コドン(ATG)および開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に位置する長さが配列3〜9のヌクレオチドを含む(Shineら(1975)Nature254:34)。SD配列は、SD配列とE.coli 16S rRNA3’末端との間の塩基対形成により、mRNAのリボソームへの結合を促進すると考えられる(Steitzら(1979)「遺伝信号およびメッセンジャーRNAにおけるヌクレオチド配列」BiologicalRegulation and Development:Gene Expression(R.F.Goldberger編))。真核生物遺伝子および原核生物遺伝子を弱いリボソーム結合部位で発現させること(Sambrookら(1989)「Escherichiacoliにおけるクローニングされた遺伝子の発現」Molecular Cloning:A Laboratory Manual)。
DNA分子は、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、DNA分子と直接的に連結され得、この場合、N末端の第1のアミノ酸は常にメチオニンであり、これはATG開始コドンによりコードされる。所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションにより、または細菌メチオニンN末端ペプチダーゼとのインビボもしくはインビトロいずれかによるインキュベーション(EPO公報第219237号)により、タンパク質から切断され得る。
融合タンパク質は、発現を指向するための代替を提供する。通常、内因性細菌タンパク質または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種コード配列の5’末端に融合される。発現の際に、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合を提供する。例えば、バクテリオファージλ細胞遺伝子は、外来遺伝子の5’末端に連結され、そして細菌において発現され得る。得られた融合タンパク質は、好ましくは、プロセシング酵素(第Xa因子)が外来遺伝子に由来するバクテリオファージタンパク質を切断する部位を保持する(Nagaiら(1984)Nature309:810)。融合タンパク質はまた、lacZ(Jiaら(1987)Gene 60:197)、trpE(Allenら(1987)J.Biotechnol.5:93;Makoffら(1989)J.Gen.Microbiol.135:11)、およびChey(EPO公報第324647号)遺伝子に由来する配列で作製され得る。2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は、切断可能な部位をコードしてもよいし、またはコードしなくてもよい。別の例は、ユビキチン融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、好ましくはプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)が外来タンパク質からユビキチンを切断する部位を保持するユビキチン領域で作られる。この方法により、天然の外来タンパク質が単離され得る(Millerら(1989)Bio/Technology7:698)。
あるいは、外来タンパク質はまた、細菌において外来タンパク質の分泌を提供するシグナルペプチド配列フラグメントからなる融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を創作することにより細胞から分泌され得る(米国特許第4,336,336号)。シグナル配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸からなるシグナルペプチドをコードする。タンパク質は、増殖培地(グラム陽性細菌)または細胞周辺腔(細胞の内膜と外膜との間に位置する)(グラム陰性細菌)のいずれかに分泌される。好ましくは、プロセシング部位が存在し、これはインビボまたはインビトロのいずれかで切断され得、シグナルペプチドフラグメントと外来遺伝子との間にコードされ得る。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌される細菌タンパク質(例えば、E.coli外膜タンパク質遺伝子(ompA)(Masuiら(1983),ExperimentalManipulation of Gene Expression;Ghrayebら(1984)EMBO J.3:2437)、およびE.coliアルカリホスファターゼシグナル配列(phoA)(Okaら(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.82:7212))の遺伝子に由来し得る。さらなる例として、種々のBacillus株に由来するαアミラーゼ遺伝子のシグナル配列を使用して、B.subtilisに由来する異種タンパク質を分泌し得る(Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA79:5582;EPO公報第244 042号)。
通常、細菌により認識される転写終結配列は、翻訳停止コドンに対して3’に位置する調節領域であり、従って、プロモーターと共にコード配列に隣接する。これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を指向する。転写終結配列は、しばしば、転写終結を助けるステムループ構造を形成し得る約50ヌクレオチドのDNA配列を含む。強力なプロモーターを有する遺伝子(例えば、E.coliにおけるtrp遺伝子ならびに他の生合成遺伝子)に由来する転写終結配列が例として挙げられる。
通常、プロモーター、シグナル配列(所望の場合)、目的のコード配列、および転写終結配列を含む上記の成分は、発現構築物に共に配置される。発現構築物は、しばしば、レプリコン(例えば、宿主(例えば、細菌)において安定な維持が可能な染色体外要素(例えば、プラスミド))において維持される。レプリコンは複製系を有し、従って、これが発現またはクローニングおよび増幅のいずれかのために原核生物宿主において維持されるのを可能にする。さらに、レプリコンは、高コピー数または低コピー数のいずれかのプラスミドであり得る。高コピー数プラスミドは、一般的に、約5〜約200、通常約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20のプラスミドを含む。高コピー数または低コピー数のいずれかのベクターは、宿主におけるベクターおよび外来タンパク質の効果に依存して、選択され得る。
あるいは、発現構築物は、組込みベクターを用いて細菌ゲノムに組込まれ得る。組込みベクターは、通常、ベクターが組込むのを可能にする、細菌染色体に相同な少なくとも1つの配列を含む。組込みは、ベクターにおける相同DNAと細菌染色体との間の組換えから生じることが明らかである。例えば、種々のBacillus株に由来するDNAで構築された組込みベクターは、Bacillus染色体に組込む(EPO公報第127328号)。組込みベクターはまた、バクテリオファージまたはトランスポゾン配列からなり得る。
通常、染色体外および組込みの発現構築物は、形質転換された細菌株の選択を可能にする選択マーカーを含み得る。選択マーカーは細菌宿主において発現され得、そして細菌に薬物(例えば、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)、およびテトラサイクリン)耐性を与える遺伝子を含み得る(Daviesら(1978)Annu.Rev.Microbiol.32:469)。選択マーカーはまた、生合成遺伝子(例えば、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシン生合成経路における遺伝子)を含み得る。
あるいは、上記の成分のいくつかは、形質転換ベクターにおいて共に配置され得る。形質転換ベクターは、通常、レプリコンにおいて維持されるか、または上記のように組込みベクターに開発させられるかのいずれかである、選択マーカーからなる。
発現ベクターおよび形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組込みベクターのいずれか)は、多くの細菌への形質転換のために開発されている。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の細菌:Bacillus subtilis(Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EPO公報第036259号および同第063 953号;PCT公報番号WO 84/04541)、Escherichia coli(Shimatakeら(1981)Nature292:128;Amannら(1985)Gene 40:183;Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;EPO公報第036776号および同第136 829号、および同第136 907号)、Streptococcus cremoris(Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655);Streptococcuslividans(Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655)、Streptomyceslividans(米国特許第4,745,056号)について開発された。
外因性DNAを細菌宿主に導入する方法は当該分野で周知であり、そして通常、CaCl2または他の薬剤(例えば、2価カチオンおよびDMSO)のいずれかで処理された細菌の形質転換を含む。DNAはまた、エレクトロポレーションにより細菌細胞に導入され得る。形質転換手順は、通常、形質転換される細菌種によって変化する。例えば、(Massonら(1989)FEMSMicrobiol.Lett.60:273;Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EPO公報第036259号および同第063 953号;PCT公報番号WO 84/04541、Bacillus)、(Millerら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:856;Wangら(1990)J.Bacteriol.172:949、Campylobacter)、(Cohenら(1973)Proc.Natl.Acad.Sci.69:2110;Dowerら(1988)NucleicAcids Res.16:6127;Kushner(1978)「ColEl由来プラスミドを用いたEscherichia coliの形質転換の改善された方法」GeneticEngineering:Proceedings of the International Symposium on Genetic Engineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia編);Mandelら(1970)J.Mol.Biol.53:159;Taketo(1988)Biochem.Biophys.Acta949:318;Escherichia)、(Chassyら(1987)FEMS Microbiol.Lett.44:173Lactobacillus);(Fiedlerら(1988)Anal.Biochem 170:38、Pseudomonas);(Augustinら(1990)FEMSMicrobiol.Lett.66:203、Staphylococcus)、(Baranyら(1980)J.Bacteriol.144:698;Harlander(1987)「エレクトロポレーションによるStreptococcuslactisの形質転換」Streptococcal Genetics(J.FerrettiおよびR.CurtissIII編);Perryら(1981)Infec.Immun.32:1295;Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655;Somkutiら(1987)Proc.4thEvr.Conq.Biotechnology 1:412、Streptococcus)を参照のこと。
iv.酵母発現
酵母発現系はまた当業者に公知である。酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼに結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常コード配列の5’末端に隣接して置かれる転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位(「TATAボックス」)および転写開始部位を含む。酵母プロモーターはまた、上流アクチベーター配列(UAS)と呼ばれる第2のドメインを有し得、これは、存在する場合、通常、構造遺伝子に対して遠位である。UASは、調節的(誘導的)発現を可能にする。構成的発現はUASの非存在下で起こる。調節的発現は正または負のいずれかであり得、それにより転写を増強または低減させるかのいずれかである。
酵母は活性な代謝経路を有する発酵生物であり、従って、代謝経路の酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(EPO公報第284 044号)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸-デヒドロゲナーゼ()GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(EPO公報第329203号)が例として挙げられる。酸ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子もまた有用なプロモーター配列を提供する(Myanoharaら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA80:1)。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターはまた、酵母プロモーターとして機能する。例えば、1つの酵母プロモーターのUAS配列は、別の酵母プロモーターの転写活性化領域と接合され得、これは合成ハイブリッドプロモーターを創作する。このようなハイブリッドプロモーターの例は、GAP転写活性化領域に結合されたADH調節配列を含む(米国特許第4,876,197号および同第4,880,734号)。ハイブリッドプロモーターの他の例は、解糖酵素遺伝子(例えば、GAPまたはPyK)の転写活性化領域と組み合わされた、ADH2GAL4GAL10、またはPHO5遺伝子のいずれかの調節配列からなるプロモーターを含む(EPO公報第164556号)。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼに結合し、そして転写を開始する能力を有する、非酵母起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。このようなプロモーターの例は、とりわけ、(Cohenら(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:1078;Henikoffら(1981)Nature 283:835;Hollenbergら(1981)Curr.TopicsMicrobiol.Immunol.96:119;Hollenbergら(1979)「酵母Saccharomycescerevisiaeにおける細菌抗生物質耐性遺伝子iの発現」Plasmids of Medical,Environmental andCommercial Importance(K>N> TimmisおよびA.Puhler編);Mercerau-Puigalonら(1980)Gene11:163;Panthierら(1980)Curr.Genet.2:109)を含む。
DNA分子は、酵母において細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、DNA分子と直接的に連結され得、この場合、組換えタンパク質のN末端の第1のアミノ酸は常にメチオニンであり、これはATG開始コドンによりコードされる。所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションによりタンパク質から切断され得る。
融合タンパク質は、酵母発現系のための、ならびに哺乳動物、バキュロウイルス、および細菌の発現系における代替を提供する。通常、内因性酵母タンパク質または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種コード配列の5’末端に融合される。発現の際に、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合物を提供する。例えば、酵母またはヒトスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝子は、外来遺伝子の5’末端に連結され得、そして酵母において発現され得る。2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は、切断可能な部位をコードしてもよいし、またはコードしなくてもよい。例えば、EPO公報第196056号を参照のこと。別の例は、ユビキチン融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、ユビキチンを外来タンパク質から切断するために、プロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)部位を好ましくは保持するユビキチン領域を用いて作製される。したがって、この方法により、天然の外来タンパク質は単離され得る(例えば、PCT公報第WO88/024066号を参照のこと)。
あるいは、外来タンパク質はまた、酵母における外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントから構成される融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、細胞から増殖培地に分泌され得る。好ましくは、インビボまたはインビトロいずれかで切断され得る、リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。リーダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を導く、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌される酵母タンパク質の遺伝子(例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(EPO公報第012 873号;JPO公報第62,096,086号)およびA因子遺伝子(米国特許第4,588,684号))に由来し得る。あるいは、酵母においてもまた分泌を提供する非酵母起源のリーダー(例えば、インターフェロンリーダー)が存在する(EPO公報第060057号)。
分泌リーダーの好ましいクラスは、酵母α因子遺伝子のフラグメントを使用するものであり、これは「プレ」シグナル配列および「プロ」領域の両方を含む。使用され得るα因子フラグメントのタイプは、完全長プレ-プロα因子リーダー(約83アミノ酸残基)ならびに短縮されたα因子リーダー(通常、約25〜約50のアミノ酸残基)(米国特許第4,546,083号および同第4,870,008号;EPO公報第324274号)を含む。分泌を提供するα因子リーダーフラグメントを使用するさらなるリーダーは、第1の酵母のプレ配列および第2の酵母α因子に由来するプロ領域を用いて作製されたハイブリッドα因子リーダーを含む。(例えば、PCT公報第WO89/02463号を参照のこと)。
通常、酵母により認識される転写終結配列は、翻訳停止コドンの3’側に位置する調節領域であり、従って、プロモーターと共に、コード配列に隣接する。これらの配列は、DNAによりコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を導く。転写終結配列および酵母に認識される他の終結配列の例、例えば、解糖酵素をコードする配列。
通常、プロモーター、リーダー(所望の場合)、目的のコード配列、および転写終結配列を含む上記の成分は、発現構築物中に共に配置される。発現構築物は、しばしば、レプリコン(例えば、宿主(例えば、酵母または細菌)において安定に維持され得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド))において維持される。レプリコンは、2つの複製系を有し得、したがって、例えば、発現のためには酵母において、そしてクローニングおよび増幅のためには原核生物宿主においてレプリコンが維持されることが可能になる。このような酵母−細菌シャトルベクターの例は、YEp24(Botsteinら(1979)Gene8:17-24)、pCl/1(Brakeら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4642-4646)、およびYRp17(Stinchcombら(1982)J.Mol.Biol.158:157)を含む。さらに、レプリコンは、高コピー数または低コピー数いずれかのプラスミドであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に、約5〜約200、通常約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20を有する。エンター高コピー数または低コピー数ベクターは、宿主に対するベクターおよび外来タンパク質の効果に依存して、選択され得る。例えば、Brakeら(前出)を参照のこと。
あるいは、発現構築物は、組込みベクターを用いて酵母ゲノムに組込まれ得る。組込みベクターは、通常、そのベクターの組込みを可能にする、酵母染色体に相同な少なくとも1つの配列を含み、そして好ましくは、発現構築物に隣接する2つの相同な配列を含む。組込みは、ベクター中の相同DNAと酵母染色体との間の組換えから生じると思われる(Orr-Weaverら(1983)Methods in Enzymol.101:228-245)。組込みベクターは、ベクターへの含有に適切な相同配列を選択することにより、酵母中の特定の遺伝子座に指向させ得る。Orr-Weaverら(前出)を参照のこと。1つ以上の発現構築物が組込み得、これはたぶん産生される組換えタンパク質のレベルに影響する(Rineら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA80:6750)。ベクターに含まれる染色体配列は、ベクターにおいて単一セグメント(これは、ベクター全体の組込みをもたらす)として、またはベクターにおいて染色体の近接セグメントに相同で発現構築物に隣接する2つのセグメント(これは、発現構築物のみの安定な組込みをもたらし得る)としてのいずれかで生じ得る。
通常、染色体外および組込み発現構築物は、形質転換された酵母株の選択を可能にする選択マーカーを含み得る。選択マーカーは、酵母宿主において発現され得る生合成遺伝子(例えば、ADE2HIS4LEU2TRP1、およびALG7)、ならびにG418耐性遺伝子(それぞれ、ツニカマイシンおよびG418に対する耐性を酵母細胞に付与する)を含み得る。さらに、適切な選択マーカーはまた、毒性化合物(例えば、金属)の存在下で増殖する能力を酵母に提供し得る。例えば、CUP1の存在は、酵母が銅イオンの存在下で増殖するのを可能にする(Buttら(1987)Microbiol.Rev.51:351)。
あるいは、上記の成分のいくつかは、共に形質転換ベクターに配置され得る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて維持されるか、または組込みベクターに開発されるかのいずれかである選択マーカーから構成される。
発現ベクターおよび形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組込みベクターのいずれか)は、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母について開発された:Candidaalbicans(Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142)、Candida maltose(Kunzeら(1985)J.BasicMicrobiol.25:141)、Hansenula polymorpha(Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:302)、Kluyveromycesfragilis(Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1165)、Kluyveromyces lactis(DeLouvencourtら(1983)J.Bacteriol.154:737;Van den Bergら(1990)Bio/Technology8:135)、Pichia guillerimondii(Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141)、Pichiapastoris(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号)、Saccharomycescerevisiae(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.153:163)、Schizosaccharomycespombe(BeachおよびNurse(1981)Nature 300:706)、ならびにYarrowia lipolytica(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:380471、Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49)。
外因性DNAを酵母宿主に導入する方法は当該分野で周知であり、そして通常、スフェロプラストの形質転換またはアルカリカチオンで処理されたインタクトな酵母細胞の形質転換のいずれかを含む。形質転換手順は、通常、形質転換される酵母種により変化する。例えば、(Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142;Kunzeら(1985)J.BasicMicrobiol.25:141;Candida);(Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:302;Hansenula);(Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1165;DeLouvencourtら(1983)J.Bacteriol.154:1165;Van den Bergら(1990)Bio/Technology8:135;Kluyveromyces);(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;Kunzeら(1985)J.BasicMicrobiol.25:141;米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号;Pichia);(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.153:163;Saccharomyces);(BeachおよびNurse(1981)Nature300:706;Schizosaccharomyces);(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:39;Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49;Yarrowia)を参照のこと。
1.LTA72R変異体の調製
a.LTDNA供給源
プラスミドpEWD299に由来する1.5kbSmaI-EcoRIフラグメント(LT-A遺伝子およびLTプロモーター領域を含む)(Pronkら(1985)J.Biol.Chem.260:13580;Spicerら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:50)を、Bluescript KSベクター(Stratagene)にサブクローニングした。得られたベクター(BS-LT-Aと命名された)を、部位特異的変異誘発(ZollerおよびSmith(1982)Nucl.Acid.Res.10:6487)に使用した。
b.変異方法
部位特異的変異誘発を、BS-LT-Aベクターの一本鎖DNA上で、ZollerおよびSmith(前出)の方法に従って行った。使用したオリゴヌクレオチド:
5’GCTCACTTACGTGGACAGTCT3’(オリゴLTA72R)
は、Ala-72のコドン(GCA)をArgコドン(CGT)に変異する。
変異コドンを含む変異SmaI-EcoRIフラグメントを、LT-Bをコードする遺伝子を含む0.57kb EcoRI-HindIIIフラグメント(Pronkら;Spicerら)と連結し、そしてBluescriptKSベクター(Stratagene)にクローニングして、ベクターBS-LTA72Rを作製した。
c.LTA72R変異体の発現および精製
E.coliをBS-LTA72Rベクターで形質転換し、そして5リットル発酵槽においてLBブロス中で増殖させた。変異タンパク質LTA72Rを、制御孔ガラス(CPG350、Serva)およびA5Mアガロースカラムを用いて、次いでSephacryl S-200TMを用いるゲル濾過により、ペリプラズム(Pronkら;Magagnoliら(1996)InfectImmun 64:5434)から精製した。
精製材料のアリコートを、Superdex 200HRカラムで分析した。図1は、野生型LTおよび変異LTK63(Ser-63-Lys変異体−WO93/13202およびPizzaら(1994)J.Exp.Med.6:2147を参照のこと)と比較したLTA72Rの溶出プロフィールを示す。
LTA72Rは、完全に組み立てられたホロトキシン(holotoxin)に対応する単一ピークとして溶出し、プロフィールは、野生型LTおよびLTK63のプロフィールと同一である。このことは、A72R変異がAサブユニットの構造を変更しないこと、Aサブユニットが、ペリプラズムに効率的に輸出され、そしてAB5として正確に組み立てられることを証明する。4℃で貯蔵されたA72Rの100μlアリコートを、1年間2ヶ月毎に同じ方法で分析したが、溶出プロフィールの変化は検出されなかった。
2.物理学的特徴づけ
a.トリプシン消化
45μg毒素(LT、LTA72R、LTK63)を、37℃の最終容量150μlの10mMTris(pH7.5)において、9μgのトリプシンで処理した。30μlのサンプルを、5分間および30分間のインキュベーション後に収集し、そして反応を、3.6μgのトリプシンインヒビターを用いて停止させた。10μlの4×濃縮電気泳動サンプル緩衝液を、各サンプルに添加し、そして混合物を10分間95℃に加熱した。タンパク質を、15%SDSミニゲルにロードし、そしてクーマシーブリリアントブルーR-250で染色するか、またはニトロセルロース膜に移し、続いて膜を1:300希釈のウサギ抗LTポリクローナル血清とインキュベートした。
図2は、ウェスタンブロット分析の結果を示す。5分間のインキュベーション後、トリプシンは、ほとんど即座に、AサブユニットのA1およびA2ドメインへのニッキング(nicking)を引き起こし、そしてニッキングは30分までに完了する。LT、LTA72R、またはLTK63の間に、感受性の差は検出されなかった。
b.ポリアルギニンのADPリボシル化
LT(野生型および変異体)を、Laiら(BBRC102:1021、1981)により記載されるように分析し、そして結果を図3に示す。
LT-A72RのADPリボシル化活性は、程度(magnitude)が野生型LTの活性より少なくとも2桁低い:検出可能な活性を得るための最小濃度は、LTについては0.5μg、そしてLT-A72Rについては85μgであった。対照的に、LTK63は、全く活性を欠いている。
c.毒性
インビトロ毒性を、Y1副腎細胞(Dontaら(1973)Science 183:334)において、LTにより引き起こされる以下の形態変化により評価した。このアッセイを、マイクロタイタープレートにおいて、2倍希釈のLT、LT-A72R、およびLTK63で、50000細胞/ウェルを使用して行い、野生型については80pg/ウェル、そして変異体については40μg/ウェルから始めた。形態変化を、48時間のインキュベーション後に読み取った。
インビボ毒性を、回腸ループアッセイ(De(1959)Nature 183:1533)を用いて評価した。2匹のニュージーランド成体ウサギ(約2.5kg)を各アッセイに使用し、そして毒素(野生型、LT-A72R、LTK63)の1mlサンプルを、種々の濃度で各ループに注射し、コントロールループは1mlPBSを受けた。18〜20時間後、各ループに蓄積した液体の容量をシリンジで測定し、そして各ループの長さを再度測定した。4〜6回反復に由来する結果(ループの単位長さあたりの液体容量(ml/cm)として示された)を図5に示す。
ADPリボシル化結果と一致して、LT-A72Rは、Y1細胞において野生型LTの10-5の毒性を有し(図4)、そして回腸ループアッセイにおいて野生型より約20倍少ない毒性であった(図5)。以前に報告されたように、LTK63は、両方のアッセイにより完全に毒性がなかった。
3.免疫学的特徴づけ
a.粘膜アジュバント活性
LT-A72Rのアジュバント活性を、Douceら(PNAS 92:1644-1648(1995))のプロトコルを用いて試験した。10匹のBALB/cマウス(雌、4〜6週齢)のグループを、1μgの毒素(LT、LT-A72R、LTBまたはLK-K63)および10μgのOVAで鼻腔内的に免疫した。動物を軽く麻酔し、そして0、21および35日目に鼻孔あたり15μl容量で免疫した。免疫応答を、0、20、34および52日目に採取された血清サンプルにおいて追跡した。動物を屠殺し、そして鼻洗浄を、反復流水式洗浄および0.1%BSAを含む1mlPBSの吸引により行った。
LT特異的抗体を、GM1捕捉ELISAを用いて測定した。96ウェルプレート上の各ウェルを、4℃での一晩インキュベーションにより、150ngのGM1ガングリオシドで最初にコートした。次いで、ウェルをPBS(+0.05%Tween-20)で3回洗浄し、そして50ngの毒素を各ウェルに添加した。プレートを37℃で2時間インキュベートした。OVA特異的抗体を、60μg/mlOVAで各ウェルをコートすることにより評価し、そして4℃で一晩インキュベートした。
プレートを洗浄し、そしてウェルを37℃で1時間PBS(+1%BSA)で飽和した。個々のマウスに由来する血清を、PBS中の1:50希釈から始めて試験し;鼻洗浄液を、非希釈から始めて試験した。プレートを、37℃で2時間インキュベートした。特異的Igを、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスIgを用いて測定した。次いで、抗体を、基質としてo-フェニレンジアミンを添加することにより明らかにした。10分後、反応を12.5%H2SO4を添加することによりブロックした。
IgGサブクラスを、IgG1、IgG2a、IgG2b、またはIgG3ビオチン化抗体を用いて決定した。次いで、ペルオキシダーゼ-ストレプトアビジンを、各ウェルに添加し(1:1000)、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートした。結合した抗体を、上記のように視覚化した。
吸光度を490nmで読み、そしてELISA力価を、免疫前血清において測定されたレベルより大きなOD490 >0.3を与えた、最後の希釈の逆数として任意に決定した。
血清および粘膜洗浄液中の特異的IgAの力価を、ビオチン結合ヤギ抗マウスIgAα鎖特異的抗体、続いてストレプトアビジン-ペルオキシダーゼを用いて測定した。結合した抗体を、上記のようにOPD基質を用いて明らかにした。ELISA力価を、非免疫コントロールのものより大きなOD490 >0.2を与えた、最後の希釈の相互作用として任意に決定した。
値は、各プレートにおけるポジティブコントロールサンプルを用いて常に正規化した。
図6に示されるように、野生型LTおよびLT-A72Rは、最も高い抗OVA抗体応答を誘導した。LTK63は中間レベルを誘導し、そしてLTBは低い応答を与えた。抗原特異的抗体応答は、野生型LTおよびA72R変異体については単一の免疫後に検出可能であったが、(以前に記載されたように)LTK63は、血清抗OVA抗体を誘導するために少なくとも2回の免疫を必要とした。
OVA特異的IgGアイソタイプを、最後の採血の血清プールにおいて測定した(図7)。抗OVAIgG1、IgG2aおよびIgG2bの高い力価を、アジュバントとして野生型LTまたはA72R変異体を受けたグループにおいて誘導したが、変異体との優性アイソタイプはIgG2aであった。OVA特異的IgG3抗体は、決して検出され得なかった。LTBは、良いアジュバントではなかった。
全ての実験において、OVA特異的IgAは、1または2回の鼻腔内免疫の直後には決して検出されなかった。しかし、第3の免疫後に、血清IgA応答は、野生型LTならびにA72RおよびK63変異体で検出されたが、LTBでは検出されなかった(図8A)。同様のパターンは粘膜レベルで見られ(図8B)、そして3回目の免疫後、OVA特異的IgAは、野生型グループならびにA72RおよびK63変異体グループの鼻洗浄液中で見出されたが、コントロールまたはLTBグループにおいて見出されなかった。
血清抗LT抗体応答を図9に示す。マウスは第1の免疫後に応答を増し、第1の免疫は第2の免疫より著しく追加免疫された。A72R変異体は非毒性K63変異体より免疫原性であり、そして両方はLTBより非常に免疫原性であった。
b.OVAにより駆動される増殖応答
OVA+LT(野生型または変異体)での2または3回の鼻腔内免疫の14〜20日後、グループあたり2または3匹のマウスを屠殺し、そして脾臓を取り出した。脾臓細胞懸濁物を得、そして完全DMEM(10%FCS、2mML-グルタミン、15mM Hepes、100Uペニシリン/ストレプトマイシン、50mM 2-メルカプトエタノール)に再懸濁した。2×105脾臓細胞/ウェルを、U底96ウェルプレートに播種し、そして異なる濃度のOVAの存在下で5日間培養した。[3H]チミジンを、培養終了の16時間前に添加した(1μCi/ウェル)。次いで、細胞を細胞採集機で採集し、そして[3H]チミジン取り込みを、液体シンチレーション計数により評価した(図10)。
抗原と野生型またはA72RもしくはK63変異体との鼻腔内同時投与は、インビボでのOVA特異的T細胞のプライミングを誘導し、これはOVA単独またはOVA+LTBでの免疫後に検出可能なものより非常に強かったことは明らかである。
c.インビボ抗原投与
LTのLD50を、10匹のBALB/cマウス(雌、9週齢)グループを、LT(12.5μg、25μg、50μg、または100μg)またはPBSで腹腔内的に接種することにより決定した。観察の7日後、LD50を20.4μgとして決定した。
4週齢のBALB/cマウスを、1μgの毒素(LT、LTA72R、LTK63、またはLT-B)で0および21日目に鼻腔内的に免疫し、そして35日目にLT(2×LD50)で抗原投与した。それらを7日間死亡について観察した。血清を、0、20、および35日目に収集し、そして抗LT力価を(上記のように)ELISAにより分析した。
野生型または変異体LTで免疫された全てのマウスは、抗原投与から生存したが、LT-Bを受けたマウスは30%しか生存しなかった。コントロールグループにおける全てのマウスは死亡した(図11A)。
野生型LTまたはA72RもしくはK63変異体で免疫されたマウスの血清は、非常に高く、かつ匹敵するレベルの抗LT抗体を含んだ(図11B)。しかし、LT-Bを受けたマウスにおいて、力価は10〜20倍低かった。LT抗原投与から生存した3匹のLT-Bマウス(白丸)は、死亡した動物における力価より有意に高い力価を有した。
4.結論
ADPリボシル化活性は、LTのアジュバント活性に必要ではないが、低いレベルの酵素活性の存在は、同時投与された抗原に対してより早くかつより高い免疫応答を誘導するのに有用であり得る。
LTのA72R変異体は、効果的な粘膜アジュバントである。さらに、変異体は、野生型LTの免疫原性を保持し、そしてLTに対する保護免疫を誘導し得る。従って、抗下痢ワクチン接種にも有用であり得る。
もちろん、本発明は例示のみのために以上に記載され、そして改変が本発明の範囲および精神内でなされ得ることが理解される。
図1〜5は、野生型LT、変異体LTA72R(「LTR72」としてもまた示される)、および変異体LTK63の生化学的特性および生物学的特性を示す:図1は、Superdexカラムにおけるクロマトグラフィーのプロフィールであり、ピークIはホロ毒素に対応し、そしてピークIIは緩衝液中のEDTAに対応している;図2は、トリプシン消化実験のウェスタンブロットである;図3は、ポリアルギニンのインビトロでのADPリボシル化の結果を示す;そして図4および5は、それぞれ、インビトロおよびインビボでの毒性実験の結果を示す。 図1〜5は、野生型LT、変異体LTA72R(「LTR72」としてもまた示される)、および変異体LTK63の生化学的特性および生物学的特性を示す:図1は、Superdexカラムにおけるクロマトグラフィーのプロフィールであり、ピークIはホロ毒素に対応し、そしてピークIIは緩衝液中のEDTAに対応している;図2は、トリプシン消化実験のウェスタンブロットである;図3は、ポリアルギニンのインビトロでのADPリボシル化の結果を示す;そして図4および5は、それぞれ、インビトロおよびインビボでの毒性実験の結果を示す。 図1〜5は、野生型LT、変異体LTA72R(「LTR72」としてもまた示される)、および変異体LTK63の生化学的特性および生物学的特性を示す:図1は、Superdexカラムにおけるクロマトグラフィーのプロフィールであり、ピークIはホロ毒素に対応し、そしてピークIIは緩衝液中のEDTAに対応している;図2は、トリプシン消化実験のウェスタンブロットである;図3は、ポリアルギニンのインビトロでのADPリボシル化の結果を示す;そして図4および5は、それぞれ、インビトロおよびインビボでの毒性実験の結果を示す。 図1〜5は、野生型LT、変異体LTA72R(「LTR72」としてもまた示される)、および変異体LTK63の生化学的特性および生物学的特性を示す:図1は、Superdexカラムにおけるクロマトグラフィーのプロフィールであり、ピークIはホロ毒素に対応し、そしてピークIIは緩衝液中のEDTAに対応している;図2は、トリプシン消化実験のウェスタンブロットである;図3は、ポリアルギニンのインビトロでのADPリボシル化の結果を示す;そして図4および5は、それぞれ、インビトロおよびインビボでの毒性実験の結果を示す。 図1〜5は、野生型LT、変異体LTA72R(「LTR72」としてもまた示される)、および変異体LTK63の生化学的特性および生物学的特性を示す:図1は、Superdexカラムにおけるクロマトグラフィーのプロフィールであり、ピークIはホロ毒素に対応し、そしてピークIIは緩衝液中のEDTAに対応している;図2は、トリプシン消化実験のウェスタンブロットである;図3は、ポリアルギニンのインビトロでのADPリボシル化の結果を示す;そして図4および5は、それぞれ、インビトロおよびインビボでの毒性実験の結果を示す。 図6は、3回の鼻腔内免疫(矢印で示される)後の血清抗OVA抗体応答を示す。 図7は、この3回の免疫後のIgGサブクラスを示す。 図8は、この3回の免疫後の血清サンプル(8A)および鼻腔内洗浄物(8B)におけるIgAレベルを示す(平均力価および標準偏差が示される)。 図8は、この3回の免疫後の血清サンプル(8A)および鼻腔内洗浄物(8B)におけるIgAレベルを示す(平均力価および標準偏差が示される)。 図9は、血清抗LT Ig(9A)およびIgA(9B)応答を示す。 図9は、血清抗LT Ig(9A)およびIgA(9B)応答を示す。 図10は、OVAが駆動する増殖応答を示す。バックグラウンドの値(培養物にOVAを添加していない)は、1000cpmと3000cpmとの間で変動した。 図11は、野生型LT、ならびに変異体A72R、および変異体K63での鼻腔内免疫の全身性抗原投与に対する効力を示す。11Bの柱は平均力価であり、点は個々の力価である。黒点は、LTBで免疫し、かつ抗原投与に対して防御されていないマウスからの力価を示す。 図11は、野生型LT、ならびに変異体A72R、および変異体K63での鼻腔内免疫の全身性抗原投与に対する効力を示す。11Bの柱は平均力価であり、点は個々の力価である。黒点は、LT−Bで免疫し、かつ抗原投与に対して防御されていないマウスからの力価を示す。

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  1. E.coli熱不安定毒素(LT−A)のサブユニットA、またはそのフラグメントのアミノ酸配列を含む免疫原性解毒タンパク質であって、ここで、該配列またはフラグメントにおけるアミノ酸Ala−72が変異されている、タンパク質。
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